以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着剤等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
図6は左リール42Lの組立斜視図である。同図に示すように、これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61R(図6においては左リール用ステッピングモータ61Lのみ図示)に連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51が形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等のボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口75(受入部)が設けられている。メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ83によってホッパ用通路81か皿用通路82のいずれかへ導かれる。
ここで、セレクタ83について図7を用いて説明する。図7はセレクタ83の内部構造を説明するための説明図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。
セレクタ83には、メダル投入口75から投入されたメダルをホッパ用通路81へ導くための案内通路84が形成されている。案内通路84は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ83を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条84aが設けられており、その突条84aが底部を構成するようにして案内通路84が形成されている。案内通路84に到達したメダルは、突条84a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
セレクタ83は、案内通路84の上流側にあるメダルを皿用通路82へ排出するための通路切替片85を備えている。通路切替片85は、案内通路84の上流側において当該案内通路84内に出没可能に設けられている。また、通路切替片85は、図示しないソレノイドに連結されており、ソレノイドの非励磁時には案内通路84内に通路切替片85が突出する。この場合、案内通路84の上流側にあるメダルはその突出した通路切替片85に当たることで突条84aを乗り上げて下方に落下し、皿用通路82に導かれる。皿用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。一方、ソレノイドの励磁時には案内通路84外に通路切替片85が没する。これにより、メダルは案内通路84に沿って流れ、ホッパ用通路81に導かれる。ホッパ用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。
また、セレクタ83において通路切替片85の下流側には、案内通路84を通過するメダルを検出するための投入メダル検出装置86が設けられている。メダル検出装置86は、フォトセンサからなる第1投入メダル検出センサ86aと同じくフォトセンサからなる第2投入メダル検出センサ86bとを備え、これら各検出センサ86a,86bは案内通路84の流下方向に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。これら各検出センサ86a,86bにより案内通路84のメダルの通過が順次検出される。
メダルを遊技者に付与する排出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、皿用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、皿用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ83内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ83が機械的に連動して動作され、当該セレクタ83内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、仮想遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして排出される。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部36とがそれぞれ設けられている。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ83によりホッパ用通路81から皿用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施の形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施の形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122、リセットスイッチ123、及び当選確率設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。当選確率設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が当選確率設定キーを当選確率設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定の上限値の範囲内で乱数を生成し適宜更新する乱数カウンタ154などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。また、主制御装置131には、図示しない入出力ポートが設けられており、当該入出力ポートを介して各種信号の入出力が行われる。
すなわち、主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する第1,第2投入メダル検出センサ86a,86b、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、当選確率設定キー挿入孔124に当選確率設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する当選確率設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポートを介してCPU151へ出力されるようになっている。
また、主制御装置131の入力側には、電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151に供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、獲得枚数表示部36、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ83に設けられたメダル通路切替ソレノイド83a、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜36を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラム、及び後述する監視タイマカウンタ153bにセットする値や排出制御カウンタ153cにセットする値(基準回数)といった固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路などが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成されている。
RAM153について詳細に説明すると、RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのバックアップエリアが設けられている。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
また、RAM153には、仮想メダルを貯留記憶するための仮想メダル記憶エリア153aや、後述する異常判定処理(図22)にて異常を判定する上で用いられる監視タイマカウンタ153b及び排出制御カウンタ153cなどの各種カウンタエリアが設けられている。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図9〜図24のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図9はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。
図10は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図11を用いて説明する。ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポートにおける出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポートに接続された各種センサ(図8参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。
ステップS208では、各タイマの値の減算等を行うタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS210では、各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、セグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを所定の表示部に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、I/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図12は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では当選確率設定キーが当選確率設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは当選確率設定キー検出センサ124aからON信号を受信しているか否かを判定する。当選確率設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404ではいずれの当選確率に基づいて後述する抽選処理を実行させるのかを設定するための当選確率設定処理を行う。ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405に進み、通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて当選確率設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、当選確率設定値が「1」〜「6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。続くステップS413では、停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。電源遮断前の番地に戻るための具体的な処理として、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、当選確率設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図13のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS501では、貯留記憶されている仮想メダルを実際のメダルとして排出するためのメダル精算処理を実行する。このメダル精算処理については、本発明の理解をより容易なものとするため後に説明する。
続くステップS502では、メダルがベットされているか否かを判定する。すなわち、メダル投入口75よりメダルが投入されてベット設定がなされているか否か、又はクレジット投入スイッチ77〜79の操作により仮想メダルが投入されてベット設定がなされているか否かを判定する。
メダルの投入に基づくベット設定は、上述したタイマ割込み処理(図10)におけるステップS207のセンサ監視処理にて行われている。詳細には、センサ監視処理における投入メダル検出処理にて行われている。そこで、当該処理について図14のフローチャートに基づき説明する。
投入メダル検出処理では、先ずステップS601にて投入監視処理を実行する。投入監視処理では、各投入メダル検出センサ86a,86bから入力した検出信号に基づいて、メダルが投入されたか否かを確認する。
ここで、メダルが投入されたか否かを確認する方法について、図15のタイミングチャートに基づいて詳細に説明する。図中のT1〜T4はメダルの通過タイミングを示している。
メダル投入口75より投入されホッパ用通路81へ導かれるメダルは、メダル投入口75に投入されてから所定時間が経過したT1のタイミングで、第1投入メダル検出センサ86aの検出部を通過し始めることとなり、かかるタイミングで第1投入メダル検出センサ86aはON状態となる。その後、案内通路84を流下したメダルは、T2のタイミングで第2投入メダル検出センサ86bの検出部を通過し始めることとなり、かかるタイミングで第2投入メダル検出センサ86bはON状態となる。さらに、T3のタイミングで第1投入メダル検出センサ86aの検出部をメダルが通過し終わるため、かかるタイミングで第1投入メダル検出センサ86aがOFF状態となり、第2投入メダル検出センサ86bの検出部を通過し終わるT4のタイミングで第2投入メダル検出センサ86bがOFF状態となる。
主制御装置131のCPU151は、これら各センサ86a,86bがON/OFFされる順序を監視する。そして、第1,第2投入メダル検出センサ86a,86bが共にOFF、第1投入メダル検出センサ86aのみON、第1,第2投入メダル検出センサ86a,86bが共にON、第2投入メダル検出センサ86bのみON、第1,第2投入メダル検出センサ86a,86bが共にOFFという順序通りになった場合で、かつ各ON/OFF切換えに移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常にホッパ用通路81へ取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。エラーと判定した場合には、エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。このようにするのは、メダルを第1,第2投入メダル検出センサ86a,86b付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正行為を抑制するためである。
投入メダル検出処理の説明に戻り、ステップS601にて投入監視処理を実行した後は、ステップS602にて正常なメダルの検出があったか否かを判定する。正常なメダルの検出がなかった場合には、そのまま本投入メダル検出処理を終了する。正常なメダルの検出があった場合には、ステップS603にて最大ベット枚数となっているか否かを判定する。この最大ベット枚数は、例えば、遊技状態が通常ゲームの場合には「3」となっている。
最大ベット枚数でない場合には、ステップS604にてベット枚数を1加算した後に、ステップS606に進む。一方、最大ベット枚数である場合には、ステップS605にてRAM153の仮想メダル記憶エリア153aの情報(以下、仮想メダル枚数ともいう)を1加算した後にステップS606に進む。つまり、最大ベット枚数の状況においてメダルが投入されると、その投入されたメダルは仮想メダルとして貯留記憶される。
ステップS606では、最大ベット枚数であって最大仮想メダル枚数であるか否かを判定する。いずれかが最大枚数でない場合には、そのまま本投入メダル検出処理を終了する。いずれも最大枚数である場合には、ステップS607にてメダル通路切換ソレノイド83aを非励磁状態としてメダルの投入を不許可とした後に、本投入メダル検出処理を終了する。このメダルの投入を不許可とした状態は、最大ベット枚数の状態又は最大仮想メダル枚数の状態のいずれかが解消されることに応じて、解除される。
仮想メダルの投入に基づくベット設定は、投入メダル検出処理と同様に、上述したタイマ割込み処理(図10)におけるステップS207のセンサ監視処理にて行われている。詳細には、センサ監視処理における仮想メダル投入処理にて行われている。そこで、当該処理について図16のフローチャートに基づき説明する。
仮想メダル投入処理では、先ずステップS701にてクレジット投入検出センサ77a〜79aからの検出信号に基づいていずれかのクレジット投入スイッチ77〜79が操作されたか否かを判定する。いずれのクレジット投入スイッチ77〜79も操作されていない場合には、そのまま仮想メダル投入処理を終了する。いずれかのクレジット投入スイッチ77〜79が操作されている場合には、ステップS702に進む。
ステップS702では、ベット枚数設定処理を実行する。ベット枚数設定処理では、操作されたクレジット投入スイッチ77〜79に応じてベット枚数を設定する。操作されたクレジット投入スイッチ77〜79とベット枚数の設定との関係については、既に説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS703にて仮想メダル枚数の減算処理を実行した後に、本仮想メダル投入処理を終了する。仮想メダル枚数の減算処理では、ステップS702にて設定したベット枚数を仮想メダル枚数から減算するとともに、クレジット表示部35における表示をそれに合わせて変更する。
通常処理の説明に戻り、メダルがベットされているときには、続いてステップS503にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS502,ステップS503が共にYESの場合には、ステップS504にてベット不許可処理を実行する。具体的には、RAM153の遊技中フラグ格納エリアに遊技中フラグをセットする。当該遊技中フラグがセットされることにより、クレジット投入検出センサ77a〜79aからのON信号が無効化される。また、メダル通路切換えソレノイド83aが非励磁とされ、仮にメダル投入口75からメダルが投入されたとしても皿用通路82を介して遊技者にかかるメダルが返却されるようになる。さらには、精算検出センサ80aからのON信号が無効化される。
その後、ステップS505の抽選処理、ステップS506のリール制御処理、ステップS507のメダル払出処理、ステップS508のBBゲーム処理を順に実行し、ステップS509ではベット許可処理を行う。かかる処理では、RAM153の遊技中フラグ格納エリアから遊技中フラグをクリアする。これにより、クレジット投入検出センサ77a〜79a及び精算検出センサ80aからのON信号の無効化状態が解除される。また、メダル通路切換えソレノイド83aが励磁され、メダル投入口75からメダルが投入された際にホッパ用通路81へ導かれるようになる。以上の処理を行った後、ステップS501に戻る。一方、ステップS502にてメダルがベットされていない、またはステップS503にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS501に戻る。
次に、通常処理におけるステップS505〜ステップS507の各処理について説明する。なお、ステップS508のBBゲーム処理は、BBゲームの開始、BBゲームの進行、及びBBゲームの終了に関する制御を行う処理であり、ここでは詳細な説明を省略する。
ステップS505の抽選処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
ステップS801では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
ステップS802では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタ154よりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS803にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS804に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS805ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
次に、ステップS506のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS901においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転しないことがある。ウエイト処理に続いてステップS902のリール回転処理を行い、各リール42L,42M,42Rを回転させる。その後、ステップS903に進み、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合には所定時間が経過するまで待機する。所定時間が経過した場合にはステップS904に進み、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信しているか否かを判定する。停止指令が発生していない場合にはステップS905に進み、予め定められた各リール42L,42M,42Rの最大回転時間を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS904に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS906に進んで回転中の全てのリールを強制的に順次停止させる強制停止処理を行う。
一方、ステップS904にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS907に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。
続いて、ステップS908では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS909に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。
一方、ステップS908で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS910に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS911に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。
そして、ステップS906の強制停止処理の後、ステップS909のスベリテーブル変更処理の後、ステップS910にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS911の停止目判定処理を行った後には、ステップS912にて左、中、右リール42L,42M,42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS912がNOの場合にはステップS904に戻り、YESの場合には続くステップS913にて払出判定処理を行った後に本リール制御処理を終了する。
払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに「0」をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに「0」をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。
次に、ステップS507のメダル払出処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1001にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1002にてRAM153の仮想メダル記憶エリア153aの仮想メダル枚数が上限(貯留されている仮想メダル枚数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1003,S1005にて仮想メダル記憶エリア153aの仮想メダル枚数及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1006では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部36の枚数をそれぞれ1加算するための表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1002にて仮想メダル記憶エリア153aの仮想メダル枚数が上限に達しているときには、ステップS1004にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1005ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1006にて獲得枚数表示部36の枚数を1加算するための表示部変更処理を行う。ステップS1006にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1001に戻る。ステップS1001で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1007にて払出終了処理を行った後に本メダル払出処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を「0」にクリアする。
次に、メダル精算処理について説明する。上述したようにメダル精算処理は、通常処理(図13)におけるステップS501にて実行される。つまり、遊技が開始されるまでは繰り返し実行され、ステップS504にてベット不許可処理が実行され遊技が開始された後は当該遊技が終了しステップS509にてベット許可処理が実行されるまでは実行されない。メダル精算処理では、精算スイッチ80の操作に基づいて、貯留記憶されている仮想メダルをメダルとして排出する処理を実行する。このメダル精算処理について図20のフローチャートに基づき詳細に説明する。
メダル精算処理では、先ずステップS1101にて、前回の遊技回において再遊技入賞が成立し、再遊技設定がなされているか否かを判定する。再遊技入賞とは、抽選処理にて再遊技当選となり、有効ライン上に再遊技図柄の組合せが成立することにより発生する。そして、再遊技入賞が成立した場合には、遊技者にとっては、次の遊技回をメダル又は仮想メダルの投入を要することなく開始させることができる。再遊技設定がなされている場合には、そのまま本メダル精算処理を終了し、再遊技設定がなされていない場合には、ステップS1102に進む。
ステップS1102では、精算検出センサ80aからの検出信号に基づいて、精算スイッチ80が操作されたか否かを判定する。精算スイッチ80が操作されていない場合には、そのまま本メダル精算処理を終了する。精算スイッチ80が操作されている場合には、ステップS1103に進む。
ステップS1103では、RAM153の仮想メダル記憶エリア153aを確認することで、仮想メダルが貯留記憶されているか否かを判定する。仮想メダルが貯留記憶されていない場合には、メダルを排出する(精算する)必要がないため、そのまま本メダル精算処理を終了する。仮想メダルが貯留記憶されている場合には、ステップS1104の異常判定処理、ステップS1105の排出制御処理を順に実行した後に、本メダル精算処理を終了する。
なお、ステップS1103において、仮想メダル又はベットメダル(賭け操作が行われることにより投入されたメダル)の少なくとも一方があるか否かを判定する構成としてもよい。この場合、仮想メダル又はベットメダルのいずれか一方でもある場合にはステップS1103にて肯定判定をし、仮想メダル及びベットメダルのいずれもない場合にはステップS1103にて否定判定をする。当該構成においては、ステップS1104の異常判定処理及びステップS1105の排出制御処理は、仮想メダル及びベットメダルの両方に対して行われることとなる。また、かかる構成に代えて、仮想メダルについてのみ、ステップS1104の異常判定処理及びステップS1105の排出制御処理を行い、ベットメダルについては異常判定処理を行うことなく、さらには上記排出制御処理とは別の排出制御処理を行う構成としてもよい。
次に、ステップS1104の異常判定処理、及びステップS1105の排出制御処理について説明する。但し、ここでは、本発明の理解を容易なものとするために、先ずステップS1105の排出制御処理を説明し、その後、ステップS1104の異常判定処理を説明する。
ステップS1105の排出制御処理について図21のフローチャートに基づき説明する。
排出制御処理では、先ずステップS1201にてRAM153の仮想メダル記憶エリア153aを確認することにより、仮想メダル枚数が「0」か否かを判定する。仮想メダル枚数が「0」でないときには、ステップS1202にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1203ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aからのメダル検出信号に応じて仮想メダル枚数を1減算する。その後、ステップS1204にてクレジット表示部35の枚数を1減算する表示変更処理を行う。ステップS1204にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1201に戻る。ステップS1201で仮想メダル枚数が「0」となったときには、本排出制御処理を終了する。
なお、ステップS1201において、仮想メダル及びベットメダルの和を算出し、その算出した値が「0」か否かを判定する構成とするとともに、ステップS1203では仮想メダル又はベットメダルのいずれかの減算処理を行う構成としてもよい。
次に、ステップS1104の異常判定処理について図22のフローチャートに基づき説明する。
詳細な説明に先立って、概略を説明する。スロットマシン10では、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせ、その貯留記憶させた仮想メダルを実際のメダルとして排出させることで、メダルを取得しようとする不正行為が想定される。当該不正行為としては、例えば、2個連設された投入メダル検出センサ86a,86bの間隔に対応させて2つの発光体をフィルムなどに埋設させた不正用冶具を用いるものが考えられる。この場合、各発光体が各投入メダル検出センサ86a,86bの検出部にくるようにフィルムを挿入し、各投入メダル検出センサ86a,86bの正規の検出順序に対応させて各発光体を点滅させることでメダルの投入を誤検出させ、仮想メダルの貯留記憶を行わせるものと考えられる。そして、仮想メダルの貯留記憶を行わせた後に精算スイッチ80を操作することにより、不正にメダルを取得することができてしまう。かかる行為が行われ続けると、遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。これに対して、異常判定処理では、排出制御処理(図21)が実行される回数(排出制御回数)と予め設定された基準回数とを比較することにより異常の有無を判定し、異常有りと判定した場合には異常処理を実行する。
さて、異常判定処理では、先ずステップS1301にてRAM153の監視タイマカウンタ153bの値が「0」か否かを判定する。この監視タイマカウンタ153bは、規定期間内に基準回数以上の排出制御処理が実行されたか否かを判定する上で、その規定期間を把握するためのカウンタであり、上述したタイマ割込み処理(図10)におけるステップS208のタイマ演算処理を構成する監視タイマ処理にて、カウント値のセット処理及びその減算処理が実行される。
ここで、監視タイマ処理について図23のフローチャートに基づき説明する。
監視タイマ処理では、先ずステップS1401にてRAM153の遊技中フラグ格納エリアに遊技中フラグがセットされているか否かを判定することにより、現在が遊技中か否かを判定する。この遊技中フラグは、上述したように、通常処理(図13)におけるステップS504のベット不許可処理にてセットされ、ステップS509のベット許可処理にてクリアされる。また、ステップS1402では、監視タイマカウンタ153bの値が「0」か否かを判定する。
現在が遊技中ではなくステップS1401にて否定判定をし、さらに監視タイマカウンタ153bの値が「0」でありステップS1402にて肯定判定をした場合には、ステップS1403に進む。
ステップS1403では、異常報知解除処理を実行する。この異常報知解除処理では、異常判定処理にて後述する異常報知処理が実行されている場合にそれを解除するための処理である。当該異常報知解除処理については後に説明する。なお、後述する遊技禁止処理中においては、当該ステップS1403の異常報知解除処理では異常報知処理の解除を実行しない。
続くステップS1404では、精算検出センサ80aからの検出信号に基づいて、精算スイッチ80が操作されたか否かを判定する。精算スイッチ80が操作されていない場合には、そのまま本監視タイマ処理を終了する。精算スイッチ80が操作されている場合にはステップS1405に進む。
ステップS1405では、RAM153の仮想メダル記憶エリア153aを確認することで、仮想メダルが貯留記憶されているか否かを判定する。仮想メダルが貯留記憶されていない場合には、そのまま本監視タイマ処理を終了する。仮想メダルが貯留記憶されている場合には、ステップS1406、及びステップS1407の監視初期設定処理を実行する。
なお、ステップS1405において、仮想メダル又はベットメダルの少なくとも一方があるか否かを判定する構成としてもよい。この場合、仮想メダル又はベットメダルのいずれか一方でもある場合にはステップS1405にて肯定判定をし、仮想メダル及びベットメダルのいずれもない場合にはステップS1405にて否定判定をする。
ステップS1406では、監視タイマカウンタ153bに「201343」をセットする。ここで、後述するように監視タイマカウンタ153bにカウント値がセットされている場合、当該カウント値は監視タイマ処理が実行される度に、すなわちタイマ割込み処理が実行される度に1減算される。また、タイマ割込み処理は上述したように、1.49msec周期で起動される。したがって、監視タイマカウンタ153bにセットされたカウント値は約1.49msec周期で、1ずつ減算されていく。当該処理構成において、ステップS1406では、監視タイマカウンタ153bに「201343」をセットする。すなわち、ステップS1406では、201343×1.49msec≒5minの時間が、監視タイマカウンタ153bにセットされることとなる。
続くステップS1407では、RAM153の排出制御カウンタ153cに基準回数をセットする。この基準回数は、排出制御の回数が異常か否かを判定する上で基準となる回数であり、本スロットマシン10では具体的に「5」をセットする。その後、本監視タイマ処理を終了する。
一方、現在が遊技中でありステップS1401にて肯定判定をした場合、又は現在が遊技中ではないが監視タイマカウンタ153bの値が「0」ではなくステップS1402にて否定判定をした場合、ステップS1408にて監視タイマカウンタ153bの値を1減算した後に本監視タイマ処理を終了する。ちなみに、監視タイマカウンタ153bの値が「0」の場合においては、ステップS1408ではその「0」の状態を維持するだけで減算処理を行わない。
異常判定処理の説明に戻り、監視タイマカウンタ153bの値が「0」である場合には、ステップS1301にて待機する。そして、その後、監視タイマ処理におけるステップS1406にて監視タイマカウンタ153bに「201343」がセットされることにより、ステップS1301にて否定判定をし、ステップS1302に進む。
ステップS1302では、排出制御回数の把握処理として排出制御カウンタ153cを1減算し、ステップS1303に進む。ここで、異常判定処理は、上述したようにメダル精算処理(図20)において、精算スイッチ80が操作されたと判定され、且つ仮想メダルが貯留記憶されていると判定された場合に実行される。一方、排出制御処理(図21)は異常判定処理の後に実行される。したがって、排出制御回数の把握処理は、排出制御処理の実行が完了したタイミングではなく、排出制御処理の実行が許容されたタイミングで実行されていると言える。これは、後述するステップS1303〜ステップS1307の処理についても同様である。
ステップS1303では、排出制御回数が規定期間内に第1基準回数に達したか否かを判定するための第1判定処理を実行する。具体的には、排出制御カウンタ153cの値が「2」以下か否かを判定する。
排出制御カウンタ153cの値が「2」以下でない場合には、そのまま本異常判定処理を終了する。排出制御カウンタ153cの値が「2」以下の場合には、ステップS1304にて、第1異常処理としての異常報知処理を実行する。異常報知処理とは、遊技を禁止する前段階として遊技ホールの管理者などに注意を促すための処理である。具体的には、表示制御装置111に対して第1エラーコマンドを出力することにより、上部ランプ13を所定の態様で点灯させる。なお、当該異常報知の態様は、これに限定されることはなく、例えば、スピーカ14から所定の報知音又は報知音声を出力する構成としてもよく、補助表示部15にて所定の報知表示を行う構成としてもよい。さらには、外部集中端子板171を介してホール管理装置にエラー信号を送信する構成としてもよい。
続くステップS1305では、排出制御回数が規定期間内に第2基準回数に達したか否かを判定するための第2判定処理を実行する。具体的には、排出制御カウンタ153cの値が「0」か否かを判定する。
排出制御カウンタ153cの値が「0」でない場合には、そのまま本異常判定処理を終了する。排出制御カウンタ153cの値が「0」の場合には、ステップS1306にて、第2異常処理としての遊技禁止処理を実行する。当該遊技禁止処理として具体的には、リセット検出センサ123aからの検出信号に基づいてリセットスイッチ123が操作されたか否かを判定し、操作されるまで待機する。これにより、リセットスイッチ123が操作されるまで主制御装置131のCPU151における通常処理が進行しなくなり、遊技が禁止される。当該遊技禁止処理を実行することにより、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせ、その貯留記憶された仮想メダルを実際のメダルとして排出させることでメダルを取得しようとする不正行為が行われ続けることを、防止することができる。
特に、異常判定処理は、上述したようにメダル精算処理(図20)において、排出制御処理(図21)の前に実行される。したがって、遊技禁止処理が実行されることにより排出制御処理が禁止され、貯留記憶されている仮想メダルが実際のメダルとして排出されることが禁止される。
その後、リセットスイッチ123が操作されることにより、ステップS1306にて肯定判定をし、ステップS1307に進む。ステップS1307では、異常報知解除処理を実行する。具体的には、表示制御装置111に対してエラー解除コマンドを出力する。これにより、既に実行されている異常報知が解除される。ここで、上述したように、監視タイマ処理(図23)において、監視タイマカウンタ153bの値が「0」でありステップS1402にて肯定判定をした場合には、ステップS1403にて異常報知解除処理を実行する。したがって、規定期間内に排出制御回数が第1基準回数に達したとしても、当該規定期間内に排出制御回数が第2基準回数に達しなかった場合には、当該規定期間の経過を持って既に実行されている異常報知が解除される。
また、ステップS1307では、仮想メダル記憶エリア153aの仮想メダル枚数を「0」とするとともに、監視タイマカウンタ153bに「0」をセットする。その後、本異常判定処理を終了する。
次に、上述した異常判定処理が実行されることに基づく、異常判定の態様について図24のタイミングチャートに基づき説明する。なお、図24において(a)の判定期間は、RAM153の監視タイマカウンタ153bが「0」となっていない期間を表す。
先ず、第1のパターンについて説明する。RAM153の監視タイマカウンタ153bによる期間の計測が行われていない状況であって、仮想メダルが貯留記憶されている状況において、t1のタイミングで精算スイッチ80が操作されることにより、監視タイマカウンタ153bによる期間の計測が開始されるとともに、RAM153の排出制御カウンタ153cに基準回数がセットされる。その後、仮想メダルが貯留記憶されている状況における新たな精算スイッチ80の操作が行われることなく、t2のタイミングで規定期間(5min)が経過することにより、何ら異常処理が実行されることなく今回の判定が終了する。当該第1のパターンは上記不正行為が行われない場合の典型的な例である。
次に、第2のパターンについて説明する。監視タイマカウンタ153bによる期間の計測が行われていない状況であって、仮想メダルが貯留記憶されている状況において、t3のタイミングで精算スイッチ80が操作されることにより、監視タイマカウンタ153bによる期間の計測が開始されるとともに、排出制御カウンタ153cに基準回数がセットされる。その後、t4のタイミング及びt5のタイミングのそれぞれで、仮想メダルが貯留記憶されている状況における新たな精算スイッチ80の操作が行われることにより、排出制御カウンタ153cの値が「2」となる。すなわち、排出制御回数が第1基準回数に達する。この場合、第1異常処理として異常報知が開始される。その後、仮想メダルが貯留記憶されている状況における新たな精算スイッチ80の操作が行われることなく、t6のタイミングで規定期間が経過することにより、第2異常処理が実行されることなく今回の判定が終了し、さらに既に実行されている異常報知が解除される。当該第2のパターンは、不正行為ではなく規定期間内に排出制御回数が第1基準回数に達する場合に発生する。また、不正行為が行われた場合において異常報知が実行されたことで、遊技ホールの管理者等が当該不正行為を発見し、その後、不正行為が継続されることを阻止した場合にも発生する。
次に、第3のパターンについて説明する。監視タイマカウンタ153bによる期間の計測が行われていない状況であって、仮想メダルが貯留記憶されている状況において、t7のタイミングで精算スイッチ80が操作されることにより、監視タイマカウンタ153bによる期間の計測が開始されるとともに、排出制御カウンタ153cに基準回数がセットされる。その後、仮想メダルが貯留記憶されている状況における新たな精算スイッチ80の操作が繰り返し行われることにより、t8のタイミングで排出制御回数が第1基準回数に達することで異常報知が開始され、さらにt9のタイミングで排出制御回数が第2基準回数に達する(排出制御カウンタ153cの値が「0」となる)ことで第2異常処理としての遊技禁止処理が開始される。これにより、上記不正行為がさらに続けて行われることを防止することができる。その後、リセットスイッチ123が操作されることにより、異常報知が解除されるとともに、遊技禁止処理が解除される。
以上詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置131のRAM153に排出制御カウンタ153cを設け、仮想メダルを実際のメダルとして排出する排出制御処理(図21)の回数を把握するようにした。そして、その排出制御回数が規定期間内に基準回数に達した場合に異常処理を実行するようにした。これにより、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせることに基づいてメダルを取得する不正行為が行われ続けることを抑制することができる。
RAM153の監視タイマカウンタ153bにより上記規定期間の計測が実行されていない状態において排出制御処理の実行に対応したタイミングとなることで、規定期間の計測を開始し、排出制御回数の監視を開始するようにした。かかる構成とすることにより、異常の有無の判定が繰り返し実行され、上記不正行為が行われ続けることを好適に抑制することができる。
一連の処理として排出制御処理を含むメダル精算処理(図20)において、異常判定処理(図22)を実行するようにした。これにより、排出制御処理の実行に1対1で対応させて異常の有無の判定が実行されるため、排出制御回数が基準回数に達した場合にはその達したタイミングで異常処理を実行することができる。
また、メダル精算処理は、ベット許可状態において実行され、ベット不許可状態においては実行されない。すなわち、遊技が開始され当該遊技が継続している状況において異常判定処理が実行されないようになっている。遊技に関わる制御では、抽選処理(図17)やリール制御処理(図18)が実行され、その制御の処理負荷は比較的大きなものであり、当該遊技に関わる制御に対して異常判定処理が並行して行われると主制御装置131のCPU151における制御処理負荷が増大してしまうおそれがある。これに対して、上記のとおりメダル精算処理はベット許可状態において実行されるため、遊技に関わる制御に対して異常判定処理が並行して行われることはなく、上記のような制御処理負荷の増大化が抑制されている。
メダル精算処理において排出制御処理が実行される前に異常判定処理を実行するようにした。また、排出制御カウンタ153cでは、仮想メダルが貯留記憶されている状況において精算スイッチ80が操作された回数を排出制御回数として把握するようにした。これにより、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせることに基づいてメダルを取得する不正行為が繰り返し行われ、当該不正行為の回数が基準回数に達した場合には、その基準回数目における排出制御処理が実行される前のタイミングで異常有りと判定することができる。また、本構成によれば、異常有りと判定した場合には、その基準回数目における排出制御処理が実行される前のタイミングで異常処理を実行することができる。これにより、基準回数目におけるメダルの不正取得を阻止することが可能となり、上記不正行為が行われ続けることを抑制できるだけでなく、遊技ホールの被る被害を極力抑えることが可能となる。
排出制御回数が第1基準回数に達することで第1異常処理(具体的には、異常報知処理)を実行し、排出制御回数が第2基準回数に達することで第2異常処理(具体的には、排出制御禁止処理を含めた遊技禁止処理)を実行するようにした。このように複数段階で異常処理を実行するようにすることで、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせることに基づいてメダルを取得する不正行為が行われ続けることを好適に抑制することができる。
特に、本実施の形態では、第1異常処理として、上部ランプ13などにて異常報知を実行させることで排出制御回数が異常である旨を報知するとともに、第2異常処理として、その後の排出制御禁止処理を含めた遊技禁止処理を実行するようにした。この場合、第1異常処理が実行されることで不正行為に対する注意を促すことができるとともに、第2異常処理が実行されることで不正行為が行われ続けることを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、排出制御回数が第1基準回数に達することにより第1異常処理を実行し、排出制御回数が第2基準回数に達することにより第2異常処理を実行するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、このように複数段階の異常処理を実行しない構成としてもよい。具体的には、排出制御回数が基準回数に達した場合には、異常報知と排出制御禁止処理とを合わせて実行する構成としてもよい。この場合、異常判定処理の構成を上記実施の形態よりも簡略化することができる。また、例えば、基準回数を3パターン以上設定し、それぞれに対応させて異常処理を実行する構成としてもよい。この場合、上記実施の形態よりも多段階の異常処理を実行することができ、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせることに基づいてメダルを取得する不正行為が行われ続けることをより好適に抑制することができる。
(2)上記実施の形態では、第1異常処理では報知処理を行い、第2異常処理では遊技禁止処理を行う構成としたが、これを変更してもよい。例えば、第1異常処理及び第2異常処理のいずれにおいても報知処理を実行する構成としてもよい。但し、各異常処理において報知の態様を変更する。
また、第2異常処理では、遊技禁止処理を行うのではなく、排出制御禁止処理を行う構成としてもよい。具体的には、リセットスイッチ123の操作などといった異常解除処理が実行されるまで精算スイッチ80の操作(又は精算検出センサ80aからの信号)を無効化する構成としてもよい。さらには、基準回数を3パターン設定する構成においては、第1異常処理として報知処理を行い、第2異常処理として排出制御禁止処理を行い、第3異常処理として遊技禁止処理を行う構成としてもよい。
(3)上記実施の形態では、RAM153の監視タイマカウンタ153bの値が「0」となっている状況であってRAM153の仮想メダル記憶エリア153aに仮想メダルが貯留記憶されている状況において精算スイッチ80が操作されることにより、監視タイマカウンタ153bへのカウント値のセット、及び排出制御カウンタ153cへのカウント値のセットを行う構成としたが、当該セットタイミングを異ならせてもよい。例えば、監視タイマカウンタ153bの値が「0」となったタイミングで、監視タイマカウンタ153bへのカウント値のセット、及び排出制御カウンタ153cへのカウント値のセットを行う構成としてもよい。より具体的には、監視タイマ処理(図23)においてステップS1404及びステップS1405の処理を実行しないようにする。これにより、ステップS1402にて監視タイマカウンタ153bの値が「0」であると判定された場合に、監視タイマカウンタ153bへのカウント値のセット、及び排出制御カウンタ153cへのカウント値のセットが行われる。すなわち、本構成では、「所定開始タイミング」は、「規定期間計測手段による規定期間の計測が完了したタイミング」となる。
(4)また、上記(3)の構成に対して、上記実施の形態のように異常処理を2段階で行う構成を適用してもよく、また、上記(1)の構成を適用してもよい。
(5)主制御装置131のRAM153に、少なくとも「基準回数―1」個分の排出制御カウンタ153cを設ける構成としてもよい。当該構成において、異常判定処理では、それら各排出制御カウンタ153cと1対1で対応させて異常の判定を実行する構成とする。具体的には、RAM153に排出制御カウンタ153cと1対1で対応させて監視タイマカウンタ153bを設けるとともに、排出制御カウンタ153cと1対1で対応するように異常判定処理を設定する。なお、当該構成において、排出制御カウンタ153cと1対1で対応させて監視タイマカウンタ153bを設けるのではなく、加算方式の一の監視用タイマを設け、当該監視用タイマにより各排出制御カウンタ153cの規定期間を計測する構成としてもよい。
当該構成とすることにより、排出制御回数の監視を、少なくとも「基準回数―1」の範囲内においてそれぞれ異なるタイミングで開始することが可能となる。つまり、少なくとも「基準回数―1」の範囲内で排出制御の実行に対応したタイミングとなる度に、その排出制御を起点として排出制御回数の監視を開始させることが可能となる。これにより、排出制御1回分ずれた範囲で、排出制御回数の監視をそれぞれオーバーラップさせて行うことが可能となり、当該排出制御回数の監視を好適に行うことが可能となる。
(6)上記実施の形態では、規定期間内に排出制御回数が基準回数に達した場合に異常処理を実行する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、規定遊技回数内において排出制御回数が基準回数に達した場合に異常処理を実行する構成としてもよい。この場合、「所定終了タイミング」は、所定開始タイミングとなってから規定遊技回数が経過したタイミングとなる。
(7)上記実施の形態では、RAM153の監視タイマカウンタ153bを減算方式としたが、これを加算方式としてもよい。さらには、規定期間は5minに限定されることはなく、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせることに基づいてメダルを取得する不正行為が行われ続けることを抑制でき、且つ、不正行為ではない通常時において異常処理が実行されることを抑制できるのであれば、任意である。
(8)また、監視タイマカウンタ153bを設けるのではなく、RTC(リアルタイムクロック)を設けてもよい。このようにRTCを設けた構成においては、主制御装置131のRAM153に精算タイミング履歴記憶手段としてのリングバッファを設けると良い。リングバッファは、複数の記憶エリアを有しており、各記憶エリアはRTCの計測時間データを格納可能なデータ量で構成されている。また、リングバッファには、ポインタが設けられており、当該ポインタの情報によってRTCの計測時間データをいずれの記憶エリアに格納するかが特定される。そして、このポインタの情報は、計測時間データの格納を行う度に更新されるようになっており、その更新順序は各記憶エリアが順次格納対象となるように設定されている。なお、最終順番目の記憶エリアに計測時間データの格納を行った後は、最初の順番目の記憶エリアにポインタの情報が更新される。
上記構成において、リングバッファの各記憶エリアには、排出制御の実行に対応したタイミングにおけるRTCの計測時間データを格納するようにする。そして、それら各記憶エリアに格納された計測時間データに基づいて排出制御回数が異常か否かを判定するようにする。
かかる判定としては、例えば、排出制御の実行に対応したタイミングとなった場合に、当該タイミングにおける排出制御を起点として基準回数前の排出制御に対応した記憶エリアを参照し、その記憶エリアに格納された計測時間データが基準時間の範囲内に入っているか否かを判定する。そして、基準時間の範囲内に入っている場合には、異常処理を実行するようにする。
また、排出制御の実行に対応したタイミングとなった場合に、当該タイミングにおける排出制御を起点として基準時間前までに含まれる記憶エリアを把握し、その含まれる記憶エリアの数が基準数に達しているか否かを判定する。そして、基準数に達している場合には、異常処理を実行するようにする。
上記構成によっても、排出制御回数が異常か否かの判定を行うことができ、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせることに基づいてメダルを取得する不正行為が行われ続けることを抑制することができる。
(9)上記実施の形態では、RAM153の排出制御カウンタ153cを減算方式としたが、これを加算方式としてもよい。また、基準回数(第1基準回数又は第2基準回数)は上記実施の形態における回数に限定されることはなく、仮想メダルの貯留記憶を不正に行わせることに基づいてメダルを取得する不正行為が行われ続けることを抑制でき、且つ、不正行為ではない通常時において異常処理が実行されることを抑制できるのであれば、任意である。
(10)上記実施の形態では、メダル精算処理(図20)において、排出制御処理(図21)の前に異常判定処理(図22)を実行する構成としたが、これに代えて、排出制御処理の後に異常判定処理を実行する構成としてもよい。当該構成においては、排出制御回数とは、排出制御処理が実行された回数となる。また、メダル精算処理において異常判定処理を実行するのではなく、通常処理(図13)においてメダル精算処理の後に異常判定処理を実行する構成としてもよい。
(11)上記実施の形態では、第2異常処理として遊技禁止処理が実行された場合における解除手段をリセットスイッチ123としたが、これに限定されることはなく、専用の解除手段を設ける構成としてもよい。また、キーシリンダ20に対して当該解除手段としての機能を兼用させてもよい。すなわち、キーシリンダ20に挿し込んだキーを一方に回すことにより筐体11に対する前面扉12の解錠が行われ、それとは逆方向に回すことにより遊技禁止処理が解除される構成としてもよい。
(12)投入メダル検出センサ86a,86bとしてダブルセンサを備える構成に限定されることはなく、一の投入メダル検出センサのみ設けられたスロットマシンに対して本発明を適用してもよく、また、3個以上の投入メダル検出センサが設けられたスロットマシンに対して本発明を適用してもよい。さらには、投入メダル検出センサとして、フォトセンサ以外のセンサを用いたスロットマシンに対して本発明を適用してもよい。
(13)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(14)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機であってクレジット機能を備えた遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
10…遊技機としてのスロットマシン、13…報知手段としての上部ランプ、41…遊技装置としてのリールユニット、71…開始操作手段としてのスタートレバー、72〜74…終了操作手段としてのストップスイッチ、75…受入口としてのメダル投入口、77〜79…ベット操作手段としてのクレジット投入スイッチ、80…排出操作手段としての精算スイッチ、84…案内通路、86a,86b…検出手段としての投入メダル検出センサ、91…排出手段としてのホッパ装置、131…主制御装置、151…排出制御手段及び判定手段等といった各種機能を有するCPU、152…ROM、153…RAM、153a…貯留記憶手段としての仮想メダル記憶エリア、153b…期間計測手段としての監視タイマカウンタ、153c…回数把握手段としての排出制御カウンタ。