JP2017122140A - ゴム組成物及びそれを用いたゴムシール - Google Patents

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大志郎 佐々木
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Abstract

【課題】耐油性及び耐ブリスター性のいずれもが優れるゴム組成物を提供する。【解決手段】ゴム組成物は、水素化ニトリルゴムとエチレン−α−オレフィンエラストマーとを含み且つ前者の含有量が後者の含有量以上であるブレンドゴムのベースゴムにポリブタジエンが配合され、ベースゴムと共にポリブタジエンが架橋されたものである。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたゴムシールに関する。
ゴムシールに用いられるゴム組成物として、水素化ニトリルゴム、或いは、水素化ニトリルゴムとエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーゴムとのブレンドゴムをベースゴムとしたものが知られている。例えば、特許文献1には、よう素価が15g/100g以下の水素化ニトリルゴムと、SRF、FEF、及びHAFのうちから選ばれる少なくとも1種のカーボンブラックと、脂肪族二塩基酸エステルとを含有するゴム組成物で形成されたゴムシールが開示されている。特許文献2には、水素化ニトリルゴム95〜55質量%及びエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーゴム5〜45質量%のブレンドゴムをベースゴムとして有機化酸化物により架橋されたゴム組成物で形成されたゴムシールが開示されている。
特開2004−175877号公報 特許第3344187号公報
本発明の課題は、耐油性及び耐ブリスター性のいずれもが優れるゴム組成物を提供することである。
本発明のゴム組成物は、水素化ニトリルゴムとエチレン−α−オレフィンエラストマーとを含み且つ前者の含有量が後者の含有量以上であるブレンドゴムのベースゴムにポリブタジエンが配合され、前記ベースゴムと共に前記ポリブタジエンが架橋されたものである。
本発明のゴムシールは、本発明のゴム組成物で形成されたものである。
本発明によれば、水素化ニトリルゴムとエチレン−α−オレフィンエラストマーとを含み且つ前者の含有量が後者の含有量以上であるブレンドゴムがベースゴムとされると共に、そのベースゴムに共架橋剤となるポリブタジエンが配合され、そして、それらが架橋されていることにより、耐油性及び耐ブリスター性のいずれも優れた性能を得ることができる。
カーエアコンディショナー用コンプレッサーに用いられるシール部材の部分断面図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係るゴム組成物は、水素化ニトリルゴム(以下「H−NBR」という。)とエチレン−α−オレフィンエラストマーとを含み且つ前者の含有量が後者の含有量以上であるブレンドゴムをベースゴムとする。そして、実施形態に係るゴム組成物は、そのベースゴムにポリブタジエンが配合され、ベースゴムと共にポリブタジエンが架橋されたものである。
この実施形態に係るゴム組成物によれば、H−NBRとエチレン−α−オレフィンエラストマーとを含み且つ前者の含有量が後者の含有量以上であるブレンドゴムがベースゴムとされると共に、そのベースゴムに共架橋剤となるポリブタジエンが配合され、そして、それらが架橋されていることにより、後述の実施例で示す通り、耐油性及び耐ブリスター性のいずれも優れた性能を得ることができる。なお、本出願における「ブリスター」とは、ゴム組成物内に存在した液体又は気体が減圧されて膨張した際にゴム組成物の表面に現れる破裂痕や膨らみをいう。
ベースゴムは、単一種のH−NBRのみを含んでいても、また、複数種のH−NBRを含んでいても、どちらでもよい。ベースゴムにおけるH−NBRの含有量(A)は、50質量%以上であるが、優れた耐油性を得る観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上であり、また、優れた耐ブリスター性を得る観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%、更に好ましくは75質量%以下である。
H−NBRの結合アクリロニトリル量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以下であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。結合アクリロニトリル量は、JISK6384に基づいて測定される。
H−NBRのよう素価は、好ましくは8mg/100mg以上、より好ましくは10mg/100mg以上であり、また、好ましくは15mg/100mg以下、より好ましくは12mg/100mg以下である。よう素価は、H−NBRの試料に対して過剰のよう素を加えて完全に反応させた後、残ったよう素の量を酸化還元滴定により定量することにより測定される。
H−NBRの100℃におけるムーニー粘度は、好ましくは80ML1+4(100℃)以上、より好ましくは100ML1+4(100℃)以上であり、また、好ましくは200ML1+4(100℃)以下、より好ましくは150ML1+4(100℃)以下である。ムーニー粘度は、JISK6300に基づいて測定される。
エチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(以下「EPDM」という。)、エチレン−プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン−オクテンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー等が挙げられる。ベースゴムは、単一種のエチレン−α−オレフィンエラストマーのみを含んでいても、また、複数種のエチレン−α−オレフィンエラストマーを含んでいても、どちらでもよい。ベースゴムは、エチレン−α−オレフィンエラストマーとしてEPDMを含んでいることが好ましく、EPDMのみを含んでいることがより好ましい。その場合、ベースゴムは、単一種のEPDMのみを含んでいても、また、複数種のEPDMを含んでいても、どちらでもよい。ベースゴムにおけるエチレン−α−オレフィンエラストマーの含有量(B)は、50質量%以下であるが、優れた耐ブリスター性を得る観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、また、優れた耐油性を得る観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
ベースゴムにおけるエチレン−α−オレフィンエラストマーの含有量(B)に対するH−NBRの含有量(A)の比(A/B)は、1以上であるが、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上であり、また、好ましくは9.5以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下である。
エチレン−α−オレフィンエラストマーのエチレン含量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上であり、また、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。エチレン含量は、ASTM D3900に基づいて測定される。
ベースゴムがEPDMを含む場合、そのジエン成分としては、例えば、エチリデンノボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。これらのうちエチリデンノボルネンが好ましい。ベースゴムがEPDMを含み、そのジエン成分がエチリデンノボルネンである場合、そのENB含量は、好ましくは4.5質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上であり、また、好ましくは6.0質量%以下、より好ましくは5.5質量%以下である。ENB含量は、ASTM D6047に基づいて測定される。
エチレン−α−オレフィンエラストマーの125℃におけるムーニー粘度は、好ましくは40ML1+4(125℃)以上、より好ましくは60ML1+4(125℃)以上であり、また、好ましくは80ML1+4(125℃)以下、より好ましくは70ML1+4(125℃)以下である。ムーニー粘度は、H−NBRと同様、JISK6300に基づいて測定される。
ベースゴムにおけるH−NBRの含有量(A)とエチレン−α−オレフィンエラストマーの含有量(B)との和は100質量%であることが最も好ましいが、ベースゴムは、耐油性及び耐ブリスター性に影響を及ぼさない範囲で、クロロプレンゴム等の他のゴム成分を含んでいてもよい。
共架橋剤のポリブタジエンは、1,2−付加のみの重合体であっても、1,4付加のみの重合体であっても、それらが混在した重合体であっても、いずれでもよい。1,2−付加及び1,4付加が混在した重合体の場合、1,2−付加の含有率が高いことが好ましい。ポリブタジエンにおける1,2−付加したブタジエンの含有量は、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。1,2−付加したブタジエンの含有量は、例えば示差走査熱量測定(DSC)や核磁気共鳴法(NMR法)で測定される。
ポリブタジエンの数平均分子量(Mn)は、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上であり、また、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下である。数平均分子量(Mn)は、例えばポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)で測定される。
ポリブタジエンは、常温(25℃)において液状である液状ポリブタジエンであることが好ましい。この場合、ポリブタジエンの45℃における粘度は、好ましくは10Pa・s以上、より好ましくは15Pa・s以上であり、また、好ましくは30Pa・s以下、より好ましくは25Pa・s以下である。この粘度は、測定温度を45℃としてB型粘度計を用いて測定される。
ポリブタジエンの配合量(C)は、優れた耐油性及び耐ブリスター性を得る観点から、ベースゴム100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは4質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。
ポリブタジエンの配合量(C)に対するH−NBRの含有量(A)の比(A/C)は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上であり、また、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下である。
ポリブタジエンの配合量(C)に対するエチレン−α−オレフィンエラストマーの含有量(B)の比(B/C)は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは6以上であり、また、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。
実施形態に係るゴム組成物は、ベースゴム間、ポリブタジエン間、及びそれら相互間が架橋しているが、それらの架橋は、有機化酸化物のみを架橋剤とした架橋であっても、硫黄のみを架橋剤とした架橋であっても、有機化酸化物及び硫黄の両方を架橋剤とした架橋であっても、いずれでもよい。実施形態に係るゴム組成物の架橋は、少なくとも有機化酸化物を架橋剤とした架橋を含むことが好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、α,α’−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。有機化酸化物は、単一種のみが用いられていても、また、複数種が用いられていても、どちらでもよい。有機化酸化物は、少なくともα,α’−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンが用いられていることが好ましい。有機過酸化物の配合量は、優れた耐油性及び耐ブリスター性を得る観点から、ベースゴム100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
実施形態に係るゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラック等が挙げられる。カーボンブラックは、単一種のみが含まれていても、また、複数種が含まれていても、どちらでもよい。カーボンブラックは、少なくともFEFが含まれていることが好ましい。カーボンブラックの含有量は、ベースゴム100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。
実施形態に係るゴム組成物は、必要に応じて、加工助剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイル、老化防止剤等のゴム配合剤を含んでいてもよい。
実施形態に係るゴム組成物のJISK6301に基づいて測定される引張強さTは、好ましくは20MPa以上、より好ましくは30MPa以上である。実施形態に係るゴム組成物のJISK6301に基づいて測定される伸びEは、好ましくは200%以上、より好ましくは240%以上である。実施形態に係るゴム組成物のJISK6301に基づいて測定される伸び100%時の引張応力M100(100%モジュラス)は、好ましくは11MPa以上、より好ましくは13MPa以上である。
実施形態に係るゴム組成物のJISK6258に基づいて、試験用潤滑油をIRM903とし、潤滑油温度150℃及び浸漬時間:72時間として測定される耐油性の指標となる体積変化率ΔV100は、好ましくは18%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは60%以上である。
実施形態に係るゴム組成物により長さ60mm、幅25mm、及び厚さ2mmの短冊状の試験片を作製し、それを冷媒のR134aに24時間浸漬した後に230℃の熱盤上に直置きしたときに表面に発生するブリスター数は、好ましくは15個以下、より好ましくは10個以下、更に好ましくは5個以下、最も好ましくは0個である。
実施形態に係るゴム組成物は、例えば、素練りしているベースゴムにポリブタジエンを含むゴム配合剤を投入して混練することにより調製した未架橋ゴム組成物を架橋させることにより得ることができる。
このとき、未架橋ゴム組成物の混練は、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等により行うことができる。このとき、ベースゴムと架橋剤以外のゴム配合剤とを一次混練してマスターバッチを作製し、使用時にマスターバッチと架橋剤とを二次混練するようにしてもよい。
未架橋ゴム組成物の架橋は、製品形状等に応じて方法が適宜選択されるが、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形のように成形と同時に加熱して行ってもよい。また、成形時の加熱により一次架橋させ、その後にオーブン等の加熱により二次架橋させて完全架橋を行ってもよい。加熱温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは150〜180℃である。加熱時間は、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは1〜8時間である。なお、必要に応じて加圧を行ってもよい。
以上の実施形態に係るゴム組成物は、シール部材、タイヤ、ベルト、ホース等のゴム製品に用いることができ、特にシール部材のゴムシールの材料として好適に用いることができる。
図1は、実施形態に係るゴム組成物を用いたシール部材10を示す。このシール部材10は、カーエアコンディショナー用コンプレッサーに用いられるものである。
シール部材10は、各々、内側に屈曲した断面L字の環状の外側金具11及び内側金具12を有し、外側金具11に内側金具12が内嵌めされている。また、外側金具11の外周面及び屈曲部分11aを被覆して接着されると共に軸方向にリップ部分13aが延びるようにゴムシール13が設けられており、更に、外側金具11及び内側金具12の屈曲部分11a,12a間に、外側金具11側ではゴムシール13を介しつつ挟持されると共にゴムシール13と同様に軸方向にリップ部分14aが延びるように樹脂シール14が設けられている。そして、シール部材10におけるゴムシールが実施形態に係るゴム組成物で形成されている。
実施形態に係るゴム組成物は、これ以外にも、Oリング、Uパッキン・Vパッキン、Lパッキン等の環状のゴムシールの材料として用いることができる。
(ゴム組成物)
<実施例1>
H−NBR(日本ゼオン社製 ゼットポール2010H、結合アクリロニトリル量:36.2質量%、よう素価:11mg/100mg、ムーニー粘度:120ML1+4(100℃)以上)90質量%とEPDM(JSR社製 EP25、エチレン含量:58.5質量%、ENB含量:5.1質量%、ムーニー粘度:63ML1+4(125℃))10質量%とを含有するブレンドゴムをベースゴムとし、このベースゴム100質量部に対し、ポリブタジエン(日本曹達社製 NISSO-PB B-3000、1,2−付加したブタジエンの含有量:90質量%以上、1,4−付加したブタジエンの含有量:10質量%以下、数平均分子量(Mn):3200、粘度(45℃):21Pa・s)5質量部、FEFカーボンブラック(東海カーボン社製 シーストSO)60質量部、及び架橋剤の有機化酸化物(日油社製 パーブチルP、α,α’−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン)3質量部を配合して混練することにより未架橋ゴム組成物を調製した。そして、この未架橋ゴム組成物を用い、加熱温度175℃及び加熱時間15分の条件で厚さ2mmのゴムシートをプレス成形すると共に一次架橋させ、その後、それを150℃に温度設定したオーブンに10時間入れることにより二次架橋させて完全架橋を行った。得られた架橋ゴムシートを実施例1とした。
実施例1において、ベースゴムにおけるEPDMの含有量(B)に対するH−NBRの含有量(A)の比(A/B)は9、ポリブタジエンの配合量(C)に対するH−NBRの含有量(A)の比(A/C)は18、及びポリブタジエンの配合量(C)に対するEPDMの含有量(B)の比(B/C)は2である。
<実施例2>
H−NBR70質量%とEPDM30質量%とを含有するブレンドゴムをベースゴムとしたことを除いて実施例1と同様にして得られた架橋ゴムシートを実施例2とした。
実施例2において、ベースゴムにおけるEPDMの含有量(B)に対するH−NBRの含有量(A)の比(A/B)は2.3、ポリブタジエンの配合量(C)に対するH−NBRの含有量(A)の比(A/C)は14、及びポリブタジエンの配合量(C)に対するEPDMの含有量(B)の比(B/C)は6である。
<実施例3>
H−NBR50質量%とEPDM50質量%とを含有するブレンドゴムをベースゴムとしたことを除いて実施例1と同様にして得られた架橋ゴムシートを実施例3とした。
実施例3において、ベースゴムにおけるEPDMの含有量(B)に対するH−NBRの含有量(A)の比(A/B)は1、ポリブタジエンの配合量(C)に対するH−NBRの含有量(A)の比(A/C)は10、及びポリブタジエンの配合量(C)に対するEPDMの含有量(B)の比(B/C)は10である。
<比較例1>
H−NBRのみをベースゴムとしたことを除いて実施例1と同様にして得られた架橋ゴムシートを比較例1とした。
<比較例2>
EPDMのみをベースゴムとしたことを除いて実施例1と同様にして得られた架橋ゴムシートを比較例2とした。
(試験方法)
<引張強さ・伸び・100%モジュラス>
実施例1〜3並びに比較例1及び2のそれぞれについて、JIS K6301に基づいて引張強さT、伸びE、及び伸び100%時の引張応力M100(100%モジュラス)を測定した。
<耐油性(体積変化率)>
実施例1〜3並びに比較例1及び2のそれぞれについて、JIS K6258に基づいて耐油性の指標となる体積変化率ΔV100を測定した。試験用潤滑油としてはIRM903を用い、潤滑油温度150℃及び浸漬時間:72時間とした。
<耐ブリスター性>
実施例1〜3並びに比較例1及び2のそれぞれについて、長さ60mm、幅25mm、及び厚さ2mmの短冊状の試験片を作製し、それを冷媒のR134aに24時間浸漬した後に230℃の熱盤上に直置きしたときに表面に発生するブリスター数を計測した。
(試験結果)
表1は試験結果を示す。
Figure 2017122140
表1によれば、ベースゴムをH−NBRとEPDMとのブレンドゴムとし且つそれにポリブタジエンを配合した実施例1〜3では、耐油性の指標となる体積変化率ΔV100が小さく、また、ブリスターの数も少ないことが分かる。一方、ベースゴムをH−NBRのみとした比較例1では、体積変化率ΔV100は小さいものの、ブリスターの数が著しく多く、逆に、ベースゴムをEPDMのみとした比較例2では、ブリスターの数は少ないものの、体積変化率ΔV100が大きいことが分かる。
実施例1〜3では、H−NBRによる耐油性の効果が得られているのに加え、物性として特に100%モジュラスM100が高いことが認められ、これがブリスターの発生抑制に寄与しているものと考えられる。比較例1及び2でも、ポリブタジエンが配合されているものの、実施例1〜3のような高い100%モジュラスM100は得られておらず、従って、実施例1〜3における高い100%モジュラスM100は、H−NBR、EPDM、及びポリブタジエンの組み合わせによって初めて発現されるものであると考えられる。
本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたゴムシールの技術分野について有用である。
10 シール部材
11 外側金具
11a 屈曲部分
12 内側金具
12a 屈曲部分
13 ゴムシール
13a リップ部分
14 樹脂シール
14a リップ部分

Claims (5)

  1. 水素化ニトリルゴムとエチレン−α−オレフィンエラストマーとを含み且つ前者の含有量が後者の含有量以上であるブレンドゴムのベースゴムにポリブタジエンが配合され、前記ベースゴムと共に前記ポリブタジエンが架橋されたゴム組成物。
  2. 請求項1に記載されたゴム組成物において、
    前記ベースゴム及び前記ポリブタジエンが有機化酸化物により架橋されているゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載されたゴム組成物において、
    前記ポリブタジエンは、1,2−付加及び1,4付加が混在した重合体であり、且つ1,2−付加の含有率が高いゴム組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載されたゴム組成物において、
    JIS K6301に基づいて測定される伸び100%時の引張応力が11MPa以上であるゴム組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載されたゴム組成物で形成されたゴムシール。
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