以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明を繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す正面斜視図である。図1に示す加熱調理器1は、マイクロ波加熱、過熱蒸気による加熱、および飽和水蒸気による被加熱物の加熱が可能である。
加熱調理器1は、ケーシング2と、扉3と、ハンドル4と、耐熱ガラス5と、液晶表示
部6(通知部)と、操作ボタン7と、排気ダクト8と、露受容器9とを備える。
ケーシング2は、直方体形状である。ケーシング2の正面に、扉3が取付けられている。扉3は、その下端側の辺を略中心に回転駆動する。扉3の上部には、ハンドル4が取付けられている。扉3の略中央には、耐熱ガラス5が取付けられている。扉3の右側には、液晶表示部6および操作ボタン7が設けられている。液晶表示部6は、タッチパネルになっている。ケーシング2の上側かつ右側後方には、排気ダクト8が取付けられている。ケーシング2には、扉3の下方に露受容器9が着脱自在に取付けられている。
図2は、図1に示した加熱調理器の構成例を示す断面図である。図2を参照して、加熱調理器1は、加熱庫10と、蒸気発生装置20と、循環ユニット30と、蒸気ダクト40と、過熱蒸気生成装置50(加熱部)と、回転アンテナ61と、回転アンテナ用モータ62と、電装部品100と、赤外線アレイセンサ71a(測定部)と、サーミスタ71b(測定部)と、湿度センサ72(測定部)と、重量センサ73(測定部)とをさらに備える。
加熱庫10と、循環ユニット30と、過熱蒸気生成装置50と、それらを接続する接続部材とによって、過熱蒸気あるいは飽和水蒸気の循環経路が形成されている。
加熱庫10は、第1蒸気吹出口10aと、第2蒸気吹出口10bと、トレイ11とを含む。加熱庫10の天面には、複数の第1蒸気吹出口10aが設けられている。加熱庫10の左側面には、複数の第2蒸気吹出口10bが設けられている。トレイ11には、食品(被加熱物)12が搭載される。
蒸気発生装置20は、水タンク21を含む。蒸気発生装置20は、水タンク21から供給される水を加熱して、飽和水蒸気を生成する。蒸気発生装置20により生成された飽和水蒸気は、加熱庫10と循環ユニット30との境界部に供給される。
循環ユニット30は、蒸気吸込口30aと、蒸気供給口30bと、過熱蒸気吸込口30cと、循環ファン31と、循環ファン用モータ32と、蒸気供給管33とを含む。蒸気発生装置20により生成された飽和水蒸気は、蒸気供給通路(図示しない)を介して、蒸気吸込口30aに供給される。蒸気供給口30bは、循環ユニット30の上部に設けられている。過熱蒸気吸込口30cは、加熱庫10の右壁面に蒸気吸込口30aに対向して設けられている。循環ファン31は、蒸気吸込口30aに対向するように取付けられている。循環ファン31は、循環ファン用モータ32により回転駆動される。蒸気供給管33は、蒸気供給通路に接続されており、加熱庫10の右側面と平行になるように蒸気吸込口30aの近傍に取付けられている。
蒸気ダクト40は、L字状に屈曲しており、加熱庫10の上面および左側面を覆うように取付けられている。蒸気ダクト40は、第1ダクト部41と、第2ダクト部42と、屈曲部43とを含む。第1ダクト部41は、加熱庫10の上面側に固定されている。第2ダクト部42は、加熱庫10の左側面側に固定されている。屈曲部43は、第1ダクト部41の左側方から下側に屈曲して固定されている。第1ダクト部41と第2ダクト部42とは、屈曲部43を介して互いに連なる。第1ダクト部41は、第1蒸気吹出口10aを介して加熱庫10内に連通している。第1ダクト部41の右側は、蒸気供給口30bに連通している。第2ダクト部42は、第2蒸気吹出口10bを介して、加熱庫10内に連通している。
過熱蒸気生成装置50は、過熱蒸気生成ヒータ51を含む。過熱蒸気生成ヒータ51は、第1ダクト部41に収納されている。なお、過熱蒸気生成ヒータ51を第1ダクト部4
1に収納せず、過熱蒸気生成装置50を蒸気ダクト40とは別に設けてもよい。
加熱庫10と蒸気ダクト40との隙間は、耐熱樹脂(図示しない)などにより封止されている。また、加熱庫10および蒸気ダクト40は、加熱庫10の前面開口を除いて、断熱材(図示しない)により覆われている。
加熱庫10の下部には、マグネトロン60(図示しない)(加熱部)と、回転アンテナ61と、回転アンテナ用モータ62と、冷却ファン(図示しない)と、冷却ファン用モータ63(図示しない)、電装部品100とが配置されている。回転アンテナ61は、回転アンテナ用モータ62により回転駆動される。マグネトロン60により発生したマイクロ波は、導波管(図示しない)により加熱庫10の下部中央に導かれる。マイクロ波は、回転アンテナ61によって攪拌されながら、加熱庫10内の上方に向かって放射される。これにより、食品12が加熱される。電装部品100は、加熱調理器1の各構成部分を駆動する駆動回路、および駆動回路を制御するマイクロコンピュータ(制御部)101を含む。
赤外線アレイセンサ71aおよびサーミスタ71bは、加熱庫10の左側上部に設けられている。赤外線アレイセンサ71aは、行列状に配列された複数の赤外線センサ素子によって、視野角内の複数箇所の温度を測定する。たとえば、赤外線アレイセンサ71aが8行8列の64個のセンサ素子によって構成される場合、加熱庫10内の64箇所における温度が測定される。これにより、食品12の温度が測定される。すなわち、赤外線アレイセンサ71aは食品温度センサである。サーミスタ71bは、加熱庫10内の温度を測定する。すなわち、サーミスタ71bは、庫内温度センサである。湿度センサ72は、循環ユニット30の内部に設けられている。湿度センサ72は、加熱庫10内の湿度を測定する。重量センサ73は、スライド挿入されたオーブン皿を保持する保持部に設けられている。重量センサ73により食品12の重量が測定される。
図3は、図1に示した加熱調理器の構成を示す機能ブロック図である。
図3を参照して、マイクロコンピュータ101は、液晶表示部6または操作ボタン7によりユーザ(使用者)が設定した操作信号を受け付ける。また、マイクロコンピュータ101は、赤外線アレイセンサ71a、サーミスタ71b、湿度センサ72、または重量センサ73の測定信号が示す測定値を受ける。これらの信号に基づいて、マイクロコンピュータ101は、加熱庫10(図2参照)内の状態を判断する。
マイクロコンピュータ101は、液晶表示部6と、蒸気発生装置20と、循環ファン用モータ32と、過熱蒸気生成ヒータ51と、マグネトロン60と、回転アンテナ用モータ62と、冷却ファン用モータ63と、給気ダンパ用モータ81と、排気ダンパ用モータ82と、給水ポンプ83とを制御する。液晶表示部6は、複数の画像のうちのいずれか一つを選択的に表示する。なお、本明細書では、「画像」は、絵、文字、記号、図形、およびこれらの組み合わせを含む。
図2に戻り、過熱蒸気によって食品12を加熱する場合における、過熱蒸気の循環経路について説明する。この場合、過熱蒸気生成ヒータ51はオンされている。
蒸気発生装置20により発生した飽和水蒸気が、蒸気吸込口30aの近傍上流側に供給される。循環ファン31が回転駆動されているため、循環ユニット30の内部は負圧になっている。したがって、飽和水蒸気は、蒸気吸込口30aを介して循環ユニット30に吸い込まれる。
その後、飽和水蒸気は、蒸気供給口30bから過熱蒸気生成装置50に供給される。飽和水蒸気は、過熱蒸気生成ヒータ51によって加熱されて過熱蒸気になる。過熱蒸気の一部は、第1蒸気吹出口10aから加熱庫10に吹き出される。また、過熱蒸気の他の一部は、第2蒸気吹出口10bから加熱庫10に吹き出される。加熱庫10に吹き出された過熱蒸気により、トレイ11に搭載された食品12が加熱される。この過熱蒸気は、過熱蒸気吸込口30cから循環ユニット30に吸い込まれる。その後、同じ循環経路を再び通って加熱庫10に戻るという循環を繰り返す。
次に、飽和水蒸気によって食品12を蒸す、あるいは温める場合における、飽和水蒸気の循環経路について説明する。この場合、過熱蒸気生成ヒータ51はオフされるとともに、循環ファン31は停止している。このため、循環ユニット30の内部が負圧になることはない。
蒸気発生装置20により発生した飽和水蒸気が、蒸気吸込口30aの近傍上流側に供給される。しかし、循環ユニット30内が負圧でないため、飽和水蒸気は循環ユニット30に吸い込まれない。したがって、飽和水蒸気は加熱庫10内に流れ込む。これにより、トレイ11に搭載された食品12を蒸す、あるいは温めることができる。
加熱調理器1は、たとえば液晶表示部6に表示することにより、ユーザにアドバイスを通知する機能を有する。アドバイスには下記の4種類がある。以下、食品12の加熱の開始前においてユーザが加熱条件を選択するためのアドバイスを第1のアドバイスという。食品12の加熱の途中においてユーザが加熱条件を変更するためのアドバイスを第2のアドバイスという。食品12の加熱の完了前においてユーザが食品12の状態を変更するためのアドバイスを第3のアドバイスという。食品12の加熱の完了後において次回以降の加熱時のために加熱調理器1がユーザに知らせるべきアドバイスを第4のアドバイスという。
また、本明細書において「加熱条件」の設定あるいは変更とは、たとえば、マイクロ波加熱、加熱蒸気による加熱、または飽和水蒸気による加熱の選択、加熱モード(下記の「解凍モード」または「温めモード」)の選択、出力の大きさ(400W、500W、1000Wなど)の選択、加熱時間の設定、各食品に最適化されたメニューの設定などのことをいう。
図4は、図1に示した加熱調理器1における、マイクロコンピュータ101による制御を説明するためのフローチャートである。加熱調理器1は、「解凍モード」と「温めモード」との2つの加熱モードを有する。「解凍モード」は冷凍食品の解凍に適したモードとして設定されており、「温めモード」は常温の食品の温めに適したモードとして設定されている。食品12にとって適切な加熱モードにより食品12を加熱することで、食品12の加熱効率が改善される。
本実施の形態では、食品12の加熱効率とは、食品12の温度上昇量に対する、食品12の加熱により加熱庫10で消費される電力量の割合として表される。したがって、加熱効率が改善されることにより、食品12の加熱にともなって加熱調理器1で消費される電力量が低減される。
図1〜図3および図4を参照して、開始状態とは、加熱調理器1に電源が投入された状態、あるいは加熱調理器1が待機状態から動作状態に復帰した状態である。以下、本実施の形態における加熱は、マイクロ波、加熱蒸気、または飽和水蒸気による加熱のいずれであってもよい。
ステップS41において、ユーザは扉3を開けて、食品12を加熱庫10に投入する。
ステップS42において、食品12の温度が赤外線アレイセンサ71aにより測定される。この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。
ステップS43において、食品12の温度を示す測定値が基準値(たとえば−15℃に相当する値)以上であるか否かを、マイクロコンピュータ101は判断する。測定値が基準値未満の場合(ステップS43においてNO)、処理はステップS43aに進む。一方、測定値が基準値以上の場合(ステップS43においてYES)、処理はステップS44に進む。
ステップS43aにおいて、食品12の温度が所定の温度未満であるため、「食品12は冷凍食品である」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12を解凍するための「解凍モード」を選択すべき旨を第1のアドバイスの内容として決定する。これにより、「解凍モード」を選択するようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「『解凍モード』を選択して下さい」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS45に進む。
一方、ステップS44においては、食品12の温度が所定の温度以上であるため、「食品12は冷凍食品ではない」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12を温めるための「温めモード」を選択すべき旨を第1のアドバイスの内容として決定する。これにより、「温めモード」を選択するようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「『温めモード』を選択して下さい」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS45に進む。
ステップS45において、ユーザ、食品12の加熱条件を液晶表示部6または操作ボタン7により設定する。本実施の形態において、「解凍モード」および「温めモード」のうちのいずれか一方をユーザは選択する。ユーザにより設定された加熱モードをマイクロコンピュータ101は受け付ける。
ステップS46において、ステップS45でユーザにより設定された加熱モードに従って、食品12の加熱が開始される。
本実施の形態によれば、マイクロコンピュータ101は、赤外線アレイセンサ71a(温度センサ)の測定値に基づいて、食品12(被加熱物)の状態を判断する。すなわち、赤外線アレイセンサ71aが食品12の温度を測定することは、食品12が加熱庫10に収容された状態の測定、言い換えれば「加熱庫10内の状態」の測定に対応する。マイクロコンピュータ101は、温めモードから解凍モードへの変更が必要と判断した場合に、食品12を解凍するための「解凍モード」を選択すべき旨を第1のアドバイスの内容として決定する。ユーザはアドバイスに沿って、食品12に適切な加熱モードを設定することができる。これにより、加熱効率が良い加熱モードに従って食品12を加熱することができる。したがって、食品12の加熱により消費される電力量が低減される。また、加熱時間を短縮することもできる。
なお、「食品12の状態」は食品12の温度(常温状態または冷凍状態)に限定されない。たとえば「食品12の状態」には、食品12のサイズ、重さ、形状、あるいは食品12の加熱庫10内での位置などが含まれる。
[実施の形態2]
実施の形態1によれば、赤外線アレイセンサ71aにより測定された食品12の温度を
用いて、マイクロコンピュータ101が加熱庫10内の状態を判断する。しかし、マイクロコンピュータ101がアドバイスを決定するために用いる測定値はこれに限定されない。マイクロコンピュータ101は、赤外線アレイセンサ71a以外の他のセンサによる測定値を基準値と比較することによりアドバイスを決定をしてもよい。
本実施の形態では、マイクロコンピュータ101がアドバイスを決定するための測定値として、サーミスタ71bの測定値(すなわち加熱庫10内の温度)が用いられる。本実施の形態に係る加熱調理器の構成は、実施の形態1に係る加熱調理器1の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。実施の形態1と同様に、本実施の形態における食品12の加熱は、マイクロ波、加熱蒸気、または飽和水蒸気による加熱のいずれであってもよい。
図5は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器における、マイクロコンピュータ101による制御を説明するためのフローチャートである。図1〜図3および図5を参照して、開始状態とは、加熱調理器に電源が投入された状態、あるいは加熱調理器が待機状態から動作状態に復帰した状態である。
ステップS50において、加熱庫10内の温度がサーミスタ71bにより測定される。この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。
ステップS51において、ユーザは扉3を開けて、食品12を加熱庫10に投入する。
ステップS52において、加熱庫10内の温度がサーミスタ71bにより再び測定される。この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。
ステップS53において、マイクロコンピュータ101は、食品12が加熱庫10に投入される前(ステップS50)と投入された後(ステップS52)との加熱庫10内の温度低下量を示す上記2つの測定値の差(指標値)を演算する。測定値の差が基準値以上であるか否かを、マイクロコンピュータ101は判断する。測定値の差が基準値未満の場合(ステップS53においてNO)、処理はステップS53aに進む。一方、測定値の差が基準値以上の場合(ステップS53においてYES)、処理はステップS54に進む。
ステップS53aにおいて、食品12の加熱庫10への投入前後での加熱庫10内の温度低下量が基準値に相当する温度未満であるため、「食品12は冷凍食品ではない」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12を温めるための「温めモード」を選択する旨を第1のアドバイスの内容として決定する。これにより、「温めモード」を選択するようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「『温めモード』を選択して下さい」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS55に進む。
一方、ステップS54においては、食品12が加熱庫10に投入された後に、加熱庫10内の温度低下量が基準値に相当する温度以上であるため、「食品12は冷凍食品である」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12を解凍するための「解凍モード」を選択する旨を第1のアドバイスの内容として決定する。これにより、「解凍モード」を選択するようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「『解凍モード』を選択して下さい」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS55に進む。
ステップS55において、ユーザは、食品12の加熱条件を液晶表示部6または操作ボタン7により設定する。すなわち、「解凍モード」および「温めモード」のうちのいずれ
か一方をユーザは選択する。ユーザにより設定された加熱モードを、マイクロコンピュータ101は受け付ける。
ステップS56において、ステップS55でユーザにより設定された加熱モードに従って、食品12の加熱が開始される。
実施の形態2では、サーミスタ71bが食品12が加熱庫10に投入される前後の加熱庫10内の温度を測定することが、加熱庫10の内の状態の測定に対応する。上述のように、たとえば冷凍状態の食品12が加熱庫10に収容されることにより、加熱庫10の内部の温度が低下する。マイクロコンピュータ101は、加熱庫10に食品12が投入される前後の加熱庫10内の温度の温度差(温度低下量)を指標値として算出する。指標値が基準値以上である場合、マイクロコンピュータ101は、食品12を解凍するための「解凍モード」を選択する旨を第1のアドバイスの内容として決定する。実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、ユーザがアドバイスに沿って、食品12に適切な加熱モードを選択することができる。この場合、加熱効率が良い加熱モードに従って食品12が加熱される。したがって、食品12の加熱により消費される電力量が低減される。また、加熱時間を短縮することもできる。
[実施の形態3]
実施の形態1,2によれば、赤外線アレイセンサ71aおよびサーミスタ71bのうちのいずれか一方から受けた測定値のみに基づいて、加熱庫10内の状態をマイクロコンピュータ101は判断する。しかし、赤外線アレイセンサ71aおよびサーミスタ71bの双方から受けた測定値を基準値と比較することにより、加熱庫10内の状態が判断されてもよい。
本実施の形態では、マイクロコンピュータ101がアドバイスを決定するための測定値として、赤外線アレイセンサ71aの測定値(すなわち食品12の温度)およびサーミスタ71bの測定値(すなわち加熱庫10内の温度)が用いられる。本実施の形態に係る加熱調理器の構成は、実施の形態1に係る加熱調理器1の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。実施の形態1と同様に、本実施の形態における食品12の加熱は、マイクロ波、加熱蒸気、または飽和水蒸気による加熱のいずれであってもよい。
図6は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器における、マイクロコンピュータ101による制御を説明するためのフローチャートである。図1〜図3および図6を参照して、開始状態とは、加熱調理器に電源が投入された状態、あるいは加熱調理器が待機状態から動作状態に復帰した状態である。
ステップS61において、ユーザは扉3を開けて、食品12を加熱庫10に投入する。
ステップS62において、食品12の温度が赤外線アレイセンサ71aにより測定される。さらに、加熱庫10内の温度がサーミスタ71bにより測定される。これら双方の測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。
ステップS63において、マイクロコンピュータ101は、食品12の温度を示す赤外線アレイセンサ71aの測定値と、加熱庫10内の温度を示すサーミスタ71bの測定値との差(指標値)を演算する。測定値の差が基準値以上であるか否かを、マイクロコンピュータ101は判断する。測定値の差が基準値未満の場合(ステップS63においてNO)、処理はステップS63aに進む。一方、測定値の差が基準値以上の場合(ステップS63においてYES)、処理はステップS64に進む。
ステップS63aにおいて、赤外線アレイセンサ71aにより測定された食品12の温度と、サーミスタ71bにより測定された加熱庫10内の温度との差が基準値に相当する温度未満であるため、「食品12は冷凍食品ではない」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12を温めるための「温めモード」を選択する旨を第1のアドバイスの内容として決定する。これにより、「温めモード」を選択するようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「『温めモード』を選択して下さい」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS65に進む。
一方、ステップS64においては、赤外線アレイセンサ71aにより測定された食品12の温度と、サーミスタ71bにより測定された加熱庫10内の温度との差が基準値に相当する温度以上であるため、「食品12は冷凍食品である」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12を解凍するための「解凍モード」を選択する旨を第1のアドバイスの内容として決定する。これにより、「解凍モード」を選択するようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「『解凍モード』を選択して下さい」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS65に進む。このように、マイクロコンピュータ101は、赤外線アレイセンサ71aの測定値とサーミスタ71bの測定値との差分を指標値として演算する。
ステップS65において、ユーザは、食品12の加熱条件を液晶表示部6または操作ボタン7により設定する。すなわち、「解凍モード」および「温めモード」のうちのいずれか一方をユーザは選択する。ユーザにより設定された加熱モードを、マイクロコンピュータ101は受け付ける。
ステップS66において、ステップS65でユーザにより設定された加熱モードに従って、食品12の加熱が開始される。
実施の形態3では、赤外線アレイセンサ71aが食品12の温度を測定し、サーミスタ71bが加熱庫10の加熱庫10内の温度を測定することが、加熱庫10内の状態の測定(すなわち加熱庫10の内部に食品12が収容された状態)に対応する。上述のように、たとえば冷凍状態の食品12が加熱庫10に収容されることにより、加熱庫10の内部の温度が低下する。マイクロコンピュータ101は、食品12の温度と加熱庫10内の温度の温度差を指標値として算出する。指標値が基準値に相当する温度差以上である場合、マイクロコンピュータ101は、食品12を解凍するための「解凍モード」を選択する旨を第1のアドバイスの内容として決定する。実施の形態1,2と同様に、実施の形態3においても、ユーザがアドバイスに沿って、食品12に適切な加熱モードを選択することができる。この場合、加熱効率が良い加熱モードに従って食品12が加熱される。したがって、食品12の加熱により消費される電力量が低減される。また、加熱時間を短縮することもできる。
また、本実施の形態では、2つの温度センサの測定値に基づいて判断することにより、1つの温度センサの測定値のみの場合と比べて、食品12が冷凍食品であるか否かの判断精度が向上する。
なお、本実施の形態においても、食品12が投入される前の加熱庫10内の温度を測定してもよい(図5のステップS50参照)。食品12の加熱庫10への投入前後での加熱庫10内の温度変化、および食品12の温度を用いることにより、食品12が冷凍食品であるか否かの判断精度が一層向上する。
実施の形態1〜3によれば、食品12の加熱の開始前に(すなわち第1のアドバイスと
して)、食品12を解凍するための解凍モードを選択すべき旨のアドバイスを通知する。しかし、上記の内容のアドバイスを通知するタイミングは食品12の加熱の開始前に限定されない。食品12の加熱の途中に(すなわち第2のアドバイスとして)ユーザに通知することもできる。また、食品12の加熱の完了後において次回以降の加熱時のためのアドバイス(第4のアドバイス)としてユーザに通知することもできる。
[実施の形態4]
実施の形態1〜3においては、加熱を開始する前にアドバイスをユーザに通知する。しかし、アドバイスをユーザに通知するタイミングはこれに限定されるものではない。加熱の途中でアドバイスをユーザに通知することもできる。本実施の形態に係る加熱調理器は、加熱の途中における食品12の状態を測定し、アドバイスをユーザに逐次通知する。
食品12のサイズ(寸法)が大きいと、食品12の内部にまで熱が伝わりにくい。そのため、加熱時間が長くなり、その結果として、食品12の加熱により消費される電力量が増加する。したがって、食品12のサイズが大きい場合には、食品12を複数個に分割してから加熱することが望ましい。本実施の形態に係る加熱調理器は、食品12のサイズを判断する。
具体的には、赤外線アレイセンサ71aにより、加熱庫10内の複数箇所の温度が測定される。マイクロコンピュータ101は、それら複数箇所のうち、温度上昇率が所定の値より高い箇所を求める。それぞれの箇所の面積は、マイクロコンピュータに予め記憶されている。したがって、温度上昇率が所定の値より高いすべての箇所について、それぞれの箇所の面積の和を求めることにより、食品12のサイズを判断することができる。
本実施の形態に係る加熱調理器は、タイマ(図示しない)を有する。マイクロコンピュータ101は、タイマからのカウント値を受ける。これにより、タイマがカウントを開始してからの経過時間を、マイクロコンピュータ101は知ることができる。
本実施の形態では、マイクロコンピュータ101がアドバイスを決定するための測定値として、赤外線アレイセンサ71aの測定値(すなわち食品12の温度)が用いられる。本実施の形態に係る加熱調理器の構成は、実施の形態1に係る加熱調理器1の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。本実施の形態における食品12の加熱は、マイクロ波加熱を指す。
図7は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器における、マイクロコンピュータ101による制御を説明するためのフローチャートである。図1〜図3および図7を参照して、開始状態とは、加熱調理器に電源が投入された状態、あるいは加熱調理器が待機状態から動作状態に復帰した状態である。開始状態において、タイマのカウント値は初期値にセットされている。
ステップS71において、ユーザは扉3を開けて、食品12を加熱庫10に投入する。本実施の形態において、食品12のサイズは所定のサイズより大きい。
ステップS72において、食品12の温度が赤外線アレイセンサ71aにより測定される。この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。
ステップS73において、ユーザは、食品12の加熱条件を液晶表示部6または操作ボタン7により設定する。
ステップS74において、ステップS73でユーザにより設定された加熱条件に従って
、食品12の加熱が開始される。それとともに、タイマはカウントを開始する。
ステップS75において、マイクロコンピュータ101は、タイマのカウント値を受ける。タイマのカウント値が所定の終了値以上であるか否かを、マイクロコンピュータ101は判断する。タイマのカウント値が終了値未満の場合(ステップS75においてNO)、処理は再びステップS75に戻る。一方、タイマのカウント値が終了値以上の場合(ステップS74においてYES)、処理はステップS76に進む。
ステップS76において、食品12の温度が赤外線アレイセンサ71aにより再び測定される。この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。マイクロコンピュータ101は、この測定値に基づいて食品12のサイズを判断する。本実施の形態において、食品12のサイズは所定のサイズより大きいとマイクロコンピュータ101は判断する。
ステップS77において、マイクロコンピュータ101は、食品12の温度上昇量を示す赤外線アレイセンサ71aの測定値の変化量と、食品12の加熱により消費される電力量との関係を示す加熱効率(指標値)を演算する。加熱庫10内の加熱効率が基準値以上であるか否かを、マイクロコンピュータ101は判断する。加熱効率が基準値以上であるか否かの判断方法については、後に詳細に説明する。加熱効率が基準値未満の場合(ステップS77においてNO)、処理はステップS77aに進む。一方、加熱効率が基準値以上の場合(ステップS77においてYES)、処理はステップS78に進む。
ステップS78において、加熱効率が基準値以上であるため、「食品12は効率良く加熱されている」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、加熱庫10内の加熱効率が良い旨を第2のアドバイスの内容として決定する。これにより、加熱庫10内の加熱効率が良い旨を示す画像が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS79に進む。
一方、ステップS77aにおいては、加熱効率が基準値未満であるため、「食品12は効率良く加熱されていない」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、加熱庫10内の加熱効率が良くない旨を第2のアドバイスの内容として決定する。すなわち、加熱庫10内の加熱効率が良くない旨を示す画像が液晶表示部6に表示される。それとともに、「料理を小さく切り分けてから加熱して下さい。」という文字が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS78aに進む。なお、ステップS78およびステップS77aにおいて液晶表示部6に表示される画像についても、後に詳細に説明する。このように、マイクロコンピュータ101は、赤外線アレイセンサ71aの測定値と加熱により消費される電力量との割合を示す加熱効率を指標値として演算する。液晶表示部6は、指標値と基準値との間の大小関係、および指標値と基準値との間の差分に基づいて、複数の画像のうちの対応する画像を表示する。
ステップS78aにおいて、ユーザは、液晶表示部6に表示されるアドバイスの内容に沿って、加熱庫10内の状態を変更するか否かを判断する。ユーザがアドバイスの内容に沿った対応をする場合(ステップS78aにおいてYES)、処理はステップS78bに進む。一方、ユーザがアドバイスの内容に沿った対応をしない場合(ステップS78aにおいてNO)、処理はステップS79に進む。
ステップS78bにおいて、ユーザは、液晶表示部6に表示されたアドバイスの内容に沿って、食品12を分割する。その後、処理はステップS111に戻る。
ステップS79において、タイマのカウント値は初期値にリセットされる。タイマは初期値からカウントを再び開始する。その後、処理はステップS75に戻る。
次に、ステップS77における加熱庫10内の加熱効率が基準値以上であるか否かの判断方法について、詳細に説明する。
図8は、図7に示したフローチャートにおける、食品12の温度上昇量と食品12の加熱により消費される電力量との関係を示す図である。図8を参照して、横軸は、食品12の加熱を開始(図7のステップS74)してから消費される電力量を示す。縦軸は、食品12の加熱を開始してからの食品12の温度上昇を示す。波形8a〜8dは、加熱庫10内の状態が異なる場合における、食品12の温度上昇を各々表す。加熱により消費される電力量が同一の場合における温度上昇量が大きい(傾きが大きい)ほど、加熱庫10内の加熱効率が良い。
図7および図8を参照して、加熱効率の基準値は、ある消費電力量W0における食品12の温度上昇量がΔT1となる値である。消費電力量W0における食品12の温度上昇量がΔT1以上である(すなわち、加熱効率が基準値より大きい)場合に、加熱庫10内は加熱効率の良い状態にあるとマイクロコンピュータ101は判断する(波形8a)。すなわち、「食品12は効率良く加熱されている」(ステップS77においてYES)と判断される。
一方、消費電力量W0における食品12の温度上昇量がΔT1未満(温度上昇率がΔT1/W0未満)の場合に、加熱庫10内は加熱効率の良い状態にないとマイクロコンピュータ101は判断する。すなわち、「食品12は加熱効率良く加熱されていない」(ステップS77においてNO)と判断される。
加熱庫10内の加熱効率は良いか良くないかだけでなく、その程度に応じて、さらに区分することもできる。本実施の形態において、加熱庫10内の加熱効率が良くない状態が、さらに3つに区分される。
消費電力量W0において、食品12の温度上昇量がΔT2以上ΔT1未満(加熱効率がΔT2/W0以上ΔT1/W0未満)の場合、加熱庫10内の加熱効率が良くない程度が小さい(すなわち、加熱効率が基準値より小さく、加熱効率と基準値との差分が小さい)とマイクロコンピュータ101は判断する(波形8b)。
消費電力量W0において、食品12の温度上昇量がΔT3以上ΔT2未満(加熱効率がΔT3/W0以上ΔT2/W0未満)の場合に、加熱庫10内の加熱効率が良くない程度が中程度である(すなわち、加熱効率が基準値より小さく、加熱効率と上記基準値との差分が中程度である)とマイクロコンピュータ101は判断する(波形8c)。
消費電力量W0において、食品12の温度上昇量がΔT3未満(加熱効率がΔT3/W0未満)の場合に、加熱庫10内の加熱効率が良くない程度が大きい(すなわち、加熱効率が基準値より小さく、加熱効率と上記基準値との差分が大きい)とマイクロコンピュータ101は判断する(波形8d)。
上記の判断結果は、たとえば加熱庫10内の加熱効率と上記基準値との間の差分に基づいて、イラストを用いた複数の画像のうちの対応する画像が液晶表示部6に表示される(ステップS77aおよびステップS78参照)。
図9は、図7に示したフローチャートにおける、液晶表示部6による通知の一例を示す図である。図9に示す画像は、常温のご飯を飽和水蒸気によって蒸す場合に通知される。14分58秒とは残りの加熱時間を表す。「庫内灯」の表示にユーザが触れると、庫内灯
(図示しない)の点灯と消灯とが切替わる。図9(A)〜(D)の顔イラストは、この順に加熱庫10内の加熱効率が良いことを表す。
図8および図9を参照して、図9(A)は、波形8aと対応しており、加熱庫10の加熱効率が良いことを表す。図9(B)は、波形8bと対応しており、加熱庫10内の加熱効率が良くない程度が小さいことを表す。図9(C)は、波形8cと対応しており、加熱庫10内の加熱効率が良くない程度が中程度であることを表す。図9(D)は、波形8dと対応しており、加熱庫10内の加熱効率が良くない程度が大きいことを表す。このように、マイクロコンピュータ101は、加熱効率(指標値)と基準値との間の大小関係および加熱効率と基準値との間の差分に基づいて、複数の画像のうちの対応する画像を液晶表示部6に表示させる。
実施の形態4では、加熱の途中において、赤外線アレイセンサ71aが食品12の温度を測定することが、加熱庫10内の状態(加熱庫10に収容された食品12が加熱されているという状態)の測定に対応する。この点が、加熱の開始前の測定値に基づいて加熱庫10内の状態が判断される実施の形態1〜3と異なる。上述のように、加熱による食品12の温度上昇率と、加熱により消費される電力量との割合を示す加熱効率が演算される。加熱効率が基準値未満である場合、マイクロコンピュータ101は、食品12を複数個に分割する旨を第2のアドバイスの内容として決定する。実施の形態1〜3と同様に、実施の形態4においても、ユーザがアドバイスに沿って食品12を複数個により分割することにより、食品12を適切なサイズに変更することができる。この場合、食品12が効率が良く加熱される。したがって、食品12の加熱により消費される電力量が低減される。また、加熱時間を短縮することもできる。
なお、加熱効率の区分数は4つに限定されない。たとえば、加熱庫10内の状態を高精度に測定できているか否かに応じて、加熱効率の区分数を設定すればよい。すなわち、加熱庫10内の状態を高精度に測定できる場合には区分数を増やしてもよい。一方、加熱庫10内の状態を高精度に測定できない場合には区分数を減らしてもよい。
特に加熱庫10内の加熱効率が良くない場合(図9(C)〜(D))には、上記顔イラストに加えて、加熱庫10の状態をユーザが変更するためのアドバイスの内容(たとえば、食品12を分割すべき旨のアドバイス)が液晶表示部6に表示されることが、より好ましい。
上記イラストを液晶表示部6に表示されるタイミングは、加熱の途中に限定されない。食品12の加熱が完了したときに、加熱が完了するまでの加熱効率を液晶表示部6に表示することもできる。また、上記イラストに加えて、次回以降の加熱時においてユーザに知らせるべき事項を第4のアドバイスの内容として液晶表示部6に表示することもできる。
[実施の形態5]
たとえば、食品12を加熱庫10の中央に搭載する方が、加熱庫10の端や隅に搭載する場合と比べて、効率良く食品12を加熱することができる場合がある。本実施の形態に係る加熱調理器は、赤外線アレイセンサ71aにより測定された食品12の温度に基づいて、食品12の位置を演算する。
具体的には、赤外線アレイセンサ71aにより、加熱庫10内の複数箇所の温度が測定される。たとえば食品12が冷凍食品の場合、測定された複数の領域のうち最も温度が低い領域が食品12の位置であるとマイクロコンピュータ101は判断する。マイクロコンピュータ101は、食品12と基準点との距離(指標値)を演算する。食品12に対し、マイクロ波、加熱蒸気、または飽和水蒸気が効率良く照射される位置が基準点として設定
され、たとえば加熱庫10の中央である。基準点を中心とした所定の範囲が基準値として定められている。基準値はたとえば基準点を中心とした円の半径である。食品12と基準点との距離が基準値以上の場合に、食品12の位置が所定の範囲内にないと判断される。
本実施の形態では、マイクロコンピュータ101がアドバイスを決定するための測定値として、赤外線アレイセンサ71aの測定値(すなわち食品12の温度)が用いられる。本実施の形態に係る加熱調理器の構成は、実施の形態1に係る加熱調理器1の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。本実施の形態における食品12の加熱は、マイクロ波、加熱蒸気、または飽和水蒸気による加熱のいずれであってもよい。
図10は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器における、マイクロコンピュータ101による制御を説明するためのフローチャートである。図1〜図3および図10を参照して、開始状態とは、加熱調理器に電源が投入された状態、あるいは加熱調理器が待機状態から動作状態に復帰した状態である。
ステップS101において、ユーザは扉3を開けて、食品12を加熱庫10に投入する。本実施の形態において、食品12は冷凍食品である。
ステップS102において、食品12の温度が赤外線アレイセンサ71aにより測定される。この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。マイクロコンピュータ101は、この測定値に基づいて食品12の位置を判断する。
ステップS103において、マイクロコンピュータ101は、食品12の位置が所定の範囲内であるか否かを判断する。食品12の位置が所定の範囲内でない場合(ステップS103においてNO)、処理はステップS106に進む。一方、食品12の位置が所定の範囲内である場合(ステップS103においてYES)、処理はステップS104に進む。
ステップS104において、「食品12の位置が所定の範囲内でない」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12の位置を修正すべき旨を第3のアドバイスの内容として決定する。すなわち、食品12を移動するようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「料理を中央に移動させて下さい。」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS105に進む。このように、マイクロコンピュータ101は、赤外線アレイセンサ71aの測定値に基づいて、食品12の位置と基準点との距離を指標値として演算する。液晶表示部6は、指標値と基準値との間の大小関係、および指標値と基準値との間の差分に基づいて、複数の画像のうちの対応する画像を表示する。
ステップS105において、ユーザは、液晶表示部6に表示されたアドバイスの内容に沿った対応をするか否かを判断する。ユーザがアドバイスの内容に沿った対応をする場合(ステップS105においてYES)、処理はステップS101に戻る。この場合、ユーザは扉3を開けて、食品12の位置を修正する。一方、ユーザがアドバイスの内容に沿った対応をしない場合(ステップS105においてNO)、処理はステップS106に進む。この場合、食品12はその位置を修正されないまま加熱されることになる。
ステップS106において、ユーザは、食品12の加熱条件を液晶表示部6または操作ボタン7により設定する。ユーザにより設定された加熱条件をマイクロコンピュータ101は受け付ける。
ステップS107において、マイクロコンピュータ101は、食品12の加熱を開始す
る。
実施の形態5では、赤外線アレイセンサ71aが食品12の温度を測定することが、加熱庫10内の状態(すなわち加熱庫10に食品12が収容されているという状態)の測定に対応する。上述のように、赤外線アレイセンサ71aの測定値に基づいて、食品12の位置と基準点との距離が演算される。この距離が基準値に相当する距離以上である場合、マイクロコンピュータ101は、食品12の位置を修正すべき旨を第3のアドバイスの内容として決定する。実施の形態5においては、ユーザがアドバイスに沿って食品12の位置を修正することにより、マイクロ波や加熱蒸気が効率良く照射される。そのため、食品12が効率が良く加熱される。したがって、食品12の加熱により消費される電力量が低減される。また、加熱時間を短縮することもできる。
なお、食品12が冷凍食品の場合について、赤外線アレイセンサ71aにより測定された複数箇所のうち、最も温度が低い箇所が食品12の位置であるとした。しかし、食品12の位置の演算方法はこれに限定されない。たとえば、加熱の途中に食品12を加熱庫10から取り出したところ加熱が不十分だったために再度加熱を継続する場合には、食品12の温度は周囲の領域の温度よりも高くなっていると考えられる。この場合、最も温度が高い領域を食品12の位置とすることができる。
実施の形態5によれば、食品12の加熱の開始前に、食品12の位置を修正すべき旨を第3のアドバイスとして通知する。しかし、食品12の加熱の途中に上記第3のアドバイスをユーザに通知することもできる。また、食品12の加熱の完了後において次回以降の加熱時のためのアドバイス(第4のアドバイス)としてユーザに通知することもできる。
[実施の形態6]
実施の形態1〜5では、赤外線アレイセンサ71aおよび/またはサーミスタ71bの測定値に基づいて、加熱庫10内の状態を判断した。しかし、湿度センサ72の測定値に基づいて、加熱庫10内の状態を判断することもできる。
食品12のサイズが大きいと食品12の内部にまで熱が伝わりにくい。そのため、食品12の温度が上昇しにくい。したがって、加熱中に発生する水蒸気量が少なくなる。よって、加熱中に発生する水蒸気量を測定することで、食品12のサイズを推定することもできる。
本実施の形態では、マイクロコンピュータ101がアドバイスを決定するための測定値として、湿度センサ72aの測定値(すなわち加熱庫10内の湿度)が用いられる。本実施の形態に係る加熱調理器の構成は、実施の形態1に係る加熱調理器1の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。本実施の形態における食品12の加熱は、マイクロ波加熱を指す。
図11は、本発明の実施の形態6に係る加熱調理器における、マイクロコンピュータ101による制御を説明するためのフローチャートである。図1〜図3および図11を参照して、開始状態とは、加熱調理器に電源が投入された状態、あるいは加熱調理器が待機状態から動作状態に復帰した状態である。開始状態において、タイマのカウント値は初期値にセットされている。
ステップS111において、ユーザは扉3を開けて、食品12を加熱庫10に投入する。
ステップS112において、加熱庫10内の湿度が湿度センサ72により測定される。
この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。
ステップS113において、ユーザは、食品12の加熱条件を液晶表示部6または操作ボタン7により設定する。
ステップS114において、ステップS113でユーザにより設定された加熱条件に従って、食品12の加熱が開始される。それとともに、タイマはカウントを開始する。
ステップS115において、マイクロコンピュータ101は、タイマのカウント値を受ける。タイマのカウント値が所定の終了値以上であるか否かを、マイクロコンピュータ101は判断する。タイマのカウント値が終了値未満の場合(ステップS115においてNO)、処理は再びステップS115に戻る。一方、タイマのカウント値が終了値以上の場合(ステップS115においてYES)、処理はステップS116に進む。
ステップS116において、加熱庫10内の湿度が湿度センサ72により再び測定される。この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。
ステップS117において、マイクロコンピュータ101は、加熱庫10内の湿度変化量を示す湿度センサ72の測定値の変化量と、食品12の加熱により消費される電力量との関係を示す加熱効率(指標値)を演算する。加熱効率が基準値以上であるか否かを、マイクロコンピュータ101は判断する。加熱効率が基準値未満の場合(ステップS117においてNO)、処理はステップS117aに進む。一方、加熱効率が基準値以上の場合(ステップS117においてYES)、処理はステップS118に進む。
ステップS118において、加熱庫10内の湿度変化量が基準値に相当する変化量以上であるため、「食品12は適切なサイズ以下である」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12のサイズが適切である旨を第3のアドバイスの内容として決定する。これにより、食品12のサイズが適切である旨を示す画像が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS119に進む。
一方、ステップS117aにおいては、加熱庫10内の湿度変化量が基準値に相当する変化量未満であるため、「食品12は適切なサイズより大きい」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、マイクロコンピュータ101は、食品12のサイズが大き過ぎる旨を第3のアドバイスの内容として決定する。これにより、食品12を分割するようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「料理を小さく切り分けてから加熱して下さい。」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS118aに進む。このように、マイクロコンピュータ101は、湿度センサ72aの測定値と加熱により消費される電力量との割合を示す加熱効率を指標値として演算する。液晶表示部6は、指標値と基準値との間の大小関係、および指標値と基準値との間の差分に基づいて、複数の画像のうちの対応する画像を表示する。
ステップS118aにおいて、ユーザは、液晶表示部6に表示されたアドバイスの内容に沿った対応をするか否かを判断する。ユーザがアドバイスの内容に沿った対応をする場合(ステップS118aにおいてYES)、処理はステップS118bに進む。一方、ユーザがアドバイスの内容に沿った対応をしない場合(ステップS118aにおいてNO)、処理はステップS119に進む。
ステップS118bにおいて、ユーザは、液晶表示部6に表示されたアドバイスの内容に沿って、食品12を分割する。その後、処理はステップS111に戻る。
ステップS119において、タイマのカウント値は初期値にリセットされる。タイマは、初期値からカウントを再び開始する。その後、処理はステップS115に戻る。
本実施の形態によれば、ユーザがアドバイスの内容に沿って、適切なサイズになるように食品12を複数に分割した場合には、食品12の内部にまで熱が伝わり易くなる。したがって、食品12の加熱により消費される電力量を低減することができる。また、加熱時間を短縮することもできる。
実施の形態6では、湿度センサ72が加熱庫10内の湿度を測定することが、加熱庫10内の状態の測定に対応する。上述のように、加熱による食品12の湿度上昇率と、加熱により消費される電力量との割合を示す加熱効率が演算される。加熱効率が基準値未満である場合、マイクロコンピュータ101は、食品12を複数個に分割する旨を第3のアドバイスの内容として決定する。実施の形態4と同様に、実施の形態6においても、ユーザがアドバイスに沿って食品12を複数個により分割することにより、食品12を加熱に適切なサイズにすることができる。この場合、食品12が効率が良く加熱される。したがって、食品12の加熱により消費される電力量が低減される。また、加熱時間を短縮することもできる。
なお、高出力(たとえば1000W)で食品12を加熱する場合には、食品12の内部にまで熱が伝わり易いか否かはあまり問題にならない。一方、高出力でない(たとえば400W〜500W)場合には、この問題が顕著になる。したがって、高出力でない場合にのみ上述の制御をしてもよい。あるいは、高出力でない場合には、食品12を分割するようにアドバイスする代わりに、加熱条件を高出力に切替える旨のアドバイスをすることもできる。
実施の形態6によれば、食品12の加熱の途中に、食品12を複数個に分割する旨の第3のアドバイスを通知する。しかし、上記アドバイスは、食品12の加熱の完了後において次回以降の加熱時のための第4のアドバイスとしてユーザに通知することもできる。
[実施の形態7]
食品12のサイズが適切なサイズと比べて大きいか否かの判断は、湿度センサ72を用いる場合に限られない。本実施の形態に係る加熱調理器は、食品12の重量を重量センサ73により測定して、食品12のサイズを推定する。また、本実施の形態に係る加熱調理器は、出力が500W以下の場合にのみ、食品12のサイズが適切なサイズと比べて大きいか否かを判断する。
本実施の形態では、マイクロコンピュータ101がアドバイスを決定するための測定値として、重量センサ73の測定値(すなわち食品12の重量)が用いられる。本実施の形態に係る加熱調理器の構成は、実施の形態1に係る加熱調理器1の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。本実施の形態における食品12の加熱は、マイクロ波、加熱蒸気、または飽和水蒸気による加熱のいずれであってもよい。
図12は、本発明の実施の形態7に係る加熱調理器における、マイクロコンピュータ101による制御を説明するためのフローチャートである。図1〜図3および図12を参照して、開始状態とは、加熱調理器に電源が投入された状態、あるいは加熱調理器が待機状態から動作状態に復帰した状態である。
ステップS121において、ユーザは扉3を開けて、食品12を加熱庫10に投入する。
ステップS122において、トレイ11と食品12の合計の重量が重量センサ73により測定される。この測定値をマイクロコンピュータ101は受ける。トレイ11の重量は既知であるので、マイクロコンピュータ101は食品12の重量が分かる。
ステップS123において、ユーザは、食品12の加熱条件を液晶表示部6または操作ボタン7により設定する。
ステップS124において、ユーザにより設定された加熱条件の消費電力が500W以下であるか否かをマイクロコンピュータ101は判断する。加熱条件の消費電力が500Wより大きい場合(ステップS124においてNO)、処理はステップS128に進む。一方、加熱条件の消費電力が500W以下の場合(ステップS124においてYES)、処理はステップS125に進む。
ステップS125において、食品12の重量を示す重量センサ73の測定値が基準値以上であるか否かをマイクロコンピュータ101は判断する。食品12の重量が基準値未満の場合(ステップS125においてNO)、処理はステップS128に進む。一方、食品12の重量が基準値以上の場合(ステップS125においてYES)、処理はステップS126に進む。
ステップS126においては、食品12の重量が基準値に相当する重量以上であって、かつ、ユーザにより設定された加熱条件の消費電力が500W以下である。このため、「食品12は適切なサイズではなく、かつ、高出力でないため食品12の内部にまで熱が伝わりにくい」とマイクロコンピュータ101は判断する。したがって、食品12のサイズに対して出力が低すぎる旨をアドバイスの内容として決定する。すなわち、出力を上げる(第1のアドバイスに相当する)か、あるいは食品12を分割する(第3のアドバイスに相当する)ようにユーザにアドバイスする画像(たとえば「出力を1000Wに上げるか、料理を小さく切り分けてから加熱して下さい。」という文字)が液晶表示部6に表示される。その後、処理はステップS127に進む。このように、液晶表示部6は、重量センサ73の測定値と基準値との間の大小関係、および重量センサ73の測定値と基準値との間の差分に基づいて、複数の画像のうちの対応する画像を表示する。
ステップS127において、ユーザは、液晶表示部6に表示されたアドバイスの内容に沿った対応をするか否かを判断する。ユーザがアドバイスの内容に沿った対応をする場合(ステップS127においてYES)、処理はステップS127aに進む。一方、ユーザがアドバイスの内容に沿った対応をしない場合(ステップS127においてNO)、処理はステップS128に進む。
ステップS127aにおいて、ユーザは、液晶表示部6に表示されたアドバイスの内容に沿って、出力を上げるか食品12を分割する。その後、処理はステップS121に戻る。
ステップS128において、マイクロコンピュータ101は、食品12の加熱を開始する。
実施の形態7では、重量センサ73が食品12の重量を測定することが、加熱庫10内の状態(すなわち加熱庫10に食品12が収容された状態)の測定に対応する。上述のように、食品12の重量が基準値以上である場合、マイクロコンピュータ101は、食品12を複数個に分割する旨を第3のアドバイスの内容として決定する。実施の形態4,6と同様に、実施の形態7においても、ユーザがアドバイスに沿って食品12を複数個により分割することにより、食品12を加熱に適切なサイズにすることができる。この場合、食
品12が効率が良く加熱される。したがって、食品12の加熱により消費される電力量が低減される。また、加熱時間を短縮することもできる。
なお、ユーザにより設定された加熱条件の消費電力を判断するステップ(ステップS124)は省略してもよい。多くの場合、一旦加熱庫10に投入した食品12を、加熱庫10から取り出して小さく切り分けるのは、ユーザにとって手間であると考えられる。本ステップを含むことにより、食品12を分割する旨のアドバイスをするのが、その効果が大きい場合(出力が500W以下の場合)に限定される。したがって、分割の効果が小さい場合(たとえば出力が1000Wの場合)にユーザの手間が軽減される。
また、本実施の形態によれば、加熱調理器の出力を上げる必要がない場合、あるいは適切なサイズになるように食品12を複数に分割する必要がない場合(ステップS124においてNOまたはステップS125においてNO)には、アドバイスを液晶表示部6に表示せずに加熱を開始する。このように、ユーザが何らかの対応をする必要がある場合に限りユーザに通知してもよい。
なお、ステップS126において、食品12を分割するようにユーザにアドバイスする画像を表示する際には、ユーザが食品12をどのように分割すれば良いかを併せて表示することが、より好ましい。たとえば、重量センサ73により測定された食品12の重量が900gであって、基準値に相当する重量が300gである場合には、ユーザは食品12を300gずつ3つに分割すると良い。そのため、液晶表示部6には、「3つに分割してから加熱して下さい」と表示される、あるいは「それぞれ300g以下に分割してから加熱して下さい。」と表示されることが、より好ましい。
一般に、食品12の加熱に必要な時間は、食品12の重量と比例関係にあると考えられる。したがって、食品12の重量に対してユーザが設定した加熱時間が長すぎる場合には、マイクロコンピュータ101は、加熱時間を短縮すべき旨の第1のアドバイスの内容を決定してもよい。これにより、食品12の温め過ぎを防止し、その結果として、食品12の加熱により消費される電力量を低減することができる。
実施の形態7によれば、食品12の加熱の開始前に、食品12を複数個に分割する旨の第3のアドバイスを通知する。しかし、食品12の加熱の途中に上記第3のアドバイスをユーザに通知することもできる。また、食品12の加熱の完了後において次回以降の加熱時のためのアドバイス(第4のアドバイス)としてユーザに通知することもできる。
また、実施の形態6,7は、それぞれ単独での実施に限られない。湿度センサ72と重量センサ73とを併用することにより、食品12のサイズをより高精度に推定することができる。
以上のように実施の形態1〜7によれば、測定部(赤外線アレイセンサ71a、サーミスタ71b、湿度センサ72、重量センサ73)により加熱庫10内の状態が測定される。これら測定値を受けて、マイクロコンピュータ101は加熱庫10内の状態を判断する。マイクロコンピュータ101は、加熱の開始前における加熱条件の選択するためのアドバイス(第1のアドバイス)と、加熱の途中においてユーザが加熱条件を変更するためのアドバイス(第2のアドバイス)と、加熱の完了前においてユーザが食品12の状態を変更するためのアドバイス(第3のアドバイス)と、加熱の完了後における次回以降の加熱時のためにユーザに知らせるべきアドバイス(第4のアドバイス)とのうちの少なくとも一つを決定する。ユーザがアドバイスの内容に沿って対応することにより、食品12の加熱に消費される電力量が低減される。
なお、実施の形態1〜7は、単独での実施に限定されず、自由に組み合わせて実施することが可能である。たとえば、加熱の開始前に通知する場合(実施の形態1〜3,5,7)と加熱の途中に通知する場合(実施の形態4,6)とを組み合わせることができる。また、赤外線アレイセンサ71a、サーミスタ71b、湿度センサ72、および重量センサ73により測定した測定値のうちの複数の測定値を用いることで、単一の測定値を用いる場合と比べて、加熱庫10内の状態について一層高精度の判断が可能になる。
加熱調理器は、通知部としてスピーカをさらに備えてもよい。液晶表示部6に画像が表示されるとともに、スピーカからの音声ガイダンスにより注意を喚起することで、ユーザがアドバイスに気付かない可能性が小さくなる。また、液晶表示部6の代わりにスピーカを備えてもよい。一般にスピーカは液晶表示部より安価であるため、製造コストが低減できる。
液晶表示部6に表示される画像は、図9に示した顔のイラストに限定されない。たとえば、加熱庫10内の加熱効率の基準値との差分に基づいて、その差分に対応する個数の葉のイラストを表示してもよい。加熱庫10内の加熱効率が良い場合(図8の波形8a参照)には3つの葉のイラストが表示される。そして、差分値が大きくにつれて、表示される個数が2つ(波形8bの場合)、1つ(波形8cの場合)、または0(波形8dの場合)と減少する。顔や葉のイラストに限らず、加熱効率を示すメータやゲージを表示することもできる。さらに、マイクロコンピュータ101が液晶表示部6に表示させる画像は、指標値と基準値との間の大小関係および指標値と基準値との間の差分に基づいて決定すると限定されない。実施の形態1,7において、測定値と基準値との間の大小関係および測定値と基準値との間の差分に基づいて、マイクロコンピュータ101が液晶表示部6に表示させる画像を決定することもできる。
実施の形態1〜7では、マイクロ波、加熱蒸気、または飽和水蒸気により加熱する場合について説明した。しかし、加熱の方式はこれらに限定されず、オーブン加熱の場合でも同様の効果を得ることができる。オーブン加熱の場合、オーブンヒータが「加熱部」に対応する。
[実施の形態8]
図13は、本発明の実施の形態8に係る冷蔵庫の側面断面図である。冷蔵庫本体201内には、上から冷蔵室202、冷凍室203および野菜室204が設けられており、冷蔵室202および冷凍室203には、それぞれ室内の温度を検知する冷蔵室センサ210および冷凍室センサ211としてサーミスタが配されている。冷凍室203の後方には、圧縮機208の駆動により空気を冷却するための冷却器212と、冷却された(冷気)を送出する送風機218とから構成される冷却装置が配されており、さらに、冷却器212の近傍には除霜を行う除霜ヒータ213が配されている。
また、冷却器212と各貯蔵室との間には、冷却器212で冷却した冷気を各貯蔵室に供給するための流通路206が形成されている。流通路206には、冷蔵室202、冷凍室203及び野菜室204に冷気を吐出する吐出口219、220および221がそれぞれ設けられている。
流通路206のうち、冷却器212から冷蔵室202に至る流通路206aには、流通路206aを開閉する開閉手段としてダンパー207が設けられており、ダンパー207の下流側の流通路206a内にはイオン発生装置205が配されている。
さらに、冷蔵室202と冷凍室203には、それぞれ扉の開閉を検知する扉センサ209が設けられている。なお、本実施形態においては、イオン発生装置205が流通路20
6a内に配置されているが、少なくとも放電用電極が流通路206a内に露出していればよい。
乾燥空気である冷気をイオン発生装置205に供給するための冷気供給手段としては、冷却装置及びダンパー207が用いられている。すなわち、冷却器212で除湿された冷気は、送風機218によって流通路206に導かれ、ダンパー207が開放されることにより、流通路206aを通ってイオン発生装置205の電極に供給される。
また、冷蔵庫本体は、外気温センサ214、ヒーター215、湿度センサ216および開閉検知スイッチ207aが設けられる。
尚、冷蔵庫本体201には、図示しない制御装置によって動作制御を行っている。また、冷蔵庫本体201は、音声発生部250または図示しない表示部を有し、その動作制御を制御装置で行っており、表示または音声によるアナウンスを行うことができる。つまり、制御装置は、冷蔵庫本体201の動作状態を制御するとともに、その動作状態を判定する機能も有している。そして、その判定結果に基づいて表示または音声によるアナウンスを行っている。本実施形態では、省エネ報知部として、音声発生部250または表示部を用いている。
図14は、本発明の実施の形態8に係る冷蔵庫の構成を示すブロック図である。制御装置222は、マイクロコンピュータから構成されており、その入力側には、冷蔵室202や冷凍室203などの扉の開閉を検知する扉センサ209と、冷蔵室の温度を検出する冷蔵室センサ210と、冷凍室の温度を検出する冷凍室センサ211と、庫外の温度を検出する外気温センサ214と、庫内(冷蔵室202)の湿度を検出する湿度センサ216と、ダンパー7の開閉を検知するダンパー開閉検知スイッチ207aが設けられている。
制御装置222の出力側には、駆動回路を介してダンパー207と、圧縮機208と、送風機218と、イオン発生装置205とが設けられている。
本実施形態では、冷蔵室センサ210、冷凍室センサ211および外気温センサ214により検出した結果、庫内温度が外気温度を超えたときや、庫内温度がドアを閉めて所定時間後にある一定以上の温度まで上昇したときに、制御装置222により判定されて、「熱いものは、冷ましてから入れてね」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、扉センサ209により検知した結果、所定の期間内における扉の開閉回数や累積開時間が所定量を超えたときに、制御装置222により判定されて、「ドアを開けている時間はなるべく短くして省エネしましょう」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、冷蔵室センサ210および冷凍室センサ211により検出した結果、食品を詰め込み過ぎて、庫内の冷却速度が所定の値よりも遅くなったときに、制御装置222により判定されて、「庫内に詰め込みすぎないようにしてね」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、外気温センサ214により検出した結果、外気温度が所定の温度以上の場合にドアを開けたときに、制御装置222により判定されて、「気温が高いからドアの開閉は、できるだけすばやくしてね」とアナウンスして省エネを喚起している。
図15は、本発明の実施の形態8の変形例として冷蔵庫の側面断面図を示している。冷蔵室202と冷凍室203とは、断熱仕切り部224によって、仕切られている。製氷部240は、製氷皿241、製氷モータ242、満氷検知部材243および貯氷容器244
を有し、自動的に製氷および離氷を行う。
製氷皿241は、冷凍室203内に配置され、冷蔵庫本体201に着脱自在に取り付けられている。製氷モータ242は、製氷皿241に連結され、製氷皿241を回転駆動する。満氷検知部243は、製氷皿241の下方に、製氷皿241に近接して配置されている。貯氷容器244は、満氷検知部243の下方に配置されている。
製氷モータ242は、製氷皿241を回転してひねることにより、製氷皿241から氷を離脱して貯氷容器244に落下させる(以下、離氷という)。この離氷後、製氷モータ242は、製氷皿241を反転して元の水平状態に戻す。
満氷検知部243は、製氷モータ242の動作に連動して、下方に移動して貯氷容器244内の氷の量を検知する。満氷検知部243によって貯氷容器244内が「満氷」と判定されると、製氷モータ242は、離氷動作を行わない。一方、満氷検知部243によって貯氷容器244内が「満氷でない」と判定されると、製氷モータ242は、離氷動作を行う。
給水部230は、貯水タンク235、給水ポンプ231および導水管232、233を有し、この貯水タンク235内の水を製氷皿241に供給する。
貯水タンク235は、冷蔵室202内に配置され、水を貯溜する。給水ポンプ231は、貯水タンク235の上方に配置されている。貯水タンク235と給水ポンプ231とは、一方の導水管232によって結ばれ、給水ポンプ231と製氷皿241とは、他方の導水管233によって結ばれている。給水ポンプ231は、貯水タンク235内の水を、導水管232、233を介して、製氷皿241に供給する。
断熱仕切り部224には、製氷センサ226が設けられている。この製氷センサ226は、製氷皿241から離隔して製氷皿241の上方に配置され、製氷皿241の内部の状態を非接触で検知する。製氷皿241の内部の状態とは、水の有無や製氷完了である。
図示しない制御部は、製氷センサ226の検知結果に基づいて、給水部10および製氷部240を制御する。つまり、製氷センサ226によって、製氷皿241の内部の状態が、水が無い状態であると検知されると、制御部は、給水部230の給水ポンプ231を作動して、製氷皿241に水を供給する。製氷センサ226によって、製氷皿241の内部の状態が、製氷が完了した状態であると検知されると、制御部は、製氷部240の製氷モータ242を作動して、製氷皿241から氷を離脱させる。なお、制御部は、満氷検知部243の検知結果に基づいて、離氷動作を制御する。
本実施形態の変形例では、製氷センサ226により検知した結果、所定の期間の間に製氷皿241の氷の量が所定量を上回る時間が所定の時間より長いときや、自動製氷機能などの製氷動作が所定の期間に1回も行われていないときに、制御装置222により判定されて、「最近氷を使ってないね。製氷機能をOFFにしますか?」や「貯めておく氷の量を少なく設定すると省エネになるよ」とアナウンスして省エネを喚起している。
[実施の形態9]
図16は、本発明の実施の形態9に係る照明装置の外観を示す正面斜視図である。照明装置301は、シャーシ302、透光性カバー303、センターカバー304および信号送受信部305が設けられている。
シャーシ302は、図示しない光源、電源部、制御部および電源カバーを保持する保持
体であり、アダプタにより被取付部材に取り付けられている。また、シャーシ302は、中央に円穴を有する円板状であり、アルミニウム等の金属製である。シャーシ302は、円穴の周囲に、円穴に同心をなして、アダプタに保持される環状の天井取付部を有している。
透光性カバー303は、シャーシ302に対して、LED(Light Emitting Diode)などの光源からの光を透過するために設けられている。
センターカバー304は、照明装置の被取付部材への取付けおよび取外しを行うために設けられたものであり、センターカバー304を設けることにより、透光性カバー303を取り外す必要がない。
信号送受信部305は、ネットワーク機器などからの情報を受信して図示しない制御部へ送信したり、制御部からの情報をネットワーク機器などへ送信している。
また、照明装置301は、音声発生部310または図示しない表示部を有し、その動作制御を制御部で行っており、表示または音声によるアナウンスを行うことができる。つまり、制御部は、照明装置301の動作状態を制御するとともに、その動作状態を判定する機能も有している。そして、その判定結果に基づいて表示または音声によるアナウンスを行っている。本実施形態では、省エネ報知部として、音声発生部310または表示部を用いている。
また、照明装置301は、図示しない制御部によって、輝度情報を制御している。
本実施形態では、ある部屋において、照明装置301以外である他の電気機器が動作中であるときに、その電気機器が動作中であるという情報がネットワーク機器に送信される。また、照明装置からも輝度情報がネットワーク機器に送信される。そして、照明装置301が明かりを付けていないが、照明装置301以外である他の電気機器が動作中であるとネットワーク機器が判断したとき、ネットワーク機器から明かりが付いている別の部屋の照明装置301にその情報を送信し、ネットワーク機器からの情報を照明装置301の信号送受信部305で受信した結果、制御部により判定されて、照明装置301を点滅させたり、「明かりが付いていない部屋の電子機器の電源が切られていません」とアナウンスして省エネを喚起している。尚、照明装置301の点滅は、明かりが付いていない部屋で電子機器の電源が切られていないことを示している。また、ネットワーク機器において、特定の電子機器を登録して、その電子機器が動作中であることがわかるようにすれば、使用性が向上する。
また、照明装置301の点灯時間が長時間に亘るときに、制御部により判定されて、「こまめに消灯してください」や「輝度を落とすと省エネになりますよ」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、音声ガイダンスを行う他の電気機器が「扉が開いたままになっていますよ」などの音声アナウンスをしているときに、その情報がネットワーク機器に送信され、ネットワーク機器からの情報を同じ部屋の照明装置301の信号送受信部305で受信した結果、制御部により判定されて、照明装置301を点滅させている。尚、照明装置301の点滅は、同じ部屋で音声ガイダンスが行われていることを示しており、別の部屋にいても、どの部屋で音声ガイダンスが行われているかが分かり易くなる。音声ガイダンスを行う電気機器の省エネを喚起している。
また、ある部屋において、照明装置301で明かりが付いている場合、輝度情報がネッ
トワーク機器に送信される。そして、別の部屋において、ネットワーク機器からの情報を照明装置301の信号送受信部305で受信した後、その部屋の照明装置301の明かりを付けたときに、または、その部屋の照明装置301の明かりを付けたときにネットワーク機器からの情報を照明装置301の信号送受信部305で受信して、制御部により判定されて、「○○部屋の照明装置は消し忘れではないですか?」とアナウンスして省エネを喚起している。
[実施の形態10]
図17は、本発明の実施の形態10に係る空気清浄機の外観を示す正面斜視図である。空気清浄機401は、脱臭及び集塵による空気清浄機能と、正イオンおよび負イオンによる空気清浄機能と、空気加湿機能とを有する。
空気清浄機401は、縦型直方体状の筐体406を備えている。筐体406は、前面部461、および天面カバー462を有するとともに、図示しないが、後カバーも有する。また、空気清浄機401は、操作パネル402を備え、筐体406の天面カバー462に配されている。さらに、空気清浄機401は、内部に通風路を有しており、通風路には吸込口441および吹出口442が設けられている。
吸込口441は、筐体406の前面部461に開口しており、吸込口441を介して空気清浄機401の外部と吸込室とが連通している。
前面部461は、前パネル461aと、後カバーに対向配置された前カバー461bとを有し、吸込口441は、前カバー461bに設けられている。前パネル461aは、吸込口441の上方および左右両側方を前側から被覆している。前パネル461aと前カバー461bとの間には、吸込口441の前下側から吸込口441へ空気が流入可能であるように、適宜の空間が設けられている。吹出口442には、ルーバ443が配してある。ルーバ443は、吹出口442を介して吹き出した空気が室内の中央部分に到達し易いように、空気が流れる向きを規制する。
空気清浄機401は、操作パネル402により、脱臭及び集塵による空気清浄機能と、正イオンおよび負イオンによる空気清浄機能と、空気加湿機能の切り替えを行うが、図示しない制御部で動作制御が行われている。また、空気清浄機401は、湿度センサ410および汚れセンサ411を有しており、その情報を制御部に送信している。また、空気清浄機401は、図示しないイオン発生デバイスを有しており、正イオンおよび負イオンを発生している。
また、空気清浄機401は、音声発生部480または図示しない表示部を有し、その動作制御を制御部で行っており、表示または音声によるアナウンスを行うことができる。つまり、制御部は、空気清浄機401の動作状態を制御するとともに、その動作状態を判定する機能も有している。そして、その判定結果に基づいて表示または音声によるアナウンスを行っている。本実施形態では、省エネ報知部として、音声発生部480または表示部を用いている。
本実施形態では、加湿機能をオンにしている場合に、湿度センサ410により湿度を検知して、湿度調整をしなくても最適湿度が一定時間持続されていることが制御部により判定されて、「加湿機能をオフにしても良いんじゃない?」や「加湿機能の出力を下げてください」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、脱臭及び集塵による空気清浄機能をオンしている場合に、汚れセンサ411により空気中の粉塵の量を検出して、粉塵が少量しか検出されず一定時間持続されていること
が制御部により判定されて、「脱臭及び集塵による空気清浄機能をオフにしても良いんじゃない?」や「脱臭及び集塵による空気清浄機能を下げて省エネしても大丈夫ですよ」や「空気がきれいになりました」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、正イオンおよび負イオンによる空気清浄機能をオンにしている場合に、臭いセンサ411により空気中の粉塵を検出して、粉塵が少量しか検出されず一定時間持続されていることが制御部により判定されて、「イオンによる空気清浄機能をオフにしても良いんじゃない?」や「イオンによる空気清浄機能を下げて下さい」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、例えば、生鮮食品の加工場などにおいては、室温設定を15℃など、室温にしては比較的低温度に設定して、食品を衛生的に保つ必要がある。そういった環境において、正イオンおよび負イオンによる空気清浄機能をオンにしている場合に、制御部で判定されて、「エアコンの冷房の設定温度を3度上昇させることができます」とアナウンスして空気調和機の省エネと作業者の作業環境の緩和を喚起している。
また、空気清浄機401のイオン発生デバイスの使用累計時間が寿命時間近くになったときに、制御部で判定されて、「イオン発生デバイスを交換してください、機能が低下します」とアナウンスして省エネを喚起している。
尚、本実施形態では、空気清浄機として説明しているが、それに限定されず、例えば、加湿器やイオン発生器などにも適用可能である。
[実施の形態11]
図18は、本発明の実施の形態11に係る空気調和機の外観を示す正面斜視図である。空気調和機501は、室内機502、室外機503、および配管504を備えている。
室内機502は、冷房や暖房を行う部屋に取り付けられており、図示しない室内温度センサを有し、内部には図示しないフィルタが設けられている。また、室内機502は、冷房運転や暖房運転の動作制御を図示しない制御部で行っている。室外機503は、屋外に設置されており、図示しない室外温度センサを有している。配管504は、室内機502と室外機503の間で冷媒を循環させている。
また、空気調和機501は、音声発生部510または図示しない表示部を有し、その動作制御を制御部で行っており、表示または音声によるアナウンスを行うことができる。つまり、制御部は、空気調和機501の動作状態を制御するとともに、その動作状態を判定する機能も有している。そして、その判定結果に基づいて表示または音声によるアナウンスを行っている。本実施形態では、省エネ報知部として、音声発生部510または表示部を用いている。尚、表示部や音声発生部は、室内機502本体にあっても良いし、図示しない遠隔操作装置(リモコン)にあっても良い。
本実施形態では、冷房運転時に室外機503の温度センサで検知した室外温度が室内機502の温度センサで検知した室内温度(または設定温度)より低くなる場合に、制御部により判定されて、「窓を開けた方がいいですよ」や「外の気温の方が低いですよ」とアナウンスして省エネを喚起している。夏に冷房運転を行っていて、夜になって外気温度が低下する場合を想定してのことであるが、必ずしも、室外の温度が室内温度より低くなる場合だけではなく、室外の温度が有る程度以上低くなったときにアナウンスしても良い。また、冬に暖房運転を行っていて、昼になって外気温度が室内温度(または設定温度)より高くなる場合には、制御部により判定されて、「窓を開けた方がいいですよ」や「外の気温の方が高いですよ」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、室内機502のフィルタが目詰まりすると、通気性が悪くなるため、冷暖房運転の効率が悪くなる。そのため、室内機502のフィルタ清掃をユーザが行う機種(後述するフィルタ自動清掃機能を有していない機種)の場合、ユーザは定期的にユーザ自身でフィルタ清掃を行った後に、ユーザが室内機502または図示しないリモコンに設けられたリセットキーを押圧することでフィルタ清掃したことを入力することができる。一方、室内機502のフィルタ清掃を自動で行うフィルタ自動清掃機能付機種の場合、フィルタ自動清掃機能の動作オン、オフを切り替えることができる。フィルタ自動清掃機能の動作がオンの場合は累積運転時間が所定時間を経過した時点、あるいは、前回の清掃から所定時間(例えば24時間)経過した場合に、自動的にフィルタ清掃を行う。しかしながら、フィルタ自動清掃機能付機種において、ユーザがフィルタ自動清掃機能の動作をオンにしたつもりで、実際はOFF設定である場合はフィルタの自動清掃は行われない。このような状態を鑑み、フィルタ自動清掃機能付機種の動作設定がOFF状態で所定時間経過した場合に、「フィルタ清掃を行ってください」とアナウンスして省エネを喚起し、ユーザがフィルタ清掃を行う機種(フィルタ自動清掃機能を有していない機種)の場合、直前のフィルタ清掃からの経過時間が所定の時間を超えるか、直前のフィルタ清掃からの動作時間の累積時間が予定の時間を超えた場合、「フィルタ清掃を行ってください」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、空気調和機501の冷房運転や暖房運転の動作中に、室内機502の温度センサ505で検知した温度が所定時間過ぎても設定温度に達しないときに、制御部により判定されて、「窓や扉が閉まっているかどうかを確認してください」や「扇風機やサーキュレーターで対流を起こすと効率的に部屋を冷やせますよ」や「カーテンが開いていたらカーテンを閉めた方が省エネになりますよ」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、空気調和機501の冷房運転や暖房運転を開始するときに、「室温が設定温度になかなか達しない場合は、室外機の周りにものがあって冷暖房の効果が落ちているかもしれないので確認してください」や「室温が設定温度になかなか達しない場合は、フィルタにごみが詰まっているかもしれないのでフィルタを清掃してください」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、空気調和機501の冷房運転や暖房運転の動作中に、冷房時に設定温度が低すぎる場合(例えば、25℃などの場合)に室内温度が所定温度(例えば省エネ推奨温度である28℃)に達すると、「設定温度を上げた方が省エネになるよ」とアナウンスし、暖房時に設定温度が高すぎる場合(例えば、23℃を超える場合)に室内温度が所定温度(例えば省エネ推奨温度20℃)に達すると、「設定温度を下げた方が省エネになるよ」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、暖房運転中に湿度が低い場合、「湿度が低いので、気化式加湿器で加湿すると体感温度が上がるので、設定温度を下げることで省エネになるよ」とアナウンスして省エネを喚起している。
[実施の形態12]
図19は、本発明の実施の形態12に係る電気掃除機の外観を示す正面斜視図である。電気掃除機601は、電動送風機を備えた本体部610と、本体部610に着脱可能に装着されたサイクロン方式の集塵ユニット630と、本体部610の差込口612に着脱可能に装着された可撓性のホース603と、ホース603の先端に装着され操作部604を有するハンドル部605と、ハンドル部605に接続された剛性の延長パイプ606と、延長パイプ606の先端に接続されユーザーの操作により被清掃面上を移動する吸込口体607とから主に構成されている。
操作部604には電動送風機の出力を切り替える出力切替スイッチや、電動送風機を停止させる停止スイッチなどが設けられている。
本体部610には前方から後方に向かって、ホース603の差込口612と、差込口612を介して流入した塵埃を分離し、集塵する集塵ユニット630と、本体部610を持ち運ぶ際にユーザーが把持する取っ手613と、掃除運転時にユーザーの移動に追従して本体部610を移動させる一対の主車輪614が配されている。また、本体部610は、集塵ユニット630を着脱可能に収納するための集塵室620を有している。集塵室620は、集塵ユニット630に対応した有底円筒状の空間で上部は開放されている。尚、電気掃除機601は、その動作制御を図示しない制御部で行っている。また、電気掃除機601は、音声発生部650または図示しない表示部を有し、その動作制御を制御部で行っており、表示または音声によるアナウンスを行うことができる。つまり、制御部は、電気掃除機601の動作状態を制御するとともに、その動作状態を判定する機能も有している。そして、その判定結果に基づいて表示または音声によるアナウンスを行っている。本実施形態では、省エネ報知部として、音声発生部650または表示部を用いている。
本実施形態では、電気掃除機601は、掃除した日時を記録することができるが、電気掃除機601の動作を開始するときに、制御部により判定されて、「昨日も掃除しましたね、掃除は汚れているところだけでよいのでは?」や「昨日も掃除しましたね、掃除は弱運転でおこなってみましょう」とアナウンスして省エネを喚起している。
また、電気掃除機601は、充電池を備えた充電式掃除機として使用することができるが、充電池の容量が少なくなったときに、制御部により判定されて、「電池のパワーが少なくなりました、急いで掃除を終わらせてください」とアナウンスして、途中で掃除が終了してしまって、充電し直す手間を省けるとともに、手早く掃除を終了させることになって、省エネを喚起することができる。
また、電気掃除機601の動作中には一定の動作音があるため、表示または音声によるアナウンスをユーザーが認識しやすいように、取っ手613に表示部や音声発生部650を設けてもよい。
[実施の形態13]
本発明の実施形態13に係る給湯器は、お風呂などで用いることができて、貯水部およびヒーターを備え、その動作制御を行うための制御部を有する。また、給湯器は、表示部または音声発生部を有し、その動作制御を制御部で行っており、表示または音声によるアナウンスを行うことができる。
本実施形態では、給湯器は、お風呂の浴槽の保温のための加熱を一定の周期で繰り返すことができるが、長時間に亘って繰り返しているときに、お風呂を使用しないのに給湯のオン状態が継続されていると制御部により判定されて、「給湯ボタンを消し忘れていませんか?」とアナウンスして省エネを喚起している。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
尚、上述した一の実施例に関するアナウンスのすべてを具備しても良いし、選択して一部を具備するようにしてもよい。また、上述した以外のアナウンスを組み合わせても良い
。また、アナウンスの文言は上述したものと全く同じである必要はなく、主旨が変わらない範囲で修正してもよい。標準語だけでなく、方言でのアナウンスであっても良い。また、日本語だけでなく、英語や中国語などの他国語であってもよいし、日本語アナウンスの後に英語でアナウンスするなどの組み合わせでもよい。また、上述した以外のアナウンスを組み合わせても良い。