JP2017115003A - 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】体積抵抗率を十分に低減させつつ、加工性に優れ、半導電層表面における突起の生成を抑制した半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブルを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂と、導電性カーボンと、炭酸カルシウムとを有し、前記導電性カーボンが、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して40質量部以上80質量部以下の割合で配合され、前記炭酸カルシウムが、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部以上10質量部以下配合され、前記導電性カーボンの比表面積が200m/g以上である半導電性樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導電性樹脂組成物及びこれを用いたケーブルに関する。
従来より、絶縁層にポリエチレンやエチレンプロピレンゴムを用いた電力ケーブルが知られている。これらの電力ケーブルのなかでも、高圧送電(例えば3000V以上)に用いられるケーブルでは、導体表面の電解緩和や部分放電の防止などケーブルの電気特性改善のために半導電層が設けられている。これらの半導電層としては、導体と絶縁層の間に設けられる内部半導電層や、絶縁層とシースとの間に設けられる外部半導電層が知られている。このような半導電層は樹脂に導電性カーボンを含有させ、体積抵抗率を低下させた半導電性樹脂組成物で作製されている。
例えば、下記特許文献1では、電力のケーブルの半導電層を形成するために用いられる半導電性樹脂組成物として、酢酸ビニル含有量が20〜45重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体60〜90重量%と、架橋エチレン−プロピレン共重合体とポリプロピレンをアロイ化処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーとスチレン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体とのブレンドポリマー10〜40重量%からなるベースポリマー100重量部に対して、オイルファーネスカーボンブラック30〜60重量部を配合したものが開示されている。
特開2001−302856号公報
高圧送電用のケーブルの半導電層を形成するために用いられる半導電性樹脂組成物としては、一般に、体積抵抗率が10Ω・cm以下であることが好ましい。しかしながら、体積抵抗率を低下させるために、導電性カーボンを配合した半導電性樹脂組成物は、送電や周囲環境の影響などによってケーブルの温度が上昇すると体積抵抗率が上昇するという現象が発生する。半導電性樹脂組成物は、温度が上昇したとしても体積抵抗率が10Ω・cmを超えないようにするために、製造時において半導電性樹脂組成物の体積抵抗率を十分に低減する必要があった。
上記特許文献1に記載の半導電性樹脂組成物において、体積抵抗率をさらに低減するために、導電性カーボンをより多く配合する方法が考えられる。しかしながら、導電性カーボンの配合量が多くなると、半導電性樹脂組成物のムーニー粘度が上昇し、加工性が低下するという問題があった。
また、上記特許文献1に記載の半導電性樹脂組成物において、体積抵抗率をさらに低減するために、より導電性の高い導電性カーボンを用いる方法が考えられる。導電性カーボンの粒子は半導電性樹脂組成物中において連鎖を作り、この連鎖を通って電気が流れる。導電性の高い導電性カーボンとは、カーボンの粒子同士で連鎖を作りやすい導電性カーボンであって、同じ配合量であっても、体積抵抗率をより低減させることができる。
しかし、導電性の高い導電性カーボンを用いた半導電性樹脂組成物を用いて半導電層を形成した場合、導電性カーボンが凝集して半導電層の表面に突起を作る場合があることが分かった。このような突起は、部分放電の起点となるなど、ケーブルの電気特性を低下させる原因となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、体積抵抗率を十分に低減させつつ、加工性に優れ、半導電層表面における突起の生成を抑制した半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、本発明者は、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂と、導電性カーボンと、炭酸カルシウムとを有し、前記導電性カーボンが、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して40質量部以上80質量部以下の割合で配合され、前記炭酸カルシウムが、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部以上10質量部以下配合され、前記導電性カーボンの比表面積が200m/g以上である半導電性樹脂組成物。
本発明の半導電性樹脂組成物によれば、体積抵抗率を十分に低減させつつ、加工性に優れ、半導電層表面における突起の生成を抑制することができる。
なお、本発明者らは、本発明の半導電性樹脂組成物において、上述の効果が得られる理由については以下のように推察している。
すなわち、比表面積が200m/g以上の導電性カーボンは、比表面積が200m/g未満の導電性カーボンと比較して、半導電性樹脂組成物中において、カーボンの粒子同士で連鎖を作りやすい傾向にあるため、配合量を多くしなくとも半導電性樹脂組成物の体積抵抗率をより小さくすることができる。そのため、半導電性樹脂組成物の体積抵抗率を十分に低減させつつも加工性の低下を抑えることができる。また、炭酸カルシウムは、半導電性樹脂組成物の混練性を改善し、導電性カーボンを半導電性樹脂組成物中により均等に分散させることができると考えられる。そのため、導電性カーボンの凝集を抑制し、半導電層表面における突起の生成を抑制することができると考えられる。
また本発明は、前記ポリオレフィン系樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体から選ばれる少なくとも1種で構成されることが好ましい。
これらの樹脂は極性基を持ち、導電性カーボンとの相溶性が高いため、半導電性樹脂組成物の加工性の低下を抑えることができる。
また本発明は、前記導電性カーボンがファーネスブラックであることが好ましい。
この場合、同じ配合量であっても、半導電性樹脂組成物の体積抵抗率をより低減させることができる
更に本発明は、導体と、前記導体の外周に被覆された内部半導電層と、前記内部半導電層の外周に被覆された絶縁層と、前記絶縁層の外周に被覆された外部半導電層と、を少なくとも備え、前記内部半導電層及び外部半導電層が前記半導電性樹脂組成物で構成される電力ケーブルである。
なお、本発明において、導電性カーボンの比表面積とは、BET(Brenauer−Emmet−Telle)法により求めた比表面積をいい、具体的には、導電性カーボンのサンプルを液体窒素温度下において、サンプルに窒素ガスを吸着して得られる窒素吸着等温線を用いて求めた比表面積をいう。BET比表面積を求めるための測定装置としては、例えば、自動比表面積/細孔分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、BELSORP−miniII)を用いることができる。
本発明によれば、体積抵抗率を十分に低減させつつ、加工性に優れ、半導電層表面における突起の生成を抑制した半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブルが提供される。
図1は、本実施形態に係る電力ケーブルの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<半導電性樹脂組成物>
半導電性樹脂組成物は、上述したように、ポリオレフィン系樹脂と、導電性カーボンと、炭酸カルシウムとを有し、前記導電性カーボンが、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して40質量部以上80質量部以下の割合で配合され、前記炭酸カルシウムが、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部以上10質量部以下配合され、前記導電性カーボンの比表面積が200m/g以上である。
(1)ポリオレフィン系樹脂
ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、酸変性ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。これらのなかでも、導電性カーボンとの相溶性が高いという理由から、ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体から選ばれる少なくとも1種で構成されることが好ましい。
(2)導電性カーボン
導電性カーボンは、上述したようにポリオレフィン系樹脂100質量部に対して40質量部以上80質量部以下の割合で配合される。この場合、導電性カーボンの配合割合が40質量部未満である場合、半導電性樹脂組成物の体積抵抗率を十分に低下させることができない。また、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する導電性カーボンの配合割合が80質量部より大きい場合、半導電性樹脂組成物の加工性が低下する。なお、導電性カーボンの配合割合は、加工性に優れ、より体積抵抗率を低減させられるという理由から、50質量部以上70質量部以下であることが好ましい。
導電性カーボンの比表面積は上述したように200m/g以上である。導電性カーボンの比表面積が200m/g未満の場合、体積抵抗率の低下が不十分なため、より多くの導電性カーボンを配合しなければならず、加工性が低下する。なお、炭酸カルシウムを配合したとしても導電性カーボンの凝集を十分に抑制することができず半導電層において突起が発生しやすくなるという理由から、導電性カーボンの比表面積は250m/g以下であることが好ましい。
導電性カーボンとしては、比表面積が200m/g以上であれば特に制限はされず、例えばファーネスブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらのなかでも、半導電性樹脂組成物の体積抵抗率をより低減させるという理由から、ファーネスブラックを用いることが好ましい。
(3)炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部以上10質量部以下の割合で配合される。この場合、炭酸カルシウムの配合割合が1質量部未満である場合に比べて、樹脂組成物の混練性を改善し、半導電層表面における突起の生成を抑制することができる。また、炭酸カルシウムの配合割合が10質量部より大きい場合に比べて、体積抵抗率をより低くすることができる。なお、炭酸カルシウムとしては、特に限定されるものではないが、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムが挙げられる。
また、炭酸カルシウムは、引張特性などの機械的特性が向上するため、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部以上5質量部以下配合されることが好ましい。
炭酸カルシウムは、引張特性などの機械的特性が向上するため、平均粒子径は150μm以下であることが好ましい。ここで、炭酸カルシウムの平均粒子径とは複数個の炭酸カルシウム粒子をSEMで観察したときの2次元画像の面積Sをそれぞれ求め、これらの面積Sをそれぞれ円の面積に等しいと考え、これらの面積から下記式:
R=2×(S/π)1/2
に基づいてそれぞれ算出したRの平均値を言うものとする。
(4)その他の成分
本実施形態の半導電性樹脂組成物は、上述したポリオレフィン系樹脂、導電性カーボン及び炭酸カルシウムに加えて、架橋剤を配合していてもよい。架橋剤としては、ベース樹脂を架橋させることできるものであればよく、特に限定されないが、通常は有機過酸化物架橋剤が用いられる。
有機過酸化物架橋剤の具体例としては、ヒドロキシパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジアルキル(アリル)パーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンビドロパーオキサイドなどが挙げられる。これらのなかでも、架橋性に特に優れているという観点より、ジクミルパーオキサイドが好ましい。有機過酸化物架橋剤の配合割合はポリオレフィン系樹脂100質量部に対し1質量部以上5質量部以下が好ましい。
また、本実施形態の半導電性樹脂組成物には、必要に応じて、架橋助剤、充填剤、軟化剤、滑剤、老化防止剤、安定剤、難燃剤などの各種配合剤をさらに配合させてもよい。
<電力ケーブル>
次いで、本実施形態の電力ケーブルについて説明する。図1は、本実施形態に係る電力ケーブルを示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の電力ケーブル1は、導体10と、導体10の外周に被覆された内部半導電層20と、内部半導電層20の外周に被覆された絶縁層30と、絶縁層30の外周に被覆された外部半導電層40とを備える。
本実施形態の電力ケーブル1を構成する各層のうち、内部半導電層20及び外部半導電層40が、上述した本実施形態の半導電性樹脂組成物で構成される層であり、絶縁層30と良好に密着している
なお、本実施形態の電力ケーブル1は、外部半導電層40の外側に、遮蔽層、押えテープ層及びシースをさらに備えていてもよい。また、絶縁層30の厚さは、例えば3〜10mmであり、内部半導電層20及び外部半導電層40の厚さは、例えば0.2〜2mmである。本実施形態の電力ケーブル1は、使用電圧が3.3〜33kVの高電圧用途に特に有用である。
導体10としては、銅線、銅合金線、アルミニウム線などの電力ケーブル用途に用いられている金属線を用いることができる。また、このような金属線の表面にスズや銀などのめっきを施したものを用いてもよく、導体10としては、単線あるいは撚線のいずれであってもよい。なお、導体10の断面積は、例えば100〜300mmである。
内部半導電層20は、導体10を被覆する半導電性の層であり、上述した本実施形態に係る半導電性樹脂組成物を導体10の外周に被覆架橋することにより形成される。
絶縁層30は、内部半導電層20を被覆する絶縁性の層であり、絶縁層用樹脂組成物を内部半導電層20の外周に被覆架橋することにより形成される。絶縁層用樹脂組成物としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物架橋剤、及び架橋助剤、充填剤、軟化剤、滑剤、老化防止剤、安定剤、難燃剤などの各種配合剤で構成されていることが好ましい。なお、内部半導電層20と絶縁層30との架橋温度を揃えるという観点から、有機過酸化部架橋剤を配合する場合は、上述の内部半導電層20と同じ種類とすることが好ましい。
外部半導電層40は、絶縁層30を被覆する半導電性の層であり、上述した本実施形態に係る半導電性樹脂組成物を絶縁層30の外周に被覆架橋することにより形成される。外部半導電層40を構成するポリオレフィン系樹脂や導電性カーボンなどの種類や配合割合は内部半導電層20と同じであっても異なっていてもよい。なお、内部半導電層20、絶縁層30及び外部半導電層40の架橋温度を揃えるという観点から、有機過酸化部架橋剤を配合する場合は、上述の内部半導電層20及び絶縁層30と同じ種類とすることが好ましい。
本実施形態の電力ケーブル1の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、導体10の外周に、内部半導電層20を形成するための本実施形態の半導電性樹脂組成物からなる層、絶縁層30を形成するための絶縁層用樹脂組成物からなる層、及び、外部半導電層40を形成するための本実施形態の半導電性樹脂組成物からなる層の3層を、同時押出し被覆により形成して、電力ケーブルの成形体を得る。次いで、この成形体をシリコーンオイルや窒素ガス下において、温度160〜320℃、圧力0.2〜3MPaの条件で加熱加圧し、3層を同時に架橋して電力ケーブルを得る方法などが挙げられる。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜9及び比較例1〜7)
ポリオレフィン系樹脂、導電性カーボン、炭酸カルシウム及び有機過酸化物架橋剤を、表1、2に示す割合で配合し、100℃のロールで混練することにより、半導電性樹脂組成物を得た。
表1、2における各成分としては、具体的に以下のものを使用した。
(1)ポリオレフィン系樹脂
(1−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体:三井・デュポンポリケミカル社製
(2)導電性カーボン
(2−1)ファーネスブラック:東海カーボン社製、比表面積58m/g
(2−2)ファーネスブラック:キャボット社製、比表面積86m/g
(2−3)ファーネスブラック:東海カーボン社製、比表面積225m/g
(2−4)アセチレンブラック:デンカ社製、比表面積69m/g
(3)炭酸カルシウム
(3−1)重質炭酸カルシウム:白石カルシウム社製、平均粒子径1.8μm
(3−2)軽質炭酸カルシウム:白石カルシウム社製、平均粒子径150nm
(4)有機過酸化物架橋剤
(4−1)ジクミルパーオキシド:日油社製
次いで、上記にて得られた半導電性樹脂組成物を用いて、下記の各評価を行った。
[特性評価]
<ムーニー粘度ML(1+4,100℃)>
実施例1〜9、比較例1〜7の半導電性樹脂組成物について、「JIS K6300−1 未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準拠して、ムーニー粘度の測定を行った。なお、測定温度を100℃とし、L型のロータを用い、予熱時間1分として、回転4分後の値を測定した。ムーニー粘度ML(1+4,100℃)が低いほど、加工性に優れると評価できる。なお、ムーニー粘度ML(1+4,100℃)が100以下を合格とした。結果を表1、2に示す。
<突起発生量>
実施例1〜9、比較例1〜7の半導電性樹脂組成物について、ラボプラストミル(東洋精機製作所社製)の短軸押出機(φ25スクリュー)に投入し、幅10mm、高さ0.5mmのフラットダイを用いて、温度120℃、回転数20rpmで押出した。このようにして、幅10mm、厚さ0.5mmの半導電性樹脂のテープを作製した。次いで、このテープの一方の面をデジタルマイクロスコープで観察し、テープの表面積(500mm)当たりのφ100μm以上の突起物の数を数えて評価した。評価は×、△、○、◎で表し、△、○、◎を合格とした。結果を表1、2に示す。なお、表には実際の突起物の数も併せて記載している。

×:100個以上/500mm
△:10〜99個/500mm
○:1〜9個/500mm
◎:0個/500mm
<体積抵抗率>
実施例1〜9、比較例1〜7の半導電性樹脂組成物を、温度170℃、圧力5MPaの条件で15分間プレス架橋した。このようにして厚さ1mmのシート状半導電性樹脂を得た。そして、得られたシート状架橋物を、幅20mm、長さ80mmの短冊状に切断し、切断サンプルを得た。さらに、得られた切断サンプルの長さ方向の両端において、端部から5mmの幅の部分に導電性塗料を塗布し、長さ方向両端に電極を形成することで、測定サンプルを得た。最後に、得られた測定サンプルについて、「日本ゴム協会標準規格SRIS 2301−1969 導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗率試験方法」のホイートストンブリッジ法に準拠して、体積抵抗率の測定を行った。なお、体積抵抗率は15Ω・cm以下を合格とした。結果を表1、2に示す。

Figure 2017115003
Figure 2017115003
表1、2に示す結果より、実施例1〜9の半導電性樹脂組成物は、体積抵抗率を十分に低減させつつ、加工性に優れ、半導電層表面における突起の生成を抑制することができるのに対し、比較例1〜7の半導電性樹脂組成物は、少なくとも1つの評価項目において合格基準に達していないことが分かった。
以上より、本発明によれば、体積抵抗率を十分に低減させつつ、加工性に優れ、半導電層表面における突起の生成を抑制した半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブルを提供できることが確認された。

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系樹脂と、導電性カーボンと、炭酸カルシウムとを有し、
    前記導電性カーボンが、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して40質量部以上80質量部以下の割合で配合され、
    前記炭酸カルシウムが、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部以上10質量部以下配合され、
    前記導電性カーボンの比表面積が200m/g以上である半導電性樹脂組成物。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の半導電性樹脂組成物。
  3. 前記導電性カーボンがファーネスブラックである請求項1又は2に記載の半導電性樹脂組成物。
  4. 導体と、前記導体の外周に被覆された内部半導電層と、前記内部半導電層の外周に被覆された絶縁層と、前記絶縁層の外周に被覆された外部半導電層と、を少なくとも備え、
    前記内部半導電層及び外部半導電層が請求項1〜3に記載の半導電性樹脂組成物で構成される電力ケーブル。
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