JP2017114586A - エレベーター - Google Patents

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Abstract

【課題】、乗りかごの荷物を確実に検知できるとともに、荷物の搬出階におけるドアの開延長を実施させることができるエレベーターの提供。
【解決手段】本発明に係るエレベーターは、エレベーター制御装置7が、撮影装置3で撮影した画像により乗りかご1の内部の検知物を認識する処理を行う画像処理部8と、この画像処理部8で認識した検知物が荷物2かどうかを、乗りかご1が出発してから予め設定された所定時間後に、例えば3秒後に、荷物2を搬入する台車2aに係わることなく判定する荷物判定部9とを有し、荷物判定部9で荷物2が乗りかご1の内部に存在すると判定された場合に、荷物2の搬出階におけるドアの開延長を例えば自動的に実施する処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗りかご内に搬入される荷物を撮影する撮影装置を備えたエレベーターに関する。
特許文献1に、乗りかごに荷物を搬入する際に、乗場に待機する運搬台車と荷物をカメラで撮影することにより、荷物が乗りかごに搬入されることを認識することができるエレベータが提案されている。
この従来技術は、荷物を乗せた運搬台車を乗りかごに搬入する際の運搬台車の車輪部分の荷重が、かご床に対して集中的に作用する事象を解消することを目的とした発明である。この従来技術は、運搬台車による集中荷重を制限するため、カメラの撮影画像により荷物が搬入されると判断した場合に、定格荷重を制限することで、荷物搬入時のかご床の変形や破損を防止するものである。
特開2013−241229号公報
特許文献1に開示された従来技術にあっては、乗りかごへの荷物の搬入が検知された場合に、乗りかご内の操作盤にドアの開延長ボタンを備えていないエレベーターにあって、荷物の搬出階のドア開閉制御をどのようにするかについては考慮がなされていなかった。また、この従来技術では、運搬台車と荷物が撮影された場合に荷物と認識することはできるが、運搬台車が荷物によって隠されて運搬台車を撮影できない場合とか、手押し部分が無い台車で荷物を搬入する場合には、乗りかごの内部への荷物の搬入を認識できない懸念がある。
上記課題を解決するために、本発明の目的は、乗りかごの荷物を確実に検知できるとともに、荷物の搬出階におけるドアの開延長を実施させることができるエレベーターを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るエレベーターは、乗りかごの運行を制御するエレベーター制御装置と、前記乗りかごの内部を撮影する撮影装置とを有するエレベーターにおいて、前記エレベーター制御装置は、前記撮影装置が撮影した画像により前記乗りかごの内部の検知物を認識する処理を行う画像処理部と、前記画像処理部で認識した前記検知物が荷物かどうかを前記乗りかごが出発してから予め設定された所定時間後に、前記荷物を運搬する台車に係わることなく判定する荷物判定部とを有し、前記荷物判定部で前記荷物が前記乗りかごの内部に存在すると判定された場合に、前記荷物の搬出階における前記ドアの開延長を可能にさせる処理を行うことを特徴としている。
本発明に係るエレベーターによれば、エレベーター制御装置の画像処理部で認識した検知物に基づく荷物判定部の判定によって、荷物を運搬する台車に係わることなく乗りかごの荷物を確実に検知でき、エレベーター制御装置によって荷物の搬出階におけるドアの開延長を可能にさせることができる。
これにより本発明は、搬出階における荷物の搬出作業に際して十分な作業時間を確保でき、荷物の搬出作業を従来よりも能率良く、また安全に行うことができる。また、荷物の搬出作業に応じたドアの開延長時間とすることができるので、荷物と共に乗りかごに乗り込んでいる乗客に対する利便性を、従来よりも向上させることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係るエレベーターの一実施形態の要部構成を示す図である。 本実施形態に備えられるエレベーター制御装置の処理動作を中心とした荷物検知手順のフローチャートである。 本実施形態に備えられるエレベーター制御装置の荷物判定部において行われる荷物の判定を説明する図で、(a)図は乗りかごに荷物を搬入したときの状態を示す図、(b)図は荷物の存在の有無の判定時の状態を示す図である。
以下、本発明に係るエレベーターの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るエレベーターの一実施形態の要部構成を示す図である。
この図1は、乗りかご1に乗客が荷物2を台車2aに乗せて乗り込んでいる状態を示している。乗りかご1には、この乗りかご1の内部を撮影する撮影装置3を設けてある。また、行先階を登録する行先階ボタン、ドアを強制的に開閉する開ボタン及び閉ボタンを有する操作盤4を設けてある。本実施形態に係るエレベーターは例えば操作盤4に、乗りかご1が乗り場に到着した際に乗りかご1のドア、及び乗り場のドアを開延長させる開延長ボタンは備えられていない。また、乗りかご1の上には、ドアを開閉させるドア駆動モータ5、及びドア駆動モータ5を制御するドア制御装置6を設けてある。
また、乗りかご1の運行やドアの開閉を制御するエレベーター制御装置7を、機械室等の所定の場所に設置してある。
本実施形態に備えられるエレベーター制御装置7は、撮影装置3で撮影した画像により乗りかご1の内部の人物及び荷物2を含む検知物を認識する処理を行う画像処理部8と、この画像処理部8で認識した検知物が荷物2かどうかを、乗りかご1が出発してから予め設定される所定時間後に、荷物2を搬入する台車2aに係わることなく判定する荷物判定部9とを有している。
荷物判定部9は例えば、画像処理部8で認識された検知物の乗りかご1の出発後の画像と出発前の画像とを対比することにより、荷物2が存在するかどうか判定するものから成る。
エレベーター制御装置7は、荷物判定部9で荷物2が存在すると判定された場合に、荷物2の搬出階におけるドアの開延長を可能にさせる処理を行う。例えば本実施形態にあっては、エレベーター制御装置7は、荷物判定部9で荷物2が存在すると判定されたときに、ドアの開延長を自動的に実施させる処理を行う。
また、エレベーター制御装置7は、荷物2を乗りかご1に乗せた乗客が呼び登録したことを、すなわち搬出階である行先階を操作盤4の行先階ボタンの操作によって登録したことを認識するドア開閉制御部10も有している。
図2は、本実施形態に備えられるエレベーター制御装置の処理動作を中心とした荷物検知手順のフローチャートである。以下、図2に基づいて本実施形態の処理動作について説明する。
ステップS1:乗りかご1が所定階に到着して、台車2aに荷物2を乗せて乗客が乗りかご1に乗り込む。
ステップS2:荷物2を乗りかご1に乗せた乗客が、操作盤4の行先階ボタンを操作して荷物2の搬出階を呼び登録する。このとき、呼び登録された搬出階の情報は、エレベーター制御装置7のドア開閉制御部10へ送られる。
ステップS3:乗りかご1へ乗り込んだ際の乗客及び荷物2の動きのある画像、すなわち乗りかご1の出発前の画像が撮影装置3で撮影される。このとき画像処理部8は、動きがある画像の領域を複数の検知物が存在すると認識する。
動き検知技術は公知であり、例えば背景差分がある。この方法は、あらかじめ背景画像を取得して置き、ある時点において観測した画像と背景画像の差分を取ることで、動体検知を行う方法である。画像処理部8は、人物や荷物2を、それぞれ検知物として認識する。このときは、動きのある画像を単に検知物として認識するのみであり、検知物が荷物2か、荷物以外のものである人物かの判定は行わない。この状態で、ドアが閉じられ、乗りかご1は出発する。
ステップS4:荷物判定部9は、乗りかご1の出発後の一定時間内に、すなわち乗りかご1が出発してから予め設定された所定時間後、例えば乗りかご1内の荷物2が静止した状態になると推定される乗りかご1の出発時から3秒後に、画像処理部8によって複数認識した乗りかご1の出発前の検知物の画像すなわち出発直前の画像と、乗りかご1が出発してから3秒後に撮影された撮影装置3の画像とに基づいて、検知物にさらに動きがあるかどうかを判定する。なお、所定時間の設定は3秒に限られることはなく、変更が可能である。要するに所定時間は、乗りかご1の乗客全員及び荷物2の画像に対しての荷物判定部9における判定が可能な待機状態となると推定される乗りかご1の出発時からの時間である。
ステップS5:荷物判定部9における判定に際し通常、人物であれば多少の動きを生じる。したがって少しでも動きを生じた検知物は、乗客すなわち荷物2以外のものと判定し、少しの動きもない検知物が存在するときには、その検知物は荷物2であると判定し、ステップS6へ進む。なお、前述のステップS4において、全ての検知物が動きを生じた検知物と判定されたときには、乗りかご1内に荷物2が存在せず、処理は終了する。
ステップS6:荷物2の運搬中である旨の情報がドア開閉制御部10へ送られる。ドア開閉制御部10は、荷物2の搬入時に登録した搬出階に乗りかご1が到着した際のドア開時間を延長させるための処理を行う。
ステップS7:乗りかご1が搬出階に到着すると、ドア開閉制御部10の処理制御に応じた信号がドア制御装置6に出力され、ドア駆動モータ5が作動して乗りかご1のドア及び乗り場のドアが開かれる。またドアが閉じられる際には、ドア開閉制御部10の指令に応じてドア制御装置6は、延長させたドアの開時間の経過後にドアを閉じるようにドア駆動モータ5を作動させる。したがって、台車2aに乗せた荷物2を扱う乗りかご1の乗客は、乗り場へ余裕をもって、あせることなく荷物2を搬出させることができる。
図3は、本実施形態に備えられるエレベーター制御装置の荷物判定部において行われる荷物の判定を説明する図で、(a)図は乗りかごに荷物を搬入したときの状態を示す図、(b)図は荷物の存在の有無の判定時の状態を示す図である。
前述したステップS3及びステップS4の処理について再度説明すると、図3の(a)図に示すように、乗りかご1に乗り込んだ検知物A,B,Cの存在が撮影装置3で撮影された画像に基づいて画像処理部8によって認識される。前述したようにこのときには、検知物A,B,Cが荷物2なのか、荷物2以外の人物なのかの判定は行わない。
図3の(b)図に示すように、乗りかご1が出発してから予め設定された所定時間後、例えば3秒後に、撮影装置3で撮影されるその時点の画像における検知物A,B,Cの動きに基づいて、荷物判定部9は、検知物A,B,Cが荷物2か、荷物2以外の人物かを判定する。検知物A,Bは動きがあるので荷物2以外の人物、すなわち乗客と判定され、検知物Cは動きがないので荷物2と判定される。
以上のように構成した本実施形態に係るエレベーターによれば、前述のようにエレベーター制御装置7の画像処理部8で認識した検知物A,B,Cに基づく荷物判定部9の判定によって、荷物2を運搬する台車2aに係わることなく乗りかご1の荷物2を確実に検知でき、エレベーター制御装置7によって荷物2の搬出階におけるドアの開延長を自動的に実施することができる。すなわち、操作盤4に開延長ボタンを備えていない本実施形態に係るエレベーターにあって、荷物2の運搬時にはドアの開延長を自動的に実施することができる。
これにより本実施形態は、搬出階における荷物2の搬出作業に際して十分な作業時間を確保でき、この荷物2の搬出作業を能率良く、また安全に行うことができる。また、荷物2の搬出作業に応じた開延長時間とすることができるので、荷物2と共に乗りかご1に乗り込んでいる乗客に対する利便性を向上させることができる。
すなわち、荷物2を搬出階で降ろす乗客は、前述したように荷物2の搬出作業を余裕をもって行うことができる。また、荷物2の搬出階で降りる他の乗客は、荷物2の搬出前に乗り場に降りることができ、あるいは荷物2の搬出後にドアが閉じられることなく続いて乗り場に降りることができる。また、荷物2の搬出階で降りない他の乗客は例えば、荷物2の搬出作業の支障とならない乗りかご1内の位置に余裕をもって移動することができる。
また、本実施形態は、エレベーター制御装置7における機能を、荷物判定部9が乗りかご1内に荷物2が存在すると判定した場合にのみ有効としてあるので、乗りかご1内に荷物2が存在しないときの不要なドアの開延長を防ぐことができる。
なお、前述した実施形態にあっては、エレベーター制御装置7が、荷物判定部9で乗りかご1の内部に荷物2が存在すると判定されたときに、ドアの開延長を自動的に実施させる処理を行う構成となっているが、本発明は、このように構成することには限られない。例えば、乗りかご1の内部に報知装置を設け、エレベーター制御装置7は乗りかご1の搬出階への到着時に報知装置から乗客に対し、乗りかご1の操作盤4のボタン操作に応じてドアの開延長が実施される旨の音声案内を報知させる処理を行う構成にしてもよい。例えば搬出階への到着時に、エレベーター制御装置7は報知装置を作動させて、「開ボタンを2度押しするとドア開時間を10秒延長します。」という音声案内を実施させる処理を行なわせるようにしてもよい。
このように構成したものでは、前述した実施形態と同様に開延長ボタンを備えていない乗用のエレベーターにおいて、荷物2を運搬する場合においてもドア開延長機能を確保できる。
また、前述した実施形態では、エレベーター制御装置7の荷物判定部9は、画像処理部8で認識された検知物の乗りかご1の出発後の画像と出発前の画像とを比較することにより、荷物2が存在するかどうか判定する構成にしてあるが、本発明は、荷物判定部9をこのように構成することには限定されない。
乗りかご1の内部、例えば天井部に、検知物のそれぞれの温度を検出する温度センサを設け、温度センサで検出された検知物のそれぞれの温度に基づいて、荷物2が存在するかどうか判定する構成にしてもよい。すなわち、検知物のそれぞれの温度を温度センサで検出し、所定の閾値温度以下の温度となる検知物が存在するときに、その検知物は荷物2であると判定するようにしてもよい。
また、エレベーター制御装置7の荷物判定部9を、検知物に対して公知の顔認証技術を採用して、荷物2が存在するかどうか判定する構成にしてもよい。すなわち、撮影装置3によって撮影された画像に対し顔認証し、顔認証ができない検知物を荷物2と判定するようにしてもよい。
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前述した実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1・・乗りかご、2・・荷物、2a・・台車、3・・撮影装置、4・・操作盤、5・・ドア駆動モータ、6・・ドア制御装置、7・・エレベーター制御装置、8・・画像処理部、9・・荷物判定部、10・・ドア開閉制御部、A,B,C・・検知物

Claims (6)

  1. 乗りかごの運行を制御するエレベーター制御装置と、前記乗りかごの内部を撮影する撮影装置とを有するエレベーターにおいて、
    前記エレベーター制御装置は、
    前記撮影装置が撮影した画像により前記乗りかごの内部の検知物を認識する処理を行う画像処理部と、前記画像処理部で認識した前記検知物が荷物かどうかを前記乗りかごが出発してから予め設定された所定時間後に、前記荷物を運搬する台車に係わることなく判定する荷物判定部とを有し、
    前記荷物判定部で前記荷物が前記乗りかごの内部に存在すると判定された場合に、前記荷物の搬出階における前記ドアの開延長を可能にさせる処理を行うことを特徴とするエレベーター。
  2. 請求項1に記載のエレベーターにおいて、
    前記エレベーター制御装置は、前記荷物判定部で前記荷物が存在すると判定されたときに、前記ドアの開延長を自動的に実施させる処理を行うことを特徴とするエレベーター。
  3. 請求項1に記載のエレベーターにおいて、
    前記乗りかごの内部に報知装置を設け、
    前記エレベーター制御装置は、前記報知装置から乗客に対し、前記乗りかごの内部の操作盤のボタン操作に応じて前記ドアの開延長が可能となる旨の音声案内を実施させる処理を行うことを特徴とするエレベーター。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレベーターにおいて、
    前記エレベーター制御装置の前記荷物判定部は、前記画像処理部で認識された前記検知物の前記乗りかごの出発後の画像と出発前の画像とを比較することにより、前記荷物が存在するかどうか判定するものから成ることを特徴とするエレベーター。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレベーターにおいて、
    前記乗りかごの内部に、前記検知物の温度を検出する温度センサを設け、
    前記エレベーター制御装置の前記荷物判定部は、前記温度センサで検出された前記検知物の温度に基づいて、前記荷物が存在するかどうか判定するものから成ることを特徴とするエレベーター。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレベーターにおいて、
    前記エレベーター制御装置の前記荷物判定部は、前記検知物に対して顔認証することにより、前記荷物が存在するかどうか判定するものから成ることを特徴とするエレベーター。
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