JP5463753B2 - 荷物用エレベーターの制御装置 - Google Patents

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この発明は、荷物用エレベーターの制御装置に関するものである。
荷物用エレベーターでは、例えば、光電装置を設置することにより、荷物の積み降ろし時等に戸閉動作が開始されてしまうことを防止している。即ち、エレベーターの戸開時に、上記光電装置によって出入口にある障害物が検出されると、戸閉動作は開始されず、戸開状態が保持される。なお、かかる構成のエレベーターにおいては、かご内に戸閉釦が備えられている場合であっても、上記光電装置によって障害物の存在が検出されている間は、戸閉釦押下による戸閉動作は無効とされるのが一般的である。
一方、上記光電装置としては主に透過形センサ等が採用されるため、エレベーターが備えられている建物において火災が発生すると、光電装置の検出光が火災時の煙によって遮られてしまうことがある。かかる場合、上記構成のエレベーターでは、光電装置によって障害物有りが連続して検出されてしまうために戸閉動作が開始されず、エレベーターの昇降路が煙突状態となって、煙が他階床に拡散してしまう恐れがあった。
このような事情に鑑み、光電装置によって障害物の存在が検出されている場合でも、所定の条件下、戸閉動作を強制的に行うようにしたエレベーターも提案されている(特許文献1参照)。具体的に、特許文献1に記載のものでは、光電装置によって長時間連続して障害物の検出が行われる場合に、強制的に戸閉動作を開始させている。
特開平11−29284号公報
特許文献1に記載のものでは、例えば、荷物の積み降ろしに長時間を要する場合に、所定の時間が経過すると、戸閉動作が強制的に開始されてしまう。このため、荷物がエレベーターのドアに接触して荷物が損傷したり、荷物を運ぶ台車にエレベータードアが接触して、台車から荷物が落下してしまう恐れがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、火災発生時に昇降路が煙突状態となることを防止でき、且つ、荷物の積み降ろし時の戸閉動作を確実に防止できる荷物用エレベーターの制御装置を提供することである。
この発明に係る荷物用エレベーターの制御装置は、エレベーターが設置されている建物に設けられた火災検出装置と、エレベーターのかご負荷を検出するかご負荷検出装置と、エレベーターの戸開時に、エレベーター出入口の障害物の有無を検出する光電装置と、かご内に設けられた行先釦又は戸閉釦と、光電装置が障害物を検出することによってエレベーターが戸開保持されている場合に、火災検出装置によって火災が検出され、且つ、かご負荷検出装置によって所定値以上のかご負荷が検出されていれば、行先釦又は戸閉釦が押されるまで戸開状態を保持し、行先釦又は戸閉釦が押されることによって戸閉動作を開始させる運転制御装置と、を備えたものである。

この発明によれば、荷物用エレベーターにおいて、火災発生時に昇降路が煙突状態となることを防止でき、且つ、荷物の積み降ろし時の戸閉動作を確実に防止できるようになる。
この発明の実施の形態1における荷物用エレベーターの制御装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1における荷物用エレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における荷物用エレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における荷物用エレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートである。
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における荷物用エレベーターの制御装置を示す構成図である。
図1において、1は昇降路内を昇降する荷物用エレベーターのかご、2はかご1の下部を形成し、かご室を支持するかご床、3はかご床2に設けられたかご負荷検出装置である。かご負荷検出装置3は、かご1に対する負荷(積載荷重)を検出する機能を有しており、その検出結果(かご負荷情報)を後述の運転制御装置14に対して出力する。なお、上記かご負荷検出装置3は、かご負荷を検出する装置としての一例を示したものであり、上記機能を備えていれば、その構成は如何なるものであっても構わない。例えば、エレベーターの構成に合わせて、かご負荷検出装置3を、かご1の上部や主ロープ(図示せず)の端部等に設置しても良い。
4はかご1の出入口を開閉するかごドア、5はかごドア4に設けられた光電装置、6はかごドア4の開閉制御を行うドア駆動回路である。光電装置5は、かごドア4の戸開時に、かご1の出入口に存在する障害物を検出する機能を有している。具体的に、光電装置5は、投光器5aと受光器5bとを有する透過形センサからなり、投光器5aから照射された検出光を受光器5bが受光したか否かによって、上記障害物の有無を検出する。かごドア4が図1に示すような両開き(中央開き)方式の場合、投光器5a及び受光器5bは、互いに対向するように、例えば、上記投光器5aが一方のかごドア4の出入口側縁部に、受光器5bが他方のかごドア4の出入口側縁部に設置される。そして、投光器5aは、例えば、かごドア4の全開時及び戸閉動作時に検出光を照射し、受光器5bが、その検出結果(障害物の有無情報)を後述の運転制御装置14に対して出力する。
7はかご1内に設けられたかご操作盤、8はかご1内に警報(ブザー音、電子音、アナウンス等)を行うための警報装置である。
かご操作盤7は、荷物の運搬を行う荷扱い者(エレベーター利用者)が操作を行うものであり、例えば、かご1の現在位置を表示するかご位置表示器9、かご1の行先階を登録する行先釦10、かごドア4を開けるための戸開釦11、かごドア4を閉じるための戸閉釦12が設けられている。
なお、本実施の形態における警報装置8は、かご1の天井部に設けられたものを示しているが、警報装置8の設置位置はこれに限るものではない。例えば、警報装置8をかご操作盤7に組み込んで構成しても良い。
13は火災検出スイッチ(火災検出装置)である。火災検出スイッチ13は、エレベーターが設置されている建物に設けられており、上記建物において発生した火災を検出する機能を有している。なお、この火災検出スイッチ13は火災の発生を検出する機能を有していれば、その構成や検出方法等は如何なるものであっても構わない。また、火災検出スイッチ13は、建物内は当然のこと、上記建物において発生した火災を検出する機能を有するものであれば、屋外(例えば、荷物搬出入口等)に設置されたものであっても構わない。
上記運転制御装置14は、エレベーターの運転を制御する機能を有している。具体的に、運転制御装置14は、通常運転時、かご操作盤7や乗場操作盤(図示せず)からの入力情報に基づき、かご1を駆動するための駆動回路(図示せず)や上記ドア駆動回路6に対して動作指令を出力し、エレベーターを適切に制御する。また、運転制御装置14は、かご負荷検出装置3、光電装置5(受光器5b)、かご操作盤7、火災検出スイッチ13からの各入力情報に基づき、火災発生時に対応した適切なエレベーター制御を実施する。
以下に、図2乃至図4を参照し、上記運転制御装置14の具体的な動作について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における荷物用エレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートであり、周期的に呼び出されるサブルーチンである。
図2において、運転制御装置14は、先ず、火災検出スイッチ13が動作したか否か、即ち、火災検出装置によって火災の発生が検出されたか否かを判定する(S101)。なお、火災検出スイッチ13が動作していない、即ち、火災検出装置によって火災の発生が検出されていなければ、運転制御装置14は動作を終了して、上記通常運転制御を継続する。
S101において火災検出スイッチ13の動作が確認されると、運転制御装置14は、次に、光電装置5が動作した(受光器5bからの出力がある)か否か、即ち、エレベーターの戸開中に光電装置5によって出入口の障害物有りが検出されたか否かを判定する(S102)。なお、光電装置5が動作していない、即ち、戸開中の障害物の検出が光電装置5によって行われていなければ、運転制御装置14は動作を終了する。
S102において光電装置5の動作が確認されると、運転制御装置14は、かごドア4を戸開保持するとともに、次に、かご負荷検出装置3が動作した(かご負荷検出装置3の出力がある)か否かを判定する(S103)。なお、かご負荷検出装置3によって所定の基準値以上のかご負荷が検出されれば、運転制御装置14は動作を終了する。
一方、S103のかご負荷判定においてかご1の無負荷状態(かご負荷が所定の基準値よりも小さい状態)が検出されると、運転制御装置14は、エレベーターが未使用状態で戸開していると判断し、ドア駆動回路6に対して戸閉指令を出力する(S104)。これにより、かごドア4の戸閉動作が開始される。そして、運転制御装置14は、かごドア4を全閉させることによって昇降路1が煙突状態になることを防止するとともに、その後、図示しない駆動回路に対して走行指令を出力し、かご1を所定の避難階に停止させる。
運転制御装置14の上記機能により、かごドア4間に漂う煙を光電装置5が障害物として検出してしまうような場合であっても、エレベーターが未使用状態であれば、自動的に戸閉動作が開始されて、昇降路1が煙突状態となることを防止できる。なお、火災検出スイッチ13が動作していなければ、S102以下の動作は行われないため、荷物の積み降ろし時に戸閉動作が開始されて荷物が損傷してしまうようなことも確実に防止できる。
図3はこの発明の実施の形態1における荷物用エレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートであり、周期的に呼び出されるサブルーチンである。
図3において、運転制御装置14は、図2に示す場合と同様に、先ず、火災検出スイッチ13が動作したか否かを判定する(S201)。なお、火災検出スイッチ13が動作していなければ、運転制御装置14は動作を終了して、上記通常運転制御を継続する。一方、S201において火災検出スイッチ13の動作が確認されると、運転制御装置14は、次に、光電装置5が動作したか否かを判定する(S202)。そして、光電装置5が動作していなければ、運転制御装置14は動作を終了する。
S202において光電装置5の動作が確認されると、運転制御装置14は、かごドア4を戸開保持するとともに、次に、かご負荷検出装置3が動作したか否かを判定する(S203)。なお、かご負荷検出装置3によってかご1の無負荷状態が検出されると、運転制御装置14は動作を終了する。
一方、S203においてかご負荷有り(所定の基準値以上のかご負荷)が検出されると、運転制御装置14は、エレベーターが荷物の積み降ろし中であると判断し、警報装置8に対して警報指令を出力する(S204)。これにより、警報装置8から所定の警報が出力される。
運転制御装置14の上記機能により、かごドア4間に漂う煙を光電装置5が障害物として検出してしまうような場合に、エレベーターが使用状態であれば、自動的に警報が行われる。このため、荷扱い者はこの警報によって作業を終了し、戸閉動作を行う等の適切な対処を即時に行うことが可能となる。なお、火災検出スイッチ13が動作していなければ、S202以下の動作は行われないため、荷物の積み降ろし時に戸閉動作が開始されて荷物が損傷してしまうようなことも確実に防止できる。
図4はこの発明の実施の形態1における荷物用エレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートであり、周期的に呼び出されるサブルーチンである。
図4において、運転制御装置14は、図2に示す場合と同様に、先ず、火災検出スイッチ13が動作したか否かを判定する(S301)。なお、火災検出スイッチ13が動作していなければ、運転制御装置14は動作を終了して、上記通常運転制御を継続する。一方、S301において火災検出スイッチ13の動作が確認されると、運転制御装置14は、次に、光電装置5が動作したか否かを判定する(S302)。そして、光電装置5が動作していなければ、運転制御装置14は動作を終了する。
S302において光電装置5の動作が確認されると、運転制御装置14は、かごドア4を戸開保持するとともに、次に、かご負荷検出装置3が動作したか否かを判定する(S303)。なお、かご負荷検出装置3によってかご1の無負荷状態が検出されると、運転制御装置14は動作を終了する。
一方、S303においてかご負荷有り(所定の基準値以上のかご負荷)が検出されると、運転制御装置14は、エレベーターが荷物の積み降ろし中であると判断し、かご操作盤7の操作による戸閉許可処理を実施する。即ち、S303において所定の基準値以上のかご負荷が検出されると、運転制御装置14は、行先釦10又は戸閉釦12の押下情報が入力されることにより、ドア駆動回路6に対して戸閉指令を出力する(S304)。これにより、かごドア4の戸閉動作が開始される。そして、運転制御装置14は、かごドア4の全閉によって昇降路1が煙突状態になることを防止するとともに、その後、図示しない駆動回路に対して走行指令を出力し、かご1を所定の避難階に停止させる。
運転制御装置14の上記機能により、かごドア4間に漂う煙を光電装置5が障害物として検出してしまうような場合に、光電装置5による戸閉不能状態が解除され、荷扱い者による行先釦10の押下又は戸閉釦12の押下によって戸閉動作が開始される。このため、昇降路1が煙突状態となることを確実に防止できる。また、火災検出スイッチ13が動作していなければ、S102以下の動作は行われないため、荷物の積み降ろし時に戸閉動作が開始されて荷物が損傷してしまうようなことも確実に防止できる。なお、図4のS304に示す動作は、図3のS204に示す動作と同時に行うことが可能である。
上記運転制御装置14の機能は、火災発生時、即ち、火災検出スイッチ13が動作している時のものである。このため、運転制御装置14は、例えば、火災検出スイッチ13が動作していない時に、光電装置5が障害物有りを検出して戸開保持されていれば、上記行先釦10又は戸閉釦12が押されてもドア駆動回路6に対する戸閉指令は出力しない。かかる機能により、荷物の積み降ろし時の戸閉動作が確実に防止される。
この発明の実施の形態1によれば、荷物用エレベーターにおいて、火災発生時に昇降路1が煙突状態となることを防止できるとともに、更に、通常の荷物の積み降ろし時に戸閉動作が開始されて荷物が損傷してしまうようなことを確実に防止できるようになる。
1 かご
2 かご床
3 かご負荷検出装置
4 かごドア
5 光電装置
5a 投光器
5b 受光器
6 ドア駆動回路
7 かご操作盤
8 警報装置
9 かご位置表示器
10 行先釦
11 戸開釦
12 戸閉釦
13 火災検出スイッチ
14 運転制御装置

Claims (3)

  1. エレベーターが設置されている建物に設けられた火災検出装置と、
    エレベーターのかご負荷を検出するかご負荷検出装置と、
    エレベーターの戸開時に、エレベーター出入口の障害物の有無を検出する光電装置と、
    かご内に設けられた行先釦又は戸閉釦と、
    前記光電装置が前記障害物を検出することによってエレベーターが戸開保持されている場合に、前記火災検出装置によって火災が検出され、且つ、前記かご負荷検出装置によって所定値以上のかご負荷が検出されていれば、前記行先釦又は前記戸閉釦が押されるまで戸開状態を保持し、前記行先釦又は前記戸閉釦が押されることによって戸閉動作を開始させる運転制御装置と、
    を備えたことを特徴とする荷物用エレベーターの制御装置。
  2. 前記運転制御装置は、前記光電装置が前記障害物を検出することによってエレベーターが戸開保持されている場合に、前記火災検出装置によって火災が検出されていなければ、前記行先釦又は前記戸閉釦が押されても戸閉動作を開始させず、戸開状態を保持することを特徴とする請求項に記載の荷物用エレベーターの制御装置。
  3. 前記かご内に警報を行う警報装置と、
    を更に備え、
    前記運転制御装置は、前記光電装置が前記障害物を検出することによってエレベーターが戸開保持されている場合に、前記火災検出装置によって火災が検出され、且つ、前記かご負荷検出装置によって所定値以上のかご負荷が検出されると、前記警報装置から所定の警報を出力させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の荷物用エレベーターの制御装置。
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