JP2017114238A - エアバッグ用開口部形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】主に、脆弱線を高精度で素早く、しかも、安価に作成することができるようにする。【解決手段】載置台11の上に、表皮材12を表裏反転した状態で載置し、操作装置13に取付けた加工手段14を用いて、表皮材12の裏面側から、表皮材12にエアバッグ用開口部4を開成するドア部5を画成するための脆弱線6を加工形成するエアバッグ用開口部形成方法に関する。上記載置台11の上面に断続的な凸部21または凹部22を形成する。凸部21または凹部22を有する載置台11に表皮材12を載置して、表皮材12に凸部21または凹部22による凹凸形状を与える。上記操作装置13を用いて加工手段14を一定の高さHで動かすことにより、表皮材12の裏面側に、表皮材12の凹凸形状に応じた断続的な脆弱線6を形成する。【選択図】図6
Description
この発明は、エアバッグ用開口部形成方法に関するものである。
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルが設置されている。このインストルメントパネルの助手席側の部分には、緊急時に助手席乗員を保護するための安全装置として、助手席用のエアバッグ装置が設置されている。
この助手席用のエアバッグ装置は、袋状のエアバッグ本体を折畳んで収納するエアバッグモジュールと、このエアバッグモジュールの上方に設置されたエアバッグリッド部とを備えている。そして、エアバッグリッド部には、エアバッグ本体が車室内へ膨出するためのエアバッグ用開口部を画成するための脆弱線が形成されている。
このような、エアバッグ用開口部を画成するための脆弱線は、例えば、表裏反転されたエアバッグリッド部に対し、多関節ロボットに取付けた加工工具を用いて、エアバッグリッド部の裏面側から加工形成するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記したように、多関節ロボットに取付けた加工工具を用いて、裏面側からエアバッグリッド部に脆弱線を形成した場合、以下のような問題があった。
即ち、エアバッグリッド部に脆弱線を形成するのに、多関節ロボットに対して複雑なティーチングを行う必要が生じる。また、多関節ロボットにエアバッグリッド部の裏面に沿った複雑な動きをさせる際に、多関節ロボットの各可動部の速度変化や角度変化や、各可動部が持っているガタなどの影響を受け易く、脆弱線の加工深さにバラ付きを生じるおそれがあった。この問題は、特に、多関節ロボットの関節数が多くなるほど深刻なものとなる。
即ち、エアバッグリッド部に脆弱線を形成するのに、多関節ロボットに対して複雑なティーチングを行う必要が生じる。また、多関節ロボットにエアバッグリッド部の裏面に沿った複雑な動きをさせる際に、多関節ロボットの各可動部の速度変化や角度変化や、各可動部が持っているガタなどの影響を受け易く、脆弱線の加工深さにバラ付きを生じるおそれがあった。この問題は、特に、多関節ロボットの関節数が多くなるほど深刻なものとなる。
そこで、本発明は、上記した問題点を解決することを、主な目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、
載置台の上に、表皮材を表裏反転した状態で載置し、
操作装置に取付けた加工手段を用いて、表皮材の裏面側から、表皮材にエアバッグ用開口部を開成するドア部を画成するための脆弱線を加工形成するエアバッグ用開口部形成方法において、
前記載置台の上面に断続的な凸部または凹部を形成し、
凸部または凹部を有する載置台に表皮材を載置して、表皮材に凸部または凹部による凹凸形状を与え、
前記操作装置を用いて加工手段を一定の高さで動かすことにより、表皮材の裏面側に、表皮材の凹凸形状に応じた断続的な脆弱線を形成することを特徴とする。
載置台の上に、表皮材を表裏反転した状態で載置し、
操作装置に取付けた加工手段を用いて、表皮材の裏面側から、表皮材にエアバッグ用開口部を開成するドア部を画成するための脆弱線を加工形成するエアバッグ用開口部形成方法において、
前記載置台の上面に断続的な凸部または凹部を形成し、
凸部または凹部を有する載置台に表皮材を載置して、表皮材に凸部または凹部による凹凸形状を与え、
前記操作装置を用いて加工手段を一定の高さで動かすことにより、表皮材の裏面側に、表皮材の凹凸形状に応じた断続的な脆弱線を形成することを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、脆弱線を高精度で素早く、しかも、安価に作成することが可能になる。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図11は、この実施の形態を説明するためのものである。
図1〜図11は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
自動車などの車両には、車室内の前部に、図1に示すようなインストルメントパネル1が設置されている。このインストルメントパネル1の助手席側の部分には、緊急時に助手席乗員を保護するための安全装置として、助手席用のエアバッグ装置2が設置されている。
この助手席用のエアバッグ装置2は、袋状のエアバッグ本体を折畳んで収納するエアバッグモジュールと、このエアバッグモジュールの上方に設置されたエアバッグリッド部3とを備えている。そして、エアバッグリッド部3には、エアバッグ本体が車室内へ膨出するためのエアバッグ用開口部4を開成するドア部5を画成するための脆弱線6が形成されている。
なお、エアバッグリッド部3には、上記したインストルメントパネル1と一体に設けられた一体型のもの(いわゆるインスト一体型リッド)や、インストルメントパネル1とは別体に設けられて、インストルメントパネル1に形成されたリッド取付用開口部に対してほぼ面一状態となるように取付けられた別体型のもの(いわゆるインスト別体型リッド)などが存在している。
このような、エアバッグ用開口部4を開成するドア部5を画成するための脆弱線6は、例えば、図2に示すように、載置台11の上に、表皮材12を表裏反転した状態で載置し、操作装置13に取付けた加工手段14を用いて、表皮材12の裏面側から加工することで形成される。
ここで、載置台11は、(上方へ向いた)平坦な面を有するものとされる。表皮材12は、平坦な載置台11の上で脆弱線6を形成した後で、芯材に貼り付けられるなどによりエアバッグリッド部3に加工される。
表皮材12には、単層のものや複層のものなどが存在しており、そのどちらでも良い。なお、具体的な表皮材12については、後述する。
操作装置13には、例えば、多関節ロボットや直交型ロボットなどを使用することができる。多関節ロボットは、立体的で複雑な動きができるという長所を有しているが、細かいティーチングを行う必要があり、また、各可動部の速度変化や角度変化や、各可動部が持っているガタなどによる影響を受け易い。直交型ロボットは、平面的な動きによって高精度の加工ができるものである。
加工手段14には、どのようなものでも使用することができる。例えば、固定型の刃物(カッター刃)や、回転型の刃物(円板型のカッターやミリング刃、フライス刃)などの各種の加工工具、および、超音波カッター(15KHz〜42KHz)、誘導加熱、CO2レーザ光(波長10.6nm)、フェムトセコンドレーザ(Femtosecond Laser:1025nm〜1030nm)、カッター、熱刃カッター、などの各種の加工装置を直交系ロボット、多関節系ロボットなどに取り付けて使用することができる。
エアバッグ用開口部4は、エアバッグ本体が車室内へ膨出するための開口部であり、エアバッグリッド部3に対して、ドア部5(可動部)が開くことによって形成される。ドア部5には、1枚開きのものや2枚開きのものや、その他のものなどが存在しており、そのどれでも良い。ドア部5は、その縁部に沿って脆弱線6を設けることでエアバッグリッド部3の他の部分(固定部)から画成される。
脆弱線6には、連続した線状(連続線状)のものや、断続的な破線状(不連続線状)のものなどが存在している。この場合には、断続的な破線状のものとされる。
例えば、1枚開きのドア部5の場合、図3(a)に示すように、脆弱線6は、主に、横線部15と、この横線部15の両端部から延びる一対の縦線部16とを有する平面視ほぼU字状のものなどとなる。このうち、横線部15は、ほぼ車幅方向へ延びるものとされ、縦線部16は、ほぼ車両前後方向へ延びるものとされる。
また、例えば、前後2枚開きのドア部5の場合、図3(b)に示すように、脆弱線6は、主に、横線部15と、この横線部15の両端部を通る一対の縦線部16とを有する平面視ほぼH字状のものとなる。
縦線部16には、直線状のものや、または、図3(c)に示すように、横線部15の両端部で外向きまたは内向きに屈折した折線状のものなどが存在している。また、前後2枚開きの脆弱線6には、図3(d)に示すように、横線部15と縦線部16の一部を有するU字状の開裂線と逆U字状の開裂線との底部どうしが互いに接するように組み合わされたものなども存在している。なお、脆弱線6は、上記以外の平面形状であっても良い。
このような脆弱線6は、エアバッグ本体の展開により、例えば、図3(b)に示すように、横線部15の中央部が車両前後方向への引っ張り力f1によって開裂し(開裂起点部17)、この開裂が進んで横線部15の両端部に達すると、開裂方向が転換されて(開裂方向転換部18)、縦線部16が車両前後方向への引き裂き力f2によって開裂するような開き方が典型的なものと考えられている。よって、脆弱線6は、このような開き方に適したものとされる。
以上のような基本的なエアバッグ用開口部形成方法に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
(1)上記載置台11の上面に断続的な凸部21(図4参照)または凹部22(図5参照)を形成する。
そして、図6に示すように、凸部21または凹部22を有する載置台11に表皮材12を載置して、表皮材12に凸部21または凹部22による凹凸形状を与える。なお、以下は、主に、凸部21を設けた場合について説明するが、凹部22を設けた場合についても同様である。
更に、上記操作装置13を用いて加工手段14を一定の高さHで動かすことにより、表皮材12の裏面側に、表皮材12の凹凸形状に応じた断続的な脆弱線6を形成する。
そして、図6に示すように、凸部21または凹部22を有する載置台11に表皮材12を載置して、表皮材12に凸部21または凹部22による凹凸形状を与える。なお、以下は、主に、凸部21を設けた場合について説明するが、凹部22を設けた場合についても同様である。
更に、上記操作装置13を用いて加工手段14を一定の高さHで動かすことにより、表皮材12の裏面側に、表皮材12の凹凸形状に応じた断続的な脆弱線6を形成する。
ここで、載置台11は、上記したように、平坦な上面を有するものを基本形として、これに凸部21または凹部22を追加で設けたものとされる。凸部21または凹部22は、断続的な脆弱線6に合わせて断続的に設けられる。載置台11に凸部21を設けた場合、脆弱線6は、凸部21の部分に形成されることになる。また、載置台11に凹部22を設けた場合、脆弱線6は、載置台11の凹部22以外の平坦な上面の部分に形成されることになる。なお、凸部21の高さや凹部22の深さは、脆弱線6の加工深さに応じた高さや深さに設定される。脆弱線6の加工深さについては後述する。
上記した凸部21は、少なくとも、横線部15の中央部の位置(開裂起点部17)と、横線部15の両端部と各縦線部16との交点の位置(開裂方向転換部18)との3箇所に対して設けるようにする。その他に、凸部21は、縦線部16の両端部や、上記以外の横線部15および縦線部16の中間点となるような位置などに適宜(例えば、一定間隔で)設けるようにしても良い。
これに対し、凹部22は、上記とは反対に、少なくとも、横線部15の中央部の位置(開裂起点部17)と、横線部15の両端部と各縦線部16との交点の位置(開裂方向転換部18)との3箇所の位置以外の部分に対して設けるようにする。その他に、凹部22は、縦線部16の両端部の外側や、上記以外の横線部15および縦線部16の中間点となるような位置などを残して適宜(例えば、一定間隔で)設けるようにしても良い。
なお、断続的な脆弱線6の各部は、全て均一の長さにしても良いが、開裂起点部17や開裂方向転換部18となる部分が他の中間点などとなる部分よりも長くなるようにするのが好ましい。そのために、例えば、図7に示すように、開裂起点部17や開裂方向転換部18となる部分では、他の中間点となる部分などよりも、凸部21の幅を長くしたり(w1>w2)、または、凹部22間の間隔を長くしたりしても良い。
また、断続的な脆弱線6の各部は、全て均一の深さにしても良いが、開裂起点部17や開裂方向転換部18となる部分が他の中間点などとなる部分よりも深くなるようにするのが好ましい。そのために、例えば、開裂起点部17や開裂方向転換部18となる部分では、他の中間点などとなる部分よりも、凸部21を高くしたりしても良い(h1>h2)。あるいは、脆弱線6は、横線部15および縦線部16の中間部が一番深くなり、両端部へ向かって徐々に浅くなるような傾斜を付けるように形成しても良い。
更に、凸部21または凹部22の縁部は、図8(a)に示すように、垂直に立ち上がるものとしても良いし、または、図8(b)に示すように、斜めに傾斜したものなどとしても良い。そして、凸部21または凹部22の縁部を、垂直に立ち上がるものとすると、図9(a)に示すように、表皮材12に形成された脆弱線6の縁部も垂直に立ち下がるものとなる。また、凸部21または凹部22の縁部を、斜めに傾斜したものとすると、図9(b)に示すように、表皮材12に形成された脆弱線6の縁部も傾斜したものとなる。このような、凸部21または凹部22の縁部形状によって、同じ長さでも、脆弱線6の切れ易さを変えることができる。
そして、載置台11に載置した表皮材12に凸部21または凹部22による凹凸形状を与えるために、載置台11は、図6に示すように、表皮材12を真空引き可能なものにする。この場合、載置台11は、表裏面間を貫通する複数の(真空引き用の)孔部26(貫通孔)を形成すると共に、各孔部26が(真空引き用の)管路27を介して真空ポンプ28に接続されるようにする。
そして、加工手段14を一定の高さHで動かすとは、操作装置13に載置台11の平坦な上面に沿った平面的な動きをさせるということである。この場合の一定の高さHは、載置台11の平坦な上面の位置を基準とした高さとなっている。
(2)図10に示すように、上記載置台11の上面に、ドア部5の縁部に沿った連続的な突条部31を突設する。
この突条部31に対して、上記断続的な凸部21または凹部22(図示せず)を形成する。
そして、上記突条部31に沿い上記操作装置13で上記加工手段14を(一定の高さHに)動かすようにする。
この突条部31に対して、上記断続的な凸部21または凹部22(図示せず)を形成する。
そして、上記突条部31に沿い上記操作装置13で上記加工手段14を(一定の高さHに)動かすようにする。
ここで、突条部31は、ドア部5の縁部に沿った形状となる。例えば、1枚開きのドア部5の場合、突条部31は、平面視ほぼU字状のものとなる(図示せず)。また、例えば、前後2枚開きのドア部5の場合、突条部31は、平面視ほぼH字状のものとなる(図10参照)。
突条部31は、例えば、表皮材12の厚みのほぼ1〜3倍程度の高さ、具体的には、表皮材12の厚みがほぼ1mm〜2.3mmなので、突条部31は、高さがほぼ3mm〜7mm、好ましくは、5mm程度のものとされる。そして、突条部31の少なくともほぼ上半部31aは、表皮材12に対して無理なく曲げを加えられる程度の大きさとなるように、例えば、半径2.5mm程度の半円形状の断面を有するほぼ曲面状のものなどとされる。
(3)上記突条部31が、その頂部に、平坦部41を有するものとされている。
ここで、平坦部41は、突条部31の半円形状をした上半部31aの頂部に形成される。平坦部41は、加工手段14を安定して受けることができるように、例えば、幅2mm程度のものとされる。なお、平坦部41は、突条部31に設けられた凸部21や凹部22の頂部や奥部にも設けられる。
(4)上記突条部31が、その基部に、なだらかな裾野部51を有している。
ここで、突条部31のほぼ下半部31bは、例えば、ほぼ台形状などに広がるものなどとされる(台形状部)。「なだらかな」とは、突条部31の上半部31aと下半部31b、および、下半部31bと載置台11の平坦な上面との間が、アール状部56や緩やかに変化する凹曲線などを有して段差やコーナーなどがない状態で連続的に繋がる形状のものなどとされる。具体的には、裾野部51のアール状部56は、半径5mm〜300mm程度とする。好ましくは半径5mm〜150mm程度とするのが良い。
(5)更に、図6に示すように、上記表皮材12として、表層部61の裏面にクッション層62を貼着したものが用いられる。
このクッション層62が、上記表層部61に貼着される第一織物層63と、上記表皮材12の裏面となる第二織物層65との間にパイル層64を有する立体編物66とされる。
このクッション層62が、上記表層部61に貼着される第一織物層63と、上記表皮材12の裏面となる第二織物層65との間にパイル層64を有する立体編物66とされる。
ここで、表皮材12は、表層部61の裏面側にクッション層62(立体編物66)が予め貼り付けられた二層材とされる。
表層部61は、柔軟な樹脂などでできたものが使用される。より具体的には、表層部61の材質は,合成表皮TPO(オレフィン系、スチレン系、酢酸ビニール系含有)、TPE、PVC(塩化ビニール、塩化ビニール+ABS)、PU(ウレタン系)、SEBS/PPの動的架橋で製造された物、織布、本革系などとすることができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、表層部61の製法に関しても、押し出し成形、カレンダー成形、射出成形、パウダースラッシュ成形、Rim成形、キャスティング、真空成形、ブロー成形などによるものとすることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
クッション層62は、表層部61を保護すると共に、エアバッグリッド部3に柔軟な触感を生じさせるものであり、クッション性と通気性とを有するものなどを使うことができる。クッション層62は、例えば、基布、織物、編み物、不織布、スラブウレタン、立体編物66(スペースファブリックまたはスペーサファブリック)などとすることができる。特に、上記した第一織物層63、パイル層64、第二織物層65からなる三層構造を一体に有するスペースファブリックなどの立体編物66は、弾力性を有する繊維を柱状に織り込んだダブルラッセル織でできているため、高いクッション性と通気性とを有しており、ウレタンに代わる素材として期待されているものである。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
エアバッグ用開口部4を開成するドア部5を画成するための脆弱線6を、載置台11の上に、表皮材12を表裏反転した状態で載置し、操作装置13に取付けた加工手段14を用いて、表皮材12の裏面側から加工するようにする。
(作用効果1)この際、載置台11に予め凸部21または凹部22を形成するようにした。そして、加工手段14を一定の高さHで動かすだけで断続的な脆弱線6が形成できるようにした。これにより、操作装置13の動きが単純化されて、操作装置13に複雑な動きをさせないようにすることができる。よって、操作装置13に複雑なティーチングを行う必要がなくなると共に、操作装置13に複雑な動きをさせる際の(操作装置13の)各可動部の速度変化や角度変化や、各可動部が持っているガタなどによる影響を受け難くなるので、脆弱線6の加工深さのバラ付きが抑制され、脆弱線6を高精度で素早く、しかも、安価に作成することが可能になる。
(作用効果2)載置台11の上面に突設された連続的な突条部31に対して断続的な凸部21または凹部22を形成し、突条部31に沿って(加工手段14を一定の高さHに保持した状態で)操作装置13で加工手段14を動かすようにした。これにより、加工手段14で脆弱線6を形成すると、図11に示すように、盛り上がっている突条部31や凸部21などの上で脆弱線6が開くことになる。脆弱線6が開くと脆弱線6の奥部が現れるので、開いた脆弱線6を利用して、脆弱線6部分の残存肉厚72をリアルタイムで簡単且つ精度良く計測することが可能となる。残存肉厚72の計測は、例えば、レーザ変位計71などのセンサを用いて行うことができる。
具体的には、予め表皮材12の脆弱線6の切込部の板厚(t1)を測定しておき、脆弱性線6を形成した時に、表皮材12の裏面側表面からV字状に開いた最深部までの加工深さ(d1)を測定し、予め測定した板厚(t1)から加工深さ(d1)を減算(t1−d1)し、残存肉厚72を算出する。または、予め表皮材12を載置台11に載置していない状態で、凸部21の表面からセンサ(レーザ変位計71など)までの距離(h1)を測定しておき、表皮材12を載置台11に載置し脆弱線6を形成してV字状に開いた最深部からセンサまでの距離(h2)を測定し、凸部21の表面からセンサまでの距離(h1)から表皮材12の脆弱線6の最深部からセンサまでの距離(h2)を減算(h1−h2)することにより、残存肉厚72を算出する。
具体的には、予め表皮材12の脆弱線6の切込部の板厚(t1)を測定しておき、脆弱性線6を形成した時に、表皮材12の裏面側表面からV字状に開いた最深部までの加工深さ(d1)を測定し、予め測定した板厚(t1)から加工深さ(d1)を減算(t1−d1)し、残存肉厚72を算出する。または、予め表皮材12を載置台11に載置していない状態で、凸部21の表面からセンサ(レーザ変位計71など)までの距離(h1)を測定しておき、表皮材12を載置台11に載置し脆弱線6を形成してV字状に開いた最深部からセンサまでの距離(h2)を測定し、凸部21の表面からセンサまでの距離(h1)から表皮材12の脆弱線6の最深部からセンサまでの距離(h2)を減算(h1−h2)することにより、残存肉厚72を算出する。
(作用効果3)突条部31の頂部に平坦部41を設けて、平坦部41で加工手段14を受けさせるようにした。これにより、加工手段14によって脆弱線6を安定して形成することができるようになる。
(作用効果4)突条部31の基部に、なだらかな裾野部51を設けるようにした。これにより、突条部31の基部で表皮材12が裾野部51に沿った形状になるため、表皮材12にシワなどが生じ難くなるので、表皮材12の変形を防止することができる。
(作用効果5)表皮材12を、表層部61と立体編物66とを一体に有する二層材とした。これにより、表層部61と立体編物66とを有する表皮材12に対して、効率良く脆弱線6を形成することができる。
なお、上記したような二層材の場合、脆弱線6の加工深さは、表層部61や立体編物66の材質や強度などに応じて最適に設定することができる。例えば、脆弱線6は、第二織物層65内までの深さのものとすることや、パイル層64内に及ぶ深さのものとすることや、第一織物層63内に及ぶ深さのものとすることや、表層部61に達する深さのものなどとすることができる。要は、表皮材12が開裂し難い機械的強度の高い材質の場合には、脆弱線6を深くし、表皮材12が開裂し易い機械的強度の低い材質の場合には、脆弱線6を浅くする。なお、脆弱線6は温度変化による応力集中などにより、表皮材12の表面側に脆弱線6の加工跡が現れる場合があるため、表皮材12の材料や脆弱線6の形成深さなどは、これらのバランスを考慮して決める必要がある。
以上、実施例を図面により詳述してきたが、実施例は例示にしか過ぎないものである。よって、本発明は、実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
4 エアバッグ用開口部
6 脆弱線
11 載置台
12 表皮材
13 操作装置
14 加工手段
21 凸部
22 凹部
31 突条部
41 平坦部
51 裾野部
61 表層部
62 クッション層
66 立体編物
63 第一織物層
64 パイル層
65 第二織物層
H (一定の)高さ
6 脆弱線
11 載置台
12 表皮材
13 操作装置
14 加工手段
21 凸部
22 凹部
31 突条部
41 平坦部
51 裾野部
61 表層部
62 クッション層
66 立体編物
63 第一織物層
64 パイル層
65 第二織物層
H (一定の)高さ
Claims (5)
- 載置台の上に、表皮材を表裏反転した状態で載置し、
操作装置に取付けた加工手段を用いて、表皮材の裏面側から、表皮材にエアバッグ用開口部を開成するドア部を画成するための脆弱線を加工形成するエアバッグ用開口部形成方法において、
前記載置台の上面に断続的な凸部または凹部を形成し、
凸部または凹部を有する載置台に表皮材を載置して、表皮材に凸部または凹部による凹凸形状を与え、
前記操作装置を用いて加工手段を一定の高さで動かすことにより、表皮材の裏面側に、表皮材の凹凸形状に応じた断続的な脆弱線を形成することを特徴とするエアバッグ用開口部形成方法。 - 請求項1に記載のエアバッグ用開口部形成方法において、
前記載置台の上面に、前記ドア部の縁部に沿った連続的な突条部を突設し、
該突条部に対し前記断続的な凸部または凹部を形成して、
前記突条部に沿い前記操作装置で前記加工手段を動かすことを特徴とするエアバッグ用開口部形成方法。 - 請求項1または請求項2に記載のエアバッグ用開口部形成方法において、
前記突条部が、その頂部に、平坦部を有していることを特徴とするエアバッグ用開口部形成方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグ用開口部形成方法において、
前記突条部が、その基部に、なだらかな裾野部を有していることを特徴とするエアバッグ用開口部形成方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のエアバッグ用開口部形成方法において、
前記表皮材として、表層部の裏面にクッション層を貼着したものが用いられ、
該クッション層が、前記表層部に貼着される第一織物層と、前記表皮材の裏面となる第二織物層との間にパイル層を有する立体編物とされることを特徴とするエアバッグ用開口部形成方法。
Priority Applications (1)
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