JP4726656B2 - エアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置及びエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法 - Google Patents

エアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置及びエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エアバッグを搭載した車両のステアリングやインストルメントパネル等に使用されるエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置及びエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法に関する。特に、加工刃を用いて破断予定線を形成するエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置及びエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法に関する。
従来、エアバッグを展開させるためのエアバッグドアを一体的に設けたステアリングやインストルメントパネルは、その表面側に、しぼ加工等の立体装飾が施されたエアバッグドア部を有する車両用内装部材を備えている。そして、この車両用内装部材のエアバッグドア部に相当する位置には、エアバッグの展開力によって、エアバッグドアが確実に開くように、薄肉部としての破断予定線(ティアラインや開裂線等と称する場合がある。)が設けられている。
また、近年では、このような車両用内装部材における立体装飾性が損なわれないように、車両用内装部材の裏側に破断予定線を形成し、表面側から視認されにくいインビジブルタイプが用いられている。
このインビジブルタイプの内装部材における破断予定線を表皮の裏側に形成するにあたり、レーザーカッター、高周波カッター、超音波カッター、加熱刃等の加熱切断治具を用いる方法がある(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、これらの加熱切断治具を用いて破断予定線を形成すると、切断線の幅が比較的大きくなったり、切断線の形成箇所に凹凸が生じたりして、内装部材を表面側から眺めた場合に破断予定線の存在位置が視認されやすくなる場合があった。
そこで、破断予定線をより視認されにくく形成するために、表皮の裏面側に、カッター刃等の加工刃を用いて破断予定線を形成するとともに、当該破断予定線の形成箇所における溝部の深さ又は表皮の残厚を測定可能な車両用内装部材の製造装置がある。より具体的には、成形加工された表皮を備えたエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置において、表皮を実質的に平らに載置するための支持台と、表皮に破断予定線を形成するための加工刃と、破断予定線の深さまたは残部の厚さを測定するための測定手段と、を備えるとともに、破断予定線の切り口を開いた状態で、測定手段により、当該破断予定線の深さまたは残部の厚さを測定可能なエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置である(特許文献5参照)。
特開2000−95056号公報 特開平6−218811号公報 特開2000−351335号公報 特開2000−159047号公報 国際公開公報WO2004−045921(全文)
しかしながら、特許文献5に記載された製造装置は、加熱切断治具でない加工刃を用いるものであり、内装部材表面側からの優れたインビジブル性を得ることができるものの、加工刃の種類によっては、繰り返し使用することによっていわゆる刃こぼれを生じる場合があった。すなわち、車両用内装部材の表皮は、主としてポリオレフィン系(TPO)やポリウレタン系(TPU)等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂から形成されるが、このような材料からなる表皮に対して加工刃を用いて破断予定線を形成すると、刃面が損傷しやすいという問題があった。このような刃こぼれを生じた加工刃を使用することによって、エアバッグの展開性に大きく影響する表皮の薄肉部の残厚にばらつきを生じるために、頻繁に加工刃の刃面を研いだり、あるいは加工刃を交換したりする必要がある。したがって、生産効率が低下するとともに、生産コストが上昇するおそれがあった。
そこで、発明者らは鋭意検討し、破断予定線を形成するための装置における加工刃として、所定の傾斜部及び水平部を有する加工刃を用いることにより、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、加工刃の刃面の損傷等の刃こぼれを発生しにくくして、車両用内装部材におけるエアバッグドア部を、効率的かつ精度良く形成することができるエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置、及び当該製造装置を用いたエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、表皮を含むエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置であって、加工刃として、加熱手段、超音波発生手段および高周波発生手段を用いることなく表皮に破断予定線を形成するための製造装置であり、表皮が載置される載置面を有する支持台と、支持台上に載置された表皮に対して下降および水平移動をすることにより破断予定線を形成するための加工刃と、を備えるとともに、加工刃の刃面は、載置面に対して傾斜する傾斜部と、載置面と平行な水平部と、を有し、かつ、水平部が、加工刃の刃先と表皮との接触面を増やし、磨耗や損傷に対する耐久性を向上させるために設けられてなることを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置を構成するにあたり、破断予定線が直線形状の組み合わせからなる場合には、水平部の長さを0.4〜1.0mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置を構成するにあたり、破断予定線が曲線形状を含む場合には、水平部の長さを0.2〜0.5mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置を構成するにあたり、破断予定線が直線形状の組み合わせからなる場合には、傾斜部の載置面に対する傾斜角度を10〜45°の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置を構成するにあたり、破断予定線が曲線形状を含む場合には、傾斜部の載置面に対する傾斜角度を45〜70°の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置を構成するにあたり、加工刃の高さ位置を検知するための高さ位置検知手段を備えることが好ましい。
また、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置を構成するにあたり、加工刃の刃先の状態を検知するための刃先状態検知手段を備えることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、表皮を含むエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法において、加工刃として、加熱手段、超音波発生手段および高周波発生手段を用いることなく表皮に破断予定線を形成するための製造装置を用いるとともに、表皮を、支持台の載置面上に、表面を下方側にして載置する工程と、載置面に対して傾斜する傾斜部と、載置面と平行な水平部と、を有する刃面を備え、かつ、水平部が、加工刃の刃先と表皮との接触面を増やし、磨耗や損傷に対する耐久性を向上させるために設けられてなる加工刃を、表皮の裏面側から下降させることにより進入させ、水平部が載置面から所定高さとなるように配置する工程と、加工刃を水平移動させて、表皮の裏面側に、表皮の表面まで至らない深さの破断予定線を形成する工程と、を含むことを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法である。
また、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法を実施するにあたり、加工刃の高さ位置を検知しながら、破断予定線を形成することが好ましい。
また、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法を実施するにあたり、破断予定線を形成する前後あるいはいずれか一方の時点で、加工刃の刃先の状態を検査する工程を含むことが好ましい。
本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置によれば、表皮に対して破断予定線を形成する加工刃として、表皮面に対して平行な水平部を有する加工刃を用いることにより、表面側から視認されにくい破断予定線を形成することができるとともに、繰り返し使用における耐久性を向上させることができる。したがって、表皮における破断予定線を形成した箇所の残厚を均一にすることができるため、インビジブル性及び開口性に優れたエアバッグドア部を有する車両用内装部材を効率的かつ精度良く製造することができる。また、加工刃の交換頻度を少なくすることができることから、車両用内装部材の生産コストの上昇を抑えることができる。
本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法によれば、表皮を支持台上に載置した状態で、裏面側から、表皮面に対して平行な水平部を有する加工刃を用いて破断予定線を形成することにより、加工刃のメンテナンスの頻度を著しく少なくできる。したがって、インビジブル性及び開口性に優れたエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造効率を著しく向上させることができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置及びそれを用いたエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法に関する実施形態を具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1に例示するように、表皮を含むエアバッグドア部を有する車両用内装部材(以下、単に内装部材と称する場合がある。)の製造装置10であって、加工刃として、加熱手段、超音波発生手段および高周波発生手段を用いることなく表皮に破断予定線を形成するための製造装置であり、表皮が載置される載置面11aを有する支持台11と、支持台11上に載置された表皮に対して下降および水平移動をすることにより破断予定線を形成するための加工刃13と、を備えるとともに、加工刃13の刃面は、載置面に対して傾斜する傾斜部と、載置面と平行な水平部と、を有し、かつ、水平部が、加工刃の刃先と表皮との接触面を増やし、磨耗や損傷に対する耐久性を向上させるために設けられてなることを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置(以下、単に製造装置と称する場合がある。)10である。
なお、以下の説明において、表皮とは、特に説明がない限り、図15に例示するエアバッグドア部を有する車両用内装部材40におけるエアバッグを収容する機能を有する基材45及び発泡層43以外の最表面のシート部材41を意味する。
1.全体構成
本実施形態の車両用内装部材の製造装置10は、図1に示すように、支持台11と加工刃13とを含み、裏面側を上方に向けて支持台11上に載置された表皮に対して、表皮が所定の残厚を残すことができるように上方側から加工刃13を進入させた後、形成する破断予定線の形状に沿って加工刃13を移動させて所定形状の破断予定線を表皮の裏面側に形成するための装置である。
また、本実施形態の車両用内装部材の製造装置10は、支持台11に設けられた吸入孔17と、当該吸入孔17を介して表皮を吸引固定するための吸引装置18と、加工刃位置制御手段16と、加工刃13の高さ位置検知手段28と、残厚測定手段27、加工刃13の刃先の状態検知手段29と、を備えている。
詳細な動作については、第2の実施形態において説明するが、一般的には、加工刃の進入と移動とを複数回繰り返すことにより、所望の形状の破断予定線が形成される。
2.加工刃
(1)基本構成
加工刃は、後述する支持台上に載置された表皮に破断予定線を形成するために用いられる部材である。本発明の製造装置に用いられる加工刃は、図2に示すように、支持台11の載置面11aに対して傾斜する傾斜部13と、載置面11aと平行な水平部13aと、を有する刃面を備えることを特徴とする。表皮に破断予定線を形成するための切断治具としてこのような加工刃13を用いることにより、表皮を平坦化した状態において、破断予定線を含む面(表皮の裏面)を実質的に平らにすることができる。したがって、内装部材の表面側から破断予定線の位置を視認されにくくすることができ、インビジブル性を向上させることができる。
また、このような加工刃13であれば、加熱手段や超音波又は高周波発生手段等を備える必要がないため、経済性に優れた製造装置を提供することができる。
また、加工刃13が支持台11の載置面11aに対して平行な水平部13を有することにより、表皮に破断予定線を形成する際に、加工刃13の先端部の磨耗や損傷を少なくすることができる。したがって、加工刃13を繰り返し使用する場合であっても、加工刃13の先端と支持台11の載置面11aとの距離を一定に保つことができ、表皮における破断予定線が形成された箇所の残厚が所定値となるように、破断予定線を精度良く形成することができる。
すなわち、加工刃の先端に水平部がなく、尖った形状になっている場合には、表皮を切断する際の摩擦力や応力によって、刃先が損傷したり磨耗したりしやすく、表皮における破断予定線が形成された箇所の残厚がばらつきやすい。したがって、残厚が大きい部分が破断しにくくなり、エアバッグをスムーズに展開させることができなくなる場合がある。
これに対し、加工刃の先端部に水平部を有する場合には、加工刃の刃先と表皮との接触面が増え、磨耗や損傷に対する耐久性を向上させることができる。したがって、破断予定線が形成された箇所の表皮の残厚を均一にすることができ、エアバッグの展開時にスムーズに破断させることができる。
なお、水平部が支持台の載置面に平行な状態とは、真に平行な場合だけでなく、1〜2°程度の誤差の範囲も含むものである。
また、加工刃は、いわゆる超硬刃を用いて構成することができる。かかる加工刃は、図3に示すように、板状の材料を加工した加工刃21を製造装置における加工刃保持部22に固定させて用いたり、図4に示すように、棒状の材料を加工して一端側を刃状に仕上げた加工刃23を用いたりすることができる。中でも、図4に示すような加工刃23を用いることにより、繰り返し使用する場合であっても、加工刃23の先端の位置がずれにくくなり、形成される破断予定線の残厚を精度良くすることができる。
(2)水平部の長さ
また、図2に示す加工刃13における水平部13の長さに関し、形成する破断予定線が直線形状の組み合わせからなる場合には、当該水平部13の長さを0.4〜1.0mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、破断予定線が直線形状であれば、水平部の長さが長い場合であっても形成するラインに沿って加工刃を移動させることができるとともに、水平部の長さを比較的長くすることにより、加工刃の先端の磨耗の発生を少なく抑えることができるためである。逆に、水平部の長さが過度に長すぎると、加工刃自体が大きくなってしまいコストを上昇させてしまうためである。
したがって、形成する破断予定線が直線形状の組み合わせからなる場合には、水平部の長さを0.45〜0.9mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜0.8mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
一方、形成する破断予定線が曲線形状を含む場合には、水平部13の長さを0.2〜0.5mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、破断予定線が曲線形状であると、水平部の長さが長い場合には、加工刃の移動方向と水平部の延長線の方向が一致せず、形成するラインに沿って加工刃を移動させることが困難となる場合があるためである。
したがって、形成する破断予定線が曲線形状を含む場合には、水平部の長さを0.3〜0.45mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.3〜0.4mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)傾斜部の傾斜角度
また、図2に示す加工刃13における傾斜部13の傾斜角θに関し、形成する破断予定線が直線形状の組み合わせからなる場合には、当該傾斜部13の、支持台11の載置面11aに対する傾斜角度を10〜45°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、破断予定線が直線形状であれば、傾斜部における上述した傾斜角度が比較的小さい場合であっても形成するラインに沿って加工刃を移動させることができるとともに、傾斜部の傾斜角度を比較的小さくすることにより、加工刃を移動させる際に表皮の切断箇所から受ける抵抗を小さくすることができるためである。したがって、加工刃の刃面のいわゆる刃こぼれの発生を少なくすることができる。
よって、形成する破断予定線が直線形状の組み合わせからなる場合には、傾斜部の、支持台の載置面に対する傾斜角度を15〜40°の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜30°の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
一方、形成する破断予定線が曲線形状を含む場合には、当該傾斜部13の、支持台11の載置面11aに対する傾斜角度を45〜70°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、破断予定線が曲線形状であると、傾斜部における所定の傾斜角度が小さい場合には、加工刃の移動方向と刃面の延長線の方向が一致しないことから、形成するラインに沿って加工刃を移動させることが困難となる場合があるためである。ただし、傾斜角度が過度に大きいと、加工刃を移動させる際に表皮の切断箇所から受ける抵抗が大きくなってしまい、刃こぼれを生じやすくなる。
したがって、形成する破断予定線が曲線形状を含む場合には、当該傾斜部の、支持台の載置面に対する傾斜角度を48〜75°の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜70°の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)変形例
また、上述の水平部及び傾斜部を有する加工刃は、図2に示すような直線部の組み合わせからなる形状に限られるものではなく、図5(a)及び(b)に示すように、その一部に曲線部24a、25aを含む加工刃24、25とすることもできる。
3.加工刃位置制御手段
また、図1に示す加工刃位置制御手段16は、加工刃13を上昇又は下降させたり、平行移動させたりして、加工刃13の位置を移動させるための手段である。
例えば、上昇又は下降させる手段としてのモータ機構と、平行移動させる手段としてのサーボモータ等を用いて構成することができる。このような加工刃位置制御機構を備えることにより、あらかじめ形成する破断予定線の形状を記憶させておき、表皮をセットした後は、自動的に破断予定線を形成したり、残厚を測定したりすることが可能になる。
4.支持台
(1)突起部
また、支持台は、車両用内装部材の表皮を載置できる構成であれば特に制限されるものではないが、例えば、図1に示すように、上面が実質的に平坦化されているとともに水平方向に保持され、載置面11a上に、後述する破断予定線の形状に対応した突起部15が配置された支持台11とすることが好ましい。
これらの支持台や突起部は、金属やステンレス等、載置される表皮材よりも硬い材料から構成されている。これによって、加工刃の先端位置を所定高さに制御することにより、表皮の残厚を一定の値にすることができる。
また、支持台11の載置面11aに設けられた突起部15によって、支持台11上の表皮の下方側、すなわち、背面(表皮の表面)側から表皮が押圧されるため、破断予定線を形成する際には、応力によって破断予定線が容易に切り裂かれる一方、破断予定線の残部の厚さを測定する際には、破断予定線の切り口が確実に開かれ、容易かつ精度良く測定することができる。
このような突起部は、例えば、図6(a)〜(b)に示すように、支持台11の載置面11a上に備えられた固定式の突起部15aとすることができる。かかる固定式の突起部15aは、支持台の表面を加工して、支持台と一体的に形成することもできるが、平坦面を有する支持台上に別部材を取り付けることによって形成することが好ましい。このような突起部であれば、突起部を付け替えることにより、破断予定線の形状が変更可能になるため、支持台は共有化でき、生産コストを抑えることができるためである。

なお、図6(a)は支持台11の斜視図であり、図6(b)は、図6(a)中のAA断面を矢印方向に見た断面図である。
また、突起部を支持台とは別部材から構成する場合に、図7(a)〜(c)に示すように、全体として一つの構造物として構成した突起部26とすることもでき、図8(a)〜(c)に示すように、複数の棒状部材27を組み合わせて構成した突起部とすることもできる。複数の棒状部材からなる突起部であれば、破断予定線の形状に応じて、直線状又は曲線状の複数の棒状部材を適宜組み合わせて取り付けることにより、所望の形状の突起部を構成することができる。
かかる棒状部材からなる突起部とする場合に、当該突起部は、支持台と同様、金属やステンレス等の比較的硬い材料からなることが好ましい。これによって、突起部の高さが変化することがないため、加工刃の先端位置を所定高さに制御することにより、表皮の残厚を一定の値にすることができるためである。
また、突起部のパターン形状は形成する破断予定線の形状と実質的に一致させた形状とされる。すなわち、一つ以上の直線部、及びその直線部に対して、垂直方向又は斜め方向に交わる直線部又は曲線部から構成されている。例えば、図7(a)〜(c)や図8(a)〜(c)にそれぞれ示すような突起部は、図9(a)〜(c)に示すような平面形状の破断予定線を形成する際に用いられる。
また、突起部の垂直断面形状に関しては、表皮に形成された破断予定線を背面側から押し上げた状態で、破断予定線の切り口が開くような形状であれば特に制限されるものではない。ただし、当該突起部上で加工刃によって破断予定線を精度良く形成するために、例えば、図10(a)〜(d)にそれぞれ示すように、方形、台形等、上面に平坦面を有する垂直断面形状とすることが好ましい。
また、突起部の高さについては特に制限されるものではないが、例えば、支持台の表面からの高さを0.5〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる突起部の高さが0.5mm未満の値になると、表皮の破断予定線の切り口を十分に開かせることができなくなって、後述する光学装置による測定精度が低下する場合があるためである。一方、かかる突起部の高さが5mmを越えると、破断予定線を広げすぎることによって部分的に裂けるおそれがあるためである。
したがって、突起部の高さを、支持台の表面から0.6〜3mmの範囲内の値とすることが好ましく、0.7〜2mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、支持台の突起部は、上述した固定式のものに限られず、図11(a)〜(b)に示すような、上下動式の突起部15bとすることもできる。
かかる上下動式の突起部15bは、下降した状態(図11(a)に示される状態)においては、支持台11の載置面11から突出していない一方、突起部15bを上昇させた状態(図11(b)に示される状態)においては、支持台11の載置面11aから所定高さだけ突出するように構成されている。
(2)吸引部
また、支持台には、図1に示すように、吸引部として、真空ポンプ等の吸引装置18に接続された複数の小孔からなる吸引孔17を備えている。かかる吸引孔17を備えることにより、複雑な形状の表皮や大型の表皮であっても、吸引することにより、支持台上に容易に固定することができる。したがって、破断予定線を形成する際の位置ずれを有効に防止できるとともに、破断予定線の形成箇所の残厚を均一にして破断予定線を形成することができる。さらに、機械的固定法と異なり、表皮に対する吸引を止めることにより、表皮を速やかに移動させることも可能になる。
また、図10に示すように、かかる吸引孔17の一部を、上述の突起部15の近傍に設けることが好ましい。このように配置することにより、表皮を吸引固定した際に、突起部によって押し上げられた箇所の応力を大きくすることができ、破断予定線を形成しやすくしたり、残厚測定を精度よく行ったりすることができるためである。
5.位置検知手段
また、図1に示す高さ位置検知手段28は、加工刃13の高さ位置を検知するための手段である。かかる高さ位置検知手段28を備えることにより、加工刃13の高さ位置を適宜検知して、表皮との間の距離が常に所定値となるように調整することができる。したがって、残厚が全体的に均一である破断予定線を精度良くかつ迅速に形成することができる。
なお、破断予定線形成段階における加工刃の高さ位置は、図12に示すように、加工刃13の刃先である水平部13に対して、高さ方向に所定距離(h2)だけ離して設けてある高さ位置検知手段28、例えば、レーザ方式の高さ位置検知手段28によって検知することにより、調整することができる。すなわち、高さ位置検知手段28と、支持台11の表面との距離を連続的に測定し、当該距離(h1)を常に一定にするようにして、加工刃13の高さ位置を間接的に調整することができる。
したがって、加工刃13の刃先としての水平部13の位置が、支持台11の表面から常に所定距離(h3)だけ離れた位置となるように、すなわち、h1とh2との差が常にh3となるように、高さ位置検知手段28に連動する加工刃13を移動させることにより、表皮の厚さ等にかかわらず、残厚が全体的に均一である破断予定線を精度良くかつ迅速に形成することができる。
6.残厚測定手段
また、図1に示す残厚測定手段27は、表皮に破断予定線を形成した後、破断予定線が形成された箇所の残厚を測定するための手段である。かかる残厚測定手段は、上述の位置検知手段と兼ねることができ、図13に示すように、加工刃13により形成された破断予定線41aの切り口を開いた状態で、破断予定線41aが形成された箇所の残厚を測定する。より具体的には、残厚測定手段27と支持台11の載置面11aとの距離及び突起部15の高さを基に、残厚測定手段27と突起部15の上面との間の距離t2を求め、残厚測定手段27と破断予定線41aの最深部との距離t1を差し引くことにより、表皮11の残厚を求めることができる。かかる残厚測定手段によって得られた測定値をもとに、破断予定線の残厚が所定値となるように、加工刃の先端の高さ位置を調整することができる。
ここで、かかる測定手段の態様は特に制限されるものではないが、例えば、光学式の膜厚測定装置や、超音波式の膜厚測定装置等を使用することができる。ただし、より正確に測定することができるとともに、省スペース化を図ることができることから、光学式の膜厚測定装置を使用することが好ましい。
7.状態検知手段
また、図1に示す刃先状態検知手段29は、加工刃の状態を検知するための手段である。具体的には、破断予定線形成前あるいは形成後に、加工刃における刃先の状態が良好であることを確認できる構成であることが好ましい。
かかる刃先状態検知手段を備えることにより、加工刃の刃面状態を考慮して、加工刃の刃先と支持台の載置面との距離を常に一定状態に保持することができ、表皮の種類や厚さ等が変化した場合であっても、残厚が全体的に均一である破断予定線を、精度良くかつ迅速に形成することができるためである。
また、加工刃における刃先の状態を測定し、磨耗等により損傷している状態が検知された場合には、装置の稼動を停止するとともに、加工刃を交換することもできる。したがって、常に残厚が均一である破断予定線を有する車両用内装部材を得ることができる。
ここで、加工刃における刃先の状態については、図14に示すように、加工刃13を、破断予定線の形成前と同様の高さ位置h1に戻した状態における、刃先14´の高さ位置(h3)と、もとの刃先14の高さ位置(h2)との差異や、陰影の形状差を、レーザ測定装置や赤外線測定装置等を用いて測定することにより、磨耗等による損傷度合いを検知することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態の車両用内装部材の製造装置を用いた、表皮を含むエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法において、
加工刃として、加熱手段、超音波発生手段および高周波発生手段を用いることなく表皮に破断予定線を形成するための製造装置を用いるとともに、
表皮を、支持台の載置面上に、表面を下方側にして載置する工程と、
載置面に対して傾斜する傾斜部と、載置面と平行な水平部と、を有する刃面を備え、かつ、水平部が、加工刃の刃先と表皮との接触面を増やし、磨耗や損傷に対する耐久性を向上させるために設けられてなる加工刃を、表皮の裏面側から下降させることにより進入させ、水平部が載置面から所定高さとなるように配置する工程と、
加工刃を水平移動させて、表皮の裏面側に、表皮の表面まで至らない深さの破断予定線を形成する工程と、
を含むことを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法である。
なお、使用する車両用内装部材の製造装置については第1の実施形態で説明したため、本実施形態での説明は省略する。
1.エアバッグドア部を有する車両用内装部材
まず、図15を参照して、本実施形態の車両用内装部材の製造方法により製造されるエアバッグドア部を有する車両用内装部材40の一例について説明する。
この内装部材は、表皮41と、表皮41の裏側に、発泡層43と、エアバッグ47を収容するための基材45であって、エアバッグ47の展開力が発生した場合に開口するエアバッグドアに沿って、薄肉部45aが設けられた基材45と、を備えた積層体として構成されている。このように構成することにより、車両用内装部材の形状を保持でき、エアバッグの収容性も向上できる一方、車両用内装部材の装飾性を高めることができる。
また、表皮41と基材45との間にさらに発泡ウレタン等からなる発泡層43を備えており、比較的柔らかく、エアバッグの展開性を阻害することがない一方で、優れた手触り感や立体装飾性を得ることができる。
内装部材40に備えられる、成形加工された表皮41の種類は特に制限されるものではないが、例えば、成形加工されたシート状物や自動車部品等の成形品の外形に沿った立体物とすることができる。
また、成形加工された表皮は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂から構成することができるが、その種類についても特に制限されるものでは無い。ただし、内装部材の実際の使用環境を考慮した場合、70℃以上の比較的高い温度であっても優れた機械的強度を保持するとともに、0℃以下の低温状態であっても、優れたしなやかさや手触り性を保持できることから、熱可塑性ウレタンエラストマー、熱可塑性スチレンエラストマー、熱可塑性ナフタレンエラストマー、熱可塑性オレフィンエラストマー等の熱可塑性エラストマーを使用することが好ましい。
また、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の種類に関して、パウダースラッシュ成形により成形可能な樹脂、例えば、上述した熱可塑性エラストマーや、Bステージのエポキシ樹脂、さらには塩化ビニル樹脂を使用することができる。成形加工された表皮を作成するにあたり、パウダースラッシュ成形が可能であれば、車両用途の大型であって、かつ複雑な形状の表皮を、容易かつ精度良く形成することができる。
なお、パウダースラッシュ成形する際には、使用する樹脂中に、ゼオライトや炭酸カルシウム等の無機物を、例えば、全体量に対して、0.1〜30重量%の範囲で添加したパウダー樹脂を使用することができる。このように所定量の無機物を添加することにより、パウダー樹脂の分散性が向上するとともに、成形された表皮に対する装飾加工性が著しく向上する。
また、内装部材における表皮の形態についても特に制限されるものではないが、例えば、インフロントパネル、ハンドル、ドア等の車両部品に用いられる表皮とすることができる。
また、内装部材の変形例として、上述した表皮と、金属部品、セラミック部品、ガラス部品、紙部品、木部品等との組み合わせからなる複合構造体とすることもできる。
また、内装部材の表皮において、その厚さについても特に制限されるものでは無いが、例えば、0.5〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる表皮の厚さが0.5mm未満となると、破断予定線の形成が困難になったり、あるいは、インビジブル性が低下したりする場合があるためである。また、かかる表皮の厚さが5mmを超えると、エアバッグの展開力が発生した場合に、エアバッグドアを確実に開くことが困難になる場合があるためである。
したがって、エアバッグドア部を有する車両用内装部材における表皮の厚さを0.7〜3mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.9〜2mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、図15に示すように、破断予定線41aは表皮41の裏面側に設けられている。すなわち、破断予定線が表皮の表面に位置しないことにより、内装部材における所定のインビジブル性が確保される。
また、破断予定線は、表皮を平坦化した場合には、破断予定線を含む表皮の裏面が、実質的に平坦となる一方、表皮を裏面が凸状になるように湾曲させた場合に、実質的にV溝状になる。これによって、表皮の裏面が、通常の使用状態であれば、破断予定線に起因した凹凸が生じることなく、実質的に平坦であることから、発泡層や基材を積層した場合であっても、積層工程が容易になるばかりか、表皮の裏面と、発泡層や基材との間で、優れた密着力を得ることができる。また、一時的であっても、破断予定線が湾曲によってV溝状になるため、光学式の膜厚測定装置によって、破断予定線の残厚を容易かつ精度良く測定することができる。
なお、表皮の裏面における平坦性の目安として、例えば、指触試験を実施して、凹凸が感じられない程度であることが好ましい。
また、破断予定線の形状(パターン)は、図9(a)〜(c)に示したようなパターン形状をはじめとして、種々のパターンが適宜選択される。
また、破断予定線の残厚は、エアバッグドアの開閉性やインビジブル性のバランス、あるいは機械的強度等を考慮して定めることが好ましいが、例えば、0.3〜0.8mmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる破断予定線の残厚が、0.3mm未満の値になると、インビジブル性が低下したり、表皮の機械的強度が著しく低下したりする場合があるためである。一方、かかる破断予定線の残厚が、0.8mmよりも大きくなると、エアバッグドアの開閉性が著しく低下する場合があるためである。
したがって、破断予定線の残厚を0.4〜0.7mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.45〜0.6mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、破断予定線の幅は、表皮の裏面が凸状になるように湾曲させた場合には、実質的にV溝状になるような値であって、表皮を平坦化した場合には、破断予定線を含む表皮の裏面が、実質的に平坦となるような値であることが好ましい。
したがって、かかる破断予定線の幅を、例えば、0.005〜0.2mmの範囲内の値とすることが好ましく、0.01〜0.1mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.02〜0.08mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
2.製造方法
(1)表皮の準備
まず、エアバッグドア部を有する車両用内装部材を構成する表皮を準備する。すなわち、これらの表皮は、上述したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)表皮の載置
次いで、図16(a)及び(b)に示すように、成形加工された表皮41を、支持台11の載置面11a上に載置する。例えば、図16(a)に示すように、所定高さを有する突起部15を備えた支持台11上に、図9(b)に示すように、表皮41の表面を下方に向けて、すなわち、表皮41の裏面を上方に向けて載置する。
また、表皮41を載置した後、表皮41の表面側から吸引孔17を介して真空ポンプ等を用いて吸引する。これによって、複雑な形状の表皮や大型の表皮であっても、所望の位置に仮固定することができ、破断予定線の形成精度が低下することを有効に防止することができる。また、表皮における、突起部で押し上げられた箇所の張力を大きくでき、破断予定線の形成や残厚の測定を容易に行うことができる。さらに、機械的固定法と異なり、表皮に対する吸引を止めることにより、表皮を速やかに移動させることも可能になる。
(3)加工刃の位置決め
次いで、図16(c)〜(d)に示すように、表皮41の裏面側から加工刃13を進入させ、加工刃13の先端が所定高さとなるように配置する。すなわち、本実施形態では、支持台11の載置面11aに対して傾斜する傾斜部13aと、載置面11aと実質的に平行な水平部13bとを有する加工刃13を用いることを特徴としており、当該加工刃13の水平部13bが載置面11bから所定高さとなるように、加工刃13を配置する。
このとき、加工刃の高さ位置は、支持台の上面(突起部の上面)と加工刃の先端との間の距離が、形成する破断予定線の残厚と一致するように決定される。例えば、加工刃の保持部に高さ位置検知手段を取り付け、当該高さ位置検知手段から加工刃の先端位置までの距離を記憶させておくとともに、当該高さ位置検知手段と支持台の上面(又は突起部の上面)との距離を検知しながら加工刃を下降させ、高さ位置検知手段と支持台の上面(又は突起部の上面)との距離と、高さ位置検知手段から加工刃の先端位置までの距離との差が、破断予定線の残厚と一致するように位置決めを行う。これによって、形成された破断予定線の残厚を所望の厚さに制御することができる。
(4)破断予定線の形成
次いで、加工刃を水平方向に移動させることにより、図17(a)に示すように、表皮41の裏面に、表面まで至らない深さの破断予定線41aを形成する。すなわち、加工刃を直線的に又は曲線的に水平移動させて表皮の裏面側を切断することにより、所定形状の破断予定線が形成される。そして、加工刃の上昇、位置移動、下降、水平移動を繰り返すことにより、全体として所望の形状の破断予定線を形成することができる。
このとき、加工刃の先端に所定の水平部を有することから、破断予定線の形成を繰り返し行う場合であっても、磨耗や損傷を生じにくく、破断予定線の残厚を均一に維持することができる。したがって、形成される破断予定線の残厚が厚くなってエアバッグの展開時の展開性を著しく向上させることができる。
また、所定形状の破断予定線を形成するにあたり、あらかじめ破断予定線の形状を記憶させておき、サーボモータ等の加工刃位置制御手段を用いて上述した加工刃の上昇、位置移動、下降、水平移動を行うことにより、破断予定線の形成を自動化して行うことができる。
(5)刃先の状態の検査
また、加工刃の位置決め前及び破断予定線の形成後、あるいはどちらか一方において、加工刃の刃先の状態を検査することが好ましい。
この理由は、破断予定線の形成前に加工刃の状態を検査することにより、表皮に形成する破断予定線の残部の厚さを、より正確に制御することができるためである。また、破断予定線の形成後に加工刃の状態を検査することにより、刃先に損傷が検知された場合には、装置の動作を停止して、刃を交換することができるためである。
(6)破断予定線の残厚の測定
次いで、図17(b)に示すように、表皮41の裏面における破断予定線41の切り口を開いた状態に保持したままで、破断予定線41aの残厚を測定する。
例えば、図17(b)に示すように、突起部15によって支持台11上の表皮41の表面側(破断予定線の背面側)から押し上げられ、表皮41に形成された破断予定線41aの切り口が開かれた状態で、残厚測定手段27によって、破断予定線41aの残厚を測定する。
すなわち、このように破断予定線の切り口を開いた状態で、破断予定線の残厚を測定することにより、車両用内装部材のインビジブル性を向上させるべく、破断予定線の幅を狭くしたり、残厚を小さくしたりした場合であっても、破断予定線の残部の厚さを、容易かつ確実に測定することができるためである。
また、破断予定線の残部の厚さの測定方法に関して、少なくとも2箇所以上で測定することが好ましく、3箇所以上で測定することがより好ましい。この理由は、このように複数箇所で膜厚を測定することにより、成形加工された表皮の厚さが多少不均一な場合であっても、平均化した数値が得られるためである。したがって、全体的に均一な膜厚の破断予定線を形成することができ、そのため、エアバッグの展開力が発生した場合に、破断予定線に沿って、エアバッグドアを確実に開くことができる。
なお、表皮に破断予定線を形成する前段階においても、成形加工された表皮の厚さを測定しておくことが好ましい。この理由は、このように破断予定線を形成する前後の膜厚を測定しておくことにより、全体的にさらに均一な膜厚の破断予定線を形成することができ、エアバッグの展開力が発生した場合に、破断予定線に沿って、エアバッグドアをさらに確実に開くことができるためである。
(7)発泡層の形成及び基材の固定
次いで、図示しないが、表皮の裏面側に対して発泡層を形成するとともに、基材と貼り合せることにより、図15に示すようなエアバッグドア部を有する車両用内装部材を製造することができる。
なお、基材と表皮とを所定の間隙を介して位置決め固定し、当該間隙に発泡層を形成するなど、発泡層の形成及び基材の固定方法は、適宜公知の方法により実施することができる。
第1の実施形態の製造装置を示す斜視図である。 傾斜部及び水平部を有する加工刃を示す図である。 加工刃保持部に保持された加工刃を示す図である。 棒状の部材を加工して形成した加工刃を示す図である。 加工刃の変形例を示すである。 固定式の突起部を備えた支持台を示す図である。 突起部の構成例を示す図である(その1)。 突起部の構成例を示す図である(その2)。 破断予定線のパターン形状の例を示す図である。 突起部の断面形状を説明するために供する図である。 上下動式の突起部を示す図である。 高さ位置測定手段を説明するために供する図である。 残厚測定手段を説明するために供する図である。 刃先状態検知手段を説明するために供する図である。 表皮を含む車両用内装部材の構成を説明するために供する図である。 第2の実施形態の車両用内装部材の製造方法を説明するために供する図である(その1)。 第2の実施形態の車両用内装部材の製造方法を説明するために供する図である(その2)。
符号の説明
10:エアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置、11:支持台、11a:載置面、13:加工刃、13a:水平部、13b:傾斜部、14:刃先、15:突起部、15a:固定式の突起部、15b:上下動式の突起部、16:加工刃位置制御手段、17:吸引孔、18:吸引装置、21・23・24・25:加工刃、22:加工刃保持部、24a・25a:曲線部、27:残厚測定手段、28:高さ位置検知手段、29:状態検知手段、40:エアバッグドア部を有する車両用内装部材、41:表皮、41a:破断予定線、43:発泡層、45:基材、45a:薄肉部、47:エアバッグ

Claims (10)

  1. 表皮を含むエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置であって、
    加工刃として、加熱手段、超音波発生手段および高周波発生手段を用いることなく前記表皮に破断予定線を形成するための製造装置であり、
    前記表皮が載置される載置面を有する支持台と、前記支持台上に載置された前記表皮に対して下降および水平移動をすることにより破断予定線を形成するための加工刃と、を備えるとともに、
    前記加工刃の刃面は、前記載置面に対して傾斜する傾斜部と、前記載置面と平行な水平部と、を有し、かつ、前記水平部が、加工刃の刃先と表皮との接触面を増やし、磨耗や損傷に対する耐久性を向上させるために設けられてなることを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置。
  2. 前記破断予定線が直線形状の組み合わせからなる場合には、前記水平部の長さを0.4〜1.0mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置。
  3. 前記破断予定線が曲線形状を含む場合には、前記水平部の長さを0.2〜0.5mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置。
  4. 前記破断予定線が直線形状の組み合わせからなる場合には、前記傾斜部の前記載置面に対する傾斜角度を10〜45°の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置。
  5. 前記破断予定線が曲線形状を含む場合には、前記傾斜部の前記載置面に対する傾斜角度を45〜70°の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置。
  6. 前記加工刃の高さ位置を検知するための高さ位置検知手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置。
  7. 前記加工刃の刃先の状態を検知するための刃先状態検知手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造装置。
  8. 表皮を含むエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法において、
    加工刃として、加熱手段、超音波発生手段および高周波発生手段を用いることなく前記表皮に破断予定線を形成するための製造装置を用いるとともに、
    前記表皮を、支持台の載置面上に、表面を下方側にして載置する工程と、
    前記載置面に対して傾斜する傾斜部と、前記載置面と平行な水平部と、を有する刃面を備え、かつ、前記水平部が、加工刃の刃先と表皮との接触面を増やし、磨耗や損傷に対する耐久性を向上させるために設けられてなる加工刃を、前記表皮の裏面側から下降させることにより進入させ、前記水平部が前記載置面から所定高さとなるように配置する工程と、
    前記加工刃を水平移動させて、前記表皮の裏面側に、前記表皮の表面まで至らない深さの破断予定線を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法。
  9. 前記加工刃の高さ位置を検知しながら、前記破断予定線を形成することを特徴とする請求項8に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法。
  10. 前記破断予定線を形成する前後あるいはいずれか一方の時点で、前記加工刃の刃先の状態を検査する工程を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載のエアバッグドア部を有する車両用内装部材の製造方法。
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