JP2017112162A - 紫外線照射方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線硬化型テープに応じて簡単且つ適切に紫外線の照度を下げることができるようにすること。【解決手段】紫外線硬化型テープからなる粘着テープ(T)は、紫外線により硬化する粘着層(T1)を含み、ウェーハ(W)の裏面に貼着される。本発明の紫外線照射方法では、定圧放電によって紫外線を生成する紫外線照射器(10)により、粘着テープの粘着層に紫外線を照射する。紫外線照射器と粘着テープとの間には複数種類の紫外線透過率のフィルター(20)を選択的に介在させる。選択したフィルターによって紫外線の照度を調整して粘着テープに照射することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、ウェーハの裏面に貼着された紫外線硬化型テープに紫外線を照射する紫外線照射方法に関する。
半導体デバイス製造工程では、略円板形状である半導体ウェーハの表面に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインで区画された複数の領域に、ICやLSI等のデバイスの形成が行われている。そして、半導体ウェーハをストリートに沿ってダイシングすることで、デバイスが形成された領域毎に半導体ウェーハが分割加工され、個々の半導体チップが製造される。
半導体ウェーハを切削機によってダイシングする際に、分割された半導体チップがバラバラにならないように予め半導体ウェーハは環状のフレームに装着された粘着テープの表面に貼着されている。このようにして粘着テープに貼着された半導体ウェーハがストリートに沿って切断されると、個々に複数個の半導体チップに分割される。そして、分割された各半導体チップは、粘着テープを介して環状のフレームに支持された状態で次工程であるダイボンディング工程に搬送される。
ダイボンディング工程では、ダイボンダーによって半導体チップが粘着テープから1個ずつピックアップされ、リードフレームやパッケージの所定位置に装着される。ダイボンダーによる半導体チップのピックアップ作業を容易にするために、粘着テープには、紫外線の照射によって粘着力が低下する所謂UVテープが一般に用いられている。粘着テープへの紫外線照射は、半導体ウェーハを複数個の半導体チップに分割した後、紫外線照射器によって行われる(特許文献1参照)。
切削機では、粘着テープに貼着された半導体ウェーハをダイシングする際、高速回転させた切削ブレードを半導体ウェーハに切り込ませながら、ストリートに沿って切削ブレードと半導体ウェーハとを相対的に切削送りする。かかるダイシングにおいて、切削ブレードの刃先が粘着テープの厚み方向中間に達するようにすると、刃先に粘着テープの粘着層が付着して切削ブレードの切れ味が悪化し、チップの裏面側の加工品質が悪化する、という問題がある。ここで、粘着テープの粘着層をある程度硬化させた半硬化状態とし、この状態で切削ブレードによって切削することで、上述した問題を解消することが考えられる。このように粘着層を半硬化させる場合、紫外線照射器におけるランプの照度を低下させる方法が考えらえるが、紫外線照射器は照度を調整する機能が無く、照射される紫外線を適切な照度に下げることができない、という問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、紫外線硬化型テープに応じて簡単且つ適切に紫外線の照度を下げることができる紫外線照射方法を提供することを目的とする。
本発明の紫外線照射方法は、ウェーハの裏面に貼着された、紫外線により硬化する粘着層を含んで構成される紫外線硬化型テープの粘着層に紫外線を照射する紫外線照射方法であって、定圧放電によって紫外線を生成する紫外線照射器により、複数種類の紫外線透過率のフィルターを選択的に介在させて紫外線の照度を調整して照射することを特徴とする。
この方法によれば、紫外線照射器と紫外線硬化型テープとの間にフィルターを介在させることで、紫外線硬化型テープに照射される紫外線の照度を簡単に低下させることができる。更に、複数種類の紫外線透過率のフィルターを用意し、かかるフィルターを選択的に介在させることで、紫外線硬化型テープの粘着層を半硬化状態とするのに適した紫外線の照度に容易に調整することができる。
本発明によれば、複数種類の紫外線透過率のフィルターを選択的に介在させることで、紫外線硬化型テープに応じて簡単且つ適切に紫外線の照度を下げることができる。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る紫外線照射方法に用いる紫外線照射器ついて説明する。図1は、本実施の形態に係る紫外線照射器の外観斜視図である。図2は、本実施の形態に係る紫外線照射器の説明用断面図である。なお、本実施の形態に係る紫外線照射器は、図1及び図2に示す構成に限定されるものでなく、本実施の形態と同様に紫外線を生成可能であれば、他の紫外線照射器であってもよい。
図1に示すように、本実施の形態の紫外線照射器10は、ウェーハWの裏面(下面)に貼着された粘着テープTに紫外線を照射するように構成されている。ウェーハWは環状のフレームFの内側に配置され、これらの裏面に粘着テープTが貼着されてウェーハWが粘着テープTを介してフレームFに支持される。粘着テープTには、紫外線を照射することによって粘着力が低下する所謂UVテープが用いられ、図2に示すように、紫外線により硬化する粘着層T1と、この粘着層T1が積層される基材T2とを含む紫外線硬化型テープとされる。
図1に戻り、紫外線照射器10は、上面に円形の開口12aが形成された箱状のハウジング12と、ハウジング12内に配設された紫外線照射手段13とを備えている。ハウジング12の開口12aは、ウェーハWに対応する大きさに形成され、開口12a内には円形の板ガラス15が装着されている。この円形の板ガラス15は、紫外線照射手段13から照射される紫外線を透過させる。開口12aが形成される領域は、ウェーハWの全領域を含み得る面積であり、環状のフレームFの円形開口に含まれ得る面積に設定されている。
紫外線照射手段13は、紫外線を照射する複数本のUVハロゲンランプ17を備えて構成されている。各UVハロゲンランプ17は、特に限定されるものでないが、制御回路(不図示)を介した定圧放電によって、すなわち一定の電圧が印加されて照度が一定に保たれるように紫外線を生成する。
ここで、本実施の形態に係る紫外線照射方法では、図2に示すように、ハウジング12の上面にフィルター20を載置し、フィルター20を介在させて粘着テープTに紫外線を照射する。フィルター20は、シート状又は板状に形成される。フィルター20は、ハウジング12の上面に載置されたときに、ハウジング12の開口12aの全領域を覆うことができる大きさ及び形状に設けられている。
また、フィルター20は、紫外線照射手段13から照射される紫外線を透過するときに、所定割合で紫外線を吸収し、紫外線の照度を低下させる機能を備えている。フィルター20は、それぞれ紫外線透過率が異なるように複数種類用意され、例えば、紫外線透過率がフィルター20を用いない場合の照度より20%ずつ低下するようにしてもよい。本実施の形態の紫外線照射方法は、このような複数種類のフィルター20を粘着テープTと紫外線照射器10との間に選択的に介在させる。これにより、フィルター20の紫外線透過率に応じて、粘着テープTに照射される紫外線の照度を調整することができる。この調整では、粘着テープTの種類に応じて介在させるフィルター20の種類を変更し、粘着層T1が後述のように半硬化することに適した紫外線の照度にさせる。なお、紫外線照射器10と粘着テープTとの間に介在させるフィルター20は、1枚に限られるものでなく、複数枚重ねて介在させてもよい。この場合、介在させる枚数を変えることで複数種類の紫外線透過率とし、半硬化に適した照度に調整するようにしてもよい。介在させるフィルター20の枚数を変える場合には、複数枚のフィルター20の紫外線透過率を同じにしてもよいし、異なるように設定してもよい。
粘着テープ(UVテープ)Tにおける粘着層T1は、フィルター20を用いずに紫外線照射手段13からの紫外線が照射されると完全あるいは略完全に硬化される。その結果、粘着テープTによる粘着力が急激に弱くなって粘着テープTからの抵抗を殆ど受けずにウェーハWを剥離できる状態となる。この状態では、図3に示すように、切削機30の高速回転する切削ブレード32でウェーハWを切削するときに、ウェーハWを位置決めできなくなって切削を行えなくなる。なお、切削機30では、粘着テープTを介してフレームFに支持されたウェーハWがチャックテーブル33によって吸着保持される。
一方、ウェーハWの切削前に粘着テープTに紫外線を照射しない場合、切削時に切削ブレード32の下端が粘着層T1に達するため、切削ブレード32に粘着層T1が付着してしまうこととなる。この付着によって、切削ブレード32の切削能力が低下し、ウェーハWの裏面側にチッピングが生じる等、裏面側の加工品質が低下する原因となる。
そこで、本実施の形態の紫外線照射方法では、粘着テープ(UVテープ)Tにおける粘着層T1が低い照度の紫外線で半硬化することに着目し、上述のようにフィルター20を介在させて粘着テープTに紫外線を照射している。フィルター20を介在させることで粘着層T1の粘着力が緩やかに弱くなって簡単に半硬化、つまり、流動性を失う程度の硬化状態とすることができる。これにより、粘着テープTとウェーハWとが粘着した状態を維持しつつ、切削ブレード32に粘着層T1が付着することを抑制することができる。この結果、切削能力が低下することを防ぐことができ、ウェーハWの裏面側の加工品質を簡単且つ良好に維持することができる。
また、粘着層T1の材質が変わり、紫外線の照射積算量による硬化の程度が変化しても、複数種類の紫外線透過率のフィルター20を用意したので、用意したフィルター20を選択的に介在させて半硬化に適した照度に容易に調整することができる。これにより、紫外線照射器10に照度変更のための複雑な構成が不要となり、製品コストの削減を図ることができる。更に、仮に、照度を変更するためにUVハロゲンランプ17に印加する電圧を制御する場合には、各UVハロゲンランプ17の照度がばらつき易くなる。この点、本実施の形態では定圧放電による照射としてフィルター20で照度を調整するので、面内均一に照度を安定させることができる。これにより、粘着層T1の硬化が部分的に進行しなくなることを防止でき、切削ブレード32に粘着層T1が付着することをより良く抑制することができる。
切削機30によりウェーハWを切削することで、デバイスが形成された領域毎にウェーハWが分割され、個々の半導体チップが形成される。分割された半導体チップは、粘着テープTを介してフレームFに支持された状態で、紫外線照射器10に搬送される。そして、フィルター20を介在させずに粘着テープTに紫外線照射手段13から紫外線を照射し、粘着層T1を硬化させて粘着力が失われた状態にさせる。これにより、次工程のダイボンディング工程において、半導体チップが粘着テープTから1個ずつピックアップすることが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、紫外線照射手段13は、上記実施の形態と同様の照度で紫外線を照射できる限りにおいて、種々の変更が可能であり、少なくも1つのUVランプをスライド移動させて紫外線を照射したり、紫外線を照射するLEDを用いてもよい。
以上説明したように、本発明は、ウェーハに貼着された紫外線硬化型テープに紫外線を照射する紫外線照射方法に有用であり、紫外線硬化型テープの粘着層を半硬化させてウェーハを分割する切削ブレードの切削能力が良好に保たれる、という効果を得る。
10 紫外線照射器
20 フィルター
T 粘着テープ(紫外線硬化型テープ)
T1 粘着層
W ウェーハ
20 フィルター
T 粘着テープ(紫外線硬化型テープ)
T1 粘着層
W ウェーハ
Claims (1)
- ウェーハの裏面に貼着された、紫外線により硬化する粘着層を含んで構成される紫外線硬化型テープの該粘着層に紫外線を照射する紫外線照射方法であって、
定圧放電によって紫外線を生成する紫外線照射器により、複数種類の紫外線透過率のフィルターを選択的に介在させて紫外線の照度を調整して照射することを特徴とする紫外線照射方法。
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JP2015243821A JP2017112162A (ja) | 2015-12-15 | 2015-12-15 | 紫外線照射方法 |
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JP2015243821A Pending JP2017112162A (ja) | 2015-12-15 | 2015-12-15 | 紫外線照射方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2020088334A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 株式会社ディスコ | テープ貼り装置 |
Citations (4)
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JPH08274048A (ja) * | 1995-03-31 | 1996-10-18 | Sony Corp | チップ部材の製造方法 |
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2015
- 2015-12-15 JP JP2015243821A patent/JP2017112162A/ja active Pending
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