JP2017112156A - コモンモードチョークコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なモード変換特性を与え得る巻線型のコモンモードチョークコイルを提供する。
【解決手段】巻芯部35の軸線方向に沿って、第1のワイヤ33のターンがこれと同一番目の第2のワイヤ34のターンより第1の端部38側に位置する第1の巻回領域Aと、第1のワイヤ33のターンがこれと同一番目の第2のワイヤ34のターンより第2の端部39側に位置する第2の巻回領域Bとを分布させる。第1の巻回領域Aでの第1および第2のワイヤの各々のターン数と第2の巻回領域Bでの第1および第2のワイヤの各々のターン数は、一方が他方の1.5倍以上とされ、あるいは、一方が他方より5ターン以上少なくされる。このように、非対称な巻回構造を採用することにより、対称な巻回構造を持つものに比べて、ある方向から見たモード変換特性をより良好なものとすることができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、コモンモードチョークコイルに関するもので、特に、2つの端部を有する巻芯部上に2本のワイヤを巻回した構造を有する巻線型のコモンモードチョークコイルに関するものである。
図11および図12を参照して、この発明の対象となるコモンモードチョークコイル31の一般的な構成について説明する。
図11に示すように、コモンモードチョークコイル31は、コア32と、それぞれインダクタを構成する第1および第2のワイヤ33および34と、を備えている。コア32は、電気絶縁性材料、より具体的には、誘電体としてのアルミナ、磁性体としてのNi−Zn系フェライト、または樹脂などから構成される。コア32は、全体として断面四角形状をなしている。ワイヤ33および34は、たとえば、絶縁被覆された銅線から構成される。
コア32は、巻芯部35ならびに巻芯部35の各端部にそれぞれ設けられた第1および第2の鍔部36および37を有する。第1および第2のワイヤ33および34は、巻芯部35上において第1の鍔部36側の第1の端部38から第2の鍔部37側の第2の端部39に向かって互いに実質的に同じターン数をもって並行しながら螺旋状に巻回されている。
第1の鍔部36には、第1および第2の端子電極41および42が設けられ、第2の鍔部37には、第3および第4の端子電極43および44が設けられる。端子電極41〜44は、たとえば、導電性ペーストの焼付け、導電性金属のめっき等によって形成される。なお、端子電極41〜44の位置からわかるように、図11は、コモンモードチョークコイル31を、実装基板側に向けられる実装面を上方に向けた姿勢で図示している。
第1のワイヤ33の各端部は、それぞれ、第1および第3の端子電極41および43に接続され、第2のワイヤ34の各端部は、それぞれ、第2および第4の端子電極42および44に接続される。これらの接続には、たとえば、熱圧着が適用される。
コモンモードチョークコイル31は、さらに、天板45を備える。天板45は、コア32と同様、たとえば、非磁性体としてのアルミナ、磁性体としてのNi−Zn系フェライト、または樹脂などから構成される。コア32および天板45が磁性体からなるとき、天板45が第1および第2の鍔部36および37間を連結するように設けられることによって、コア32は、天板45と協働して、閉磁路を構成する。
以上のような構成を有するコモンモードチョークコイル31は、図12に示すような等価回路を与えている。図12において、図11に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付している。
図12を参照して、コモンモードチョークコイル31は、第1および第3の端子電極41および43間に接続される第1のワイヤ33によって構成される第1のインダクタ46と、第2および第4の端子電極42および44間に接続される第2のワイヤ34によって構成される第2のインダクタ47と、を備える。これら第1および第2のインダクタ46および47は、互いに磁気結合されている。
図11では明瞭に表わされていないが、第1のワイヤ33は、巻芯部35の周面に接する第1層を構成する状態で巻回され、第2のワイヤ34は、その断面上の一部を第1のワイヤ33の隣り合うターン間に形成される凹部に嵌り込ませながら第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回されている。
以上説明したコモンモードチョークコイル31において、そこに入力される信号周波数が高くなると、入力されたディファレンシャル信号成分のうち、コモンモードノイズに変換されて出力される割合であるモード変換特性が大きく現れるという問題に遭遇することがある。たとえば特開2014−120730号公報(特許文献1)では、第1および第2のワイヤ33および34の異なるターン間に発生する浮遊容量(分布容量)のバランスが崩れることを、この問題の原因として挙げている。
そのため、特許文献1に記載の技術では、たとえば、図13に示すようなワイヤ33および34の巻回状態が採用される。
なお、図13では、第1のワイヤ33を示す断面には網掛けが施され、第2のワイヤ34との区別が明確になるようにしている。また、図13に示した第1および第2のワイヤ33および34の各々の断面内には、巻芯部35の第1の端部38側から数えたターン数「1」〜「12」が記入されている。
図13において、巻芯部35の周囲に巻回される第1および第2のワイヤ33および34の各部分のうち、巻芯部35の手前側に位置する部分は実線で、巻芯部35によって隠れる部分は破線でそれぞれ模式的に示されている。なお、図13では、ワイヤ33および34の、巻芯部35の手前側に位置する部分および巻芯部35によって隠れる部分の各々のすべてが図示されているわけではない。
図13を参照して、第1および第2のワイヤ33および34の巻回状態に基づき分類したとき、
(1)第1および第2のワイヤ33および34の各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、第1のワイヤ33のターンがこれと同一番目の第2のワイヤ34のターンより第1の端部38側に位置する第1の巻回領域Aと、
(2)第1および第2のワイヤ33および34の各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、第1のワイヤ33のターンがこれと同一番目の第2のワイヤ34のターンより第2の端部39側に位置する第2の巻回領域Bと、
(3)第1の巻回領域Aと第2の巻回領域Bとの間に位置し第1のワイヤ33と第2のワイヤ34とが交差することによって、第1のワイヤ33のターンと第2のワイヤ34のターンとの位置関係が切り替えられる切替領域Cと、
が存在している。そして、これら第1の巻回領域A、切替領域Cおよび第2の巻回領域Bは、この順序で巻芯部35の軸線方向に沿って分布している。
特許文献1に記載の技術では、モード変換特性が大きく現れるという問題を解決するにあたり、第1および第2のワイヤ33および34の異なるターン間に発生する浮遊容量(分布容量)をバランスさせるため、第1の巻回領域Aにおけるワイヤ33および34の巻回構造と、第2の巻回領域Bにおけるワイヤ33および34の巻回構造とが、切替領域Cの中心線C1に関して、対称となるようにされている。言い換えると、第1の巻回領域Aにおけるワイヤ33および34の各々のターン数と第2の巻回領域Bにおけるワイヤ33および34のターン数とが、互いに等しくなるようにされている。
特許文献1における記載によれば、上述のようにワイヤ33および34の巻回構造を対称とすることにより、第1の巻回領域Aにおける分布容量および第2の巻回領域Bにおける分布容量が、それぞれ、第1および第2のインダクタ46および47(図12参照)と並列に発生し、これにより、第1のワイヤ33によるLC回路の共振点と第2のワイヤ34によるLC回路の共振点との両方が変化するが、2つの共振点のバランスは変化せず、したがって、モード変換特性を低減できる、とされている。
特開2014−120730号公報
特許文献1に記載の技術では、モード変換特性を低減するため、上述のように、ワイヤ33および34の巻回構造を対称にするという手段を採用しているが、このような手段を採用したとしても、実際には、コモンモードチョークコイル31において、巻回構造を完全に対称とすることは不可能に近い。
たとえば、ワイヤ33および34は螺旋状に巻回されるため、ワイヤ33および34を物理的に左右対称に配置しようとしても、完全な対称とはなり得ない。
また、2本のワイヤ33および34の巻回状態において、第1のワイヤ33が常に内側、第2のワイヤ34が常に外側というような位置関係をほぼ維持するため、第1のワイヤ33による第1のインダクタ46と第2のワイヤ34による第2のインダクタ47との間で、インダクタンス値のずれが発生する。そのため、第1のインダクタ46と第2のインダクタ47とで共振周波数が一致しない。
また、チップ型のコモンモードチョークコイル31は、実装基板に実装されるとき、端子電極41〜44を介してはんだ付けされるが、端子電極41〜44の各々に付与されるはんだの形態が、端子電極41〜44の形状や実装基板側の導電ランドの形状などが影響して、不揃いとなりがちであることからも非対称性がもたらされ得る。
以上のように、巻線構造において、あるいは巻線構造以外の部分において、非対称性がもたらされると、インダクタンス、キャパシタンス等の電気的特性においても非対称性、すなわち方向性が発生し、その結果、モード変換特性が理論どおりに低減できないことがわかった。
そこで、この発明の目的は、対称性を追求することなく、モード変換特性を低減することができる、コモンモードチョークコイルを提供しようとすることである。
この発明は、巻芯部ならびに巻芯部の互いに逆の第1および第2の端部にそれぞれ設けられた第1および第2の鍔部を有するコアと、巻芯部上において実質的に互いに同じターン数をもって並行しながら螺旋状に巻回された第1および第2のワイヤと、第1の鍔部に設けられ、第1のワイヤの一方端および第2のワイヤの一方端がそれぞれ接続された第1および第2の端子電極と、第2の鍔部に設けられ、第1のワイヤの他方端および第2のワイヤの他方端がそれぞれ接続された第3および第4の端子電極と、を備える、コモンモードチョークコイルに向けられる。
この発明に係るコモンモードチョークコイルには、第1および第2のワイヤの巻回状態に基づき分類したとき、
(1)第1および第2のワイヤの各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、第1のワイヤのターンがこれと同一番目の第2のワイヤのターンより第1の端部側に位置する第1の巻回領域と、
(2)第1および第2のワイヤの各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、第1のワイヤのターンがこれと同一番目の第2のワイヤのターンより第2の端部側に位置する第2の巻回領域と、
(3)第1の巻回領域と第2の巻回領域との間に位置し第1のワイヤと第2のワイヤとが交差することによって、第1のワイヤのターンと第2のワイヤのターンとの位置関係が切り替えられる切替領域と、
が存在する。そして、これら第1の巻回領域、切替領域および第2の巻回領域は、この順序で巻芯部の軸線方向に沿って分布している。
この発明では、上述したような構成を有するコモンモードチョークコイルにおいて、前述した技術的課題を解決するため、第1および第2のワイヤの各々のターン数は、第1の巻回領域と第2の巻回領域とで異ならされていることを特徴としている。
このように、この発明では、特許文献1に記載の技術において追及した対称性に逆行する、第1および第2のワイヤの各々のターン数を第1の巻回領域と第2の巻回領域とで積極的に異ならせるという非対称性に依存する手段を採用している。その結果、物理的に対称な構成である場合に比べて、良好なモード変換特性が得られることが見出された。
上述のように、非対称性に依存する手段を採用した場合、コモンモードチョークコイルの電気的特性に方向性が生じる。そのため、この発明に係るコモンモードチョークコイルにおいて、第1の鍔部と第2の鍔部とを識別することを可能とするためのマーキングをさらに備えることが好ましい。
この発明による効果がより確実に奏されるようにするため、好ましくは、第1の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数と第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数との比率は、一方が他方の1.5倍以上とされ、あるいは、第1の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数と第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数との差は、一方が他方より5ターン以上少なくされる。
この発明に係るコモンモードチョークコイルにおいて、第1および第2のワイヤの巻回態様につき、次の第1および第2の巻回態様のいずれが採用されてもよい。
第1の巻回態様では、第1のワイヤは、巻芯部の周面に接する第1層を構成する状態で巻回され、第2のワイヤは、第1および第2の巻回領域において、断面上の一部を第1のワイヤの隣り合うターン間に形成される凹部に嵌り込ませながら第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回される。
第2の巻回態様では、第1のワイヤおよび第2のワイヤは、第1および第2の巻回領域において、ともに巻芯部の周面に接する状態で巻回される。
この発明によれば、第1および第2のワイヤの各々のターン数を第1の巻回領域と第2の巻回領域とで異ならせることにより、第1および第2のワイヤについて物理的に対称な巻回構造を持つものに比べて、ある方向から見たモード変換特性をより良好なものとすることができる。
第1および第2のワイヤについて物理的に対称な巻回構造を持つコモンモードチョークコイルは、その構造上必ず、ワイヤの巻線部分以外の部分で上下あるいは左右のインダクタンスまたはキャパシタンスについて非対称性が発生している。そして、これら非対称性は、巻回される第1および第2のワイヤの位置関係や端子電極と実装基板側の導電ランドとの位置関係で決定されているため、必ず方向性が発生している。
この発明では、第1および第2のワイヤの各々のターン数を第1の巻回領域と第2の巻回領域とで積極的に異ならせることにより、上述した非対称性を補償し、特性を向上させることができる。
この発明の第1の実施形態によるコモンモードチョークコイル51の外観を示すもので、(A)は平面図、(B)は底面図である。 図1に示したコモンモードチョークコイル51における第1および第2のワイヤ33および34の巻回状態を模式的に示す断面図である。 図2に示した第1のワイヤ33の巻線手順を説明するための断面図である。 図2に示した第2のワイヤ34の巻線手順を説明するための断面図である。 第1巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数と第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数とが同一であるコモンモードチョークコイルのSパラメータの周波数特性を示す図であって、実線は、第1および第2の端子電極側を入力側とした場合であり、破線は、第3および第4の端子電極側を入力側とした場合を示している。 第1巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数に比べて第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数が1ターン少ないコモンモードチョークコイルのSパラメータの周波数特性を示す図であって、実線は、第1および第2の端子電極側を入力側とした場合であり、破線は、第3および第4の端子電極側を入力側とした場合を示している。 第1巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数に比べて第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数が3ターン少ないコモンモードチョークコイルのSパラメータの周波数特性を示す図であって、実線は、第1および第2の端子電極側を入力側とした場合であり、破線は、第3および第4の端子電極側を入力側とした場合を示している。 第1巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数に比べて第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数が5ターン少ないコモンモードチョークコイルのSパラメータの周波数特性を示す図であって、実線は、第1および第2の端子電極側を入力側とした場合であり、破線は、第3および第4の端子電極側を入力側とした場合を示している。 第1巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数に比べて第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数が7ターン少ないコモンモードチョークコイルのSパラメータの周波数特性を示す図であって、実線は、第1および第2の端子電極側を入力側とした場合であり、破線は、第3および第4の端子電極側を入力側とした場合を示している。 この発明の第2の実施形態を説明するための図2に相当する図である。 従来のコモンモードチョークコイル31の外観を示す斜視図である。 図11に示したコモンモードチョークコイル31の等価回路図である。 図11に示したコモンモードチョークコイル31において、特許文献1に記載された第1および第2のワイヤ33および34の巻回状態を模式的に示す断面図である。
図1には、この発明の第1の実施形態によるコモンモードチョークコイル51が示されている。図1に示したコモンモードチョークコイル51は、前述した図11に示したコモンモードチョークコイル31と比べて、第1および第2のワイヤ33および34の巻回態様が異なるのみで、それ以外の構成は実質的に同様である。したがって、図1において、図11に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図1において、第1のワイヤ33と第2のワイヤ34とを明確に区別するため、模式的に、第1のワイヤ33は黒塗りで、第2のワイヤ34は白抜きで図示されている。
図1に示したコモンモードチョークコイル51における第1および第2のワイヤ33および34の巻回状態が図2に模式的断面図で示されている。図1(B)と図2とを対比すれば、ワイヤ33および34のターン数に関して、図1(B)に示したものは図2に示したものより少ないことからわかるように、図1(B)では、ワイヤ33および34が省略的に図示されている。また、図2ないし図4では、第1のワイヤ33を示す断面には網掛けが施され、第2のワイヤ34との区別が明確になるようにしている。
第1および第2のワイヤ33および34は、巻芯部35上において、第1の鍔部36が設けられた第1の端部38側から第2の鍔部37が設けられた第2の端部39に向かって互いに実質的に同じターン数をもって並行しながら螺旋状に巻回されている。図2に示した第1および第2のワイヤ33および34の各々の断面内には、巻芯部35の第1の端部38側から数えたターン数「1」〜「27」が記入されている。第1および第2のワイヤ33および34の各々の断面内へのターン数の記入は、図3および図4ならびに図10においても採用される。
第1のワイヤ33は、巻芯部35の周面に接する第1層を構成する状態で巻回され、第2のワイヤ34は、その大部分が断面上の一部を第1のワイヤ33の隣り合うターン間に形成される凹部に嵌り込ませながら第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回される。
第1および第2のワイヤ33および34の巻回状態の詳細を、図2とともに、図3および図4を参照して説明する。図3および図4において、巻芯部35の周囲に巻回される第1および第2のワイヤ33および34の各部分のうち、巻芯部35の手前側に位置する部分は実線で、巻芯部35によって隠れる部分は破線でそれぞれ模式的に示されている。なお、ワイヤ33および34の、巻芯部35によって隠れる部分を示す破線については、すべてが図示されているわけではなく、特徴ある箇所のみが示されている。
また、図2ないし図4には、巻芯部35の第1の端部38から第2の端部39に向かって、「第1の巻回領域A」、「切替領域C」および「第2の巻回領域B」がこの順に表示されている。すなわち、巻芯部35の軸線方向に沿って、第1の巻回領域A、切替領域Cおよび第2の巻回領域Bが分布している。第1および第2のワイヤ33および34の巻回状態の説明を、領域A〜Cの各々に分けて行なう。
まず、第1のワイヤ33の始端が第1の端子電極41(図1参照)に接続される。
次いで、図3によく示されているように、第1のワイヤ33は、第1の巻回領域Aでは、隣り合うターン間に隙間を形成しない状態で、第1ターンから第15ターンまで巻回される。
次いで、切替領域Cでは、第1のワイヤ33における第16ターンから第17ターンへと移行する部分が位置し、第16ターンと第17ターンとの間に隙間が形成される。
次いで、第2の巻回領域Bでは、第1のワイヤ33は、再び、隣り合うターン間に隙間を形成しない状態で、第18ターンから第27ターンまで巻回される。
そして、第1のワイヤ33の終端が第3の端子電極43(図1参照)に接続される。
他方、第2のワイヤ34については、まず、その始端が第2端子電極42(図1参照)に接続される。
次いで、図4によく示されているように、第1の巻回領域Aでは、第1のワイヤ33のたとえば第1ターンと第2ターンとの間の凹部に、第2のワイヤ34の第1ターンが嵌り込むように、すなわち、一般化すると、第1のワイヤ33の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2のワイヤ34の第nターンが嵌り込む状態で、第2のワイヤ34の第1ターンから第15ターンまで巻回される。
次いで、切替領域Cでは、第2のワイヤ34は、第15ターンに対して隙間を形成した状態で第16ターンが巻回され、さらに、第16ターンに対して隙間を形成した状態で第17ターンが巻回される。これら第16ターンおよび第17ターンは、巻芯部35の周面に接する状態で巻回される。このとき、図3と図4とを対照すればわかるように、第2のワイヤ34は、第1のワイヤ33と交差する。
次いで、第2の巻回領域Bでは、第2のワイヤ34の第18ターンが、第2のワイヤ34の第17ターンに対して隙間を形成した後、第1のワイヤ33の第17ターンと第18ターンとの間の凹部に嵌り込むというように、すなわち、一般化すれば、第1のワイヤ33の第nターンと第n+1ターンとの間の凹部に、第2のワイヤ34の第n+1ターンが嵌り込む状態で、第2のワイヤ34の第18ターンから第27ターンまで巻回される。
そして、第2のワイヤ34の終端が第4の端子電極44(図1参照)に接続される。
上述した巻回状態から見出される特徴について、以下に列挙する。
まず、第1の巻回領域Aでは、第1および第2のワイヤ33および34の各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、第1のワイヤ33のターンがこれと同一番目の第2のワイヤ34のターンより第1の端部38側に位置している。
第2の巻回領域Bでは、第1および第2のワイヤ33および34の各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、第1のワイヤ33のターンがこれと同一番目の第2のワイヤ34のターンより第2の端部39側に位置している。
切替領域Cでは、第1のワイヤ33と第2のワイヤ34とが交差することによって、第1のワイヤ33のターンと第2のワイヤ34のターンとの位置関係が切り替えられる。
また、第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数は、第1の巻回領域Aと第2の巻回領域Bとで異ならされている。すなわち、第1の巻回領域Aでは、第1のワイヤ33のターン数は“15”であり、第2のワイヤ34のターン数は“15”であり、他方、第2の巻回領域Bでは、第1のワイヤ33のターン数は“10”であり、第2のワイヤ34のターン数は“10”である。
上記の第1の巻回領域Aでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数と第2の巻回領域Bでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数とを比較すると、以下のようになる。
第1のワイヤ33については、第1の巻回領域Aでのターン数“15”は、第2の巻回領域Bでのターン数“10”の丁度1.5倍であり、第2のワイヤ34については、第1の巻回領域Aでのターン数“15”は、第2の巻回領域Bでのターン数“10”の丁度1.5倍である。すなわち、第1の巻回領域Aでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数と第2の巻回領域Bでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数との比率は、一方が他方の1.5倍以上である。
また、第1のワイヤ33については、第1の巻回領域Aでのターン数“15”よりも、第2の巻回領域Bでのターン数“10”は5ターン少なく、第2のワイヤ34については、第1の巻回領域Aでのターン数“15”よりも、第2の巻回領域Bでのターン数“10”は5ターン少ない。すなわち、第1の巻回領域Aでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数と第2の巻回領域Bでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数との差は、一方が他方より5ターン以上少ない。
以上のように、第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数を第1の巻回領域Aと第2の巻回領域Bとで異ならせるという非対称性によれば、コモンモードチョークコイル51の電気的特性について方向性が生じるが、物理的に対称な構成である場合に比べて、良好なモード変換特性が得られることが見出された。このことについて、以下に、図5ないし図9を参照して説明する。
図5ないし図9は、コモンモードチョークコイルのSパラメータの周波数特性を示す図であって、実線は、信号方向が第1および第2の端子電極側を入力側とした順方向の場合であり、破線は、信号方向が反対側にある第3および第4の端子電極側を入力側とした逆方向の場合を示している。そして、第1巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数T1と第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数T2とについて、
図5はT1=15,T2=15〈同一ターン数〉の場合を示し、
図6はT1=15,T2=14〈1ターン減らし〉の場合を示し、
図7はT1=15,T2=12〈3ターン減らし〉の場合を示し、
図8はT1=15,T2=10〈5ターン減らし〉の場合を示し、
図9はT1=15,T2=8〈7ターン減らし〉の場合を示している。
図5ないし図9に示したSパラメータがより低い値であるほど、より良好なモード変換特性、すなわち、より低減されたモード変換特性を示す。
図5に示した〈同一ターン数〉の場合には、実線で示した順方向と破線で示した逆方向との間では、前述のように完全に対称な巻回構造を実現できていないことから、Sパラメータ値は一致していないが、かなり近い特性を示している。
図6に示した〈1ターン減らし〉の場合には、より低周波域において、実線で示した順方向と破線で示した逆方向との間でSパラメータ値に実質的な差はないが、より高周波域において、実線で示した順方向に比べて、破線で示した逆方向の方が、わずかに低いSパラメータ値が得られている。
図7に示した〈3ターン減らし〉の場合には、より低周波域において、実線で示した順方向と破線で示した逆方向との間でSパラメータ値に実質的な差はないが、より高周波域において、破線で示した逆方向に比べて、実線で示した順方向の方が、わずかに低いSパラメータ値が得られている。
図8に示した〈5ターン減らし〉の場合には、より低周波域において、実線で示した順方向に比べて、破線で示した逆方向の方が、明らかに低いSパラメータ値が得られ、より高周波域において、破線で示した逆方向に比べて、実線で示した順方向の方が、明らかに低いSパラメータ値が得られている。なお、図8に示した〈5ターン減らし〉は、図2に示した実施形態に相当する。
図9に示した〈7ターン減らし〉の場合には、より低周波域において、実線で示した順方向に比べて、破線で示した逆方向の方が、かなり低いSパラメータ値が得られ、より高周波域において、破線で示した逆方向に比べて、実線で示した順方向の方が、かなり低いSパラメータ値が得られている。
上述したSパラメータ値の傾向からわかるように、図8に示した〈5ターン減らし〉の場合、および図9に示した〈7ターン減らし〉の場合のように、T1とT2との差が5ターン以上のとき、あるいは、T1とT2との比率で言えば、T1がT2の1.5倍以上のとき、実線で示した順方向と破線で示した逆方向との間で顕著な差が現れ、明瞭な方向性が見られる。したがって、この発明において、好ましくは、T1とT2との差は一方が他方の5ターン以上少なくされ、T1とT2との比率でいえば、一方が他方の1.5倍以上とされる。ただし、T1とT2とについては、互いに異なってさえいれば、上記好ましい範囲以外であっても、多少の方向性は有する。
また、コモンモードチョークコイルの実使用にあたっては、たとえば図8に示した〈5ターン減らし〉の場合、および図9に示した〈7ターン減らし〉の場合について言えば、コモンモードチョークコイルが、より低周波域で使用されるときには、信号が逆方向に流れるように実装され、より高周波域で使用されるときには、信号が順方向に流れるように実装されることが推奨される。
上述したように、コモンモードチョークコイルの電気的特性に方向性が生じるため、図1(A)に示すように、コモンモードチョークコイル51は、第1の鍔部36と第2の鍔部37とを識別することを可能とするためのマーキング52を、たとえば天板45上に備えることが好ましい。これにより、所望の周波数特性を得ることができる向き(順方向、逆方向)にコモンモードチョークコイル51を実装することができる。この観点からはマーキング52は実装装置が識別できるものであればよい。一方、マーキング52を目視により識別可能とすれば、製造工程でのコモンモードチョークコイル51の取り扱いを容易にできる。具体的には、たとえば、コモンモードチョークコイル51をリールへテーピングする梱包工程において、コモンモードチョークコイル51の搬送ミスなどがあっても、その場で作業員が向きを識別・修正することができ、工程再開が容易となる。
マーキング52は、たとえばレーザによって形成される。マーキング52は、図示したように、天板45に付与されるほか、たとえば、コア32に付与されてもよい。また、マーキング52は、図示のような図形に限らず、第1の鍔部36と第2の鍔部37との区別ができるのであれば、他の図形であっても、数字、文字、記号などであってもよく、さらには、製品に付与されるべき品番やロット番号などで代用されてもよい。
また、図示した円形のマーキング52のように、それ自身で上下や左右の区別がないものをマーキングとして用いる場合には、図1(A)に示すように、マーキング52は、たとえば天板45のいずれかの側に片寄った位置に付与される。この場合には、マーキング52が付与された位置によって、コモンモードチョークコイル51の向きを識別することができる。
なお、ワイヤ33および34のターン数が、第1の巻回領域Aと第2の巻回領域Bとで比較的大きく異なっている場合には、ワイヤ33および34の巻回状態を目視するだけで、コモンモードチョークコイル51の向きを容易に認識することができる。したがって、この場合には、たとえば天板45をコア32に取り付ける前といった、製造途中の段階で、コモンモードチョークコイル51の向きを識別することができる。そのため、マーキング52をあえて付与する必要がないとも言えるが、マーキング52の付与にあたって、誤った付与となることを防止できるという利点も期待できる。また、コモンモードチョークコイル51の実装時には、天板45はコモンモードチョークコイル51をピックアップするノズルの吸着箇所となる。したがって、天板45にマーキング52を付与した場合は、実装装置によるピックアップとコモンモードチョークコイル51の向きの識別とを同時に行なうことができ、実装工程を合理化できる。
次に、図10を参照して、この発明の第2の実施形態によるコモンモードチョークコイル51aについて説明する。図10には、図2の場合と同様、コモンモードチョークコイル51aにおける第1および第2のワイヤ33および34の巻回状態が示されている。よって、図10において、図2に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図10に示したコモンモードチョークコイル51aでは、第1のワイヤ33および第2のワイヤ34は、並列しながら、ともに巻芯部35の周面に接する状態で巻回される。
図10に示したコモンモードチョークコイル51aは、第1の巻回領域Aおよび第2の巻回領域Bの各々において、第1のワイヤ33におけるあるターンと、これと同一番目の第2のワイヤ34におけるターンと、のいずれが第1または第2の端部38または39側に位置するかについては、図2に示したコモンモードチョークコイル51と同様である。
すなわち、第1の巻回領域Aでは、第1のワイヤ33のターンがこれと同一番目の第2のワイヤ34のターンより第1の端部38側に位置する。
第2の巻回領域Bでは、第1のワイヤ33のターンがこれと同一番目の第2のワイヤ34のターンより第2の端部39側に位置する。
切替領域Cでは、第1のワイヤ33と第2のワイヤ34とが交差することによって、第1のワイヤ33のターンと第2のワイヤ34のターンとの位置関係が切り替えられる。
より詳細には、第1の巻回領域Aでは、第1および第2のワイヤ33および34の各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、第1のワイヤ33が先行して、第1および第2のワイヤ33および34の各々の第1ターンから第15ターンまで巻回される。
次いで、切替領域Cでは、第1のワイヤ33における第16ターンから第17ターンへと移行する部分が位置し、第16ターンと第17ターンとの間に隙間が形成される。他方、第2のワイヤ34における第16ターンから第17ターンへと移行する部分が位置し、第16ターンと第17ターンとの間に隙間が形成される。また、切替領域Cにおいて、第2のワイヤ34は、第1のワイヤ33と交差する。
次いで、第2の巻回領域Bでは、第1および第2のワイヤ33および34の各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、第2のワイヤ34が先行して、第1および第2のワイヤ33および34の各々の第18ターンから第27ターンまで巻回される。
図10に示した実施形態の場合も、第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数は、第1の巻回領域Aと第2の巻回領域Bとで異ならされている。すなわち、第1の巻回領域Aでは、第1のワイヤ33のターン数は“15”であり、第2のワイヤ34のターン数は“15”であり、他方、第2の巻回領域Bでは、第1のワイヤ33のターン数は“10”であり、第2のワイヤ34のターン数は“10”である。
したがって、第1のワイヤ33については、第1の巻回領域Aでのターン数“15”は、第2の巻回領域Bでのターン数“10”の丁度1.5倍であり、第2のワイヤ34については、第1の巻回領域Aでのターン数“15”は、第2の巻回領域Bでのターン数“10”の丁度1.5倍である。すなわち、第1の巻回領域Aでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数と第2の巻回領域Bでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数との比率は、一方が他方の1.5倍以上である。
また、第1のワイヤ33については、第1の巻回領域Aでのターン数“15”よりも、第2の巻回領域Bでのターン数“10”は5ターン少なく、第2のワイヤ34については、第1の巻回領域Aでのターン数“15”よりも、第2の巻回領域Bでのターン数“10”は5ターン少ない。すなわち、第1の巻回領域Aでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数と第2の巻回領域Bでの第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数との差は、一方が他方より5ターン以上少ない。
以上のように、第2の実施形態によるコモンモードチョークコイル51aにおいても、第1および第2のワイヤ33および34の各々のターン数を第1の巻回領域Aと第2の巻回領域Bとで異ならせるという非対称性が実現されている。したがって、第1の実施形態の場合と同様、コモンモードチョークコイル51aの電気的特性について方向性が生じるが、物理的に対称な構成である場合に比べて、良好なモード変換特性が得られる。
以上、この発明を図示したコモンモードチョークコイルに係る実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他種々の変形例が可能である。
たとえば、コモンモードチョークコイルに備える第1および第2のワイヤのターン数は、この発明において規定される条件を満たす限り、任意に増減することができる。したがって、第1および第2のワイヤのターン数によっては、第1の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数と第2の巻回領域での第1および第2のワイヤの各々のターン数とについて、一方が他方の1.5倍となるターン数と、一方が他方より5ターン少なくなるターン数とが一致しない場合がある。
また、実施形態の説明において採用したターン数の数える方向は、逆にしてもよい。
また、実施形態では、第1の巻回領域Aおよび第2の巻回領域Bにおいて、第1および第2のワイヤ33および34が密接しているが、これに限定されず、第1および第2のワイヤ33および34の間には多少の隙間があってもよい。
また、実施形態では、切替領域Cにおいて第1および第2のワイヤ33および34の間に明示的なスペースが記載されていたが、当該スペースは必須ではない。切替領域では、ワイヤが交差することによってワイヤ間の位置関係を切り替えることができればよい。具体的には、たとえば、一方のワイヤが密接して巻回されつつ、他方のワイヤが間隔を空けて巻回されることにより、ワイヤ間の位置関係が切り替わってもよい。
また、図示した各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
31,51,51a コモンモードチョークコイル
32 コア
33 第1のワイヤ
34 第2のワイヤ
35 巻芯部
36 第1の鍔部
37 第2の鍔部
38 第1の端部
39 第2の端部
41〜44 端子電極
A 第1の巻回領域
B 第2の巻回領域
C 切替領域

Claims (6)

  1. 巻芯部ならびに前記巻芯部の互いに逆の第1および第2の端部にそれぞれ設けられた第1および第2の鍔部を有するコアと、
    前記巻芯部上において実質的に互いに同じターン数をもって並行しながら螺旋状に巻回された第1および第2のワイヤと、
    前記第1の鍔部に設けられ、前記第1のワイヤの一方端および前記第2のワイヤの一方端がそれぞれ接続された第1および第2の端子電極と、
    前記第2の鍔部に設けられ、前記第1のワイヤの他方端および前記第2のワイヤの他方端がそれぞれ接続された第3および第4の端子電極と、
    を備え、
    前記第1および第2のワイヤの巻回状態に基づき分類したとき、
    (1)前記第1および第2のワイヤの各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、前記第1のワイヤのターンがこれと同一番目の前記第2のワイヤのターンより前記第1の端部側に位置する第1の巻回領域と、
    (2)前記第1および第2のワイヤの各々の同一番目のターン同士が隣接しながら、前記第1のワイヤのターンがこれと同一番目の前記第2のワイヤのターンより前記第2の端部側に位置する第2の巻回領域と、
    (3)前記第1の巻回領域と前記第2の巻回領域との間に位置し前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとが交差することによって、前記第1のワイヤのターンと前記第2のワイヤのターンとの位置関係が切り替えられる切替領域と、
    が存在し、
    前記第1の巻回領域、前記切替領域および前記第2の巻回領域は、この順序で前記巻芯部の軸線方向に沿って分布しており、
    前記第1および前記第2のワイヤの各々のターン数は、前記第1の巻回領域と前記第2の巻回領域とで異ならされている、
    コモンモードチョークコイル。
  2. 当該コモンモードチョークコイルにおける前記第1の鍔部と前記第2の鍔部とを識別することを可能とするためのマーキングをさらに備える、請求項1に記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 前記第1の巻回領域での前記第1および第2のワイヤの各々のターン数と前記第2の巻回領域での前記第1および第2のワイヤの各々のターン数との比率は、一方が他方の1.5倍以上である、請求項1または2に記載のコモンモードチョークコイル。
  4. 前記第1の巻回領域での前記第1および第2のワイヤの各々のターン数と前記第2の巻回領域での前記第1および第2のワイヤの各々のターン数との差は、一方が他方より5ターン以上少ない、請求項1または2に記載のコモンモードチョークコイル。
  5. 前記第1のワイヤは、前記巻芯部の周面に接する第1層を構成する状態で巻回され、
    前記第2のワイヤは、前記第1および第2の巻回領域において、断面上の一部を前記第1のワイヤの隣り合うターン間に形成される凹部に嵌り込ませながら前記第1層の外側の第2層を構成する状態で巻回される、
    請求項1ないし4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイル。
  6. 前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤは、前記第1および第2の巻回領域において、ともに前記巻芯部の周面に接する状態で巻回されている、請求項1ないし4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイル。
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