JP6582463B2 - 巻線型チップトランスおよび分配器 - Google Patents

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Description

この発明は、巻線型チップトランスおよび分配器に関するもので、特に、製造作業における能率性を向上させることができる巻線型チップトランスおよびそれを用いて構成される分配器に関するものである。
この発明にとって興味ある技術として、たとえば特開昭62−147806号公報(特許文献1)には、放送受信用のアンテナからの伝送線路を複数の伝送線路に分配するための分配器が記載されている。図8には、特許文献1に記載された分配器の主要部が回路図で示されている。
図8に示した分配器1は、1入力・2出力の分配器であって、1つの入力端TIと2つの出力端TO1およびTO2とを備えている。入力端TIと出力端TO1およびTO2との間には、分配用のトランス2が接続されている。トランス2は、磁気的に結合された第1および第2のコイル3および4を備える。第1および第2のコイル3および4の巻き数比は、ほぼ1:1とされる。
第1のコイル3の一方端および他方端には、それぞれ、第1および第2の端子電極5および6が設けられる。他方、第2のコイル4の一方端および他方端には、それぞれ、第3および第4の端子電極7および8が設けられる。入力端TIから見て互いに逆相となる電流が第1および第2のコイル3および4にそれぞれ流れるように、入力端TIは第1および第4の端子電極5および8に共通接続され、出力端TO1およびTO2は、それぞれ、第3および第2の端子電極7および6に接続される。
また、図8に示した分配器1では、第3および第2の端子電極7および6間、すなわち、出力端TO1およびTO2間には、帰還抵抗9とインダクタンス要素10との直列回路が挿入されている。なお、帰還抵抗9とインダクタンス要素10との直列回路は、図示しないが、たとえば、フェライトビーズに巻線を巻回して得られたコイルによって等価的に与えられる。
特開昭62−147806号公報
分配器1において、トランス2は、通常、コアに備える巻芯部上に、第1および第2のコイル3および4となる第1および第2の巻線を螺旋状に巻回してなる構成とされる。この場合、分配器1をたとえばGHz帯といった高周波領域においても動作可能とするには、第1および第2の巻線を互いにできるだけ近接させて配置し、それによって、第1および第2のコイル間の磁界結合を高めることが重要である。
図9には、この発明をなすに至る途中で、図8の分配器1に備えるトランス2として、発明者によって提案されたトランスの構成例が示されている。図9に示したトランス11は、巻線型チップトランスであり、コア12と、第1および第2のコイルとなる第1および第2の巻線13および14とを備えている。巻線13および14は、たとえば、絶縁被覆された銅線から構成される。図面上、第1および第2の巻線13および14間の区別をより明確にするため、第1の巻線13は黒塗りの太線で示され、第2の巻線14は白抜きの太線で示されている。なお、このような巻線の図面上の区別は、後述する他の図面においても採用されている。
コア12は、巻芯部15ならびに巻芯部15の各端部にそれぞれ設けられた第1および第2の鍔部16および17を有する。前述した第1および第2の巻線13および14は、巻芯部15上において螺旋状に巻回される。ここで、巻線型のトランスの製造の一層の簡素化および能率化、ひいては低廉化を追求したとき、第1および第2の巻線13および14は、同時に巻回されるのが最良であり、そのため、2つの巻線13および14は、巻芯部15上で互いに同じ方向で巻回されることになる。
上述した巻回方法を採用すると、第1および第2の巻線13および14は自然と並んで巻回される。このことは、第1および第2の巻線13および14を互いにできるだけ近接させて配置することを可能にし、結果として、第1および第2のコイル間の磁界結合を高めることができる。
なお、図9では、第1および第2の巻線13および14の各々をより明瞭に図示するため、第1および第2の巻線13および14間に隙間が設けられているが、実際には、必要に応じて、第1および第2の巻線13および14は互いに接するように巻回される。
第1の巻線13の一方端および他方端は、それぞれ、第1および第2の端子電極18および19に接続される。他方、第2の巻線14の一方端および他方端は、それぞれ、第3および第4の端子電極20および21に接続される。なお、第1ないし第4の端子電極18〜21は、コア12の、図示しない実装基板側に向けられる実装面22上に設けられている。
ここで、第1の巻線13の長さと第2の巻線14の長さとが互いに同じであるとすれば、以下のように、第1ないし第4の端子電極18〜21が配置されるのが自然である。
まず、第1および第3の端子電極18および20が第1の鍔部16側に位置するとき、第2および第4の端子電極19および21が第2の鍔部17側に位置することは必然である。そして、上述のように、第1の巻線13の長さと第2の巻線14の長さとが互いに同じであるならば、コア12の中心軸線の一方側で、第1の端子電極18と第2の端子電極19とが並び、コア12の中心軸線の他方側で、第3の端子電極20と第4の端子電極21とが並ぶことになる。
上述の図9に示したトランス11を、図8に示した分配器1に備えるトランス2として適用したとき、図9に示した第1ないし第4の端子電極18〜21は、それぞれ、図8における第1ないし第4の端子電極5〜8に対応する。そして、図8に示すような接続態様を採用すれば、入力端TIから見て互いに逆相となる電流が第1および第2のコイル3および4にそれぞれ流れるようになり、図9のトランス11について言えば、互いに逆相の電流が第1および第2の巻線13および14にそれぞれ流れるようになる。
図8に示した分配器1を構成するにあたっては、通常、トランス2がチップ部品の形態で提供され、このトランス2が図示しない実装基板上に実装される。このとき、トランス2の第1ないし第4の端子電極5〜8が実装基板上の対応の導電ランドに電気的に接続される。トランス2の第1ないし第4の端子電極5〜8の各々と入力端TIならびに出力端TO1およびTO2の各々とを結ぶ配線は、実装基板に設けられた導体パターン等によって与えられる。
ここで注目すべきは、図8を参照すればわかるように、トランス2を実装する実装基板において、端子電極5と入力端TIとを結ぶ配線の長さと、端子電極8と入力端TIとを結ぶ配線の長さと、が互いに異なり、また、端子電極7と出力端TO1とを結ぶ配線の長さと、端子電極6と出力端TO2とを結ぶ配線の長さと、が互いに異なってしまうことである。また、端子電極8と入力端TIとを結ぶ配線と、端子電極6と出力端TO2とを結ぶ配線とは、交差点CRにおいて互いに交差させなければならないほどに複雑な引き回し形状とならざるを得ない。
上述のような配線の長さの差および交差点CRの存在は、配線形状の対称性を阻害するため、分配器の高周波特性の劣化をもたらす。また、交差点CRを構成する2つの配線は、実装基板を構成するセラミック等の比較的高い誘電率を有する絶縁材料を介在させて位置することになるので、2つの配線の間に比較的大きな浮遊容量を生じさせることがある。また、浮遊容量は、配線の引き回し形状が複雑となった結果としてもたらされることもある。さらに、交差点CRの形成には、実装基板において、ビアホール導体のような立体的な配線を必要とするため、ビアホール導体によるインピーダンス不整合などの不都合を招くことがある。そして、これらのことも、また、分配器1の高周波特性の劣化につながる。
そこで、この発明の目的は、2つの巻線を同時に同じ方向で巻回して能率的に製造することができるとともに、分配器において適用されたとき、配線形状の対称性が阻害されないようにすることができ、また、不要な浮遊容量の発生を抑制し得る、巻線型チップトランスを提供しようとすることである。
この発明の他の目的は、上述した巻線型チップトランスを用いて構成される、分配器を提供しようとすることである。
この発明は、巻芯部ならびに巻芯部の各端部にそれぞれ設けられた第1および第2の鍔部を有するコアと、巻芯部上において螺旋状に巻回された第1および第2の巻線と、第1の巻線の一方端および他方端がそれぞれ接続された第1および第2の端子電極と、第2の巻線の一方端および他方端がそれぞれ接続された第3および第4の端子電極と、を備える、巻線型チップトランスに向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
まず、第1および第2の巻線は、互いに同じ方向に巻回される。これにより、2つの巻線を同時に同じ方向で能率的に巻回することができる。
また、上述した第1ないし第4の端子電極は、コアの、実装基板側に向けられる実装面上に仮想の四角形を描いたとき、当該四角形の4つの頂点位置にそれぞれ位置しながら、第1および第3の端子電極は、第1の鍔部側に位置し、かつ、第2および第4の端子電極は、第2の鍔部側に位置するとともに、第1の端子電極と第2の端子電極とは対角線方向に対向し、かつ、第3の端子電極と第4の端子電極とは対角線方向に対向するように配置されている。
第1ないし第4の端子電極の上述したような配置は、巻線型チップトランスが分配器において適用されたとき、配線形状の対称性を保証するとともに、実装基板での2つの配線の交差、さらには配線の複雑化を避けることを可能にする。
以上が、この発明の第1の局面および第2の局面に共通する特徴的構成である。
この発明の第1の局面に係る巻線型チップトランスにおいて、第1および第3の端子電極が、第1の鍔部の、実装面側の面から反対側の面にまで延びるように設けられることをさらなる特徴としている。この場合、第1の巻線は、その一方端が反対側の面にまで引き出された状態で第1の端子電極に接続され、その他方端が実装面にまで引き出された状態で第2の端子電極に接続され、他方、第2の巻線は、その一方端が反対側の面にまで引き出された状態で第3の端子電極に接続され、その他方端が実装面にまで引き出された状態で第4の端子電極に接続され
上記の構成によれば、巻芯部上において、2つの巻線を交差させる必要がない。
この発明の第2の局面に係る巻線型チップトランスにおいて、第1の巻線と第2の巻線とは、互いに同じ長さであることをさらなる特徴としている。この構成によれば、巻線の対称性が向上するため、使用帯域内での特性を良好なものとすることができる。
上述したように、第1の巻線と第2の巻線とを互いに同じ長さとしたとき、端子電極への引出し位置の関係上、第1および第2の巻線の一方は、巻芯部上において、折返しを形成したたるみ部分を有することになる。
この発明の第2の局面では、以下の2つの態様があり得る。
第1の態様では、第1の巻線の一方端および他方端ならびに第2の巻線の一方端および他方端が、実装面にまで引き出された状態で、それぞれ、第1ないし第4の端子電極に接続されるとき、第1の巻線と第2の巻線とは、巻芯部上において1回交差する以外は並んで巻回される。この交差は、巻線における巻回の始端もしくは終端近傍で生じさせても、巻回の中間部で生じさせてもよい。
第2の態様では、前述した第1の局面におけるさらなる特徴的構成と同様、第1および第3の端子電極が、第1の鍔部の、実装面側の面から反対側の面にまで延びるように設けられる。この場合、第1の巻線は、その一方端が反対側の面にまで引き出された状態で第1の端子電極に接続され、その他方端が実装面にまで引き出された状態で第2の端子電極に接続され、他方、第2の巻線は、その一方端が反対側の面にまで引き出された状態で第3の端子電極に接続され、その他方端が実装面にまで引き出された状態で第4の端子電極に接続される。
この発明に係る巻線型チップトランスは、高周波信号を少なくとも2つに分ける分配器に備える分配用のトランスとして有利に用いられる。
この発明は、また、巻線型チップトランスを用いて構成される分配器にも向けられる。この発明に係る分配器は、上述したような巻線型チップトランスを備え、第1および第4の端子電極を共通接続して入力端とし、第2および第3の端子電極を、それぞれ、第1および第2の出力端とすることを特徴としている。
この発明に係る巻線型チップトランスによれば、第1および第2の巻線が互いに同じ方向に巻回されるので、2つの巻線を同時に同じ方向で能率的に巻回することができる。したがって、トランスを安価に得ることができる。
また、この発明に係る巻線型チップトランスによれば、誘電体セラミックまたは磁性体セラミックからなる積層体の層間に、スパイラル形状のコイル導体を配置してなるコイルを備える積層構造のトランスに比べて、2つの巻線間には、誘電率の比較的低い空気が存在するのみであるのが通常であるから、深刻な浮遊容量をもたらすことはない。
また、この発明に係る巻線型チップトランスによれば、これを分配器に適用したとき、コアの中心軸線の一方側に位置する第1および第4の端子電極を共通接続して入力端とし、第2および第3の端子電極を、それぞれ、第1および第2の出力端とする配線形状を採用することができるので、配線を対称形状とすることができるとともに、実装基板において配線を交差させるといった比較的複雑な配線の引き回しを採用する必要がない。これらのことは、配線に起因する分配器の高周波特性の劣化を避けることを可能にし、また、不要な浮遊容量の発生を抑制し得ることにつながる。
この発明の第1の実施形態による巻線型チップトランス31の外観を示す斜視図であり、実装基板側に向けられる実装面42を上面にして図示している。 図1に示した巻線型チップトランス31の実装面42を示す底面図である。 図1および図2に示した巻線型チップトランス31を用いて構成された分配器51の回路図である。 この発明の第2の実施形態による巻線型チップトランス31aの実装面42を示す底面図である。 この発明の第3の実施形態による巻線型チップトランス31bの外観を示す斜視図であり、実装基板側に向けられる実装面42を上面にして図示している。 図5に示した巻線型チップトランス31bを矢印A方向から見た平面図である。 この発明の第4の実施形態による巻線型チップトランス31cの実装面42を示す底面図である。 特許文献1に記載された分配器1の主要部を示す回路図である。 この発明をなすに至る途中で、図8の分配器1に備えるトランス2として、発明者によって提案された巻線型チップトランス11の実装面22を示す底面図である。
図1および図2を参照して、この発明の第1の実施形態による巻線型チップトランス31について説明する。
巻線型チップトランス(以下、「トランス」と略称することがある。)31は、コア32と、第1および第2のコイルをそれぞれ与える第1および第2の巻線33および34とを備えている。コア32は、フェライト等の磁性体または絶縁体セラミック等の非磁性体からなり、全体として四角柱形状をなしている。巻線33および34は、たとえば、絶縁被覆された銅線から構成される。
コア32は、巻芯部35ならびに巻芯部35の各端部にそれぞれ設けられた第1および第2の鍔部36および37を有する。第1および第2の巻線33および34は、巻芯部35上において互いに同じ方向に螺旋状に巻回される。したがって、トランス31の製造にあたって、第1および第2の巻線33および34は、同時に巻回されることができる。
上述した巻回の結果、第1および第2の巻線33および34は、自然と並んだ状態となり、かつ互いに近接して配置されることができる。このことは、第1および第2のコイル間の磁界結合を高めることに寄与する。
なお、図1および図2では、第1および第2の巻線33および34の各々をより明瞭に図示するため、第1および第2の巻線33および34間に隙間が設けられているが、実際には、第1および第2のコイル間の磁界結合を高めるため、第1および第2の巻線33および34は互いに接するように巻回されることが好ましい。
なお、巻線型チップトランス31は、誘電体セラミックまたは磁性体セラミックからなる積層体の層間に、スパイラル形状のコイル導体を配置してなるコイルを備える積層構造のトランスとは異なり、2つの巻線33および34間には、誘電率の比較的低い空気が存在するのみであるので、上述のように、磁界結合を高めるために、2つの巻線33および34を互いに近接させても、深刻な浮遊容量をもたらすことはない。
以上の構成は、図9に示したトランス11の場合と同様である。図9に示したトランス11の場合と大きく異なるのは、第1ないし第4の端子電極38〜41の配置である。なお、端子電極38〜41は、導電性ペーストの焼付け、導電性金属のめっき等によって形成される。
第1の巻線33の一方端および他方端は、図示しない実装基板側に向けられる実装面42にまで引き出された状態で、それぞれ、第1および第2の端子電極38および39に接続される。他方、第2の巻線34の一方端および他方端は、実装面42にまで引き出された状態で、それぞれ、第3および第4の端子電極40および41に接続される。ここで、第1ないし第4の端子電極38〜41は、コア32の、実装面42上に仮想の四角形を描いたとき、当該四角形の4つの頂点位置にそれぞれ位置しながら、第1および第3の端子電極38および40は、第1の鍔部36側に位置し、かつ、第2および第4の端子電極39および41は、第2の鍔部37側に位置している。そして、第1の端子電極38と第2の端子電極39とは対角線方向に対向し、かつ第3の端子電極40と第4の端子電極41とは対角線方向に対向するように配置されている。
なお、図示の実施形態では、第1ないし第4の端子電極38〜41は、実装面42の4つの角にそれぞれ位置している。したがって、上述の仮想の四角形は実装面42全体にわたって描かれるものである。しかしながら、仮想の四角形は、実装面42の一部の領域に描かれるもの、言い換えると、第1ないし第4の端子電極38〜41の少なくとも1つが実装面42の角より内側の位置に位置してもよい。また、仮想の四角形は、長方形や正方形のように、すべての角が直角の四角形、すなわち矩形に限らず、直角以外の角を持つ四角形であってもよい。
上述した端子電極38〜41の配置の結果、第1および第2の巻線33および34の巻回の始端または終端には、巻芯部35上において1回交差する交差部分43(特に図2において、よく示されている。)が形成される。
以上説明したトランス31は、図3に示した分配器51において、分配用のトランスとして用いられる。図3において、図1または図2に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図3を参照して、分配器51は、図8に示した分配器1と同様、1入力・2出力の分配器であって、1つの入力端TIと2つの出力端TO1およびTO2とを備えている。入力端TIと出力端TO1およびTO2との間には、上述した巻線型チップトランス31が分配用のトランスとして接続されている。
図3において、トランス31の第1ないし第4の端子電極38〜41は、図1および図2に示したものと同様の配置となっている。図3では、第1および第2の巻線33および34によってそれぞれ与えられる第1および第2のコイル52および53が図示されている。また、第1および第2の巻線33および34の巻回における交差部分43も、図3において図示されている。
入力端TIから見て互いに逆相となる電流が第1および第2のコイル52および53、すなわち第1および第2の巻線33および34にそれぞれ流れるように、入力端TIは第1および第4の端子電極38および41に共通接続され、出力端TO1およびTO2は、それぞれ、第3および第2の端子電極40および39に接続される。
また、図8に示した分配器1の場合と同様、第3および第2の端子電極40および39間、すなわち、出力端TO1およびTO2間には、たとえば、フェライトビーズに巻線を巻回して得られたコイルによって等価的に与えられる、帰還抵抗54とインダクタンス要素55との直列回路が挿入されている。
以上説明した実施形態によれば、図3から明らかなように、分配器51における、特に実装基板での配線を対称形状とすることができるとともに、実装基板において配線を交差させるといった複雑な配線の引き回しを採用する必要がない。これらのことは、分配器51の高周波特性の向上および不要な浮遊容量の発生の抑制に寄与し得る。
次に、図4を参照して、この発明の第2の実施形態による巻線型チップトランス31aについて説明する。図4は、前述した図2に対応する図である。図4において、図2に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図4に示したトランス31aは、第1および第2の巻線33および34の交差部分43aを、巻回の中間部で生じさせていることを特徴としている。この実施形態には、第1および第2の巻線の交差部分は、巻芯部上のいずれの位置に形成されてもよいことを明示する意義がある。
次に、図5および図6を参照して、この発明の第3の実施形態による巻線型チップトランス31bについて説明する。図5は、前述した図1に対応する図である。図6は、図5のトランス31bの、前述した図2に示した面とは反対側の面を示す、すなわち、図5の矢印A方向から見た平面図である。図5および図6において、図1または図2に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図5および図6に示したトランス31bは、2つの巻線33および34が交差部分を持たず、以下のようにして、図3に示すような第1ないし第4の端子電極38〜41の配置を実現している。
第1および第3の端子電極38および40は、ともに、第1の鍔部36の、実装面42側の面から反対側の面45にまで延びるように設けられている。そして、第1の巻線33は、その一方端については、図6に示すように、反対側の面45にまで引き出された状態で第1の端子電極38に接続されるが、その他方端は、図5に示すように、実装面42にまで引き出された状態で第2の端子電極39に接続される。他方、第2の巻線34は、図6に示すように、その一方端が反対側の面45にまで引き出された状態で第3の端子電極40に接続されるが、図5に示すように、その他方端が実装面42にまで引き出された状態で第4の端子電極41に接続されている。
上記の構成によれば、巻芯部35上において、2つの巻線33および34を交差させる必要がない。また、前述したトランス31および31aでは、第2の巻線34の方が、第1の巻線33よりも長くなるが、このトランス31bでは、第1の巻線33と第2の巻線34とを互いに同じ長さとすることができる。このことは、対称性をより向上させ、よって、使用帯域内でのトランスの特性を良好なものとすることができる。
なお、図5および図6に示したトランス31bでは、第2および第4の端子電極39および41についても、第2の鍔部37の、実装面42側の面から反対側の面45にまで延びるように設けられている。このことは、コア32における実装面42と反対側の面45との間で区別する必要性をなくし、よって、トランス31bの実装にあたっての方向の自由度を増すことができる。
次に、図7を参照して、この発明の第4の実施形態による巻線型チップトランス31cについて説明する。図7は、前述した図2に対応する図である。図7において、図2に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
図7に示したトランス31cは、第1の巻線33と第2の巻線34とを互いに同じ長さとした結果として、第1の巻線33が、巻芯部35上において、少なくとも1箇所、折返しを形成したたるみ部分47を有することを特徴としている。このことは、図5および図6に示したトランス31bの場合と同様、対称性をより向上させ、よって、使用帯域内でのトランスの特性を良好なものとすることができる。
以上、この発明を図示した実施形態に関連して説明したが、図示した各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
31,31a,31b,31c 巻線型チップトランス
32 コア
33 第1の巻線
34 第2の巻線
35 巻芯部
36 第1の鍔部
37 第2の鍔部
38 第1の端子電極
39 第2の端子電極
40 第3の端子電極
41 第4の端子電極
42 実装面
43,43a 交差部分
45 反対側の面
47 たるみ部分
51 分配器
TI 入力端
TO1,TO2 出力端

Claims (6)

  1. 巻芯部ならびに前記巻芯部の各端部にそれぞれ設けられた第1および第2の鍔部を有するコアと、
    前記巻芯部上において螺旋状に巻回された第1および第2の巻線と、
    前記第1の巻線の一方端および他方端がそれぞれ接続された第1および第2の端子電極と、
    前記第2の巻線の一方端および他方端がそれぞれ接続された第3および第4の端子電極と、
    を備え、
    前記第1および第2の巻線は、互いに同じ方向に巻回され、
    前記第1ないし第4の端子電極は、前記コアの、実装基板側に向けられる実装面上に仮想の四角形を描いたとき、当該四角形の4つの頂点位置にそれぞれ位置しながら、前記第1および第3の端子電極は、前記第1の鍔部側に位置し、かつ、前記第2および第4の端子電極は、前記第2の鍔部側に位置するとともに、前記第1の端子電極と前記第2の端子電極とは対角線方向に対向し、かつ、前記第3の端子電極と前記第4の端子電極とは対角線方向に対向するように配置されていて、
    前記第1および第3の端子電極は、前記第1の鍔部の、前記実装面側の面から反対側の面にまで延びるように設けられ、
    前記第1の巻線は、その一方端が前記反対側の面にまで引き出された状態で前記第1の端子電極に接続され、その他方端が前記実装面にまで引き出された状態で前記第2の端子電極に接続され、
    前記第2の巻線は、その一方端が前記反対側の面にまで引き出された状態で前記第3の端子電極に接続され、その他方端が前記実装面にまで引き出された状態で前記第4の端子電極に接続されている、
    巻線型チップトランス。
  2. 巻芯部ならびに前記巻芯部の各端部にそれぞれ設けられた第1および第2の鍔部を有するコアと、
    前記巻芯部上において螺旋状に巻回された第1および第2の巻線と、
    前記第1の巻線の一方端および他方端がそれぞれ接続された第1および第2の端子電極と、
    前記第2の巻線の一方端および他方端がそれぞれ接続された第3および第4の端子電極と、
    を備え、
    前記第1および第2の巻線は、互いに同じ方向に巻回され、
    前記第1ないし第4の端子電極は、前記コアの、実装基板側に向けられる実装面上に仮想の四角形を描いたとき、当該四角形の4つの頂点位置にそれぞれ位置しながら、前記第1および第3の端子電極は、前記第1の鍔部側に位置し、かつ、前記第2および第4の端子電極は、前記第2の鍔部側に位置するとともに、前記第1の端子電極と前記第2の端子電極とは対角線方向に対向し、かつ、前記第3の端子電極と前記第4の端子電極とは対角線方向に対向するように配置されていて、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線とは、互いに同じ長さであり、
    前記第1および第2の巻線の一方は、前記巻芯部上において、折返しを形成したたるみ部分を有する、巻線型チップトランス。
  3. 前記第1の巻線の一方端および他方端ならびに前記第2の巻線の一方端および他方端は、前記実装面にまで引き出された状態で、それぞれ、前記第1ないし第4の端子電極に接続され、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線とは、前記巻芯部上において1回交差する以外は並んで巻回されている、
    請求項2に記載の巻線型チップトランス。
  4. 前記第1および第3の端子電極は、前記第1の鍔部の、前記実装面側の面から反対側の面にまで延びるように設けられ、
    前記第1の巻線は、その一方端が前記反対側の面にまで引き出された状態で前記第1の端子電極に接続され、その他方端が前記実装面にまで引き出された状態で前記第2の端子電極に接続され、
    前記第2の巻線は、その一方端が前記反対側の面にまで引き出された状態で前記第3の端子電極に接続され、その他方端が前記実装面にまで引き出された状態で前記第4の端子電極に接続されている、
    請求項2に記載の巻線型チップトランス。
  5. 高周波信号を少なくとも2つに分ける分配器に備える分配用のトランスとして用いられる、請求項1ないし4のいずれかに記載の巻線型チップトランス。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の巻線型チップトランスを備え、
    前記第1および第4の端子電極を共通接続して入力端とし、前記第2および第3の端子電極を、それぞれ、第1および第2の出力端とする、
    分配器。
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