JP2017111401A - エレクトロクロミック表示装置及びその製造方法 - Google Patents

エレクトロクロミック表示装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像の滲みの発生を抑制し、良好な画像品質が得られるエレクトロクロミック表示装置の提供。【解決手段】複数のコンタクト電極30が表面に形成された支持体20と、支持体20上に積層された複数の積層体とを有するエレクトロクロミック表示装置10であって、前記積層体が、基板と、前記基板上に配置され、対応する前記コンタクト電極と電気的に接続された電極と、前記電極上に配置された電気化学活性層とを有し、複数の前記積層体が、それぞれ離間されていることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置10である。【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロクロミック表示装置及びその製造方法に関する。
近年、紙に替わる電子媒体としての電子ペーパーへのニーズが高まり、その開発が盛んに行われている。この表示システムを実現する手段として、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの自発光表示技術の開発が進み、一部製品化されている。一方で、低消費電力かつ視認性に優れた反射型表示技術が、次世代電子ペーパーの表示技術として有望視されている。
前記反射型表示技術のうち、高い色再現性と表示メモリ性を兼ね備えた有機エレクトロクロミック材料からなるエレクトロクロミック表示技術が注目を集めている。エレクトロクロミック表示装置は、エレクトロクロミック化合物の構造によって様々な色を発色できるため、多色表示装置として期待されている。色鮮やかなフルカラー表示を実現するためには、減法混色法を用いたイエロー、シアン、及びマゼンタの3原色の重ね合せた構造が好ましい。この例として、イエロー、シアン、及びマゼンタの3つの素子の積層によるフルカラー表示技術が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、多色表示技術として、1つの表示基板上に複数層の表示電極とエレクトロクロミック発色層を積層する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、画像の滲みの発生を抑制し、良好な画像品質が得られるエレクトロクロミック表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のエレクトロクロミック表示装置は、複数のコンタクト電極が表面に形成される支持体と、前記支持体上に積層される複数の積層体とを有するエレクトロクロミック表示装置であって、前記積層体が、基板と、前記基板上に配置され、対応する前記コンタクト電極と電気的に接続される電極と、前記電極上に配置される電気化学活性層とを有し、複数の前記積層体が、それぞれ離間されていることを特徴とする。
本発明によると、画像の滲みの発生を抑制し、良好な画像品質が得られるエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
図1は、本発明のエレクトロクロミック表示装置の一例を示す概略断面図である。 図2は、図1のエレクトロクロミック表示装置の概略斜視図である。 図3Aは、支持体上に積層された第1の積層体の平面図、及び部分拡大平面図である。 図3Bは、図3Aに示す第1の積層体上に積層された第2の積層体の平面図、及び部分拡大平面図である。 図3Cは、図3Bに示す第2の積層体上に積層された第3の積層体の平面図、及び部分拡大平面図である。 図3Dは、図3Cに示す第3の積層体上に積層された第4の積層体の平面図、及び部分拡大平面図である。 図4は、実施例1のエレクトロクロミック表示装置を示す概略断面図である。 図5は、図4のエレクトロクロミック表示装置の概略斜視図である。 図6は、実施例1のエレクトロクロミック表示装置を上面から見た写真である。 図7は、実施例2のエレクトロクロミック表示装置を示す概略断面図である。
(エレクトロクロミック表示装置)
本発明のエレクトロクロミック表示装置は、複数のコンタクト電極が表面に形成された支持体と、前記支持体上に積層された複数の積層体とを有するエレクトロクロミック表示装置であって、前記積層体が、基板と、前記基板上に配置され、対応する前記コンタクト電極と電気的に接続された電極と、前記電極上に配置された電気化学活性層とを有し、複数の前記積層体が、それぞれ離間されている。
本発明のエレクトロクロミック表示装置は、従来のエレクトロクロミック表示装置において、全面電極、及び全面エレクトロクロミック層とした積層体の場合では、単画素において画像の滲み(酸化還元反応の拡散)が発生する問題があり、何層にも積層した際の駆動では、各層間で影響が出るため、単画素を制御することが非常に難しく、更には大面積の素子となった場合、電圧降下の影響による面内応答ムラが発色領域及び面積に依存して発生してしまうという知見にも基づくものである。
なお、前記エレクトロクロミック表示装置は、透過型表示装置、又は反射型表示装置として用いることができる。
<支持体>
前記支持体としては、表面に複数のコンタクト電極が形成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記エレクトロクロミック表示装置を透過型表示装置として用いる場合には透明にしてもよく、反射型表示装置として用いる場合には白色にしてもよい。
透明な前記支持体としては、例えば、ガラス基板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。
白色の前記支持体としては、例えば、シリコン基板、ステンレス等の金属基板、樹脂に白色顔料粒子を混練したもの、又はこれらを積層したものなどが挙げられ、白色反射層を有していてもよい。
前記樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂などが挙げられる。
前記白色顔料粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セシウム、酸化イットリウムなどが挙げられる。
また、前記コンタクト電極に接続する電気配線を設けるためにPCB(Printed Circuit Board)基板等のプリント基板などを組み合わせて用いてもよい。
−コンタクト電極−
前記コンタクト電極としては、前記支持体の表面に複数形成され、対応する前記積層体の前記電極から導通パスを介して、それぞれ電気的に接続されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記コンタクト電極の材質としては、導電性を有する材質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属酸化物、金属類、カーボン、又はそれらの複合膜などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが挙げられる。
前記金属類としては、例えば、アルミニウム、チタン、亜鉛、金、銀、白金などが挙げられる。
これらの中でも、透明であるものが好ましい。前記コンタクト電極が透明であると、前記支持体の透明性又は白色反射性を損なうことなく前記コンタクト電極及び前記導通パスを形成することができる点で有利である。
前記コンタクト電極の大きさは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記コンタクト電極が透明の場合には、前記導通パスを超える大きさが好ましい。前記コンタクト電極が前記導通パスを超える大きさであると、後述する前記積層体の貫通孔との位置合わせが比較的容易になる点で有利である。前記コンタクト電極が不透明な金属類で形成した場合には、前記導通パスの大きさと同等か、同等以下の場合には前記積層体の電極との精密な位置合わせを行うことが好ましい。
前記コンタクト電極の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分離して形成する方法、塗布して形成する方法などが挙げられる。
前記分離して形成する方法としては、例えば、成膜方法、パターニング方法などが挙げられる。
前記成膜方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
前記パターニング方法としては、例えば、シャドーマスク法、フォトリソグラフィ法、リフトオフ法などが挙げられる。
前記塗布して形成する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などが挙げられる。
これらの方法は、1種単独で用いてもよいし、前述の各種パターニング方法によるパターニングが不可能なものについては、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
前記支持体及び前記コンタクト電極を組み合わせたものとしては、例えば、ドットマトリクス表示に用いられるアクティブマトリクス装置、パッシブマトリクス装置などが挙げられる。これらの中でも、TFT(Thin Film Transistor)を用いたアクティブマトリクスTFTが好ましい。
前記アクティブマトリクスTFTとしては、例えば、半導体、酸化物半導体、カーボン半導体、有機半導体などが挙げられ、前記電気化学活性層に用いることができる。
前記半導体としては、例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコンなどが挙げられる。前記酸化物半導体としては、例えば、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO)などが挙げられる。前記カーボン半導体としては、例えば、グラフェン、カーボンナノチューブなどが挙げられる。前記有機半導体としては、例えば、ペンタセンなどが挙げられる。
これらの中でも、比較的移動度が高い点から、低温ポリシリコンTFT、IGZO−TFTが好ましい。
<積層体>
前記積層体は、基板と、電極と、電気化学活性層とを有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記積層体は、前記支持体における前記コンタクト電極が形成された面側に、複数の前記積層体がそれぞれ離間して配置される。
前記積層体を離間する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ギャップスペーサーを用いた方法、多孔質絶縁層を形成する方法などが挙げられる。
前記積層体の離間距離としては、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。前記積層体の離間距離が前記好ましい範囲内であると、後述する電解質層を形成する空間を確保することができるとともに、十分な速度で酸化還元反応できる点で有利である。
−基板−
前記基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、及びポリイミドから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記基板がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、及びポリイミドから選択される少なくとも1種であると、ロバスト性が高くなり、特に画素分断工程への適用が容易となる点で有利である。
これらの中でも、多孔質構造である基板が好ましい。前記基板が多孔質構造であると、前記基板面に垂直な方向へのイオン移動が容易になり、素子のイオン伝導度が向上するため良好な酸化還元反応が得られる点で有利である。
前記基板の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記エレクトロクロミック表示装置を反射型表示装置として用いる場合には、複数の前記積層体の前記基板のうち、いずれかの前記積層体の前記基板が白色であることが好ましく、前記積層体のうち最も前記支持体側の前記積層体の前記基板が白色であることがより好ましい。前記積層体のうち最も前記支持体側の前記積層体の前記基板が白色であると、白色反射率が高まり、表示特性が向上できる点で有利である。
また、前記基板を白色とする場合、前記基板の材料としては、例えば、白色顔料を分散させたポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。これらは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
また、前記基板を透明とした場合、前記基板に前記白色反射層と同様の白色反射層を設けることで、前記白色反射層を兼ねる基板とすることも可能である。
前記基板の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上400μm以下が好ましい。前記基板の平均厚みが10μm以上であると、十分な厚みを有するため、取り扱いが容易である点で有利である。また、前記基板の平均厚みが400μm以下であると、前記白色反射層を兼ねる基板の場合には、十分な白色度を得ることができる点で有利である。
−電極−
前記電極としては、前記基板と前記電気化学活性層との間に積層され、導電性を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透明性を有する電極が好ましい。
透明性を有する前記電極の材料としては、例えば、金属酸化物、ネットワーク電極、又はこれらの複合層などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物などが挙げられる。
前記ネットワーク電極としては、例えば、透明性を有する銀ナノワイヤー、金ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、前記金属酸化物等により構成されたネットワーク電極などが挙げられる。
透明性を有しない前記電極の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、チタン、亜鉛、銀、金、白金などの金属類、前記金属類を含む合金、カーボンなどが挙げられる。
前記電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ITO電極の場合、10nm以上300nm以下が好ましい。
透明性を有する前記電極の光学透過率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60%以上100%未満が好ましく、90%以上100%未満がより好ましい。前記光学透過率が60%以上100%未満であると、表示画像の明るさ、色鮮やかさなどの表示性能が良好となる点で有利である。
前記電極の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。また、前記電極の材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法も用いることができる。
前記電極は、前記基板と同様に、前記電気化学活性層と前記基板との選択によっては、透明性を有しない電極も利用することができる。例えば、視認側にある前記積層体の前記電気化学活性層が色変化を伴う電気化学活性層(以下、「エレクトロクロミック層」と称することもある。)とし、視認側とは逆側にある前記積層体の前記電気化学活性層が色変化を伴わない電気化学活性層(以下、「対極層」と称することもある。)とした場合、前記視認側にある前記積層体の基板を白色にすると、前記視認側とは逆側にある積層体の電極に不透明な材料を選択することができる。
−電気化学活性層−
前記電気化学活性層としては、前記積層体のうちの前記電極の上に積層されていれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数の前記積層体の前記電気化学活性層のうち、少なくとも1つを前記エレクトロクロミック層とし、少なくとも1つを前記対極層として用いることが好ましい。
−−エレクトロクロミック層−−
前記エレクトロクロミック層としては、エレクトロクロミック材料を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記エレクトロクロミック材料としては、例えば、無機エレクトロクロミック化合物、有機エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミズムを示すことで知られる導電性高分子化合物などが挙げられる。これらの中でも、前記有機エレクトロクロミック化合物が好ましく、導電性粒子又は半導体性粒子に担持させた前記有機エレクトロクロミック化合物がより好ましい。前記エレクトロクロミック層が前記導電性粒子又は前記半導体性粒子に担持させた前記有機エレクトロクロミック化合物を含むと、前記導電性粒子又は前記半導体性粒子の大きな表面積を利用して、前記有機エレクトロクロミック化合物に効率よく電子が注入されるため、従来のエレクトロクロミック表示装置と比較して高速応答する点で有利である。また、前記導電性粒子又は前記半導体性粒子を用いることにより表示層として透明な膜を形成することができ、エレクトロクロミック色素の高い発色濃度を得ることができる点で有利である。更に、複数種類の前記有機エレクトロクロミック化合物を前記導電性粒子又は前記半導体性粒子に担持することもできる点で有利である。
前記無機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化バナジウム、プルシアンブルーなどが挙げられる。
前記有機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、ビオロゲン、希土類フタロシアニン、スチリルなどが挙げられる。
前記導電性高分子エレクトロクロミック化合物としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
また、ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物としては、例えば、低分子の前記有機エレクトロクロミック化合物、前記導電性高分子エレクトロクロミック化合物などが挙げられる。
低分子の前記有機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、アゾベンゼン骨格を有する化合物、アントラキノン骨格を有する化合物、ジアリールエテン骨格を有する化合物、ジヒドロプレン骨格を有する化合物、ジピリジン骨格を有する化合物、スチリル骨格を有する化合物、スチリルスピロピラン骨格を有する化合物、スピロオキサジン骨格を有する化合物、スピロチオピラン骨格を有する化合物、チオインジゴ骨格を有する化合物、テトラチアフルバレン骨格を有する化合物、テレフタル骨格を有する酸化合物、トリフェニルメタン骨格を有する化合物、トリフェニルアミン骨格を有する化合物、ナフトピラン骨格を有する化合物、ビオロゲン骨格を有する化合物、ピラゾリン骨格を有する化合物、フェナジン骨格を有する化合物、フェニレンジアミン骨格を有する化合物、フェノキサジン骨格を有する化合物、フェノチアジン骨格を有する化合物、フタロシアニン骨格を有する化合物、フルオラン骨格を有する化合物、フルギド骨格を有する化合物、ベンゾピラン骨格を有する化合物、メタロセン骨格を有する化合物などが挙げられる。
これらの中でも、発消色電位が低く、複数の表示電極を有するエレクトロクロミック表示装置を構成した場合においても、良好な色値を示す点から、ビオロゲン骨格を有する化合物、ジピリジン骨格を有する化合物が好ましい。
前記ビオロゲン骨格を有する化合物については、特許第3955641号公報、特開2007−171781号公報、前記ジピリジン骨格を有する化合物については、特開2007−171781号公報、特開2008−116718号公報などに例示がある。
これらの中でも、下記一般式(1)で表されるジピリジン骨格を有する化合物を含むものがより好ましい。
<一般式(1)>
ただし、前記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、又はアリール基を表し、R1又はR2の少なくとも一方は、COOH、PO(OH)、及びSi(OC2k+1から選ばれる置換基を有する。Xは、1価のアニオンを表す。nは、0、1又は2を表す。kは、0、1又は2を表す。Aは、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基、又は2価の複素環基を表す。
前記導電性粒子又は前記半導体性粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物が好ましい。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、及び酸化タングステンから選ばれる1種、もしくはそれらの混合物が好ましく、酸化チタンがより好ましい。前記金属酸化物が好ましい金属酸化物であると、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能となる点で有利である。前記金属酸化物が酸化チタンであると、より発消色の応答速度に優れた多色表示が可能となる点で有利である。
前記導電性粒子又は前記半導体性粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単位体積当たりの表面積(以下、「比表面積」と称するときもある。)が大きいものが好ましい。前記導電性粒子又は前記半導体性粒子の比表面積が大きいと、例えば、前記導電性粒子又は前記半導体性粒子がナノ粒子の集合体である場合、前記エレクトロクロミック材料を効率的に担持するため、発消色の表示コントラスト比に優れた多色表示ができる点で有利である。
前記エレクトロクロミック層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種真空成膜法や塗布成膜法などが挙げられる。
前記真空成膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
前記塗布成膜法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの各種印刷法が挙げられる。
前記エレクトロクロミック層の形成方法としては、具体的には、前記電極の表面に粒径5nm以上50nm以下の前記導電性粒子又は前記半導体性粒子を焼結し、焼結した粒子の表面にホスホン酸、カルボキシル基、シラノール基などの極性基を有する前記有機エレクトロクロミック化合物を担持させてもよい。
前記エレクトロクロミック層は、電気的な酸化還元反応によって色変化を伴う電気化学反応である。前記エレクトロクロミック材料によっては、電気的に還元されて透明から着色する還元発色型と、電気的に酸化されて透明から着色する酸化発色型とに分けられる。例えば、前記ジピリジン骨格を有する化合物のひとつであるビオロゲンは、還元されると透明から青色に着色する還元発色型エレクトロクロミック材料である。反対にプルシアンブルーは、酸化されると透明から青色に着色する酸化発色型エレクトロクロミック材料である。
前記酸化発色型エレクトロクロミック材料としては、その他にも、例えば、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック材料、オキサジン骨格を有する化合物を含むエレクトロクロミック材料、N’,N’−ジアルキルアミノビフェニル骨格を有する化合物を含むエレクトロクロミック材料などが挙げられる。
−対極層−
前記対極層は、前記エレクトロクロミック層の逆反応をすることで、それぞれの電気化学反応を安定化させ、エレクトロクロミック反応を生じさせる電位差を小さくする効果などが期待できる。
前記対極層としては、複数の前記積層体の前記電気化学活性層のうち少なくともいずれかであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記エレクトロクロミック層が還元発色型の場合、酸化反応できることが好ましい。
前記対極層に用いられる材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸化還元反応に伴う可視光域での光吸収帯の変化が小さい(ほぼ色変化のない)エレクトロクロミック材料と捉えると、前記エレクトロクロミック層と同様のエレクトロクロミック材料が好ましい。前記有機エレクトロクロミック化合物であれば、例えば、前記一般式(1)に表されるジピリジン骨格を有する化合物は、前記一般式(1)中のAの共役長の調整により、可視光域に吸収帯を発現しないように分子設計することも可能である。また、前記無機エレクトロクロミック化合物であれば、例えば、酸化アンチモン錫、酸化チタンなどは電気化学的な酸化還元反応での可視光域の吸収変化が小さいため、前記対極層の材料として利用することができる。
前記対極層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種真空成膜法や塗布成膜法などが挙げられる。
前記真空成膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
前記塗布成膜法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの各種印刷法が挙げられる。
−貫通孔−
前記貫通孔としては、貫通する前記導通パスに接触しないように前記積層体に形成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記貫通孔の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長方形、円形などが挙げられる。
前記貫通孔の最小径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記貫通孔内に設ける前記導通パスの電気的抵抗と、表示エリアとなる前記エレクトロクロミック層の面積から決定されることが好ましい。具体的には、前記貫通孔の最小径は、1μm以上1mm以下が好ましく、10μm以上200μm以下がより好ましい。前記貫通孔の最小径が前記好ましい範囲内であると、前記導通パスの電気的抵抗が上昇せずに、かつ前記エレクトロクロミック層の面積を減らさずに表示性能を維持することができる点で有利である。前記エレクトロクロミック層の面積を1mm×1mmとした場合、前記貫通孔が最小径(直径)100μmの円形で形成すると、前記エレクトロクロミック層の有効領域を99%以上とすることができる。
前記貫通孔を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記貫通孔を形成しない箇所にレジスト材を塗布してプラズマ照射、エッチング液等でエッチングする各種パターニング法、針状の刃で物理的に細孔を形成する方法、前記電極に各種放射線を直接輻射して細孔を形成する方法などが挙げられる。これらの中でも、レーザ強度や波長などのコントロールが容易であり、細孔を形成する材料に合わせた加工法が選択でき、前記基板を残しての前記電極の除去や、前記基板ごと除去し、前記導通パスの絶縁性を高めることができるなど、加工の自由度が高い点から、パルスレーザなどを用いたレーザ加工法が好ましい。
−貫通孔群−
前記貫通孔群は、前記導通パスを形成するために設けられる。
前記貫通孔群としては、前記支持体の前記コンタクト電極と、前記貫通孔群が形成された前記積層体の前記電極とを電気的に接続できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記積層体の各層における前記貫通孔群の孔の最小径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基板及び前記電極に設けられた前記貫通孔群の孔の最小径よりも、前記電気化学活性層に設けられた前記貫通孔群の孔の最小径の方が大きいことが好ましい。前記電気化学活性層に設けられた前記貫通孔群の孔の最小径の方が大きいと、前記電極の露出面積が広くなることにより、前記電極と前記導通パスとの電気的抵抗が低減されて電圧降下を抑制するため、前記エレクトロクロミック層の発消色電圧を低減できる点で有効である。
前記貫通孔群の形成方法としては、前記貫通孔を形成する方法と同様の方法を用いることができる。
<導通パス>
前記導通パスとしては、前記積層体の前記電極と、前記積層体に対応する前記支持体の前記コンタクト電極とを電気的に接続できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、対応する前記積層体と前記支持体との間に、他の前記積層体がある場合、他の前記積層体には前記貫通孔が形成されているため、前記導通パスは、前記貫通孔を貫通して他の前記積層体に接触しないようにしている。
前記導通パスは、複数の前記積層体に設けられた前記貫通孔を介して前記コンタクト電極に接続させるため、導電性粒子を含むインクを用いて形成することが好ましい。
前記導電性粒子を含むインクとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性材料を粒子にし、分散媒となる溶剤、分散剤、結着剤となる各種ポリマー等を含むものが挙げられる。これらの中でも、銀、金等を含むナノメタルインク、グラフェン、カーボンナノチューブ等を含む分散液、カーボンペーストなどが好ましい。
前記導電性粒子を含むインクの粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃で1mPa・s以上50mPa・s以下が好ましく、2mPa・s以上30mPa・s以下がより好ましい。前記導電性粒子を含むインクの粘度が前記好ましい範囲内であると、インクジェットプリント法などで高速に精度よく成膜することが可能となる点で有利である。
前記導通パスの材料としては、導電性を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属酸化物、金属、カーボン、又はそれらの複合膜などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが挙げられる。前記金属としては、例えば、亜鉛、白金などが挙げられる。
前記積層体に形成された前記電極と、前記支持体に形成された前記コンタクト電極との間の電気的抵抗は、前記電極と前記導通パスとの間の接触抵抗と、前記導通パス自体の電気的抵抗との和として表される。即ち、前記電極と前記コンタクト電極との間の電気的な接続の信頼性を上げるために、各抵抗成分を下げることが好ましい。上述したように、前記電極と前記導通パスとの接触面積を増やすことや、一つの前記導通パスを形成するために、同一の前記積層体に複数の前記貫通孔を設けることにより、前記電極の前記貫通孔と前記導通パスとの接触抵抗を下げることが可能である。また、前記導通パスの最小径を大きくすることや、複数の前記導通パスを用いることにより、前記導通パス自体の電気的抵抗を低減することが可能となる。
前記導通パスの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの各種印刷法が挙げられる。これらの中でも、インクジェットプリント法、及びスクリーン印刷法などのパターニングが可能な各種印刷法が好ましい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電解質層、白色反射層、不透明な層、金属反射層、封止基板、封止層などが挙げられる。
−電解質層−
前記電解質層は、複数の前記電気化学活性層に亘って包含するように設けられ、複数の前記電気化学活性層の間のイオン電導のために含まれ、電解液により形成される。
前記電解液は、電解質と、該電解質を溶解するための溶媒とを含有する。
前記電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩などが挙げられる。具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BFなどが挙げられ、イオン液体も用いることができる。
前記イオン液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般的に研究及び報告されている物質ならばどのようなものでも構わない。特に有機のイオン液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造を有する。
前記イオン液体におけるカチオン成分としては、例えば、芳香族骨格を有する化合物の塩、脂肪族4級アンモニウム骨格を有する化合物の塩のカチオン成分などが挙げられる。
前記芳香族骨格を有する化合物の塩としては、例えば、イミダゾール誘導体、ピリジニウム誘導体などが挙げられる。
前記イミダゾール誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩などが挙げられる。
前記ピリジニウム誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩などが挙げられる。
前記脂肪族4級アンモニウム骨格を有する化合物の塩としては、例えば、テトラアルキルアンモニウムなどが挙げられる。
前記テトラアルキルアンモニウムとしては、例えば、トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記イオン液体におけるアニオン成分としては、例えば、大気中の安定性の面でフッ素を含んだ化合物がよく、BF 、CFSO 、PF 、(CFSOなどが挙げられる。
これらの前記カチオン成分と前記アニオン成分の組合せにより調製したイオン液体を用いることができる。
前記溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1、2−ジメトキシエタン、1、2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類やそれらの混合溶媒などが挙げられる。
前記電解液は、低粘性の液体であってもよく、ゲル状や高分子架橋型、液晶分散型の固体状など様々な形態であってもよい。特に電解液はゲル状、固体状が、素子強度向上、信頼性向上、発色拡散の防止から好ましい。固体化手法としては、高いイオン伝導度と固体強度が得られる点で、電解質と溶媒をポリマー樹脂中に保持することが好ましい。
前記ポリマー樹脂としては、熱重合や、溶剤を蒸発させて薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できる点から、光硬化可能な樹脂が好ましい。
−白色反射層−
前記白色反射層としては、前記支持体上に形成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色顔料粒子を分散した樹脂を塗布することで形成することができる。
前記白色顔料粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セシウム、酸化イットリウムなどが挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。
前記白色反射層は、光散乱により白色に発色し、散乱しない光が透過するため、平均厚みを厚くすると、入射した光のほとんどが散乱反射する。
前記白色反射層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記白色反射層が酸化チタン粒子を含む場合、30μm以上50μm以下が好ましい。
前記白色反射層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などが挙げられる。
−不透明な層−
前記不透明な層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。複数の前記積層体のうち、少なくともいずれかが前記不透明な層を有することが好ましく、前記基板自体が前記不透明な層であることがより好ましい。
前記不透明な層を含む前記積層体の配置位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体に対して前記積層方向に隣接して配置されるか、又は、前記逆反応を示す前記電気化学滑性層を含む前記積層体が、前記不透明層を有する前記積層体と、前記支持体との間に配置されている構成が好ましい。
−金属反射層−
前記金属反射層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基板としての前記白色反射層のいずれか一方の面に配置されることが好ましい。前記金属反射層が、前記白色反射層のいずれか一方の面に配置されると、前記白色反射層の平均厚みが5μm以下の場合や散乱能が低い場合であっても、前記白色反射層を透過した光を反射させることにより白色反射率を高めることができる点で有利である。
また、前記金属反射層自体が、前記コンタクト電極であってもよい。
前記金属反射層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銀、APC(Ag−Pd−Cu)、アルミニウムなどが挙げられる。
−封止基板−
前記封止基板としては、視認側に配置されるため、透明な材料で形成されていれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板、各種プラスチックフィルムなどが挙げられる。また、水蒸気バリア性、ガスバリア性、及び視認性を高めるために、前記封止基板の表裏面に透明絶縁層、反射防止層などがコーティングされてもよい。
前記封止基板の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ガラス、プラスチックなどが挙げられる。
−封止層−
前記封止層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記封止基板と前記支持体との間に配置され、前記電解質層が大気に暴露されることを防止するように設けられるものなどが挙げられる。電気化学反応は、大気中の水や酸素の影響を受けて反応電位が変動するため、前記電解質層の耐久性が悪くなることがある。そのような影響を排除するために封止層は有用である。
前記封止層に用いられる材料は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ系、アクリル系などの接着剤が挙げられる。また、シールタイプの封止材、ガラスフリット封止などの様々な材料及び技術も利用可能である。
前記封止材には、大気からの水蒸気バリア性、ガスバリア性はもちろんのこと、前記電解質中の溶媒や溶質に影響を受けない点から、前記電解質層に対する耐性も有することが好ましい。
(エレクトロクロミック表示装置の製造方法)
本発明のエレクトロクロミック表示装置の製造方法は、積層体作製工程と、画素分断工程と、導通パス形成工程と、封止工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<積層体作製工程>
前記積層体作製工程は、前記基板上に前記電極を形成し、前記電極上に前記電気化学活性層を形成して前記積層体を作製する工程である。前記積層体は、様々な方法で形成することができる。
<画素分断工程>
前記画素分断工程は、前記積層体作製工程により作製された前記積層体を、前記支持体上にそれぞれ離間させて積層し、積層された前記積層体を画素に分断するとともに、前記積層体の前記貫通孔及び前記貫通孔群を形成する工程である。前記画素分断は、レーザ加工機などにより好適に行うことができる。
<導通パス形成工程>
前記導通パス形成工程は、前記画素分断工程により形成された前記貫通孔及び前記貫通孔群を介して、前記電極と前記コンタクト電極とを電気的に接続する導通パスを形成する工程である。前記導通パスの形成は、前記導電性粒子を含むインクを前記貫通孔群に塗布することにより好適に行うことができる。
<封止工程>
前記封止工程は、前記支持体と、複数の前記積層体との間に電解質を含浸させて封止する工程である。前記封止工程としては、前記電解質液などにより、前記支持体と、複数の前記積層体とを含浸させて、光の照射などにより硬化させ、前記支持体と複数の前記積層体とを封止する前記電解質層を形成することが好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、例えば、基板形成工程、電極形成工程、貼合せ工程などが挙げられる。
ここで、本発明におけるエレクトロクロミック表示装置の一例について図面を参照して説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
図1は、本発明のエレクトロクロミック表示装置の一例を示す概略断面図である。図2は、図1のエレクトロクロミック表示装置の概略斜視図である。
図1及び図2に示すように、エレクトロクロミック表示装置10は、支持体20を有し、支持体20上にコンタクト電極30が形成される。また、コンタクト電極30の上方には、第1の積層体40、第2の積層体50、第3の積層体60、及び第4の積層体70がそれぞれ離間して積層され、その間隙には電解質層80がそれぞれ形成される。更に、電解質層80の上面には封止基板120が形成され、電解質層80の側面には封止層122が形成される。
第1の積層体40には、第1の基板42と、第1の電極44と、第1の電気化学活性層46とがこの順に積層される。また、図3Aに示すように、第1の積層体40は、レーザ照射により分割された画素毎に、3つの貫通孔92と、1つの貫通孔群94とを有する。また、3つの貫通孔92には、それぞれ導通パス90が第1の積層体40と接触しないように貫通する。
第2の積層体50には、第2の基板52と、第2の電極54と、第2の電気化学活性層56とがこの順に積層される。また、図3Bに示すように、第2の積層体50は、レーザ照射により分割された画素毎に、2つの貫通孔92と、1つの貫通孔群94とを有する。また、2つの貫通孔92には、それぞれ導通パス90が第2の積層体50と接触しないように貫通する。
第3の積層体60には、第3の基板62と、第3の電極64と、第3の電気化学活性層66とがこの順に積層されており、また、図3Cに示すように、第3の積層体60は、レーザ照射により分割された画素毎に、1つの貫通孔92と、1つの貫通孔群94とを有する。また、貫通孔92には、導通パス90が第2の積層体50と接触しないように貫通する。
第4の積層体70には、第4の基板72と、第4の電極74と、第4の電気化学活性層76とがこの順に積層されており、また、図3Dに示すように、第4の積層体70は、レーザ照射により分割された画素毎に、1つの貫通孔群94とを有する。
図1、図2、及び図3A〜図3Dに示すように、第1の積層体40、第2の積層体50、第3の積層体60、第4の積層体70のそれぞれの電極は、導通パス90を介してコンタクト電極30とそれぞれ接続する。また、図1に示すエレクトロクロミック表示装置10は、第1の電気化学活性層46が前記対極層であり、第2の電気化学活性層56、第3の電気化学活性層66、及び第4の電気化学活性層76が、それぞれシアン、イエロー、及びマゼンタに発色するエレクトロクロミック層である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下のように、図4〜図6に示すエレクトロクロミック表示装置を作製した。
<電解質の調製>
電解質として、過塩素酸テトラブチルアンモニウムの炭酸プロピレン溶液(TBAP、濃度0.1mol/L)を調製した。
<各積層体における電気化学活性層の作製(積層体製造工程)>
−対極層を有する積層体(第1の積層体40)の作製−
透明導電性粉末(T−1、三菱マテリアル電子化成株式会社製)45質量部、塗工剤(HW140SF、DIC株式会社製)49質量部、及びテトラフルオロプロパノール906質量部を含む透明導電性分散液(ATO分散液、固形分量4.5質量%)を調製した。次いで、第1の基板42として平均厚み12μmのポリエステルフィルム(ルミラー(登録商標)S10、東レ株式会社製)上にスパッタリング法により、平均厚み50nmのITO膜(第1の電極44)を形成し、その上に調整した前記ATO分散液をスピンコート法により塗布し、その後120℃で15分間アニール処理を行うことによって、平均厚み300nmのATO粒子膜からなる対極層(第1の電気化学活性層46)を有する第1の積層体40を作製した。
−第1のエレクトロクロミック層を有する積層体(第2の積層体50)の作製−
第2の基板52として平均厚み12μmのポリエステルフィルム(ルミラー(登録商標)S10、東レ株式会社製)上にスパッタリング法により平均厚み50nmのITO膜(第2の電極54)を形成し、その上に酸化チタン粒子分散液(SP210、昭和電工セラミックス株式会社製)をスピンコートし、90℃で15分間のアニール処理により、平均厚みが1.5μmの酸化チタン粒子膜を形成した。続いて、この上にシアン発色するエレクトロクロミック化合物であるビオロゲン骨格を有する化合物(4,4’−(isoxazole−3,5−diyl)bis(1−(2−phosphonoethyl)pyridinium)bromide)の2質量% 2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液を1分間浸した後に90℃で10分間のアニール処理を施し、第1のエレクトロクロミック層(第2の電気化学活性層56)を有する第2の積層体50を形成した。
−エレクトロクロミック層を有する積層体(第3の積層体60、第4の積層体70)の作製−
第1のエレクトロクロミック層(第2の電気化学活性層56)を有する第2の積層体50の作製において、それぞれエレクトロクロミック化合物として、第2のエレクトロクロミック層(第3の電気化学活性層66)にイエロー発色するエレクトロクロミック化合物(4,4’−(4,4’−(1,3,4’−oxadiazole−2,5−diyl)bis(4,1−phenylene))bis(1−(8−phosphonooctyl)pyridinium)bromide)、及び第3のエレクトロクロミック層(第4の電気化学活性層76)にマゼンタ発色するエレクトロクロミック化合物(4,4’−(1−phenyl−1H−pyrrole−2,5−diyl)bis(1−(4−(phosphonomethyl)benzyl)pyridinium)bromide)を用いた以外は、第2の積層体50と同様にして、第3の積層体60、及び第4の積層体70を作製した。
<支持体の作製>
ガラス基板上にスパッタリング法により平均厚み100nmのAPC(Ag−Pd−Cu)膜を、メタルマスクを用いてパターニングして形成し、更にその上に平均厚み10nmのITO膜を形成した。更に、その上にスクリーン印刷により平均厚み20μmの白色反射層100(PSR−4000 LEW5、太陽インキ製造株式会社製)を形成し、500μm角のスルーホールをフォトリソグラフィ法により形成し、コンタクト電極30としてITO膜及びAPC膜の積層膜の一部を露出させ、白色の支持体20を作製した。
<導通パスの形成>
支持体20上に第1の積層体40を設置し、図3Aに示すように、画素分割と、各孔が0.1mm角の貫通孔群94、1.8mm角の貫通孔92の形成をレーザ加工機(Nd:YAGレーザ、波長:266nm、パルス幅:11ナノ秒間)により行った。その後に、貫通孔群94上にカーボンペースト(JELCON CH−8、十条ケミカル株式会社製)を塗布した後、120℃で15分間硬化させ、第1の積層体40の前記対極層に対応するコンタクト電極30と電気的に接続した。
同様に、得られた第2の積層体50、第3の積層体60、及び第4の積層体70をそれぞれ順に設置し、図3B〜図3Dに示すように、0.1mm角の貫通孔群、1.8mm角の貫通孔、及び画素分割領域をレーザ加工機により形成し、その後に、0.1mm角の貫通孔群上にカーボンペースト(CH−8、十条ケミカル株式会社製)を塗布した後、120℃で15分間硬化させ、それぞれ対応するコンタクト電極30と電気的に接続をした。
<電解質層の形成>
前記導通パスの形成で得られた部材に、前記電解質の調製で得られた電解質を塗布して十分に含漬させ、支持体20上の白色反射層100、第1の積層体40、第2の積層体50、第3の積層体60、及び第4の積層体70の層間、及び各層を覆うように電解質層80を形成した。
<エレクトロクロミック表示装置の作製(封止工程)>
次いで、封止基板(無アルカリガラスOA−10G、日本電気硝子株式会社製)を覆うように電解質層80の上面に重ね合わせ、周辺を紫外線硬化接着剤(フォトレックA−784、積水化学工業株式会社製)で封止することによりエレクトロクロミック表示装置10を作製した。
<エレクトロクロミック表示装置の駆動及び評価>
−発色評価−
作製したエレクトロクロミック表示装置の第2の電極52、第3の電極64、及び第4の電極74と、第1の電極44との間に3.5Vの電圧を印加して駆動させ、シアン、マゼンタ、及びイエローの発色状態を25℃で10分間動作させて目視により観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。また、観察した状態の写真を図6に示す。
〔評価基準〕
◎:動作させた後であっても、安定した発色状態を保った
○:動作させた後、やや不安定な発色状態を示した
×:動作中から不安定な発色状態を示した
−混色評価−
作製したエレクトロクロミック表示装置を前記発色評価と同様に駆動させ、シアン、マゼンタ、及びイエローの各色を混色させた赤色、緑色、青色、及び黒色の混色状態をそれぞれ25℃で10分間動作させて目視により観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
◎:動作させた後であっても、安定した混色状態を保った
○:動作させた後、やや不安定な混色状態を示した
×:動作中から不安定な混色状態を示した
−滲み評価−
作製したエレクトロクロミック表示装置を前記発色評価と同様に駆動させ、滲みの発生の有無を目視により観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:滲みなし
×:滲みあり
(実施例2)
実施例1において、第1のエレクトロクロミック層を有する積層体(第2の積層体50)の作製、及び支持体の作製を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、図7に示す実施例2のエレクトロクロミック表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
−第1のエレクトロクロミック層を有する積層体(第2の積層体50)の作製−
第2の基板52としての平均厚み38μmの白色の基板(ポリエステルフィルム、ルミラー(登録商標)E20、東レ株式会社製)上に、スパッタリング法により平均厚み100nmのAPC膜を形成し、その上にスパッタリング法により平均厚み30nmのSiO膜(白色反射層100)を形成した。APC/SiO膜を形成した面とは反対の面に、スパッタリング法により平均厚み50nmのITO膜(第2の電極54)を形成し、その上に酸化チタン粒子分散液(SP210 昭和電工セラミックス株式会社製)をスピンコートし、90℃で15分間のアニール処理により、平均厚み1.5μmの酸化チタン粒子膜を形成した。続いて、この上にシアン発色するエレクトロクロミック化合物であるビオロゲン化合物(4,4’−(isoxazole−3,5−diyl)bis(1−(2−phosphonoethyl)pyridinium)bromide)の2質量% 2,2,2,3,−テトラフロロプロパノール溶液を1分間浸した後に90℃で10分間のアニール処理を施し、第1のエレクトロクロミック層を有する第2の積層体50を形成した。
<支持体の作製>
ガラス基板上にスパッタリング法により平均厚み100nmのAPC膜を、メタルマスクを用いてパターニングして形成し、更にその上に平均厚み10nmのITO膜を形成し、支持体を作製した。
(実施例3)
実施例1において、第1のエレクトロクロミック層を有する積層体(第2の積層体50)の作製、及びエレクトロクロミック表示装置の作製を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のエレクトロクロミック表示装置の作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
<各積層体における電気化学活性層の作製>
−対極層を有する積層体(第1の積層体40)の作製−
透明導電性粉末(T−1、三菱マテリアル電子化成株式会社製)45質量部、塗工剤(HW140SF、DIC株式会社製)49質量部、テトラフルオロプロパノール906質量部からなる透明導電性分散液(ATO分散液)(固形分量4.5質量%)を調製した。次いで、平均厚み12μmの第1の基板42(ポリエステルフィルム、ルミラー(登録商標)S10、東レ株式会社製)上にスパッタリング法により、平均厚み50nmのITO膜を形成し、その上に酸化チタンナノ粒子分散液(SP210、昭和電工セラミックス株式会社製)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間のアニール処理により、平均厚み1.0μmの酸化チタン粒子膜からなる対極層を有する第1の積層体40を形成した。
−第1のエレクトロクロミック層を有する積層体(第2の積層体50)の作製−
平均厚み12μmの第2の基板52(ポリエステルフィルム、ルミラー(登録商標)S10、東レ株式会社)上にスパッタリング法により平均厚み50nmのITO膜を形成し、その上に酸化チタン粒子分散液(SP210、昭和電工セラミックス株式会社)をスピンコートし、90℃で15分間のアニール処理により、平均厚み1.5μmの酸化チタン粒子膜を形成した。続いて、この上にシアン発色する1官能アクリレートを有するアリールアミン化合物50質量部、IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製)5質量部、2官能アクリレートを有するPEG400DA(日本化薬株式会社製)50質量部、及びメチルエチルケトン900質量部からなる溶液をスピンコート法により塗布し、得られた膜をUV照射装置により60秒間硬化し、60℃で10分間のアニール処理により、硬化した第1エレクトロクロミック層(第2の電気化学活性層56)を有する第2の積層体56を形成した。
−第2のエレクトロクロミック層を有する積層体(第3の積層体60)、及び第3のエレクトロクロミック層を有する積層体(第4の積層体70)の作製−
第1のエレクトロクロミック層(第2の電気化学活性層56)と同様に、それぞれエレクトロクロミック化合物として、第2のエレクトロクロミック層(第3の電気化学活性層66)にイエロー発色するアリールアミン化合物、及び第3エレクトロクロミック層(第4の電気化学活性層76)にマゼンタ発色するアリールアミン化合物を用いた以外は、第2の積層体50と同様にして、第3の積層体60、及び第4の積層体70を作製した。
<エレクトロクロミック表示装置の作製>
IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製)5質量部、PEG400DA(日本化薬株式会社製)100質量部、及び1−ethyl−3−methylimidazolium tetracyanoborate(メルク株式会社製)50質量部からなる溶液を前記電解質として用い、実施例1の各積層体の設置及び電気的接続と同様にして作製した部材に、前記電解質材料を含浸させ封止基板を重ね合わせてスポットUV照射装置(SP−7、ウシオ電機株式会社製)により60秒間照射し硬化した。その後、周辺を紫外線硬化接着剤(フォトレックA−784、積水化学工業株式会社製)で封止することによりエレクトロクロミック表示装置を作製した。
表1の結果から、実施例1〜3におけるエレクトロクロミック表示装置の発色状態は、25℃で10分間動作させた経時であっても上層又は下層の隣接画素への滲みが発生することなく、安定した発色状態を保った。また、各色を混色させた赤色、緑色、青色、及び黒色も問題なく発色可能であった。このことより、本発明のエレクトロクロミック表示装置は、複数の前記積層体をそれぞれ離間することにより、画像の滲みの発生を抑制し、良好な画像品質が得られることが分かった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 複数のコンタクト電極が表面に形成された支持体と、前記支持体上に積層された複数の積層体とを有するエレクトロクロミック表示装置であって、前記積層体が、基板と、前記基板上に配置され、対応する前記コンタクト電極と電気的に接続された電極と、前記電極上に配置された電気化学活性層とを有し、複数の前記積層体が、それぞれ離間されていることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置である。
<2> 複数の前記積層体の前記電気化学活性層のうち、少なくとも1つがエレクトロクロミック層である前記<1>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<3> 複数の前記積層体のうち、少なくともいずれかが不透明な層を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<4> 前記不透明な層が、前記基板である前記<3>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<5> 前記基板が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、及びポリイミドから選択される少なくとも1種を含む前記<1>から<4>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<6> 前記基板が、多孔質構造である前記<1>から<5>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<7> 前記電極が、透明性を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<8> 前記電極の材料が、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物のいずれかである金属酸化物である前記<7>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<9> 前記エレクトロクロミック層が、エレクトロクロミック材料を含み、前記エレクトロクロミック材料が、無機エレクトロクロミック化合物、有機エレクトロクロミック化合物、導電性高分子のいずれかである前記<1>から<8>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<10> 前記無機エレクトロクロミック化合物が、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化チタンのいずれかである前記<9>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<11> 複数の前記積層体の前記電気化学活性層のうちの少なくとも1つが、前記エレクトロクロミック層の逆反応を示す電気化学活性層であり、複数の前記積層体のうちの少なくとも1つが、不透明な層を有し、前記不透明な層を含む前記積層体が、前記支持体に対して前記積層方向に隣接して配置されるか、又は、前記逆反応を示す前記電気化学活性層を含む前記積層体が、前記不透明の層を有する前記積層体と、前記支持体との間に配置される前記<1>から<10>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<12> 前記不透明な層が、前記基板である前記<11>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<13> 前記基板が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂のいずれかに、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セシウム、酸化イットリウムのいずれかを含む白色顔料粒子を混練したものである前記<12>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<14> 前記基板のいずれか一方の面に金属反射層が配置される前記<12>から<13>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<15> 前記金属反射層が、前記コンタクト電極である前記<14>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<16> 前記積層体が、貫通孔を有する前記<1>から<15>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<17> 前記支持体から近い場所に設置される前記積層体の前記貫通孔よりも、前記支持体から遠い場所に設置される前記積層体の前記貫通孔のほうが、径が大きい前記<16>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<18> 前記貫通孔のうち、少なくともいずれか1つが貫通孔群である前記<16>から<17>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<19> 前記積層体の前記電極と、前記コンタクト電極とが、導通パスで電気的に接続される前記<1>から<18>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<20> 前記<1>から<19>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置の製造方法であって、前記基板上に前記電極を形成し、前記電極上に前記電気化学活性層を形成して前記積層体を作製する積層体作製工程と、前記積層体作製工程により作製された前記積層体を、前記支持体上にそれぞれ離間させて積層し、レーザにより、積層された前記積層体を画素に分断するとともに、前記積層体の前記貫通孔及び前記貫通孔群を形成する画素分断工程と、前記画素分断工程により形成された前記貫通孔及び前記貫通孔群を介して、前記電極と前記コンタクト電極とを電気的に接続する導通パスを形成する導通パス形成工程と、前記支持体と、複数の前記積層体との間に電解質を含浸させて封止する封止工程と、を含むことを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の製造方法である。
前記<1>から<19>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置、及び前記<20>に記載のエレクトロクロミック表示装置の製造方法は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
10 エレクトロクロミック表示装置
20 支持体
30 コンタクト電極
40 第1の積層体
42 第1の基板
44 第1の電極
46 第1の電気化学活性層
80 電解質層
90 導通パス
92 貫通孔
94 貫通孔群
100 白色反射層
110 金属反射層
特開2012−137737号公報
N.Kobayashi et al.,Proceeding of IDW‘04,1753(2004)

Claims (9)

  1. 複数のコンタクト電極が表面に形成された支持体と、前記支持体上に積層された複数の積層体とを有するエレクトロクロミック表示装置であって、
    前記積層体が、基板と、前記基板上に配置され、対応する前記コンタクト電極と電気的に接続された電極と、前記電極上に配置された電気化学活性層とを有し、
    複数の前記積層体が、それぞれ離間されていることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
  2. 複数の前記積層体の前記電気化学活性層のうち、少なくとも1つがエレクトロクロミック層である請求項1に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  3. 複数の前記積層体のうち、少なくともいずれかが不透明な層を有する請求項1から2のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  4. 前記不透明な層が、前記基板である請求項3に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  5. 前記基板が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、及びポリイミドから選択される少なくとも1種を含む請求項1から4のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  6. 前記基板が、多孔質構造である請求項1から5のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  7. 前記基板のいずれか一方の面に金属反射層が配置される請求項1から6のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  8. 前記金属反射層が、前記コンタクト電極である請求項7に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置の製造方法であって、
    前記基板上に前記電極を形成し、前記電極上に前記電気化学活性層を形成して前記積層体を作製する積層体作製工程と、
    前記積層体作製工程により作製された前記積層体を、前記支持体上にそれぞれ離間させて積層し、レーザにより、積層された前記積層体を画素に分断するとともに、前記積層体の前記貫通孔及び前記貫通孔群を形成する画素分断工程と、
    前記画素分断工程により形成された前記貫通孔及び前記貫通孔群を介して、前記電極と前記コンタクト電極とを電気的に接続する導通パスを形成する導通パス形成工程と、
    前記支持体と、複数の前記積層体との間に電解質を含浸させて封止する封止工程と、
    を含むことを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の製造方法。
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