JP2017110794A - 変速機の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出力歯車74は、その端面74qがテーパ部73dに隣接又は近接し、端面74pが軸受33に近接し、出力歯車74に、その両方の端面74p,74qに連通するように開口部74dが設けられ、開口部74dは、その内面74eに、出力軸73の軸線73g側に位置する内側面74fと、内側面74fよりも出力軸73の軸線73gから遠くに位置する外側面74gとを備え、開口部74dの内側面74fは、テーパ部73dの延長線上に、軸受33に向けて外径が次第に拡径する拡径部74jを備え、拡径部74jの最大径となる終端74kの接線85は、開口部74dの外側面74gと交差する。
【選択図】図3
Description
本発明の目的は、オイルを軸受と歯車に誘導しやすくする変速機の潤滑構造を提供することにある。
また、上記構成において、前記側壁(21a)における前記オイル通路(21f)の入口(21h)の上方であって前記外側面(74g)の近傍位置に、前記減速歯車(74)側に突出するとともに前記減速歯車(74)の回転方向に交差するように突出壁(21j)が設けられるようにしても良い。
また、側壁におけるオイル通路の入口の上方であって外側面の近傍位置に、減速歯車側に突出するとともに減速歯車の回転方向に交差するように突出壁が設けられるので、減速歯車の開口部の外側面を含む減速歯車の各部から飛散したオイルを突出壁で集めてオイル通路へ誘導することができ、オイルを効率良く軸受に供給することができる。
図1は、本発明の一実施形態の変速機10を示す断面図である。
変速機10は、ハウジング11と、ハウジング11の一側部に収容された電動モータ12と、ハウジング11の他側部に収容された減速機構13及び出力部14とから構成される。
ハウジング11は、中央部を構成するセンタハウジング21と、センタハウジング21の一側部に電動モータ12を覆うように取付けられたサイドカバー22と、センタハウジング21の他側部に複数のボルト28で取付けられたサイドハウジング23とからなる。
センタハウジング21とサイドカバー22とは、電動モータ12を収容するモータ収容部25を形成している。
センタハウジング21とサイドハウジング23とは、減速機構13及び出力部14を収容する軸・歯車収容部26を形成している。
サイドカバー22は、センタハウジング21の一側部周壁21bの端面に複数のボルトで取付けられたカップ状のカバーであり、一側部周壁21bに取付けられる筒部22aと、筒部22aの底を形成する湾曲底部22bとに一体成形されている。湾曲底部22bは、その中央部が外部に凸状となるように湾曲し、中央部の内面に軸受37を支持する筒状の軸受支持部22cが一体に形成されている。
サイドハウジング23は、複数の軸受41,42,43を支持する上下に延びるサイド側壁23aと、サイド側壁23aの一側部に筒状に側方に突出するように一体に形成されるとともに、センタ側壁21aの他側部周壁21cに取付けられたサイド周壁23bとを備える。
センタハウジング21のセンタ側壁21aには、回転軸56の回転数を検知する回転センサ61がボルトで取付けられている。回転センサ61は、検出部61aが内蔵され、検出部61aで回転軸56に取付けられた環状の被検出部63の回転数が検知される。
回転軸56は、軸受31で支持される大径部56aと、大径部56aの一端側に設けられた小径部56bと、大径部56aの他端側に形成された歯車部56cとからなる。
大径部56aは、被検出部63を支持するカラー部材65が一体的に嵌合されている。小径部56bは、先端部に、ナット57がねじ結合される雄ねじ部56dと、雄ねじ部56dの端部に設けられた細軸部56eとが一体に形成され、細軸部56eが軸受37に支持される。歯車部56cは、その先端部が軸受41で支持される。
ロータ58は、カラー部材65と回転軸56の小径部56bとに一体的に嵌合されている。
中間歯車72は回転軸56の歯車部56cに噛み合い、出力歯車74は中間軸71の歯車部71aに噛み合っている。
中間軸71は、歯車部71aと、歯車部71aの端部に設けられた小径部71bとを備える。中間歯車72は、中間軸71の小径部71bに一体的に嵌合されている。
出力軸73は、その中央に位置する大径部73aと、大径部73aの一端側に設けられた一端側小径部73bと、大径部73aの他端側に設けられた他端側小径部73cとを備える。
一端側小径部73bは、出力歯車74が一体的に嵌合されている。他端側小径部73cは、軸受43に支持され、端部にドライブスプロケット77が相対回転不可能に結合されている。
ドライブスプロケット77は、止め輪78によって一端側小径部73bから抜け止めされている。ドライブスプロケット77にはチェーン81が掛けられる。チェーン81は、例えば、自動二輪車の後輪に一体的に設けられたドリブンスプロケットにも掛けられる。
なお、端面74pは軸受33(詳しくは、軸受33を構成する内輪)に隣接するようにしても良い。また、一端側環状凸部73hはテーパ部73dのみで構成されていても良い。この場合、端面74pはテーパ部73dに隣接する。
開口部74dは、その内面74eが、半径方向内側に位置する内側面74fと、内側面74fよりも半径方向外側に位置する外側面74gと、これらの内側面74f及び外側面74gのそれぞれを繋ぐ略半径方向に延びる一対の対向する接続面74h,74h(一方の接続面74hのみ示す。)とから形成されている。
出力部14は、上記した出力軸73とドライブスプロケット77とから構成される。
図中の符号85、86は潤滑油が注入されている軸・歯車収容部26内にダストや雨水等が浸入しないようにシールするシール部材である。
センタハウジング21は、他側部周壁21cの内側のセンタ側壁21aに、軸受33(図1参照)が嵌合される環状の軸受嵌合部21dが形成されている。
軸受嵌合部21dは、軸受33が嵌合される嵌合穴21tが形成され、嵌合穴21tの軸線が、出力軸73の軸線73g(軸線73gを黒丸で示している。)と一致し、軸受嵌合部21dが、軸線73gに沿って出力歯車74側へ突出するように形成されている。軸受嵌合部21dの外周部の上部には、一体にV字形状のリブ21eが形成されている。
リブ21eの上方のセンタ側壁21aには、オイルを軸受嵌合部21dの内側に配置される軸受33に供給するためのオイル通路21fの入口21hが形成されている。
突出壁21jは、出力歯車74の回転方向である図の反時計回りの方向(図中の白抜き矢印で示す方向)に直交する方向に対して、付根部より先端部が反時計回りに進んだ位置となるように傾斜し、且つ突出壁21jは、側面視で他側部周壁21cからオイル通路21fの入口21hを指向して延びるように形成されている。突出壁21jを側面視で上記した方向に傾斜させることで、オイルをオイル通路21fに誘導しやすくすることができる。
オイル通路21fは、その入口21hが軸受嵌合部21d及びリブ21eの上方に形成されている。
センタ側壁21aは、軸受嵌合部21dとは反対側に膨出する膨出部21kが形成され、膨出部21kの内側に軸受33に臨むようにオイル溜り21mが形成されている。
オイル溜り21mは、出力軸73の軸線73gよりも上方であって軸受33の上部に臨むように形成されている。
オイル溜り21mは、軸受33に対して出力歯車74とは反対側に形成され、オイル溜り21mには、オイル通路21fの出口21nが形成されている。オイル通路21fは、入口21hよりも出口21nが低くなるように傾斜している。
オイル通路21fの入口21hは、出力歯車74の外側面74gよりも下方に配置されている。また、入口21hは、軸受33の上方に配置されている。
拡径部74jの終端74kは、内側面74fの内で最も高い(最も外径が大きい)位置にあり、終端74kにおける接線85(即ち、終端74kの断面における接線85)が外側面74gに交差している。
なお、テーパ部73dと拡径部74jとを同一直線状に設けても良い。
突出壁21jは、センタ側壁21a側に設けられたセンタ側壁部21pと、他側部周壁21c側に設けられた周壁側壁部21qとからなり、センタ側壁部21pと周壁側壁部21qとは一体に形成されている。
センタ側壁部21pは、出力歯車74の外周部に設けられた歯部74nの側方で、軸受33及び軸受嵌合部21dの上方に配置されている。センタ側壁部21pは、出力歯車74の軸受33側の側面に近接するように設けられている。
周壁側壁部21qは、軸受嵌合部21d及び出力歯車74の歯部74nの上方に配置されている。周壁側壁部21qは、歯部74nに近接するように設けられている。
図1において、電動モータ12が作動すると、動力が、電動モータ12の回転軸56から減速機構13を介して出力部14に伝達される。このとき、図3において、出力軸73が、白抜き矢印で示すように回転すると、出力軸73に付着していたオイルが、矢印Aで示すように、出力軸73のテーパ部73dから出力歯車74の拡径部74jに移動する。
そして、オイルは、矢印Bで示すように拡径部74jから接線85に沿って移動し、外側面74gに当たる。更に、オイルは、出力歯車74の外側面74gから、矢印Cで示すように側方斜め上方に移動し、矢印Dで示すようにオイル通路21fの入口21hから流入し、矢印Eで示すように出口21nからオイル溜り21mに流出する。そして、オイルは軸受33を潤滑する。
軸受33は、図2に示したように、回転軸56及び中間軸71よりもハウジング11の高い位置に配置されるため、オイルの供給が少なくなる傾向にある。本実施形態では、上記したリブ21e、オイル通路21f、突出壁21jを設けることで、軸受33及び出力歯車74へのオイル供給量を確保することができる。
本発明は、自動二輪車や二輪車以外の三輪車両、四輪車両の変速機に適用可能である。また、車両以外に備える変速機にも適用可能である。
21a センタ側壁(側壁)
21d 軸受嵌合部(周壁)
21e リブ
21f オイル通路
21g リブ21eの屈曲部
21h 入口
21j 突出壁
21m オイル溜り
33 軸受
73 出力軸(シャフト)
73d テーパ部
73g 軸線
74 出力歯車(減速歯車)
74d 開口部
74f 内側面
74g 外側面
74j 拡径部
74k 終端
74n 歯部
85 拡径部の終端の接線
Claims (5)
- 減速歯車(74)と、前記減速歯車(74)を支持するとともに外周に前記減速歯車(74)に向けて拡径するテーパ部(73d)が形成されて軸受(33)に支持されるシャフト(73)とを備える変速機の潤滑構造であって、
前記減速歯車(74)は、その一端面が前記テーパ部(73d)に隣接又は近接し、他端面が前記軸受(33)に近接し、
前記減速歯車(74)に、その両端面に連通するように開口部(74d)が設けられ、
前記開口部(74d)は、その内面に、前記シャフト(73)の軸線(73g)側に位置する内側面(74f)と、前記内側面(74f)よりも前記シャフト(73)の軸線(73g)から遠くに位置する外側面(74g)とを備え、
前記開口部(74d)の内側面(74f)は、前記テーパ部(73d)の延長線上に、前記軸受(33)に向けて外径が次第に拡径する拡径部(74j)を備え、
前記拡径部(74j)の最大径となる終端(74k)の接線(85)は、前記開口部(74d)の外側面(74g)と交差することを特徴とする変速機の潤滑構造。 - 前記軸受(33)を嵌合するように支持する周壁(21d)が突出する側壁(21a)に、前記周壁(21d)の上方であって前記開口部(74d)の外側面(74g)よりも前記シャフト(73)の軸線(73g)側に入口(21h)が開けられたオイル通路(21f)と、前記オイル通路(21f)に連通するように前記減速歯車(74)とは反対側の前記軸受(33)の側面に臨むように設けられたオイル溜り(21m)とを備え、前記開口部(74d)から前記オイル通路(21f)を通じて前記オイル溜り(21m)にオイルを導くことを特徴とする請求項1に記載の変速機の潤滑構造。
- 前記側壁(21a)にV字形状に突出するリブ(21e)が形成され、前記リブ(21e)は、V字の最も下位となる下端の屈曲部(21g)が前記オイル通路(21f)の入口(21h)の直下に配置されることを特徴とする請求項2に記載の変速機の潤滑構造。
- 前記側壁(21a)における前記オイル通路(21f)の入口(21h)の上方であって前記外側面(74g)の近傍位置に、前記減速歯車(74)側に突出するとともに前記減速歯車(74)の回転方向に交差するように突出壁(21j)が設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載の変速機の潤滑構造。
- 前記突出壁(21j)は、前記シャフト(73)の軸線(73g)の延びる方向から見たときに、前記オイル通路(21f)の入口(21h)に指向して延びるように前記減速歯車(74)の回転方向に直交する方向に対して傾けられて形成されるとともに、前記減速歯車(74)の前記軸受(33)側の側面と前記減速歯車(74)の外周部に設けられた歯部(74n)とに近接するように設けられることを特徴とする請求項4に記載の変速機の潤滑構造。
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