JP4713824B2 - 駆動力伝達装置の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動力を伝達する伝達装置に用いられる潤滑構造に関する。
図8は、特許文献1に開示された差動歯車の潤滑装置を示す。この潤滑装置はトランスミッションのケース本体1内に配設された差動機構2を潤滑するためのものである。ケース本体1内に配設されている差動機構2は、ケース本体1の内壁にベアリング3で回転自在に支持されたデフケース4と、このデフケース4内に設けられてデフケース4に入力された駆動力を一対のドライブシャフト5、6に分配するベベルギヤ式の差動機構7と、デフケース4に固定されて駆動力をデフケース4に伝達するファイナルギヤ8とで構成されている。
また、この潤滑装置では、上記ケース本体1の内壁にドライブシャフト5、6を中心として放射状に複数本の補強リブ9が形成され、2本の補強リブ9間に第1ガイド板10が形成され、第1ガイド板10とケース本体1の内壁との間に第1収集部11が形成されている。また、第1収集部11の下部に第1潤滑流路12の上流側端部が設けられ、第1潤滑流路12の途中に第2ガイド板13が設けられ、第1潤滑流路12と対峙する部位に第2潤滑流路14が配設されている。また、この潤滑装置では、第3潤滑流路15と、第3ガイド板16と、第4潤滑流路17とが設けられている。
そして、差動機構2が駆動した際には、ファイナルギヤ8が回転され、このファイナルギヤ8によりケース本体1内の潤滑油が掻き上げられ、ケース本体1の内壁面あるいは空気中を流下し、この流下する潤滑油を第1、第2収集部11、18で誘導収集する。第1、第2収集部11、18で収集された潤滑油は第1潤滑流路12によってドライブシャフト5、6のベアリング3を通過し、第2ガイド板13を経て油孔19からデフケース4内に流入する。
第2潤滑流路14によってドライブシャフト5、6のベアリング3を通過し、第2ガイド板13を経て油孔19からデフケース4内に流入し、デフケース4内を潤滑する。更に、第3潤滑流路15により第1収集部11からの潤滑油がドライブシャフト5、6のベアリング3直上流で分岐し、ドライブシャフト5、6内の油流路20を経てデフケース4内の差動機構2内に供給される。
これにより、第1、第2収集部11、18で収集された潤滑油を差動機構2部位に供給して強制潤滑することができ、潤滑効率を向上することができる。
実公平6−2077号
ところが、上記潤滑装置において、第1ガイド板10によってベアリング3の端面側へ潤滑油を供給しようとしても、デフケース4の回転により、ベアリング3の遠心ポンプ作用により、潤滑油がドライブシャフト5側及びオイルシール21側へ到達する前にケース本体1の外周側へ排出されてしまい、潤滑油をデフケース4に十分供給することができないという問題が生じる。
そこで、本発明は、ベアリングによる潤滑油の排出作用を抑制して潤滑性能を向上することができる駆動力伝達装置の潤滑構造の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、オイルが収容された静止側ケース内に配置され駆動源からの駆動力を受けて回転する筒状回転部材と、前記筒状回転部材を前記静止側ケースの内壁に回転自在に支持する転動ベアリングと、外周面が前記筒状回転部材に対して所定隙間を有し前記筒状回転部材と相対回転可能に配置されると共に前記筒状回転部材の端部より軸方向外側に突出して前記静止側ケースに設けられた端壁を貫通する軸状回転部材と、前記静止側ケースの端壁の内周面と前記軸状回転部材の外周面との間に配置され前記静止側ケースの内外空間を区画するオイルシールと、軸方向位置が前記転動ベアリングと前記オイルシールとの間に配置され鉛直方向下方位置では円周方向の所定範囲に形成された静止側壁部とを有し、前記静止側壁部は、前記鉛直方向下方位置で前記転動ベアリングと軸方向に対向する第1の壁面を備えると共に、前記第1の壁面に連続して形成され、前記軸状回転部材と径方向に対向する第2の壁面を備え、前記静止側ケース内の前記鉛直方向下方位置で前記オイルシールの軸方向端面側と前記筒状回転部材と前記軸状回転部材と前記第2の壁面との間に油溜まり空間部が形成され、前記油溜まり空間部は前記静止側壁部を有さない鉛直方向上方位置で前記転動ベアリングを軸方向に開放する開放部分を備え、前記静止側ケースに前記転動ベアリングの外周側を通過し前記油溜まり空間部へ前記オイルを導入する第1のオイル溝が形成され、前記筒状部材の端部または前記軸状回転部材の外周面に形成され前記油溜まり空間部から前記所定隙間へオイルを導入する第2のオイル溝が形成されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1記載の駆動力伝達装置の潤滑構造であって、前記静止側壁部の内径が前記オイルシールの外径とほぼ等しい径に設定されていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、油溜まり空間部が鉛直方向下方位置に設けられているので、オイルを効果的に蓄溜させることができる。また、静止側壁部を転動ベアリングに対向させたので、油溜まり空間部では転動ベアリングによるオイルの排出作用(筒状回転部材の回転時にベアリングの転動による遠心ポンプ作用)を抑制し、オイルシールと軸状回転部材との間の摺動面や、筒状回転部材の内周面と軸状回転部材の外周面との所定隙間への潤滑油の供給を促進することができる(第1の供給)。また、転動ベアリングへの潤滑油の供給については、転動ベアリングの回転時に油溜まり空間部のオイルを引き摺り抵抗により動的油面を上昇させて、転動ベアリングのオイル排出作用によりオイルを供給する(第2の供給)。静止側壁部の周方向の所定範囲(静止側壁部を設ける周方向区間)は、前記第1の供給と第2の供給の関係で設定され、静止側壁部は鉛直方向下方位置を含めば、必ずしもその両側で対称に設ける必要はない。つまり、潤滑用の強制ポンプは一切必要なく、簡単かつ確実に潤滑効果が得られる。
また、第1のオイル溝により、静止側ケース内に収容されたオイルを油溜まり空間部へ確実に導入させることができる。第1のオイル溝は、請求項1に記載した第1、第2の供給を達成することができるように形成する周方向位置は適宜設定される。
さらに、第2のオイル溝により、請求項1に記載の第1の供給をより確実に行うことができる。
請求項の発明によれば、静止側壁部の内径をオイルシールの外径とほぼ等しい径とすることにより、静止側壁部が内径方向に部分的に突出することがなく、オイルシールの取り付け面および静止側壁部の内径の加工が容易になる。
第1実施例
以下、図面に基づいて第1実施例について説明する。図1は、駆動力伝達装置44を示す断面図であり、図2は図1のII−II線に沿って切断した断面図である。また、図3は、駆動力伝達装置44が用いられた車両の動力系を示すスケルトン図である。
初めに本実施例の駆動力伝達装置44が用いられた4輪駆動車の動力系30について図3を用いて説明する。図3に示すように、動力系30は、車両の前部に配置された横置きのエンジン(駆動源)31と、エンジン31からの駆動力が伝達されるトランスミッション32と、トランスミッション32からの駆動力を前輪39、40側と後輪42、43側へ分配するトランスファー33と、後輪側に駆動力を伝達するプロペラシャフト34と、左右の後輪42、43に駆動力を配分するリヤデフ37と、リヤデフ37とプロペラシャフト34との間に配置されて駆動力を断続する断続装置38とで構成されている。そして、トランスファー33は、トランスミッション32から伝達された駆動力を左右の車軸35、36を介して左右の前輪39、40に配分するフロントデフ41と本実施形態の駆動力伝達装置44とで構成されている。
フロントデフ41は、デフケース45と、デフケース45内に設けられて左右の前輪39、40に駆動力を配分する差動機構46とで形成されている。デフケース45には、トランスミッション32の出力ギヤ47と噛み合ったリングギヤ48が設けられ、リングギヤ48からフロントデフ41のデフケース45にエンジン31からの駆動力が伝達され、差動機構46から前輪39、40側の左右の車軸35、36を介して左右の前輪39、40に配分される。また、フロントデフ41のデフケース45には中空軸49が連結され、この中空軸49は駆動力伝達装置44内に延設されている。
図1に示すように、駆動力伝達装置44は、トランスミッション32のケースと一体のケース(静止側ケース)50と、このケース50内に延設された中空軸(筒状回転部材)49と、中空軸49をケース50に回転自在に支持する転動ベアリング51、61と、中空軸49内を貫通する右側の車軸(軸状回転部材)36と、方向変換ギヤ組52と、車軸36とケース50との間に設けられるオイルシール53とで構成されている。
ケース50は、トランスミッション32のケースと一体のケース本体54と、このケース本体54の一側の開口55を覆うケースカバー(端壁)56とで形成され、内部にオイルが収容されている。ケース本体54のトランスミッション32側には、中空軸49の一側を転動ベアリング51を介して支持する支持部57が設けられ、他側に上記開口55が設けられている。この開口55を覆うケースカバー56には、ケース本体54の開口55内に挿入される挿入部58と、オイルシール53の外周面が当接するオイルシール当接面59と、転動ベアリング51を支持するベアリング支持壁部60とが設けられている。また、ケースカバー56には、軸方向位置が転動ベアリング61とオイルシール53との間に配置され鉛直方向下方位置を含む円周方向の所定範囲に静止側壁部66が形成されている。さらに、鉛直方向下方位置では静止側壁部66とベアリング61とを軸方向に対向させケース本体54内でオイルシール53の軸方向端面側に油溜まり空間部67が形成され、ケースカバー56の上方側、すなわち静止側壁部66を有していない鉛直方向上方位置では油溜まり空間部67がベアリング61側へ開放している(開放部分73)。また、静止側壁部66の内径は、オイルシール53の外径とほぼ等しい径に設定されている。さらに、ケースカバー56には、ベアリング61の外周側を通過し油溜まり空間部67へオイルを導入する第1のオイル溝68が形成されている。
中空軸(筒状回転部材)49は、デフケース45と一体に形成された軸部62と、この軸部62の先端側のフランジ部62aにねじ止め固定されたボス部63とで形成されている。軸部62は上記転動ベアリング51を介してケース本体54に支持され、ボス部63はベアリング61を介してケースカバー56に支持されている。軸部62には、ボス部63と共に固定されたリングギヤ64が固定されており、このリングギヤ64にはケース本体54に回転自在に支持されたドライブピニオンギヤ65が噛み合っている。そして、リングギヤ64とドライブピニオンギヤ65とで方向変換ギヤ組52が形成されている。ドライブピニオンギヤ65は、プロペラシャフト34と連結されて、後輪側へ駆動力を伝達する。
また、中空軸49のボス部63の端面には、油溜まり空間部67から所定隙間69へオイルを導入する第2のオイル溝70が放射状に形成されている。
さらに、ボス部63の貫通孔71の内壁には螺旋状の第3のオイル溝72が設けられている。貫通孔71の内壁とこの貫通孔71を貫通する車軸36との間には所定の隙間が形成されている。
また、軸部62のフランジ部62aとボス部63との合わせ面には、フランジ部62aに、軸部62の内部と軸部62の外部とを連通する第4のオイル溝74が設けられている。
なお、軸部62のトランスミッション32側の外周部分とケース本体54の内周側との間にはオイルシール53aが設けられ、軸部62の内周部分と車軸36の外周側との間には、オイルシール53b、53cが背中合わせに設けられている。これにより、ケース本体54内のオイルが、トランスミッション32内のオイルと混合することが防止されている。
次にケース本体54内のオイルの潤滑について説明する。
トランスミッション32からの駆動力でデフケース45が回転すると、差動機構46によって左右の車軸に駆動力が配分される。これとともに中空軸49に伝達された駆動力はリングギヤ64、ドライブピニオンギヤ65によってプロペラシャフト34へ伝達され後輪側へ駆動力が伝達される。このとき、断続装置がプロペラシャフト34とリヤデフ37とを接続している場合には、リヤデフ37によって駆動力が左右の車軸へ配分されて車両は4輪駆動状態となり、接続を解除している場合には、リヤデフに駆動力が伝達されないので車両は2輪駆動状態となる。
中空軸49がケース本体54内で回転すると、ケース本体54内のオイルは掻き上げられて鉛直方向上方位置で開放部分73から第1のオイル溝68を通って、油溜まり空間部67に導入されて蓄溜される。油溜まり空間部67に蓄溜されたオイルは、第2のオイル溝70を通って車軸36とボス部63の貫通孔71の内壁との間、螺旋状の第3のオイル溝72に導入されて、これらの摺動部分が潤滑される。車軸36と貫通孔71の内壁との間、螺旋状の第3のオイル溝72を通ったオイルは、第4のオイル溝74から軸部62の内部から外部に排出される。
また、油溜まり空間部67内のオイルは、車軸36とオイルシール53との間にも供給される。これにより、車軸36と貫通孔71の内壁との間、オイルシール53と車軸36との間の摺動面へのオイルの供給(第1の供給)を促進することができる。
この実施例によれば、油溜まり空間部67が鉛直方向下方に設けられているので、オイルを効果的に蓄溜させることができる。また、静止側壁部66をベアリング61に対向させたので、油溜まり空間部67ではベアリング61によるオイル排出作用を抑制することができ、オイルシール53と車軸36との間の摺動面や、ボス部63の貫通孔71の内周面と車軸36との所定隙間へのオイルの供給を促進することができる(第1の供給)。
また、ベアリング61へのオイルの供給については、ベアリング61の回転時に油溜まり空間部67のオイルを引き摺り抵抗により動的油面を上昇させて、ベアリング61のオイル排出作用によりオイルを供給する(第2の供給)。
静止側壁部66の周方向の所定範囲(静止側壁部66を設ける周方向区間)は、上記の第1、第2の供給の関係で設定され、静止側壁部66は鉛直方向下方位置を含めば、必ずしもその両側で対称に設ける必要はない。
従って、潤滑用の強制ポンプは一切必要なく、簡単にかつ確実に潤滑効果を得ることができる。
また、第1のオイル溝68は、ケース本体54内に収容されたオイルを油溜まり空間部67へ導入させる。第1のオイル溝68は、上記第1、第2の供給を達成し得るように形成する周方向位置が適宜設定される。
また、本実施例では、第2のオイル溝70をボス部63の端面に設けたことにより、車軸36と貫通孔71の内壁との間、第3のオイル溝72との間へのオイルの供給を確実に行うことができる。
さらに、本実施例では、静止側壁部66の内径をオイルシール53の外径とほぼ等しい径とすることにより、静止側壁部66が内壁方向に部分的に突出することがなく、オイルシールの取付面及び静止側壁部の内径の加工を容易に行うことができる。
第2実施例
次に、図面に基づいて第2実施例について説明する。図4は、第2実施例の駆動力伝達装置75を示す断面図であり、図5は、図4のX−X線に沿って切断した断面図である。本実施形態の駆動力伝達装置75は、本発明を図3に示す動力系30におけるリヤデフ37に用いた例である。
本実施形態の駆動力伝達装置75は、断続装置38を収容するケース77と一体のデフキャリヤ(静止側ケース)79と、このデフキャリヤ79内に配置されたデフケース(筒状回転部材)81と、このデフケース81をデフキャリヤ79に回転自在に支持する転動ベアリング83、83(ただし、図4には一方のみ図示)と、外周面85aがデフケース81に対して所定隙間を有しデフケース81と相対回転可能に配置されると共にデフケース81の端部より軸方向外側の突出してデフキャリヤ79に設けられた端壁95を貫通する出力軸(軸状回転部材)85、85と、デフキャリヤ79の端壁95の内周面95aと出力軸85、85の外周面85aとの間に配置されデフキャリヤ79の内外空間を区画するオイルシール87と、軸方向位置が転動ベアリング83とオイルシール87との間に配置され鉛直方向下方位置を含む円周方向の所定範囲に形成された静止側壁部89とを有している。
さらに、本実施形態の駆動力伝達装置75は、鉛直方向下方位置では静止側壁部89と転動ベアリング83とを軸方向に対向させデフキャリヤ79内でオイルシール87の軸方向端面側に油溜まり空間部91が形成され、静止側壁部89を有さない鉛直方向上方位置では油溜まり空間部91が転動ベアリング83側に開放している(開放部分127)。
上記デフキャリヤ79には、左右両側に出力軸85、85が外方に突出する開口部93、93が端壁95に設けられており、この開口部93の内周面93aと出力軸85との間に、上記オイルシール87が配置されている。また、端壁95には、上記したように、軸方向位置が転動ベアリング83とオイルシール87との間に配置され鉛直方向下方位置を含む円周方向の所定範囲に形成された静止側壁部89が一体に形成されている。この静止側壁部89は、鉛直方向下方位置では、転動ベアリング83と軸方向に対向し、転動ベアリング83と軸方向に対向した面の反対側にオイルシール87との間に上記油溜まり空間部91が設けられている。
さらに、端壁95には、転動ベアリング83の外周側を通過し油溜まり空間部91へオイルを導入する第1のオイル溝97が形成されている。この端壁95の内面側に転動ベアリング83を介してリヤデフ37が回転自在に支承されている。
リヤデフ37は、オイルが収容されているデフキャリヤ(静止側ケース)79内に配置されたデフケース81と、このデフケース81内に設けられて左右の後輪42、43に駆動力を分配する差動機構99とで形成されている。
デフケース81は、ケース本体101と、このケース本体101の一側の開口103を覆うケースカバー105とで形成され、ケース本体101とケースカバー105は、リングギヤ107と共に、ボルト109で一体にねじ止め固定されている。このリングギヤ107は、断続装置38に連結されたドライブピニオンギヤ111と噛み合っている。そして、断続装置38を介してドライブピニオンギヤ111に伝達されたエンジンからの駆動力が、リングギヤ107を介してデフケース81に伝達される。デフケース81に伝達されたエンジンからの駆動力は、差動機構99を介して出力軸85、85に配分され、車軸113、115を介して左右の後輪42、44に伝達される。
ケースカバー105には、一方の出力軸85を支承するボス部117が設けられており、このボス部117の外周面117aとデフキャリヤ79の端壁95との間に、一方の転動ベアリング83が配置されている。また、ボス部117には、貫通孔119が設けられており、この貫通孔119を貫通する出力軸85の外周面85aとの間には所定隙間Lが設けられている。また、貫通孔119を貫通した出力軸85の大径部121の端面121aと当接する先端側の当接面には、第2のオイル溝123が放射状に設けられている。この第2のオイル溝123は出力軸85の外周面85aと貫通孔119の内周面119aとの間の所定隙間と連通するとともに、上記した「静止側壁部89を有さない鉛直方向上方位置では油溜まり空間部91が転動ベアリング83側に開放している」開放部分127に連通している。
さらに、貫通孔119の内周面119aには、油溜まり空間部91と連通する螺旋状の第3のオイル溝125が設けられている。
トランスミッション32からの駆動力でデフケース45が回転すると、差動機構46によって左右の車軸に駆動力が配分される。これとともに中空軸49に伝達された駆動力はリングギヤ64、ドライブピニオンギヤ65によってプロペラシャフト34へ伝達され後輪側へ駆動力が伝達される。このとき、断続装置がプロペラシャフト34とリヤデフ37とを接続している場合には、リヤデフ37によって駆動力が左右の車軸へ配分されて車両は4輪駆動状態となる。
リヤデフ37に伝達されたエンジンからの駆動力は、デフケース81、差動機構99を介して左右の出力軸85、85に伝達され、車軸113、115を介して後輪42、43に伝達される。
デフケース81がデフキャリヤ79内で回転すると、デフキャリヤ79内のオイルは掻き上げられて鉛直上方位置で開放部分127から第1のオイル溝97を通って、油溜まり空間部91に導入されて蓄溜される。油溜まり空間部91に蓄溜されたオイルは、第2のオイル溝123を通って出力軸85とボス部117の貫通孔119の内壁との間、螺旋状の第3のオイル溝125に導入され、矢印92で示すように出力軸85の外周面を伝わってデフケース81内に導入される。また、油溜まり空間部91内のオイルは、出力軸85とオイルシール87との間にも供給される。これにより、出力軸85と貫通孔119の内周面119aとの間、オイルシール87と出力軸85との間の摺動面へのオイルの供給(第1の供給)を促進することができる。
この実施例によれば、油溜まり空間部91が鉛直方向下方に設けられているので、オイルを効果的に蓄溜させることができる。また、静止側壁部89を転動ベアリング83に対向させたので、油溜まり空間部91では転動ベアリング83によるオイル排出作用を抑制することができ、オイルシール87と出力軸85との間の摺動面や、ボス部117の貫通孔119の内周面119aと出力軸85との所定隙間へのオイルの供給を促進することができる(第1の供給)。
また、転動ベアリング83へのオイルの供給については、転動ベアリング83の回転時に油溜まり空間部91のオイルを引き摺り抵抗により動的油面を上昇させて、転動ベアリング83のオイル排出作用によりオイルを供給する(第2の供給)。
静止側壁部89の周方向の所定範囲(静止側壁部89を設ける周方向区間)は、上記の第1、第2の供給の関係で設定され、静止側壁部89は鉛直方向下方位置を含めば、必ずしもその両側で対称に設ける必要はない。
従って、潤滑用の強制ポンプは一切必要なく、簡単にかつ確実に潤滑効果を得ることができる。
また、第1のオイル溝97は、デフキャリヤ79内に収容されたオイルを油溜まり空間部91へ導入させる。第1のオイル溝68は、上記第1、第2の供給を達成し得るように形成する周方向位置が適宜設定される。
第3実施例
次に第3実施例について図6、図7に基づいて説明する。上記第2実施例の駆動力伝達装置75では、静止側壁部89がデフキャリヤ(静止側ケース)79に一体に設けられた例を示したが、本実施例の駆動力伝達装置131は、静止側壁部133が、静止側ケースとしてのデフキャリヤ79と別体に設けられた例である。なお、第2実施例と同構成部分については、図面に同符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
図6、図7に示すように、静止側壁部133は、環状のプレート部材135の半周部分に設けられている。プレート部材135の残りの半周部分の内側が、転動ベアリング83への連通路を形成するための開放部分137となっている。また、静止側壁部133の外周部分には、第1のオイル溝97に係合して、回り止めされる回り止め係合部139が形成されている。
本実施例においても、上記第2実施例と同様の作用・効果が得られる他に、静止側壁部133を構成する部材を別部材とすることにより、静止側ケースとしてのデフキャリヤ79の形状が複雑になることがなく、その分デフキャリヤ79の製造コストが高くなることがない。
また、静止側壁部133を構成する部材を別部材とすることにより、静止側壁部133を、周方向の所定範囲内で任意の位置に設定することができ、静止側壁部133の位置を容易に変更することができる。
本発明の第1実施例の駆動力伝達装置を示す断面図である。 第1実施例を示し、図1のII−II線に沿って切断した断面図である。 本発明の駆動力伝達装置が用いられた車両の動力系を示すスケルトン図である。 第2実施例の駆動力伝達装置を示す断面図である。 第2実施例を示し、図4のV−V線に沿って切断した断面図である。 第3実施例の駆動力伝達装置を示す断面図である。 第3実施例を示し、図6のVII-VII線に沿って切断した断面図である。 従来の駆動力伝達装置を示す断面図である。
符号の説明
36a 出力軸(軸状回転部材)
44、75、131 駆動力伝達装置
49 中空軸(筒状回転部材)
50 ケース(静止側ケース)
51、83 ベアリング
53 オイルシール
66、89、133 静止側壁部
67 油溜まり空間部
68、97 第1のオイル溝
70、123 第2のオイル溝
73、127、139 開放部分
79 デフキャリヤ(静止側ケース)
81 デフケース(筒状回転部材)
85 出力軸(軸状回転部材)

Claims (2)

  1. オイルが収容された静止側ケース内に配置され駆動源からの駆動力を受けて回転する筒状回転部材と、
    前記筒状回転部材を前記静止側ケースの内壁に回転自在に支持する転動ベアリングと、
    外周面が前記筒状回転部材に対して所定隙間を有し前記筒状回転部材と相対回転可能に配置されると共に前記筒状回転部材の端部より軸方向外側に突出して前記静止側ケースに設けられた端壁を貫通する軸状回転部材と、
    前記静止側ケースの端壁の内周面と前記軸状回転部材の外周面との間に配置され前記静止側ケースの内外空間を区画するオイルシールと、
    軸方向位置が前記転動ベアリングと前記オイルシールとの間に配置され鉛直方向下方位置では円周方向の所定範囲に形成された静止側壁部とを有し、
    前記静止側壁部は、前記鉛直方向下方位置で前記転動ベアリングと軸方向に対向する第1の壁面を備えると共に、前記第1の壁面に連続して形成され、前記軸状回転部材と径方向に対向する第2の壁面を備え、
    記静止側ケース内の前記鉛直方向下方位置で前記オイルシールの軸方向端面側と前記筒状回転部材と前記軸状回転部材と前記第2の壁面との間に油溜まり空間部が形成され、
    前記油溜まり空間部は前記静止側壁部を有さない鉛直方向上方位置で前記転動ベアリングを軸方向に開放する開放部分を備え
    前記静止側ケースに前記転動ベアリングの外周側を通過し前記油溜まり空間部へ前記オイルを導入する第1のオイル溝が形成され、
    前記筒状部材の端部または前記軸状回転部材の外周面に形成され前記油溜まり空間部から前記所定隙間へオイルを導入する第2のオイル溝が形成されていることを特徴とする駆動力伝達装置の潤滑構造。
  2. 請求項1記載の駆動力伝達装置の潤滑構造であって、前記静止側壁部の内径が前記オイルシールの外径とほぼ等しい径に設定されていることを特徴とする駆動力伝達装置の潤滑構造。
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