JP2017110238A - 疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材及びその製造方法 - Google Patents

疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】再結晶化が起こりにくく、切削性および疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】Si:0.8〜2.0質量%、Mg:0.7〜1.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Fe: ≦ 0.20質量%、Mn:0.2〜0.8質量%、Cr:0.1〜0.4質量%、Mn+Cr:0.3〜0.9質量%、残部がAlと不可避的不純物からなり、さらにMgとSi量が、Mg/1.73+0.2 ≦ Si ≦ Mg/1.73+1.6、の関係式を満たす成分組成を有しており、金属組織がファイバー組織であることを特徴とする疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材及びその製造方法に関する。
近年、環境保護の観点から従来の内燃機関を使用した自動車の代わりとして、水素を燃料として、燃料電池で発電して電動機を駆動する電気自動車が研究されている。その一環として、水素貯蔵用容器やその容器に付属するバルブ、口金、配管等を始めとする種々の部材の研究も行われている。
特許文献1には、Siを3質量%添加し切削性を高めた水素経路用Al−Si−Mg系アルミニウム合金が提案されている。
特開2014−201820号公報
特許文献1の発明合金は、水素ガスの高圧に耐えられるように、金属組織を押出加工組織であるファイバー組織としている。しかし、押出加工において形成させたファイバー組織が、その後の熱処理時に再結晶化がおこり、再結晶組織となり強度が低下し、目的とする強度(耐力380Mpa以上)を得ることができない場合があった。特に、押出材の肉厚部において、押出材表面と中央部の温度差が大きくなりやすく、この再結晶化が起こりやすかった。
そこで、本発明では再結晶化が起こりにくく、切削性および疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材を提供することを目的とした。
本発明の発明者は、鋭意研究を重ねた結果、Siを3質量%添加した場合、添加したSiの一部が共晶Siとして晶出し、晶出したSi粒子が、再結晶組織の核となり、再結晶化を起こりやすくすることを見出した。すなわち、Siの含有量を減らすことにより、再結晶化を起こりにくくすることができることがわかった。しかし、Siは切削性の向上および強度向上に寄与するので、単純にその含有量を減らすと切削性低下および強度の低減につながる。そこで、本願発明者等は、Si含有量を低下させながら、切削性の低下および強度の低下を抑制する方法を検討した。
本発明によれば、Si:0.8〜2.0質量%、Mg:0.7〜1.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Fe: ≦ 0.20質量%、Mn:0.2〜0.8質量%、Cr:0.1〜0.4質量%、Mn+Cr:0.3〜0.9質量%、残部がAlと不可避的不純物からなり、さらにMgとSi量が、Mg/1.73+0.2 ≦ Si ≦ Mg/1.73+1.6、の関係式を満たす成分組成を有しており、金属組織がファイバー組織であることを特徴とする疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材が提供される。
本発明によれば、上記の組成を有するアルミニウム合金鋳塊を、520〜580℃で2〜12時間保持する均質化処理を施し、その後、押出ダイスからでてきた直後の温度が500℃以上となるように熱間押出加工を行い、冷却速度50℃/min以上の冷却速度で300℃以下まで冷却し、500〜560℃で1〜4時間保持する溶体化処理および水焼き入れを行い、150〜200℃で4〜12時間保持する時効処理を行う、ことを特徴とする疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材の製造方法が提供される。
本発明によれば、再結晶化が起こりにくく、切削性および疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材及びその製造方法が提供される。
実施例に係る合金の断面のマクロ組織の写真である。 実施例に係る合金のマクロ組織の写真である。
以下に、本発明の実施形態を説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定されないことは自明である。
本実施形態に係る疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材は、Si:0.8〜2.0質量%、Mg:0.7〜1.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Fe: ≦ 0.20質量%、Mn:0.2〜0.8質量%、Cr:0.1〜0.4質量%、Mn+Cr:0.3〜0.9質量%、残部がAlと不可避的不純物からなり、さらにMgとSi量が、Mg/1.73+0.2 ≦ Si ≦ Mg/1.73+1.6、の関係式を満たす成分組成を有しており、金属組織がファイバー組織であることを特徴とする。
[Si:シリコン]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、Siの含有量が、0.8〜2.0質量%であることが好ましい。
Siは、共晶Siとして晶出し、切粉分断性や耐摩耗性の向上に寄与する。また、時効処理を行うことで、MgとともにMg‐Si系析出物を形成し、機械的強度の向上に寄与する。また、この効果は、Siの含有量が0.8質量%以上で顕著となる。Siの含有量が2.0質量%を超えるとSiが再結晶組織の核となり、再結晶化が起こりやすくなる。
[Mg:マグネシウム]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、Mgの含有量が0.7〜1.0質量%であることが好ましい。
Mgは、SiとともにMg‐Si系析出物を形成し、機械的強度の向上に寄与する。この効果は、Mgの含有量が0.7質量%以上で顕著となる。Mgの含有量が1.0質量%を超えると変形抵抗が大きくなり、押出性が低下する。
[Mg/Si比]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、MgとSiが、「Mg/1.73+0.2 ≦ Si ≦ Mg/1.73+1.6」との関係を満たすことが好ましい。
MgとSiは、前述したように、時効処理を行うとMg‐Si系析出物を形成し、機械的強度を向上させるが、Si量が、Mg/1.73+0.2未満だと、Mg‐Si系析出物の形成に使用されなかった過剰なMgが鋳塊の変形抵抗を高め、押出性を低下させる。Si量が、Mg/1.73+0.2以上であると、Mg‐Si系析出物が十分に形成され、さらにMgと析出物を形成しなかったSiが、共晶Siとして、機械的強度の向上に寄与する。
Si量が、Mg/1.73+1.6を超えると、共晶Siが再結晶組織の核となり、押出加工や溶体化処理の際に再結晶化しやすくなる。すなわち、押出材の加工組織であるファイバー組織は、再結晶温度以上に保持されると再結晶化が進み軟化する。そのため再結晶化を抑制し、押出材のファイバー組織を維持するためには、溶体化処理温度の保持時間をできるだけ短くする必要がある。Si量が、Mg/1.73+1.6を超える押出材の場合、Mg‐Si系化合物を形成しない共晶Siが多くなり、再結晶の核となり、短時間で再結晶化が進みやすくなるので、溶体化処理時間をより短くする必要がある。しかし溶体化処理時間を短くすると溶体化が不十分となる虞や、また肉厚部を有する押出材の場合、肉厚部が溶体化されるまでに、その他の部分で再結晶化が進行する虞があった。しかしSi量を、Mg/1.73+1.6以下とすると、溶体化処理の際の保持時間を長くでき、均一な溶体化が可能となる。Si量は、より好ましくは、Mg/1.73+0.7以下である。
[Cu:銅]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、Cuの含有量が0.3〜1.0質量%であることが好ましい。
Cuは、強度を高める効果があり、Cuの含有量が0.3質量%未満では、十分な効果を得ることができない。Cuの含有量が1.0質量%を超えると、粒界に析出する量が増えて粒内との電位差が大きくなり、耐粒界腐食性が低下する。
[Fe:鉄]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、Feの含有量が、Fe ≦ 0.20質量%であることが好ましい。
Feは、不可避的に混入する不純物であるが、機械的強度を向上させる作用を有する。しかし、Feの含有量が0.20%を超えて含有すると破壊の起点となる虞のある針状のAl‐Fe‐Si系化合物を形成する。
[Mn:マンガン]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、Mnの含有量が、0.2〜0.8質量%であることが好ましい。
Mnは、ピン止め効果を有するMn系晶出物を形成し、再結晶組織を抑制する作用を有する。この効果はMnの含有量が0.2%以上で顕著となり、Mnの含有量が0.8質量%を超えて含有すると破壊の起点となる粗大なMn系晶出物を形成する虞がある。またMnには、破壊の起点となる虞のある針状のAl‐Fe‐Si系化合物を粒状にする作用もある。
[Cr:クロム]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、Crの含有量が、0.1〜0.4質量%であることが好ましい。
Crは、ピン止め効果を有するCr系晶出物を形成し、再結晶組織を抑制する作用を有する。この効果はCrの含有量が0.1%以上で顕著となり、Crの含有量が0.4質量%を超えて含有すると破壊の起点となる粗大なCr系晶出物を形成する虞がある。
[Mn+Cr]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、MnとCrの合計の含有量が、0.3〜0.9質量%であることが好ましい。
Mn、Crは、いずれも強度を高める成分であり、再結晶の抑制及び結晶粒の微細化の効果もあり、両者のいずれも添加する必要がある。その合計量は、0.3〜0.8質量%であり、MnとCrの合計の含有量が0.3質量%未満では、粗粒化し、機械的特性が低下する。MnとCrの合計の含有量が0.8質量%を超えると、粗大な晶出物が形成されて、これを起点とする破壊が生じやすくなり、機械的特性が低下し、加工性も低下する。
[ファイバー組織]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材では、押出加工を行うと鋳造組織の結晶粒が、押出方向に引き伸ばされ、繊維状のいわゆるファイバー組織となる。このファイバー組織は加工下部組織を有し、機械的強度が高い金属組織であるとともに対応力腐食割れ性に優れ、さらに水素の進行を抑制し、水素脆性を抑制する効果もあるが、押出加工後溶体化処理を行った際に、加工ひずみを駆動力として、再結晶組織となる場合がある。この再結晶組織となると機械的強度が低くなるので、ファイバー組織を維持する。
次に、他の実施形態として、疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材の製造方法について説明する。
本実施形態に係る疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材の製造方法では、Si:0.8〜2.0質量%、Mg:0.7〜1.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Fe: ≦ 0.20質量%、Mn:0.2〜0.8質量%、Cr:0.1〜0.4質量%、Mn+Cr:0.3〜0.9質量%、残部がAlと不可避的不純物からなり、さらにMgとSi量が、Mg/1.73+0.2 ≦ Si ≦ Mg/1.73+1.6、の関係式を満たす成分組成を有するアルミニウム合金鋳塊を、520〜580℃で2〜12時間保持する均質化処理を施し、その後、押出ダイスからでてきた直後の温度が500℃以上となるように熱間押出加工を行い、冷却速度50℃/min以上の冷却速度で300℃以下まで冷却し、500〜560℃で1〜4時間保持する溶体化処理および水焼き入れを行い、150〜200℃で4〜12時間保持する時効処理を行う、ことを特徴とする。
[製造条件]
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材の製造方法では、均質化処理が520〜580℃で2〜12時間施されることが好ましい。
均質化処理を行うことにより、鋳造組織を均質化させる。均質化処理の条件が520℃未満あるいは、2時間未満では、均質化が不十分であり、580℃を超えると局部溶融がおこる虞がある。12時間を超えて均質化処理しても、効果の増大が期待できず、コストが掛かるので、12時間以下とすることが好ましい。
なお、均質化処理温度から常温まで冷却させる際の冷却速度が遅いと均質化処理の際に固溶させたMg‐Si系化合物が不均一に析出し、押出加工性を悪化させる虞があるので、冷却速度は速い方が好ましい。特に好ましい冷却速度は、200℃/時間以上である。
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材の製造方法では、押出ダイスからでてきた直後の温度が、500℃以上になるように熱間押出加工を行いうことが好ましい。また、冷却速度 50℃/min以上の冷却速度で300度以下まで冷却することが好ましい。
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材の製造方法では、500〜560℃で1〜4時間保持する溶体化処理の後、水焼き入れを行うことが好ましい。
溶体化処理は、Mg‐Si系析出物を母相中に再固溶させる処理であるが、溶体化処理の条件が、500℃未満や1時間未満では、再固溶が十分でなく、次工程の時効処理におけるMg‐Si系化合物の析出が十分でなく、十分な機械的強度をえることができない。
また本実施形態に係るアルミニウム合金押出材の合金組成においては、Si量をMg/1.73+1.6以下に抑えているので、1時間以上の溶体化処理を行っても再結晶化が起こりにくいという利点がある。また、4時間を超えて保持してもそれ以上の効果の増加は見込めず、製造コストが高くなる。また、560℃を超えて溶体化処理を行うと局部溶融が起こる虞がある。
本実施形態に係るアルミニウム合金押出材の製造方法では、150〜200℃で4〜12時間の条件の時効処理を行うことにより、母相中に固溶していたMg、Si、Cuが、
Mg‐Si系化合物、Al‐Cu系化合物として析出し、強度の向上に寄与する。
時効処理の条件が150℃未満や4時間未満では、析出量が少なく十分な強度を得ることができない。時効処理200℃を超えたり、12時間を超えたりすると析出物が粗大化し、機械的強度が低下する虞がある。
上記の実施形態に係る切削加工用アルミニウム合金押出材は、特に肉厚の厚い押出材に適している。また、耐水素脆性にも優れているので、高圧水素容器用のバルブハウジング等に適している。切削加工用アルミニウム合金押出材とは、押出加工後に所定の形状に切削加工が施される押出材のことを意味し、特にドリル加工を施されるものに適している。
以下に、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す組成のアルミニウム合金をDC鋳造法にて鋳造し、φ254mmのビレット(鋳塊)を得た。その後、次の製造条件で押出材を得た。
(均質化処理)
560℃×8時間
冷却速度200℃/時間
(押出条件)
ビレット温度 520℃
押出速度 4m/min
ダイス出口温度 500〜540℃
押出材形状 幅77mm 高さ43mm 角棒状
押出材冷却速度 >50℃/min(ファン空冷)
(溶体化処理)
540℃×2時間
冷却速度 >1000℃/S(水焼き入れ)
(時効処理)
170℃×12時間
上記の条件で得られた押出材(実施例1−5及び比較例1−7)に対して、「引張試験」「耐蝕性試験」「疲労強度試験」「切削性試験(切粉分断性、切削加工面の粗さ)」、「金属組織観察」を行った。その結果を表1及び2に示す
各試験の条件は以下の通りである。
(引張試験条件)
JIS−14A試験片 室温引張試験
(切削性試験条件)
φ6mm−HSSドリル;回転2000rpm; 送り0.08mm/rev; 穴深さ15mm
(耐蝕性試験条件)
JASO M609−1 CCT複合サイクル試験を選定し実施した。試験期間は90サイクルで各3枚実施。評価面寸法は幅90mm,長さ140mmとした。試験終了後は、リン酸クロム酸水溶液で10分間煮沸し、腐食生成物を除去した。
[CCT複合サイクル試験条件]
塩水噴霧:35℃ 90%RH 2h 5%NaCl 乾燥:60℃ 30%RH 4h 湿潤:50℃ 95%RH 2h
[腐食減量測定]
腐食生成物除去後の供試材の重量を測定し,腐食減量を求めた。
(疲労強度試験)
JIS−1−8疲労試験片で、回転曲げ疲労試験で10^7以上割れ無の応力振幅が疲労強度とした。
(金属組織観察条件)
鏡面研磨後、無水タッカ液でエッチング、マクロ組織観察した。
表2の結果からわかるように、本発明に係る実施例1から5では、全ての試験において好ましい結果が得られた。
金属組織の観察においては、再結晶が起こっていない実施例では、ファイバー状の組織が観察された(図1(b)及び図2(b))。一方、再結晶化の進んだ組織は、図1(a)及び図2(a)に示すように、パンケーキ状の組織となった。これは、表1等の結果からMg/Si比が影響していることがわかる。
比較例1では、再結晶化しやすく、その結果強度が得られず、被切削物の表面粗さも粗いことがわかる。これは、Si量が多いためであると考えられる。
また、比較例2では、切粉分断性が悪い。またMn、Cr量が少ないため再結晶化し、十分な強度も得られていないことがわかる。これは、Si量が少ないためであると考えられる。
比較例3では、再結晶化しやすく、その結果強度が得られないことがわかる。これは、Si量が多いためであると考えられる。
比較例4では、析出強化が不十分で、十分な強度が得られないことがわかる。これは、Mg量が少ないためであると考えられる。
比較例5では、押出性が悪いことがわかる。これは、Mg量が多いためであると考えられる。
比較例6では、固溶強化、析出強化が不十分で十分な強度を得ることができないことがわかる。これは、Cu量が少ないためであると考えられる。比較例7では、耐食性が悪いことがわかる。これは、Cu量が多いためであると考えられる。

Claims (2)

  1. Si:0.8〜2.0質量%
    Mg:0.7〜1.0質量%
    Cu:0.3〜1.0質量%
    Fe: ≦ 0.20質量%
    Mn:0.2〜0.8質量%
    Cr:0.1〜0.4質量%
    Mn+Cr:0.3〜0.9質量%
    残部がAlと不可避的不純物からなり、さらにMgとSi量が
    Mg/1.73+0.2 ≦ Si ≦ Mg/1.73+1.6
    の関係式を満たす成分組成を有しており、
    金属組織がファイバー組織であることを特徴とする疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材。
  2. 請求項1記載の組成を有するアルミニウム合金鋳塊を、
    520〜580℃で2〜12時間保持する均質化処理を施し、その後、
    押出ダイスから出てきた直後の温度が500℃以上となるように熱間押出加工を行い、
    冷却速度50℃/min以上の冷却速度で300℃以下まで冷却し、
    500〜560℃で1〜4時間保持する溶体化処理および水焼き入れを行い、
    150〜200℃で4〜12時間保持する時効処理を行う、
    ことを特徴とする疲労強度特性に優れた切削加工用アルミニウム合金押出材の製造方法。
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