JP2017110207A - 樹脂組成物、その製造方法及び光学機器 - Google Patents

樹脂組成物、その製造方法及び光学機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度の炭素繊維を配合しなくても高い導電性及び電界シールド性を有する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】樹脂と炭素繊維と導電性液体とを含有する樹脂組成物であって、前記樹脂の含有量が47〜94.9質量%、前記炭素繊維の含有量が5〜50質量%、前記導電性液体の含有量が0.1〜3質量%であり、該炭素繊維表面のSEM−EDSにより測定される導電性液体に含有される元素の濃度が、樹脂中に含まれる該元素の濃度の1.3倍以上であることを特徴する樹脂組成物。
【選択図】図4

Description

本発明は、樹脂組成物及びその製造方法に関し、特に、高い導電性を利用した電界シールド体として、また、デジタル一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の各種の電子・電気機器の筐体として有用な導電性炭素繊維樹脂組成物に関する。
従来、炭素繊維樹脂組成物は製品の誤動作を防止するための電界シールド特性及び帯電防止特性と軽量化を両立する目的でデジタル一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等に広く使用されている。
特許文献1は、電界シールド特性を有するようにした炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP:Carbon Fiber Reinforcd Thermoplastics)を開示している。
炭素繊維はその高い導電性から、熱可塑性樹脂に炭素繊維を大量に混合することで、熱可塑性樹脂が導電化し、導電効果により、電界シールド性及び帯電防止特性を有するようになる。
炭素繊維の混合量を減らすため、特許文献2は、炭素繊維表面にメッキを行うことを開示している。また、特許文献2は、炭素繊維の混合量を減らすために、炭素繊維樹脂組成物に分散剤を混合することを開示している。
特開平6−9819号公報 特開昭59−106571号公報
しかし、炭素繊維は大量に配合すると熱可塑性樹脂の流動性が悪化し、射出成形を行ったときなどカメラ等の精密部品の金型の狭い部分に流れ込みにくくなり、成形不良を起こしたりすることがあったり、高価な炭素繊維を大量に用いることで、製品が高コストになってしまうことがあった。
また炭素繊維表面にメッキを行うと炭素繊維の添加量を減らしても電磁シールド特性を実現することができるものの、炭素繊維とメッキの密着性がそもそも悪いため、成形品の強度、例えば引張り弾性率などが悪化してしまうことがあったり、そもそも炭素繊維表面にメッキ処理を行うと多数の工程が必要となるため、製品が高コストになってしまうことがあった。さらには炭素繊維の添加量そのものが少なくなることで電気抵抗値が高くなり帯電防止性に劣ることがあった。
本発明は、前述の課題を解決し、大量の炭素繊維を混合しなくても高導電化が可能、すなわち高い電界シールド性の実現が可能である樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明の樹脂組成物は、樹脂と炭素繊維と導電性液体とを含有する樹脂組成物であって、前記樹脂の含有量が47〜94.9質量%、前記炭素繊維の含有量が5〜50質量%、前記の導電性液体含有量が0.1〜3質量%であることを特徴する。
また、本発明の樹脂組成物の製造方法は、樹脂と炭素繊維と導電性液体とを含有する樹脂組成物の製造方法であって、前記導電性液体で前記炭素繊維を処理する工程と、前記導電性液体で処理した前記炭素繊維を前記樹脂と混合する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、大量の炭素繊維を混合しなくても高い導電性と電界シールド性を実現することができるので、精密部品の金型に射出成形しても精密な型の転写性を有し、さらには高い成形品の強度を実現することができる。
炭素繊維が少ない場合の炭素繊維と樹脂の混合状態の概略を示す図である。 炭素繊維が多い場合の炭素繊維と樹脂の混合状態の概略を示す図である。 炭素繊維と樹脂組成物の導電経路の概略を示す図である。 炭素繊維と液体状導電剤と樹脂組成物の導電経路の概略を示す図である。 実施例1のサンプルのSEM−EDS分析の結果を示す図である。 炭素繊維マスターバッチを製造する製造装置の概略を示す図である。 射出成形装置及び金型及び成形物の概略を示す図である。
本発明の樹脂組成物は、樹脂と炭素繊維と導電性液体とを含有する樹脂組成物であって、前記樹脂を47〜94.9質量%、前記炭素繊維を5〜50質量%、前記導電性液体を0.1〜3質量%含有させたものであり、このことで、少ない炭素繊維含有量であっても高い導電性を実現することができ、また、高い電界シールド性と帯電防止性を実現することができる。
以下に本発明の説明を行う。
図1は樹脂に炭素繊維101を配合したときの模式図である。炭素繊維101による樹脂102の導電性は炭素繊維101どうしの接触により発現する。炭素繊維101どうしが接触しない場合には導電性が発現しないため、通常は図2のように所望の導電性を実現するために大量の炭素繊維101を配合する必要がある。これは炭素繊維101を混合している樹脂102が絶縁物(1010Ω・cm程度以上)であるためで、炭素繊維101どうしが接触しない限りは導電性を発現しない。接触機会を向上させるには、添加量を増やすことが図2のように一般に行われている。
本発明者はこの炭素繊維どうしの接触について注目した。炭素繊維の量を増やさなくても炭素繊維どうしの接触を増やすことができれば導電性が向上できると考えたのである。
接触を増やすためには、絶縁物を取り除く、絶縁物を無くすことが必要であるが、絶縁物である樹脂をカーボンブラック等で導電化することも考えられるが、そもそも炭素繊維にカーボンブラックを大量に混合すると強度が低下してしまう。
そこで、本発明者は炭素繊維近接部分(未接触部分)のみに局所的に導電性を付与することができれば、炭素繊維の接触を増やすのと同じ効果が得られると考えた。
局所的に導電性を発現させる方法として、導電剤で炭素繊維表面を処理する方法が考えられたが、炭素繊維表面に導電性粒子を付着させることは困難である。また導電性樹脂を炭素繊維(直径が7μm程度)に処理することも困難である。
そこで、炭素繊維表面に処理すべき導電剤を検討した結果、液体状の導電剤(導電性液体)を用いて処理することで炭素繊維の接触を増やすのと同じ効果が得られることを見出したのである。
これは液体状導電剤で処理していない状態(図3)では炭素繊維101どうしが近接している部分103は実質的に接触していないため、電流が電流入口105から矢印の方向に流れようとしても絶縁体である樹脂102が炭素繊維間に存在するので106まで達することができずに結果として電流が流れない状態になるが、図4のように液体状導電剤104で炭素繊維101の表面を処理すると炭素繊維どうしが近接している部分103に液体状導電剤104が存在することで、絶縁状態とはならず、電流入口105から矢印の方向に流れようとしたときに電流出口106まで達することができるようになる。また、導電体が液体なので成形時に自由に動くことができるため、例えば射出成形のような樹脂が大きく流動するような状態であっても炭素繊維に追従することができる。そのため導電剤は液体状が好ましい。
液体状導電剤はイオン性の導電機構を有するイオン導電性の液体が有効である。イオン性の導電機構は形状に左右されることがなく常に一定の導電性を実現することができるからである。
液体状導電剤が導電性粒子を分散した分散液である場合、樹脂の流動によって粒子同士が解離してしまい、結局、炭素繊維の接触と同じ導電機構であるため、導電性が変化してしまい好ましくない。
また、液体でないイオン導電樹脂等を混合した場合は、炭素繊維表面に対して処理することができず、また、射出成形時の炭素繊維に対する追従性がないため、本発明の効果は発現しない。
本発明に用いられる液体状導電剤としては、0℃以上40℃以下の温度域の少なくとも一部において液体状であるものを好適に用いることができる。
本発明の液体とはJIS Z8803に基づいて測定した粘度が1500mm/s以下の粘度を有する液体である。
1500mm/sを超える粘度であった場合、樹脂中の流動性を確保することができず、炭素繊維の追従性もなくなるため、本発明の効果は得られない。
本発明に用いられる導電性液体は0.1〜3質量%が好ましい。
導電性液体が0.1質量%未満である場合、絶縁体である樹脂102の間に導電性液体が十分に存在できず、本発明の効果が得られにくいためである。
また、導電性液体が3質量%を超える場合、液体であるために、製品表面に析出する場合があり、成形時に金型汚染等が発生する場合があるからである。
また、導電性液体のより好ましい範囲としては0.3〜2質量%が好ましい。
この範囲であれば、本発明の効果が得られ、かつ、金型汚染等のリスクがより低減するからである。
本発明に用いられる導電性液体は導電性粒子を使用しない液体であれば何でも良いが、作業性等が良いイオン導電性の液体が好ましい。
イオン導電性の液体は、イオン解離したときにイオン導電性を有する塩と塩を溶解する溶媒の混合物、もしくは0℃以上40℃以下の温度域の少なくとも一部においてイオン解離している物質、すなわちイオン液体などが用いられる。
イオン解離したときにイオン導電性を有する塩としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、過塩素酸リチウムなどがあるが、樹脂に混合するため、塩の耐熱性が高いパーフルオロ化合物とりわけスルホン酸塩、アミドイミドなどが好ましい。
スルホン酸塩としては、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸カリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムなどがある。
アミドイミドとしては、カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、カリウムN,N−ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、カリウムN,N−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルイミドなどがある。
塩を溶解する溶媒としては特に制限はないが、ポリエチレングリコールが好ましい。ポリエチレングリコールは分子量が高くなるにつれて0℃以上40℃以下の温度域の少なくとも一部において液体状態を保つことができなくなるため、用途に応じて適切な分子量を選択する。分子量が約600のものの場合、たとえば25℃で150mm/sの粘度を有する液体であるため本発明の効果を得ることができる。
イオン液体としてはトリ−n−ブチルメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイトなどがあり、使用する樹脂の使用温度に応じて選定することができる。
これらの導電性液体が炭素繊維表面に存在していることを確認する方法としては、SEM−EDSによるマッピング法などがある。このマッピング法により樹脂部分と炭素繊維表面にそれぞれ導電性液体がどのような比率で存在するか確認できる。本発明においては導電性液体に存在する原子が樹脂に存在する原子と異なるものについて分析を行い存在量比率を算出する。例えば、図5の写真は実施例1のSEM−EDS分析の結果であるが、樹脂はポリカーボネートなので元素としてS(硫黄)を含まないが、導電性液体にはSが含まれるため、原子のマッピングを行うことで、樹脂部分と炭素繊維表面の濃度比較が可能である。この場合では炭素繊維表面から500nmの周囲のS濃度と樹脂中の濃度を比較して、炭素繊維表面のS濃度が樹脂中の1.5倍であったので、炭素繊維表面に導電性液体が存在していると判断する。判断濃度としては、樹脂中濃度より炭素繊維表面の濃度が高ければ効果が発現するものの、1.3倍以上が好ましい。
本発明の樹脂は、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。本発明に使用される熱可塑性樹脂としては特に制限はないが、例えばポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンやポリプロピレン及びポリブタジエン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)樹脂及びエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及び変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
また、上記熱可塑性樹脂に用途に応じて熱可塑性エラストマーを配合しても良い。熱可塑性エラストマーとしては特に制限はないが、例えばポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素ポリマー系エラストマーなどが挙げられるがこれに限らない。また、熱可塑性エラストマーで導電性を付与する場合にはポリエーテルエステルアミドやその混合物、ポリエーテルエステルなどが挙げられるがこれに限らない。
本発明に用いられる炭素繊維としては出発原料の違いにより、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系と、コールタールピッチや石油ピッチを原料とするピッチ系に分類され、さらに、ピッチ系炭素繊維は紡糸に供するピッチの結晶状態により、メソフェーズピッチ系と等方性ピッチ系に分類され、用途に応じて選択することができる。
本発明に用いられる炭素繊維は5〜50質量%が好ましい。
炭素繊維が5質量%未満である場合、炭素繊維の添加量が少ないため、導電性を十分に発揮することができず、本発明の効果が得られにくいためである。
また、炭素繊維が50質量%を超える場合、炭素繊維の添加量が多すぎて樹脂流動性が不十分となり、成形性が悪化する場合があるからである。
また、炭素繊維のより好ましい範囲としては10〜30質量%が好ましい。
この範囲であれば、本発明の効果が得られ、かつ流動性の悪化が少ないため、成形性が良好となるためである。
本発明に用いられる炭素繊維はサイジング剤(結束剤)で予め表面処理されているものを使用することができる。結束剤としては、エポキシ系、ポリエーテル系、ウレタン系などがあるが用途に応じて選択することができる。
液体状導電剤は結束剤の上から処理を行っても本発明の効果を得ることができる。液体状導電剤はイオン状態であれば、非常に分子量が小さく結束剤の間を通り炭素繊維表面に達することができる。
液体状導電剤(導電性液体)で炭素繊維を処理する方法としては、浸漬法やスプレー法などを選択することができるが、これに限らない。
浸漬法は炭素繊維と樹脂を成形する直前に浸漬槽に炭素繊維を浸漬させながら樹脂混合物を成形する方法である。この方法は浸漬槽の重量変化と炭素繊維重量変化を簡易に測定することができるので、炭素繊維表面に導電性液体を処理する処理量の管理をすることが容易である。
スプレー法は、強い圧力をかけることが可能であるため、炭素繊維表面に、より導電性液体が含浸しやすくなる。但し、スプレーは吐出した液体状導電剤が全て炭素繊維表面に付着することはないので、付着ロスした液体状導電剤の量を正確に測定することが浸漬法よりは難しい。
本発明の樹脂組成物は、液体状導電剤(導電性液体)で処理した炭素繊維を樹脂と混合して製造することができる。かかる樹脂組成物を製造する方法としては、2軸押出し法、単軸押し出し法、電線被覆法などの各種押し出し機を用いて混練・成形する方法や、ニーダー、バンバリーミキサーなどの各種ミキサーによる方法、2本ロール、3本ロールミルなどの各種ロールミルを用いて混練・成形する方法、LFT−D法、引き抜き成形法、などあるがこれに限らない。
射出成形に適応させるには、炭素繊維樹脂組成物がペレット状であることが望ましいため、2軸押出し法や電線被覆法で線状の成形物を成形したのちストランドカッター等でペレット化する。
本発明の樹脂組成物には炭素繊維及び液体状導電剤以外に各種添加剤を添加することができる。各種添加剤としては、フィラー、分散剤、酸化防止剤、耐候剤、分解防止剤など、樹脂に用いられる各種添加剤がある。
添加されるフィラーとしては特に制限はないが、例えば無機系のフィラーとしては、雲母、ガラス繊維、ガラス球、クリオライト、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー類、タルク、シリカ、ウォラストナイト、ゼオライト、けい藻土、けい砂、軽石粉、スレート粉、アルミナ、アルミナホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデンなどがあるがこれに限らない。
また、有機系フィラーとしては、四フッ化エチレン樹脂粒子、三フッ化塩化エチレン樹脂粒子、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂粒子、フッ化ビニル樹脂粒子、フッ化ビニリデン樹脂粒子、二フッ化二塩化エチレン樹脂粒子及びそれらの共重合体、フッ化炭素、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子などのシリコーン系の化合物ゴム粉末、エボナイト粉末、セラミック、木粉、ココナッツやし殻粉、コルク粉末、セルロースパウダー、木材パルプなどの中から1種あるいはそれ以上が適宜選択されるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物は、高い電解シールド性を有するだけでなく、電気抵抗値が低く帯電防止性能に優れているので光学機器の外装部品を構成する材料として好適に用いることができる。光学機器としては、望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡、カメラ、内視鏡等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例、比較例においては、下記の項目について測定評価を行った。
<電気抵抗値>
測定装置は、抵抗計にロレスタGP MCP−T610型(三菱化学アナリテック社製、JIS−K7194準拠)を、そして電極に直列4探針プローブ(ASP)を使用する。測定条件は印加電圧10Vで任意の5点を測定し、その平均値を測定データとする。また、測定環境は25℃±3℃、相対湿度55±5%とする。
サンプルは次のように作製する。まず、射出成形機(住友重機械工業製)SE180D、可塑化装置C360を用いて、射出成形する。成形温度は使用する樹脂によって異なるが例えばポリカーボネート樹脂の場合は310℃程度が好ましい。
電気抵抗測定及び電界シールド測定用のサンプル形状としては150mm×150mm×2mmの平板形状とする。
電気抵抗値は、帯電防止特性を十分に発揮できる以下の基準で評価した。
○:9.50E−2Ω・cm以下
×:9.50E−2Ω・cmを超えるもの
<電界シールド>
電界シールド測定は、上記電気抵抗値の測定・評価で使用したサンプルと同じものを用いて、KEC(一般社団法人KEC関西電子工業振興センター)法によって行う。また、測定環境は25℃±3℃、相対湿度55±5%とする。
電界シールドは、以下の基準で評価した。
○:45dB以上(300MHz)
×:45dB未満(300MHz)
<ヤング率>
樹脂混合物を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ用いられる樹脂に適した乾燥温度で乾燥したのち、設定温度を樹脂に適した温度に設定したのち、ダンベル状1号型(厚み2mm)の金型で射出成形することにより、ダンベル形状サンプルを作製する。このサンプルをインストロン社の製品名5581を用い、引張り速度10mm/minで測定した。
ヤング率は、以下の基準で評価した。
○:2500MPa以上
×:2500MPa未満
<金型転写性評価>
上記電気抵抗値及び電界シールドの測定・評価で使用したサンプルを射出成形機で所定の形状に成形可能であったものを「○」、成形できなかったものを「×」とした。
<総合評価>
上記各項目が全て「○」であったものを総合評価「○」、一つでも「×」があったものを総合評価「×」とした。
(実施例1)
<液体状導電剤の作製>
ポリエチレングリコール 70質量%
カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(三菱マテリアル製 EF−N112) 30質量%
上記の材料を撹拌しながら均一に混合し、導電性液体とした。この液体の導電性をデジタルマルチメーターFLUKE 87 V(Fluke Corporation製)で測定したところ25℃のとき4.8×10Ωであった。これを液体状導電剤1とした。この液体の粘度は25℃のとき160mm/sであった。
<成形用樹脂>
樹脂としてポリカーボネート樹脂(出光興産 A1700)を用い、これをポリカーボネート樹脂1とする。
<炭素繊維>
パイロフィル TRH50 60M RJ 2500m巻き フィラメント径6μm フィラメント数60000 (三菱レイヨン製)これを炭素繊維1とする。
<炭素繊維マスターバッチの作成>
図6に示される単軸押出し機201に電線被覆用のクロスヘッドダイ203を取りつけ、ボビン状に巻かれた炭素繊維111を浸漬槽204に浸漬し、浸漬後余分な液体状導電剤を除去パッド205により除去したのち、炭素繊維予備加熱槽206で300℃まで温度を上昇させた。そののちクロスヘッドダイ203に運ばれ、ホッパー202に投入され、単軸押出し機201で溶融されたポリカーボネートで被覆させた。ポリカーボネートで被覆された炭素繊維樹脂組成物のストランド121はベルト搬送装置207により一定速度で搬送されたのち、ストランドカッター208で長さ3mmにカットされ、マスターバッチ122が得られた。このときの液体状導電剤(1)の質量減と炭素繊維ボビンの質量減とポリカーボネートの質量減を測定したところ、それぞれの配合比率は以下であった。ポリカーボネート1 54.1質量%
炭素繊維1 45.0質量%
液体状導電剤1 0.9質量%
このマスターバッチをマスターバッチ(A)とする。
次に、以下の配合比でマスターバッチ(A)とポリカーボネート1を混合した。
マスターバッチ(A) 44.44質量%
ポリカーボネート1 55.56質量%
この混合物を樹脂混合物(A)とする。この樹脂混合物(A)の配合比率は
ポリカーボネート1 79.6質量%
炭素繊維1 20.0質量%
液体状導電剤1 0.4質量%
となった。
この樹脂混合物(A)を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ120℃で6時間乾燥した後投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板304を作製した。このときの射出成形の金型302及び303の温度は80℃とした。このときの射出成形圧力は40MPaであり樹脂混合物の流動性は高いものであり、金型転写性は良好であった。
<サンプル測定結果>
表1に示す。比較例1(後述)の炭素繊維同一配合量のものに比べて導電性、電界シールド性ともに優れた結果であった。導電性については、液体状導電剤の電気抵抗値が炭素繊維よりも高いにもかかわらず、比較例1の液体状導電剤が未処理のものより大幅に低下していることから、液体状導電剤そのものを添加したことによる抵抗低下ではなく、炭素繊維どうしの接触抵抗を低減したためと考えられる。電界シールド性については300MHz時に8.2dBも高く、電界シールド特性を比較例1と同じレベルにした場合、平板の厚みを65%減らすことができることがわかった。
また、ヤング率も2720MPaと非常に高いものであった。
<SEM−EDSによる液体状導電剤の分布結果>
樹脂中の硫黄(S)濃度に対する炭素繊維表面の硫黄(S)濃度の比率を表1に示す。
本発明で得られた樹脂組成物は、炭素繊維を大量に混合することなく電気抵抗値を下げ、電界シールド性を向上させることができた。
(実施例2)
<液体状導電剤>
トリ−n−ブチルメチルアンモニウム ビストリフルオロメタンスルホンイミド(3M製 FC−4400)を使用した。この物質は25℃で液体の特性を有する塩であり、いわゆるイオン液体である。この液体の導電性をFLUKE 87 Vで25℃で測定したところ3.0×10Ωであった。これを液体状導電剤2とした。この液体の粘度は25℃のとき531mm/sであった。
<成形用樹脂>
樹脂としてポリカーボネート樹脂(出光興産 A1700)を用い、これをポリカーボネート樹脂1とする。
<炭素繊維>
パイロフィル TRH50 60M RJ 2500m巻き フィラメント径6μm フィラメント数60000 (三菱レイヨン製)これを炭素繊維1とする。
<炭素繊維マスターバッチの作製>
実施例1と同じ製造装置によりマスターバッチ(B)が得られた。
このときの液体状導電剤(2)の質量減と炭素繊維ボビンの質量減とポリカーボネートの質量減を測定したところ、それぞれの配合比率は以下であった。
ポリカーボネート1 54.1質量%
炭素繊維1 45.0質量%
液体状導電剤2 0.9質量%
次に、以下の配合比でマスターバッチ(B)とポリカーボネート1を混合した。
マスターバッチ(B) 44.44質量%
ポリカーボネート1 55.56質量%
この混合物を樹脂混合物(B)とする。この樹脂混合物(B)の配合比率は
ポリカーボネート1 79.6質量%
炭素繊維1 20.0質量%
液体状導電剤2 0.4質量%
となった。
この樹脂混合物(B)を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ120℃で6時間乾燥した後投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板304を作製した。このときの射出成形金型302及び303の温度は80℃とした。
このときの射出成形圧力は39MPaであり樹脂混合物の流動性は高いものであり、金型転写性は良好であった。
<サンプル測定結果>
表1に示す。比較例1の炭素繊維同一配合量のものに比べて導電性、電界シールド性ともに優れた結果であった。実施例1と同様に炭素繊維どうしの接触抵抗を低減したためと考えられる。電界シールド性については300MHz時に8.2dBも高く、電界シールド特性を比較例1と同じレベルにした場合、平板の厚みを65%減らすことができることがわかった。
また、実施例1の液体状導電剤の電気抵抗値が低かったにもかかわらず、実施例1の導電性よりやや低い導電性であったのは液体の粘度が実施例1よりも高かったため、炭素繊維への追従性がやや低くなったからと考えられる。
また、ヤング率は2825MPaと非常に高いものであった。
<SEM−EDSによる液体状導電剤の分布結果>
樹脂中の硫黄(S)濃度に対する炭素繊維表面の硫黄(S)濃度の比率を表1に示す。
本発明で得られた樹脂組成物は、炭素繊維を大量に混合することなく電気抵抗値を下げ、電界シールド性を向上させることができた。
(実施例3)
<液体状導電剤>
実施例1と同じ液体状導電剤1を用いた。
<成形用樹脂>
実施例1と同じポリカーボネート樹脂1を用いた。
<炭素繊維>
実施例1と同じ炭素繊維1を用いた。
<炭素繊維マスターバッチの作製>
図6に示される単軸押出し機201に電線被覆用のクロスヘッドダイ203を取りつけ、ボビン状に巻かれた炭素繊維111を浸漬槽204に浸漬し、浸漬後余分な液体状導電剤を除去パッド205により除去したのち、再度浸漬槽に浸漬し、浸漬後余分な液体状導電剤を除去パッドにより除去したのち炭素繊維予備加熱槽206で300℃まで温度を上昇させた。そののちクロスヘッドダイ203に運ばれ、ホッパー202に投入され、単軸押出し機201で溶融されたポリカーボネートで被覆させた。ポリカーボネートで被覆された炭素繊維樹脂組成物のストランド121はベルト搬送装置207により一定速度で搬送されたのち、ストランドカッター208で長さ3mmにカットされ、マスターバッチ122が得られた。このときの液体状導電剤(1)の質量減と炭素繊維ボビンの質量減とポリカーボネートの質量減を測定したところ、それぞれの配合比率は以下であった。
ポリカーボネート1 53.3質量%
炭素繊維1 45.0質量%
液体状導電剤1 1.7質量%
このマスターバッチをマスターバッチ(C)とする。
次に、以下の配合比でマスターバッチ(C)とポリカーボネート1を混合した。
マスターバッチ(C) 12.00質量%
ポリカーボネート1 88.00質量%
この混合物を樹脂混合物(C)とする。この樹脂混合物(C)の配合比率は
ポリカーボネート1 94.508質量%
炭素繊維1 5.400質量%
液体状導電剤1 0.092質量%
となった。
この樹脂混合物(C)を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ120℃で6時間乾燥した後投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板304を作製した。このときの射出成形金型302及び303の温度は80℃とした。
このときの射出成形圧力は32MPaであり樹脂混合物の流動性は高いものであり、金型転写性は良好であった。
<サンプル測定結果>
表1に示す。比較例1に比べて導電性、電界シールド性ともに優れた結果であった。実施例1と同様に炭素繊維どうしの接触抵抗を低減したためと考えられる。電界シールド性については炭素繊維の量を5.4%にしたにもかかわらず300MHz時に1.3dB高いことがわかった。
また、ヤング率は炭素繊維量が減ったため2035MPaであった。
<SEM−EDSによる液体状導電剤の分布結果>
樹脂中の硫黄(S)濃度に対する炭素繊維表面の硫黄(S)濃度の比率を表1に示す。
本発明で得られた樹脂組成物は、炭素繊維を大量に混合することなく電気抵抗値を下げ、電界シールド性を向上させることができた。
(実施例4)
<液体状導電剤>
実施例1と同じ液体状導電剤1を用いた。
<成形用樹脂>
実施例1と同じポリカーボネート樹脂1を用いた。
<炭素繊維>
実施例1と同じ炭素繊維1を用いた。
<炭素繊維マスターバッチの作製>
図6に示される単軸押出し機201に電線被覆用のクロスヘッドダイ203を取りつけ、ボビン状に巻かれた炭素繊維111を浸漬槽204に浸漬し、浸漬後余分な液体状導電剤を除去パッド205により除去したのち、炭素繊維予備加熱槽206で300℃まで温度を上昇させた。そののちクロスヘッドダイ203に運ばれ、ホッパー202に投入され、単軸押出し機201で溶融されたポリカーボネートで被覆させた。この時実施例1よりポリカーボネートの供給量を半分に減らした。ポリカーボネートで被覆された炭素繊維樹脂組成物のストランド121はベルト搬送装置207により一定速度で搬送されたのち、ストランドカッター208で長さ3mmにカットされ、マスターバッチ122が得られた。このときの液体状導電剤(1)の質量減と炭素繊維ボビンの質量減とポリカーボネートの質量減を測定したところ、それぞれの配合比率は以下であった。
ポリカーボネート1 27.0質量%
炭素繊維1 72.1質量%
液体状導電剤1 0.9質量%
このマスターバッチをマスターバッチ(D)とする。
次に、以下の配合比でマスターバッチ(D)とポリカーボネート1を混合した。
マスターバッチ(D) 65.00質量%
ポリカーボネート1 35.00質量%
この混合物を樹脂混合物(D)とする。この樹脂混合物(D)の配合比率は
ポリカーボネート1 52.615質量%
炭素繊維1 46.800質量%
液体状導電剤1 0.585質量%
となった。
この樹脂混合物(D)を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ120℃で6時間乾燥した後投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板304を作製した。このときの射出成形金型302及び303の温度は80℃とした。
このときの射出成形圧力は60MPaであり、金型転写性は良好であり、比較例3よりも炭素繊維量が多いにもかかわらず、成形が可能であった。これは導電性液体に用いられるポリエチレングリコールが可塑剤の役目を果たしていたためと考えられる。
<サンプル測定結果>
表1に示す。比較例1に比べて導電性、電界シールド性ともに優れた結果であった。実施例1と同様に炭素繊維どうしの接触抵抗を低減したためと考えられる。電界シールド性については炭素繊維の量を46.8%にしたため300MHz時に65.24dBと非常に高いことがわかった。
また、ヤング率も炭素繊維量が増加したため4580MPaであった。
<SEM−EDSによる液体状導電剤の分布結果>
樹脂中の硫黄(S)濃度に対する炭素繊維表面の硫黄(S)濃度の比率を表1に示す。
本発明で得られた樹脂組成物は、炭素繊維が多い場合でも成形可能であり、かつ大幅に電気抵抗値を下げ、非常に高い電界シールド性を実現させることができた。
(比較例1)
<成形用樹脂>
樹脂としてポリカーボネート樹脂(出光興産 A1700)を用い、これをポリカーボネート樹脂1とする。
<炭素繊維>
パイロフィル TRH50 60M RJ 2500m巻き フィラメント径6μm フィラメント数60000 (三菱レイヨン製)これを炭素繊維1とする。
<炭素繊維マスターバッチの作成>
実施例1と同じ製造装置で液体状導電剤処理を行わずマスターバッチ(E)を得た。
このときの炭素繊維ボビンの質量減とポリカーボネートの質量減を測定したところ、それぞれの配合比率は以下であった。
ポリカーボネート 55.0質量%
炭素繊維 45.0質量%
次に、以下の配合比でマスターバッチ(E)とポリカーボネートを混合した。
マスターバッチ(E) 44.44質量%
ポリカーボネート1 55.56質量%
この混合物を樹脂混合物(E)とする。この樹脂混合物(E)の配合比率は
ポリカーボネート1 80.0質量%
炭素繊維1 20.0質量%
となった。
この樹脂混合物(E)を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ120℃で6時間乾燥した後投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板304を作製した。このときの射出成形金型302及び303の温度は80℃とした。
このときの射出成形圧力は42MPaであり樹脂混合物の流動性は高いものであり、金型転写性は良好であった。
また、ヤング率は2850MPaと非常に高いものであった。
<サンプル測定結果>
表1に示す。実施例1及び2の炭素繊維同一配合量のものに比べて導電性、電界シールド性ともに劣った結果であった。これは同一添加量であっても炭素繊維どうしの接触抵抗が高かったためと考えられる。電界シールド性については300MHz時に実施例1に対し8.2dBも低いものであった。
<SEM−EDSによる液体状導電剤の分布結果>
液体状導電剤を使用していないため分析結果なし。
(比較例2)
<成形用樹脂>
樹脂としてポリカーボネート樹脂(出光興産 A1700)を用い、これをポリカーボネート樹脂1とする。
<炭素繊維>
炭素繊維1の表面にニッケルメッキ処理を行った炭素繊維を炭素繊維2とする。
<炭素繊維マスターバッチの作成>
実施例1と同じ製造装置で液体状導電剤処理を行わずマスターバッチ(F)を得た。
このときの炭素繊維ボビンの質量減とポリカーボネートの質量減を測定したところ、それぞれの配合比率は以下であった。
ポリカーボネート 80.0質量%
炭素繊維 20.0質量%
次に、以下の配合比でマスターバッチ(F)とポリカーボネートを混合した。
マスターバッチ(F) 50.0質量%
ポリカーボネート1 50.0質量%
この混合物を樹脂混合物(F)とする。この樹脂混合物(F)の配合比率は
ポリカーボネート1 90.0質量%
炭素繊維2 10.0質量%
となった。
この樹脂混合物(F)を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ120℃で6時間乾燥した後投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板304を作製した。このときの射出成形金型302及び303の温度は80℃とした。このときの射出成形圧力は36MPaであり樹脂混合物の流動性は高いものであり、金型転写性は良好であった。また、ヤング率は1932MPaと低くメッキ処理による樹脂との接合不良が考えられる。
<サンプル測定結果>
表1に示す。導電性については炭素繊維添加量が少なく非常に悪いものであった、電界シールド性については金属メッキの効果があり良好であった。
<SEM−EDSによる液体状導電剤の分布結果>
液体状導電剤を使用していないため分析結果なし。
(比較例3)
<成形用樹脂>
樹脂としてポリカーボネート樹脂(出光興産 A1700)を用い、これをポリカーボネート樹脂1とする。
<炭素繊維>
パイロフィル TRH50 60M RJ 2500m巻き フィラメント径6μm フィラメント数60000 (三菱レイヨン製)これを炭素繊維1とする。
<炭素繊維マスターバッチの作成>
実施例1と同じ製造装置で液体状導電剤処理を行わずマスターバッチ(G)を得た。
このときの炭素繊維ボビンの質量減とポリカーボネートの質量減を測定したところ、それぞれの配合比率は以下であった。
ポリカーボネート 55.0質量%
炭素繊維 45.0質量%
次に、以下の配合比でマスターバッチ(G)とポリカーボネートを混合した。
マスターバッチ(G) 66.66質量%
ポリカーボネート1 33.34質量%
この混合物を樹脂混合物(G)とする。この樹脂混合物(G)の配合比率は
ポリカーボネート1 70.0質量%
炭素繊維1 30.0質量%
となった。
この樹脂混合物(G)を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ120℃で6時間乾燥した後投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板304を作製した。このときの射出成形金型302及び303の温度は80℃とした。
このときの射出成形圧力は炭素繊維含有量が非常に多く樹脂の流動性が大幅に悪化し、85MPaとなり、金型に樹脂を十分に転写することができず、いわゆるショートショットとなった。
ショートショットとなったため、測定できるサンプルが取れずヤング率は得られなかった。
<サンプル測定結果>
表1に示す。ショートショットとなったため、測定できるサンプルが取れず測定結果は得られなかった。
<SEM−EDSによる液体状導電剤の分布結果>
液体状導電剤を使用していないため分析結果なし。
(比較例4)
<液体状導電剤の作製>
実施例1と同じ液体状導電剤1を用いた。
<成形用樹脂>
実施例1と同じポリカーボネート樹脂1を用いた。
<炭素繊維>
実施例1と同じ炭素繊維1を用いた。
<炭素繊維マスターバッチの作成>
図6に示される単軸押出し機201に電線被覆用のクロスヘッドダイ203を取りつけ、ボビン状に巻かれた炭素繊維111は液体状導電剤1に浸漬せず、炭素繊維予備加熱槽206で300℃まで温度を上昇させた。そののちクロスヘッドダイ203に運ばれ、ホッパー202に投入され、単軸押出し機201で溶融されたポリカーボネートで被覆させた。ポリカーボネートで被覆された炭素繊維樹脂組成物のストランド121はベルト搬送装置207により一定速度で搬送されたのち、ストランドカッター208で長さ3mmにカットされ、マスターバッチ122が得られた。マスターバッチ122の配合比率は以下であった。
ポリカーボネート1 55.0質量%
炭素繊維1 45.0質量%
このマスターバッチをマスターバッチ(H)とする。
次に、以下の配合比でポリカーボネート1及び液体状導電剤1を2軸混練装置(日本製鋼所製TEX30α L/D=45)により310℃、300rpm、吐出量20kg/hで混練し、ペレット化した。
ポリカーボネート1 99.5質量%
液体状導電剤1 0.5質量%
この混練物を樹脂混練物(ア)とする。
次に、以下の配合比で樹脂混練物(ア)とマスターバッチ(H)とを混合した。
マスターバッチ(H) 44.44質量%
樹脂混練物(ア) 55.56質量%
この混合物を樹脂混合物(H)とする。この樹脂混合物(H)の配合比率は
ポリカーボネート1 79.6質量%
炭素繊維1 20.0質量%
液体状導電剤1 0.4質量%
となった。
この樹脂混合物(H)を図7に示される射出成形装置301のホッパー311へ120℃で6時間乾燥した後投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板304を作製した。このときの射出成形の金型302及び303の温度は80℃とした。このときの射出成形圧力は40MPaであり樹脂混合物の流動性は高いものであり、金型転写性は良好であった。
<サンプル測定結果>
表1に示す。実施例1と同一の材料配合比であったにもかかわらず導電性、電界シールド性が悪化した。これは予め炭素繊維表面に液体状導電剤1を直接処理していないので、炭素繊維の接触抵抗の低減作用が発生していないばかりか、樹脂部分に液体状導電剤1が分散されることで、液体状導電剤1が樹脂の可塑剤として作用することにより、炭素繊維1本1本が電気抵抗の高い樹脂で分離され、さらに接触しにくくなったためと考えられる。電界シールド性についても悪化した原因は同様であると考えられる。
また、ヤング率は炭素繊維の分散性が良好であったため3250MPaと非常に高いものであった。
<SEM−EDSによる液体状導電剤の分布結果>
樹脂中の硫黄(S)濃度に対する炭素繊維表面の硫黄(S)濃度の比率を表1に示す。
101 炭素繊維
102 樹脂
103 炭素繊維どうしが近接している部分
104 液体状導電剤
105 電流入口
106 電流出口
111 炭素繊維
121 ストランド
122 マスターバッチ
201 単軸押出し機
202 ホッパー
203 クロスヘッドダイ
204 浸漬槽
205 除去パッド
206 炭素繊維予備加熱槽
207 ベルト搬送装置
208 ストランドカッター
301 射出成形装置
302 金型
303 金型
304 平板
311 ホッパー

Claims (10)

  1. 樹脂と炭素繊維と導電性液体とを含有する樹脂組成物であって、前記樹脂の含有量が47〜94.9質量%、前記炭素繊維の含有量が5〜50質量%、前記導電性液体の含有量が0.1〜3質量%であり、
    該炭素繊維表面のSEM−EDSにより測定される導電性液体に含有される元素の濃度が、樹脂中に含まれる該元素の濃度の1.3倍以上である
    ことを特徴する樹脂組成物。
  2. 前記導電性液体がイオン導電性の液体であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記イオン導電性の液体が、イオン解離したときにイオン導電性を有する塩と該塩を溶解する溶媒の混合物であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記イオン導電性の液体が、0℃以上40℃以下の温度域の少なくとも一部においてイオン解離している物質であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
  5. 前記導電性液体のJIS Z8803に基づいて測定した粘度が、1500mm/s以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 樹脂と炭素繊維と導電性液体とを含有する樹脂組成物の製造方法であって、
    前記導電性液体で前記炭素繊維を処理する工程と、
    前記導電性液体で処理した前記炭素繊維を前記樹脂と混合する工程と、を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記導電性液体が、イオン解離したときにイオン導電性を有する塩と該塩を溶解する溶媒の混合物であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記導電性液体が、0℃以上40℃以下の温度域の少なくとも一部においてイオン解離している物質であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物の製造方法。
  10. 樹脂組成物で構成される外装部品を有する光学機器であって、
    前記樹脂組成物は、樹脂と炭素繊維と導電性液体とを含有し、
    前記樹脂の含有量が47〜94.9質量%、前記炭素繊維の含有量が5〜50質量%、前記導電性液体の含有量が0.1〜3質量%であり、
    該炭素繊維の表面のSEM−EDSにより測定される導電性液体に含有される元素の濃度が、樹脂中に含まれる該元素の濃度の1.3倍以上であることを特徴とする光学機器。
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