JPH05214158A - 静電気拡散性樹脂組成物 - Google Patents

静電気拡散性樹脂組成物

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JPH05214158A
JPH05214158A JP4054388A JP5438892A JPH05214158A JP H05214158 A JPH05214158 A JP H05214158A JP 4054388 A JP4054388 A JP 4054388A JP 5438892 A JP5438892 A JP 5438892A JP H05214158 A JPH05214158 A JP H05214158A
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Japan
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resin
semiconductor
filler
resin composition
static electricity
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Mitsumasa Oku
光正 奥
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、超高電圧の静電気に対しては導電
性が高く静電気を迅速に逃がす一方、低電圧の通常電気
に対しては抵抗値が高く(絶縁性が高く)ショート等の
トラブルのない静電気拡散性(105〜109Ω/□)の
樹脂組成物を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、樹脂に少なくとも、半導体フィラ
ーが分散され、該半導体フィラー同士の接触によるV−
i特性の非直線性の程度を表すα値が2〜150であ
り、少なくとも一部の該半導体フィラー同士が、少なく
とも電気的に接触し、導電通路を形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電気拡散性樹脂組成物
に関する。さらに詳しくは、例えば、米国の規格DOD
−HDBK−263等で、静電気拡散性(Static
dissipative)と称される抵抗率(表面抵
抗率で105〜109Ω/□)を持った樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】この樹脂組成物は、コンパウンドとして各
種成型用のペレットや粉,成型完成物,部品,板,シー
ト,フィルム等の形態で供される他、塗料やペースト、
パテ等の形態で供されることができる。
【0003】
【従来の技術】従来より、静電気拡散性(105〜109
Ω/□)と呼ぶのにふさわしい適当な樹脂材料はほとん
どなく、わずかに、有機系帯電防止剤等を練り込んだ樹
脂材料があったに過ぎなかった。
【0004】特に、無機系導電フィラー(カーボン系や
金属系の粉末や繊維など)を混入した樹脂は、いずれも
高導電性(105Ω/□未満)になってしまうため、静
電気拡散性組成物には、適当なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、理想的な静
電気拡散性樹脂材料とは、静電気(高電圧)には導電性
が高く静電気を迅速に逃がす一方、一般の通常電気(低
電圧)に対してはできるだけ高抵抗(絶縁性が高い)
で、ショート(短絡)のトラブル等がないといった樹脂
材料である。
【0006】一般に、静電気の拡散は、抵抗率が109
Ω/□程度で充分に機能することが知られているが、従
来の静電気拡散材料は105〜109Ω/□と範囲が広
く、このうち、特に、低抵抗領域(例えば105〜106
Ω/□)の材料は高導電性(105Ω/□未満)材料の欠
点(ショートの問題など)をなお保持しており、これら
の問題点のない理想的な静電気拡散性材料が望まれてい
た。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、静電気は迅速に逃がし、低電圧の通常電気に対して
は高抵抗である静電気拡散性樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意研究の末、図らずも以下の手段により理想的な
静電気拡散性樹脂組成物を発明するに至った。
【0009】即ち、本発明は、樹脂に少なくとも半導体
フィラーが分散され、この半導体フィラー同士の接触に
よるV−i特性の非直線性の程度を表すα値が2〜15
0であり、少なくとも一部の上記半導体フィラー同士が
電気的に接触し、導電通路を形成した静電気拡散性樹脂
組成物であり、特に、半導体フィラーのみかけの体積抵
抗率が105〜1010Ω・cmであることが好ましく、さ
らには半導体フィラーが半導体のウイスカであることが
より望ましい。
【0010】
【作用】本発明の静電気拡散性樹脂組成物は、基本的に
は、分散された半導体フィラー同士の接触を通して導電
通路を形成する構成となり、半導体フィラー自体の固有
抵抗値と、半導体フィラー同士の接触界面の非直線性効
果があいまって、この樹脂組成物の導電性が静電気拡散
性材料として適切なものとなる。
【0011】即ち、本発明で使用する半導体フィラー
は、半導体フィラー同士の接触界面の導電性が図1に示
すように強い非直線性を示し、かつ半導体フィラー自体
の導電性も適切なものが選択される。こうすることによ
り、従来の静電気拡散材料(抵抗率の電圧依存性はほと
んどなく一定で、105〜109Ω/□であった)とは違
い、倍加して優れた静電気拡散材料となる。
【0012】これをさらに詳しく説明すると、これらの
半導体フィラーの接触界面を導電性は強い電圧(電界)
依存性を示し、低電圧(電界)では高抵抗(絶縁性に近
い)で、高電圧(電界)では低抵抗(導通に近い)を示
す特異な性質を持つことから、この界面の導電性は、静
電気(高電界)にはより低抵抗(導通に近い)として働
き、静電気を一層逃がし易くし、通常使用電気((即
ち、低電界)にはより高抵抗(絶縁性)として働き、樹
脂の絶縁性を一層確保することとなる。
【0013】このように、従来の静電気防止材とは一味
違う「インテリジェント材料」の側面を持つ静電気拡散
性樹脂組成物となる。
【0014】
【実施例】以下本発明の一実施例について具体的に説明
する。
【0015】本発明の半導体フィラー材料としては、こ
れら材料同士の接触によるV−i特性の非直線性の程度
を表すα値(以下単にα値と称す)が2〜150であ
り、みかけの体積抵抗率が105〜1010Ω・cmであれ
ば特に限定されるものではない。具体的には、従来バリ
スタの主成分として用いられてきた酸化亜鉛,炭化珪
素,シリコン,セレン,チタン酸バリウム等が好適であ
り、特に酸化亜鉛と炭化珪素が望ましく、とりわけ酸化
亜鉛は、電気特性の他に樹脂組成物としての特性や衛生
面から特に好ましい。その他に酸化物半導体が好適であ
り、SnO2,TiO2,GeO2,Cu2O,Ag2O,
In23,Tl23,SrTiO3,LaCrO3,WO
3,EuO,Al23,PbCrO4等があり、中でもS
nO2,In23,TiO2が好適である。以上は、無機
半導体であるが有機半導体であっても一向に差し支えな
い。これらの半導体フィラーは、単独で樹脂に配合され
ることができ、また2種類以上適当な混合割合で混合し
て配合されることもできる。
【0016】次に、半導体フィラーの形状は限定するも
のでなく、顕微鏡サイズで、粒状,ウイスカ状,繊維
状,フレーク状,塊状等であって良いが、樹脂中での導
電通路の形成のし易さから特に、ウイスカ状,繊維状ま
たはフレーク状の半導体フィラーが望ましく、特に、テ
トラポット形状ウイスカが好適である。
【0017】半導体フィラーは、単結晶体フィラーが最
も適するが、単結晶を破砕したり、細粒化したフィラー
も好適であり、焼結体や焼結体を破砕,細粒化したもの
でも良い。
【0018】さらに、粒状等の半導体粉を他のフィラー
基材、例えば導電性や絶縁性のウイスカ,フレーク、あ
るいは繊維などに適当な方法で担持した半導体フィラー
であっても良い。
【0019】半導体フィラーの寸法については、樹脂に
分散できれば特に限定するものではないが、フィラーの
最大長が10mm〜0.01μmで特に300μm〜0.
1μmが好適である。半導体フィラーがウイスカ,繊維
またはフレークの場合、アスペクト比が3〜10,00
0であり、特に5〜50が好適で、効率的な導電通路の
形成を促す。フィラーの最大長が0.01μm未満で
は、α値を適切に設定することが困難となり、10mmを
超えると、樹脂への均一な分散が粗害されるので好まし
くない。
【0020】また、本発明において、半導体フィラーの
みかけの体積抵抗率は105〜1010Ω・cmが好適であ
り、特に107〜109Ω・cmの半導体フィラーが好まし
い。これにより、特に適切な静電気拡散樹脂組成物が実
現される。
【0021】半導体フィラーの抵抗率の制御は、酸化や
還元あるいは、原子価制御等により容易に達成できる。
従って、そのための不純物元素の添加を拒むものではな
い。
【0022】次に、本発明で用いる半導体フィラーの、
みかけの体積抵抗率の測定方法を示す。まず、測定する
半導体フィラーを0.5g採取し、直径20mmの一対の
平板電極(銀メッキ電極)で均等にはさみ、5kg/cm2
の圧力を均一にかける。次に、この一対の平板電極間の
抵抗値を超絶縁抵抗計(例えば、ヒューレットパッカー
ド社製、High Resistance Meter
4329A)を用いて測定し、加圧5秒後の値を読み
取る(測定電圧25V)。次に、この半導体フィラーの
圧粉試料を取り出し、ノギスで試料の厚さを測定し、こ
の試料厚さと、試料面積(3.14cm2)と、先に求め
た抵抗値により、次の計算式を用いて計算し、体積抵抗
率Pを求める。
【0023】P(Ω・cm)=R・S/t ここで、 R(Ω):抵抗値 S(cm2):試料面積 t(cm):試料厚さ P(Ω・cm):体積抵抗率 測定条件は、温度20℃で湿度40%RHとする。
【0024】次に、半導体フィラー同士の接触によりも
たらされるV−i特性の非直線性を表すα値は2〜15
0が好ましく、特に、2.5〜100が好適である。な
お、α値が2未満の半導体フィラーでも静電気拡散性樹
脂組成物を設計することはできるが、本発明が究極の目
標とするタイプの静電気拡散性には至らず、一方、α値
が150を越える半導体フィラーであっても使用はでき
るが、入手上の問題がある。このα値の測定に関して
は、使用する半導体フィラー同士で接触を形成しリード
線を取り出して測定(例えば図1の測定例)しても良い
し、前記した半導体フィラーのみかけの体積抵抗率測定
用の平板電極系で、印加電圧を変えて電流値を測定する
方法であっても良く、後者が簡便で評価し易い。測定
は、低電圧から徐々に昇圧していき、V−i特性の非直
線性を高精度に観測するのが望ましい。この、非直線性
を発現する物理現象としては、粒界や界面、あるいはP
N接合の非オーム性,バリスター特性さらにはツェナー
特性などがある。
【0025】次に、半導体フィラーの樹脂への配合量
は、フィラーの種類によるので一概に言えないが、一般
に20〜80重量%が適し、30〜70重量%が好適で
ある。20重量%未満では導電通路の形成が不十分で静
電気拡散に充分な導電性が付与できず、80重量%を超
えると、組成物がもろくなるため好ましくない。
【0026】また、樹脂組成物の導電性は、ASTM−
D−257により測定できる(測定電圧は、例えば50
0Vが適当である)。この測定による抵抗値の値は、特
に限定されるものではないが、大略105〜109Ω/□
が適当であり、特に106Ω/□以上が好適である。1
9Ω/□を超えると静電気拡散特性の安定性に問題が
生じる場合があるため好ましくなく、一方、105Ω/
□未満では、高導電性の弊害(例えば、火花放電の発生
やショート(短絡)など)が現れ始めるため好ましくな
い。
【0027】本発明の静電気拡散性樹脂組成物は、成型
物や塗料やペースト等として用いられる。
【0028】樹脂としては、熱可塑性樹脂の他に、熱硬
化性樹脂が用いられる。特に、熱可塑性樹脂では、限定
するものではないが、メルトフローレート(M.F.
R.)が、1グラム/10分から100グラム/10分
までの樹脂が望ましく、特に10グラム/10分以上が
特性安定の点から好ましい。このM.F.R.は、例え
ばASTM−D−1238により測定される。1グラム
/10分未満では半導体フィラー同士の接触効率が低下
するためあまり望ましくなく、一方、100グラム/1
0分を超える樹脂は使用可能なものの、入手性等の面で
実用性に乏しい。
【0029】使用する熱可塑性樹脂は、特に、結晶性の
高い樹脂が望ましいが、非晶性の樹脂も使用できる。
【0030】具体的な結晶性樹脂としては、限定するも
のでないが、ポリプロピレン樹脂,ポリブチレンテレフ
タレート樹脂,ポリアセタール樹脂,ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂,ポリアミド樹脂等が特に望ましく、そ
の他に、ポリエチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリ
塩化ビニリデン樹脂,ポリエチレンテレフタレート樹
脂,ポリエーテルエーテルケトン樹脂,液晶ポリマー
(全芳香族液晶ポリエステルや半芳香族液晶ポリエステ
ル等)等が使用できる。これらの樹脂のうち、ポリプロ
ピレン樹脂では、コポリマーが好適であるが、ホモポリ
マーであっても良い。
【0031】次に、非晶性樹脂としては、限定するもの
ではないが、ポリスチレン樹脂,ABS樹脂,変性PP
E樹脂が特に望ましく、その他に、ポリエーテルイミド
樹脂,ポリエーテルサルファイド樹脂,ポリアリレート
樹脂,ポリスルホン樹脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリカ
ーボネート樹脂,ポリメチルメタクリレート樹脂,ポリ
ブタジエン樹脂,ポリアクリルニトリル樹脂等がある。
【0032】これらの樹脂は、単独で用いられても、二
種類以上の共重合体あるいは、混合体で用いられても良
い。
【0033】一方、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリ
エステル樹脂やエポキシ樹脂,ウレタン樹脂,シリコン
樹脂が望ましく、その他に、メラミン樹脂やフェノール
樹脂,ユリア樹脂等が使用できる。
【0034】次に、樹脂と半導体フィラーの混合や混練
には特に注意が必要で、電気的な導電通路となる半導体
フィラー同士の接触が効果的に得られるように条件(温
度,回転数,粘度など)が決められる。
【0035】一方、装置としては、従来よりこの種の複
合材料の混合や混練に用いられてきた各種装置がここで
も用いられる。即ち、単軸式や多軸式の押出機の他、リ
ボンブレンダーやスーパーミキサー(ヘンシェルミキサ
ー)などのスクリュー回転翼式容器固定型、あるいは水
平円筒型や傾斜円筒型、またはV型のタンブルミキサー
等の容器回転型混合機等も用いられて良い。
【0036】次に、成型物の成型には、各種の成型加工
法が適用でき、とりわけ、射出成型が本発明には好適で
あるが、この他、押出成型,圧縮成型,真空成型,吹込
成型等であっても良い。
【0037】また、塗料やペーストやパテ等の形態で使
用する場合には、溶剤型であっても無溶剤型であっても
いずれであっても良い。
【0038】次に、半導体フィラーを表面処理してから
使用することもできるが、この場合、特に、シラン系の
カップリング剤が好適であり、その他、クロム系やチタ
ン系,シリルパーオキサイド系,有機リン酸系等もあ
る。
【0039】次に、本発明では、半導体フィラー以外に
第2の導電材を併用することにより、導電性が改善でき
る場合がある。この第2の導電材としては金属,カーボ
ンまたはグラファイトの粒子または、フレークや繊維の
他、導電性セラミックスの粒子,フレーク、または繊維
が好適である。この他、第2の導電材としては、有機導
電性高分子の粉末やフレークの他、イオン性の有機系帯
電防止剤などもある。
【0040】金属の具体例としては、銀,金,ステンレ
ス,アルミニウムが好適であり、この他、銅,ニッケ
ル,パラジウム,鉄などが使用できる。
【0041】導電性セラミックスの具体例としては、酸
化錫,アンチモンドープ酸化錫,酸化インジウム,酸化
鉛などの金属酸化物系セラミックスや炭化珪素,炭化ジ
ルコニウム,炭化チタニウム等の炭化物系セラミックス
や、導電性チタン酸カリウム等の他、例えば、アンチモ
ンドープ酸化錫などの粉末材料を絶縁性や低導電性の各
種粉末,フレーク,ビーズ,繊維系材料に各種方法でコ
ートした導電性セラミックスがある。
【0042】有機導電性高分子の具体例としては、ポリ
アセチレン,ポリピロール,ポリチオフェン,ポリアニ
リン,TCNQ等があり、イオン性の有機系帯電防止剤
としては、高級アルコール,第4級アンモニウム塩,カ
リウム塩やナトリウム塩タイプの両性カチオン・アニオ
ン型等の帯電防止剤がある。
【0043】次に、半導体フィラーと第2の導電材を合
わせた全配合量は、樹脂に対して5〜80wt%が好ま
しく、一方、半導体フィラーと第2の導電材の比率は、
1対50から50対1の間が好適で、特に、1対5から
5対1の間がより好ましい。理由は、第2の導電材が多
過ぎると半導体フィラー添加による相乗効果が期待でき
なくなることであり、即ち、適切な静電気拡散性が得ら
れなくなる。
【0044】その他、全体の特性を著しく損なうことの
ない範囲で、各種配合材が配合できることは言うまでも
ない。例えば、ガラスのファイバーやフレーク、ビーズ
あるいはタルク,マイカ,炭酸カルシウム,クレー,硫
酸バリウム,アルミナ,シリカ,けいそう土,木粉など
の補強材や増量材,水酸化アルミニウムや三酸化アンチ
モン,リン酸エステル等の難燃剤,二硫化モリブデンや
PTFE等のフッ素樹脂の摺動材,酸化チタンやカーボ
ンブラックなどの着色材の他、各種の安定剤や劣化防止
剤等を適当量配合することは何ら差し支えない。
【0045】(実施例1)溶湯温度が980℃の亜鉛金
属の蒸気を、炉内で、プロパンの燃焼ガスと反応させた
(還元性雰囲気:還元性度合として−0.1〜10%)
ところ、図2のようなテトラポット形状のZnOウイス
カを得た。このウイスカの基部から先端までの長さは、
10〜30μmで、アスペクト比は平均15であり、粉
体の抵抗値より算出したみかけの体積抵抗率は2×10
8Ω・cmで、この電極系によるV−i特性のα値は、
3.9であった。
【0046】次に、ポリプロピレン樹脂(三菱油化
(株)・商品名:三菱ポリプロ BCIE/M.F.
R.:33グラム/10分)を2.5kg用意し、先のZ
nOウイスカ2.5kgとポリエチレン樹脂製の袋中で静
かに均一に混合し(配合量:50重量%)、単軸スクリ
ュー押出機のホッパーに投入し、次に、シリンダー温度
240℃で充分混練し(この時のスクリュー回転数:4
0r.p.m.)、ノズルから押し出し、水冷してから
ペレット状に切断した。得られた樹脂組成物のペレット
は直径3mmφで、長さが平均5mmであった。
【0047】次に、このペレットを射出成型機のホッパ
ーに投入し、樹脂温度220℃,金型温度52℃で成型
し、ダンベル試験片と平板(85mm×85mm×3mmt)
を得た。これらの成型物は、表面が平滑,白色で美観が
有った。
【0048】また、物性値は、曲げ弾性率が20100
kg/cm2で、表面抵抗率が3×106Ω/□であり、優れ
た静電気拡散性樹脂組成物であることがわかった。
【0049】次に、この平板を液体窒素中に30秒間浸
して冷却し、ニッパーで破断して、破断面の観察に供し
た。この破断面を電子顕微鏡(1500倍)で観察した
ところ、多くの部分で、ZnOウイスカ同士が接触し合
って導電通路を形成していることが観察された。
【0050】(実施例2)溶湯温度が950℃の亜鉛金
属の蒸気を炉内で、プロパンの燃焼ガスと反応させた
(還元性雰囲気:還元性度合として−0.1〜3%)と
ころ、大部分がテトラポット形状のZnOウイスカを得
た。このウイスカの基部から先端までの長さは、平均5
〜20μmで、アスペクト比は5〜50に分布してい
た。また、みかけの体積抵抗率は7×107Ω・cmで、
この電極系によるV−i特性のα値は、3.3であっ
た。
【0051】次に、ウレタン系塗料にこのZnOウイス
カを混入して静かに撹拌して、充分に均一に混合した。
組成は以下の通りであった。
【0052】 主剤/オーフレックスNo.800NホワイトA (大橋化学工業(株)社製品名) :10g 硬化剤/オーフレックス硬化剤E−45 (同上) :2.5g 希釈シンナーNo.7400 (同上) :5.2g ZnOウイスカ :3g この塗料組成物を、ウレタンゴムプレート上に均一に塗
布し、80℃で1時間乾燥したところ、平均80μm厚
さの塗膜が成型された。この塗膜は純白で美観があり、
表面抵抗率は、平均5×107Ω/□で、優れた静電気
拡散性を具備していることがわかった。
【0053】(比較例)導電性のカーボンブラックを用
意した。みかけの体積抵抗率は10Ω・cmで、V−i特
性のα値は1.2であった。これを実施例1と同様に樹
脂に混練(20wt%)して成型した。この成型板の表
面抵抗率は4×102Ω/□と高導電性であり、100
0V以上の課電で電極の接触時に火花放電が観測され、
しかも、通常電気でショートの心配があるため、適切な
静電気拡散材料ではないことがわかった。さらに、色が
黒色で、機械特性も劣るものであった。
【0054】
【発明の効果】本発明の静電気拡散性樹脂組成物によれ
ば、理想的な静電気拡散性樹脂が得られる。
【0055】即ち、通常の電気に対して絶縁性が良く、
一方、静電気はよく逃がす樹脂組成物が実現される。
【0056】本発明は、OAやFA,半導体関連分野に
とどまらず、広い分野での応用が期待でき、その産業性
は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体フィラー(ZnOウイスカ)同士の接触
界面の導電性の非直線性の一例を示すV−i特性の特性
曲線図
【図2】半導体フィラーであるテトラポット状ZnOウ
イスカの電子顕微鏡写真
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】半導体フィラーであるテトラポット状ZnOウ
イスカの粒子構造を表す電子顕微鏡写真

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂に少なくとも、半導体フィラーが分
    散され、該半導体フィラー同士の接触によるV−i特性
    の非直線性の程度を表すα値が2〜150であり、少な
    くとも一部の前記半導体フィラー同士が、少なくとも電
    気的に接触し、導電通路を形成したことを特徴とする静
    電気拡散性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記半導体フィラーのみかけの体積抵抗
    率が、105〜1010Ω・cmである請求項1記載の静電
    気拡散性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記半導体フィラーが、半導体のウイス
    カである請求項1または2記載の静電気拡散性樹脂組成
    物。
JP4054388A 1991-03-05 1992-02-04 静電気拡散性樹脂組成物 Pending JPH05214158A (ja)

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