JPH0525323A - 導電性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

導電性熱可塑性樹脂組成物

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JPH0525323A
JPH0525323A JP3037678A JP3767891A JPH0525323A JP H0525323 A JPH0525323 A JP H0525323A JP 3037678 A JP3037678 A JP 3037678A JP 3767891 A JP3767891 A JP 3767891A JP H0525323 A JPH0525323 A JP H0525323A
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JP
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thermoplastic resin
resin composition
zinc oxide
resin
conductive
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JP3037678A
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Mitsumasa Oku
光正 奥
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定した導電性と機械強度を兼ね備え、かつ
白色性と耐紫外線性を具備したものを得る。 【構成】 メルトフローレートが10g/10min 以上
の熱可塑性樹脂中に、酸化亜鉛ウィスカを40wt%を超
え、80wt%以下含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性熱可塑性樹脂組成
物に関し、詳しくは静電場シールドや静電気拡散或いは
静電気防止等の目的で、壁材や床材、IC用の静電気対
策を施した各種製品(ICマガジン、パーツボックス、
コンテナ、パーツキャビネット、基板ホルダー、プリン
ト基板立て、ICキャリアテープなど)、複写機やファ
クシミリの静電気対策部材などに、成形物、シート、フ
ィルム等の形態で用いられる導電静熱可塑静樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂組成物はこれまで優れた電気絶縁性
(例えば1015Ω/□)を有する材料として広く産業界
で使用されてきた。
【0003】ところが、近年半導体産業やOA、FAの
発展とともに絶縁性樹脂組成物より発生する静電気の問
題がクローズアップされてきており、この問題に対処す
るため静電気拡散性(105 〜109 Ω/□)の樹脂組
成物が注目されている。
【0004】このような状況に対応して、これまでカー
ボン系の粉末や繊維などを混練した導電性樹脂組成物が
開発され、実用に供されてきたが、むしろ導電性が高過
ぎて(104 Ω/□以下)、理想的な静電気拡散性が期
待できないという問題があった。又、色調が黒色に限定
されるため、最近の快適性重視の観点にそぐわないとい
う問題もあった。
【0005】このような問題に対応して、最近では、白
色系導電フィラーとして、導電性亜鉛華あるいは酸化錫
アンチモンの粉末や、これを絶縁性ウィスカやフレーク
状マイカ等にコーティングした白色系や透明系の導電フ
ィラーが開発されてきている。
【0006】一方、酸化亜鉛ウィスカを配合した熱可塑
性樹脂組成物は従来から知られている。例えば、特開平
1−217072号公報には、酸化亜鉛ウィスカを5〜
40重量%配合した熱可塑性樹脂組物が開示されてい
る。
【0007】又、特開平1−225663号公報には、
酸化亜鉛ウィスカを配合した導電性樹脂組成物が開示さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、白色系
や透明系の導電フィラーは、色調は白色系ではあるもの
の純白とはならず、いずれも青色系白色や、褐色系白色
などとならざるを得ず、さらに酸化錫アンチモン系の導
電フィラーの場合は、紫外線や光が当たると変色(白色
からやや黒ずむ)するという耐候性の面で致命的な欠点
を有している。
【0009】また、上記公報に開示された酸化亜鉛ウィ
スカを配合した導電性樹脂組成物では、導電性を発現し
ても、その導電性や機械的強度の安定性が必ずしも満足
なものではないという問題があった。
【0010】本発明はこのような問題点に鑑み、安定し
た導電性と機械的強度を具備し、しかも白色で耐紫外線
性の強い導電性熱可塑性樹脂組成物を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性熱可塑性
樹脂組成物は、メルトフローレートが10g/10min
以上の熱可塑性樹脂中に、酸化亜鉛ウィスカを40重量
%を超え、80重量%以下含有していることを特徴とす
る。
【0012】好適には、酸化亜鉛ウィスカは、針状結晶
部のアスペクト比が3以上で、基部から先端までの長さ
が3μm以上のもの、特にアスペクト比が5以上で、基
部から先端までの長さが10μm以上のものを用いるの
が好ましい。
【0013】さらに、テトラポット形状の酸化亜鉛ウィ
スカを用いれば、特に著しい効果が得られる。
【0014】熱可塑性樹脂としては、各種樹脂が使用さ
れるが、特に結晶性の成分の多い樹脂が適しており、中
でもポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリアセタール樹脂等が比較的良い結果を与える。
【0015】
【作用】本発明によれば、一定の低粘度の熱可塑性樹脂
中に、酸化亜鉛ウィスカを一定量含有することにより安
定した導電性と機械強度が達成される。高粘度の樹脂に
おいては、針状のウィスカが破壊されたり、分散が均一
にならないため、安定した導電性が達成されなくなるも
のと考えられる。
【0016】また、酸化亜鉛ウィスカのアスペクト比や
長さが一定値より小さい場合は、導電パスの形成が難し
くなり、安定した導電性が得られなくなるため好ましく
ない。
【0017】導電パスの効果的な形成のために、テトラ
ポット形状をした酸化亜鉛ウィスカを用いるのが好まし
い。
【0018】又、酸化亜鉛ウィスカは、耐紫外線性が強
く、また元来白色の導電性ウィスカであるため、このウ
ィスカを混練した樹脂組成物は理想的な白色導電性樹脂
となる。従って、この樹脂に着色剤を添加することによ
り、純白から淡彩色あるいは有彩色の着色ができること
は極めて有用である。
【0019】さらに、本来、ウィスカは純粋な単結晶体
であるため極めて大きな強度を具備している。しかる
に、樹脂中に均一分散しない限り、本来の強度を利用す
ることができず、その強度を利用するが難しかった。本
発明は、この点を極め、安定した機械的強度を得てい
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明
する。
【0021】本発明では、酸化亜鉛ウィスカとして、テ
トラポット形状(その電子顕微鏡写真を図2に示す)の
ものを用いることによって好ましい結果を得ることがで
きるが、単純針状の酸化亜鉛ウィスカを用いても同様の
効果が得られる。
【0022】テトラポット形状の酸化亜鉛ウィスカは、
例えば、表面に酸化膜を有する粒径0.1〜300μ
m、好ましくは1〜200μm、より好ましくは10〜
150μmの金属亜鉛粉末を、酸素濃度数%以下の酸素
を含む雰囲気下で700〜1100℃、好ましくは80
0〜1050℃、より好ましくは900〜1000℃で
10秒以上、好ましくは30秒〜1時間、より好ましく
は1分〜30分間加熱処理して生成させることができ
る。
【0023】得られた酸化亜鉛ウィスカは、通常、みか
けの嵩比重0.02〜0.5を有し、70wt%以上の高
収率で極めて量産性に富んでいる。
【0024】このウィスカのX線回折図をとると、通常
すべて酸化亜鉛のピークを示した。
【0025】一方電子線回折の結果も、転移、格子欠陥
の少ない単結晶性を示した。又、不純物含有量も少な
く、原子吸光分析の結果、酸化亜鉛が99.98%であ
った。
【0026】ところで、酸化亜鉛ウィスカの針状結晶部
が、4軸以外に3軸あるいは2軸、さらには1軸のもの
が混入する場合があるが、これは4軸のウィスカの一部
が折損したものである。また、板状結晶の酸化亜鉛が混
入する場合も認められる。
【0027】テトラポット形状の酸化亜鉛ウィスカの中
でも、特に針状結晶部の基部から先端までの長さが3μ
m以上で、アスペクト比(=長さ/基部の径)が3以上
のウィスカが導電性付与の点から好ましい。なお、ここ
で基部とは、4軸方向に延びた針状結晶の各軸が集合し
た中心部分を核部として、各針状結晶部分の核部に連結
する部分である。
【0028】さらに、針状結晶部の長さが10μm以上
で、アスペクト比が5以上のウィスカを用いることによ
り、さらに導電性を改善できる。
【0029】一方、樹脂中に均一に混練して安定な導電
性を得る観点からは、概略200μm以下の長さが好ま
しく、50μm以下の長さが最適となる。
【0030】また、ウィスカの折れの観点からは、アス
ペクト比は1000以下が好ましく、特に50以下にお
いて良好な結果をもたらす。
【0031】ところで、本発明で用いる酸化亜鉛ウィス
カの抵抗値範囲は、一般に102 〜1011Ω−cmのもの
を使用できるが、特に106 〜1010Ω−cmのウィスカ
が好ましく、さらには107 〜109 Ω−cmのウィスカ
が好ましい。
【0032】本発明で用いる酸化亜鉛ウィスカの抵抗値
の測定法は次の通りである。まず、酸化亜鉛ウィスカを
0.5g採取し、直径20mmの一対の平板電極で均等に
はさみ、5kg/cm2の圧力を試料に均一にかける。次に、
この一対の平板電極間の抵抗を超絶縁抵抗計(HP社
製、HighResistance Meter 4329A)を用いて測定
し、電圧25Vで読み取る。次に、酸化亜鉛ウィスカの
圧粉試料を取り出し、ノギスで試料厚さを測定し、この
試料厚さと、試料面積(3.14cm2 )と、先に求めた
抵抗値より次の計算式で計算して体積抵抗値Pを求め
る。
【0033】P(Ω−cm)=R・S/t ここで、R(Ω) :抵抗値 S(cm2 ):試料面積 t(cm) :試料厚さ 次に、樹脂中への酸化亜鉛ウィスカの配合割合は、40
wt%を超え、80wt%以下が好ましい。40wt%以下で
は十分に安定した導電性が付与されず、80wt%を超え
ると、複合物が極めて脆くなるため好ましくない。バラ
ンスのとれた複合物を得るには45wt%〜70wt%が特
に好ましい。
【0034】次に、使用する樹脂のメルトフローレート
を以下のように定義する。ここで、メルトフローレート
(M.F.R.)とは、混合混練装置内で設定される最
高樹脂温度におけるマトリックス樹脂のM.F.R.
(荷重:2.16kg)とする。
【0035】その他、特に記さない限り、JIS K7
210に準じて測定するものとする。
【0036】本発明ではM.F.R.が10g/10mi
n 以上の熱可塑性樹脂が適しており、さらに100g/
10min 以下の樹脂が特性バランス的に適するものであ
る。
【0037】次に、熱可塑性樹脂は、結晶性及び非結晶
性のいずれも用い得るが、特に結晶性の成分の多い樹脂
が適している。
【0038】使用する熱可塑性樹脂は限定するものでは
ないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスル
ホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ABS樹脂、ポリブ
タジエン、ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリル
ニトリル、ポリアセタール、ポリカーボネート、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−
テトラフロロエチレン共重合体、芳香族ポリエステル、
ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリ塩化ビニリ
デン、”テフロン”(デュポン社製フッ素樹脂)、ポリ
アリレート、ポリ塩化ビニル、PPE、ポリスチレン等
の単独又はこれらの共重合体から成る樹脂や、かかる樹
脂の2種以上の混合物等の熱可塑性樹脂を用いることが
できる。
【0039】より好ましい結果を与える結晶性の熱可塑
性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド
(例えば、PA−6、PA−66、PA−610、PA
−11、PA−12、PA−46)、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタ
ール、各種液晶ポリマー(全芳香族液晶ポリエステル、
並びに半芳香族液晶ポリエステルなど)等が適してい
る。
【0040】次に、樹脂と酸化亜鉛ウィスカの混合混練
には、従来よりこの種の複合材料の混練に用いられてき
た各種装置が用いられる。即ち、単軸式や多軸式の押出
機の使用が良好な結果を与え、またリボンブレンダーや
スーパーミキサー(ヘンシェルミキサー)などのスクリ
ュー回転翼式容器固定型、あるいは水平円筒型や傾斜円
筒型、又はV型のタンブルミキサー等の容器回転型混合
機等が用いられる。
【0041】次に、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物
は、各種成形物あるいはシート、フィルム等の形態で利
用される。成形物の場合には熱可塑性樹脂の成形に適用
される成形加工法をすべて適用できる。即ち、射出成
形、押出成形、圧縮成形、真空成形、吹込成形などであ
るが、特に各種射出成形や押出成形あるいは真空成形が
適している。
【0042】又、導電性の高い樹脂膜を得る場合には、
カップリング剤で表面処理した酸化亜鉛ウィスカが用い
られる。カップリング剤としては、シラン系あるいはク
ロム系あるいはチタン系カップリング剤、それにシリル
パーオキサイド系、有機リン酸系が使用できるが、特に
シランカップリング剤が有効である。
【0043】シランカップリング剤としては、γ−グリ
シドオキシプロピルトリメトキシシラン(A−18
7)、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトオキシシ
ラン(A−174)、ビニル−トリス(ベータメトキシ
エトキシ)シラン(A−172)、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン(A−1100)、ビニルトリエト
キシシラン、ベータ,3,4エポキシシクロヘキシルエ
チルトリメトキシシラン、ガンマメルカプトプロピルト
リメトキシシランなどが用いられ、特にA−187系が
有効である。
【0044】クロム系カップリング剤としては、メタク
リレートクロミッククロライド(MCC:Volan ;Du P
ont 社製品名)等が用いられる。
【0045】チタン系カップリング剤としては、テトラ
イソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テ
トラステアリルチタネート、イソプロポキシチタニウム
ステアレート、チタニウムラクテートなどが使用でき
る。
【0046】次に、シリルパーオキサイド系カップリン
グ剤としては、 (CH3 4-n Si(OO t-butyl)n や、
【0047】
【化1】
【0048】や、
【0049】
【化2】
【0050】や、
【0051】
【化3】
【0052】などが使用できる。
【0053】また、有機リン酸系カップリング剤として
は、
【0054】
【化4】
【0055】や、
【0056】
【化5】
【0057】や、
【0058】
【化6】
【0059】などが使用できる。
【0060】また、カップリング剤による表面処理の仕
方は、一般的な粉体の表面処理方法が適用できる。
【0061】例えば、シランカップリング剤を例にとる
と、 シランカップリング剤を水(少量のHClを含む)
か溶剤(少量の酢酸を含む)に溶解する。
【0062】 100℃以下に加熱する。(カップリ
ング剤分子が加水分解する)。
【0063】 この溶液中に処理しようとする酸化亜
鉛ウィスカを入れ、よく分散したスラリー作る(粉体表
面にカップリング剤分子の反応層が形成される)。
【0064】 酸化亜鉛ウィスカを処理液から分離、
乾燥後、150℃以下に加熱処理する。
【0065】以上の工程により表面処理が完了する。
【0066】この他、酸化亜鉛ウィスカを攪拌しなが
ら、表面処理剤を含んだ溶液をスプレーして表面処理す
る方法でもよい。
【0067】カップリング剤を酸化亜鉛ウィスカに対し
て、0.005wt%〜10wt%処理することにより効果
が現れるが、特に0.01wt%〜5wt%の範囲において
効果が大きい。
【0068】また、本発明は従来より用いられてきた導
電フィラー、即ち、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケ
ル、パラジウム、鉄、ステンレス鋼等の金属系や、酸化
錫、アンチモンドープ酸化錫、導電性チタン酸カリウ
ム、酸化インジウム、酸化鉛等の金属酸化物系、あるい
は炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化チタニウム等の炭
化物系、あるいは高導電性カーボン、グラファイト、ア
セチレンブラック等の炭素系の粉末、フレーク、ビー
ズ、繊維、あるいは例えばアンチモンドープ酸化錫など
の上記粉末材料を絶縁性あるいは低導電性の各種粉末、
フレーク、ビーズ、繊維系材料に各種方法でコートした
導電フィラーを適当量配合して、導電性やその他の物性
を改善することができることは勿論である。
【0069】また、一方、ポリアセチレン、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリアニリン、TCNQ等の有機
導電性高分子の粉末やフレークを導電性フィラーとして
適当量併用したり、高アルコール、第4級アンモニウム
塩、カリウム塩やナトリウム塩タイプの両性カチオン・
アニオン型帯電防止剤を適当量添加することも何ら差し
支えない。
【0070】その他、全体の導電性を著しく損なうこと
のない範囲で、各種機械物性の改善やトータルコスト低
減、あるいは難燃化の目的で、従来より用いられてきた
各種充填剤や難燃剤(例えば、ガラスファイバ、ガラス
フレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、炭酸カルシ
ウム、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ア
ルミナ、酸化チタン、シリカ、ホワイトカーボン、けい
そう土、二硫化モリブデン、カーボンブラック、グラフ
ァイト、木粉、ホスファゲン化合物、リン酸エステル
等)、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ等の着色
剤、各種安定剤や劣化防止剤等を適当量配合することも
また何ら差し支えない。
【0071】(実施例1〜4並びに比較例1〜3)ま
ず、表1に示す各種グレードのポリプロピレン樹脂を用
意した。次に、大部分がテトラポット形状の酸化亜鉛ウ
ィスカを用意した。そのウィスカの針状結晶部のアスペ
クト比は3〜15で、針状結晶部の基部から先端までの
長さは3〜40μmの間に分布している。
【0072】このウィスカを2.5kgとポリプロピレ
ン樹脂2.5kgを秤量して、ポリ袋内に投入して手で
振って十分攪拌した後、単軸式スクリュー押出機のホッ
パーに投入し、充分混練(混練樹脂温度:Max.23
0℃)し、ペレタイザーを用いて複合樹脂のペレットを
得た。次に、このペレットを射出成形機のホッパーに投
入し、樹脂温度230℃、金型温度40℃、射出圧力4
50kg/cm2で成形した。成形物は樹脂板(300mm×3
mm厚)で、最低2枚成形した。
【0073】1枚の樹脂板からは10枚のダンベル試験
片を切削により切り取り(板の同一場所から切り取っ
た)、曲げ強さの強度試験に供した。その評価は、曲げ
強さのバラツキ(上限値−下限値)の大きさを相対的に
評価した。
【0074】別の1枚の樹脂板からは、100mm角×3
mm厚の樹脂板を9枚切り取り、樹脂板の抵抗値測定に供
した。
【0075】以上の結果を表1に纏めた。
【0076】
【表1】
【0077】一般に、静電気防止には、表面抵抗値が1
9 Ω/□以下であることが望ましいと言われている
が、表1をみると、M.F.R.が10g/10min 以
上のポリプロピレン樹脂を用いた場合に良好な結果が得
られることが分かる。
【0078】その上、同時に抵抗値のバラツキ及び曲げ
強さのバラツキも小さいものとなり、電気特性並びに機
械的特性の安定した均一な樹脂組成物が得られることが
分かる。
【0079】(実施例5)まず、実施例2で用いたポリ
プロピレン樹脂を用意した。次に、アミノシラン(A−
1100)で表面処理した酸化亜鉛ウィスカを用意し
た。このウィスカの大部分はテトラポット形状をしてお
り、針状結晶部のアスペクト比は5〜50で、針状結晶
部の基部から先端までの長さは10〜50μmの間に分
布していた。
【0080】このウィスカと樹脂を用いて実施例1と全
く同様に混練及び成形し、電気特性(表面抵抗値)と機
械特性(アイゾット衝撃強度(ノッチ付))を測定し
た。その結果を図1に示した。
【0081】この結果より分かることは、40wt%を超
えると表面抵抗値が109 Ω/□より小さくなり、良好
な静電気防止性が得られる。さらに、80wt%を超える
と、耐衝撃性が極めて低下することが分かる。
【0082】(実施例6)まず、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂(ポリプラスチックス(株)商品名:ジュラ
ネックス2000)ペレットを2.5kgを用意した。
次に、実施例1で用いたものと同じ酸化亜鉛ウィスカを
2.5kg用意し、実施例1と同じ装置を用いて混練、
押出成形を行った。
【0083】混練時の樹脂最高温度を250℃とし、射
出成形時の樹脂温度が250℃、金型温度40℃、射出
圧力500kg/cm2で成形した。
【0084】成形した樹脂板の表面抵抗値は8×105
Ω/□で、極めてバラツキの小さなものであった。
【0085】(実施例7)ポリアミド樹脂(ダイセルヒ
ュルス(株)商品名:ダイアミドL1700)ペレット
2.0kgを用意した。この樹脂のM.F.R.は27
0℃において46g/10min であった。次に、実施例
1で用いたのと同じ酸化亜鉛ウィスカを3.0kg用意
した。実施例1と同じ装置を用いて混練、押出成形を行
った。混練時の樹脂最高温度を270℃とし、射出成形
時の樹脂温度が270℃、金型温度が40℃、射出圧力
が500kg/cm2 で成形した。
【0086】成形した樹脂板の表面抵抗値は7×107
Ω/□であり、極めてバラツキの小さなものであった。
【0087】(実施例8)実施例7と同様に、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂を用いて実施した。
【0088】混練時の樹脂の最高温度を31℃とし、射
出成形時の樹脂温度を310℃、金型温度を140℃、
射出圧力を600kg/cm2で成形した。
【0089】その結果、成形した樹脂板の表面抵抗値は
6×106 Ω/□で、極めてバラツキの小さなものであ
った。
【0090】(実施例9)実施例7と同様の実験をポリ
アセタール樹脂(ポリプラスチックス(株)商品名:ジ
ュラコンM270−02)を用いて実施した。この樹脂
のM.F.R.は200℃において30g/10min で
あった。
【0091】混練時の樹脂の最高温度を200℃とし、
射出成形時の樹脂温度を200℃、金型温度を60℃、
射出圧力を700kg/cm2で成形した。
【0092】その結果、成形した樹脂板の表面抵抗値
は、2×108 Ω/□であったが、極めて抵抗値のバラ
ツキが小さいものであった。
【0093】
【発明の効果】本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物によ
れば、理想的な静電気拡散性及び機械的特性が安定して
得られ、電気特性から機械特性までバランスのとれた樹
脂組成物を得ることができ、又白色でしかも耐紫外線性
があって色ずれを生じず、快適性(アメニティ)重視の
時代にふさわしい静電気防止材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化亜鉛ウィスカ配合量に対する表面抵抗値の
特性を示すグラフである。
【図2】テトラポット形状の酸化亜鉛ウィスカの電子顕
微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】テトラポット形状の酸化亜鉛ウィスカの粒子構
造を表わす写真である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレートが10g/10min
    以上の熱可塑性樹脂中に、酸化亜鉛ウィスカを40重量
    %を超え、80重量%以下含有していることを特徴とす
    る導電性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 酸化亜鉛ウィスカの針状結晶部のアスペ
    クト比が3以上で、基部から先端までの長さが3μm以
    上である請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 酸化亜鉛ウィスカの針状結晶部のアスペ
    クト比が5以上で、基部から先端までの長さが10μm
    以上である請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 酸化亜鉛ウィスカの形状がテトラポット
    形状である請求項1、2又は3記載の導電性熱可塑性樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂であ
    る請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂がポリブチレンテレフタレ
    ート樹脂である請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である請
    求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂がポリフェニレンサルファ
    イド樹脂である請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂であ
    る請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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