JP2005239926A - 充填剤含有熱可塑性樹脂およびその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い機械物性の維持や高い導電性の確保した成形品を得ることを可能とするために、遊離繊維の発生、樹脂との混練不良、繊維の折損等による樹脂強化能や導電性の低下等を抑制し、樹脂の含浸性の良好で分散性に優れた繊維含有樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 200℃での溶融粘度が10000dPa・s以下かつ数平均分子量が10000〜30000である非晶性ポリエステル樹脂であり、そのジカルボン酸成分がテレフタル酸30〜60重量%およびイソフタル酸10〜30重量%を主成分とする熱可塑性樹脂(A)を、充填材(B)としての繊維径4〜20μmである長繊維に溶融引き抜き法により含浸してなり、該長繊維は全組成物の10〜90重量%含有してなることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、充填材を高濃度に含有して、高い導電性や剛性、及び薄肉成形性を兼ね備えた熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチ)及びその利用に関する。
充填材として、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維などで熱可塑性樹脂を強化した複合材料は、耐衝撃性、耐薬品性や成形性に優れており、電気・電子部品、宇宙・航空分野、自動車工業分野、エネルギー分野、スポーツ用品分野、レジャー用品分野などの各種産業分野に幅広く使用されている。特に有機繊維は、一般のプラスチックにより近い材料である組み合わせ(熱可塑性樹脂と有機繊維)であるため、成形が容易でリサイクル可能な成形品が得られること等から、近年多く使用されるようになってきている。
一方、炭素繊維、金属繊維あるいは金属コート繊維等の導電性繊維は、基質が導電性であることから電磁波シールド性や制電性が要求されるICトレー、パソコンや液晶パネル等においても幅広く使用され、また、昨今の健康志向から電磁波や磁界の人体への影響に対する懸念から、さらなる需要増大が期待されている。
このような充填材を含有した熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、例えば、炭素短繊維とPBT樹脂を単軸押出機で押出して、次いで定長にカットしたコンパウンドペレットの製造方法(特許文献1:特公平5−83044号公報)、同様に炭素繊維とポリカーボネートのコンパウンド(特許文献2:特開昭61−241356号公報、特許文献3:特開平04−198224号公報、特許文献4:特開2000−007906号公報)、炭素繊維とポリエステルのコンパウンド(特許文献5:特開昭48−663号公報)、ガラス繊維とポリエステルのコンパウンド(特許文献6:特許2651057号掲載公報)、導電性繊維とポリオレフィンのコンパウンド(特許文献7:特開昭59−196334号公報、特許文献8:特許2732986号掲載公報)等が開示されている。しかし、かかるコンパウンドペレットは、押出工程で炭素繊維等各種繊維は、短く切断され、なおかつ射出成形工程でさらに繊維が切断されるので、繊維長が短くなるという問題があり、成形品の導電性や力学特性を向上させる方法としては限界があった。
また、コンパウンドに使用されるポリオレフィンやポリエステル等の熱可塑性樹脂は、ポリカーボネートやポリフェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチック等に使用される樹脂に対してはあまり相溶性が良くないため、より一層の物性低下や導電性の低下を引き起こすという問題があった。
一方、特許文献9(特公昭63−37694号公報)には、整列された強化用フィラメントが熱可塑性樹脂で含浸された繊維強化構造物が開示されている。また、特許文献10(特許2626012号公報)には、30重量%以上の平行に配列した繊維を含み、繊維配列方向の長さが3〜60mmであるペレットが開示されている。更に、特許文献11(特開昭57−181852号公報)や特許文献12(特開2003−192911号公報)には、樹脂被覆繊維ペレットのペレット長と繊維長が同等である事が開示されている。この繊維を樹脂で被覆した樹脂被覆繊維ペレットを射出成形すると、成形後の成形品中に含まれる繊維の長さが、コンパウンドペレットに比べてはるかに長くなり、成形品の耐衝撃性、曲げ弾性率などが向上することが記載されている。
このように、予め繊維を樹脂で被覆した繊維被覆樹脂組成物を用いることによりほぼ解決できるようになった。しかし、この方法のように単に繊維束を樹脂で被覆しただけのものは繊維間に空気層が存在するため、樹脂の含浸性が充分でなく、これを用いて得られた成形品には、繊維の分散不良や空気層の乱反射による白濁化、成形直後に気泡が抜けたことに起因する粗面化等の表面の外観不良や繊維の破砕により良好な機械物性を得ることが出来ないという問題があった。
また、かかる樹脂被覆繊維ペレットは、その特徴を生かして近年、導電性繊維を用いて、電磁波シールド性が要求される用途(例えば、パソコン筐体、液晶等)に使われているが、上記と同様の理由により、成形品中に繊維が均一に分散しにくいため、良好な電磁波シールド特性が得られないという問題があった。
このような点から、より実用性のある新しい繊維含有樹脂成形品を得るために、成形品中の繊維の残存長をなるべく長く保ち、繊維の分散性をあげる事により、良好な表面状態を維持し、更なる機械物性や導電性の向上を可能とする充填材として繊維を含有した樹脂組成物の早急な開発が望まれていた。
特公平5−83044号公報 特開昭61−241356号公報 特開平04−198224号公報 特開2000−007906号公報 特開昭48−663号公報 特許2651057号掲載公報 特開昭59−196334号公報 特許2732986号掲載公報 特公昭63−37694号公報 特許2626012号掲載公報 特開昭57−181852号公報 特開2003−192911号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、高い機械物性の維持や高い導電性の確保した成形品を得ることを可能とするために、遊離繊維の発生、樹脂との混練不良、繊維の折損等による樹脂強化能や導電性の低下等を抑制し、樹脂の含浸性の良好で分散性に優れた繊維含有樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
すなわち本発明は、200℃での溶融粘度が10000dPa・s以下かつ数平均分子量が10000〜30000である熱可塑性樹脂(A)を、充填材(B)としての繊維径4〜20μmである長繊維に溶融引き抜き法により含浸してなり、該長繊維は全組成物の10〜90重量%含有してなることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物である。
更に本発明は、熱可塑性樹脂(A)が非晶性ポリエステル樹脂であり、そのジカルボン酸成分がテレフタル酸30〜60重量%およびイソフタル酸10〜30重量%を主成分とする上記充填材含有熱可塑性樹脂組成物である。
更に本発明は、充填材(B)が有機繊維または導電性繊維であることを特徴とする上記充填材含有熱可塑性樹脂組成物である。
更に本発明は、導電性繊維が、金属繊維、金属コート繊維、カーボン繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維で体積固有抵抗値が10Ωcm以下である上記充填材含有熱可塑性樹脂組成物である。
更に本発明は、長繊維が長さ1m当たりに35ピッチ以上の撚りを含むことを特徴とする上記充填材含有熱可塑性樹脂組成物である。
更に本発明は、上記充填材含有熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂(C)とからなる成形品である。
更に本発明は、上記成形品の製造方法である。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)は、充填材に含浸されやすく、かつペレット成形が良好であることから、(1)嵩高い充填材をコンパクトにまとめて比重を高くし単位体積あたりの充填材(B)含有量を多くし、(2)充填材(B)のまわりを熱可塑性樹脂(A)で被覆することによって成形品の製造まで充填材を保護する役割を担い、(3)定量供給性が良好であるため、この充填材含有により機械物性や導電性が良好な成形品の提供が可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂(A)は、200℃での溶融粘度が10000dPa・s以下かつ数平均分子量が10000〜30000であることが好ましい。溶融粘度が10000dPa・sを越えたり、分子量(Mn)が30000以上では、と含浸が困難となり、また、分子量(Mn)が10000未満ではペレット成形が困難となり好ましくない。尚、本発明における溶融粘度とは、JIS K6862に準拠して、試験温度200℃にて測定されたものであり、分子量とは、HPLCにて測定した数平均分子量(以下、Mnという)のことである。
熱可塑性樹脂(A)の具体例としては、溶融粘度10000dPa・s以下かつ数平均分子量が10000〜30000であることを満足すれば、いかなる熱可塑性樹脂でも適用は可能であるが、特に好ましいのは非晶性ポリエステル樹脂である。
非晶性ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分とを、全カルボキシル基に対し全OH基が実質的に当量になるように混合して重縮合させたものを示す。
本発明における非晶性ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、フタル酸(オルソフタル酸)、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類等が挙げられる。なかでも炭素数6または10の芳香族基、すなわちベンゼン骨格またはナフタレン骨格のジカルボン酸が好ましくテレフタル酸,イソフタル酸,ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができるが、中でもテレフタル酸,イソフタル酸が好ましい。ここでジカルボン酸にテレフタル酸,イソフタル酸を各々単独で用いることも可能であるが、テレフタル酸,イソフタル酸の2種類を用いた場合の割合は、テレフタル酸30〜60重量%、およびイソフタル酸10〜30重量%が最も好ましい。
本発明における非晶性ポリエステルを構成するテレフタル酸が30重量%未満あるいはイソフタル酸が30重量%以上では、成形樹脂である、エンジニアリングプラスチックと相溶性が低下し、機械的特性や導電性の低下につながる。またイソフタル酸が10重量%未満あるいはテレフタル酸が60重量%以上であると、熱可塑性樹脂(A)の結晶性が高くなり、充填材(B)への含浸性が低下する。更にテレフタル酸はイソフタル酸よりも過剰に配合されていることが、成形樹脂との相溶性や繊維への含浸性の点で最も好ましい。
本発明における非晶性ポリエステルを構成するジオール成分としては、一般に使用されているジオール類であれば、特に限定されない。例えば、1,2−ヒドロキシエタン、2,2´−ジヒドロキシエチルエーテル2,2´−(オキシビス(2,1−エタンジロキシ))ビスエタノール、2,2´−エチレンジオキシビス(エタノール)、1,2−ヒドロキシプロパン、1,3−ヒドロキシブタン、1,4−ヒドロキシブタン、1,2−ヒドロキシペンタン、1,4−ヒドロキシペンタン、1,5−ヒドロキシペンタン、2,4−ヒドロキシペンタン、1,3−ジヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン、1,2-ジヒドロキシヘキサン、ジヒドロキシドデカン等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール類、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族基を含むグリコール類、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類などが挙げられる。
これらのジオール類は、そのエステル誘導体であってもよい。またこれらのジオールは、2種以上の組合せであってもよい。また、本発明の効果を損なわない限り、その他のポリエステル成分を共重合することもできる。
また、本発明の非晶性ポリエステルは、予備結晶化工程及び固相重合工程を通らず、液相重合工程のみで製造されたポリエステルであり、示差走査型熱量計(DSC、昇温速度10℃/分)で結晶化温度は観測されず、一般的な結晶化ポリエステルに比べて、低温で流動性を示す。また、融点ピークはブロードとなり、通常50〜300℃、好ましくは100℃〜200℃を示す。
本発明で用いられる溶融粘度10000dPa・s以下かつ数平均分子量が10000〜30000である熱可塑性樹脂(A)を含浸した充填材(B)としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、ケイソウ土、雲母、スメクタイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、リトボン、アルミナ、ゼオライト、カーボンブラック、グラファイト等の無機フィラー、金属粉、金属フレーク及び金属酸化物、有機繊維、導電性繊維等が挙げられるが、有機繊維または導電性繊維であることが、特に好ましい。
例えば、有機繊維のとしては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリ乳酸繊維、絹繊維、羊毛繊維、レーヨン繊維、再生セルロ−ス繊維、綿繊維、麻繊維、ケナフ繊維等が挙げられ、これらから選ばれる1種、又は2種以上使用される。
例えば、導電性繊維としては、金属繊維、金属コート繊維、カーボン繊維から選ばれる1種、又は2種以上使用される。
例えば、金属繊維としては、ステンレス繊維、銅繊維、ニッケル繊維、鉄繊維、アルミニウム繊維、銀繊維、亜鉛繊維等が挙げられ、これらから選ばれる1種、又は2種以上使用される。
例えば、金属コート繊維としては、カーボン繊維あるいは、上記の有機繊維表面に銅、銀、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム等の金属でコートした繊維が挙げられ、これらから選ばれる1種、又は2種以上使用される。
例えば、カーボン繊維としては、アクリル系繊維、ピッチ、レーヨン等を原料とすることができるが、特にアクリロニトリルを主成分としたアクリル系繊維から製造されたカーボン繊維が工業的な生産性に優れ、かつ力学特性にも優れており好ましい。アクリル系繊維としては耐炎化反応を促進するモノマー成分を含むものであれば特に限定されるものではなく、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、あるいはアリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、およびそれらのアルカリ金属塩等を上げることができるがこの限りではない。紡糸方法は湿式紡糸法や乾湿式紡糸法を適用することが好ましいが特に限定されるものではない。
アクリル系カーボン繊維は、アクリロニトリルを主成分として重合して得たアクリル系繊維を200〜400℃の空気雰囲気中で加熱して酸化繊維に転換する耐炎化工程と、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気中でさらに高温で加熱して炭化する炭化工程を経ることで得られる。本発明で使用するカーボン繊維は、アクリル系繊維を耐炎化し、次いで炭化する温度としては1200〜2200℃を採用することが好ましい。好ましくは1500〜2100℃である。
有機繊維または導電性繊維の体積固有抵抗値は、10−3Ωcm以下が望ましく、これらを使用した充填材含有樹脂組成物の体積固有抵抗値は、10Ωcm以下であることが望ましい。10Ωcm以上であると成形された場合、電子波シールド効果はほとんど期待できないからである。
有機繊維または導電性繊維の繊維径は4〜20μmが好ましい。4μm未満であると嵩高になり、また、溶融樹脂中での剪断力が弱くなる。20μmを超えると成形品の表面が平滑でなくなり好ましくない。
有機繊維及びまたは導電性繊維は3000〜100000本、好ましくは5000〜25000本の束をひとつの単位として熱可塑性樹脂(A)を含浸した後、ペレット成形されて、充填材含有の熱可塑性樹脂組成物となる。繊維の束は、充填材含有熱可塑性樹脂組成物の太さに影響するため、上記本数の範囲外では充填材含有熱可塑性樹脂組成物の径が細すぎたり太すぎたりして使い難い。
熱可塑性樹脂(A)の充填材(B)への含浸方法としては、例えば、有機繊維または導電性繊維の場合、加熱して低粘度にした熱可塑性樹脂(A)を繊維に含浸させる公知の方法等が挙げられる。この含浸工程により、繊維束を構成する繊維と繊維の間の空間は、熱可塑性樹脂(A)で満たされるとともに、繊維は確実に一体化して離脱することなく保持され、その後の取り扱い性が良好になり作業性が向上する。
有機繊維または導電性繊維は含浸前に開繊させることが好ましい。開繊により樹脂の含浸が短時間にスムーズに行われ、成形条件が多少変化しても高い含浸性が保持され、繊維を均一に分散かつ各繊維を囲むように樹脂が含浸するため繊維間に存在する空間が小さくなり、その数も減少し、良好な含浸状態が得られる。
有機繊維または導電性繊維は無撚りの方が開繊処理しやすいため、繊維に熱可塑性樹脂(A)が含浸されやすくなり好ましいが、撚りがかかっているものを用いることも出来る。
また、有機繊維または導電性繊維は含浸後に含浸装置のダイの出口で長さ1m当たりに35ピッチ以上の撚りを行うことが好ましい。ダイスの中でほぐれたり短く切れてしまったりした繊維を巻き込んで撚ることにより、これらが原因で生じるオリフィスの目詰まりを防ぐとともに、含浸された樹脂が繊維の束の外側に浸み出して束を被覆することにより形状が整い、繊維を保護する効果がある。また撚る事により、ペレット長よりも5〜10%繊維を長く維持する事が可能である。成形樹脂にこの充填材含有樹脂組成物を配合して成形品にした場合、撚りの無い充填材含有樹脂組成物に比べて、機械物性あるいは導電性を約20%以上向上させることが可能である。撚り数が、長さ1m当たりに35ピッチ未満では、ダイの中でほぐれたり短く切れてしまったりした繊維がペレット表層に毛羽立ちとして現れたり、オリフィスでの目詰まりを引き起こしたりして、品質上及び加工上好ましくないだけでなく、繊維長の維持が困難になり、強度や導電性等に期待した効果を得る事が不可能となる。
尚、本発明で用いられる充填材(B)は、その延伸性が失われない温度で熱可塑性樹脂(A)と加工されることが好ましい。
熱可塑性樹脂(A)が含浸された充填材(B)のストランドは、その後、機械的衝撃処理によりカットされペレット成形されて充填材含有の熱可塑性樹脂組成物となる。このペレット成形の工程は、充填材として、有機繊維または導電性繊維を含有した樹脂組成物の定量供給性のためには必要不可欠なものであり、MNが10000未満の樹脂ではペレット成形の衝撃に耐えられずにバラバラになりペレット形状が保持出来ない。尚、本発明でいう「ペレット」とは、直径又は一辺が2mm〜5mmくらいの小さい球形、円柱形又は角柱等に造粒した成形用材料をいう。
充填材(B)を含有した充填材含有熱可塑性樹脂組成物の製造の際、樹脂組成物の機能を阻害しない範囲内で必要に応じて、上記成分以外に難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、変色防止剤、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、スリップ剤、摺動性改質剤、導電性付与剤、帯電防止剤、剛性付与剤、衝撃改良剤等の添加剤を配合しても構わない。
本発明の充填材(B)は、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂、テルペン・フェノールなどのフェノール系共重合体、液晶性樹脂などの集束剤で処理されていてもよい。
本発明の充填材を含有した熱可塑性樹脂組成物はマスターバッチである。マスターバッチとは、充填材(B)を高濃度に含有し、成形品の成形時に希釈樹脂(未着色の熱可塑性樹脂)である熱可塑性樹脂(C)で充填材含有率を所望の濃度に希釈して成形品とされる樹脂組成物をいう。
マスターバッチにおける熱可塑性樹脂(A)の配合割合は10〜90重量%が望ましい。これらの範囲未満では充填材に含浸されるのに充分な量でないため充填材(B)としての有機繊維または導電性繊維が一束にまとまらず、充填材含有樹脂組成物が加工できないおそれがある。また、これらの範囲を超えた量を含浸に用いても、その量に応じた効果が期待できないばかりか、相対的にマスターバッチにおける充填材の量が減少し、成形品の物性強化の効果が低減するおそれがある。
製造時における繊維の機械的損傷を抑えるため、マスターバッチと熱可塑性樹脂(C)とは予め溶融混練せず、成形品の加工時に直接射出成形機や押出成形機にそれぞれ投入され機内で初めて混合という製造工程を極力削減しているので、成形機内において熱可塑性樹脂(C)中に有機繊維または導電性繊維が速やかにかつ均一に分散されることが必要とされる。よって、充填材(B)としての有機繊維または導電性繊維束に含浸されている熱可塑性樹脂(A)の融点又は軟化点は熱可塑性樹脂(C)の融点又は軟化点以下であることが好ましい。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(C)は、成形品に使用される一般的な熱可塑性樹脂のが用いられる。例えば、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン9Tなど)やこれらの共重合ポリアミド(液晶性ポリアミドを含む)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)やこれらの共重合ポリエステル(液晶性ポリエステルを含む)、ポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタ−ルおよびこれらを組み合わせたポリマーアロイなど、ほとんどすべての熱可塑性樹脂を用いることができる。それらの中で好ましいものとしてポリアミド、ポリカーボネート、ABS、ポリフェニレンオキサイド、ポリオレフィンである。
また、特に耐衝撃性改良の必要性に応じて、オレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマーなどのエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物を添加して、所望の特性をさらに付与した樹脂も使用することもできる。更に、成形性、耐熱性、低吸水性などの必要特性に応じて、これらの共重合体、および2種類以上混合した樹脂も本発明で使用できる。また、更に耐衝撃性向上などのために、上記樹脂にエラストマー、もしくはゴム成分を添加した樹脂や、樹脂を混合するときの相溶性制御などのために末端基を変性したり、封止した樹脂も、本発明に含まれる。
成形品における熱可塑性樹脂(B)への配合割合は30〜85重量%、特に60〜80重量%が好ましい。30重量%未満では樹脂の流動性が悪くなって成形不良になり、機械特性や導電性が得られず、85重量%を超えると成形品の機械特性が得られず、また反り等の不良が発生するので好ましくない。
また、本発明の充填材含有樹脂成形品の製造の際、成形品の機能を阻害しない範囲で必要に応じて耐熱安定剤、耐候剤、滑剤、スリップ剤、難燃剤、核剤、顔料、染料等の添加剤を配合しても構わない。
本発明における成形品の用途としては、薄肉成形品における、成形性、力学的特性(特に剛性)が求められる電子・電気機器用部材などが挙げられる。本発明の成形品は、高い剛性、軽量化、電磁波シールド性などが達成できるため、携帯用の電子・電気機器のハウジングなどの用途に有効である。より具体的には、大型ディスプレイ、ノート型パソコン、携帯用電話機、PHS、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯用ラジオカセット再生機などのハウジングなどに好んで使用される。
また、充填材が導電性繊維の場合、充填材含有熱可塑性樹脂蘇生物は高い導電性を有しているため、少量添加で帯電/放電防止性を付与することができ、それらの特性が必要とされる部材、例えばICトレー、シリコンウェーハー運搬用バスケットなどへの適応にも有用である。
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。例中、部とは重量部を、%とは重量%を表す。
(実施例1)テレフタル酸:249部、イソフタル酸:83部、1,2−ヒドロキシプロパン:76部、1,2−ヒドロキシエタン:162部、酢酸マンガン四水和物 0.25部を反応器に仕込み、窒素雰囲気下常圧にて240℃、3時間撹拌しながら反応させた。ついで、加熱温度を260℃にして3時間反応させた。この反応により生成したメタノールは常時系外に留去した。
次に、二酸化ゲルマニウムと1,2−ヒドロキシエタンを1:10の重量比でなる混合物溶液0.24重量部を反応系に加え、20分攪拌した後、燐酸0.08重量部を加えて1時間反応させた。その後、1時間かけて280℃まで昇温させ、系内を1Torrにまで減圧し、さらに4時間反応させ、余剰の1,2−ヒドロキシエタンを系外に留去した。反応終了後、反応物を反応器外にストランド状に溶融押出し、水中に浸漬し冷却した後、ストランドカッターによってペレット状に裁断した。
以上の液相重合によって得られた非晶性ポリエステル(1)を、高温GPCアライアンスシステム(Waters社製)にて重量平均分子量(Mn)を測定したところ20000であった。また溶融粘度はキャピラリーフローテスト試験装置キャピログラフ1D(東洋精機社製)で測定したところ、510dPa・sであった。また融点は、示差走査型熱量計DSC SSC5200(セイコーインスツルメンツ社製)で測定したところ、融点は167℃であった。結果を表4に示した。
また非晶性ポリエステル(1)の共重合割合は、核磁気共鳴装置JMN-LA400(13C−NMR)日本電子社製により分析した結果、それぞれ、テレフタル酸:53.0%、イソフタル酸:17.6%、1,2−ヒドロキシプロパン:16.2%、1,2−ヒドロキシエタン:13.2%であった。
非晶性ポリエステル(2)〜(6)においても共重合ポリエステル(1)と同様な方法にて作成し、結果を表4に示した。
上記で作成した非晶性ポリエステル樹脂(1)を加熱溶融して、25%を含浸させたステンレス繊維(繊維径8μm、繊維束12000本)75%をストランド状にし、ペレタイザーにてカットして長さ6mmで縒り数40ピッチのペレット状のマスターバッチ(ポリエステル系樹脂組成物)を得た。このとき、含浸性及びコーティング性とも良好なマスターバッチを得る事ができた。
(比較例1)6mmカットして短繊維化した充填材のステンレス繊維75%と非晶性ポリエステル(1)25%とを配合し、ヘンシェルミキサ−150L(三井三池化工機社製)にて混合攪拌した後、スクリュー径40mm、L/D値42の二軸同方向回転型スクリュー押出機にて溶融混練し、ストランドをペレタイザーにてカットして長さ6mmのペレット状の充填材含有熱可塑性樹脂組成物を得た。含浸性及びコーティング性とも良好なマスターバッチであったが、縒りを20ピッチ以上入れるとストランドが安定しなくなるため、撚り数は15ピッチとした。
(比較例2)実施例1で使用した非晶性ポリエステル樹脂(1)の代わりに、ポリカーボネート25%を使用した以外は実施例1と同様にして含浸させようとしたが、含浸できなかったため、その後の実験は中止した。
(比較例3)実施例1で使用した非晶性ポリエステル樹脂(1)の代わりに、ポリアミド25%を使用した以外は実施例1と同様にして含浸させようとしたが、含浸できなかったため、その後の実験は中止した。
(比較例4)実施例1で使用した非晶性ポリエステル樹脂(1)の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂(2)を使用した以外は実施例1と同様にして含浸させようとしたが、含浸できなかったため、その後の実験は中止した。
(比較例5)実施例1で使用した非晶性ポリエステル樹脂(1)の代わりに、結晶性ポリエステル樹脂(3)を使用した以外は実施例1と同様にして、ストランド状にし、ペレタイザーにて長さ6mmカットをしたが、ブロッキングしてしまい、カッティングできなかった。そのためその後の実験は中止した。
(比較例6)実施例1で使用した非晶性ポリエステル樹脂(1)の代わりに、結晶性ポリエステル樹脂(4)を使用した以外は実施例1と同様にして、ストランド状にし、ペレタイザーにて長さ6mmカットをしたが、含浸性が不良でカッティング時にストランドがバラバラとなりペレットを作製することができなかった。そのため、その後の実験は中止した。
(実施例2)実施例1で使用した非晶性ポリエステル樹脂(1)の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂(5)を使用した以外は実施例1と同様にして、ストランド状にし、長さ6mmで縒り数42ピッチのペレット状の充填材含有熱可塑性樹脂組成物を得た。このとき、含浸性及びコーティング性とも良好なマスターバッチを得る事ができた。
(実施例3〜16)実施例1で使用したステンレス繊維の代わりに、表3に示すような各種繊維(カーボン繊維、Niコートカーボン繊維、Agコートポリエステル繊維、Cuコートアラミド繊維、Niコートアラミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリベンゾオキサゾリン繊維、綿繊維、麻繊維、ケナフ繊維)60%と非晶性ポリエステル(1)40%を使用して、実施例1と同様にして、ストランド状にし、長さ6mmで縒り数35ピッチ以上のペレット状の充填材含有熱可塑性樹脂組成物を得た。このとき、含浸性及びコーティング性とも良好なマスターバッチを得る事ができた。
(比較例7〜20)実施例3〜16の配合系にて、比較例1と同様にしてコンパウンドペレットを作成した。このときいずれも縒りを20ピッチ以上入れるとストランドが安定しなくなるため、撚り数は20ピッチ未満とした。
実施例1〜16及び比較例1〜2の充填材含有熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチ)について、配合内容と製造方法を表1に示した。
実施例1〜16及び比較例1〜20の充填材含有熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチ)について以下の(1)〜(4)の評価を行い、結果を表2に示した。
[生産性評価]
(1)充填材含有熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチ)の製造時の生産性を評価。
○:含浸も十分で、脈流やストランドの毛羽立ちを生じることなく、順調に生産可能。
△:若干の脈流や毛羽立ちは生じるが、含浸やカッティングは良好で生産は可能。
×:含浸も不十分で、ストランドに毛羽立ちやブロッキングが発生し、生産不可能。
(2)充填材含有熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチ)の製造時の撚り入れ数を、1m当たりのピッチ数で評価。35ピッチ以上であると、ダイス出口のオリフィスの目詰まりやストランドの毛羽立ちがほとんど無い。
[シート成形品の評価]充填材含有熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチ)を、充填材濃度10%になるように、表2に示す熱可塑性樹脂(C)をそれぞれ混合した。これらを、各々Tダイフィルム成形機(東洋精機製)を用いて、成形温度290℃(熱可塑性樹脂(C)がポリカーボネート<PC>あるいはポリエチレンテレフタレート<PET>の場合)、220℃(熱可塑性樹脂(C)ポリプロピレン<PP>の場合)、回転数60rpmで溶融押出し、膜厚100μmのフィルム状の成形物を得、(3)シート状態につき、以下の基準で評価し、結果を表2に示した。
(3)シート状態評価(膜割れ、ブツ、突起及び平滑性の有無等を目視評価)
○ :非常に良好であり、実用上問題なし。
△ :若干の表面あれが認められ、平滑性に難はあるが、実用上は問題なし。
× :加工性に問題があるだけでなく、分散不良により、膜割れ、剥離、ブツ、ピンホールのいずれかに問題があり、不良。
− :試験を実施せず。
[射出成形品の評価](3)と同様に、充填材濃度10%になるように、表2に示す熱可塑性樹脂(C)をそれぞれ混合し、射出成形機IS100F1(東芝機械社製)にて、背圧0kg/cm2、成形温度290℃(熱可塑性樹脂(C)がポリカーボネート<PC>あるいはポリフェニレンエーテル<PPE>の場合)、250℃(熱可塑性樹脂(C)ポリプロピレン<PP>の場合)、220℃(熱可塑性樹脂(C)がアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体<ABS>の場合)の条件で射出成形し、プレートを得た。得られたプレートについて、(4)成形プレートの表層状態、(5)機械物性保持率 、(6)導電性及び(7) 電磁波シールド性を以下の基準で評価し、表2に示した。
(4)成形プレートの表層状態評価(フラッシュ、シルバー、ひび割れ、ブツ、突起及び平滑性の有無等を目視評価)
○ :シルバーやフラッシュの発生もなく、外観や平滑性も非常に良好。
△ :シルバーやフラッシュの発生はないが、外観あるいは平滑性のいずれかに難あり。
× :フラッシュ、シルバー、ひび割れ、ブツ、突起及び平滑性のいずれかに問題有り。不良。
− :試験を実施せず。
(5)成形プレートの機械物性保持率評価
各プレートの引張強度(ASTM D638)、曲げ弾性率(ASTM D790)、アイゾット衝撃度(ASTM D256)の3つの機械的物性の試験値をそれぞれ求め、熱可塑性樹脂(C)のみから成るプレートの値を100%として、それぞれのプレートの物性の保持率を求めた。
○ :引張強度の保持率:150%以上、曲げ弾性率の保持率:200%以上及びアイゾット衝撃値の保持率(PCの場合:50%以上、PPEの場合:60%以上、ABSの場合:80%以上、PPの場合:100%以上)を供に満足する場合。
△ :1試験値の保持率が上記条件を満たさない場合。
× :2試験値以上の保持率が上記条件を満たさない場合。
− :試験を実施せず。
(6)導電性の評価(体積抵抗値)
射出成形した各プレートの幅50mm×長さ75mm×厚さ3mmの試験片を、絶乾状態(水分率0.1%以下)で測定に供した。まず、2面有る長さ×厚さ面に導電性ペーストを塗布し、十分に導電性ペーストを乾燥させてから、その両面を電極に圧着し、電極間の電気抵抗値をホイーストンブリッジType2755(横河電気社製)にて測定する。一つのサンプルに対して、流れ方向、流れと直角方向の二方向を測定し、それぞれ平均値を求め、体積固有電気抵抗値とした(単位はΩ・cm)。10Ω・cm以下が導電性は良好である目安となる。
体積抵抗率の算出方法δ=R・S/L(但し、δ:体積抵抗率、R:電気抵抗測定値、S:試験片の断面積、L:電極間の長さを表す。)
(7)電磁波シールド性(透過減衰率)
射出成形した各プレートの厚さ3mmの平板を、スペクトロアナライザFSEA30(ロードシュワルツ社製)のシールドボックス内で10KHz〜3GHzの電磁波を照射した時に平板で減衰する減衰量測定した(アドバンテスト法)。減衰量測定値は、デシベル(単位dB)で表記し、表2にはマイクロ波領域の500MHzの数値を示した。一般的には30dB(約97%カット)以上であると電磁波シールド性があると言われており、40dB(99%カット)以上あれば、問題ないとされている。
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Claims (7)

  1. 200℃での溶融粘度が10000dPa・s以下かつ数平均分子量が10000〜30000である熱可塑性樹脂(A)を、充填材(B)としての繊維径4〜20μmである長繊維に溶融引き抜き法により含浸してなり、該長繊維は全組成物の10〜90重量%含有してなることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂(A)が非晶性ポリエステル樹脂であり、そのジカルボン酸成分がテレフタル酸30〜60重量%およびイソフタル酸10〜30重量%を主成分とする請求項1記載の充填材含有熱可塑性樹脂組成物。
  3. 充填材(B)が有機繊維または導電性繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の充填材含有熱可塑性樹脂組成物。
  4. 導電性繊維が、金属繊維、金属コート繊維、カーボン繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維で体積固有抵抗値が10Ωcm以下である請求項3記載の充填材含有熱可塑性樹脂組成物。
  5. 長繊維が長さ1m当たりに35ピッチ以上の撚りを含むことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の充填材含有熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の充填材含有熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂(C)とからなる成形品。
  7. 請求項6記載の成形品の製造方法。
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