JP2019081818A - 樹脂組成物および電子機器 - Google Patents

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芦邊 恒徳
Tsunenori Ashibe
恒徳 芦邊
恵子 山岸
Keiko Yamagishi
恵子 山岸
貴志 沼生
Takashi Numao
貴志 沼生
池田 武志
Takeshi Ikeda
武志 池田
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Abstract

【課題】 従来の炭素繊維を含有する樹脂組成物は導電性および電磁シールド性が不十分であった。【解決手段】 樹脂と炭素繊維とフィラーとを含有する樹脂組成物であって、前記炭素繊維の含有量が前記樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上35質量部以下であり、前記フィラーが前記炭素繊維の表面に付着しており、前記炭素繊維の表面における前記フィラーの付着率が10%以上100%以下であることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】 図1

Description

本発明は樹脂組成物に関し、特に導電性を利用した高い電磁シールド性を有する樹脂組成物に関する。また、その樹脂組成物を用いた電子機器に関する。
従来から、デジタル一眼レフカメラ、スマートフォン等の電子機器の筐体に広く使用されている樹脂組成物として、炭素繊維を含有する樹脂組成物が知られている。炭素繊維は、その高い導電性から樹脂を導電化し、その導電効果により電磁シールド性を得ることができる。
例えば、特許文献1には樹脂組成物の導電性を高めるために、ポリカーボネート樹脂に炭素繊維を23体積パーセント含有させた樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には炭素繊維を含有する樹脂組成物の導電性を高めるために、誘電体のフィラーを含有させた樹脂組成物が開示されている。
図10は、従来技術の炭素繊維を含有する樹脂組成物の模式図である。樹脂102は絶縁体(電気抵抗率が1010Ω・cm程度)であり、炭素繊維101どうしが接触することにより導電性が発現する。そのため、炭素繊維101の含有量を増やして、炭素繊維101どうしが接触する機会を増やすことにより、樹脂102の導電性を高めることが一般的に行われている(図11参照)。しかし、炭素繊維が樹脂中に大量に配合されると、樹脂の流動性が悪化し、成形時に成形不良を起こしやすくなる。そのため、炭素繊維の量を増やさずに、樹脂組成物の導電性を高めることが求められている。
特開平6−9819号公報 特開2005−150461号公報
しかし、近年の電子機器の高機能化に伴い、電子機器の筐体には、より高い導電性および電磁シールド性が求められている。本願発明者が特許文献1および2に開示された樹脂組成物を追試した結果、これらの樹脂組成物の導電性および電磁シールド性は、まだ不十分であることが分かった。
本発明の樹脂組成物は、樹脂と炭素繊維とフィラーとを含有する樹脂組成物であって、前記炭素繊維の含有量が前記樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上35質量部以下であり、前記フィラーが前記炭素繊維の表面に付着しており、前記炭素繊維の表面における前記フィラーの付着率が10%以上100%以下であることを特徴とする。
また、本発明の樹脂組成物は、樹脂と炭素繊維とフィラーとを含有する樹脂組成物であって、前記炭素繊維の含有量が前記樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上35質量部以下であり、前記フィラーが前記炭素繊維の表面に付着しており、前記樹脂組成物の25℃における直流抵抗値R(Ω)と25℃における周波数1MHz、振幅2Vp−pの交番電圧を印加したときのインピーダンスZ(Ω)が以下の関係式(a)を満たすことを特徴とする。
式(a):Z/R<0.05
本発明によれば、高い導電性および高い電磁シールド性を有する樹脂組成物を提供することができる。また、高い導電性および高い電磁シールド性を有する外装部品を有する電子機器を提供することができる。
本発明の樹脂組成物に含有される炭素繊維の概略図である。 同軸ケーブルの構造を示す概略図である。 本発明の樹脂組成物の電子顕微鏡写真である。 本発明の電子機器の一実施態様を示す概略図である。 平板状の樹脂組成物のインピーダンスZ(Ω)を測定する方法を示す概略図である。 平板状の樹脂組成物の直流抵抗値R(Ω)を測定する方法を示す概略図である。 ペレット状の樹脂組成物を製造する製造装置を示す概略図である。 射出成形装置を示す概略図である。 カメラボディ形状の樹脂組成物のインピーダンスZ(Ω)および直流抵抗値(R)を測定する方法を示す概略図である。 従来技術の炭素繊維の含有量が少ない時の炭素繊維と樹脂の混合状態を示す概略図である。 従来技術の炭素繊維の含有量が多い時の炭素繊維と樹脂の混合状態を示す概略図である。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、樹脂と炭素繊維とフィラーとを含有する。ここで、樹脂組成物とは、樹脂組成物を金型等で成形した樹脂や、押し出し成形や射出成形等によって得られるシート状、平板状の樹脂といったいわゆる樹脂成形物も含む。
本発明の樹脂組成物における炭素繊維の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上35質量部以下である。炭素繊維の含有量がこの範囲であると、樹脂組成物は良好な電磁シールド性と電子機器等の筐体として必要な衝撃強度を両立することができる。前記含有量が5質量部未満であると、電気抵抗値が高くなり電磁シールド性が不十分となってしまう。一方、35質量部を超えると樹脂組成物の衝撃強度が低くなってしまう。
本発明の樹脂組成物は、フィラーが炭素繊維の表面に付着している。図1は本発明の樹脂組成物の炭素繊維を示す概略図である。図1(a)に示す様に、複数のフィラー103が炭素繊維101の表面を覆うように付着していることが分かる。本発明の樹脂組成物は、フィラーが炭素繊維の表面に付着されることにより、直流抵抗値R(Ω)の値に依らずインピーダンスZ(Ω)が低減できる。また、インピーダンスZが低減することにより、導電性を高めることができる。
ここで本発明の樹脂組成物のインピーダンスが低減するメカニズムについて説明する。図2は一般的な同軸ケーブルの構造を示した概略図である。図中の同軸ケーブルは、直径dの円柱状の内部導体201と直径Dの外部導体203の間に比誘電率εの誘電体202が充填されている。このとき内部導体201のインピーダンスZは、以下に示す式(b)で表わすことができる。
式(b):Z=138/ε0.5・log(D/d)
すなわち、内部導体201のインピーダンスZは、導体および誘電体の直流抵抗値に依らず、誘電体202の比誘電率を大きくすることにより、低減できることが分かる。また、式(b)より、内部導体201の直径dを大きくすることによっても、インピーダンスZを低減できることが分かる。同様に、外部導体203の直径Dを小さくすることによっても、インピーダンスZを低減できることが分かる。
ここで、この同軸ケーブルのインピーダンスの関係式を、炭素繊維を内部導体201に、フィラーを誘電体202と見立てて、本発明の樹脂組成物に適用する。すると、インピーダンスZは炭素繊維の直流抵抗値に依らないことが分かる。また、フィラーの比誘電率が高いとインピーダンスZを低減できることが分かる。また、炭素繊維の直径が大きいとインピーダンスZを低減できることが分かる。さらに、フィラーの直径が小さいとインピーダンスZを低減できることが分かる。すなわち、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物中に含有される炭素繊維の表面にフィラーを付着させることにより、インピーダンスZを低減し、導電性を高めることができる組成物である。
本発明の樹脂組成物は、25℃における直流抵抗値R(Ω)と、25℃における周波数1MHz、振幅2Vp−pの交番電圧を印加したときのインピーダンスZ(Ω)が以下の関係式(a)を満たすことが望ましい。
式(a):Z/R<0.05
本発明の樹脂組成物は、上述したようにフィラーを炭素繊維の表面に付着させることにより、炭素繊維の直流抵抗値に依らず、インピーダンスZを低減させることができる。なかでも、関係式(a)を満たすと、直流抵抗値Rに対するインピーダンスZの値が小さいこととなり、上述したメカニズムによるインピーダンスZの低減効果が大きいことを意味する。また、Z/Rはより小さい値であることが好ましく、特に0.04未満が好ましく、より好ましくは0.03未満である。一方、Z/Rが0.05以上であると、上述したメカニズムのインピーダンスZの低減効果が十分に得られていないことを意味する。
ここで、本発明の樹脂組成物は、炭素繊維の表面におけるフィラーの付着率が10%以上100%以下であることが望ましい。前記付着率が10%未満であると、インピーダンスZの低減効果を十分に得られるようにするためである。
炭素繊維の表面におけるフィラーの付着率を測定する方法は特に限定されないが、例えば、SEM−EDX(走査型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分光法)によるマッピング法を用いることができる。以下に、その方法を説明する。
図1(b)は、図1(a)と同じ部分をSEM−EDXで組成分析したときに得られるSEM画像の概略図である。図中、白く光っている部分がフィラーである。例えば、樹脂組成物の構成として、樹脂にポリカーボネート、フィラーにチタン酸ストロンチウムを用いた態様とする。この態様においては、樹脂はSr(ストロンチウム)を含まないが、フィラーにはSrが含まれる。炭素繊維表面に付着しているフィラーにSrが含まれていれば、元素マッピングを行うことで、炭素繊維の表面にフィラーがどの程度の割合で存在しているか確認することができる。この場合では、炭素繊維の面積と、Srの存在が確認できた炭素繊維の面積とを比較して、付着率を定量する。
また、本発明の樹脂組成物に含有されるフィラーは、25℃の環境下で、周波数1MHz、振幅が2Vp−pの交番電圧を印加したときにおける比誘電率が80以上であることが好ましい。フィラーを大量に含有させなくても、インピーダンスZの低減効果をより十分に得られるためである。ここでフィラーを大量に含有すると、樹脂組成物の衝撃強度が低下するおそれがある。衝撃強度が低下するという観点において、好ましいフィラーの含有量は30質量部以下である。また、フィラーによるインピーダンスZの低減効果を得るという観点においては、フィラーの含有量は5質量部以上であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物に含有されるフィラーは、個数平均粒子径が10nm以上2μm以下であることが好ましい。個数平均粒子径が2μm以下であれば、フィラーを大量に含有させなくても、効率的に炭素繊維表面に付着させることができるためである。一方、10nmより小さくなると秤量時に正確性を欠くなどハンドリングが難しくなるおそれがある。
なお、個数平均粒子径の測定方法としては、例えば、以下の手段がある。まず、フィラーをSEM(走査型電子顕微鏡)で観察する。SEMの測定倍率は表1に示した通り、測定する粒子サイズにより測定倍率を変更する。得られた2次元画像から、粒子同士が重なり合っていないものを無作為に100個選び出す。得られた2次元画像の粒子をはさむ一定方向の二本の平行線の距離から定方向接線径(Feret径)を測定し、各粒子の粒径とする。こうして得られた100個の粒子径の相加平均値を、個数平均粒子径として採用することができる。
本発明に用いることができるフィラーとしては、酸化チタン、二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等が挙げられる。温度による特性変化が少ないという観点で、酸化チタン、二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムが好ましい。また、1μm以下の粒子を得やすいという観点においては、酸化チタンもしくはチタン酸ストロンチウムがより好ましい。さらに、樹脂にポリカーボネート樹脂を用いる場合においては、ポリカーボネートを分解しにくいという観点において、チタン酸ストロンチウムが好ましい。
本発明に用いるフィラーは、カップリング処理されていることが好ましい。炭素繊維の表面にフィラーで付着させやすくするためである。ここで、カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤など用いることができる。なお、カップリング剤の種類は炭素繊維の表面の処理方法や、結束剤の種類等に応じて適宜選択することができる。
本発明の樹脂組成物に含有される樹脂は40質量部以上90質量部以下であることが好ましい。40質量部未満であると、樹脂組成物の衝撃強度が低くなるおそれがある。90質量部より多いと、炭素繊維とフィラーの含有量が少なくなり、電気抵抗値が高くなり電磁シールド性が不十分となってしまうおそれがある。
本発明の樹脂は、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。本発明に使用される熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例えばポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることができる。また、ポリエチレンやポリプロピレン及びポリブタジエン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂を用いることもできる。また、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂及びエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂も用いることもできる。なお、衝撃強度が高く、かつ成形加工が容易という観点においては、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
本発明の樹脂は無水マレイン酸基を有する樹脂を含有することが好ましい。無水マレイン酸基は、エポキシ処理された炭素繊維表面および誘電率が高いフィラーとの結びつきが強い。そのため、フィラーをカップリング剤で処理しなくても、炭素繊維の表面にフィラーを選択的に介在させやすいという利点があるからである。
無水マレイン酸基を有する樹脂としては、例えば、無水マレイン酸変性樹脂がある。無水マレイン酸変性樹脂としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン共重合体(三井化学社製のタフマーMH5020、MH7010、MH7020、MA8510等)を用いることができる。また、無水マレイン酸変性スチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)共重合体(旭化成ケミカルズ社製のタフテックM1913、M1943やクレイトン社製のG1651等)を用いることもできる。
また、前記無水マレイン酸基を有する樹脂の含有量は、前記樹脂組成物100質量部に対して3質量部以上15質量部以下であることが好ましい。3質量部未満であると、衝撃強度が低下するおそれがある。一方、15質量部より多くなると、成形加工が難しくなるおそれがある。
本発明の樹脂組成物に含有される樹脂が無水マレイン酸基を有するか否かは、例えばフーリエ変換型赤外分光(FT−IR)等の分析手法で判断することが可能である。
また、熱可塑性樹脂は、用途に応じて熱可塑性エラストマーを配合しても良い。熱可塑性エラストマーは特に限定されず、例えば、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素ポリマー系エラストマー等を用いることができる。また、熱可塑性エラストマーで導電性を付与する場合にはポリエーテルエステルアミドやその混合物、ポリエーテルエステル等を用いることができる。
本発明の樹脂組成物に含有される炭素繊維の種類は特に限定されない。ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系でも、コールタールピッチや石油ピッチを原料とするピッチ系でも構わない。また、紡糸に供するピッチの結晶状態が異なる、メスフェーズピッチ系と等方性ピッチ系のいずれでも構わない。樹脂との濡れ性を高めるという観点においては、エポキシ系の樹脂で表面処理されていることが好ましい。炭素繊維表面にフィラーを付着させやすくなるためである。ここで、表面処理は集束材により結束する処理も含まれる。また、炭素繊維の直径は5μm以上10μm以下であることが好ましい。なお、炭素繊維表面の処理は、使用するフィラーのカップリング処理剤に応じて変更することが好ましい。いずれも、炭素繊維の表面にフィラーを付着しやすくなるためである。
本発明の樹脂組成物の構成比率は、公知の分離技術および分析技術を組み合わせて知ることができる。その方法や手順は特に制限されないが、例えば、樹脂組成物から有機成分を抽出した溶液を各種クロマトグラフ法等で成分を分離したのちに成分分析を行うことができる。
樹脂組成物から有機成分を抽出するには、有機成分を溶解可能な溶媒に樹脂組成物を浸して溶解させればよい。あらかじめ樹脂組成物を細かく破砕したり溶媒を加熱撹拌したりすることで、抽出に必要とする時間を短縮することができる。使用する溶媒は樹脂組成物を構成する有機成分の極性に応じて任意に選択できるが、トルエンやキシレン等の芳香族溶媒、テトラヒドロフランやジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、N−メチルピロリドン等の溶媒が好適に用いられる。また、これらの溶媒を任意の比率で混合して用いてもよい。
ここで有機成分を分離した後に残る残渣を乾燥して秤量することで、樹脂組成物中に含まれる無機成分の含有量を知ることができる。樹脂組成物の無機成分の含有量を知る方法としては、他に熱重量分析(TGA)等で樹脂の分解温度以上まで温度を上げて灰分を定量する方法もある。
また、有機成分を抽出した後に残る残渣を乾燥したサンプルの蛍光X線分析(XRF)を行うことで、無機成分に含まれる元素やその構成比率を知ることができる。
樹脂組成物から有機成分を抽出した溶液は、各種クロマトグラフ等の方法により成分を分離できる。低分子量の添加物の類はガスクロマトグラフ(GC)や高速液相カラムクロマトグラフ(HPLC)法、高分子量の重合体はゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)等で分離を行える。特に分子量の大きな架橋重合物やゲルが含まれる場合、液中にミセルが形成されている場合は、遠心分離や半透膜による分離を選択することもできる。分離された有機成分は、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定や赤外吸収(IR)スペクトル測定、ラマンスペクトル測定、マススペクトル測定、元素分析などの公知の分析手法により分析できる。
(樹脂組成物の製造方法)
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、樹脂と炭素繊維とフィラーを混合して製造することができ、2軸押し出し法、単軸押し出し法、電線被覆法などの各種押し出し機を用いて混練・成形する方法等がある。また、ニーダー、バンバリーミキサーなどの各種ミキサーによる方法、2本ロール、3本ロールミルなどの各種ロールミルを用いて混練・成形する方法等もある。しかし、フィラーを樹脂に混合して、いわゆるマスターバッチのような樹脂を作製した後に、当該マスターバッチと炭素繊維と樹脂を混合する方法は好ましくない。フィラーが炭素繊維の表面に付着しにくくなるためである。
射出成形に適応させるには、樹脂組成物の形状はペレット状であることが好ましい。例えば、2軸押し出し法等で線状の成形物を成形したのちストランドカッター等でペレット状にできる。
本発明の好ましい製造方法としては、フィラーを樹脂と炭素繊維と混合する前に、フィラーの表面にカップリング剤を用いて、いわゆるカップリング処理しておくことが好ましい。ここでカップリング剤の種類は特に限定されないが、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤等を用いることができる。エポキシ処理された炭素繊維表面との結びつきが強く、炭素繊維の表面にフィラーを付着させやすいという観点においては、有機官能基がエポキシ基であるシランカップリング剤が好ましい。
また、本発明の好ましい製造方法としては、無水マレイン酸基を有する樹脂を樹脂組成物に含有させることが好ましい。フィラーをカップリング剤で処理しなくても、炭素繊維の表面にフィラーを選択的に介在させることができるためである。
また、フィラーは樹脂と炭素繊維と混合する前に、あらかじめ炭素繊維表面にフィラーを付着させても良い。あらかじめ炭素繊維表面にフィラーを付着させる方法としては、浸漬法やスプレー法などを選択することができるが、これに限定されない。
浸漬法は、浸漬槽にフィラーを分散させた分散液を用意し、炭素繊維と樹脂を混合、成形する直前に、浸漬槽に炭素繊維を浸漬させながら処理する方法である。この方法は浸漬槽の重量変化と炭素繊維重量変化を簡易に測定することができるので、フィラーの処理量の管理をすることが容易である。
スプレー法は、強い圧力をかけることが可能であるため、炭素繊維表面に、よりフィラーが付着しやすくなる。但し、スプレー法は吐出したフィラー分散液が全て炭素繊維表面に付着することはないので、付着ロスが発生し、フィラーの処理量を管理することが難しい。
(電子機器)
本発明の電子機器は、樹脂組成物からなる外装部品を有する電子機器であって、前記樹脂組成物が本発明の樹脂組成物であることを特徴とする。図4は本発明の電子機器(一眼レフカメラのボディ部分)の一実施形態を示した概略図である。本発明の電子機器は、外装部品11に本発明の樹脂組成物を用いるため、高い導電性を有し、電子機器の外部で発生した電波が、ボディ内部に設けられた不図示の電子部品ではなく、外装部品11に流れやすくなる。そのため、本発明の電子機器は高い電磁シールド性を有する。
上記においては、電子機器として、一眼レフカメラのボディ部分について説明したが、レンズとカメラ本体が一体となったコンパクトカメラ、スマートフォン等、電磁シールド性が必要とされる多様な電子機器に適用することができる。
以下に実施例および比較例を用いて、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例、比較例においては、下記の項目について測定評価を行った。
<インピーダンスZ>
測定には樹脂組成物を150mm×150mm×2mm厚にした平板形状の樹脂組成物204を用いた。測定装置には、LCRメーター207としてPRECISION LCR METER 4284A(ヒューレットパッカード社製)、電極205、206としてKELVIN CLIP LEADS 16089A(ヒューレットパッカード社製)を用いた。振幅が2Vp−p、周波数が1MHzの交番電圧を、図5のように、平板形状の樹脂組成物204の両端部に印加し、インピーダンスZの値を測定した。測定は3枚行い、その平均値を測定データとした。また、測定環境は25℃±3℃、相対湿度55±5%とした。
<直流抵抗値R>
測定にはインピーダンスZ評価と同じ形状の樹脂組成物204を用いた。測定装置には、デジタルマルチメーター208としてFLUKE 187 TRUE RMS MULTIMETER(FLUKE社製)、電極209、210としてAC220 SureGrip(FLUKE社製)を使用した。直流のΩモードで、図6のように、平板形状の樹脂組成物204の両端部に印加し、抵抗値Rを測定した。測定は3枚行い、その平均値を測定データとした。また、測定環境は25℃±3℃、相対湿度55±5%とした。
<Z/R>
Z/R(関係式(a))は前記インピーダンスZ(Ω)と直流抵抗値R(Ω)の測定結果から算出し、以下の基準で評価した。
○:0.05以下
×:0.05を超えるもの
<電磁シールド性>
測定にはインピーダンスZ評価と同じ形状の樹脂組成物204を用いた。測定条件は、KEC(一般社団法人KEC関西電子工業振興センター)法に基づいて行った。また、測定環境は25℃±3℃、相対湿度55±5%とした。
電磁シールドは、以下の基準で評価した。
○:30dB以上(300MHz)
×:30dB未満(300MHz)
<SEM−EDXによる炭素繊維表面のフィラー付着割合の評価>
SEM−EDX(走査型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分光法)によるマッピング法により炭素繊維の表面にフィラーで付着している割合を求めた。
○:10%以上
×:10%未満
<総合評価>
上記項目が全て「○」であったものを総合評価「○」、一つでも「×」があったものを総合評価「×」とした。
また、実施例、比較例においては、下記の原料を用いて樹脂組成物を製造した。
<樹脂>
A−1:ポリカーボネート樹脂 A1900(出光興産社製)
A−2:無水マレイン酸変性ポリオレフィン タフマーMH7020(三井化学社製)
A−3:ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合樹脂 パンライトSS−2525(帝人社製)
A−4:ポリアミド6T樹脂 アーレンAE4200(三井化学社製)
<炭素繊維>
B−1:パイロフィル TRH50 60M RJ 2500m巻き フィラメント径6μm フィラメント数60000 (三菱レイヨン社製)
<フィラー>
C−1:チタン酸ストロンチウム ST−A(富士チタン工業社製)比誘電率 300 個数平均粒子径1.5μm
C−2:チタン酸ストロンチウム HPST−1S(富士チタン工業社製)比誘電率 300 個数平均粒子径0.6μm
C−3:酸化チタンCR−63(石原産業社製)比誘電率 80 、個数平均粒子径0.21μm
C−4:超微粒子酸化チタン TTO−55(石原産業社製)比誘電率 80 粒径0.035μm
<シランカップリング剤>
D−1:シランカップリング剤DOWCORNINGZ−6040SILANE(3M社製)
(実施例1)
<ペレット状の樹脂組成物の製造>
図7に示す様に、二軸押し出し機221として日本製鋼所社製のTEX44αII(L/D=38.5 11ブロック使用)を用いた。炭素繊維224はボビン状に巻かれたものを使用し、押し出し途中にあるホッパー223から投入した。なお炭素繊維224にはエポキシ処理を施した。
二軸押し出し機の詳細な条件は以下の通りである。
スクリュー225の構成:先端から3ブロック目にBMS(切り欠きスクリュー)
先端から4ブロック目にニーディングスクリュー
先端から7ブロック目から8ブロック目にニーディングスクリューを取りつけ、その他はフルフライトとした。
炭素繊維以外の材料投入箇所:ホッパー222
炭素繊維224の投入箇所:先端から5ブロック目のホッパー223
スクリュー回転数:90rpm
押し出し機温度:300℃設定
ダイス温度:300℃
樹脂吐出量:25kg/h
炭素繊維ボビン:2個
材料は以下の構成比率で混合した。
A−1:30.0質量部
A−2:10.0質量部
A−3:35.0質量部
B−1:15.0質量部
C−1:10.0質量部
この混合した材料をストランド121に押し出し、冷却部227で水冷してストランドカッター228で直径2.5mm長さ3.5mmに切断し、ペレット状の樹脂組成物122を得た。
<平板状の樹脂組成物の製造>
得られたペレット状の樹脂組成物を120℃で6時間乾燥した後に、図8に示す射出成形装置301のホッパー311へ投入し、設定温度を310℃にして射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板状の樹脂組成物304を得た。このときの射出成形の金型302及び303の温度は80℃とした。
<評価結果>
表2に評価結果を示す。
図3(a)は実施例1の樹脂組成物のSEM画像である。また、図3(b)は実施例1の樹脂組成物のSEM−EDX結果である。これらの画像より、炭素繊維の表面におけるフィラーの付着率を求めたところ、付着率は20%であったため、付着割合の評価は「○」であった。また、300MHzにおける電磁シールド性は45dBであったため、電磁シールド性評価は「○」であった。さらに、25℃におけるインピーダンスは19Ω、直流抵抗値は480Ωであったため、Z/Rは0.0396となり、Z/Rの評価は「○」であった。そのため総合評価は「○」であった。
(実施例2〜9)
<樹脂組成物の製造と評価>
実施例2はフィラーをC−2のフィラーに変更したこと以外は、実施例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。
実施例3はフィラーをC−3のフィラーに変更し、樹脂の構成比率を変更した以外は実施例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。
実施例4はフィラーをC−4のフィラーに変更したこと以外は実施例3と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。
実施例5は樹脂の構成比率を変更したこと以外は実施例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。
実施例6はフィラーと樹脂の構成比率を変更したこと以外は実施例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。
実施例7は、まず、フィラーC−1にカップリング処理を施した。具体的には、シランカップリング剤D−1に対し、エタノール水溶液(水:エタノール=1:9)を混合し、混合液を得た。得られた混合液とフィラーC−1をヘンシェルミキサーで混合しながら滴下し、100℃で60分間乾燥させ、カップリング処理を終了した。そして、カップリング処理済みのフィラーC−1を用いたこと、樹脂の配合比を変更したこと以外は実施例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。
実施例8は樹脂の構成比率を変更したこと以外は、実施例7と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。
実施例9は実施例1と同一条件でペレット状の樹脂組成物を製造し、実施例1とは金型の形状を変更し、図9に示される一眼レフカメラボディの軍幹部(上部カバー)213を製造した。
実施例2〜8の評価は、実施例1と同様の方法で評価を行った。
実施例9の評価は、実施例1〜8とは異なり、インピーダンスZおよび直流抵抗値Rの評価は図11のような測定系で評価した。LCRメーター207、デジタルマルチメーター208は実施例1〜8と同じ装置を用いたが、電極211と212は電極間の直線距離が10mmになるようにした。また、平面部分が150mm×150mmの面積に満たなかったため、KEC法を用いる電磁シールド性評価は行わなかった。
実施例2〜9の樹脂組成物の構成比率および評価結果を表2に示す。
<評価結果>
表2に示す様に、実施例2から8はいずれも総合評価が「○」であった。実施例9においても電磁シールド性以外の評価は「○」だったため、総合評価を「○」とした。
実施例2は、実施例1よりフィラーの個数平均粒子径が小さかったため、炭素繊維の表面におけるフィラーの付着率が実施例1より高くなった。そのため、電磁シールド性が実施例1より高く、Z/Rも実施例1より小さくなった。
実施例4は、実施例3よりフィラーの個数平均粒子径が小さかったため、炭素繊維の表面におけるフィラーの付着率が実施例3より高くなった。そのため、電磁シールド性が実施例3より高く、Z/Rも実施例3より小さくなった。
すなわち、本発明で得られた樹脂組成物は、炭素繊維を大量に混合することなくインピーダンスZを下げ、電磁シールド性を向上させることができた。
(比較例1)
<ペレット状の樹脂組成物の製造>
図7に示す様に、二軸押し出し機221として日本製鋼所社製のTEX44αII(L/D=38.5 11ブロック使用)を用いた。
二軸押し出し機の詳細な条件は以下の通りである。
スクリュー225の構成:先端から4ブロック目にニーディングスクリュー
先端から7ブロック目から8ブロック目にニーディングスクリューを取りつけ、その他はフルフライトとした。
スクリュー回転数:90rpm
押し出し機温度:300℃設定
ダイス温度:300℃
樹脂吐出量:25kg/h
炭素繊維ボビン:2個
材料の配合として、まず、以下の構成比率で樹脂A−1、A−3およびフィラーC−1を混練し、マスターバッチを得た。
A−1:30.0質量部
A−3:35.0質量部
C−1:10.0質量部
次に実施例1と同じスクリュー構成とし、以下の構成比率で炭素繊維を混練した。
マスターバッチ:75.0質量部
A−2:10.0質量部
B−1:15.0質量部
この混合した材料をストランド121に押し出し、冷却部227で水冷してストランドカッター228で直径2.5mm長さ3.5mmに切断し、ペレット状の樹脂組成物122を得た。
<平板状の樹脂組成物の製造>
得られたペレット状の樹脂組成物を120℃で6時間乾燥した後に、図8に示す射出成形装置301のホッパー311へ投入し、設定温度を310℃に調節して射出成形することにより、150mm×150mm×2mmの平板状の樹脂組成物304を得た。このときの射出成形の金型302及び303の温度は80℃とした。
<評価結果>
表3に評価結果を示す。
比較例1の樹脂組成物は、炭素繊維の表面におけるフィラーの付着率を求めたところ2%であったため、付着割合の評価は「×」であった。また、比較例1の樹脂組成物は、実施例1と同一配合比にもかかわらず実施例1よりインピーダンスが高かった。そのため、Z/Rは0.923と0.5より大きく、Z/Rの評価は「×」であった。また、電磁シールド性も21dBと、30dB未満であったため、電磁シールド性の評価は「×」であった。これらの結果は、フィラーC−1と樹脂A−1および樹脂A−3をあらかじめ混練したため、炭素繊維表面にフィラーがほとんど付着していなかったことに起因すると考える。すなわち、単に誘電率が高いフィラーを10質量部含有させても樹脂組成物のインピーダンス低下にはほとんど寄与せず、炭素繊維の表面にフィラーを付着させないとインピーダンスを十分に低下させることができないことが分かった。
(比較例2〜8)
<樹脂組成物の作製と評価>
比較例2はフィラーをC−2のフィラーに変更したこと以外は、比較例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。なお、樹脂組成物の構成比率は実施例2と同一であった。
比較例3はフィラーをC−3のフィラーに変更し、樹脂の構成比率を変更したこと以外は比較例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。なお、樹脂組成物の構成比率は実施例3と同一であった。
比較例4はフィラーをC−4のフィラーに変更したこと以外は比較例3と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。なお、樹脂組成物の構成比率は実施例4と同一であった。
比較例5は樹脂の構成比率を変更したこと以外は比較例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。なお、樹脂組成物の構成比率は実施例5と同一であった。
比較例6はフィラーと樹脂の構成比率を変更したこと以外は比較例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。なお、樹脂組成物の構成比率は実施例6と同一であった。
比較例7は比較例1と同一条件でペレット状の樹脂組成物を製造し、比較例1とは金型の形状を変更し、図9に示される一眼レフカメラボディの軍幹部(上部カバー)213を製造した。
比較例8はフィラーを用いず、樹脂の構成比率を変更したこと以外は実施例1と同一条件で平板状の樹脂組成物を製造した。
比較例2〜6および8の評価は、比較例1と同様の方法で評価を行った。
比較例7の評価は、実施例9と同じ手法で行った。また、平面部分が150mm×150mmの面積に満たなかったため、KEC法を用いる電磁シールド性評価は行わなかった。
比較例2〜8の樹脂組成物の構成比率および評価結果を表3に示す。
<評価結果>
表3に示すように、比較例2から8はいずれも総合評価が「×」であった。なお、比較例7、8は一部評価できなかった項目があったが、「○」の評価項目がなかったので、総合評価を「×」とした。
比較例2〜6の樹脂組成物は、それぞれ実施例2〜6の樹脂組成物と同一の構成比率にもかかわらず各実施例よりもインピーダンスが高かった。また、Z/Rはいずれも0.5より大きく、電磁シールド性も30dB未満であった。また、炭素繊維の表面におけるフィラーの付着率もいずれも5%未満であり、炭素繊維表面にフィラーがほとんど付着していなかったことが高インピーダンス、低電磁シールド性の原因であると考えられる。すなわち、単に誘電率が高いフィラーを含有させても樹脂組成物のインピーダンス低下にはほとんど寄与せず、炭素繊維の表面にフィラーを付着させないとインピーダンスを低下させることができないことが分かった。
また、フィラーを含有していない比較例8のインピーダンス、Z/Rおよび電磁シールド性の値は比較例1とほぼ変わらない値であった。このことからも、フィラーは炭素繊維の表面に付着されることによって初めて、インピーダンスやZ/Rの低下や電磁シールド性の向上といった効果を発現することが分かった。
11 外装部品
101 炭素繊維
102 樹脂
103 フィラー
121 ストランド
122 ペレット状の樹脂組成物
201 内部導体
202 誘電体
203 外部導体
204 樹脂組成物
205 電極
206 電極
207 LCRメーター
208 デジタルマルチメーター
209 電極
210 電極
211 電極
212 電極
213 軍幹部
221 二軸押し出し機
222 ホッパー
223 ホッパー
224 炭素繊維
225 スクリュー
227 冷却部
228 ストランドカッター
301 射出成形機
302 金型
303 金型
304 平板状の樹脂組成物
311 ホッパー

Claims (12)

  1. 樹脂と炭素繊維とフィラーとを含有する樹脂組成物であって、
    前記炭素繊維の含有量が前記樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上35質量部以下であり、
    前記フィラーが前記炭素繊維の表面に付着しており、
    前記炭素繊維の表面における前記フィラーの付着率が10%以上100%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 樹脂と炭素繊維とフィラーとを含有する樹脂組成物であって、
    前記炭素繊維の含有量が前記樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上35質量部以下であり、
    前記フィラーが前記炭素繊維の表面に付着しており、
    前記樹脂組成物の25℃における直流抵抗値R(Ω)と25℃における周波数1MHz、振幅2Vp−pの交番電圧を印加したときのインピーダンスZ(Ω)が以下の関係式(a)を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
    式(a):Z/R<0.05
  3. 前記フィラーの25℃における、周波数1MHz、振幅2Vp−pの交番電圧を印加したときの比誘電率が80以上である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記フィラーの個数平均粒子径が10nm以上2μm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記フィラーの含有量が5質量部以上30質量部以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記フィラーが酸化チタンもしくはチタン酸ストロンチウムである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記フィラーがカップリング処理されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記樹脂が、無水マレイン酸基を有する樹脂を含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記樹脂の含有量が40質量部以上90質量部以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 樹脂組成物からなる外装部品を有する電子機器であって、前記樹脂組成物が請求項1乃至9のいずれか1項に記載の樹脂組成物であることを特徴とする電子機器。
  11. 樹脂と表面にフィラーが付着した炭素繊維とを含有する樹脂組成物を製造する方法であって、
    前記炭素繊維の含有量が前記樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上35質量部以下であり、
    前記フィラーにカップリング処理を行い、
    前記樹脂と前記炭素繊維と前記フィラーを混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  12. 樹脂と表面にフィラーが付着した炭素繊維とを含有する樹脂組成物を製造する方法であって、
    前記炭素繊維の含有量が前記樹脂組成物100質量部に対して5質量部以上35質量部以下であり、
    前記樹脂が無水マレイン酸基を有する樹脂を含有し、
    前記樹脂と前記炭素繊維と前記フィラーを混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021220628A1 (ja) * 2020-04-28 2021-11-04 ウシオ電機株式会社 炭素繊維強化プラスチック構造体およびその製造方法

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