JP2017108675A - コンバイン - Google Patents

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Abstract

【課題】枕扱ぎ作業を良好に行うことが可能なものでありながら、耐久性の向上を図る。【解決手段】機体前部側の横軸芯周りでの回動に伴って、脱穀フィードチェーン10の穀稈入口部10Aを開放する規制解除状態と、穀稈入口部10Aを塞ぐ規制状態とに切り換え自在な規制部材29と、規制部材29が規制解除状態であるときに被検出部30の存在を検出可能な非接触式の検出センサ31と、被検出部30の存在が検出されなければ刈取作業用の運転状態になり、被検出部30の存在が検出されると枕扱ぎ用の運転状態になるように、脱穀装置の駆動速度を制御する脱穀制御部とを備え、検出センサ31及び規制部材29が、穀稈搬送装置11を支持するフレーム体32に支持されている。【選択図】図3

Description

本発明は、刈取穀稈を脱穀フィードチェーンにより搬送しながら脱穀処理する脱穀装置と、刈取部で刈り取った刈取穀稈を脱穀フィードチェーンに向けて搬送する穀稈搬送装置とを備えたコンバインに関する。
この種のコンバインでは、従来より、圃場の枕地で手刈りした穀稈を手動で脱穀フィードチェーンに供給して脱穀する枕扱ぎ作業を行う時には、脱穀フィードチェーンの速度を低速にするようにしたものがある。すなわち、脱穀フィードチェーンの搬送入口部に、枕扱ぎ作業を許容する枕扱ぎ姿勢と、枕扱ぎ作業を規制して刈取部にて刈取られた穀稈だけを脱穀処理する通常作業姿勢とに切り換え自在な規制部材と、規制部材が枕扱ぎ姿勢に切り換わったことを検出する検出センサとを備え、さらに、枕扱ぎ状態に切り換わったことが検出センサにて検出されると、脱穀装置における脱穀フィードチェーンの駆動速度を枕扱ぎ作業用の速度に調節する制御装置を備えている。そして、規制部材及び検出センサは夫々、脱穀装置側に支持され、検出センサは、規制部材の姿勢変化に伴って、検出センサと規制部材とが接触して機械的に連動するようにして操作される構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−267029号公報
上記コンバインは、枕扱ぎ作業時には、脱穀装置を枕扱ぎ用の運転状態にすることで、手動操作による刈取穀稈の供給を容易に且つ安全に行えるようにして、枕扱ぎ作業を良好に行うことが可能となる。
ところで、コンバインに備えられる脱穀装置は、その内部に、大きな重量を有するとともに高速で回転される扱胴を備えているので、刈取穀稈を扱胴により扱き処理する際に、脱穀装置は作業の実行に伴って大きく振動する。
そして、上記従来構成では、検出センサが脱穀装置側に支持されるので、脱穀作業が実行されるに伴って発生する振動に起因して、検出センサが不具合を起すおそれがあり、短期間の使用で適切な検出作動が行えなくなるおそれがあった。しかも、検出センサは、規制部材の姿勢変化に伴って、検出センサと規制部材とが接触して機械的に連動するようにして操作されるものであるから、その点からも不具合を起すおそれが大となっていた。
そこで、枕扱ぎ作業を良好に行うことが可能なものでありながら、耐久性の向上を図ることが望まれていた。
本発明に係るコンバインの特徴構成は、
刈取穀稈を脱穀フィードチェーンにより搬送しながら脱穀処理する脱穀装置と、
刈取部で刈り取った刈取穀稈を前記脱穀フィードチェーンに向けて搬送する穀稈搬送装置と、
機体前部側の横軸芯周りでの回動に伴って、枕扱き作業時に前記脱穀フィードチェーンの穀稈入口部を開放する規制解除状態と、前記穀稈入口部を塞いで手動での穀稈の供給を規制する規制状態とに切り換え自在な規制部材と、
前記規制部材が前記規制解除状態であるときに、前記規制部材に備えられた被検出部の存在を検出可能な非接触式の検出センサと、
前記検出センサが前記被検出部の存在を検出しなければ刈取作業用の運転状態になり、前記検出センサが前記被検出部の存在を検出すると枕扱ぎ用の運転状態になるように、前記脱穀装置の駆動速度を制御する脱穀制御部とを備え、
前記検出センサ及び前記規制部材が、前記穀稈搬送装置を支持するフレーム体に支持されている点にある。
本発明によれば、規制部材が規制解除状態に切り換えられ、検出センサが被検出部の存在を検出すると、脱穀制御部は、枕扱ぎ用の運転状態になるように脱穀装置の駆動速度を制御する。つまり、作業者が枕扱ぎ作業を行う場合、例えば、脱穀フィードチェーンが刈取作業用の運転状態における駆動速度よりも低速で駆動される等、枕扱ぎに適した運転状態で駆動される。その結果、枕扱き作業を良好に行うことができる。
検出センサ及び規制部材が、穀稈搬送装置を支持するフレーム体に支持されているので、脱穀装置に備える場合に比べて強い振動が作用せず、不具合を起こすおそれが少ない。
検出センサは、規制部材に備えられた被検出部が規制解除状態に対応する位置にあると、その存在を検出することができる。検出センサは、非接触式であるから、規制部材との間で機械的に連動して操作される場合のように、規制部材側からの振動が伝わることがないので、振動に起因した不具合がより一層少なくなる。
従って、枕扱ぎ作業の際には枕扱ぎ作業に適した運転状態で脱穀装置を作動させることにより作業を良好に行うことが可能なものでありながら、耐久性の向上を図ることが可能となった。
本発明においては、前記規制部材は、前記規制状態から前記規制解除状態に切り換わった場合、及び、前記規制解除状態から前記規制状態に切り換わった場合の両方において、前記規制部材の所定範囲以上の回動を規制する回動規制部を備えていると好適である。
本構成によれば、回動規制部は、規制部材を規制状態から回動させて規制解除状態に切り換えた場合に、規制部材のそれ以上の回動を規制するとともに、規制部材を規制解除状態から回動させて規制状態に切り換えた場合に、規制部材のそれ以上の回動を規制する。つまり、規制状態にて作用する回動規制部と規制解除状態にて作用する回動規制部とを兼用するので、それらを各別に設ける場合に比べて、構成の簡素化を図ることができる。
本発明においては、
前記フレーム体に、枕扱き作業時に作業者が手動で供給する穀稈を受け止め案内する受止め台、及び、前記検出センサを支持する支持部材が連結され、
前記回動規制部は、前記規制部材が前記規制状態から前記規制解除状態に切り換わった場合に、前記受止め台に当接して所定範囲以上の回動を規制し、前記規制部材が前記規制解除状態から前記規制状態に切り換わった場合に、前記支持部材に当接して所定範囲以上の回動を規制すると好適である。
本構成によれば、枕扱ぎ作業時には、手作業で供給する穀稈をフレーム体に連結された受止め台にて受止め案内しながら安定した姿勢で脱穀装置に供給することができる。検出センサは、フレーム体に連結された支持部材に支持される。穀稈搬送装置を支持するために大型の部材となるフレーム体に特別な加工を施さなくても、規制部材の状態を検出するのに適した位置に検出センサを備えることができる。
そして、枕扱ぎ作業に必要となる受止め台と、検出センサを支持するための部材である支持部材とを利用して、規制状態及び規制解除状態の両方において、回動規制部による回動規制を行うことができる。
本発明においては、
前記検出センサは、前記被検出部の前記横軸芯周りでの回動軌跡と平面視で位置ずれした状態で備えられ、
前記検出センサは、前記被検出部を、前記回動軌跡と直交する方向から検出すると好適である。
本構成によれば、規制部材が、機体前部側の横軸芯周りで回動すると、被検出部は横軸芯周りでの回動軌跡に沿って移動する。被検出部が回動して検出センサの検出対象領域に至ると、検出センサと被検出部とが近接する状態となる。そこで、検出センサは、回動軌跡と直交する方向から被検出部を検出することができる。
この構成によれば、例えば、位置保持用の部材の故障等の要因により、規制部材が横軸芯周りで回動により規制状態から規制解除状態に向けて回動するときに、規制解除状態を越えて過剰に回動するようなことがあっても、検出センサと被検出部とが接触して損傷する等の不利がない。
コンバインの全体側面図である。 コンバインの前部の側面図である。 穀稈搬送用の構成を示す平面図である。 概略伝動構造を含む制御ブロックである。 規制状態における規制部材配設部の側面図である。 規制状態における規制部材配設部の平面図である。 規制部材配設部の分解斜視図である。 規制解除状態における規制部材配設部の側面図である。 規制解除状態における規制部材配設部の平面図である。
以下、本発明に係るコンバインの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に横軸芯X周りで昇降操作自在に刈取搬送部3が連結され、走行機体2の後部に機体横幅方向に並ぶ状態で脱穀装置4と穀粒を貯留する穀粒タンク5とが備えられている。走行機体2の前部右側箇所にキャビンにて覆われた搭乗運転部6が備えられ、この搭乗運転部6の下方側に駆動用のエンジン7が備えられている。
図2に示すように、刈取搬送部3は、倒伏した植立穀稈を引き起こす複数の引起し装置8、引起された植立穀稈の株元を切断する刈取部としてのバリカン型の刈刃9、株元が切断された縦姿勢の刈取穀稈を徐々に横倒れ姿勢に姿勢変更しながら、機体後方側に位置する脱穀装置4の脱穀フィードチェーン10の始端部に向けて搬送する穀稈搬送装置としての縦搬送装置11等を備えている。
図3に示すように、縦搬送装置11は、刈刃9により刈り取られた刈取穀稈を刈幅方向中央に寄せ集める寄せ集め部12、寄せ集めた刈取穀稈の株元を挟持して後方に搬送する株元挟持搬送装置13、刈取穀稈の穂先側を係止搬送する穂先係止搬送装置14、株元挟持搬送装置13の終端部から刈取穀稈の株元を脱穀フィードチェーン10に向けて案内する供給搬送装置15を備えている。脱穀装置4側には、脱穀フィードチェーン10の搬送始端部の横側に、供給搬送装置15と脱穀フィードチェーン10との間の受け渡しを円滑に行うための補助搬送装置16が設けられている。
図2に示すように、刈取搬送部3は、その全体が、前後方向に沿って延びる前後向き筒状フレーム17により支持される構成となっており、この前後向き筒状フレーム17を介して横軸芯P1周りで昇降操作自在に走行機体2に支持されている。
図1に示すように、脱穀装置4は、刈刃9により刈り取られて後方に搬送されてくる刈取穀稈を内部に受け入れて、穀稈の株元を脱穀フィードチェーン10と挟持レール18とによって挟持して搬送しながら穂先側を扱胴19にて脱穀処理する。扱胴19の下方に備えられた選別部20にて脱穀処理物に対する穀粒選別処理を実行して、得られた穀粒を穀粒タンク5にて貯留する。詳述はしないが、穀粒タンク5にて貯留される穀粒を外部に排出する穀粒排出装置21が備えられている。
図4に示すように、エンジン7の動力が、静油圧式無段変速装置22及びミッションケース23内の図示しない伝動機構を介して左右のクローラ走行装置1に伝達され、変速後の動力が刈取クラッチ24を介して刈取搬送部3に伝達される。エンジン7の動力は、脱穀クラッチ25を介して脱穀装置4に伝達され、脱穀装置4の各部すなわち、脱穀フィードチェーン10、扱胴19、選別部20、穀粒排出装置21等がエンジン7の動力により駆動される。
走行しながら穀稈を刈り取る通常の刈取作業においては、走行機体2を走行させながら、刈刃9にて植付穀稈の株元を切断して刈り取り、刈り取った穀稈を縦搬送装置11により脱穀装置4に向けて搬送して、脱穀装置4では脱穀フィードチェーン10により挟持搬送しながら脱穀処理を行う。
脱穀フィードチェーン10の穀稈入口部10Aの近傍には、縦搬送装置11から受け渡されて補助搬送装置16により搬送される刈取穀稈を上方から押え案内する第1押え部材26、縦搬送装置11から受け渡されて脱穀フィードチェーン10の搬送始端部により搬送される刈取穀稈を上方から押え案内する第2押え部材27等が備えられている。
そして、手刈りした穀稈を脱穀処理する枕扱ぎ作業時には、作業者が手動で穀稈を脱穀装置4に供給することができるようになっている。以下、枕扱ぎ作業のための構成について説明する。
図5,6に示すように、縦搬送装置11から脱穀フィードチェーン10への穀稈受渡し箇所には、枕扱き作業時に作業者が手動で供給する穀稈を受け止め案内する幅広の載置面28Aを備えた受止め台28が備えられている。そして、枕扱き作業時には、脱穀フィードチェーン10の穀稈入口部10A(図2参照)を開放する規制解除状態と、穀稈入口部10Aを塞いで手動での穀稈の供給を規制する規制状態とに切り換え自在な規制部材29が備えられている。
枕扱ぎ作業を行うときは、作業者が手作業で規制部材29を規制解除状態に切り換えたのち、手刈りした穀稈を受止め台28に載置して脱穀フィードチェーン10に供給する。このように、受止め台28を利用することで、枕刈りした穀稈を安全な状態で手作業で脱穀フィードチェーン10に供給することができる。
規制部材29が規制解除状態であるときに、規制部材29に備えられた被検出部30の存在を検出可能な非接触式の検出センサとしての規制状態検出センサ31が備えられている。この規制状態検出センサ31については後述する。
図2,3に示すように、前後向き筒状フレーム17の前端部に連結される刈取部フレーム(図示せず)から丸パイプ状のフレーム体32が後方上方に向けて延設されている。フレーム体32の後端部に、供給搬送装置15の搬送用無端回動チェーン15aに対向する挟持用案内杆15bを保持するための支持部材の一例としての保持枠体33が連結されている。
図5,6,7に示すように、保持枠体33は、板材を下向きに開口する断面U字形の上側枠部分33Aと、この上側枠部分33Aよりも幅狭の板材を上向きに開口する略U字形の下側枠部分33Bとを連結して略筒状に形成されている。上側枠部分33Aを横方向に貫通する状態で挟持用案内杆15bを支持する前後一対の支持ロッド34が備えられている。保持枠体33の内部には、図示していないが、各支持ロッド34を搬送用無端回動チェーン15aに向けて移動付勢するバネが備えられている。
図7に示すように、フレーム体32の後端部に、機体前後方向視で略L字形の板体からなる支持台36が一体的に連結されている。保持枠体33における下側枠部分33Bが、支持台36の上部側に位置する状態で、支持台36にボルト37により固定されている。
支持台36の下部側には、保持枠体33の連結用のボルト37により共締めされる状態で取付ブラケット38が備えられている。取付ブラケット38には、2つの円筒状の回動ボス部39,40が位置をずらして一体的に設けられている。
第1押え部材26及び第2押え部材27は、夫々、丸棒材を略L字形に折り曲げて、横方向に延びる横向き軸部分26a,27aと、機体前後方向に延びる前後向き軸部分26b,27bとを備えている。2つの押え部材26,27夫々の横向き軸部分26a,27aを各回動ボス部39,40に回動自在に内嵌して抜け止めする状態で支持され、前後向き軸部分26b,27bが機体前方に向けて片持ち状態に延設されている。
図5,7,8に示すように、第1押え部材26には、横向き軸部分26aの軸端部に揺動アーム41が一体的に連結され、この揺動アーム41の揺動側端部と支持台36に設けられたバネ受け具42とに亘って引っ張り作用するコイルバネ43が張設されている。第1押え部材26は、このコイルバネ43の引っ張り付勢力により下方側に向けて移動付勢される。
図5〜9に示すように、取付ブラケット38に一体的に連結する状態でセンサ受け部44が備えられ、このセンサ受け部44には、搬送される刈取穀稈が詰まりを起したことを検出する詰まり検出センサ45が支持されている。詰まり検出センサ45は、検知部45Aが下向きに突出する状態でセンサ受け部44に支持されている。図7に示すように、詰まり検出センサ45の下方側には、フレーム体32の途中部に設けられたブラケット46に前部側箇所が連結されて後方に片持ち状に延設された検知板47が設けられている。検知板47の下方には、通常の搬送作動において穀稈を押え案内する板バネ式の案内具48が設けられている。縦搬送装置11と脱穀フィードチェーン10との受渡し箇所で穀稈が詰まって塊状に堆積すると、検知板47が強い力で押し操作されて詰まり検出センサ45が検知作動する。詰まり検出センサ45が検知作動すると、後述する制御装置Hがエンジン7を停止させる。
図5〜9に示すように、規制部材29は、棒材を緩やかな略L字状に折り曲げて形成されている。規制部材29の基端側には、板材を略U字形に屈曲形成した基端側支持部29aが一体的に連結され、この基端側支持部29aが保持枠体33から延設された支持軸部49に回動自在に支持されている。つまり、規制部材29は、支持軸部49の軸芯P1周りで回動自在に保持枠体33に支持されている。保持枠体33はフレーム体32に支持されているので、規制部材29はフレーム体32に支持されている。規制部材29は、規制状態において、受止め台28の上方に延び、脱穀フィードチェーン10の穀稈入口部10Aを塞いで手動での穀稈の供給を規制するように、片持ち状に延設されている。
規制部材29は、受止め台28よりも機体左側すなわち、機体横外側に位置する状態で設けられている。規制部材29を切り換え操作するための手動操作部としての握り操作部50が、規制部材29とは別体の棒材にて形成して備えられている。この握り操作部50は、棒材を略L字状に折り曲げて形成され、一端側箇所が基端側支持部29aに一体的に連結され、横外方側に向けて片持ち状に延設されている。
従って、規制部材29により手動での穀稈の供給を規制することが可能でありながらも、機体横側外方側から作業者が握り操作部50を操作し易いものとなり、操作性が良好なものとなる。
基端側支持部29aに設けられたバネ受け部51と、取付ブラケット38のバネ受け部52とに亘ってコイルバネ53が張設されている。規制部材29は、遊端部が機体後方側に位置しているときは、コイルバネ53の引っ張り付勢力により後方下方側に向けて回動付勢される。規制部材29の基端側支持部29aには、受止め台28側に向けて突出する回動規制部54が設けられている。
図5,6,8,9に示すように、回動規制部54は、棒材の遊端側を略U字状に折り曲げて形成されている。図8に示すように、規制部材29が前方下方側へ回動付勢されて回動規制部54の先端部の折り曲げ部54aが受止め台28の上面に当接して、規制部材29のそれ以上の下方側に向けての回動が規制される構成となっている。このとき、規制部材29が受止め台28よりも上方に位置しているので、穀稈供給を適正に規制することができる。このように、回動規制部54が受止め台28の上面に当接して回動が規制されている状態が規制状態に対応する。
規制状態では、規制部材29は下方側に向けて移動付勢され、回動規制部54が受止め台28の上面に当接し、且つ、受止め台28の下面側に設けられたローラ55が第2押え部材27に当接するので、受止め台28と第2押え部材27とが夫々、下方に向けて移動付勢される。
握り操作部50を握り操作してコイルバネ53の付勢力に抗して手動で規制状態にある規制部材29を機体前方側に揺動操作して、所定揺動位置を越えると、すなわち、規制部材29側のバネ受け部51がデッドポイントを越えると、コイルバネ53は規制部材29を後方下方側に揺動付勢する状態から前方下方側に揺動付勢する状態に切り換わる。図8に示すように、規制部材29が前方下方側に揺動付勢されると、回動規制部54の基端側部分54bが、保持枠体33に固定された支持部材としてのセンサ支持体56に当接してそれ以上の前方下方側への回動が規制される。このように、規制部材29の前方下方側への回動が規制されている状態が規制解除状態に対応する。
従って、規制部材29は、規制状態から規制解除状態に切り換わったとき、及び、規制解除状態から規制状態に切り換わったときの両方において、規制部材29のそれ以上の回動を当接規制する回動規制部54を備えている。
図5〜9に示すように、センサ支持体56は、側面視で略L字形の板体からなり、前部側が保持枠体33の上部側面の内面に固定され、後下方側に向けて片持ち状に延設されている。センサ支持体56の後下方側に延設される後部側箇所に規制状態検出センサ31が備えられている。規制状態検出センサ31は、樹脂材で成形されたケーシング58の内部に、例えば、ホール素子等の磁気検出素子(図示せず)を収納しており、磁気を帯びた物体が近づくと、それを検知することができる。
規制部材29における基端側支持部29aの遊端側箇所に、規制状態検出センサ31が検知可能な被検出部30が設けられている。被検出部30は、例えば、磁石の粉末と樹脂とを練り合わせて形成されたプラスチック磁石等からなり、基端側支持部29aに一体的に連結された支持板59にボルト連結にて取り付けられている。
被検出部30は、規制部材29が支持軸部49の横軸芯P2周りで回動すると、それに伴って一体的に所定の回動軌跡に沿って回動する。そして、規制状態検出センサ31は、被検出部30の横軸芯P2周りでの回動軌跡と平面視で位置ずれした状態で備えられている。しかも、規制状態検出センサ31は、被検出部30を、回動軌跡と直交する方向から検出するように設けられている。
説明を加えると、図7に示すように、規制状態検出センサ31は、検出作用面60が機体左側に向かう姿勢で、且つ、左側端部が支持板59の機体左側端縁に沿う状態で、取り付けられている。すなわち、規制状態検出センサ31は機体左側に向かって被検出部30を検出する状態で設けられている。
被検出部30は、横軸芯P2周りでの回動に伴って、規制状態検出センサ31による検出作用面60に対向する箇所を横方向に近接する状態で通過するように回動軌跡が設定されている。被検出部30が規制状態検出センサ31の検出作用面60に対向するように近接する箇所に至ると、規制状態検出センサ31が検出作動する。
図4に示すように、規制状態検出センサ31の検出情報に基づいて、脱穀装置4の駆動速度を制御する脱穀制御部としての制御装置Hが備えられている。この制御装置Hは、規制状態検出センサ31が被検出部30の存在を検出しなければ刈取作業用の運転状態になり、規制状態検出センサ31が被検出部30の存在を検出すると枕扱ぎ用の運転状態になるように、脱穀装置4の駆動速度を制御する。
具体的には、制御装置Hは、マイクロコンピュータを備え、規制状態検出センサ31の検出情報が入力されるとともに、その検出情報に基づいて、図示しない燃料調節機構の作動を制御する。すなわち、規制状態検出センサ31の検出情報に基づいて、エンジン7に供給される燃料供給量を変更してエンジン7の出力回転速度を変更調節することにより、刈取作業用の運転状態と枕扱ぎ用の運転状態とに切り換える。制御装置Hは、詰まり検出センサ45の作動に伴ってエンジン7の作動を停止する処理も実行する。
刈取作業用の運転状態では、エンジン7の出力回転数が定格回転数又はそれに近い高速で回転駆動する。枕扱ぎ用の運転状態では、刈取作業用の運転状態のときに比べて、脱穀装置4の駆動速度が低速になるように、エンジン7の出力回転数が定格回転数よりも低い回転数に調節される。このようにして、枕扱ぎ作業を行うときには、脱穀フィードチェーン10を低速にて駆動することで、手作業による穀稈供給が行い易くなる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、規制部材29が、規制状態において、受止め台28に受止め支持されて位置が規定される構成としたが、このような構成に代えて、規制部材29が他の部材に当接して位置が規定される構成であってもよい。
(2)上記実施形態では、規制部材29を切り換え操作するための握り操作部50が規制部材29とは別体で設けられる構成としたが、このような握り操作部50を設けずに、規制部材29をそのまま手で操作するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、規制部材29を規制状態及び規制解除状態の夫々に向けて揺動付勢可能なコイルバネ53が備えられる構成としたが、このような構成に代えて、規制部材29を規制状態と規制解除状態の夫々において、位置保持並びに解除自在な位置保持機構を備える構成でもよい。
(4)上記実施形態では、脱穀制御部としての制御装置Hが、エンジン7の出力回転数を変更調節することにより、刈取作業用の運転状態と枕扱ぎ用の運転状態とに切り換える構成としたが、このような構成に代えて、脱穀フィードチェーン10に対する動力伝達系に、脱穀フィードチェーン10の駆動速度を変速自在な変速装置を備え、規制状態検出センサ31の検出情報に基づいて、脱穀フィードチェーン10の駆動速度を変更するように変速装置の作動を制御する構成等でもよく、要するに、枕扱ぎ作業に適した作業状態を現出するものであればよく、エンジン7の制御に限定されるものではない。
(5)上記実施形態では、規制状態検出センサ31が、磁気検出素子を収納し、被検出部としての磁気を帯びた物体が近づくと、それを検知する構成としたが、このような構成に代えて、例えば、光学式検出素子を備えて、被検出部としての部材が近づくと、光学的に検知する構成等の他の構成を用いてもよい。
本発明は、刈取穀稈を脱穀フィードチェーンにより搬送しながら脱穀処理する脱穀装置を備えたコンバインに適用できる。
4 脱穀装置
9 刈取部
10 脱穀フィードチェーン
10A 穀稈入口部
11 穀稈搬送装置
29 規制部材
30 被検出部
31 検出センサ
32 フレーム体
54 回動規制部
56 支持部材

Claims (4)

  1. 刈取穀稈を脱穀フィードチェーンにより搬送しながら脱穀処理する脱穀装置と、
    刈取部で刈り取った刈取穀稈を前記脱穀フィードチェーンに向けて搬送する穀稈搬送装置と、
    機体前部側の横軸芯周りでの回動に伴って、枕扱き作業時に前記脱穀フィードチェーンの穀稈入口部を開放する規制解除状態と、前記穀稈入口部を塞いで手動での穀稈の供給を規制する規制状態とに切り換え自在な規制部材と、
    前記規制部材が前記規制解除状態であるときに、前記規制部材に備えられた被検出部の存在を検出可能な非接触式の検出センサと、
    前記検出センサが前記被検出部の存在を検出しなければ刈取作業用の運転状態になり、前記検出センサが前記被検出部の存在を検出すると枕扱ぎ用の運転状態になるように、前記脱穀装置の駆動速度を制御する脱穀制御部とを備え、
    前記検出センサ及び前記規制部材が、前記穀稈搬送装置を支持するフレーム体に支持されているコンバイン。
  2. 前記規制部材は、前記規制状態から前記規制解除状態に切り換わった場合、及び、前記規制解除状態から前記規制状態に切り換わった場合の両方において、前記規制部材の所定範囲以上の回動を規制する回動規制部を備えている請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記フレーム体に、枕扱き作業時に作業者が手動で供給する穀稈を受け止め案内する受止め台、及び、前記検出センサを支持する支持部材が連結され、
    前記回動規制部は、前記規制部材が前記規制状態から前記規制解除状態に切り換わった場合に、前記受止め台に当接して所定範囲以上の回動を規制し、前記規制部材が前記規制解除状態から前記規制状態に切り換わった場合に、前記支持部材に当接して所定範囲以上の回動を規制する請求項2に記載のコンバイン。
  4. 前記検出センサは、前記被検出部の前記横軸芯周りでの回動軌跡と平面視で位置ずれした状態で備えられ、
    前記検出センサは、前記被検出部を、前記回動軌跡と直交する方向から検出する請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
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