JP2017105494A - 液状物収容容器 - Google Patents

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Taku Kato
卓 加戸
浩二郎 中川
Kojiro Nakagawa
浩二郎 中川
克美 矢野
Katsumi Yano
克美 矢野
雅子 土田
Masako Tsuchida
雅子 土田
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Abstract

【課題】片手の指のみで液状物を注出でき、片手の指のみで液状物を注出でき、かつ、開封後に液状物の一部が残った状態でも、ポーション容器を安定的に載置することができる液状物収容容器を提供すること。【解決手段】開口部が形成された容器本体と、該開口部を覆う蓋材とを備える液状物収容容器であって、前記容器本体は、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上部に連設されたフランジ部とを有し、前記蓋材と前記フランジ部との間には周状のシール部が形成されており、前記シール部の一部には、前記シール部を剥離して液状物を注出可能な注出起点部が形成されており、前記側壁における前記注出起点部と対向する位置には、前記開口部の内側に向かう凹部が形成されている液状物収容容器である。【選択図】図9

Description

本発明は、開口部を備えフランジ部が形成された容器本体と、開口部を覆う蓋材とを備え、フランジ部には、周状のシール部が形成されている液状物収容容器に関する。
従来、液状の流動性を有する液状物を、プラスチック製の容器に収容し、フィルムなどからなる蓋で密封した蓋付容器が多く市場に出回っている。このような蓋付容器のうち特に小型のものは、ポーション、ポーション容器やポーションカップなどとも称される。小型の蓋付容器は、ガムシロップ、コーヒーフレッシュ、調味料、濃縮飲料など、様々な液状物を収容するために利用されている。
蓋付容器の一形態として、例えば特許文献1に開示されているように、ポーション容器の底面に外力を加えて容器本体を変形させ、これによって容器本体内部の圧力を上昇させ、このことによりシール部が部分的に分離するよう構成されたタイプのものが知られている。
特許文献1のポーション容器は、希釈用ボトル内に装着して使用されるものであり。特許文献1の図2に示すように、ボルル内に濃縮飲料が収容されたポーション容器をセットし、装置を利用して容器本体の底面を押圧することにより、所望の濃度の飲料を生成することもできる。
特開2015−9051号公報
ポーション容器は、通常、容器本体のフランジ部の先端部に折り曲げ罫線が付与されており、ここを折り曲げると同時に蓋材を剥離していく構成になっている。このため、両手で開封することが必要である。また、開封の際に液状物がどうしても手についてしまい、衛生的でないという問題を有している。
この点、特許文献1においても、ポーション容器は、希釈用ボトル内に装着して使用されるポーション容器であり、片手の指のみで液状物を注出できるポーション容器は存在しないのが実情である。
また、例えばドレッシングなどのポーション容器の場合、使用者が液状物を複数回に分けて使用する場合がある。このとき、液状物の一部を注出した後、残りの液状物入りのポーション容器をテーブル上などに一時的に載置しておく必要があるが、従来のポーション容器は不安定な形状で倒れやすい。このため、開封後に液状物が残った状態で、ポーション容器を安定的に載置することが困難であった。
本発明は、上記の課題に鑑み、片手の指のみで液状物を注出でき、かつ、開封後に液状物の一部が残った状態でも、安定的に載置することができる液状物収容容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、シール部を剥離して液状物を注出可能な注出起点部を設け、かつ、容器本体の側壁形状に着目し、側壁の注出起点部と対向する位置に、開口部の内側に向かう凹部が形成されている液状物収容容器であれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)開口部が形成された容器本体と、該開口部を覆う蓋材とを備える液状物収容容器であって、前記容器本体は、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上部に連設されたフランジ部とを有し、前記蓋材と前記フランジ部との間には周状のシール部が形成されており、前記シール部の一部には、前記シール部を剥離して液状物を注出可能な注出起点部が形成されており、前記側壁における前記注出起点部と対向する位置には、前記開口部の内側に向かう凹部が形成されている液状物収容容器。
(2)前記凹部が、前記側壁の上縁から下縁に亘って形成されている(1)に記載の液状物収容容器。
(3)前記フランジ部における前記注出起点部と対向する位置の外縁形状が、直線部分を含む(1)又は(2)に記載の液状物収容容器。
(4)前記フランジ部における前記注出起点部と対向する位置のフランジ部の外縁が、前記開口部の重心と前記注出起点部の重心とを結ぶ左右分割線を境界として第1部分と第2部分とに区画され、
前記第1部分と前記第2部分には、各々1点以上の凸部が設けられ、
各々の前記凸部の頂点が直線上に位置する(1)又は(2)に記載の液状物収容容器。
(5)開口部が形成された容器本体と、該開口部を覆う蓋材とを備える液状物収容容器の使用方法であって、前記容器本体は、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上部に連設されたフランジ部とを有し、前記蓋材と前記フランジ部との間には周状のシール部が形成されており、前記シール部の一部には、前記シール部を剥離して液状物を注出可能な注出起点部が形成されており、前記注出起点部から前記液状物の一部を注出した状態で、前記液状物収容容器を、前記側壁を変形させることにより開口部の重心と注出起点部の重心とを結ぶ左右分割線を境界として両側に形成される2ヶ所の側壁凸部と、前記フランジ部における前記注出起点部と対向する位置の外縁と、で支持して載置する液状物収容容器の仮置き方法。
本発明の液状物収容容器は、指による押圧によってシール部の注出起点部が剥離されることにより液状物を注出することができる。このため、片手の指のみで液状物を注出することができる。また、使いかけの液状物が残った状態で、安定的に載置することができる。
本発明の一実施形態における液状物収容容器の平面図である。 本発明の一実施形態における液状物収容容器の底面図である。 本発明の一実施形態における液状物収容容器の正面図である。 本発明の一実施形態における液状物収容容器の背面図である。 本発明の一実施形態における液状物収容容器の側面図である。 本発明の一実施形態における液状物収容容器の斜視図である。 本発明の他の実施形態における液状物収容容器の平面図である。 本発明の一実施形態における液状物収容容器の使用状態を示し、指による押圧によって液状物を注出した後の状態を背面側上方から見た斜視図である。 図8の液状物収容容器を平面上に載置した状態を示す斜視図である。 図8の液状物収容容器を平面上に載置した状態を、容器本体の底壁側から見た図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<液状物収容容器>
図1〜図6に示すように、本実施形態の液状物収容容器1は、容器本体10と、開口部11を覆う蓋材30とを備える、いわゆるポーション容器である。容器本体10には、開口部11を備え、かつ、フランジ部12が形成されている。また、フランジ部12には、周状のシール部20が形成されている。シール部20とは、容器本体10と蓋材30とが熱、超音波、高周波などのシール手段で、蓋材30とフランジ部12とが、周状にシール接合されており、これにより液状物(図示せず)が密封されている。なお、本発明において、周状のシール部20とは一周に亘って形成されるシール部を指し、円周形状のものに限らず、多角形状であってもよいし、円周形状と多角形状を組み合わせたものであってもよい。
[容器本体]
容器本体10は、例えば、射出成形法やシート成形法により成形することができる。容器本体10を構成する材料としては、ポリスチレンやポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを用いることができる。容器本体10は、底壁14と、底壁14から立設された側壁13と、側壁13の上縁に連設されたフランジ部12と、からなり、底壁14と側壁13とで胴部15を構成している。
[胴部]
図2から図6に示すように、この実施形態においては、胴部15は、底壁14と、側壁13とで構成される。そして、底壁14は、底面部と曲面部とで構成される。具体的には、図2の底面図に示すように、底面部141から第1曲面部161を介して第1側壁凹部131が立設され、底面部141から第2曲面部162を介して第2側壁凹部132が立設され、底面部141から第3曲面部163を介して第2側壁凸部133が立設され、底面部141から第4曲面部164を介して第1側壁凸部134が立設されている。なお、本実施形態においては、底壁14は曲面部16を有しているが、底壁14は曲面部を含まなくてもよい。また、本実施形態においては、底壁14は内面も外面も平面となっているが、少なくとも外面が平面であればよい。
周状の側壁13は、図2に示すように、背面側に位置して開口部11側に凹む第1側壁凹部131と、第1側壁凹部131の両側に連設されフランジ部12側に凸状の第1側壁凸部134と、第1側壁凸部134からさらに連設されて両側面側に位置し開口部11側に凹む第2側壁凹部132と、第2側壁凹部132に連設されて正面側に位置しフランジ部12側に凸状の第2側壁凸部133とで構成される。第1側壁凹部131は、開口部11の重心G1と、注出起点部21の重心G2とを結ぶ左右分割線L1を含むように形成される。また、第2側壁凹部132は、左右分割線L1を境界として、側壁13のそれぞれに形成される。本実施形態において、第1側壁凹部131と第2側壁凹部132は、側壁の内面も外面も開口部11側に凹んでいるが、少なくとも側壁の外面が開口部11側に凹んでいればよい。また、本実施形態において、第1側壁凸部134と第2側壁凸部133は、側壁の内面も外面もフランジ部12側に突出している。
第1側壁凹部131は、側壁13の上縁から下縁に亘って形成されているが、側壁13の上縁から下縁の一部に形成されていてもよい。また、第1側壁凹部131は、この実施形態においては、開口部11側に凹む曲面として形成されているが、開口部11側に凹む形状であれば平面部や角部を有していてもよく特に限定されない。なお、図4に示すように、第1曲面部161に開口部11側に凹む第1曲面部凹部165を設けてもよい。また、第1曲面部凹部165は第1側壁凹部131と連続するように設けてもよい。後述するように、側壁13が第1側壁凹部131を備えていることにより、液状物を注出するために胴部15を変形させたときに、側壁13の注出起点部21と対向する部分が外側に向かって突出することを抑制することができるため、使い掛けの状態であっても、テーブルなどの平面上に安定的に載置(接地)させることができる。
第2側壁凹部132の構成は基本的に第1側壁凹部131と同様の構成であるのでその説明を省略するが、本発明における第2側壁凹部132は必須ではない。第2側壁凹部132が形成されていることで、使用者が第2側壁凹部132を後述する押圧補助部として視認し、押圧補助部から指による押圧を加えやすくなる。なお、図6に示すように、第2曲面部162に開口部11側に凹む第2曲面部凹部166を設けてもよい。また、第2曲面部凹部166は第2側壁凹部132と連続するように設けてもよい。
押圧補助部は、上記の第2側壁凹部132のような凹部のみならず、凸部によって形成されていてもよい。また、押圧補助部の場所も特に限定されないが、注出起点部と開口部の重心とを結ぶ線を挟むように、側壁に形成されていることが好ましい。
[フランジ部]
フランジ部12は、側壁13の上縁から水平に延出する鍔状部である。さらに、本実施形態においては、液状物収容容器1の平面視の注出起点部21の位置に、内側に凹む切欠き24が形成されている。この切欠き24は後述する注出位置表示部としての機能も有する。
本実施形態においては、フランジ部12における注出起点部21と対向する位置の外縁形状が直線部分121を含んでいる。後述するように、本発明においては、この直線部分が、使用中に液状物収容容器1をテーブルなどの平面上に立て掛けて載置する際の支持部の一部となる。液状物収容容器1を安定的に支持するために、直線部分121の長さは15mm以上50mm以下であることが好ましい。また、直線部分121は、左右分割線L1と交差するように形成されることが好ましい。
図7は、フランジ部における注出起点部21と対向する位置の外縁形状の変形例を示す図である。この実施形態は、フランジ部12aにおける注出起点部21と対向する位置の外縁の形状が直線でなく、凸部を有する形状になっている点が図1と異なっている。この変形例のように、液状物収容容器を平面上に立て掛けて安定的に載置する際の支持部となるためには、注出起点部21と対向する位置のフランジ部12aの外縁が、開口部11の重心と注出起点部の重心とを結ぶ左右分割線L2を境界として第1部分122と第2部分123に区画され、第1部分122と第2部分123には、各々1点以上の凸部が設けられ、第1部分に設けられた凸部と第2部分に設けられた凸部の頂点が直線上に位置するように構成されることも好ましい。図7の実施形態は、3つの頂点であるP、P、Pが仮想の直線L3上に位置するように構成される例である。なお、直線上に位置しない他の頂点が存在してもよいが、その場合には、他の頂点は直線より開口部11側に存在することが好ましい。
容器本体の形状や大きさは特に限定されない。しかし、本発明の液状物収容容器は、容器本体10及び蓋材への指による押圧によってシール部20を剥離して液状物を注出可能な構成であるので、容器本体の胴部15は指で押した際に押圧で変形する程度の可撓性を備えていることが必要である。この可撓性の観点と、容器本体の剛性維持の観点からは、材質にもよるが、容器本体10の胴部15の厚さは、100μm以上500μm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。
[蓋材]
蓋材30は、少なくとも、基材層とシーラント層とを備える積層体である。基材層を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン等のプラスチックや、紙等を用いることができる。また、シーラント層を構成する材料としては、ポリプロピレンや、ポリプロピレンとポリエチレンの混合樹脂等を用いることができる。ポリプロピレンとポリエチレンの混合樹脂は、所謂イージーピールシーラントである。
蓋材30を構成する積層体には、印刷層が形成されていてもよく、この印刷層の表示によって、後述する注出位置表示部を構成してもよい。また、積層体には、アルミニウム箔などの金属箔や、アルミニウムなどの無機物や酸化珪素や酸化アルミニウムなどの無機酸化物などのバリア層が配置されていてもよい。
[注出起点部と注出起点シール部]
図1に示すように、本実施形態に関するシール部20の一部、具体的には、フランジ部12の切欠き24付近に、注出起点部21が形成されている。この注出起点部21は、指による押圧によって液状物収容容器内の圧力が上昇し、シール部20を剥離して液状物を注出可能とするシール部20の一部を意味し、この実施形態においては注出起点シール部21と同義である。注出起点シール部21によって、使用者の指による押圧により、液状物収容容器内の液状物を注出することができる。
より具体的に説明すると、注出起点シール部21はいわゆる易接着のイージーオープン性を有する弱シール部となっている一方、注出起点シール部21以外のシール部23は、いわゆる通常強度のシール部であり、ヒートシール等によって容器本体10と蓋材30とが強固に接着する構造となっている。すなわち、注出起点シール部21のシール強度は、注出起点シール部21以外のシール部23のシール強度よりも小さくなっている。このため、液状物収容容器内の圧力を上昇させると、シール部20のうち、弱シールの注出起点シール部21が先に剥離しやすくすることができる。これによって、容器本体10のフランジ部12と蓋材30との間に隙間が形成され、液状物収容容器内の液状物を注出することができる。よって、使用者は、片手の指のみであっても液状物を注出することができる。なお、切欠き24は本発明の液状物収容容器において必須ではないが、切欠き24を有することで、容器本体10に圧力を加えたときに、容器本体10のフランジ部12と蓋材30との間に隙間を形成しやすくすることができるため、注出起点部21から注出した液状物を外部に注出することをより容易にする機能を有する。
それぞれのシール強度は、好ましくは15mm幅におけるシール部23のシール強度が20N以上、より好ましくは20N以上50N以下(以下、強シールともいう)である。これに対して15mm幅における注出起点シール部21のシール強度が5N以上20N未満、好ましくは8N以上12N以下(以下、弱シールともいう)である。この範囲内であれば、シール部23が剥離されることを抑制し、注出起点シール部21が剥離されやすくすることができるため、指による押圧のみによって注出起点部21から液状物を注出しやすくすることができる。なお、15mm幅におけるシール部23と注出起点シール部21のシール強度差が8N以上12N以下であることが好ましい。
また、注出起点シール部21の面積は、周状のシール部20の面積の15%以下であることが好ましく、3%以上10%以下であることがより好ましい。
シール強度は、例えば、テンシロン引張試験機(株式会社オリエンテック製、RTC−1310A)を用いて測定することができる。以下、シール強度を測定する手順の一例について説明する。まず、蓋材30とフランジ部12とが接合された液状物収容容器サンプルを、15mm幅にカットする。次に、テンシロンの一方のつかみ治具で蓋材30の一部分を挟み、他方のつかみ治具でフランジ部12を挟む。その後、引張速度300mm/minで、蓋材30とフランジ部12とがなす角が180°になるように引っ張る。そして、計測された荷重の最大値を、シール強度とする。
上記のようなシール強度の強弱を形成する方法としては、蓋材30のシーラント層表面のシール部20における注出起点シール部21に相当する位置のみに、いわゆる易剥離コート剤をパターン塗布することにより、注出起点シール部21を弱シールとし、注出起点シール部21以外のシール部23を強シールとする方法が例示できる。易剥離コート剤としては、例えば、シリコーン樹脂とセルロース系樹脂とを主成分とし、酢酸エチルを溶剤として含むインキ(例えば、DIC株式会社、ポリコートP−91、固形分10%)などを用いることができる。
また、別の方法として、ヒートシールを2段階で行う方法が例示できる。例えば、最初のヒートシールではシール部20全体が弱シールとなるように低温でヒートシールし、2回目のヒートシールでは、注出起点シール部21以外のシール部23が強シールとなるように高温でヒートシールすることにより、注出起点シール部21を弱シールとし、注出起点シール部21以外のシール部23を強シールとすることができる。
さらに別の方法としては、注出起点シール部のシール幅を、注出起点シール部以外のシール部のシール幅よりも狭くすることにより、注出起点シール部を弱シールとし、注出起点シール部以外のシール部を強シールとしてもよい。
また、図1に示すように、注出起点シール部21を内側に向かって突出した形状とした場合は、注出起点シール部21のシール強度が、注出起点シール部21以外のシール部23のシール強度よりも小さくない場合であっても、指による押圧によって液状物収容容器内の圧力が上昇し、シール部20のうち、注出起点シール部21が先に剥離しやすくすることができる。このため、指による押圧により、液状物収容容器内の液状物を注出することができる。よって、使用者は、片手の指のみであっても液状物を注出することができる。
[ガイドシール部]
図1には、注出起点シール部21以外のシール部23の一端と他端に連設され、フランジ部12の外縁に至る2本のガイドシール部22が、フランジ部12の切欠き24を挟んで形成されている。
ガイドシール部とは、注出起点シール部21以外のシール部23に連設され、注出起点部21から注出された液状物を液状物収容容器1の外部に誘導して注出可能とするシール部をいう。ガイドシール部は、注出起点部以外のシール部23と同様に、容器本体10と蓋材30とを強固に接着する構造(強シール)とする。
ガイドシール部22は本発明の液状物収容容器において必須ではないが、本発明の液状物収容容器にはガイドシール部が形成されていることが好ましい。指による押圧によって注出起点部21の容器本体10と蓋材30とが剥離され、容器本体に収納された液状物が注出起点部から注出される。ここで、注出起点部21に連設してガイドシール部22が形成されているため、ガイドシール部22によって、注出起点部から抽出された液状物が広がることなく外部に注出される。一方のガイドシール部22と他方のガイドシール部22は、フランジ部12の外縁に向かうにつれて近づくように形成される部分を含んでいてもよい。
[注出位置表示部]
本発明においては、使用者が液状物収容容器1の平面視における注出起点部21の位置、すなわち注出方向を確かに認識できるように、注出位置表示部が形成されていることが好ましい。つまり、本発明においては、従来のポーション容器などとは異なり、指で蓋材を剥がすことなく、使用者が指による押圧によってフランジ部12と蓋材30との間に隙間を形成し、液状物を注出できる構成となっている。このため、注出起点部21の位置を間違えると誤った方向から液状物が飛び出してしまう。注出位置表示部を形成することで、この注出位置の誤認を防止することができる。
注出位置表示部としては、液状物収容容器1の平面視における注出起点部21の位置を特定できる手段であれば特に限定されない。例えば、印刷等による表示でもよく、具体例には、蓋材30において注出起点部21付近に開封箇所と方向を示す矢印が表示されていてもよいし、文字情報、例えば「ここから注出できます」などの表示がされていてもよいし、注出起点部21を色や図形で識別してもよい。
また、図1に示すように、フランジ部12に形成されている切欠き24も、視覚的に注出位置表示部を誘導できる機能があるので好ましい。
さらに、上記のように、容器本体の胴部15などに、胴部15側からの指押圧を補助するため凹部等によって構成される押圧補助部も注出位置表示部となる。この場合、使用者は、押圧補助部を視認し、両側壁の押圧補助部から指による押圧を加えることになるので、結果として、略平行な両側壁に挟まれた一方の先端側に注出起点部21、すなわち注出方向が存在することを間接的に確認することができるようになる。
[液状物収容容器の使用方法]
次に、本発明の液状物収容容器を水平面に仮置きする方法について、図8から図10を用いて説明する。
図8に示すように、まず、使用者が液状物収容容器1の容器本体の両側面に位置する第2側壁凹部132に対して指による押圧を加えることにより、注出起点部21のシールが剥離して液状物の一部を注出する。このとき、両側面の第2側壁凹部132は、押圧によって、図8の左右の矢印方向、すなわち開口部11側に大きく凹んで、第2側壁凹部132aの状態となる。
このとき、第1側壁凹部131はあらかじめ凹部をなしているので、これに伴って、同時に第1側壁凹部131も、図8の下から上の矢印方向、すなわち開口部11側に座屈して大きく凹み、第1側壁凹部131aの状態に変形する。そして、同時にこの反作用として、第1側壁凹部131aの両脇に位置する2ヶ所の第1側壁凸部134は、より鋭い凸状を形成して第1側壁凸部134aの状態に変形する。
また、このとき、同時に底壁14も、蓋材30側に座屈して大きく凹み変形するため、底壁14の平面性が維持されなくなる。これにより、液状物の一部を注出した状態の液状物収容容器1は、底壁14を底面としてテーブルなどの平面上に安定的に載置させることが困難になる。
しかし、本実施形態においては、この状態で、図9、図10に示すように、液状物収容容器1を、フランジ部12の直線部分121の外縁と、上記の2ヶ所(2点)の第1側壁凸部134aの頂部と、で支持してテーブルなどの平面上に安定的に載置(接地)させることができる。このとき、使いかけの液状物50が残っている場合であっても、注出起点部21は液状物収容容器1の接地面とは反対側に位置し、注出起点部21以外のシール部20はシールされている状態であるから、使いかけの液状物50が漏れることを抑制することができる。
なお、容器本体の側壁を変形させることにより開口部の重心と注出起点部の重心とを結ぶ左右分割線を境界として両側に2ヶ所の側壁凸部が形成されることにより、フランジ部における注出起点部と対向する位置の外縁とで支持して液状物収容容器を載置することができる限りにおいて、本発明の液状物収容容器の仮置き方法に含まれるものである。
以上説明したように、本発明の液状物収容容器は、指による押圧によってシール部の注出起点部が剥離されて液状物を注出することができる液状物収容容器である。よって、使用者は、片手の指のみであっても液状物を注出することができる。また、開封済であって、かつ、液状物が残っている液状物収容容器を、フランジ部12の注出起点部21と対向する側の外縁と、第1側壁凹部131の両側に形成される1側壁凸部の頂部と、で支持してテーブルなどの平面上に載置(接地)させることができる。そのため、液状物収容容器を安定的に載置させることができ、開封済であっても残った液状物が漏れることを抑制することができる。
1、1a 液状物収容容器
10 容器本体
11、11a 開口部
12、12a フランジ部
121 直線部分
122 第1部分
123 第2部分
13 側壁
131、131a、131b 第1側壁凹部
132、132a、132b 第2側壁凹部
133 第2側壁凸部
134、134a、134b 第1側壁凸部
14 底壁
141 底面部
15 胴部
16 曲面部
161 第1曲面部
162 第2曲面部
163 第3曲面部
164 第4曲面部
165 第1曲面部凹部
166 第2曲面部凹部
20、20a シール部
21、21a 注出起点部
22、22a ガイドシール部
23、23a 注出起点部シール部以外のシール部
24、24a 切欠き
30、30a 蓋材
50 液状物
L1、L2 左右分割線
L3 仮想の直線
L4 平面
G1、G3 開口部の重心
G2、G4 左右分割線の重心

Claims (5)

  1. 開口部が形成された容器本体と、該開口部を覆う蓋材とを備える液状物収容容器であって、
    前記容器本体は、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上部に連設されたフランジ部とを有し、
    前記蓋材と前記フランジ部との間には周状のシール部が形成されており、
    前記シール部の一部には、前記シール部を剥離して液状物を注出可能な注出起点部が形成されており、
    前記側壁における前記注出起点部と対向する位置には、前記開口部の内側に向かう凹部が形成されている液状物収容容器。
  2. 前記凹部が、前記側壁の上縁から下縁に亘って形成されている請求項1に記載の液状物収容容器。
  3. 前記フランジ部における前記注出起点部と対向する位置の外縁形状が、直線部分を含む請求項1又は2に記載の液状物収容容器。
  4. 前記フランジ部における前記注出起点部と対向する位置のフランジ部の外縁が、前記開口部の重心と前記注出起点部の重心とを結ぶ左右分割線を境界として第1部分と第2部分とに区画され、
    前記第1部分と前記第2部分には、各々1点以上の凸部が設けられ、
    各々の前記凸部の頂点が直線上に位置する請求項1又は2に記載の液状物収容容器。
  5. 開口部が形成された容器本体と、該開口部を覆う蓋材とを備える液状物収容容器の使用方法であって、前記容器本体は、底壁と、該底壁から立設された側壁と、該側壁の上部に連設されたフランジ部とを有し、前記蓋材と前記フランジ部との間には周状のシール部が形成されており、前記シール部の一部には、前記シール部を剥離して液状物を注出可能な注出起点部が形成されており、
    前記注出起点部から前記液状物の一部を注出した状態で、
    前記液状物収容容器を、前記側壁を変形させることにより開口部の重心と注出起点部の重心とを結ぶ左右分割線を境界として両側に形成される2ヶ所の側壁凸部と、前記フランジ部における前記注出起点部と対向する位置の外縁と、で支持して載置する液状物収容容器の仮置き方法。
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