JP2017100899A - 炭化珪素エピタキシャル成長用基板ホルダー及びエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハの製造方法 - Google Patents

炭化珪素エピタキシャル成長用基板ホルダー及びエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハの製造方法 Download PDF

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【課題】熱CVD法によるSiC薄膜のエピタキシャル成長において、SiC基板の裏面に意図しない堆積物が原因で表面荒れを起こしたり、裏面のオーミックコンタクトが取れない問題を解決することができるSiCエピタキシャル成長用基板ホルダーと、それを用いたエピタキシャルSiC単結晶ウェハの製造方法を提供する。【解決手段】エピタキシャル成長中に、SiC基板2の裏面が暴露される空間6が実質的に該基板の組成を有する気体で満たされた空間となるように、SiC基板2を保持する第一の凹部3の底部分に第二の凹部5を形成して、この第二の凹部5にSiC基板2と同等のドーピング密度を有するSiCダミー基板7を配置した基板ホルダー1を用いるようにする。【選択図】図1

Description

この発明は、炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素薄膜を成長させる炭化珪素のエピタキシャル成長に用いられる、炭化珪素単結晶基板を保持する基板ホルダーに関するものであり、また、この基板ホルダーを用いて炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素薄膜を成長させ、エピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハを製造する方法に関するものである。
炭化珪素(以下、SiCと表記する)は、耐熱性及び機械的強度に優れ、物理的、化学的に安定なことから、耐環境性半導体材料として注目されている。また、近年、高周波高耐圧電子デバイス等の基板としてエピタキシャルSiC単結晶ウェハの需要が高まっている。
SiC単結晶基板(以下、SiC基板という)を用いて、電力デバイスや高周波デバイス等を作製する場合には、通常、SiC基板上に熱化学蒸着法(以降、熱CVD法と呼ぶ)によってSiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させたエピタキシャルSiC単結晶ウェハを得るようにする。SiC基板上にさらにSiCのエピタキシャル成長膜を形成する理由は、N型またはP型の不純物のドーピング密度を制御した層を使ってデバイス層を形成するためである。
この熱CVD法を利用する際には、一般に、熱化学蒸着装置の成長室内のホルダー上にSiC基板を載せて、ホルダーを回転させながらSiC基板の直上に例えばシランガスやクロロシランガス等のシリコン原料ガスとプロパンやメタン等の炭化水素ガスとを混合した原料ガスを水素等のキャリアガスと共に供給して、SiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる方法が採用されている(例えば非特許文献1参照)。その際SiC基板をホルダーに載せるために、ホルダー表面にSiC基板の厚さ相当の溝(凹部)を形成しておき、その中にSiC基板を配置してSiC基板を固定搭載し、SiC基板に対して略水平となるように横から上記のような原料ガスを流すのが一般的である。
このような方法でエピタキシャル成長させると、原料ガスのほとんどはSiC基板の表面に供給され、SiC基板表面で分解・反応が起きてSiCの膜が形成されるため、SiC基板の裏面への原料ガスの回り込みとその堆積は軽視される場合が多い。しかしながら、特にSiC基板のそりが大きい場合などでは、原料ガスを含む水素ガスのごく一部はSiC基板の裏面に回りこみ、SiC基板の裏面に膜が形成される場合がある。ここで形成された膜のドーピング密度は、1E19cm−3に近い高濃度の窒素がドーピングされたSiC基板と比較して、大幅に低いドーピング密度となることから、裏面表面において電気抵抗が高い状態となる。この結果、デバイス化した際の裏面電極形成時において、オーミックコンタクトができないという問題を誘発する。
また、エピタキシャル成長の温度は1600℃を超えるような高温雰囲気にあるため、ホルダーの表面から昇華ガスがSiC基板の裏面に堆積する現象が起きる。炭素材料からなるホルダーの表面をSiCでコーティングしたホルダーの場合では、シリコンや炭素を含む化合物が昇華し、SiC基板の裏面へ無秩序に析出することが起きる。この結果、SiC基板の裏面は荒れた状態になることがあり、そのままではデバイス化した際の裏面電極の信頼性低下に繋がる。
このような問題を解決するためには、例えば、エピタキシャル成長後にSiC基板の裏面を研磨して、低ドーピング密度層を除去するとともに平滑な面を出す必要が発生し、余分なコストと時間がかかる。
上記のようなSiC基板の裏面に堆積物が形成される問題に対して、特許文献1では、予め裏面に保護膜を形成しておき、表面をエピタキシャル成長させた後に裏面の保護膜を除去する方法を開示している。しかしながらこの方法では、上述したエピタキシャル後の研磨と同じ余分なコストと時間をかける点で問題を解決したことにならない。
また、特許文献2では、サファイア、ダイヤモンド、炭素材料などの基板支持部材をSiC基板の下に設置する方法を開示している。しかしながら、これにより表面荒れを抑制することはできるが、これらの基板支持部材を使うとドーピング密度がSiC基板より大幅に低い状態の層がSiC基板の裏面に形成されるため、上述したオーミックコンタクトができないという問題を解決することはできない。
更に、特許文献3では、SiCからなるプレートをSiC基板の下に配置することによって、SiC基板の裏面が粗くなる問題を解決する方法を開示している。しかしながら、この方法でエピタキシャル成長を行うとSiC基板とSiCからなるプレートがお互いに密着して分離することが困難になるという別の問題が発生することが分かった。
特開2014−33068号公報 特開2015−146416号公報 特開2012−151227号公報
Materials Science Forum Vols.45-648(2010),pp77-82
本発明はかかる問題、すなわち、熱CVD法によるエピタキシャル成長において、SiC基板の裏面に意図しない層が堆積することで裏面が荒れる問題や、低ドーピング密度の層が堆積することでオーミックコンタクトがとれない問題を解決するためになされたものである。
前述した問題を解決することに取り組んだ本発明者らは、裏面への堆積物を回避することは極めて困難であり、それならば堆積があってもその堆積物を制御することで解決できるのではないかと考えた。鋭意検討を行った結果、熱CVD法によるエピタキシャル成長時にSiC基板の裏面が接する空間が実質的に該基板の組成を有する気体で満たされるようにすれば、上記のような裏面の荒れを回避し、かつオーミックコンタクトがとれないといった問題を解決できることを見出すことに至った。そして、そのためには、SiC基板の裏面が接する空間にSiC基板と同等のドーピング密度を有するダミー基板を配置することで、高温に保持された空間が実質的に該基板の組成を有する気体で満たされるようになることから、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)熱化学蒸着装置の成長室内に配置されて、炭化珪素をエピタキシャル成長させる炭化珪素単結晶基板を保持するための基板ホルダーであって、前記炭化珪素単結晶基板を保持する第一の凹部を備えて、該第一の凹部は、炭化珪素単結晶基板の周辺部が載置されて高さ方向の位置決めをする位置決め段差を有し、この位置決め段差の内側には、前記炭化珪素単結晶基板より小さい炭化珪素ダミー基板を保持するための第二の凹部を備えて、該第二の凹部の深さが前記炭化珪素ダミー基板の厚さよりも深く、前記炭化珪素単結晶基板と前記炭化珪素ダミー基板とが非接触の状態でそれぞれ保持されることを特徴とする炭化珪素エピタキシャル成長用基板ホルダー。
(2)前記第一の凹部を同一平面内に複数備えて、複数の炭化珪素単結晶基板を炭化珪素ダミー基板と共に保持することができる(1)に記載の炭化珪素エピタキシャル成長用基板ホルダー。
(3)該基板ホルダーが、炭化珪素で被覆された炭素材料からなる(1)又は(2)に記載の炭化珪素エピタキシャル成長用基板ホルダー。
(4)熱化学蒸着装置の成長室内に配置された基板ホルダーに炭化珪素単結晶基板を保持して、熱化学蒸着法により炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素をエピタキシャル成長させてエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハを製造する方法であって、前記基板ホルダーが、炭化珪素単結晶基板を保持する第一の凹部を備えて、該第一の凹部は、炭化珪素単結晶基板の周辺部が載置されて高さ方向の位置決めをする位置決め段差を有し、この位置決め段差の内側には、前記炭化珪素単結晶基板より小さい炭化珪素ダミー基板を保持する第二の凹部を備えて、該第二の凹部の深さが前記炭化珪素ダミー基板の厚さよりも深く、前記炭化珪素単結晶基板と前記炭化珪素ダミー基板とが非接触の状態でそれぞれ保持されるようにしてエピタキシャル成長を行い、前記炭化珪素ダミー基板として、前記炭化珪素単結晶基板と略同じドーピング密度を有するものを用いることを特徴とするエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハの製造方法。
(5)前記基板ホルダーが第一の凹部を同一平面内に複数備えて、複数の炭化珪素単結晶基板を炭化珪素ダミー基板と共に保持することができる(4)に記載のエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハの製造方法。
(6)前記基板ホルダーが、炭化珪素で被覆された炭素材料からなる(4)又は(5)に記載のエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハの製造方法。
本発明によれば、熱化学蒸着法によるSiCのエピタキシャル成長の際に生ずるSiC基板の裏面への堆積物を制御できるので、SiC基板の裏面の荒れや低ドーピング密度層の形成が回避でき、デバイス化の際の裏面研磨といった余分な工程を省くことでコストと時間を節約することができる。
図1は、本発明による基板ホルダー構造の例(断面図)である。 図2は、本発明による基板ホルダー構造の例(斜視図)であり、ホルダー内に複数の溝(凹部)構造を有する例を示した図である。 図3は、本発明の基板ホルダーを使ってエピタキシャル成長させたSiC基板の裏面のSIMS分析の結果である。 図4は、従来の基板ホルダーを使ってエピタキシャル成長させたSiC基板の裏面のSIMS分析の結果である。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の詳細を説明するため、基板ホルダーの断面図を示したものである。基板ホルダー1の第一の凹部3にSiC基板2が配置され、第一の凹部4に更に第二の凹部5を設けることで、SiC基板2の裏面は空間6に面している。空間6には、SiC基板2とほぼ同じドーピング密度を持ったSiCダミー基板7が置かれる。エピタキシャル成長時の高温状態のもとでは、このダミー基板7から昇華ガスが発生し、空間6は実質的にSiC基板2の組成と同等の気体で満たされることになる。
すなわち、本発明の基板ホルダー1は、SiCをエピタキシャル成長させるSiC基板2を保持するための第一の凹部3を備えて、この第一の凹部3は、SiC基板2の周辺部が載置されて高さ方向の位置決めをする位置決め段差4を有し、この位置決め段差4の内側には、SiC基板2より小さいSiCダミー基板7を保持するための第二の凹部5が形成されている。この第二の凹部5の深さ(高さ)h2がSiCダミー基板7の厚さよりも深く(高く)、SiC基板2とSiCダミー基板7とが非接触の状態でそれぞれ保持される。
ここで、仮にSiCダミー基板7が無い場合には、エピタキシャル成長時に基板ホルダー1の表面からの昇華ガスや原料ガスの一部が空間6に充満することでSiC基板2の裏面に望ましくない膜が堆積する。本発明によれば、第二の凹部5にSiCダミー基板7を配置することによってその影響が小さくなり、実質的にSiC基板2と同成分の膜がSiC基板2の裏面に形成されるため、低ドープ層の形成の抑制や表面荒れを防ぐことができる。
基板ホルダー1の上面とSiC基板2の表面とは、理想的には同一高さになるようにするが、SiC基板2の厚さによっては、ホルダー上面がSiC基板の表面より低くなったり高くなったりする。高さの違いが大きすぎると、横から供給される原料ガスの流れが乱されるので、概略、その差が200μm程度より小さくなるように、第一の凹部3の深さにあった厚さを持つSiC基板2を使うか、用いるSiC基板2の厚さにあうように予め適当な深さ(高さ)h1の凹部3を形成しておくことが好ましい。
第一の凹部3はSiC基板2の形状に合わせて形作られる。一般的にはウェハ形状のSiC基板2が使用されるので、この場合の第一の凹部3の形状はSiC基板2と同じか僅かに大きい直径R1を有した円盤状となる。第一の凹部3の内壁面は垂直に切り立っていてもよく、若干傾斜されていても大きな差はないが、第一の凹部3の縁に角部があると堆積物によるパーティクル発生を招きやすいことから、角部は適度にラウンドしている(丸みを有している)のが好ましい。また、SiC基板2が円盤状のウェハ形状ではない場合(例えば矩形のものなど)でも、基板ホルダー1内に固定搭載できればよいので、SiC基板2に対して相似形でかつ若干大きめの第一の凹部3を形成しておけばよい。
また、第二の凹部5を形成するにあたり、第一の凹部3の形状に対して相似形でかつ若干小さめにしておけばよい。この若干小さめとは、例えば、SiC基板2が円盤状であれば、第二の凹部5の直径R2をSiC基板2の直径より5mm程度小さくしておけば、第一の凹部3と第二の凹部5の間に形成されるステップ(位置決め段差4)の幅w1は2.5mm程度となり、第一の凹部3にSiC基板2を安定して搭載することができる。すなわち、位置決め段差4については、SiC基板2の周辺部が載置されてSiC基板2の高さ方向を位置決めすることができるものであればよい。
また、第二の凹部5の深さ(高さ)h2は、SiCダミー基板7の厚さに応じて適宜決めるのがよい。すなわち、第二の凹部5の深さh2がSiCダミー基板7の厚さより浅いと、SiC基板2とSiCダミー基板7とが直接接触してしまうので、エピタキシャル成長の際に互いに融着してしまう問題が発生する。ここで、第二の凹部5の深さh2がSiCダミー基板7の厚さよりも深すぎると、SiC基板2の裏面が接する空間6が大きくなり過ぎて、エピタキシャル原料ガスが入り込む余地が出てくるため、好ましくは、以下の関係になるような第二の凹部5の深さh2とするのがよい。
100μm>(“第二の凹部の深さh2”−“SiCダミー基板の厚さ”)>0μm
このような第一及び第二の凹部3,5は、その基板ホルダー1に配置されるSiC基板2(及びSiCダミー基板7)の数だけ設けられる。図2は、例として3枚のSiC基板2を搭載可能な基板ホルダー1の斜視図である。この図には、それぞれの凹部の詳細な構造は省略されている。一般的には、熱化学蒸着装置の成長室の大きさに見合ったサイズの基板ホルダー1上に、搭載可能なSiC基板2の最大数の第一及び第二の凹部を形成すると、1回のエピタキシャル成長で最大枚数のエピタキシャルSiC単結晶ウェハを得ることができるため、効率的であると言える。但し、ホルダー面内のドーピング密度や膜厚の面内均一性を考慮し、SiC基板2の搭載数を絞る場合には、当然、最大数より少ない数の第一及び第二の凹部が形成されていても構わない。
また、本発明における基板ホルダー1は、その表面がSiCで被覆された炭素材料からなるものが好ましい。炭素材料は耐熱性が高く、高温強度も強く、さらに炭素材料自体は加工しやすいので、本発明の基板ホルダー1のような構造を作り出すことも比較的容易である。但し、炭素材料が表面に露出していると、エピタキシャル成長時に基板ホルダー1の表面が水素によってエッチングされるために、徐々に表面が荒れてパーティクルが発生しやすくなる。パーティクルはエピタキシャル成長中に飛来すると欠陥の原因となるため、これを回避するためにSiCで被覆されたものが好ましい。
更に、炭素材料の表面を被覆する被覆層は、SiCに過剰の窒素を取り入れたものとなっていることが好ましい。その理由は、SiCダミー基板7をSiC基板2の裏面が接する空間に配置しても、ホルダー表面から少量の昇華ガスが発生するため、窒素が少ない被覆層が形成されていると、SiC基板2の裏面にドーピング密度の低い層が形成されてしまう場合があるからである。既に述べたように、このような層が形成されると、オーミックコンタクト不良に繋がる可能性が生じてくる。但し、SiCの被覆層をSiC基板なみに高いドーピング密度で形成することは実際には難しいと考えられる。従って、SiCの被覆層は極力高いドーピング密度となるように形成するのがよく、具体的には1×1016cm−3〜1×1018cm−3程度のドーピング密度を有したSiCの被覆層であるのがよい。また、SiC基板2の裏面が接する空間6のうちSiCダミー基板7の表面が占める割合を極力高くするのが好ましい。具体的には、SiC基板2と略同じドーピング密度を有するものであって、SiC基板2の面積の80%〜98%程度を占めるSiCダミー基板7を用いるのがよい。ここで、ドーピング密度が略同じであるとは、好適には、SiC基板2のドーピング密度とSiCダミー基板7のドーピング密度との差が30%以内である。
炭素材料の表面を被覆する被覆層の好ましい膜厚は、基板ホルダー1をどの程度連続使用するかによって変わる。すなわち、昇華によって失われる量を勘案して決定される。例えば、エピタキシャル成長の累積膜厚が200μmに到達する度に基板ホルダー1の表面のSiC被覆層が約50μm昇華する温度条件で、10μmのエピタキシャル成長を20回連続して使用したい場合(累積膜厚で200μm)では、ホルダー表面には50μmの厚さでSiCの被覆層を形成しておくのが望ましい。このような考え方に立てば、基板ホルダー1の材質をSiC基板2の材質と同じものにすることができれば、何度でも連続してホルダーを用いることができる。但し、SiCは加工性が極めて悪く、ホルダーに加工することは容易ではないため、前述の炭素材料にSiC被覆したホルダーを用いるほうがより好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
(実施例1)
図2に示したように、同一平面内に3枚のSiC基板1をSiCダミー基板7と共に保持することができる基板ホルダー1を用いて、熱化学蒸着法によりエピタキシャルSiC単結晶ウェハを製造した。この基板ホルダー1は、直径350mm、厚さ3mmの円盤状の炭素材料を用いたものであり、SiC基板2が搭載される第一の凹部3とSiCダミー基板7が搭載される第二の凹部5との組み合わせが3箇所に設けられて、これらの凹部3,5を含めた基板ホルダー1の表面には、窒素濃度(ドーピング密度)が1E16cm−3(1×1016cm-3)のSiC被覆層が約50μmの厚さで形成されている。このうち、第一の凹部3の直径R1は105mmであり、深さ(高さ)h1=400μmの位置に幅w1=5mmの位置決め段差4を備えている。また、第二の凹部5の直径R2は95mmであり、深さ(高さ)h2=300μmである。
先ず、この基板ホルダー1の3つの第二の凹部5に対して、それぞれSiC単結晶からなり、窒素濃度(ドーピング密度)がおよそ8E18cm−3のSiCダミー基板7(直径93mm、厚さ250μm)を配置し、同じく3つの第一の凹部3に対して、4H型のSiC単結晶からなり、窒素濃度(ドーピング密度)がおよそ1E19cm−3であって、オフ角度が4°のSiC基板2(直径100mm、厚さ380μm)をそれぞれ配置した。次いで、基板ホルダー1ごと熱化学蒸着装置の成長室内に搭載し、プロパンガスを毎分40cc(以下、sccmの単位を使う)、シランガスを100sccmで水素キャリアガスとともに成長室に導入した。水素ガスの流量は、毎分60リットル(以下、slmの単位を使う)とした。また、ドーピングガスとして、水素で1%に希釈した窒素/水素混合ガスを100sccmで導入した。そして、成長雰囲気は5kPaとし、1600℃で1時間のエピタキシャル成長を実施した。
取り出した3つのエピタキシャルSiC単結晶ウェハの表面(エピタキシャル成長面)について、代表的な評価項目としてエピタキシャル成長膜の膜厚とドーピング密度を、それぞれFTIR方式の膜厚計(ナノメトリックス社製)とCV測定装置(フォーディメンジョン社製)を使って評価した。その結果、3つのエピタキシャルSiC単結晶ウェハの平均として、膜厚はおよそ10μm、ドーピング密度は1E16cm−3であった。
次に、得られたエピタキシャルSiC単結晶ウェハの裏面について、堆積物評価を行った。ここでは、二次イオン質量分析装置(島津製作所製)を使って、堆積物の深さ方向で窒素の濃度がどのように分布しているかを調査した。そのうちの1つのエピタキシャルSiC単結晶ウェハの結果を図3に示す。横軸は、裏面の最表層からの深さを示し、2μmより深いところがもともとのSiC基板2の領域である。このSiC基板2は、前述のとおりドーピング密度がおよそ1E19cm−3であったが、裏面の表層に堆積した膜(堆積物)のドーピング密度もほぼ同じドーピング密度であることが分かった。他の2つのエピタキシャルSiC単結晶ウェハについても同様のプロファイルを示した。なお、SiC基板2の裏面と堆積した膜との界面において、窒素濃度が高くなっている領域が観測されたが(深さが約1.9μmの位置)、これはSiC基板2の裏面最表層に吸着していた窒素原子の影響であると思われる。
また、得られたエピタキシャルSiC単結晶ウェハについて、エピタキシャル成長膜の簡易的な電気特性を評価した。裏面にNi電極をつけ、電気特性を測定した結果、3つともオーミックコンタクトが取れていることが確認された。更には、光学顕微鏡観察の結果、得られたエピタキシャルSiC単結晶ウェハの裏面はいずれも平滑な面をしており、荒れ等は観察されなかった。
(比較例1)
第二の凹部5が形成されておらず、直径R1=105mm、深さ(高さ)h1=400μmの第一の凹部3のみを備えた以外は実施例1と同様である基板ホルダーを用いて、3つのSiC基板2に対して熱化学蒸着法によりエピタキシャル成長膜を成長させた。エピタキシャル成長の条件は、SiCダミー基板7を使用しない以外は実施例1と同様にした。
得られたエピタキシャルSiC単結晶ウェハについて、その裏面を実施例1と同様にしてSIMS分析を行った。1つのエピタキシャルSiC単結晶ウェハから、図4のようなプロファイルが得られた。SiC基板の裏面には実施例とほぼ同じだけの堆積物(約2μm)が確認されたが、ドーピング密度はSiC基板2の値より3桁ほど低い値であった。他の2つについても同様であり、SiC基板2の裏面には低いドーピング密度の堆積物が形成されていた。
また、得られたエピタキシャルSiC単結晶ウェハを使って、実施例1と同様に簡易的な電気特性を行った。その結果、いずれも健全なオーミックコンタクトが取れないことが分かった。更には、3つのエピタキシャルSiC単結晶ウェハともに、裏面は全面で荒れていることが光学顕微鏡観察で確認された。
1:基板ホルダー、2:SiC基板、3:第一の凹部、4:位置決め段差、5:第二の凹部、6:SiC基板の裏面が接する空間、7:SiCダミー基板。

Claims (6)

  1. 熱化学蒸着装置の成長室内に配置されて、炭化珪素をエピタキシャル成長させる炭化珪素単結晶基板を保持するための基板ホルダーであって、前記炭化珪素単結晶基板を保持する第一の凹部を備えて、該第一の凹部は、炭化珪素単結晶基板の周辺部が載置されて高さ方向の位置決めをする位置決め段差を有し、この位置決め段差の内側には、前記炭化珪素単結晶基板より小さい炭化珪素ダミー基板を保持するための第二の凹部を備えて、該第二の凹部の深さが前記炭化珪素ダミー基板の厚さよりも深く、前記炭化珪素単結晶基板と前記炭化珪素ダミー基板とが非接触の状態でそれぞれ保持されることを特徴とする炭化珪素エピタキシャル成長用基板ホルダー。
  2. 前記第一の凹部を同一平面内に複数備えて、複数の炭化珪素単結晶基板を炭化珪素ダミー基板と共に保持することができる請求項1に記載の炭化珪素エピタキシャル成長用基板ホルダー。
  3. 該基板ホルダーが、炭化珪素で被覆された炭素材料からなる請求項1又は2に記載の炭化珪素エピタキシャル成長用基板ホルダー。
  4. 熱化学蒸着装置の成長室内に配置された基板ホルダーに炭化珪素単結晶基板を保持して、熱化学蒸着法により炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素をエピタキシャル成長させてエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハを製造する方法であって、前記基板ホルダーが、炭化珪素単結晶基板を保持する第一の凹部を備えて、該第一の凹部は、炭化珪素単結晶基板の周辺部が載置されて高さ方向の位置決めをする位置決め段差を有し、この位置決め段差の内側には、前記炭化珪素単結晶基板より小さい炭化珪素ダミー基板を保持する第二の凹部を備えて、該第二の凹部の深さが前記炭化珪素ダミー基板の厚さよりも深く、前記炭化珪素単結晶基板と前記炭化珪素ダミー基板とが非接触の状態でそれぞれ保持されるようにしてエピタキシャル成長を行い、前記炭化珪素ダミー基板として、前記炭化珪素単結晶基板と略同じドーピング密度を有するものを用いることを特徴とするエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハの製造方法。
  5. 前記基板ホルダーが第一の凹部を同一平面内に複数備えて、複数の炭化珪素単結晶基板を炭化珪素ダミー基板と共に保持することができる請求項4に記載のエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハの製造方法。
  6. 前記基板ホルダーが、炭化珪素で被覆された炭素材料からなる請求項4又は5に記載のエピタキシャル炭化珪素単結晶ウェハの製造方法。
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