JP2017099458A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トップシートと、バックシートと、吸収体と、を備え、個別包装に際して幅方向に延びる2本の折り線によって長手方向に折り畳まれる吸収性物品であって、吸収体には、折り線の近傍の幅方向両端部が幅方向内側に湾曲した括れ部が形成されており、折り線近傍において、幅方向中心線の両側に、長手方向に沿って、少なくとも2対のチャネルエンボスが形成され、少なくとも2対のチャネルエンボスは、幅方向中心線に向かって凸となっており、股部において、幅方向中心線の両側に、長手方向に沿って、少なくとも1対のチャネルエンボスが形成され、少なくとも1対のチャネルエンボスは、幅方向両端部に向かって凸となっている、吸収性物品。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の吸収性物品1の展開図を示す図面であり、図2は、図1におけるX1−X1線による断面図を示す図面である。本発明の実施形態に係る吸収性物品1としては、図1に示すような軽失禁パッドが例示されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、その他の吸収性物品であってもよい。図1及び図2に示すように、吸収性物品1は、身体接触側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類接触側表面に配置された液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を備え、これにより、吸収体20は、トップシート10とバックシート30との間に挟まれた構造となっている。吸収性物品1は、個別包装に際して幅方向に延びる2本の折り線40によって長手方向に折り畳まれるものであり、包装時には長手方向に3つ折りにされる。吸収性物品1は、着用者の前側に位置する前部1aと、着用者の股間に位置する股部1bと、着用者の後側に位置する後部1cとを有し、折り線40は、前部1aと股部1bとの境界部1d、及び股部1bと後部1cとの境界部1dに形成されている。
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート30と対向して配置されている。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような基材、例えば、エアスルー不織布を代表とするサーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、又はこれらを積層した複合シートといった材料から形成される。トップシート10は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
バックシート30は、吸収性物品1の外部に体液が漏れないよう、液不透過性を有し、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。バックシート30は、着用者の股部が位置づけられる長手方向中央に括れ部を有する砂時計形状、略矩形形状等の形状を有していてもよく、吸収体20の側縁より若干外方に延在して設けられていてもよい。バックシート30の衣類接触側表面には、着用時に下着等に吸収性物品1を固着するための粘着剤層60が設けられていてもよい。吸収性物品1が粘着剤層60を有する場合、粘着剤層60を保護するための剥離シート65を有していてもよく、この剥離シート65は、吸収性物品1の包装シートと部分的に接合されていてもよい。トップシート10及びバックシート30は、長手方向端部等、端部の少なくとも一部において、吸収体20を挟まずに、ホットメルト接着剤やヒートシール等により固着されるフラップを形成していてもよい。
吸収体20は、基材としての吸収性繊維と、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、SAPとも称する)と、を含有する。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキン、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体20の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m2以上800g/m2以下の坪量とすることが好ましい。
吸収体20は、前部1a及び股部1bの境界部1d、並びに股部1b及び後部1cの境界部1dに設けられる折り線40の近傍において、吸収体20の幅方向両端部が幅方向内側に湾曲した括れ部21を有している。吸収体20が括れ部21を有することにより、折り線40近傍の吸収体20の嵩が低減し、折り線40を谷として吸収性物品1を折り畳んだ際に、折りじわや折り癖を生じにくくすることができる。ここで、折り線40近傍の括れ部21においては、吸収体20の最小幅Bが、吸収体20の最大幅Aの60%以上80%以下であることが好ましく、60%以上70%以下であることがより好ましい。吸収体20の最小幅Bが、上記の範囲内のものであることにより、吸収性物品1における体液の横漏れを防止しつつ、折り線40近傍の吸収体20の嵩を効果的に低減させることができる。
本発明の吸収性物品1においては、前部1a、股部1b、及び後部1cと、括れ部21とにそれぞれ、トップシート10から吸収体20に亘るチャネルエンボスが形成されている。ここで、股部1bに形成されているチャネルエンボスを第1のチャネルエンボス22と称し、括れ部21に形成されているチャネルエンボスを第2のチャネルエンボス23と称し、前部1a及び後部1cに形成されているチャネルエンボスを第3のチャネルエンボス24と称することとし、以下に各チャネルエンボスの構成を説明する。
吸収性物品1の股部1bには、幅方向中心線の両側に、長手方向に沿って、トップシート10から吸収体20に亘る、少なくとも1対の第1のチャネルエンボス22が形成されており、この第1のチャネルエンボス22は、幅方向両端部に向かって凸となっている。第1のチャネルエンボス22がこのような構成を採用することにより、股部1bの体液排出部に排出された体液は、第1のチャネルエンボス22に沿って幅方向中心線方向に向かいながら前後方向に拡散することとなり、幅方向の寸法が狭く形成されている括れ部21が形成された、前部1a及び後部1cと、股部1cとの境界部1dにおいて体液が横漏れすることを効果的に防止することができる。第1のチャネルエンボス22は、2対以上設けられていてもよい。
吸収性物品1の括れ部21が形成された、前部1a及び後部1cと、股部1cとの境界部1dには、幅方向中心線の両側に、長手方向に沿って、トップシート10から吸収体20に亘る少なくとも2対の第2のチャネルエンボス23が形成されており、この第2のチャネルエンボス23は、幅方向中心線に向かって凸となっている。境界部1dに幅方向中心線に向かって凸の第2のチャネルエンボス23が形成されていることにより、括れ部21に到達する体液が、上記境界部1dの幅方向中心線に向かって拡散しやすくなり、更に、前部1a及び後部1cにおいては、幅方向両端部にも拡散するので、吸収体20の幅方向の寸法が狭く形成されている括れ部21において、体液が横漏れすることを効果的に防止することができるとともに、吸収体20の全体で効率的に体液を吸収することができる。
本発明の吸収性物品1においては、前部1a及び後部1cに、幅方向に沿って、トップシート10から吸収体20に亘る第3のチャネルエンボス24が形成されていることが好ましく、この第3のチャネルエンボス24は、長手方向端部に向かって凸となっていることが好ましい。吸収性物品1の前部1a及び後部1cに、第3のチャネルエンボス24を設けることにより、前部1a及び後部1cの吸収体20の表面に、体液をより広く拡散させることができる。
チャネルエンボスの深さは、本発明の目的を損なわない範囲で、適宜設定することができるが、例えば、1.0mm以上5.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以上3.5mm以下であることがより好ましい。チャネルエンボスの深さが上記の範囲内であることにより、体液の効率的な拡散が促されるとともに、体液の吸収も阻害されない。
図2に示すように、吸収性物品1の身体接触側表面には、立体ギャザー50が設けられていてもよい。この立体ギャザー50は、トップシート10とともに体液の閉じ込め空間を形成し、体液の横漏れを防止できるようになっている。立体ギャザー50は、立体ギャザーシート51と、立体ギャザーシート51の自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材52と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材52としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、必要に応じて、液拡散性シート11及び立体ギャザー50をあらかじめトップシート10に配置した上で、括れ部21を形成した吸収体20をトップシート10とバックシート30との間に挟持し、トップシート10から吸収体20に亘るチャネルエンボスを形成させつつ、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。そして、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折り等にして折り畳めばよい。
1a 前部
1b 股部
1c 後部
1d 境界部
10 トップシート
11 液拡散性シート
20 吸収体
21 括れ部
22 第1のチャネルエンボス
23 第2のチャネルエンボス
24 第3のチャネルエンボス
30 バックシート
40 折り線
50 立体ギャザー
51 立体ギャザーシート
52 伸縮性弾性部材
60 粘着剤層
65 剥離シート
A 吸収体の最大幅
B 括れ部における吸収体の最小幅
C 括れ部の長手方向の寸法
Claims (6)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を備え、個別包装に際して幅方向に延びる2本の折り線によって長手方向に折り畳まれる吸収性物品であって、
前部、股部及び後部を有し、
前記折り線は、前部及び股部の境界部、並びに股部及び後部の境界部に設けられ、
前記吸収体には、前記折り線の近傍の幅方向両端部が幅方向内側に湾曲した括れ部が形成されており、
前記折り線近傍において、幅方向中心線の両側に、長手方向に沿って、トップシートから吸収体に亘る少なくとも2対のチャネルエンボスが形成され、前記少なくとも2対のチャネルエンボスは、幅方向中心線に向かって凸となっており、
前記股部において、幅方向中心線の両側に、長手方向に沿って、トップシートから吸収体に亘る少なくとも1対のチャネルエンボスが形成され、前記少なくとも1対のチャネルエンボスは、幅方向両端部に向かって凸となっている、吸収性物品。 - 前記折り線近傍の吸収体の最小幅が、吸収体の最大幅の60%以上80%以下である、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記括れ部の長手方向の寸法が、5mm以上20mm以下である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記1対のチャネルエンボスが、括れ部が形成された前部及び後部と、股部との境界部にも及んでいる、請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記前部及び前記後部に、幅方向に沿って、トップシートから吸収体に亘るチャネルエンボスがそれぞれ形成されており、このチャネルエンボスは、長手方向端部に向かって凸となっている、請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記折り線近傍の吸収体の密度が、他の領域の吸収体の密度に比して高くなっている、請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品。
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