JP2017097048A - 偏光板用積層体および偏光板 - Google Patents

偏光板用積層体および偏光板 Download PDF

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康成 原田
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Abstract

【課題】延伸処理による複屈折が生じ難く、それによりTACフィルム等の他の基材フィルムに貼り替える必要もなく、そのまま保護フィルムとして偏光板に組み込むことが可能な基材フィルムを含む偏光板用積層体を提供すること。【解決手段】基材フィルム[I]とポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]とを含み、少なくとも延伸処理および染色処理を経て偏光板を形成するための偏光板用積層体であって、前記延伸処理後の基材フィルム[I]のリタデーション(Re)が50nm以下であるか、基材フィルム[I]が、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで少なくとも構成されたジオール成分(x)と、ジカルボン酸成分(y)とを重合成分とするポリエステル系樹脂で構成されたフィルムであることを特徴とする偏光板用積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層とを含み、少なくとも延伸処理および染色処理を経て偏光板を形成するための偏光板用積層体、およびこの偏光板用積層体を用いてなる偏光板に関するものである。
偏光板は、一般的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂ともいう。)を含有するフィルム(以下、PVA系フィルムともいう。)に染色処理、延伸処理、ホウ素化合物処理の各処理を行い偏光フィルムとした後、接着剤を介して、TAC(セルローストリアセテート)フィルム等の保護フィルムと貼り合わせて製造される。
液晶表示装置等の光学電子機器の薄型化に伴い、偏光板の薄膜化も進んでいるが、PVA系フィルムの更なる薄膜化は難しく容易ではない。そこで、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂の水溶液を塗工し、乾燥させてPVA系樹脂層を形成し、基材フィルムと共にPVA系樹脂層に染色処理、延伸処理、ホウ素化合物処理の各処理を施して偏光板を形成するPVAコート法が提案されてきた(例えば、特許文献1〜4を参照)。
しかしながら、PVAコート法においては、PVA系樹脂層と共に基材フィルムも延伸されるので、基材フィルム自体に複屈折が生じてしまう。そのため、PVA系樹脂層を基材フィルムから剥離して、別の保護フィルムに積層する必要があり、製造工程が煩雑である。
また、公知文献においては、基材フィルムをそのまま保護フィルムとすることもできるとの記載もあるが、現実的には、光学特性などの観点からTACフィルム等の他の保護フィルムに貼り替えている状況である。例えば、特許文献1〜4などの公知文献においては、ノルボルネン系樹脂フィルム、PET(G−PET、A−PET等)フィルム等が基材フィルムとして用いられているが、延伸処理により複屈折が生じてしまうため、実用的には、やはりTACフィルム等の他の保護フィルムに貼り替える必要がある。
従来、TACフィルムの厚さは、通常80μmであり、更には40μm程度まで要求されることがあるが、更なる薄膜化が検討される状況において、偏光板の製造に用いられる基材フィルム(例えば、PETフィルム等)をTACフィルムに貼り替えることは非常に困難である。
このように、延伸処理による複屈折が生じ難く、それによりTACフィルム等の他の保護フィルムに貼り替える必要もなく、そのまま保護フィルムとして偏光板に組み込むことが可能な基材フィルムを用いて、光学特性に優れた偏光板を効率的に製造することが要求されている。
特開2009−98653号公報 特開2009−93074号公報 特開2012−68609号公報 特開2012−159778号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、延伸処理による複屈折が生じ難く、それによりTACフィルム等の他の保護フィルムに貼り替える必要もなく、そのまま保護フィルムとして偏光板に組み込むことが可能な基材フィルムを含む偏光板用積層体を提供すること、またこの偏光板用積層体から形成されてなる偏光板を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層とを含み、少なくとも延伸処理および染色処理を経て偏光板を形成するための偏光板用積層体において、延伸処理後の基材フィルムのリタデーション(Re)を所定値にすることにより、または基材フィルムを特定のポリエステル系樹脂で構成することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、基材フィルム[I]とポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]とを含み、少なくとも延伸処理および染色処理を経て偏光板を形成するための偏光板用積層体であって、前記延伸処理後の基材フィルム[I]のリタデーション(Re)が50nm以下であることを特徴とする偏光板用積層体である。
また他の局面における本発明の要旨は、基材フィルム[I]とポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]とを含み、少なくとも延伸処理および染色処理を経て偏光板を形成するための偏光板用積層体であって、基材フィルム[I]が、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで少なくとも構成されたジオール成分(x)と、ジカルボン酸成分(y)とを重合成分とするポリエステル系樹脂で構成されたフィルムであることを特徴とする偏光板用積層体である。
本発明の偏光板用積層体において、基材フィルム[I]を構成する樹脂のガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。
また、基材フィルム[I]の厚さが20〜150μmであること、または延伸後の基材フィルム[I]の厚さが10〜100μmであることが好ましい。
さらに、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]の厚さが1〜50μmであること、または延伸後の樹脂層[II]の厚さが0.5〜30μmであることが好ましい。
さらに他の局面における本発明の要旨は、本発明の偏光板用積層体から形成されてなる偏光板である。
本発明によれば、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層とを含む本発明の偏光板用積層体を用いて偏光板を形成した際、延伸処理による基材フィルムの複屈折が生じ難く、それにより他の基材フィルムに貼り替える必要もなく、そのまま偏光板が形成されるから、光学特性に優れた偏光板を効率的に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
本発明の偏光板用積層体は、基材フィルム[I]とポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層(以下、PVA系樹脂層ともいう。)[II]とを含む積層体であり、少なくとも延伸処理および染色処理を経て偏光板を形成するための偏光板用積層体である。そして、本発明における基材フィルム[I]は、延伸処理後のリタデーション(Re)が50nm以下であること、または9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで少なくとも構成されたジオール成分(x)と、ジカルボン酸成分(y)とを重合成分とするポリエステル系樹脂で構成されたフィルムであることを特徴とするものである。
なお、基材フィルム[I]とPVA系樹脂層[II]とが直接積層していてもよく、他の層を介して積層していてもよい。
また、基材フィルム[I]自体が後述の透明保護フィルムとすることも可能であり、その場合には、偏光板用積層体自身が偏光板として供されることとなり、本発明の偏光板用積層体とは、このような場合も含めることとする。
<基材フィルム[I]>
本発明で用いられる基材フィルム[I]としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂からなるフィルムが用いられ、それらのガラス転移温度または融点に応じて適切な樹脂を選択して用いられる。そして、延伸処理後のリタデーション(Re)(複屈折)を50nm以下にすることは、例えば、延伸方向に配向することによって負の複屈折を示す配合剤であるナノサイズの炭酸ストロンチウム針状結晶等を延伸後の複屈折を打ち消すように熱可塑性樹脂に適切に配合したり、あるいは延伸後の複屈折の発現抑制を示すモノマーである9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールを構成成分に含有するポリエステル系樹脂を用いて基材フィルム[I]を構成したりすることにより達成できる。
上記の熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、(メタ)アクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、及びこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
基材フィルム[I]は、上述の熱可塑性樹脂を1種類のみからなるフィルムであっても構わないし、熱可塑性樹脂を2種類以上ブレンドしてなるフィルムであっても構わない。また、基材フィルム[I]は、単層フィルムであってもよく、多層フィルムであってもよい。
上記のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、これらは安定的に高倍率に延伸しやすいため好ましく用いられる。また、プロピレンにエチレンを共重合することで得られるエチレン−ポリプロピレン共重合体なども用いることもできる。共重合は他の種類のモノマーでも可能であり、プロピレンに共重合可能な他種のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィンを挙げることができる。α−オレフィンとしては、炭素数4以上のα−オレフィンが好ましく用いられ、より好ましくは、炭素数4〜10のα−オレフィンである。炭素数4〜10のα−オレフィンの具体例を挙げれば、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の直鎖状モノオレフィン類;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐状モノオレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどである。プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。共重合体中の当該他のモノマー由来の構成単位の含有率は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトル測定を行なうことにより求めることができる。
上記の中でも、プロピレン系樹脂フィルムを構成するプロピレン系樹脂として、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、及び、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が好ましく用いられる。
また、プロピレン系樹脂フィルムを構成するプロピレン系樹脂の立体規則性は、実質的にアイソタクチックまたはシンジオタクチックであることが好ましい。実質的にアイソタクチックまたはシンジオタクチックの立体規則性を有するプロピレン系樹脂からなるプロピレン系樹脂フィルムは、その取扱い性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れている。
上記のポリエステル系樹脂は、エステル結合を有するポリマーであり、主に、多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合体である。用いられる多価カルボン酸は、主に2価のジカルボン酸が用いられ、たとえば、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどがある。また、用いられる多価アルコールも主に2価のジオールが用いられ、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。具体的な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレート、などが挙げられる。これらのブレンド樹脂や、共重合体も好適に用いることができる。上記の中でも、非晶質のポリエチレンテレフタレート系樹脂、例えば、ジカルボン酸としてイソフタル酸、1,4−シクロジカルボン酸を含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールを含む共重合体が好ましい。
上記の環状ポリオレフィン系樹脂としては、好ましくはノルボルネン系樹脂が用いられる。環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびにそれらの水素化物などが挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
上記の(メタ)アクリル系樹脂としては、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂として、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを意味するものである。
上記のセルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸のエステルである。このようなセルロースエステル系樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートなどが挙げられる。また、これらの共重合物や、水酸基の一部を他種の置換基などで修飾されたものなども挙げられる。これらの中でも、セルローストリアセテートが特に好ましい。
上記のポリカーボネート系樹脂は、カーボネート基を介してモノマー単位が結合されたポリマーからなるエンジニアリングプラスチックであり、高い耐衝撃性、耐熱性、難燃性を有する樹脂である。また、高い透明性を有することから光学用途でも好適に用いられる。
本発明における基材フィルム[I]は、延伸処理後のリタデーション(Re)が50nm以下であること、または9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで少なくとも構成されたジオール成分(x)と、ジカルボン酸成分(y)とを重合成分とするポリエステル系樹脂で構成されたフィルムであることを特徴とするものである。
延伸処理後の基材フィルム[I]のリタデーション(Re)は、50nm以下、好ましくは40nm以下、特に好ましくは30nm以下、更に好ましくは20nm以下である。リタデーションが大きすぎると、基材フィルム[I]を透過する偏光がその偏光特性を維持するのが困難となり、画像の精細性が低下する傾向にある。なお、下限としては0.01nmである。
延伸処理後の基材フィルム[I]のリタデーションを上記の範囲に満足させる手法としては、基材フィルム[I]を構成する樹脂の粘度の適正化、硬化収縮率の低減、延伸処理時の温度や延伸倍率の調整、延伸方向に負の複屈折を示す配合剤であるナノサイズの無機針状結晶の樹脂への添加、延伸処理後の後加熱処理などが挙げられる。また、基材フィルム[I]がポリエステル系樹脂で構成される場合は、ポリエステル系樹脂の構成モノマーとして9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールを選択することによっても、延伸処理後の基材フィルム[I]のリタデーションを上記の範囲に満足させることができる。
粘度の適正化や硬化収縮の低減は、基材フィルム[I]を構成する樹脂成分の種類や配合量、分子量を適宜コントロールすることなどにより達成される。延伸方向に負の複屈折を示す配合剤であるナノサイズの無機針状結晶の樹脂への配合の手法に関しては、特開2004−035347号公報に記載例があり、延伸条件に合わせた適切な配合量を選択し予め混合した樹脂フィルムを用いることで複屈折を低減できる。
なお、本発明でいうリタデーションとは、基材フィルム[I]として用いるために切断した樹脂成形体の全表面を対象としたものである。
9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで少なくとも構成されたジオール成分(x)と、ジカルボン酸成分(y)とを重合成分とするポリエステル系樹脂で構成されたフィルムとしては、公知のものを利用することができ、例えば、特開2008−133447号公報に記載されたものを利用することができる。なお、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで少なくとも構成されたジオール成分(x)に関しては、特開2008−133447号公報の段落〔0047〕〜〔0057〕に詳細に記載され、ジカルボン酸成分(y)に関しては、同公報の段落〔0058〕〜〔0063〕に詳細に記載されている。以下に例示的に説明する。
〔ジオール成分(x)〕
9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールとしては、下記の一般式(1)で示されるフルオレン系化合物(x1)を少なくとも含有する。
Figure 2017097048
式(1)中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。R、R、RおよびRは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基あり、これらは互いに同じであっても異なっていてもよい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で示されるフルオレン系化合物(x1)において、Rとしては、好ましくはメチレン基、エチレン基が挙げられる。また、R、R、R、Rとしては、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基が挙げられ、特に水素原子が好ましい。そして、このフルオレン系化合物(x1)としては、入手し易さ等の観点から、ビスフェノキシエタノールフルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンが好ましく用いられる。
ジオール成分(x)におけるフルオレン系化合物(x1)の含有量は、ジオール成分(x)全体に対して、通常50〜100モル%であり、好ましくは51〜99モル%、特に好ましくは52〜98モル%、更に好ましくは53〜97モル%である。フルオレン系化合物(x1)の含有量が少なすぎると、延伸処理後の基材フィルム[I]の複屈折が増加する傾向がある。
本発明で用いられるジオール成分(x)は、フルオレン系化合物(x1)以外に、他の二価アルコールを更に含有していてもよい。
上記他の二価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;
1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環族ジオール;
4,4′−チオジフェノール、4,4′−メチレンジフェノール、ビスフェノールS,ビスフェノールA、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、o−,m−およびp−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ナフタレンジオール、p−キシレンジオール等の芳香族ジオールおよびそれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加体等が挙げられる。
これら他の二価アルコールの中から選ばれる1種を用いてもよく、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。
これらの中でも、脂肪族ジオールであるエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、脂環族ジオールである1,2シクロヘキサンジメタノール、1,3シクロヘキサンジメタノール、1,4シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオールが好ましく用いられ、特に好ましくは脂肪族ジオールであり、更に好ましくはエチレングリコールである。
本発明で用いられるジオール成分(x)は、上記の各種二価アルコールの他に、三価以上の多価アルコール、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,3,6−ヘキサントリオール、アダマンタントリオール等を少量用いることができる。
本発明で用いられるジオール成分(x)は、フルオレン系化合物(x1)および上記他の二価アルコール以外に、ポリアルキレングリコールを、生成するポリエステル系樹脂の物性が低下しない範囲で、更に含有していてもよい。
〔ジカルボン酸成分(y)〕
ジカルボン酸成分(y)としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ベンジルマロン酸、1,4−ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4′−オキシ安息香酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸:マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、ゼバシン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、チオジプロピオン酸、ジグリコール酸等の脂肪族ジカルボン酸:1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が挙げられる。これらはエステル、クロライド、酸無水物等であってもよく、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチルおよびテレフタル酸ジフェニルを含む。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
これらの中でも、高いガラス転移温度を維持できる点で、芳香族ジカルボン酸である2,5−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、およびそれらのエステルを少量使用してもよく、特に好ましくは脂環族ジカルボン酸である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。
本発明で用いられるジカルボン酸成分(y)は、上記の各種ジカルボン酸の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、三価以上の多価カルボン酸を少量用いることができる。例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、アダマンタントリカルボン酸、トリメシン酸等も使用することができる。なお、本発明で用いられるポリエステル系樹脂においては、架橋剤や他の樹脂との混和性の点で、実質的にカルボキシル基を含有しないほうが好ましい。ここで「実質的にカルボキシル基を含有しない」とは、得られるポリエステル系樹脂の酸価が10mgKOH/g程度以下であることをいう。
〔ポリエステル系樹脂の製造方法〕
9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールを少なくとも含むジオール成分(x)、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールを50〜100モル%の範囲で含むジオールで構成されたジオール成分(x)と、ジカルボン酸成分(y)との共重合によるポリエステル系樹脂の製造方法について説明する。
ポリエステル系樹脂の製造方法としては、特に制限がなく、慣用の方法、例えば、エステル交換法、溶融重合法(直接重合法など)、有機溶媒中で反応させる溶液重合法、酸ハライドを用いる界面重合法などが例示される。
反応は触媒の非存在下で行うこともできるが、樹脂が着色するのを防ぎ、より穏和な条件で所定の重合度の樹脂を得るためには、触媒を用いるのが好ましい。触媒としては、ポリエステル系樹脂の製造に利用される種々の触媒、例えば、金属触媒などが使用できる。金属触媒としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、バリウムなど)、または遷移金属(亜鉛、カドミウム、鉛、コバルトなど)などを含む金属化合物が用いられる。金属化合物としては、アルコキシド、有機酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩など)、無機酸塩(ホウ酸塩、炭酸塩など)、金属酸化物などが例示できる。これらの触媒は単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。触媒の使用量は、例えば、ジカルボン酸成分に対して、0.01×10−4〜100×10−4モル、好ましくは0.1×10−4〜10×10−4モル程度であってもよい。
反応は、通常、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)雰囲気中で行うことができる。また、反応は、常圧下で行ってもよく、減圧下(例えば、1〜100torr(約1×10〜1×10Pa))で行うこともできる。反応温度は、例えば、150〜290℃(好ましくは180〜285℃、特に好ましくは200〜280℃)程度で行うことができる。反応終了後、必要により慣用の方法で樹脂を精製してもよい。
このようにして得られるポリエステル系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が好ましくは9,000〜150,000、特に好ましくは10,000〜100,000、更に好ましくは10,000〜90,000である。ポリエステル系樹脂の重量平均分子量が大きすぎると、基材フィルムの延伸処理後の複屈折が増大する傾向がある。また、重量平均分子量が小さすぎると、基材フィルムを延伸した際に破断しやすい傾向がある。
なお、本発明において重量平均分子量は、例えば、GPC分析を行い、ポリスチレン換算によって求めることができる。
ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは100℃以上であり、特に好ましくは100〜200℃であり、更に好ましくは110〜170℃であり、殊に好ましくは120〜160℃である。ガラス転移温度が高すぎると、ポリエステルフィルムの延伸時にクラックが発生しヘイズが生じる傾向がある。また、ガラス転移温度が低すぎると、延伸処理後の基材フィルムを保護フィルムとして利用するのに耐熱性が不十分となる傾向がある。
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、TAインスツルメント社製の示差走査熱量計DSC2920を用い測定することができる。
本発明において使用されるポリエステル系樹脂は、必要により、種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤(エステル類、フタル酸系化合物、エポキシ化合物、スルホンアミド類など)、難燃剤(無機系難燃剤、有機系難燃剤、コロイド難燃物質など)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、帯電防止剤、充填剤(酸化物系無機充填剤、非酸化物系無機充填剤、金属粉末など)、消泡剤、滑剤、離型剤(天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸又はその金属塩、酸アミド類など)などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
〔基材フィルム[I]の製造方法〕
基材フィルム[I]の製造方法としては、特に制限されず、例えば、キャスティング法(溶液流延法)、エキストルージョン法(インフレーション法、Tダイ法などの溶融押出法)、カレンダー法などが挙げられる。中でも膜厚の均一性の点で、キャスティング法、Tダイ法が好ましい。
本発明で用いられる基材フィルム[I]は、未延伸フィルムであってもよく、また機械的特性などの観点から延伸フィルムであってもよい。
延伸成形は、常法でいったん成形されたフィルムを、その樹脂の融点とガラス転移点との間の適当な温度に加熱しながら行うことができる。延伸は二軸延伸または一軸延伸のいずれであってもよい。二軸延伸はフィルムを縦横二方向に延伸することにより行うことができ、一軸延伸は縦方向又は横方向の一方向に延伸することにより行うことができる。二軸延伸は、縦横に等しい強度及び収縮性をもつ等延伸と、縦横の強度や収縮性が異なる偏延伸のいずれであってもよい。一方、一軸延伸は縦延伸又は横延伸のいずれであってもよい。
延伸倍率は、一軸延伸及び二軸延伸において各方向にそれぞれ倍率1.2〜10倍(好ましくは1.2〜8倍、特に好ましくは1.5〜6倍)程度であってもよい。また、一軸延伸又は二軸延伸において各方向の延伸倍率は、1.2〜10倍、好ましくは1.5〜8倍、特に好ましくは1.8〜6倍であってもよい。例えば、二軸延伸の場合、偏延伸(例えば、縦方向に1.1〜4倍、横方向に2〜6倍延伸)であってもよい。また、一軸延伸の場合、縦延伸(例えば、縦方向に1.2〜10倍延伸)であっても横延伸(例えば、横方向に1.2〜10倍延伸)であってもよい。
延伸方法は、特に制限がなく、一軸延伸の場合、湿式延伸法又は乾式延伸法のいずれであってもよく、二軸延伸の場合、テンター法(フラット法ともいわれる)であってもチューブ法であってもよいが、延伸厚みの均一性に優れるテンター法が好ましい。
本発明における基材フィルム[I]は、機械的性質(例えば、引張強さなど)、寸法安定性、耐熱性、化学安定性が優れるため、フィルム厚さを薄くすることが可能である。延伸処理を施すと引張強さがより大きくなる上に、極めて薄いフィルムとすることができる。
本発明における基材フィルム[I]の厚さは、好ましくは20〜150μmであり、特に好ましくは25〜130μmであり、更に好ましくは30〜120μmである。
本発明における基材フィルム[I]は、非晶性であり、結晶化特性及び透明性が高い。また、優れた溶融粘弾性特性を示すので、流動性及び成形性に優れ、残留応力歪、分子配向が起こりにくく、複屈折が極めて小さい。さらに、機械的強度及び屈折率が高いため、フィルムの薄型化が可能であり、本発明における基材フィルム[I]は、成形による光学歪が生じ難く、延伸処理を施すことができる。また複屈折の延伸倍率依存性が小さいため、均一な複屈折を持ったフィルムを製造することができる。
本発明における基材フィルム[I]のリタデーション(Re)は、未延伸において、例えば、50nm以下、好ましくは40nm以下、特に好ましくは20nm以下(例えば、0.1〜18nm)程度であり、更に好ましくは10nm以下(例えば、0.5〜5nm)程度とすることもできる。そして、本発明における基材フィルム[I]は、延伸処理しても上記のような低い複屈折を高いレベルで保持できる。例えば、基材フィルム[I]のリタデーション(Re)は、延伸フィルムにおいて、例えば、50nm以下(例えば、0.1〜50nm)、好ましくは30nm以下(例えば、3〜30nm)、特に好ましくは20nm以下(例えば、0.1〜19nm)、更に好ましくは10nm以下(例えば、0.1〜9nm)程度である。
<PVA系樹脂層[II]>
PVA系樹脂層に含まれるPVA系樹脂は、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステルをケン化して得られる。本発明おいては、得られるフィルムの延伸性や染色性を目的として、酢酸ビニルと、酢酸ビニルと共重合可能な少量の成分との共重合体をケン化して得られる変性PVA系樹脂を用いることもできる。酢酸ビニルと共重合可能な成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテンなどの炭素数2〜30のオレフィン類;ビニルエーテル類;不飽和カルボン酸や不飽和スルホン酸、及びこれら酸の塩、エステル、アミド又はニトリルなどを用いることができる。
また、PVA系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVA系樹脂を用いることもできる。かかる側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVA系樹脂は、例えば、(i)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(ii)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(iii )酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(iv)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
上記変性PVA系樹脂を用いる場合、その変性量は、通常10モル%以下であり、好ましくは0.1〜10モル%、特に好ましくは0.2〜8モル%である。
変性量が多すぎると、樹脂の製造が困難となる傾向にある。
PVA系樹脂の平均重合度(JIS K 6726に準拠して測定)は1000〜4000であることが好ましく、特に好ましくは1100〜3900、更に好ましくは1200〜3800である。
かかる平均重合度が低すぎると、PVA系樹脂から光学フィルムを製造する場合に充分な光学性能が得られにくい傾向があり、高すぎると、PVA系樹脂層と基材フィルム[I]の積層体を延伸して偏光板を形成する場合に延伸が困難となり、工業的な生産が難しくなる傾向がある。
PVA系樹脂のケン化度は、90〜100モル%であることが好ましく、特に好ましくは94〜100モル%、更に好ましくは96〜99.9モル%、殊に好ましくは97〜99.8モル%である。
かかるケン化度が低すぎると、PVA系樹脂から光学フィルムを製造する場合に充分な光学性能が得られにくい傾向がある。
PVA系樹脂を水に溶解し、PVA系樹脂水溶液を調製するが、該水溶液には、PVA系樹脂以外に、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの一般的に使用される可塑剤や、ノニオン性、アニオン性、又はカチオン性の界面活性剤を含有させてもよい。
このようにして得られるPVA系樹脂水溶液の濃度は、4〜35重量%であることが好ましく、特に好ましくは5〜30重量%、更に好ましくは7〜25重量%である。
かかる水溶液濃度が低すぎると乾燥負荷が大きくなるため生産能力に劣る傾向があり、高すぎると粘度が高くなりすぎて均一な溶解ができ難くなる傾向がある。
PVA系樹脂水溶液の温度は、粘度と塗工性と乾燥の点から、15〜80℃が好ましく、20〜70℃が特に好ましい。PVA系樹脂水溶液の温度が低すぎると、粘度が高くなりすぎて塗工した際に不均一になる傾向があり、温度が高すぎると、塗工した際に水が早く蒸発して不均一になりやすい傾向がある。
<偏光板用積層体>
本発明の偏光板用積層体は、基材フィルム[I]とPVA系樹脂層[II]とを含む積層体である。基材フィルム[I]にPVA系樹脂層[II]を形成するに際しては、例えば、PVA系樹脂を含有する樹脂の溶液、好ましくは水溶液を基材フィルム[I]に塗工して乾燥する方法が挙げられる。
ここで用いるPVA系樹脂を含有する溶液には、塗工乾燥性の面で少量のアルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノールなどを含有していてもよい。
なお、かかる樹脂溶液には、公知の配合剤を配合することができ、例えば、PVA系樹脂層[II]の柔軟性の点から可塑剤を、偏光板用積層体をロールとして巻き取ったときの滑りやすさの点から界面活性剤を、フィルムの黄変を防止の点から酸化防止剤を、それぞれ配合することが好ましい。
上記樹脂溶液を基材フィルム[I]に塗工するに際して、塗工法としては、ワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング法、グラビアコーティング法等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを適宜に選択して採用することができる。基材フィルム[I]がプライマー層または剥離層を有する場合には、該プライマー層または剥離層に、プライマー層を有しない場合には基材フィルム[I]に、直接、前記樹脂溶液を塗工する。
前記樹脂溶液の濃度については、溶解性、及び乾燥時の生産性の点から4〜35重量%であることが好ましく、特に好ましくは5〜30重量%、更に好ましくは7〜25重量%である。樹脂溶液濃度が小さすぎると乾燥負荷が大きくなり生産能力が低下する傾向があり、大きすぎると粘度が高くなりすぎて均一な溶解ができにくくなる傾向がある。
また、乾燥温度は、通常、30〜200℃、好ましくは40〜150℃であり、乾燥時間は、通常、1〜30分間程度である。
本発明において、PVA系樹脂層[II]の厚さは、強度や取扱性等の作業性、薄層性の点で1〜50μmであることが好ましく、特には2〜40μm、更には3〜30μmであることが好ましい。かかる厚さが薄すぎると延伸後に薄くなりすぎ染色性が低下する傾向があり、厚すぎると発泡などによる浮きや剥がれが生じやすく外観不良となる傾向がある。
また、基材フィルム[I]とPVA系樹脂層[II]との厚さ比([I]/[II])は、0.4〜150であることが好ましく、特には1〜100であることが好ましい。かかる厚み比が大きすぎるとヨウ素染色処理などの溶液中にて偏光板用積層体が軟らかくなり過ぎ、取扱性が低下する傾向があり、小さすぎると延伸が不均一になりやすい傾向がある。
かくして、基材フィルム[I]とPVA系樹脂層[II]とを含む本発明の偏光板用積層体が得られる。更に、本発明の偏光板用積層体に対して、少なくとも延伸処理、およびヨウ素または二色性染料による染色処理を施すことにより、本発明の偏光板が形成される。
<偏光板>
本発明の偏光板は、下記の工程(1)〜(3)、好ましくは更に工程(4)を含む製造方法により得られる。
工程(1):基材フィルム[I]上にPVA系樹脂層[II]を形成して本発明の偏光板用積層体を得る工程。
工程(2):本発明の偏光板用積層体を延伸する工程。
工程(3):本発明の偏光板用積層体を染色する工程。
工程(4):本発明の偏光板用積層体をホウ素化合物処理する工程。
上記工程において、工程(1)は上述の通りであり、工程(2)、工程(3)、工程(4)は、以下の通りである。なお、工程(2)〜(4)の順番は適宜選択できるものである。
本発明の偏光板は、工程(1)で得られた偏光板用積層体に対して、通常、延伸処理、染色処理、好ましくは更にホウ素化合物処理などの工程を経て製造される。
本発明においては、例えば、〔1〕偏光板用積層体を延伸してヨウ素または二色性染料の染色溶液に浸漬し染色したのち、ホウ素化合物処理する方法、〔2〕延伸と染色を同時に行なったのち、ホウ素化合物処理する方法、〔3〕ヨウ素または二色性染料により染色して延伸したのち、ホウ素化合物処理する方法、〔4〕染色したのち、ホウ素化合物の溶液中で延伸する方法、〔5〕延伸してホウ素化合物処理したのち、染色してホウ素化合物の溶液中で延伸する方法、〔6〕延伸しながら染色処理及びホウ素化合物処理する方法、などがあり、適宜選択して用いることができる。このように、偏光板用積層体(偏光板を形成するための延伸がなされていない積層体)は、延伸と染色、更にホウ素化合物処理を別々に行なっても、あるいは同時に行なってもよい。
本発明においては、染色工程(3)、ホウ素化合物処理工程(4)の少なくとも一方の工程中に、偏光板用積層体の延伸工程(2)を行うことが光学特性の点で好ましい。
また、本発明においては、偏光板用積層体の延伸工程(2)における延伸倍率が2倍以上であることが光学特性の点で好ましく、特に好ましくは2〜10倍、更に好ましくは2〜7倍である。延伸倍率が小さすぎると充分な光学特性が得られない傾向がある。
なお、偏光板用積層体の染色工程(3)の前工程として、延伸処理を行っておくこともPVA系樹脂の配向性を高める、つまり良好な光学特性を得る点で好ましく、この場合の延伸倍率は1.1〜5倍、特には1.2〜4倍であることが好ましい。
偏光板用積層体の総延伸倍率は、一軸方向に、通常3〜10倍、好ましくは3.5〜7倍であり、上述の通り、特に染色工程、ホウ素化合物処理工程などの液中で2倍以上延伸することが望ましい。この際、延伸方向の直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、またはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度は、20〜170℃から選ぶのが望ましく、更には染色工程(3)およびホウ素化合物処理工程(4)の少なくとも一方の工程中に延伸工程(2)を行うことを考慮すると、20〜90℃、特には25〜85℃であることが好ましい。更に、延伸倍率は最終的に前記範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
偏光板用積層体への染色は、偏光板用積層体にヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素を含有する溶液が用いられ、なかでも、偏光子の光学性能に有用なI やI などのイオンをより発生しやすくするための助剤的な役割を有するヨウ化カリウムを配合したヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が好ましく用いられる。ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液において、ヨウ素の濃度は0.1〜2%、ヨウ化カリウムの濃度は0.3〜50%、ヨウ化カリウム/ヨウ素の重量比は3〜300が適当である。
二色性染料としては、公知の二色性染料を用いることができ、好ましくはアゾ系化合物を用いることができる。上記二色性染料を含有した溶液は、染色助剤として、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等を含有することができる。
染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃が好ましい。水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。接触手段としては浸漬、塗布、噴霧などの任意の手段が適用できる。
染色処理された偏光板用積層体は、ついでホウ素化合物によって処理されることが好ましい。ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液または水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜10重量%程度で用いられ、液中にはヨウ化カリウムを濃度0.1〜10重量%程度共存させるのが実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが、もちろん塗布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は20〜80℃程度、処理時間は15秒〜20分程度が好ましく、また必要に応じて処理中に延伸操作を行うことも好ましい。
かくして、本発明の偏光板、即ち、基材フィルム[I]とPVA樹脂層[II]とを含む偏光板用積層体が延伸されてなり、かつPVA樹脂層[II]が染色されてなる偏光板が得られる。ここで、PVA樹脂層[II]は染色されることによって偏光子となる。
本発明においては、延伸後の基材フィルム[I]の厚さが10〜100μmであることが好ましく、特に好ましくは20〜70μm、更に好ましくは30〜60μmである。また、延伸後のポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]の厚さが0.5〜30μmであることが好ましく、特に好ましくは1〜20μm、更に好ましくは3〜15μmである。
なお、PVA系樹脂層[II](偏光子)において基材フィルム[I]の反対側には、透明保護フィルムを貼り合わせることができる。
透明保護フィルムとしては、前記基材フィルム[I]として例示したものと同様の材料を用いることができる。透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmが更に好ましい。
本発明で得られる偏光板は、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、パソコン、モニター、携帯情報端末機、液晶テレビ、ウェアラブルディスプレイ、サイネージ、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防眩メガネ、立体メガネ、プロジェクタ、表示素子(CRT、LCD、有機EL、電子ペーパーなど)用反射低減層、光通信機器、医療機器、建築材料、玩具などに有効に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
<実施例1>
以下の基材フィルムを用意した(表1参照)。
・基材フィルム[I−1]の作製
1,4−シクロヘキサンジカルボンサン(520部)、エチレングリコール(562部)、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEFと表記)(1037部)、二酸化ゲルマニウム(0.76部)をエステル交換反応器に仕込み、窒素雰囲気下で240℃にコントールして加熱し、生成する水を留去させて、エステル交換反応を行った。
次いで、温度を260℃まで徐々に上昇させ、系内を1mmHg程度まで減圧して重縮合反応を行い、ポリエステル系樹脂(α)を得た。得られたポリエステル系樹脂(α)の重量平均分子量(Mw)は34,000、ガラス転移温度(Tg)は123℃であった。
上記で得られたポリエステル系樹脂(α)をTダイ溶融押出機で製膜し、厚さが100μmの基材フィルム[I−1]を得た。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)にて、ポリスチレン換算で算出した。ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
・PVA系樹脂水溶液の作製
重合度2600、ケン化度98.0%のPVA14部に水186部を添加し、攪拌して95℃に昇温し1時間保持し、完全に溶解させた後、室温にて放冷して、7%PVA水溶液を得た。
・偏光板用積層体の作製
基材フィルム[I−1]の表面をプラズマ処理し、前記7%PVA水溶液をアプリケーターを用いて塗布し、80℃にて10分間乾燥させることにより、基材フィルム[I−1]上にPVA系樹脂層が形成された。PVA系樹脂層の厚さは7μmであった。
・偏光板の作製
上記偏光板用積層体を、140℃にて4.5倍延伸を行い、延伸積層体を得た。次に、上記延伸積層体を、25℃の染色液(KI/I/水=1/10/200)にて、1分間浸漬した。次いで、延伸積層体を55℃のホウ酸水溶液(10%ホウ酸水溶液)に7分間浸漬し、更に、延伸積層体を25℃のヨウ化カリウム水溶液(4%KI水溶液)に10秒浸漬させて、偏光板を作製した。偏光板の厚さは53μmであった。
基材フィルム[I−1]について、140℃で4.5倍に幅自由一軸延伸を行い、延伸基材フィルムを形成し、リタデーション(nm)を測定したところ、18nmであった。なお、リタデーションの測定には、KOBRA−WR(王子計測機器株式会社製)を用いた。
また、得られた偏光板について、偏光度および単体透過率を測定し、下記の基準にて評価した。なお、偏光度および単体透過率の測定には、位相差測定装置RETS−100(大塚電子株式会社社製)を用いた。
(偏光度)
○・・・99.9%以上
×・・・99.9%未満
(単体透過率)
○・・・40%以上
△・・・35%以上、40%未満
×・・・35%未満
<実施例2>
以下の基材フィルムを用意した(表1参照)。
・基材フィルム[I−2]の作製
上記基材フィルム[I−1]の作製において、基材フィルムの厚さを60μmに変更した以外は同様にして、基材フィルム[I−2]を得た。
・偏光板の作製
実施例1において、基材フィルム[I−1]を、基材フィルム[I−2]に変更した以外は同様にして、偏光板を得た。偏光板の厚さは35μmであった。
基材フィルム[I−2]について、140℃で4.5倍に幅自由一軸延伸を行い、延伸基材フィルムを形成し、リタデーション(nm)を測定したところ、18nmであった。また、得られた偏光板について、偏光度および単体透過率を測定し、実施例1と同様に評価した。
なお、リタデーションの測定および偏光度、単体透過率の測定は、実施例1と同様である。
<実施例3>
実施例1において、重合度2600、ケン化度98.0%のPVAを、重合度1800、ケン化度98.6%のPVAに変更し、また、延伸倍率を4.0倍に変更した以外は同様にして、偏光板を得た。偏光板の厚さは52μmであった。
得られた偏光板について、偏光度および単体透過率を測定し、実施例1と同様に評価した。
なお、リタデーションの測定および偏光度、単体透過率の測定は、実施例1と同様である。
<比較例1>
以下の基材フィルムを用意した(表1参照)。
・基材フィルム[I’−1]
シクロオレフィン系樹脂フィルム(JSR社製、商品名「ARTON」、厚み150μm、ガラス転移温度(Tg)123℃)を用意した。
ここで、基材フィルム[I’−1]について、140℃で4.0倍に幅自由一軸延伸を行い、延伸基材フィルムを形成し、リタデーション(nm)を測定したところ、620nmであった。
また、基材フィルム[I’−1]について、150℃で4.5倍に幅自由一軸延伸を行い、延伸基材フィルムを形成し、リタデーション(nm)を測定したところ、191nmであった。
なお、リタデーションの測定には、KOBRA−WR(王子計測機器株式会社製)を用いた。
Figure 2017097048
表1に示されるとおり、実施例1〜3では、延伸処理による基材フィルムの複屈折が生じ難く、それにより他の基材フィルムに貼り替える必要もなく、そのまま偏光板が形成されるから、光学特性に優れた偏光板を効率的に製造することができた。

Claims (7)

  1. 基材フィルム[I]とポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]とを含み、少なくとも延伸処理および染色処理を経て偏光板を形成するための偏光板用積層体であって、
    前記延伸処理後の基材フィルム[I]のリタデーション(Re)が50nm以下であることを特徴とする偏光板用積層体。
  2. 基材フィルム[I]とポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]とを含み、少なくとも延伸処理および染色処理を経て偏光板を形成するための偏光板用積層体であって、
    基材フィルム[I]が、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで少なくとも構成されたジオール成分(x)と、ジカルボン酸成分(y)とを重合成分とするポリエステル系樹脂で構成されたフィルムであることを特徴とする偏光板用積層体。
  3. 基材フィルム[I]を構成する樹脂のガラス転移温度が100℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板用積層体。
  4. 基材フィルム[I]の厚さが20〜150μmであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の偏光板用積層体。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]の厚さが1〜50μmであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の偏光板用積層体。
  6. 延伸後の基材フィルム[I]の厚さが10〜100μmであり、かつ、延伸後のポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層[II]の厚さが0.5〜30μmであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の偏光板用積層体。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の偏光板用積層体から形成されてなることを特徴とする偏光板。
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