JP2012208534A - 偏光性積層フィルム、偏光板または基材フィルム付き偏光板の製造方法、および、両面積層フィルム、両面偏光性積層フィルム、両面貼合フィルム、片面貼合フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、基材フィルム、および、該基材フィルムの両面に形成された偏光子層を備える両面偏光性積層フィルムの製造方法であって、上記基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して両面積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、上記両面積層フィルムを延伸する延伸工程と、上記延伸後の両面積層フィルムの両面における上記ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色し、架橋処理を施すことにより、偏光子層を形成する染色工程とをこの順で含む、両面偏光性積層フィルムの製造方法である。
【選択図】図2
Description
上記基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して両面積層フィルム
を得る樹脂層形成工程と、
上記両面積層フィルムを延伸する延伸工程と、
上記延伸後の両面積層フィルムの両面における上記ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色し、架橋処理を施すことにより、偏光子層を形成する染色工程とをこの順で含む、両面偏光性積層フィルムの製造方法である。
上記両面偏光性積層フィルムの両面の偏光子層の各々の厚さが10μm以下であることが好ましい。
上記製造方法によって得られた両面偏光性積層フィルムの両面に、保護フィルムを貼合して両面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程と、
上記両面貼合フィルムから、少なくとも1枚の上記偏光板を剥がす剥離工程とをこの順で含む、偏光板の製造方法にも関する。
上記製造方法によって得られた両面偏光性積層フィルムの両面に、保護フィルムを貼合して両面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程と、
上記両面貼合フィルムから、上記基材フィルム付き偏光板を剥がす剥離工程とをこの順で含む、基材フィルム付き偏光板の製造方法にも関する。
上記製造方法によって得られた両面偏光性積層フィルムの一方の面に、保護フィルムを貼合して片面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程と、
上記片面貼合フィルムから、上記偏光板を剥がす剥離工程とをこの順で含む、偏光板の製造方法にも関する。
上記製造方法によって得られた両面偏光性積層フィルムの一方の面に、保護フィルムを貼合して片面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程と、
上記片面貼合フィルムから、上記片面偏光性積層フィルムを剥がす剥離工程とをこの順で含む、片面偏光性積層フィルムの製造方法にも関する。
基材フィルムに用いる樹脂としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられ、それらのTgまたはTmに応じて適切な樹脂を選
択できる。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、(メタ)アクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、たとえば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、およびこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびにそれらの水素化物などが挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
もよい。このような添加剤としては、たとえば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、および着色剤などが挙げられる。基材フィルム中の上記にて例示した熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。基材フィルム中の熱可塑性樹脂の含有量が50重量%未満の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現されないおそれがあるからである。
基材フィルムの偏光子層が形成される側の表面にプライマー層が形成される場合、プライマー層としては、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との両方にある程度強い密着力を発揮する材料であれば特に限定されない。たとえば、透明性、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、密着性がよいポリビニルアルコール系樹脂は好ましく用いられる。
偏光子層は、具体的には、延伸したポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着
配向させたものである。
ケン化度(モル%)=(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)×100
ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、すなわち結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
95.5モル%)、JM−26(ケン化度:95.5〜97.5モル%)、JP−45(ケン化度:86.5〜89.5モル%)、JF−17(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、JF−17L(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、および、JF−20(ケン化度:98.0〜99.0モル%)などが挙げられ、本発明において好適に用いることができる。
保護フィルムは、光学機能を有さない単なる保護フィルムであってもよく、位相差フィルムや輝度向上フィルムといった光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。
製のフィルムの市販品を用いてもよい。
図1は、本発明を用いた偏光板の製造方法の概要を示すフローチャートである。本発明の偏光性積層フィルムの製造方法は、このうち、
上記基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して両面積層フィルムを得る樹脂層形成工程(S10)と、
上記両面積層フィルムを延伸する延伸工程(S20)と、
上記延伸後の両面積層フィルムの両面における上記ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色し、架橋処理を施すことにより、偏光子層を形成する染色工程(S30)とをこの順で含んでいる。
上記両面積層フィルムを洗浄・乾燥する洗浄乾燥工程(S40)、
上記両面積層フィルムの両面または片面に保護フィルムを貼合して、両面貼合フィルムまたは片面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程(S50)、
両面貼合フィルムまたは片面貼合フィルムを乾燥する乾燥工程(S60)、および、
両面貼合フィルムまたは片面貼合フィルムから、偏光板、基材フィルム付き偏光板または片面偏光性積層フィルムを剥離する剥離工程(S70)
がこの順に実施される。
以下、図1におけるS10〜S70の各工程について、詳しく説明する。
ここでは、基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成することで、基材フィルムおよびポリビニルアルコール系樹脂層からなる両面積層フィルムが得られる。
ここでは、樹脂層形成工程(S10)で得られた両面積層フィルムを延伸する。好ましくは、5倍超かつ17倍以下の延伸倍率となるように一軸延伸する。さらに好ましくは5倍超かつ8倍以下の延伸倍率となるように一軸延伸する。延伸倍率が5倍以下だと、ポリビニルアルコール系樹脂層が十分に配向しないため、結果として、偏光子層の偏光度が十分に高くならない不具合を生じることがある。一方、延伸倍率が17倍を超える場合、延伸時の積層フィルムの破断が生じ易くなると同時に、延伸後の積層フィルムの厚みが必要以上に薄くなり、後工程での加工性・ハンドリング性が低下するおそれがある。延伸工程(S20)における延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行うこともできる。多段で行う場合は、延伸処理の全段を合わせて5倍超の延伸倍率となるように延伸処理を行う。
ここでは、両面積層フィルムの両面のポリビニルアルコール系樹脂層を、二色性色素で染色する。二色性色素としては、たとえば、ヨウ素や有機染料などが挙げられる。有機染料としては、たとえば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックなどが使用できる。これらの二色性物質は、一種類でも良いし、二種類以上を併用して用いても良い。
液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されても良い。二色性色素の濃度としては、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜7重量%であることがより好ましく、0.025〜5重量%であることが特に好ましい。
次に、両面偏光性積層フィルムを洗浄する洗浄工程を行なうことが好ましい。洗浄工程としては、水洗浄処理を施すことができる。水洗浄処理は、通常、イオン交換水、蒸留水などの純水に延伸フィルムを浸漬することにより行なうことができる。水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4℃〜20℃の範囲である。浸漬時間は通常2〜300秒間、
好ましくは3秒〜240秒間である。
ここでは、上記の工程を経た両面積層フィルムの一方の面または両面に、保護フィルムを貼合する。偏光子層と保護フィルムとを貼合する方法としては、粘着剤層や接着剤層を介して偏光子層と保護フィルムを貼合する方法が挙げられる。保護フィルムとして適した材料は、上述の偏光板の構成の説明で述べた通りである。
粘着剤層を構成する粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を加えた組成物からなる。さらに、粘着剤中に微粒子を配合して、光散乱性を示す粘着剤層を形成することもできる。
接着剤層を構成する接着剤としては、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などを用いた水系接着剤が挙げられる。中でも
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が好適に用いられる。接着剤として用いるポリビニルアルコール系樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるビニルアルコール系共重合体、さらにはそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などがある。水系接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などが添加剤として添加されてもよい。このような水系の接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層は、通常1μmよりもはるかに薄く、通常の光学顕微鏡で断面を観察しても、その接着剤層は事実上観察されない。
れないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
び光硬化性接着剤の硬化時の発熱によるエポキシ樹脂の黄変や偏光フィルムの劣化を生じるおそれが少ない。光硬化性接着剤への光照射時間は、硬化させる光硬化性接着剤に応じて適用されるものであって特に限定されないが、上記の照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cm2となるように設定されることが好まし
い。光硬化性接着剤への積算光量が10mJ/cm2以上である場合、重合開始剤由来の
活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm2以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。なお
、活性エネルギー線照射後の接着剤層の厚さは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01μm以上でかつ2μm以下、さらに好ましくは0.01μm以上でかつ1μm以下である。
前記保護フィルム貼合工程(S50)にて、接着剤層または粘着剤層を形成するために溶剤を含む溶液を用いた場合には、両面貼合フィルムまたは片面貼合フィルムの乾燥を実施する。この乾燥工程では主に、接着剤層または粘着剤層の乾燥を実施することが目的であり、乾燥条件等は、上記の洗浄乾燥工程(S40)と同じである。特に接着剤層を形成するために、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液などを用いる場合には60℃以上の温度での乾燥を実施することが好ましい。
乾燥工程(S60)の後に、両面貼合フィルムまたは片面貼合フィルムから、偏光板、基材フィルム付き偏光板または片面偏光性積層フィルムを剥離する剥離工程(S70)が行われる。偏光板、基材フィルム付き偏光板または片面偏光性積層フィルムの剥離方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行われる剥離フィルム剥離工程と同様の方法を採用できる。乾燥工程(S60)の後、そのまますぐに剥離してもよいし、一度ロール状に巻き取った後、別に剥離工程を設けて剥離してもよい。
本発明で得られる偏光板は、実用に際して他の光学層を積層した偏光板として用いることができる。また、上記保護フィルムがこれらの光学層の機能を有していてもよい。
に相当する市販品としては、例えばDBEF(3M社製、住友スリーエム(株)から入手可能)、APF(3M社製、住友スリーエム(株)から入手可能)が挙げられる。視野角補償フィルムとしては基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムが挙げられる。基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルムに相当する市販品としては、WVフィルム(富士フィルム(株)製)、NHフィルム(新日本石油(株)製)、NRフィルム(新日本石油(株)製)などが挙げられる。また、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品としては、アートン(登録商標)フィルム(JSR(株)製)、エスシーナ(登録商標)(積水化学工業(株)製)、ゼオノア(登録商標)フィルム((株)オプテス製)などが挙げられる。
図2に示すフローチャートのようにして、両面偏光性積層フィルム302までの製造を行った。
エチレンユニットを約5重量%含むプロピレン/エチレンのランダム共重合体(住友化学(株)製「住友ノーブレン W151」、融点Tm=138℃)からなる樹脂層の両側にプロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレン(住友化学(株)製「住友ノーブレンFLX80E4」、融点Tm=163℃)からなる樹脂層を配置した3層構造の基材フィルム1を、多層押出成形機を用いた共押出成形により作製した。得られた基材フィルム1の合計の厚さは90μmであり、各層の厚み比(FLX80E4/W151/FLX80E4)は3/4/3であった。
ポリビニルアルコール粉末(商品名:Z−200、日本合成化学工業(株)製、平均重合度1100、平均ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解させ濃度3重量%の水溶液を調製した。得られた水溶液にポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の架橋剤(住友化学(株)製、商品名:スミレーズ(登録商標)レジン650)を混ぜて、プライマー溶液を得た。基材フィルム1の一方の面にコロナ処理を施し、プライマー溶液をマイクログラビアコーターを用いて塗工し、80℃で10分間乾燥させ、厚さ0.2μmのプライマー層を形成した。
ポリビニルアルコール粉末(商品名:PVA124、クラレ(株)製、平均重合度2400、平均ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水中に溶解させ濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を上記基材フィルム1の一方の面に形成されたプライマー層の表面にリップコーターを用いて塗工し、連続して80℃で2分、70℃で2分、60℃で4分間乾燥させ、基材フィルム1およびポリビニルアルコール系樹脂層21からなる2層の片面積層フィルム201を作製した。
の)ポリビニルアルコール系樹脂層21、22の厚さは、それぞれ、10.5μm、10.2μmであった。
両面積層フィルム202を、ロール間縦延伸機を用いて160℃で5.8倍の自由端一軸延伸を実施した。延伸後の両面積層フィルムの2つのポリビニルアルコール系樹脂層の厚さは、それぞれ、5.1μm、4.9μmであった。延伸後の両面積層フィルム202は、カールもほとんどなくフラットなものであり、延伸工程におけるハンドリング性も非常に良好であった。
延伸後の両面積層フィルムを60℃の温浴に60秒浸漬し、次に、30℃のヨウ素とヨウ化カリウムの混合水溶液である染色溶液に150秒ほど浸漬して染色した後、10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次いで76℃のホウ酸とヨウ化カリウムの混合水溶液である架橋溶液に600秒浸漬させた。
その後、両面積層フィルムを10℃の純水で4秒間洗浄し、最後に80℃で300秒間乾燥させた。以上の工程により、基材フィルム1の両面に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層21,22を偏光子層31,32とし、両面偏光性積層フィルム302を得た。この乾燥の際に、カールはほとんど発生せず、良好な状態で連続的に両面偏光性積層フィルムを作成することが出来た。
<染色溶液>
水:100重両部
ヨウ素:0.6重量部
ヨウ化カリウム:10重量部
<架橋溶液>
水:100重両部
ホウ酸:9.5重量部
ヨウ化カリウム:5重量部
とした。
図2に示すフローチャートのようにして、両面偏光性積層フィルム302から偏光板501a,501bまでの製造を行った。
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製、平均重合度1800、商品名:KL−318)を95℃の熱水に溶解させ濃度3重量%の水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(住友化学(株)製、商品名:スミレーズ(登録商標)レジン650)をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部を混ぜて接着剤溶液とした。実施例1で得た両面偏光性積層フィルム302の両面に上述のポリビニルアルコール系接着剤を塗布した後に保護フィルム41,42(コニカミノルタオプト(株)製のTAC:KC4UY)を貼合し、80℃で5分間乾燥させることで、保護フィルム41、偏光子層31、基材フィルム1、偏光子層42および保護フィルム42の5層からなる両面貼合フィルム402を得
た。
両面貼合フィルム402から、偏光子31および保護フィルム41からなる偏光板501aを剥離した。残りのフィルム(基材フィルム1、偏光子層32および保護フィルム42からなるフィルム)から、基材フィルムを剥離して、偏光子層32および保護フィルム42からなる偏光板501bを得た。
実施例1と同様にして、両面積層フィルムを得た。このときの(延伸前の)ポリビニルアルコール系樹脂層21,22の厚さは、それぞれ、25.2μm、28.7μmであった。この両面積層フィルムを、テンター延伸装置を用いて160℃で5.8倍に固定端横一軸延伸して延伸フィルムを得た。延伸後のポリビニルアルコール樹脂層の厚さは、それぞれ4.6μm、4.9μmであった。延伸後の両面積層フィルム202は、カールもほとんど無くフラットなものであり、延伸工程におけるハンドリング性も非常に良好であった。
図3のフローチャートに示すように、実施例1と同じ方法で両面偏光性積層フィルムを得た。この後、実施例2と同じ方法で、保護フィルム41を両面偏光性積層フィルム302の片面のみに貼合し、乾燥させることで、保護フィルム41/偏光子層31/基材フィルム1/偏光子層32の4層からなる片面貼合フィルム401を得た。
プライマー層および樹脂層を基材フィルムの片面のみに設けた以外は、実施例1と同じ方法で延伸フィルムを作製した。片面にのみ樹脂層が形成されているため、得られたフィルムはカールが生じやすい状態となり、ハンドリング性に欠けるものであった。また、得られたフィルムを23℃50%RHの環境下で放置した場合、さらにカールが大きくなった。なお、このような従来の方法で製造したフィルムは、製造ラインにのっており張力がかかった状態であれば問題なく使用することができるが、一旦巻き取る工程などを介するとハンドリング性が悪く使いづらくなってしまうため、製造ラインの都合上、一旦巻き取る工程を入れたい場合等には不向きであった。
ムを得ようとしたが、乾燥の際に、フィルムが搬送できないほどの著しいカールが発生してフィルムの端部が内側に折れ込む不具合を生じた。このため、連続して安定的に偏光性積層フィルムを得ることが出来なかった。
Claims (16)
- 基材フィルム、および、該基材フィルムの両面に形成された偏光子層を備える両面偏光性積層フィルムの製造方法であって、
前記基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して両面積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
前記両面積層フィルムを延伸する延伸工程と、
前記延伸後の両面積層フィルムの両面における前記ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色し、架橋処理を施すことにより、偏光子層を形成する染色工程とをこの順で含む、両面偏光性積層フィルムの製造方法。 - 前記両面積層フィルムの両面のポリビニルアルコール系樹脂層を構成する材料が、同じ材料である、請求項1に記載の両面偏光性積層フィルムの製造方法。
- 前記延伸後の両面積層フィルムの両面におけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚さの差が3μm以下である、請求項1または2に記載の両面偏光性積層フィルムの製造方法。
- 前記延伸工程において、5倍超の延伸倍率で延伸する、請求項1〜3のいずれかに記載の両面偏光性積層フィルムの製造方法。
- 前記両面偏光性積層フィルムの両面の偏光子層の各々の厚さが10μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の偏光性積層フィルムの製造方法。
- 偏光子層、および、該偏光子層の一方の面に形成された保護フィルムを備える偏光板の製造方法であって、
請求項1に記載の製造方法によって得られた両面偏光性積層フィルムの両面に、保護フィルムを貼合して両面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程と、
前記両面貼合フィルムから、少なくとも1枚の前記偏光板を剥がす剥離工程とをこの順で含む、偏光板の製造方法。 - 前記剥離工程において、前記両面貼合フィルムの両面の2枚の偏光板を同時に剥離する、請求項6に記載の偏光板の製造方法。
- 前記剥離工程において、前記両面貼合フィルムの一方の面の偏光板を剥離し、次いで、他方の面の偏光板を剥離する、請求項6に記載の偏光板の製造方法。
- 偏光子層、該偏光子層の一方の面に形成された保護フィルム、および、該偏光子層の一方の面に貼合された基材フィルムを備える、基材フィルム付き偏光板の製造方法であって、
請求項1に記載の製造方法によって得られた両面偏光性積層フィルムの両面に、保護フィルムを貼合して両面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程と、
前記両面貼合フィルムから、前記基材フィルム付き偏光板を剥がす剥離工程とをこの順で含む、基材フィルム付き偏光板の製造方法。 - 偏光子層、および、該偏光子層の一方の面に形成された保護フィルムを備える偏光板の製造方法であって、
請求項1に記載の製造方法によって得られた両面偏光性積層フィルムの一方の面に、保護フィルムを貼合して片面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程と、
前記片面貼合フィルムから、前記偏光板を剥がす剥離工程とをこの順で含む、偏光板の製造方法。 - 基材フィルム、および、該基材フィルムの一方の面に形成された偏光子層を備える片面偏光性積層フィルムの製造方法であって、
請求項1に記載の製造方法によって得られた両面偏光性積層フィルムの一方の面に、保護フィルムを貼合して片面貼合フィルムを得る保護フィルム貼合工程と、
前記片面貼合フィルムから、前記片面偏光性積層フィルムを剥がす剥離工程とをこの順で含む、片面偏光性積層フィルムの製造方法。 - 基材フィルム、および、該基材フィルムの両面に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層を備える、両面積層フィルム。
- 基材フィルム、および、該基材フィルムの両面に形成され、配向したポリビニルアルコール系樹脂層を備える、両面積層フィルム。
- 基材フィルム、および、該基材フィルムの両面に形成され、配向し、二色性色素が吸着したポリビニルアルコール系樹脂層を備える、両面偏光性積層フィルム。
- 基材フィルム、および、該基材フィルムの両面に形成された偏光子層を備える両面偏光性積層フィルムと、該両面偏光性積層フィルムの両面に貼合された保護フィルムとからなる、両面貼合フィルム。
- 基材フィルム、および、該基材フィルムの両面に形成された偏光子層を備える両面偏光性積層フィルムと、該両面偏光性積層フィルムの一方の面に貼合された保護フィルムとからなる、片面貼合フィルム。
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