JP2017094898A - 乗物用シート部品 - Google Patents

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Masami Tanaka
昌巳 田中
林 正樹
Masaki Hayashi
林  正樹
佳哉 ▲高▼木
佳哉 ▲高▼木
Kanaru Takagi
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【課題】柱軸方向の自由度が高く、強度の確保がし易い他部品を取付けるための連結部材を備えた乗物用シート部品を提供すること。【解決手段】乗物用シート部品50Rは、面状に延びる布帛材Cに対してマトリクス樹脂が含浸した状態で固化した繊維強化樹脂製の面状体51と、面状体51に対して他部品71を取付けるための柱状の連結部材60と、を備える。面状体51は、面状体51の他の部分より肉厚が大きい厚肉部55を備える。厚肉部55は面状体51の単位面積当たりのマトリクス樹脂の含有量が他の部分より多く、連結部材60は、その少なくとも柱軸方向一側が厚肉部55に対して埋め込まれた状態で固定されている埋込部61となっている。【選択図】図5

Description

本発明は、乗物用シート部品に関する。
織物、編物又は不織布である布帛材を強化材とする繊維強化樹脂製の乗物用シート部品が知られている。係る繊維強化樹脂は、面状に延びる布帛材に対してマトリクス樹脂が含浸した状態で固化している。特許文献1には、ガラス繊維の織物に対してマトリクス樹脂が含浸した状態で固化した繊維強化樹脂製のバックフレームが開示されている。このバックフレームは、シェルタイプのバックフレームであり、全域にわたって略同一な厚さとなっている。また、このバックフレームには所定部分を覆い隠すための目隠しカバーが取付けられている。
特開2007−76642号公報
バックフレームに対して別部品である目隠しカバーを取付けるために、バックフレームの成形時にマトリクス樹脂の一部をピン状に突出させることで柱状の突起部を形成し、この突起部を介して目隠しカバーを取付ける、という構造が考えられる。係る構造においては、突起部の柱軸方向をバックフレーム本体の面に対して自由度高く形成することができるが、突起部の柱径寸法が小さい場合に、バックフレームの成形時に突起部においてボイド等の成形不良が発生し易くなり突起部の強度を確保し難いという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明の課題は、面状に延びる布帛材に対してマトリクス樹脂が含浸した状態で固化した繊維強化樹脂製の面状体を備えた乗物用シート部品において、柱軸方向の自由度が高く、強度の確保がし易い他部品を取付けるための連結部材を備えた乗物用シート部品を提供することである。
本発明の第1発明は、乗物用シート部品であって、面状に延びる布帛材に対してマトリクス樹脂が含浸した状態で固化した繊維強化樹脂製の面状体と、該面状体に対して他部品を取付けるための柱状の連結部材と、を備え、前記面状体は、該面状体の他の部分より肉厚が大きい厚肉部を備え、該厚肉部は前記面状体の単位面積当たりの前記マトリクス樹脂の含有量が前記他の部分より多く、前記連結部材は、その少なくとも柱軸方向一側が前記厚肉部に対して埋め込まれた状態で固定されている埋込部となっていることを特徴とする。
連結部材の少なくとも柱軸方向一側を面状体に対して埋め込んで固定することにより連結部材を面状体に取付ける構成では、連結部材の柱軸方向が面状体の延びる方向に対して垂直な方向へ向けられた状態よりも当該方向以外へ向けられた状態の方が、連結部材を面状体に深く埋め込む必要がある。第1発明によれば、連結部材は、その少なくとも柱軸方向一側が面状体の他の部分より肉厚が大きい厚肉部に埋め込まれて固定されている。このため、連結部材を面状体に対して埋め込むことのできる深さが確保し易い構成となっている。よって、連結部材の柱軸方向を面状体の延びる方向に対して垂直な方向だけでなく当該方向以外へ向ける構成にしても、連結部材を面状体に取付けることができる。また、上記したように、連結部材は、面状体の厚肉部に対して埋め込まれることで固定される構造である。すなわち、連結部材は、面状体とは別体の構成であり、面状体の成形時にマトリクス樹脂で形成されるものではない。このため、連結部材は面状体の成形時においてボイド等の成形不良が発生し難い構成となっている。よって、連結部材の強度の確保がし易い。なお、ここで言う布帛材とは、織物、編物又は不織布のことである。
本発明の第2発明は、第1発明において、前記連結部材は、前記埋込部の反対側が前記厚肉部から突出している突出部となっており、前記埋込部は、鍔状のフランジ部、又は、環状に延びる溝部を備え、前記フランジ部、又は、前記溝部より前記埋込部の端末部側の部位が、前記厚肉部に対する抜け止め部となっていることを特徴とする。
第2発明によれば、連結部材の埋込部は厚肉部に対する抜け止め部を備えている。このため、連結部材に引っ張り方向の力が印加された場合であっても、連結部材が厚肉部から抜け難くなる。
本発明の第3発明は、第2発明において、前記布帛材は複数枚積層されている状態にあり、前記布帛材の少なくとも一枚は前記厚肉部内において前記突出部の方向へ向かって張り出しており、その張り出した部分に貫通孔が設けられており、前記連結部材は前記貫通孔に対して前記抜け止め部より前記突出部側で前記抜け止め部と前記貫通孔の周縁とが対向する状態で通されていることを特徴とする。
第3発明によれば、布帛材の少なくとも一枚に設けられた貫通孔に対して連結部材が通され、抜け止め部より突出部側で抜け止め部と貫通孔の周縁とが対向している。このため、連結部材に対して引っ張り方向の力が印加されると、当該力を、貫通孔が設けられた少なくとも一枚の布帛材で埋込部の周囲が強化された繊維強化樹脂によって、効率的に受け止めさせることができる。
本発明の第4発明は、第1発明又は第2発明において、前記布帛材は複数枚積層されている状態にあり、前記布帛材の少なくとも一枚は前記厚肉部内において前記突出部の方向へ向かって張り出しており、その張り出した部分に前記埋込部の端末部側を収容する凹部が設けられていることを特徴とする。
第4発明によれば、埋込部の端末部側が布帛材の少なくとも一枚に設けられた凹部に収容されている。このため、連結部材にその柱軸に対して垂直方向の力が印加された場合に、当該力を、凹部が設けられた少なくとも一枚の布帛材で埋込部の周囲が強化された繊維強化樹脂によって、効率的に受け止めさせることができる。
本発明の第5発明は、第2発明から第4発明のいずれか1つにおいて、前記厚肉部には、前記布帛材とは別体である補強用布帛材が前記抜け止め部より前記突出部側において前記抜け止め部と対向するように埋め込まれていることを特徴とする。
第5発明によれば、布帛材とは別体の補強用布帛材が抜け止め部より突出部側で抜け止め部と対向するように位置されている。このため、連結部材に対して引っ張り方向の力が印加された場合に、当該力を、補強用布帛材で埋込部の周囲が強化された繊維強化樹脂によって、より効率的に受け止めさせることができる。
本発明の一実施形態である目隠しカバーが取付けられた乗物用シートの斜視図である。 上記実施形態の目隠しカバーを乗物用シートから取外した状態を示す分解斜視図である。 上記実施形態の目隠しカバーとリップ部材とを分解した分解斜視図である。 上記実施形態の目隠しカバーの裏面側を示す正面図である。 図4のV−V矢視線断面図である。 上記実施形態の目隠しカバーの第1変形例を図5に対応させて示す図である。 上記実施形態の目隠しカバーの第2変形例を図5に対応させて示す図である。 上記実施形態の目隠しカバーの第3変形例を図5に対応させて示す図である。
図1〜図5は、本発明の一実施形態を示す。本実施形態は、自動車用シートの目隠しカバーに本発明を適用した例を示す。各図中、矢印により自動車用シートを自動車に取付けたときの自動車の各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
図1及び図3に示すように、自動車用シート1は、着座部となるシートクッション10と、背もたれ部となるシートバック20と、を備えている。シートバック20には、目隠しカバー50が取付けられ、目隠しカバー50にはインサートピン60を介して、リップ部材71が取付けられる。目隠しカバー50が、特許請求の範囲の「乗物用シート部品」に相当する。インサートピン60が、特許請求の範囲の「連結部材」に相当する。リップ部材71が、特許請求の範囲の「他部品」に相当する。
図1に示すように、シートクッション10は、骨格部材であるクッションフレーム11の上に、クッション材であるクッションパッド(図示しない)を載置し、その上から表皮材であるクッションカバー12で覆った構造をしている。クッションフレーム11は、スライドレール13を介して自動車のフロアFに取付けられている。これにより、シートクッション10は、スライドレール13の働きにより前後方向に位置調整可能となっている。クッションフレーム11の後端部には金属製のロアアーム14が取付けられており、このロアアーム14は自動車用シート1の外観に表れないように樹脂製のサイドシールド15によりシート幅方向外側から覆われている。
図1に示すように、シートバック20は、シェルタイプの骨格部材であるバックパン21の上に、クッション材であるバックパッド(図示しない)を載置し、その上から表皮材であるバックカバー22で覆った構造をしている。
図1及び図2に示すように、バックパン21は、シートバック20の左右方向中央部に配設されるメイン部211と、メイン部211の左右両側に配設されてメイン部211の左右両端から前方に延びるサイド部212と、を備えている。メイン部211において自動車用シート1に着座した着座者の両肩上部に対応する位置には、意匠孔211Aが2つ設けられている。メイン部211の上端部及びサイド部212の前端部には、端末部がバックパン21の後方に折り返された構成である折り返し部214が設けられている。また、サイド部212のシート幅方向外側には、アッパアーム24が取付けられている。アッパアーム24は、上下方向に延びる長尺な金属製部材であり、その上端部近傍及び上下方向中間部近傍がボルト及びナットによりバックパン21のサイド部212に締着されている。アッパアーム24の下端部はリクライナ(図示しない)を介して、シートクッション10のロアアーム14に取付けられている。このため、リクライナの働きにより、シートクッション10に対するシートバック20の傾き調整が可能となっている。
バックパン21は、カーボン繊維を織った厚さ0.2mm程度の織物を複数枚積層させたものを強化材とし、エポキシ樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂を用いて製造される。バックパン21の成形の仕方は、樹脂トランスファー成形法(以下、RTM法という)である。より詳細には、まず、樹脂を染み込ませていない状態のカーボン繊維の織物をバックパン21の形状に対応させて外形切りする。次に、上下型を閉じたときにバックパン21と同形状のキャビティが形成される成形型のキャビティ内に、上記カーボン繊維の織物を所定枚数重ねて配置する。そして、上下型を閉じて、キャビティに流動状態の硬化前エポキシ樹脂を注入して反応硬化させて脱型する、というものである。
図1及び図2に示すように、バックパン21のサイド部212のシート幅方向外側には、サイド部212とアッパアーム24との連結部分を覆い隠す目隠しカバー50が取付けられる。バックパン21の左側のサイド部212に取付けられる目隠しカバー50Lと、右側のサイド部212に取付けられる目隠しカバー50Rと、は、左右対称の鏡像体であるため、以降の説明では主として右側の目隠しカバー50Rの説明をしていく。図5に示すように、目隠しカバー50Rは、主として、厚さ0.2mm程度のカーボン繊維の織物Cを強化材としエポキシ樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂製の面状体51と、面状体51に対してリップ部材71を取付けるためのインサートピン60と、を備える。面状体51は、左側が開口する略椀状の構造であり、その右側が意匠面部513となっている。カーボン繊維の織物Cが、特許請求の範囲の「布帛材」に相当する。
図3及び図4に示すように、面状体51は、主として、上下方向に延びる長尺な一般部52と、一般部52の下端末部から左下方へ傾斜して延びる勾配部53と、一般部52の前端部に配設されサイド部212の折り返し部214に対して後方から嵌入することのできる嵌入部54と、を備える。目隠しカバー50Rは、嵌入部54がサイド部212の折り返し部214に対して後方から嵌入され、かつ、一般部52の後端部に取付けられた複数個のブラケット(図示しない)がメイン部211に対してボルト及びナットにより締着されることにより、一般部52がサイド部212とアッパアーム24との連結部分を覆い隠した状態でバックパン21に対して取付けられる。勾配部53には、複数個(本実施形態では4個)の厚肉部55が形成されている。図5に示すように、面状体51の意匠面部513は、主として、上下方向に延びる一般部52に対応する部分513Aと、一般部52に対応する部分513Aの下端末部から左下方へ傾斜して延びる勾配部53に対応する部分(図示しない)と、勾配部53に対応する部分と面一である厚肉部55に対応する部分513Bと、から構成されている。
図3〜図5に示すように、厚肉部55は、その左側部が略円錐台状に左側へ張り出した構成となっている。厚肉部55は、エポキシ樹脂の層が面状体51の他の部分より左側へ厚く形成されているため、上記他の部分より単位面積当たりのエポキシ樹脂の含有量が多くなっている。厚肉部55の左側部は、主として、左右方向に対して略垂直に延びる略円形の天板部551と、天板部551の周端部から右側へ向かって延びる側壁部552と、を備えている。厚肉部55は円錐台を底面に対して斜めに切り欠いたような形状となっており、下側の側壁部552の高さ寸法(シート幅方向寸法)が上側の側壁部552の高さ寸法より小さくなっている。
図5に示すように、目隠しカバー50Rの面状体51を構成する繊維強化樹脂の強化材であるカーボン繊維の織物Cは、主として2枚積層された状態で配設されている。すなわち、カーボン繊維の織物Cは、面状体51の意匠面部513側に位置している第1織物C1と、第1織物C1の裏側に位置している第2織物C2と、を備えている。第1織物C1は、一般部52及び厚肉部55の全域にわたって意匠面部513の延びる方向と同方向に延びている。一方、第2織物C2は、一般部52においては第1織物C1と積層した状態で意匠面部513の延びる方向と同方向に延びているが、厚肉部55においては第1織物C1から離隔して厚肉部55の左側の外形形状に対応するように円錐台状に張り出している。すなわち、第1織物C1は、意匠面部513の一般部52に対応する部分513Aの延びる方向と同方向に延びる一般部対応部C1Aと、意匠面部513の厚肉部55に対応する部分513Bの延びる方向と同方向に延びる厚肉部対応部C1Bと、備えている。そして、第2織物C2は、意匠面部513の一般部52に対応する部分513Aの延びる方向と同方向に延びる一般部対応部C2Aと、厚肉部55の左側部に対応して延びる厚肉部対応部C2Bと、備えている。
図5に示すように、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bは、上記したように、厚肉部55の左側部の外形形状に対応して延びている。このため、厚肉部対応部C2Bは、厚肉部55の天板部551に対応して延びる天板支持部C2B1と、厚肉部55の側壁部552に対応して延びる側壁支持部C2B2と、を備える。また、厚肉部対応部C2Bの天板支持部C2B1は、その厚み方向に延びる貫通孔C2B3を備えている。貫通孔C2B3は、インサートピン60の埋込部本体611及び突出部62を挿入できるが、フランジ部612は挿入できないサイズに形成されている。
図3〜図5に示すように、面状体51の厚肉部55には、インサートピン60が埋め込まれた状態で固定される。インサートピン60は、金属製のいわゆる頭付きピンである。インサートピン60は、柱軸方向一側が厚肉部55に埋め込まれて固定され、その反対側が厚肉部55から突出した状態にある。すなわち、インサートピン60は、厚肉部55に対して埋め込まれる埋込部61と、埋込部61の反対側である突出部62と、を備えている。埋込部61は、突出部62と同径で連続して延びる埋込部本体611と、埋込部本体611の端末部に鍔状に設けられたフランジ部612と、を備えている。インサートピン60は、その柱軸方向が厚肉部55の延びる方向(左下方)に対して垂直な方向(左上方)とは異なる方向(左方)を向いた状態で、厚肉部55に対して固定されている。埋込部61が面状体51の厚肉部55に埋め込まれた状態では、フランジ部612より突出部62側に、上記した第2織物C2の貫通孔C2B3の周縁C2B4が位置することになる。フランジ部612が、特許請求の範囲の「抜け止め部」に相当する。
図5に示すように、目隠しカバー50Rの成形の仕方は、RTM法である。より詳細には、まず、樹脂を染み込ませていない状態の複数枚(本実施形態では2枚)のカーボン繊維の織物Cを目隠しカバー50Rの形状に対応させて外形切りする。次に、外形切りしたカーボン繊維の織物Cのうちの所定枚数(本実施形態では1枚)の織物Cの厚肉部55に対応する部分に貫通孔C2B3を設けてこれを第2織物C2とし、貫通孔C2B3を設けていない所定枚数(本実施形態では1枚)の織物Cを第1織物C1とする。さらに、上下型を閉じたときに目隠しカバー50Rと同形状のキャビティが形成される成形型の上下型の一方に、第1織物C1を配置し、他方に、第2織物C2を配置する。この状態で、第2織物C2の貫通孔C2B3に対してインサートピン60の突出部62及び埋込部本体611を挿入して、第2織物C2の所定箇所及びインサートピン60を位置ずれしないように型に固定する。そして、上下型を閉じて、キャビティに流動状態の硬化前エポキシ樹脂を注入して反応硬化させて脱型する、というものである。
図3〜図5に示すように、インサートピン60の突出部62には、上方へ湾曲する略円弧状に形成されたエラストマー製のリップ部材71が取付けられる。リップ部材71は、目隠しカバー50Rをバックパン21のサイド部212に取付けた状態において、目隠しカバー50Rの勾配部53の下端末部とサイドシールド15の上端末部との間の隙間を部分的に塞いで、当該隙間への異物の侵入を抑制する部材である。リップ部材71は、目隠しカバー50Rに対して固定される固定部711と、固定部711の下端部から左下側へ傾斜して延びる延在部712と、を備えている。固定部711は、勾配部53の厚肉部55以外の左側面にあてがわれる固定部本体711Aと、固定部本体711Aと連続しかつ厚肉部55の天板部551及び前後下方の側壁部552を覆うことのできるキャップ部711Bと、を備えている。キャップ部711Bには、インサートピン60の突出部62を挿入することのできる貫通孔711Cが形成されている。リップ部材71は、貫通孔711Cに対してインサートピン60の突出部62を挿入したのち、プッシュナット72を突出部62に対して挿し込むことで、目隠しカバー50Rに対して取付けられる。図5に示すように、目隠しカバー50Rをバックパン21のサイド部212に取付けると、リップ部材71の延在部712が勾配部53の下端末部とサイドシールド15の上端末部との間の隙間に位置することになる。これにより、勾配部53の下端部とサイドシールド15の上端部との間の隙間が部分的に塞がれる。
以上のように構成される本実施形態は、次のような作用効果を奏する。金属製のインサートピン60は、その少なくとも柱軸方向一側が面状体51の他の部分より肉厚が大きい厚肉部55に埋め込まれて固定されている。このため、インサートピン60を面状体51に対して埋め込むことのできる深さが確保し易い構成となっている。よって、インサートピン60の柱軸方向を面状体51の厚肉部55の延びる左下方向に対して垂直な方向だけでなく当該方向以外へ向ける構成にしても、インサートピン60を面状体51に取付けることができる。また、上記したように、金属製のインサートピン60は、面状体51の厚肉部55に対して埋め込まれることで固定される構造である。すなわち、インサートピン60は、面状体51とは別体の構成であり、面状体51の成形時にマトリクス樹脂で形成されるものではない。このため、インサートピン60は面状体51の成形時においてボイド等の成形不良が発生しない構成となっている。よって、インサートピン60の強度の確保がし易い。
また、インサートピン60の埋込部61は厚肉部55に対する抜け止め部として鍔状のフランジ部612を備えている。このため、インサートピン60に引っ張り方向の力が印加された場合であっても、インサートピン60が厚肉部55から抜け難くなる。
また、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bに設けられた貫通孔C2B3に対してインサートピン60が通され、フランジ部612より突出部62側でフランジ部612と貫通孔C2B3の周縁C2B4とが対向している。このため、インサートピン60に対して引っ張り方向の力が印加された場合に、当該力を、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bで埋込部61の周囲が強化された繊維強化樹脂によって、効率的に受け止めさせることができる。
また、第1織物C1の厚肉部対応部C1Bは、意匠面部513の厚肉部55に対応する部分513Bが延びる方向に対応して延びる構成となっている。このため、マトリクス樹脂が透明又は半透明でありカーボン繊維の織物Cが目隠しカバー50の外部から視認可能な構成となっている場合であっても、意匠面部513の外観に第2織物Cの厚肉部対応部C2Bが表れることを抑制できる。このため、目隠しカバー50の見栄えを確保できる。
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、本実施形態においては、柱状の連結部材としてインサートピン60を用いる構造を示した。しかし、これに限定されず、連結部材はボルト、ビス等の他の連結部材であってもよい。
また、本実施形態においては、インサートピン60がいわゆる頭付きピンであり、埋込部61が、抜け止め部として鍔状のフランジ部612を備えている構造を示した。しかし、これに限定されない。すなわち、例えば、インサートピン60の埋込部61に、フランジ部612の代わりに、環状に延びる溝部が形成されている構造であってもよい。この構造では、溝部より埋込部61の端末部側の部位が抜け止め部として働く。また、溝部に対して厚肉部対応部C2Bの貫通孔C2B3の周縁C2B4を入れることにより、抜け止め部より突出部62側で抜け止め部と上記周縁C2B4とを対向させることもできる。
また、本実施形態においては、特に言及していないが、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bと一般部対応部C2Aとが、同一の強度であってもよいし、異なる強度であってもよい。すなわち、例えば、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bが、一般部対応部C2Aより強度の高い構造であってもよい。係る構造の一例として、例えば、第2織物C2が一般部対応部C2Aでは一枚で延びており、厚肉部対応部C2Bでは第2織物C2の端末が折り返されることにより2枚重ねとなっていてもよい。また、他の一例として、例えば、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bを構成するカーボン繊維を、一般部対応部C2Aを構成するカーボン繊維よりも太く高強度なものにする構造であってもよい。同様に、第1織物C1の厚肉部対応部C1Bと一般部対応部C1Aも、同一の強度であってもよいし、異なる強度であってもよい。
また、本実施形態においては、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bに貫通孔C2B3を形成し、この貫通孔C2B3に対してインサートピン60の突出部62及び埋込部本体611を挿入する構造を示した。しかし、これに限定されない。すなわち、例えば、図6に示す第1変形例の目隠しカバー50Sのように、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bが、その天板支持部C2B1Sに凹部C2B3Sを備えており、この凹部C2B3Sに対してインサートピン60の埋込部61の端末部側が収容される構造であってもよい。係る構造では、インサートピン60にその柱軸に対して垂直方向の力が印加された場合に、当該力を、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bで埋込部61の周囲が強化された繊維強化樹脂によって、効率的に受け止めさせることができる。
また、本実施形態においては、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bをインサートピン60の突出部62の方向へ向かって張り出させる構造を示した。しかし、これに限定されず、第2織物C2とは別体の布帛材を厚肉部55に埋め込むことで、厚肉部55の強度向上を図る構造であってもよい。すなわち、例えば、図7に示す第2変形例の目隠しカバー50Tのように、厚肉部55に第2織物C2の厚肉部対応部C2Bとは別体の補強用布帛材90Tを埋め込む構造であってもよい。この補強用布帛材90Tは、厚肉部55の天板部551に対応して延びる天板支持部91Tと、厚肉部55の側壁部552に対応して延びる側壁支持部92Tと、を備えた構成にすることもできる。そして、天板支持部91Tに、インサートピン60の突出部62及び埋込部本体611が通される貫通孔93Tを設けることもできるし、貫通孔93Tの周縁部94Tをフランジ部612より突出部62側でフランジ部612に対向するように配設することもできる。係る構造では、インサートピン60に対して引っ張り方向の力が印加された場合に、当該力を、補強用布帛材90Tで埋込部61の周囲が強化された繊維強化樹脂によって、効率的に受け止めさせることができる。
また、本実施形態においては、第2織物C2の厚肉部対応部C2Bをインサートピン60の突出部62の方向へ向かって張り出させることで、厚肉部55の更なる強度向上を図る構造を示したが、これに限定されない。すなわち、例えば、図8に示す第3変形例の目隠しカバー50Uのように、第2織物C2とは別体の補強構造を設けず、かつ、厚肉部55の全域にわたって第1織物C1と第2織物C2とを積層させる構造であってもよい。係る構造では、厚肉部55の構造を簡潔にして、製造作業の作業性向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、目隠しカバー50の面状体51をRTM法により成形する例を示したが、これに限定されず、オートクレーブ成形法等の他の方法により成形してもよい。
また、本実施形態においては、目隠しカバー50の面状体51を構成する繊維強化樹脂の強化材として、カーボン繊維の織物Cを用いる構造を示した。しかし、これに限定されず、カーボン繊維の編物又は不織布であってもよい。また、強化材は、ガラス繊維やアラミド繊維の織物、編物又は不織布であってもよい。
また、本実施形態においては、目隠しカバー50に本発明を適用する例を示した。しかし、これに限定されず、乗物用シート部品であれば、例えば、バックパン21のような骨格部材であるシートフレームに対して本発明を適用してもよい。また、他部品の例としてリップ部材71を示したが、これに限定されず、その他の部材であってもよい。
また、本実施形態においては、本発明を自動車用シート部品に適用したが、飛行機、船、電車等に搭載されるシート部品に適用してもよい。
50 目隠しカバー(乗物用シート部品)
51 面状体
55 厚肉部
60 インサートピン(連結部材)
61 埋込部
612 フランジ部(抜け止め部)
62 突出部
71 リップ部材(他部品)
C カーボン繊維の織物(布帛材)
C2B3 貫通孔
C2B3S 凹部
90T 補強用布帛材

Claims (5)

  1. 乗物用シート部品であって、
    面状に延びる布帛材に対してマトリクス樹脂が含浸した状態で固化した繊維強化樹脂製の面状体と、該面状体に対して他部品を取付けるための柱状の連結部材と、を備え、
    前記面状体は、該面状体の他の部分より肉厚が大きい厚肉部を備え、
    該厚肉部は前記面状体の単位面積当たりの前記マトリクス樹脂の含有量が前記他の部分より多く、
    前記連結部材は、その少なくとも柱軸方向一側が前記厚肉部に対して埋め込まれた状態で固定されている埋込部となっている乗物用シート部品。
  2. 請求項1において、
    前記連結部材は、前記埋込部の反対側が前記厚肉部から突出している突出部となっており、
    前記埋込部は、鍔状のフランジ部、又は、環状に延びる溝部を備え、
    前記フランジ部、又は、前記溝部より前記埋込部の端末部側の部位が、前記厚肉部に対する抜け止め部となっている乗物用シート部品。
  3. 請求項2において、
    前記布帛材は複数枚積層されている状態にあり、
    前記布帛材の少なくとも一枚は前記厚肉部内において前記突出部の方向へ向かって張り出しており、その張り出した部分に貫通孔が設けられており、
    前記連結部材は前記貫通孔に対して前記抜け止め部より前記突出部側で前記抜け止め部と前記貫通孔の周縁とが対向する状態で通されている乗物用シート部品。
  4. 請求項1又は請求項2において、
    前記布帛材は複数枚積層されている状態にあり、
    前記布帛材の少なくとも一枚は前記厚肉部内において前記突出部の方向へ向かって張り出しており、その張り出した部分に前記埋込部の端末部側を収容する凹部が設けられている乗物用シート部品。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項において、
    前記厚肉部には、前記布帛材とは別体である補強用布帛材が前記抜け止め部より前記突出部側において前記抜け止め部と対向するように埋め込まれている乗物用シート部品。
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