JP2017093332A - 高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立した発酵麦芽飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lであり、アルコール濃度が7〜20(v/v)%である、発酵麦芽飲料。
【選択図】なし
Description
(1)有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lであり、アルコール濃度が7〜20(v/v)%である、発酵麦芽飲料。
(2)有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度調整によって調整された、(1)に記載の発酵麦芽飲料。
(3)有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900〜2200mg/Lである、(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料。
(4)アルコール濃度が7〜16(v/v)%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
(5)乳酸の濃度調整により有機酸の濃度が調整され、
(i)アルコール濃度が7(v/v)%以上13(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2200mg/L以下に調整され、
(ii)アルコール濃度が13(v/v)%を超えて16(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2600mg/L以下に調整され、
(iii)アルコール濃度が16(v/v)%を超えて20(v/v)%未満の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が2200mg/L以上2600mg/L以下に調整される、(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料。
(6)酒石酸またはリンゴ酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される、(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料。
(7)リン酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される、(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料。
(8)色度が100EBC以下である、(1)〜(7)のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
(9)全窒素の含有量が1300mg/L以下である、(1)〜(8)のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
(10)アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料を製造する方法であって、該発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lになるように、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を調整する工程を含んでなる、方法。
(11)有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lになるように、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度を調整する工程を含む、(10)に記載の方法。
(12)アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料に高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを付与する方法であって、該発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を1600〜2600mg/Lに調整することを含んでなる、方法。
本発明における「発酵麦芽飲料」とは、原料として少なくとも麦芽を使用し、炭素源、窒素源および水などを原料として酵母により発酵させた飲料を意味する。このような発酵麦芽飲料としては、ビール、発泡酒、リキュール(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)などが挙げられる。本発明による発酵麦芽飲料は、好ましくは、原料として少なくとも水、ホップ、および麦芽を使用した発酵麦芽飲料とされる。
本発明によれば、アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料の製造過程において、該飲料中に含まれる有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を1600〜2600mg/Lに調整することにより、高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを付与することが可能となる。
(i)アルコール濃度が7(v/v)%以上13(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2200mg/L以下に調整され、
(ii)アルコール濃度が13(v/v)%を超えて16(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2600mg/L以下に調整され、
(iii)アルコール濃度が16(v/v)%を超えて20(v/v)%未満の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が2200mg/L以上2600mg/L以下に調整される。乳酸の濃度調整は、例えば、乳酸の添加により行うことができる。
本発明の発酵麦芽飲料は、通常の発酵麦芽飲料の製造方法において、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が上述の濃度範囲内になるように、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を調整することにより製造することができる。このような濃度調整は、有機酸またはリン酸を添加することにより行ってもよいし、あるいは、有機酸またはリン酸を含有する原料を配合すること、またはその配合量を増減させることによって行ってもよい。この濃度調整のためには、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度を調整することが好ましい。
(1)サンプルの調製
常法に従ってビールを試験醸造し、そのアルコール濃度ならびに有機酸とリン酸の濃度を測定した。ビール中の乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸濃度の測定については、BCOJビール分析法-2003 8.24.2キャピラリー電気泳動法に従って実施した。また、ビール中のリン酸濃度の測定については、BCOJビール分析法-1995 8.23陰イオン(塩素イオン、リン酸イオン及び硫酸イオン)に従って実施した。このビールに、所定のアルコール濃度ならびに有機酸濃度およびリン酸濃度となるように、醸造アルコール、および乳酸、リン酸、酒石酸、またはリンゴ酸を添加し、混合してサンプルを調製した。こうして、試験区1〜45の各サンプルを得た。得られた全てのサンプルにおいて、色度は12EBC以下であり、全窒素含有量は800mg/L以下であった。
官能評価の評価項目として、ボディ、後渋味、後辛味、後酸味の4つの項目を設定した。以下に、それぞれの評価項目の具体的な評価基準を示す。
a.ボディ:ビールらしい飲み応えが感じられる風味。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
b.後渋味:原料に由来する後に残る嫌な渋味。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
c.後辛味:アルコールに由来する後に残る嫌な辛味。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
d.後酸味:酸に由来する後に残る嫌な酸味。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
e.総合評価(嗜好性):ボディと後渋味、後辛味、後酸味のバランスがとれた、飲みやすさ。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
上記の官能評価結果を、各試験区の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計およびアルコール濃度とともに、表1〜4に示す。総合評価は、3以上を良好な評価であり効果があると判断した。
Claims (12)
- 有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lであり、アルコール濃度が7〜20(v/v)%である、発酵麦芽飲料。
- 有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度調整によって調整された、請求項1に記載の発酵麦芽飲料。
- 有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900〜2200mg/Lである、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料。
- アルコール濃度が7〜16(v/v)%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発酵麦芽飲料。
- 乳酸の濃度調整により有機酸の濃度が調整され、
(i)アルコール濃度が7(v/v)%以上13(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2200mg/L以下に調整され、
(ii)アルコール濃度が13(v/v)%を超えて16(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2600mg/L以下に調整され、
(iii)アルコール濃度が16(v/v)%を超えて20(v/v)%未満の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が2200mg/L以上2600mg/L以下に調整される、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料。 - 酒石酸またはリンゴ酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料。
- リン酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料。
- 色度が100EBC以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発酵麦芽飲料。
- 全窒素の含有量が1300mg/L以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発酵麦芽飲料。
- アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料を製造する方法であって、該発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lになるように、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を調整する工程を含んでなる、方法。
- 有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lになるように、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度を調整する工程を含む、請求項10に記載の方法。
- アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料に高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを付与する方法であって、該発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を1600〜2600mg/Lに調整することを含んでなる、方法。
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