JP2017093332A - 高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立した発酵麦芽飲料 - Google Patents

高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立した発酵麦芽飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立した発酵麦芽飲料の提供。
【解決手段】有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lであり、アルコール濃度が7〜20(v/v)%である、発酵麦芽飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立した発酵麦芽飲料、およびその製造方法に関する。
クラフトビールの台頭や顧客の嗜好の多様化に伴い、発酵麦芽飲料に様々な個性や嗜好性の高さが求められてきている。従来からバーレイワイン等の高アルコールの発酵麦芽飲料が提供されている。また、高アルコールの発酵麦芽飲料の製造方法として、麦汁の発酵途中において酵母が資化可能な糖を複数回以上に分けて添加することにより発酵する方法が報告されている(特許文献1)。さらに、麦芽を全く使用していないアルコール濃度7〜10%のビールテイスト飲料において、酸味料としてクエン酸を480mg/Lの濃度で添加することによってアルコール臭さが減少し、飲み易さが改善されることが報告されている(特許文献2)。
特公平7−40910号公報 特開2011−36129号公報
本発明の目的は、高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立した発酵麦芽飲料、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、高アルコールの発酵麦芽飲料において、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を1600〜2600mg/Lに調整することにより、ボディと麦由来の後渋味、アルコール由来の後辛味、有機酸自体が有する後酸味の全てのバランスをとり、飲みやすい発酵麦芽飲料を提供できることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lであり、アルコール濃度が7〜20(v/v)%である、発酵麦芽飲料。
(2)有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度調整によって調整された、(1)に記載の発酵麦芽飲料。
(3)有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900〜2200mg/Lである、(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料。
(4)アルコール濃度が7〜16(v/v)%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
(5)乳酸の濃度調整により有機酸の濃度が調整され、
(i)アルコール濃度が7(v/v)%以上13(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2200mg/L以下に調整され、
(ii)アルコール濃度が13(v/v)%を超えて16(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2600mg/L以下に調整され、
(iii)アルコール濃度が16(v/v)%を超えて20(v/v)%未満の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が2200mg/L以上2600mg/L以下に調整される、(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料。
(6)酒石酸またはリンゴ酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される、(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料。
(7)リン酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される、(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料。
(8)色度が100EBC以下である、(1)〜(7)のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
(9)全窒素の含有量が1300mg/L以下である、(1)〜(8)のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
(10)アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料を製造する方法であって、該発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lになるように、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を調整する工程を含んでなる、方法。
(11)有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lになるように、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度を調整する工程を含む、(10)に記載の方法。
(12)アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料に高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを付与する方法であって、該発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を1600〜2600mg/Lに調整することを含んでなる、方法。
本発明によれば、高アルコールの発酵麦芽飲料において、高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立することが可能となる。また、本発明によれば、従来の高アルコール発酵麦芽飲料よりも、麦由来の後渋味とアルコール由来の後辛味が低減された高アルコール発酵麦芽飲料を得ることが可能となる。
発明の具体的説明
定義
本発明における「発酵麦芽飲料」とは、原料として少なくとも麦芽を使用し、炭素源、窒素源および水などを原料として酵母により発酵させた飲料を意味する。このような発酵麦芽飲料としては、ビール、発泡酒、リキュール(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)などが挙げられる。本発明による発酵麦芽飲料は、好ましくは、原料として少なくとも水、ホップ、および麦芽を使用した発酵麦芽飲料とされる。
本発明における「有機酸」とは、発酵麦芽飲料の発酵過程において発酵麦芽飲料中に生成される、1以上の炭素原子を含む酸をいう。
発酵麦芽飲料
本発明によれば、アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料の製造過程において、該飲料中に含まれる有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を1600〜2600mg/Lに調整することにより、高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを付与することが可能となる。
本発明の発酵麦芽飲料に含まれる有機酸およびリン酸には、発酵過程において該飲料中に生成されるもの、該飲料中の濃度調整のために添加されるものの双方が含まれる。従って、本発明において、発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計は、発酵過程において該飲料中に生成される有機酸およびリン酸の濃度と、該飲料中の濃度調整のために添加される有機酸およびリン酸の濃度との合計である。
本発明における有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計の調整は、有機酸またはリン酸を添加することにより行ってもよいし、あるいは、有機酸またはリン酸を含有する原料を配合すること、またはその配合量を増減させることによって行ってもよい。
本発明において有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を調整するために添加される酸としては、食品製造に適しているものであればいずれも使用することができる。例えば、食品添加物用に市販されている酸味料を使用することができる。
本発明で濃度調整される酸としては、例えば、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、ピルビン酸、酢酸等が挙げられ、好ましくは乳酸、リン酸、酒石酸またはリンゴ酸とされる。
本発明の発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計(mg/L)は、発酵麦芽飲料の総容量に対して1600〜2600mg/L、好ましくは1600〜2200mg/L、より好ましくは1900〜2200mg/Lとされる。また、本発明の他の好ましい実施態様によれば、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計(mg/L)は、1900〜2600mg/L、より好ましくは2200〜2600mg/Lとされる。
本発明の発酵麦芽飲料中の乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸の濃度(mg/L)は、BCOJビール分析法-2003 8.24.2キャピラリー電気泳動法により測定することができる。
本発明の発酵麦芽飲料中のリン酸の濃度(mg/L)は、BCOJビール分析法-1995 8.23陰イオン(塩素イオン、リン酸イオン及び硫酸イオン)により測定することができる。
本発明の一つの実施態様によれば、乳酸の濃度調整により有機酸の濃度が調整され、
(i)アルコール濃度が7(v/v)%以上13(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2200mg/L以下に調整され、
(ii)アルコール濃度が13(v/v)%を超えて16(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2600mg/L以下に調整され、
(iii)アルコール濃度が16(v/v)%を超えて20(v/v)%未満の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が2200mg/L以上2600mg/L以下に調整される。乳酸の濃度調整は、例えば、乳酸の添加により行うことができる。
本発明の他の実施態様によれば、酒石酸またはリンゴ酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される。酒石酸またはリンゴ酸の濃度調整は、例えば、酒石酸またはリンゴ酸の添加により行うことができる。
本発明の他の実施態様によれば、リン酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される。リン酸の濃度調整は、例えば、リン酸の添加により行うことができる。
本発明の発酵麦芽飲料には、アルコールが7〜20(v/v)%の濃度で含まれる。本発明の発酵麦芽飲料のアルコール濃度は、好ましくは7〜16(v/v)%、より好ましくは7〜13(v/v)%、さらに好ましくは7〜10(v/v)%とされる。
本発明の発酵麦芽飲料のアルコールは、該発酵麦芽飲料の発酵工程で生成されるもの、あるいは、該発酵麦芽飲料の製造工程のいずれかの段階で添加されるものであってよい。添加されるアルコールとしては、食品製造に適しているものであればいずれも使用することができ、例えば、食品添加物用に市販されている醸造アルコールを使用することができる。
本発明において、アルコール濃度が7〜16(v/v)%の場合は、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を1900mg/L以上2200mg/L以下に調整することが特に好ましく、この調整のためには、乳酸、酒石酸、リンゴ酸およびリン酸のいずれの濃度を調整してもよい。
本発明の発酵麦芽飲料の色度は、原材料の選択等の公知の方法により適宜調整することができる。一般に、色度の高い発酵麦芽飲料は、カラメルのような甘い香味を有することが多い。このような甘い香味の影響を考慮した上で高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立するためには、本発明の発酵麦芽飲料の色度は100EBC以下とすることが好ましい。EBC色度の測定方法は当業者に広く知られており、例えば、「改訂BCOJビール分析法4.3.8、ビール酒造組合国際技術委員会(分析委員会)編 財団法人 日本醸造協会」に記載の方法に従って、飲料のEBC色度を測定することができる。
本発明の発酵麦芽飲料中の全窒素含有量は、原材料の選択等の公知の方法により適宜調整することができる。一般に、全窒素含有量の多い飲料は多量の原料から製造されており、よって、このような飲料は原料に由来する渋味を強く呈することが多い。このような原料由来の渋味の影響を考慮した上で高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを両立するためには、本発明の発酵麦芽飲料中の全窒素含有量は1300mg/L以下とすることが好ましい。全窒素含有量の測定方法は当業者に広く知られており、例えば、EBC(European Brewery Convention)により作成された「Analytica-EBC」標準法に従って、飲料中の全窒素含有量を測定することができる。
発酵麦芽飲料の製造方法
本発明の発酵麦芽飲料は、通常の発酵麦芽飲料の製造方法において、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が上述の濃度範囲内になるように、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を調整することにより製造することができる。このような濃度調整は、有機酸またはリン酸を添加することにより行ってもよいし、あるいは、有機酸またはリン酸を含有する原料を配合すること、またはその配合量を増減させることによって行ってもよい。この濃度調整のためには、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度を調整することが好ましい。
本発明の一つの実施態様によれば、本発明による方法は、少なくとも水、麦芽、ホップおよび酸を含んでなる発酵前液を発酵させ、あるいは、少なくとも水、麦芽、およびホップを含んでなる発酵前液を発酵させ、その後、有機酸またはリン酸を添加することにより実施することができる。すなわち、麦芽等の醸造原料から調製された麦汁(発酵前液)に発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、所望により発酵液を低温にて貯蔵した後、ろ過工程により酵母を除去することによる、発酵麦芽飲料の製造工程において、発酵麦芽飲料の総容量に対する有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が上述の濃度範囲内となるように、有機酸またはリン酸の濃度を調整する工程を含めることができる。かかる有機酸またはリン酸の濃度調整工程は、発酵工程の前後のいずれであってもよい。
本発明による発酵麦芽飲料の製造方法では、ホップ、麦芽以外に、米、とうもろこし、こうりゃん、馬鈴薯、でんぷん、糖類(例えば液糖)、等の酒税法の定める副原料や、タンパク質分解物、酵母エキス等の窒素源、香料、色素、起泡・泡持ち向上剤、水質調整剤、発酵助成剤等のその他の添加物を醸造原料として使用することができる。また、未発芽の麦類(例えば、未発芽大麦(エキス化したものを含む)、未発芽小麦(エキス化したものを含む))を醸造原料として使用してもよい。
高アルコールの発酵麦芽飲料の製造は、上述の一般的な発酵麦芽飲料の製造方法を適宜修正して行うことができる。例えば、当業者であれば、原材料の選定、原材料の増量、使用する酵母種の選定などを適宜組み合わせることにより、高アルコールの発酵麦芽飲料を製造することができる。また、別の実施態様としては、発酵終了後の発酵麦芽飲料原液にアルコールを添加することにより、高アルコールの発酵麦芽飲料を製造することができる。添加されるアルコールとしては、食品製造に適しているものであればいずれも使用することができ、例えば、食品添加物用に市販されている醸造アルコールを使用することができる。
本発明の発酵麦芽飲料の製造において、必要に応じて色度を調整することができる。本発明の好ましい実施態様によれば、発酵麦芽飲料の色度は100EBC以下となるように調整される。
本発明の発酵麦芽飲料の製造において、必要に応じて全窒素含有量を調整することができる。本発明の好ましい実施態様によれば、発酵麦芽飲料中の全窒素含有量は1300mg/L以下となるように調整される。
以下の例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:発酵麦芽飲料における有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計の調整と各アルコール濃度における呈味評価
(1)サンプルの調製
常法に従ってビールを試験醸造し、そのアルコール濃度ならびに有機酸とリン酸の濃度を測定した。ビール中の乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸濃度の測定については、BCOJビール分析法-2003 8.24.2キャピラリー電気泳動法に従って実施した。また、ビール中のリン酸濃度の測定については、BCOJビール分析法-1995 8.23陰イオン(塩素イオン、リン酸イオン及び硫酸イオン)に従って実施した。このビールに、所定のアルコール濃度ならびに有機酸濃度およびリン酸濃度となるように、醸造アルコール、および乳酸、リン酸、酒石酸、またはリンゴ酸を添加し、混合してサンプルを調製した。こうして、試験区1〜45の各サンプルを得た。得られた全てのサンプルにおいて、色度は12EBC以下であり、全窒素含有量は800mg/L以下であった。
(2)官能評価
官能評価の評価項目として、ボディ、後渋味、後辛味、後酸味の4つの項目を設定した。以下に、それぞれの評価項目の具体的な評価基準を示す。
a.ボディ:ビールらしい飲み応えが感じられる風味。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
b.後渋味:原料に由来する後に残る嫌な渋味。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
c.後辛味:アルコールに由来する後に残る嫌な辛味。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
d.後酸味:酸に由来する後に残る嫌な酸味。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
e.総合評価(嗜好性):ボディと後渋味、後辛味、後酸味のバランスがとれた、飲みやすさ。1:全く感じられない。2:あまり感じられない。3:感じられる。4:やや強く感じられる。5:十分強く感じられる。1〜5の5段階評価(1.0刻み)を行う。
官能評価は、訓練された4名のパネルによって実施した。
(3)評価結果
上記の官能評価結果を、各試験区の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計およびアルコール濃度とともに、表1〜4に示す。総合評価は、3以上を良好な評価であり効果があると判断した。
乳酸を添加した場合は、アルコール濃度が7(v/v)%、10(v/v)%および13(v/v)%の場合において、有機酸とリン酸の総量の濃度が1600mg/L、1900mg/Lおよび2200mg/Lの場合に良好な評価が得られた(試験区1〜3、5〜7および9〜11)。また、アルコール濃度が16(v/v)%の場合において、有機酸とリン酸の総量の濃度が1600mg/L、1900mg/L、2200mg/Lおよび2600mg/Lの場合に良好な評価が得られた(試験区13〜16)。また、アルコール濃度が19.9(v/v)%の場合において、有機酸とリン酸の総量の濃度が2200mg/L、2600mg/Lおよび2900mg/Lの場合に良好な評価が得られた(試験区19〜21)。
リン酸を添加した場合は、アルコール濃度が7(v/v)%および10(v/v)%の場合において、有機酸とリン酸の総量の濃度が1900mg/L、2200mg/Lおよび2600mg/Lの場合に良好な評価が得られた(試験区23〜25および27〜29)。
酒石酸を添加した場合は、アルコール濃度が7(v/v)%および10(v/v)%の場合において、有機酸とリン酸の総量の濃度が1900mg/L、2200mg/Lおよび2600mg/Lの場合に良好な評価が得られた(試験区31〜33および35〜37)。
リンゴ酸を添加した場合は、アルコール濃度が7(v/v)%および10(v/v)%の場合において、有機酸とリン酸の総量の濃度が1900mg/L、2200mg/Lおよび2600mg/Lの場合に良好な評価が得られた(試験区39〜41および43〜45)。
特に、表1〜4の結果を総合すると、アルコール濃度が7〜16(v/v)%の場合は、有機酸とリン酸の総量の濃度が1900mg/L以上2200mg/L以下に調整される場合に(試験区2、3、6、7、10、11、14、15、23、24、27、28、31、32、35、36、39、40、43、44)、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸のいずれも使用することができることが明らかとなった。

Claims (12)

  1. 有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lであり、アルコール濃度が7〜20(v/v)%である、発酵麦芽飲料。
  2. 有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度調整によって調整された、請求項1に記載の発酵麦芽飲料。
  3. 有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900〜2200mg/Lである、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料。
  4. アルコール濃度が7〜16(v/v)%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発酵麦芽飲料。
  5. 乳酸の濃度調整により有機酸の濃度が調整され、
    (i)アルコール濃度が7(v/v)%以上13(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2200mg/L以下に調整され、
    (ii)アルコール濃度が13(v/v)%を超えて16(v/v)%以下の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600mg/L以上2600mg/L以下に調整され、
    (iii)アルコール濃度が16(v/v)%を超えて20(v/v)%未満の場合には、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が2200mg/L以上2600mg/L以下に調整される、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料。
  6. 酒石酸またはリンゴ酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料。
  7. リン酸の濃度調整により、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1900mg/L以上2600mg/L以下に調整される、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料。
  8. 色度が100EBC以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発酵麦芽飲料。
  9. 全窒素の含有量が1300mg/L以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発酵麦芽飲料。
  10. アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料を製造する方法であって、該発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lになるように、有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を調整する工程を含んでなる、方法。
  11. 有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計が1600〜2600mg/Lになるように、乳酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、またはこれらの任意の組合せの濃度を調整する工程を含む、請求項10に記載の方法。
  12. アルコール濃度が7〜20(v/v)%である発酵麦芽飲料に高アルコールならではの嗜好性と飲みやすさを付与する方法であって、該発酵麦芽飲料中の有機酸の濃度とリン酸の濃度の合計を1600〜2600mg/Lに調整することを含んでなる、方法。
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