JP6727974B2 - 発酵麦芽飲料およびその製造方法、ならびにホップ由来の苦味を有する発酵麦芽飲料に温和な苦味質を付与する方法 - Google Patents
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Description
(1)苦味価が15〜40であり、リンゴ酸の含有量が120〜300mg/Lであり、かつ、苦味価/リンゴ酸含有量の比が0.08〜0.17である、発酵麦芽飲料。
(2)苦味価が15〜35である、(1)に記載の発酵麦芽飲料。
(3)リンゴ酸の含有量が120〜250mg/Lである、(1)に記載の発酵麦芽飲料。
(4)苦味価/リンゴ酸含有量の比が0.10〜0.17である、(1)に記載の発酵麦芽飲料。
(5)麦芽使用比率が50%以上である、(1)〜(4)のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
(6)発酵麦芽飲料を製造する方法であって、該発酵麦芽飲料の苦味価を15〜40に調整し、リンゴ酸の含有量を120〜300mg/Lに調整し、かつ、苦味価/リンゴ酸含有量の比を0.08〜0.17に調整する工程を含んでなる、方法。
(7)ホップ由来の苦味を有する発酵麦芽飲料に温和な苦味質を付与する方法であって、該発酵麦芽飲料の苦味価を15〜40に調整し、リンゴ酸の含有量を120〜300mg/Lに調整し、かつ、苦味価/リンゴ酸含有量の比を0.08〜0.17に調整する工程を含んでなる、方法。
(8)リンゴ酸の含有量が、リンゴ酸の一部を仕込工程で添加することにより調整される、(6)または(7)に記載の方法。
(9)麦芽使用比率が50%以上である、(6)〜(8)のいずれかに記載の方法。
苦味価の異なる複数の市販品(全て酒税法上の「ビール」の範疇に入るもの、すなわち、麦芽比率が67%以上である発酵麦芽飲料)に、リンゴ酸(扶桑化学工業社製)、クエン酸(和光純薬工業社製)、または乳酸(和光純薬工業社製)を最終含有量換算で約100mg/L増加するように添加し混合した後、訓練されたパネル2名により官能評価を行った。その結果、リンゴ酸には苦味質を有意に温和に変える効果があることが確認できた。一方で、クエン酸および乳酸には、そのような効果は確認できず、むしろ渋味を感じある等苦味質を悪化させることが判明した。
(1)サンプルの調製
苦味価が10前後のビール市販品Aにリンゴ酸を添加し混合した。
各サンプル中の苦味価は、以下の方法に従って測定した。
官能評価の評価項目として、苦味の質、酸味の強度の2つの項目を設定した。以下に、それぞれの評価項目の具体的な評価基準を示す。
a.苦味の質:苦味質の温和の程度。0:通常の苦味質。1:苦味質が温和である。2:苦味質が顕著に温和である。0〜2の3段階評価(1.0刻み)を行う。
b.酸味の強度:酸味の強度の程度。0:酸味の強度が強い。1:酸味の強度がやや強く感じる。2:酸味を適度に感じる。0〜2の5段階評価(1.0刻み)を行う。
c.総合評価(嗜好性):苦味質の温和の程度と酸味の強度のバランスがとれた、苦味質の好ましさ。0:酸の強度は0〜2のいずれかであるが、苦味質が0で、好ましくない。1:苦味質および酸の強度はともに1で、やや好ましい。2:苦味質および酸の強度はいずれかが2で他方が1であり、好ましい。3:苦味質および酸の強度はいずれも2で、より好ましい。0〜3の4段階評価(1.0刻み)を行う。
苦味価が10前後のビール市販品Aにリンゴ酸を添加し混合した際の結果を表1に示す。表1中の「対照」の試験区にはリンゴ酸の添加はない(本明細書において同じ)。表1中の「試験」の試験区におけるリンゴ酸含有量は、リンゴ酸添加後の最終濃度である(本明細書において同じ)。また、苦味価/リンゴ酸比は、苦味価((2)で述べた苦味価の定量方法により算出した値)をリンゴ酸含有量(mg/L)で割った値を示す。
(1)サンプルの調製
苦味価が20前後のビール市販品Bにリンゴ酸を添加し混合した。
各サンプル中の苦味価の測定およびリンゴ酸含有量の定量、ならびに官能評価は、実施例2の(2)ならびに(3)に記載されている方法に従って実施した。
苦味価が20前後のビール市販品Bにリンゴ酸を添加し混合した際の結果を表2に示す。
(1)サンプルの調製
苦味価が25前後のビール市販品Cにリンゴ酸を添加し混合した。
各サンプル中の苦味価の測定およびリンゴ酸含有量の定量、ならびに官能評価は、実施例2の(2)ならびに(3)に記載されている方法に従って実施した。
苦味価が25前後のビール市販品Cにリンゴ酸を添加し混合した際の結果を表3に示す。
(1)サンプルの調製
淡色麦芽(淡色麦芽:フランス、スフレ社)と水の混合物を、インフュージョン糖化法によって糖化し、糖度を15度に調整した仕込麦汁を調製し、ホップ(ドイツ産ヘルスブルッカー種ホップ:スタイナー社)とともに煮沸した。煮沸後の麦汁を、90℃で60分間静置させた。静置時にリンゴ酸を添加し(対照は添加なし)、麦汁を濾紙で濾過し、濾過後の麦汁を氷水で約12℃まで冷却した後、ビール酵母を添加し、1週間の主発酵及び14日間の後発酵を行った。その後、糖度が12度になるように炭酸水で希釈して、試験品を製造した。
各サンプル(試験品および対照品)中の苦味価の測定およびリンゴ酸含有量の定量、ならびに官能評価は、実施例2の(2)ならびに(3)に記載されている方法に従って実施した。
仕込工程中にリンゴ酸を添加したビール試験品の結果を表4に示す。
Claims (9)
- 苦味価が19.3〜40であり、リンゴ酸の含有量が120〜300mg/Lであり、かつ、苦味価/リンゴ酸含有量の比が0.08〜0.17である、発酵麦芽飲料。
- 苦味価が19.3〜35である、請求項1に記載の発酵麦芽飲料。
- リンゴ酸の含有量が120〜250mg/Lである、請求項1に記載の発酵麦芽飲料。
- 苦味価/リンゴ酸含有量の比が0.10〜0.17である、請求項1に記載の発酵麦芽飲料。
- 麦芽使用比率が50%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発酵麦芽飲料。
- 発酵麦芽飲料を製造する方法であって、該発酵麦芽飲料の苦味価を19.3〜40に調整し、リンゴ酸の含有量を120〜300mg/Lに調整し、かつ、苦味価/リンゴ酸含有量の比を0.08〜0.17に調整する工程を含んでなる、方法。
- ホップ由来の苦味を有する発酵麦芽飲料に温和な苦味質を付与する方法であって、該発酵麦芽飲料の苦味価を19.3〜40に調整し、リンゴ酸の含有量を120〜300mg/Lに調整し、かつ、苦味価/リンゴ酸含有量の比を0.08〜0.17に調整する工程を含んでなる、方法。
- リンゴ酸の含有量が、リンゴ酸の一部を仕込工程で添加することにより調整される、請求項6または7に記載の方法。
- 麦芽使用比率が50%以上である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
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JP2016146577A JP6727974B2 (ja) | 2016-07-26 | 2016-07-26 | 発酵麦芽飲料およびその製造方法、ならびにホップ由来の苦味を有する発酵麦芽飲料に温和な苦味質を付与する方法 |
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