JP2017088114A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】直進時と旋回時のドライ操安性とウェット操安性を両立することのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】車両に対する装着方向が規定されて少なくとも4本の主溝30を有し、ショルダー陸部25に設けられると共に一端が最外側主溝35に開口し、他端がショルダー陸部25内で終端するショルダー陸部ラグ溝44と、セカンド陸部22に設けられると共に一端が最外側主溝35に開口し、他端がセカンド陸部22内で終端するセカンド陸部ラグ溝41と、車両幅方向内側に位置するショルダー陸部25にタイヤ周方向に延びて配置され、当該ショルダー陸部25に設けられるショルダー陸部ラグ溝44同士をつなぐショルダー陸部周方向細溝62と、車両幅方向外側に位置するセカンド陸部22にタイヤ周方向に延びて配置され、当該セカンド陸部22に設けられるセカンド陸部ラグ溝41同士をつなぐセカンド陸部周方向細溝61と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤに求められる性能は様々なものがあるが、空気入りタイヤを装着した車両で乾燥した路面を走行した時の操縦安定性であるドライ操安性や、濡れた路面を走行した時の操縦安定性であるウェット操安性は、トレッド面の溝面積とブロック剛性とによって、性能が大きく左右することが知られている。例えば、一般的には、トレッド面における溝面積を大きくすることによりウェット操安性を高めることができ、ブロック剛性を高くすることによりドライ操安性を高めることができる。一方で、トレッド面の溝面積を大きくした場合には、ブロックは小さくなり易くなるため、ブロック剛性は低くなる傾向にある。
ドライ操安性とウェット操安性は、空気入りタイヤに求められる性能としては相反するものになっているが、これらの相反する性能を両立させるために、従来の空気入りタイヤの中には、トレッド面上における位置によって、パターンの傾向を異ならせているものがある。例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤでは、車両への装着時における車両幅方向内側部分と車両幅方向外側部分とでトレッドパターンを異ならせ、車両幅方向内側に位置する部分の溝面積を、車両幅方向外側に位置する部分の溝面積よりも大きくすることにより、ウェット操安性と、旋回時におけるドライ操安性とを両立している。
特許第4072113号公報
ここで、車両の旋回時においてもウェット操安性は重要な性能になっているが、車両幅方向外側部分の溝面積を小さくした場合、旋回時のウェット操安性を確保するのが困難になる。一方で、車両幅方向外側部分の溝面積を単に大きくするのみでは、旋回時のドライ操安性が低下する。このため、旋回時のドライ操安性を低下させることなく、車両の直進時のみでなく旋回時においてもウェット操安性を高めることは、非常に困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、直進時と旋回時のドライ操安性とウェット操安性を両立することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、車両に対する装着方向が規定され、タイヤ周方向に延びる主溝を少なくとも4本有する空気入りタイヤであって、前記主溝のうちタイヤ幅方向における最外側に位置する前記主溝である最外側主溝と、前記主溝のうち前記最外側主溝よりもタイヤ幅方向における内側に位置すると共に前記最外側主溝に対して隣り合う前記主溝である内側主溝と、前記最外側主溝よりもタイヤ幅方向における外側に位置するショルダー陸部と、前記内側主溝と前記最外側主溝とにより区画されるセカンド陸部と、前記ショルダー陸部に設けられると共に一端が前記最外側主溝に開口し、他端が前記ショルダー陸部内で終端するショルダー陸部ラグ溝と、前記セカンド陸部に設けられると共に一端が前記最外側主溝に開口し、他端が前記セカンド陸部内で終端するセカンド陸部ラグ溝と、前記ショルダー陸部のうち車両幅方向内側に位置する前記ショルダー陸部にタイヤ周方向に延びて設けられ、当該ショルダー陸部に設けられる前記ショルダー陸部ラグ溝同士をつなぐショルダー陸部周方向細溝と、前記セカンド陸部のうち車両幅方向外側に位置する前記セカンド陸部にタイヤ周方向に延びて設けられ、当該セカンド陸部に設けられる前記セカンド陸部ラグ溝同士をつなぐセカンド陸部周方向細溝と、を備えることを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ショルダー陸部には、前記最外側主溝に開口せずにタイヤ幅方向に延びる最外側ラグ溝が設けられることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記内側主溝同士に区画されてタイヤ赤道線上に位置するセンター陸部と、前記センター陸部を区画する前記内側主溝のうち車両幅方向内側に位置する前記内側主溝に一端が開口し、他端が前記センター陸部内で終端するセンター陸部ラグ溝と、を備えることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記センター陸部ラグ溝と前記セカンド陸部ラグ溝とは、タイヤ幅方向に対する傾斜方向が同じ方向であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、同一の前記最外側主溝に開口する前記ショルダー陸部ラグ溝と前記セカンド陸部ラグ溝とは、タイヤ幅方向に対する傾斜方向が同じ方向であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、車両幅方向内側に位置する前記最外側主溝から車両幅方向内側の接地端までの距離T1と、車両幅方向内側に位置する前記ショルダー陸部に設けられる前記ショルダー陸部ラグ溝の端部同士のタイヤ幅方向における距離W1とは、0.3<(W1/T1)<0.9の関係を満たし、車両幅方向外側に位置する前記最外側主溝から車両幅方向外側の接地端までの距離T2と、車両幅方向外側に位置する前記ショルダー陸部に設けられる前記ショルダー陸部ラグ溝の端部同士のタイヤ幅方向における距離W2とは、0.3<(W2/T2)<0.9の関係を満たすことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、接地面内における車両幅方向内側に位置する前記ショルダー陸部の溝面積Sinと、前記接地面内における車両幅方向外側に位置する前記ショルダー陸部の溝面積Soutとは、0.9<(Sin/Sout)<1.5の関係を満たすことが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、直進時と旋回時のドライ操安性とウェット操安性を両立することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1のA−A矢視図である。 図3は、図2に示すショルダー陸部ラグ溝が設けられる範囲についての説明図である。 図4Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図4Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内方とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう方向、タイヤ径方向外方とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる方向をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。ここで、図1に示す空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向、つまり車両装着時の方向が規定されている。また、空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向を示す装着方向表示部(図示省略)を有する。装着方向表示部は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸によって構成される。例えば、ECER30(欧州経済委員会規則第30条)が、車両装着状態にて車幅方向外側となるサイドウォール部に装着方向表示部を設けることを義務付けている。空気入りタイヤ1は、子午面断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。また、タイヤ幅方向におけるトレッド部2の端部から、タイヤ径方向内方側の所定の位置までは、サイドウォール部16が配設されている。つまり、サイドウォール部16は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2ヶ所に配設されている。
さらに、それぞれのサイドウォール部16のタイヤ径方向内方側には、ビード部10が位置しており、ビード部10は、サイドウォール部16と同様に、タイヤ赤道線5の両側2ヶ所に配設されている。各ビード部10にはビードコア11が設けられており、ビードコア11のタイヤ径方向外方にはビードフィラー12が設けられている。
また、トレッド部2のタイヤ径方向内方には、複数のベルト層14が設けられている。ベルト層14は、複数の交差ベルト141、142とベルトカバー143とが積層されることによって設けられている。このうち、交差ベルト141、142は、スチール或いは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20°以上55°以下のベルト角度を有して構成される。また、複数の交差ベルト141、142は、タイヤ周方向に対するベルトコードの繊維方向の傾斜角として定義されるベルトコードが互いに異なっており、ベルトコードの繊維方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成される。また、ベルトカバー143は、コートゴムで被覆されたスチール、或いは有機繊維材から成る複数のコードを圧延加工して構成され、絶対値で0°以上10°以下のベルト角度を有する。このベルトカバー143は、交差ベルト141、142のタイヤ径方向外側に積層されて配置される。
このベルト層14のタイヤ径方向内方、及びサイドウォール部16のタイヤ赤道線5側には、ラジアルプライのテキスタイルコードを内包するカーカス層13が連続して設けられている。このカーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設されるビードコア11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。詳しくは、カーカス層13は、タイヤ幅方向における両側に位置するビード部10のうち、一方のビード部10から他方のビード部10にかけて配設されており、ビードコア11及びビードフィラー12を包み込むようにビード部10でビードコア11に沿ってタイヤ幅方向外方に巻き返されている。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成されており、タイヤ周方向に対するカーカスコードの繊維方向の傾斜角であるカーカス角度が、絶対値で80°以上95°以下となって形成されている。
ビード部10における、ビードコア11及びカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側やタイヤ幅方向外側には、リムフランジに対するビード部10の接触面を構成するリムクッションゴム17が配設されている。また、カーカス層13の内側、或いは、当該カーカス層13の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ15がカーカス層13に沿って形成されている。
図2は、図1のA−A矢視図である。トレッド部2が有するトレッド面3には、タイヤ周方向に延びる主溝30が、タイヤ幅方向に間隔をあけて4本並んで形成されており、即ち、主溝30は、タイヤ赤道線5を挟んでタイヤ幅方向における両側に2本ずつ形成されている。主溝30は、溝幅が3.0mm以上20.0mm以下の範囲内になっており、溝深さが6.0mm以上12.0mm以下の範囲内になっている。
4本の主溝30のうち、タイヤ幅方向における最外側に位置する2本の主溝30は、最外側主溝35として設けられており、最外側主溝35よりもタイヤ幅方向における内側に位置すると共に最外側主溝35に対して隣り合う2本の主溝30は、内側主溝31として設けられている。換言すると、4本の主溝30のうち、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面5の両側に位置する2本の主溝30は、内側主溝31として設けられ、2本の内側主溝31よりもタイヤ幅方向外側に位置する2本の主溝30は、最外側主溝35として設けられている。2本の最外側主溝35のうち、車両への装着時の車両幅方向における内側方向に位置する最外側主溝35は、車両内側方向最外側主溝36として設けられており、車両幅方向における外側方向に位置する最外側主溝35は、車両外側方向最外側主溝37として設けられている。
また、2本の内側主溝31のうち、車両への装着時の車両幅方向における内側方向に位置する内側主溝31は、車両内側方向内側主溝32として設けられており、車両幅方向における外側方向に位置する内側主溝31は、車両外側方向内側主溝33として設けられている。このうち、車両外側方向内側主溝33は、タイヤ幅方向に振幅しつつタイヤ周方向に延びて形成されている。即ち、車両外側方向内側主溝33は、タイヤ周方向に延びつつ、一定の溝幅でタイヤ幅方向への凹凸を繰り返すように屈曲或いは湾曲が繰り返し形成されることにより、タイヤ幅方向に振幅して形成されている。
また、トレッド部2には、4本の主溝30によって区画される陸部20が複数形成されており、これに伴い、タイヤ幅方向における両側が主溝30によって区画される陸部20が、タイヤ幅方向に3つ並んで形成されている。これらの複数の陸部20は、タイヤ周方向に延びる主溝30に沿って、タイヤ周方向に延びて形成されている。複数の陸部20のうち、タイヤ幅方向における両側が内側主溝31同士に区画されてタイヤ赤道線5上に位置する陸部20は、センター陸部21として形成されている。
また、複数の陸部20のうち、センター陸部21よりもタイヤ幅方向における外側に位置して内側主溝31を介してセンター陸部21に隣接し、タイヤ幅方向における両側が内側主溝31と最外側主溝35とにより区画される陸部20はセカンド陸部22として形成されている。即ち、セカンド陸部22は、タイヤ幅方向における両側が主溝30によって区画される3つの陸部20のうち、外側に位置する陸部20になっている。セカンド陸部22は、タイヤ幅方向におけるセンター陸部21の両側2箇所に設けられるが、2箇所のセカンド陸部22のうち、センター陸部21に対して車両幅方向における内側に位置するセカンド陸部22は、内側セカンド陸部23となっており、センター陸部21に対して車両幅方向における外側に位置するセカンド陸部22は、外側セカンド陸部24となっている。
また、陸部20は、最外側主溝35よりもタイヤ幅方向における外側にも設けられており、最外側主溝35よりもタイヤ幅方向における外側に位置する陸部20は、ショルダー陸部25として形成されている。ショルダー陸部25は、トレッド面3のタイヤ幅方向における両側2箇所に設けられるが、2箇所のショルダー陸部25のうち、車両幅方向における内側に位置するショルダー陸部25は、内側ショルダー陸部26となっており、車両幅方向における外側に位置するショルダー陸部25は、外側ショルダー陸部27となっている。
これらの陸部20のうち、センター陸部21には、車両内側方向内側主溝32に一端が開口し、他端がセンター陸部21内で終端するセンター陸部ラグ溝40が設けられており、センター陸部ラグ溝40は、複数がタイヤ周方向に並んで設けられている。即ち、センター陸部ラグ溝40は、車両幅方向における内側に位置する端部48が車両内側方向内側主溝32に開口しており、車両幅方向における外側に位置する端部48が、センター陸部21内で終端している。これらの複数のセンター陸部ラグ溝40は、タイヤ幅方向に向かいつつタイヤ周方向に向かう方向に、タイヤ幅方向に対して全て傾斜しており、複数のセンター陸部ラグ溝40は、タイヤ幅方向に対して全て同じ方向に傾斜している。なお、センター陸部ラグ溝40は、溝幅が1.0mm以上10.0mm以下の範囲内になっており、溝深さが1.0mm以上10.0mm以下の範囲内になっている。
また、セカンド陸部22には、一端が最外側主溝35に開口し、他端がセカンド陸部22内で終端するセカンド陸部ラグ溝41が設けられており、セカンド陸部ラグ溝41は、複数がタイヤ周方向に並んで設けられている。即ち、セカンド陸部ラグ溝41は、タイヤ幅方向における外側に位置する端部48が最外側主溝35に開口しており、タイヤ幅方向における内側に位置する端部48が、セカンド陸部22内で終端している。これらのセカンド陸部ラグ溝41は、タイヤ幅方向に向かいつつタイヤ周方向に向かう方向に、タイヤ幅方向に対して傾斜しており、複数のセカンド陸部ラグ溝41は、タイヤ幅方向に対して全て同じ方向に傾斜している。
また、セカンド陸部ラグ溝41は、内側セカンド陸部23と外側セカンド陸部24との双方に設けられており、内側セカンド陸部23に設けられるセカンド陸部ラグ溝41は内側セカンド陸部ラグ溝42となっており、外側セカンド陸部24に設けられるセカンド陸部ラグ溝41は外側セカンド陸部ラグ溝43となっている。タイヤ幅方向に対する傾斜方向は、内側セカンド陸部ラグ溝42と外側セカンド陸部ラグ溝43とで同じ方向になっている。なお、セカンド陸部ラグ溝41は、溝幅が1.0mm以上10.0mm以下の範囲内になっており、溝深さが1.0mm以上10.0mm以下の範囲内になっている。
また、ショルダー陸部25には、一端が最外側主溝35に開口し、他端がショルダー陸部25内で終端するショルダー陸部ラグ溝44が設けられており、ショルダー陸部ラグ溝44は、複数がタイヤ周方向に並んで設けられている。即ち、ショルダー陸部ラグ溝44は、タイヤ幅方向における内側に位置する端部48が最外側主溝35に開口しており、タイヤ幅方向における外側に位置する端部48が、ショルダー陸部25内で終端している。これらのショルダー陸部ラグ溝44は、タイヤ幅方向に向かいつつタイヤ周方向に向かう方向に、タイヤ幅方向に対して傾斜しており、複数のショルダー陸部ラグ溝44は、タイヤ幅方向に対して全て同じ方向に傾斜している。
また、ショルダー陸部ラグ溝44は、内側ショルダー陸部26と外側ショルダー陸部27との双方に設けられており、内側ショルダー陸部26に設けられるショルダー陸部ラグ溝44は内側ショルダー陸部ラグ溝45となっており、外側ショルダー陸部27に設けられるショルダー陸部ラグ溝44は外側ショルダー陸部ラグ溝46となっている。タイヤ幅方向に対する傾斜方向は、内側ショルダー陸部ラグ溝45と外側ショルダー陸部ラグ溝46とで同じ方向になっている。なお、ショルダー陸部ラグ溝44は、溝幅が1.0mm以上10.0mm以下の範囲内になっており、溝深さが1.0mm以上10.0mm以下の範囲内になっている。
また、これらのようにタイヤ幅方向に傾斜するセンター陸部ラグ溝40とセカンド陸部ラグ溝41とショルダー陸部ラグ溝44とは、タイヤ幅方向に対する傾斜方向が全て同じ方向になっている。このため、同一の最外側主溝35に開口するショルダー陸部ラグ溝44とセカンド陸部ラグ溝41とも、タイヤ幅方向に対する傾斜方向が同じ方向になっている。また、同一の最外側主溝35に開口するショルダー陸部ラグ溝44とセカンド陸部ラグ溝41とは、タイヤ周方向における開口位置が、近い位置に開口している。このため、セカンド陸部22に形成されるセカンド陸部ラグ溝41と、ショルダー陸部25に形成されるショルダー陸部ラグ溝44とは、最外側主溝35を介して連続して形成される1つの溝状となって形成されている。セカンド陸部22とショルダー陸部25とには、連続した1つの溝状に形成されるセカンド陸部ラグ溝41とショルダー陸部ラグ溝44とが、タイヤ周方向に並んで複数配設されている。
また、ショルダー陸部25には、最外側主溝35に開口せずにタイヤ幅方向に延びる最外側ラグ溝50が形成されており、最外側ラグ溝50は、複数がタイヤ周方向に並んで設けられている。この最外側ラグ溝50は、後述する接地端T(図3参照)を跨いでタイヤ幅方向に延びている。即ち、最外側ラグ溝50は、車両幅方向における内側に位置する端部48がショルダー陸部25内で終端しており、このショルダー陸部25内で終端している側の端部48から、車両幅方向における外側に向かって延びている。
また、最外側ラグ溝50は、内側ショルダー陸部26と外側ショルダー陸部27との双方に設けられており、内側ショルダー陸部26に設けられる最外側ラグ溝50は内側最外側ラグ溝51となっており、外側ショルダー陸部27に設けられる最外側ラグ溝50は外側最外側ラグ溝52となっている。これらの最外側ラグ溝50は、タイヤ幅方向に向かいつつ、タイヤ周方向に凸となる方向に湾曲しており、湾曲の方向は、内側最外側ラグ溝51と外側最外側ラグ溝52とで互いに反対方向になっている。なお、最外側ラグ溝50は、溝幅が1.0mm以上10.0mm以下の範囲内になっており、溝深さが4.0mm以上11.0mm以下の範囲内になっている。
また、セカンド陸部22のうち、車両幅方向外側に位置する外側セカンド陸部24には、タイヤ周方向に延びて形成される周方向細溝60であるセカンド陸部周方向細溝61が設けられている。このセカンド陸部周方向細溝61は、当該外側セカンド陸部24に設けられるセカンド陸部ラグ溝41である外側セカンド陸部ラグ溝43同士をつないで配設されている。
セカンド陸部周方向細溝61は、車両外側方向内側主溝33と同様に、タイヤ幅方向に振幅しつつタイヤ周方向に連続して延びて形成されている。セカンド陸部周方向細溝61の振幅の周期やタイヤ幅方向における方向は、車両外側方向内側主溝33の振幅の周期やタイヤ幅方向における方向とほぼ同じ周期及び同じ方向になっており、即ち、セカンド陸部周方向細溝61は、車両外側方向内側主溝33の振幅の周期や方向とほぼ同期して形成されている。
外側セカンド陸部24に複数が配設される外側セカンド陸部ラグ溝43のタイヤ周方向における間隔は、セカンド陸部周方向細溝61の振幅の周期の間隔とほぼ同じ間隔となって配設されている。セカンド陸部周方向細溝61は、当該セカンド陸部周方向細溝61における、タイヤ幅方向外側に凸となっている部分が、外側セカンド陸部ラグ溝43における外側セカンド陸部24内で終端している側の端部48と接続されることにより、複数の外側セカンド陸部ラグ溝43同士をつないでいる。
また、ショルダー陸部25のうち、車両幅方向内側に位置する内側ショルダー陸部26には、タイヤ周方向に延びて形成される周方向細溝60であるショルダー陸部周方向細溝62が設けられている。このショルダー陸部周方向細溝62は、当該内側ショルダー陸部26に設けられるショルダー陸部ラグ溝44である内側ショルダー陸部ラグ溝45同士をつないで配設されている。ショルダー陸部周方向細溝62は、タイヤ幅方向における位置が、内側ショルダー陸部ラグ溝45における内側ショルダー陸部26内で終端している側の端部48よりもタイヤ幅方向内側となる位置に配設されており、内側ショルダー陸部ラグ溝45と交差してタイヤ周方向に延びて形成されている。これにより、ショルダー陸部周方向細溝62は、複数の内側ショルダー陸部ラグ溝45同士をつないでいる。
また、内側ショルダー陸部26に設けられる内側最外側ラグ溝51は、タイヤ幅方向内側に位置する端部48がショルダー陸部周方向細溝62に接続され、ショルダー陸部周方向細溝62に開口している。
これらのように外側セカンド陸部24と内側ショルダー陸部26とに設けられる周方向細溝60は、溝幅が0.3mm以上5.0mm以下となっており、溝深さが2.0mm以上5.0mm以下となっている。また、ここでいう周方向細溝60には、いわゆるサイプも含められる。
図3は、図2に示すショルダー陸部ラグ溝が設けられる範囲についての説明図である。内側ショルダー陸部26に設けられる内側ショルダー陸部ラグ溝45は、当該内側ショルダー陸部ラグ溝45の端部48同士のタイヤ幅方向における距離W1と、車両内側方向最外側主溝36から車両幅方向内側の接地端Tまでの距離T1とが、0.3<(W1/T1)<0.9の関係を満たす形態で配設されている。同様に、外側ショルダー陸部27に設けられる外側ショルダー陸部ラグ溝46は、当該外側ショルダー陸部ラグ溝46の端部48同士のタイヤ幅方向における距離W2と、車両外側方向最外側主溝37から車両幅方向外側の接地端Tまでの距離T2とが、0.3<(W2/T2)<0.9の関係を満たす形態で配設されている。
なお、この場合における接地端Tは、空気入りタイヤ1を規定リムに装着して、規定内圧、例えば、規定荷重に対応した空気圧の内圧条件、及び規定荷重、例えば最大負荷能力の75%荷重の条件で、平板上に垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面において、タイヤ幅方向における最も外側に位置する部分に該当するトレッド面3上の位置をいう。
なお、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、或いはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOで規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
また、車両幅方向における両側に位置するショルダー陸部25は、溝面積が同程度であるのが好ましく、相対的な溝面積が所定の範囲内で形成されるのが好ましい。具体的には、上記に規定される接地面内における内側ショルダー陸部26の溝面積Sinと、接地面内における外側ショルダー陸部27の溝面積Soutとが、0.9<(Sin/Sout)<1.5の関係を満たして形成されるのが好ましい。つまり、接地面における、車両内側方向最外側主溝36から車両幅方向内側の接地端Tまでの範囲T1内の領域G1に位置する内側ショルダー陸部26の溝の溝面積Sinと、車両外側方向最外側主溝37から車両幅方向外側の接地端Tまでの範囲T2内の領域G2に位置する外側ショルダー陸部27の溝の溝面積Soutとが、0.9<(Sin/Sout)<1.5の関係を満たして形成されるのが好ましい。
これらのように構成される空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド面3のうち下方に位置するトレッド面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。ここで、内側ショルダー陸部26には、車両内側方向最外側主溝36に開口する内側ショルダー陸部ラグ溝45が複数形成されており、さらに、各内側ショルダー陸部ラグ溝45を連通して内側ショルダー陸部ラグ溝45同士をつなぐショルダー陸部周方向細溝62が形成されている。これにより、濡れた路面を直進走行する際における排水性を高めることができ、また、ショルダー陸部周方向細溝62を設けることによって、濡れた路面を直進走行する際におけるエッジ効果を高めることができるため、濡れた路面での直進走行時の操縦安定性を高めることができる。一方、内側セカンド陸部23やセンター陸部21には、周方向細溝60は形成されていないため、直進走行時に大きな荷重が作用し易い内側セカンド陸部23やセンター陸部21の剛性を確保することができる。これにより、乾いた路面での直進走行時の操縦安定性を高めることができる。
また、車両の旋回時には、車両幅方向における外側寄りに位置する陸部20に、大きな荷重が作用し易くなるが、外側ショルダー陸部27には、周方向細溝60は形成されていないため、車両の旋回時に大きな荷重が作用し易い外側ショルダー陸部27の剛性を確保することができる。これにより、乾いた路面での旋回時の操縦安定性を高めることができる。さらに、外側セカンド陸部24には、車両外側方向最外側主溝37に開口する外側セカンド陸部ラグ溝43が複数形成されており、さらに、外側セカンド陸部ラグ溝43同士をつなぐセカンド陸部周方向細溝61が形成されている。これにより、濡れた路面を旋回走行する際における排水性を高めることができ、また、セカンド陸部周方向細溝61を設けることによって、濡れた路面を旋回走行する際におけるエッジ効果を高めることができるため、濡れた路面での旋回時の操縦安定性を高めることができる。これらの結果、直進時と旋回時のドライ操安性とウェット操安性を両立することができる。
また、車両外側方向最外側主溝37に開口する外側ショルダー陸部ラグ溝46は、車両外側方向最外側主溝37から車両幅方向外側に向かって延びており、車両内側方向内側主溝32に開口するセンター陸部ラグ溝40は、車両内側方向内側主溝32から車両幅方向外側に向かって延びており、車両内側方向最外側主溝36に開口する内側セカンド陸部ラグ溝42は、車両内側方向最外側主溝36から車両幅方向外側に向かって延びている。これにより、旋回時にトレッド面3と路面との間に存在する水を、各ラグ溝から主溝30に流すことができ、旋回時における外側ショルダー陸部27、センター陸部21、内側セカンド陸部23での排水性を向上させることができる。これらの外側ショルダー陸部27、センター陸部21、内側セカンド陸部23には、周方向細溝60が形成されておらず、ドライ操安性を担うことが可能となっているが、これらの陸部20で旋回時の排水性を向上させることにより、ドライ操安性を確保しつつ、旋回時におけるウェット操安性を高めることができる。この結果、直進時と旋回時のドライ操安性を確保しつつ、旋回時におけるウェット操安性を、より確実に高めることができる。
また、ショルダー陸部25には、接地端Tを跨いでタイヤ幅方向に延びる最外側ラグ溝50が設けられているため、濡れた路面の走行時にショルダー陸部25と路面との間に存在する水を、タイヤ幅方向における接地端Tの外側に向けて排水することができる。また、この最外側ラグ溝50は、最外側主溝35に開口しないため、ショルダー陸部25の剛性を確保することができ、ドライ操安性を確保することができる。これらの結果、ドライ操安性を確保しつつ、より確実にウェット操安性を高めることができる。
また、センター陸部21に設けられるセンター陸部ラグ溝40は、一端がセンター陸部21内で終端しているため、センター陸部21にラグ溝を設けた場合における剛性の低下を抑制することができ、ドライ操安性を確保することができる。また、センター陸部ラグ溝40は、車両幅方向における外側に位置する側の端部48がセンター陸部21内で終端しているため、センター陸部21における、車両幅方向外側部分の剛性を確保することができる。即ち、センター陸部21において、旋回時に大きな荷重が作用し易い車両幅方向外側部分の剛性を確保することができる。これらの結果、ウェット操安性を高めるためにセンター陸部ラグ溝40を設ける場合におけるドライ操安性の低下を抑制することができ、直進時と旋回時のドライ操安性とウェット操安性を、より確実に両立することができる。
また、センター陸部ラグ溝40とセカンド陸部ラグ溝41とは、タイヤ幅方向に対する傾斜方向が同じ方向であるため、トレッド面3と路面との間に存在する水をセンター陸部ラグ溝40やセカンド陸部ラグ溝41から主溝30に向けて流す際に、水の流れ方向を同じ方向に揃えて流すことができる。これにより、センター陸部ラグ溝40やセカンド陸部ラグ溝41から主溝30に向けて流す水が流れ易くなるようにすることができ、排水性を向上させることができる。この結果、ウェット操安性を向上させることができる。
また、同一の最外側主溝35に開口するショルダー陸部ラグ溝44とセカンド陸部ラグ溝41とは、タイヤ幅方向に対する傾斜方向が同じ方向であるため、トレッド面3と路面との間に存在する水をショルダー陸部ラグ溝44やセカンド陸部ラグ溝41から最外側主溝35に向けて流す際に、水の流れ方向を同じ方向に揃えて流すことができる。これにより、ショルダー陸部ラグ溝44やセカンド陸部ラグ溝41から最外側主溝35に向けて流す水が流れ易くなるようにすることができ、排水性を向上させることができる。この結果、ウェット操安性を向上させることができる。
また、内側ショルダー陸部ラグ溝45は、0.3<(W1/T1)<0.9の関係を満たす形態で配設されており、外側ショルダー陸部ラグ溝46は、0.3<(W2/T2)<0.9の関係を満たす形態で配設されているため、騒音性を悪化させることなく、ウェット操安性を確保することができる。つまり、内側ショルダー陸部ラグ溝45の形態が(W1/T1)≦0.3である場合、内側ショルダー陸部26の接地面に対する内側ショルダー陸部ラグ溝45の長さが短すぎるため、内側ショルダー陸部ラグ溝45での排水性を確保するのが困難になる。同様に、外側ショルダー陸部ラグ溝46の形態が(W2/T2)≦0.3である場合、外側ショルダー陸部27の接地面に対する外側ショルダー陸部ラグ溝46の長さが短すぎるため、外側ショルダー陸部ラグ溝46での排水性を確保するのが困難になる。
また、内側ショルダー陸部ラグ溝45の形態が(W1/T1)≧0.9である場合、内側ショルダー陸部26の接地面に対する内側ショルダー陸部ラグ溝45の長さが長すぎるため、車両の走行時に内側ショルダー陸部ラグ溝45で発生する音が大きくなる虞がある。同様に、外側ショルダー陸部ラグ溝46の形態が(W2/T2)≧0.9である場合、外側ショルダー陸部27の接地面に対する外側ショルダー陸部ラグ溝46の長さが長すぎるため、車両の走行時に外側ショルダー陸部ラグ溝46で発生する音が大きくなる虞がある。これに対し、内側ショルダー陸部ラグ溝45や外側ショルダー陸部ラグ溝46が、0.3<(W1/T1)<0.9、0.3<(W2/T2)<0.9の関係を満たす形態で配設されている場合には、内側ショルダー陸部ラグ溝45や外側ショルダー陸部ラグ溝46で発生する音を抑えつつ、排水性を確保することができる。
また、接地面内における内側ショルダー陸部26の溝面積Sinと、接地面内における外側ショルダー陸部27の溝面積Soutとが、0.9<(Sin/Sout)<1.5の関係を満たすため、より確実に排水性やドライ操安性を確保することができる。つまり、内側ショルダー陸部26の溝面積Sinと外側ショルダー陸部27の溝面積Soutとの関係が、(Sin/Sout)≦0.9である場合には、内側ショルダー陸部26の溝面積Sinが小さ過ぎるか、外側ショルダー陸部27の溝面積Soutが大き過ぎるため、内側ショルダー陸部26での排水性を確保できなかったり、外側ショルダー陸部27の剛性が低くなることにより旋回時のドライ操安性が低下したりする虞がある。また、内側ショルダー陸部26の溝面積Sinと外側ショルダー陸部27の溝面積Soutとの関係が、(Sin/Sout)≧1.5である場合には、内側ショルダー陸部26の溝面積Sinが大き過ぎるか、外側ショルダー陸部27の溝面積Soutが小さ過ぎるため、内側ショルダー陸部26の剛性が低くなることにより直進時のドライ操安性が低下したり、外側ショルダー陸部27での排水性を確保できなかったりする虞がある。
これに対し、接地面内における内側ショルダー陸部26の溝面積Sinと、接地面内における外側ショルダー陸部27の溝面積Soutとが、0.9<(Sin/Sout)<1.5の関係を満たす場合には、内側ショルダー陸部26と外側ショルダー陸部27とで、それぞれ排水性を確保することができ、また、直進時や旋回時のドライ操安性を確保することができる。これらの結果、直進時と旋回時のドライ操安性とウェット操安性を、より確実に両立することができる。
なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、主溝30は4本設けられているが、主溝30は5本以上であってもよい。主溝30が5本以上である場合であっても、タイヤ幅方向における最外側に位置する主溝30を最外側主溝35とし、この最外側主溝35に対して隣り合う主溝30を内側主溝31とし、最外側主溝35よりもタイヤ幅方向における外側に位置する陸部20をショルダー陸部25とし、内側主溝31と最外側主溝35とにより区画される陸部20をセカンド陸部22とし、ショルダー陸部25にはショルダー陸部ラグ溝44が形成され、内側ショルダー陸部26にはショルダー陸部周方向細溝62が形成され、外側セカンド陸部24にはセカンド陸部周方向細溝61が形成されることにより、直進時と旋回時のドライ操安性とウェット操安性を両立することができる。
〔実施例〕
図4A、図4Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤ1と本発明に係る空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、ドライ操安性とウェット操安性とについて行った。
これらの評価試験は、215/55R17 94Vサイズの空気入りタイヤ1を17×7.5JサイズのJATMA標準リムのリムホイールにリム組みし、空気圧を240kPaに調整し、2400ccの前輪駆動の乗用車に装着してテスト走行することにより行った。各試験項目の評価方法は、ドライ操安性については、評価試験を行う空気入りタイヤ1を装着した車両をパネラーが運転し、パネラーによる官能評価を実施することにより行った。ドライ操安性は、後述する従来例を100とする評点で表示され、数値が大きいほどドライ操安性に優れていることを示している。また、ウェット操安性については、評価試験を行う空気入りタイヤ1を装着した車両によって雨天条件下でテストコースを走行し、ラップタイムを計測することにより行った。ウェット操安性は、後述する従来例を100とする評点で表示され、数値が大きいほどウェット操安性に優れていることを示している。
評価試験は、従来例の空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜9の10種類の空気入りタイヤ1にて行った。評価試験を行う空気入りタイヤ1は、全て4本の主溝30が形成されると共に、少なくともいずれかの陸部20に周方向細溝60が形成されており、いずれの空気入りタイヤ1においてもセンター陸部ラグ溝40、セカンド陸部ラグ溝41、ショルダー陸部ラグ溝44、最外側ラグ溝50が設けられている。これらの空気入りタイヤ1のうち、従来例は、内側セカンド陸部23のみに周方向細溝60が設けられている。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜9は、内側セカンド陸部23と外側ショルダー陸部27とには周方向細溝60は設けられておらず、全て内側ショルダー陸部26と外側セカンド陸部24とに周方向細溝60が設けられている。さらに、実施例1〜9に係る空気入りタイヤ1は、最外側ラグ溝50が主溝30を貫通しているか否か、センター陸部ラグ溝40を有しているか否か、セカンド陸部ラグ溝41とショルダー陸部ラグ溝44との傾斜方向が同一であるか否か、センター陸部ラグ溝40とセカンド陸部ラグ溝41との傾斜方向が同一であるか否か、(W1/T1)や(W2/T2)、(Sin/Sout)の値がそれぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、図4A及び図4Bに示すように、実施例1〜9の空気入りタイヤ1は、従来例の空気入りタイヤ1に対して、ドライ操安性が低下することなく、ウェット操安性が向上することが分かった。即ち、実施例1〜9に係る空気入りタイヤ1は、直進時と旋回時のドライ操安性とウェット操安性を両立することができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 トレッド面
5 タイヤ赤道線
10 ビード部
13 カーカス層
14 ベルト層
16 サイドウォール部
20 陸部
21 センター陸部
22 セカンド陸部
23 内側セカンド陸部
24 外側セカンド陸部
25 ショルダー陸部
26 内側ショルダー陸部
27 外側ショルダー陸部
30 主溝
31 内側主溝
32 車両内側方向内側主溝
33 車両外側方向内側主溝
35 最外側主溝
36 車両内側方向最外側主溝
37 車両外側方向最外側主溝
40 センター陸部ラグ溝
41 セカンド陸部ラグ溝
42 内側セカンド陸部ラグ溝
43 外側セカンド陸部ラグ溝
44 ショルダー陸部ラグ溝
45 内側ショルダー陸部ラグ溝
46 外側ショルダー陸部ラグ溝
50 最外側ラグ溝
51 内側最外側ラグ溝
52 外側最外側ラグ溝
60 周方向細溝
61 セカンド陸部周方向細溝
62 ショルダー陸部周方向細溝

Claims (7)

  1. 車両に対する装着方向が規定され、タイヤ周方向に延びる主溝を少なくとも4本有する空気入りタイヤであって、
    前記主溝のうちタイヤ幅方向における最外側に位置する前記主溝である最外側主溝と、
    前記主溝のうち前記最外側主溝よりもタイヤ幅方向における内側に位置すると共に前記最外側主溝に対して隣り合う前記主溝である内側主溝と、
    前記最外側主溝よりもタイヤ幅方向における外側に位置するショルダー陸部と、
    前記内側主溝と前記最外側主溝とにより区画されるセカンド陸部と、
    前記ショルダー陸部に設けられると共に一端が前記最外側主溝に開口し、他端が前記ショルダー陸部内で終端するショルダー陸部ラグ溝と、
    前記セカンド陸部に設けられると共に一端が前記最外側主溝に開口し、他端が前記セカンド陸部内で終端するセカンド陸部ラグ溝と、
    前記ショルダー陸部のうち車両幅方向内側に位置する前記ショルダー陸部にタイヤ周方向に延びて設けられ、当該ショルダー陸部に設けられる前記ショルダー陸部ラグ溝同士をつなぐショルダー陸部周方向細溝と、
    前記セカンド陸部のうち車両幅方向外側に位置する前記セカンド陸部にタイヤ周方向に延びて設けられ、当該セカンド陸部に設けられる前記セカンド陸部ラグ溝同士をつなぐセカンド陸部周方向細溝と、
    を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ショルダー陸部には、前記最外側主溝に開口せずにタイヤ幅方向に延びる最外側ラグ溝が設けられる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記内側主溝同士に区画されてタイヤ赤道線上に位置するセンター陸部と、
    前記センター陸部を区画する前記内側主溝のうち車両幅方向内側に位置する前記内側主溝に一端が開口し、他端が前記センター陸部内で終端するセンター陸部ラグ溝と、
    を備える請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記センター陸部ラグ溝と前記セカンド陸部ラグ溝とは、タイヤ幅方向に対する傾斜方向が同じ方向である請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 同一の前記最外側主溝に開口する前記ショルダー陸部ラグ溝と前記セカンド陸部ラグ溝とは、タイヤ幅方向に対する傾斜方向が同じ方向である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 車両幅方向内側に位置する前記最外側主溝から車両幅方向内側の接地端までの距離T1と、
    車両幅方向内側に位置する前記ショルダー陸部に設けられる前記ショルダー陸部ラグ溝の端部同士のタイヤ幅方向における距離W1とは、0.3<(W1/T1)<0.9の関係を満たし、
    車両幅方向外側に位置する前記最外側主溝から車両幅方向外側の接地端までの距離T2と、
    車両幅方向外側に位置する前記ショルダー陸部に設けられる前記ショルダー陸部ラグ溝の端部同士のタイヤ幅方向における距離W2とは、0.3<(W2/T2)<0.9の関係を満たす請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 接地面内における車両幅方向内側に位置する前記ショルダー陸部の溝面積Sinと、
    前記接地面内における車両幅方向外側に位置する前記ショルダー陸部の溝面積Soutとは、0.9<(Sin/Sout)<1.5の関係を満たす請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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