JP2019084961A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Akihiro Ichimura
彰宏 市村
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Abstract

【課題】転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】複数の主溝30のうちタイヤ幅方向における両端に位置する最外主溝35の、タイヤ幅方向外側に位置する陸部20であるショルダー陸部23と、ショルダー陸部23に形成され、最外主溝35から離間するショルダー溝部40と、タイヤ赤道面CLの両側の最外主溝35とショルダー溝部40との間にそれぞれ配設され、タイヤ周方向の全周に亘って溝が形成されていない領域であるプレーン部70と、を備え、プレーン部70は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に接地幅TWの22%以上38%以下の範囲内に少なくとも一部が位置しており、プレーン部70は、タイヤ幅方向における総幅が接地幅TWの17%以上30%以下の範囲内になっており、トレッド面10は、複数の主溝30を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内である。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤでは、濡れた路面の走行時におけるトレッド面と路面との間の水の排出等を目的としてトレッド面に溝が複数形成されているが、トレッド面の溝は、操縦安定性や耐摩耗性、乗り心地性等の排水性以外の性能にも大きく影響する。このため、従来の空気入りタイヤでは、例えば、特許文献1〜3のように、溝の位置や溝の形状、溝幅等を工夫することにより、空気入りタイヤに求められる性能のバランスを図っている。
特開2017−47853号公報 特開2014−184828号公報 特開2015−131603号公報
ここで、近年では、車両走行時における燃費の向上を図るために、空気入りタイヤの転動時における転がり抵抗を低減させることについての要求が高まっている。転がり抵抗を低減させる手法の1つとしては、トレッド部のゴム体積を低減することが挙げられる。しかし、トレッド部のゴム体積を低減させた場合、トレッド部の剛性が低下することによりトレッド部は撓み易くなり、路面の凹凸に起因して発生する騒音であるロードノイズが大きくなる虞がある。具体的には、ロードノイズの中でも250Hz〜315Hzの中周波帯域は、空気入りタイヤの転動時におけるトレッド部等の振動が影響することが知られており、中周波ロードノイズは、トレッド部等が振動する際の断面2次固有振動数の影響が大きくなっている。このため、転がり抵抗の低減のみに着目してトレッド部のゴム体積を低減した場合、ゴム体積の低減に起因して断面2次固有振動数が低くなり、ロードノイズが大きくなる虞がある。
一方で、このロードノイズを低減させることも、空気入りタイヤに求められる重要な性能の1つになっている。ロードノイズを低減させるための手法としては、例えば、ベルト剛性を調整する等の構造面での調整を行うことによって、トレッド部の振動の状態を調節することが挙げられる。しかし、ロードノイズを低減させるために構造面の調整を行った場合、剛性の変化に起因して転がり抵抗が大きくなる虞がある。このように、転がり抵抗の悪化を抑制しつつロードノイズを低減するのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド面に形成され、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記主溝により画成される複数の陸部と、複数の前記主溝のうちタイヤ幅方向における両端に位置し、且つ、接地端のタイヤ幅方向内側に配設される最外主溝の、タイヤ幅方向外側に位置する前記陸部であるショルダー陸部と、前記ショルダー陸部に形成され、前記最外主溝から離間するショルダー溝部と、タイヤ幅方向におけるタイヤ幅方向中心線の両側の前記最外主溝と前記ショルダー溝部との間にそれぞれ配設され、タイヤ周方向の全周に亘って溝が形成されていない領域であるプレーン部と、を備え、前記プレーン部は、前記タイヤ幅方向中心線からタイヤ幅方向に接地幅の22%以上38%以下の範囲内に少なくとも一部が位置しており、前記プレーン部は、複数の前記プレーン部のタイヤ幅方向における総幅が前記接地幅の17%以上30%以下の範囲内になっており、前記トレッド面は、複数の前記主溝を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内であることを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記プレーン部は、タイヤ幅方向における幅が前記接地幅の8.5%以上15%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記最外主溝は、前記タイヤ幅方向中心線から前記最外主溝の溝幅中心までの距離が前記接地幅の10%以上20%以下の範囲内となる位置に配置されており、複数の前記主溝は、それぞれ溝幅が前記接地幅の3%以上10%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド面に形成される前記主溝は2本であり、2本の前記主溝は、それぞれ溝幅が前記接地幅の5%以上10%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド面に形成される前記主溝は3本であり、3本の前記主溝は、それぞれ溝幅が前記接地幅の3%以上7%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記プレーン部と前記最外主溝との間には、タイヤ幅方向に延びると共にタイヤ幅方向における内側端部が前記最外主溝に連通するプレーン部内側溝部が形成され、前記プレーン部は、前記プレーン部内側溝部のタイヤ幅方向における外側端部のタイヤ幅方向における位置からタイヤ幅方向外側に設けられることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記主溝同士の間に配設される前記陸部には、タイヤ幅方向に延びて一端が前記主溝に連通するサイプが形成されることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記プレーン部と前記主溝との間と、前記主溝同士の間とには、タイヤ幅方向に延びて一端が前記主溝に連通するサイプが形成され、前記サイプは、複数がタイヤ周方向に配設されると共に、前記主溝を介して隣り合う前記陸部同士に形成されて同じ前記主溝に連通する前記サイプ同士が互いに延長線上になる位置となって配設され、同じ前記陸部に形成されて異なる前記主溝に連通する前記サイプ同士は、互いに離間することが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ショルダー溝部は、タイヤ幅方向に延びる複数のショルダーラグ溝と、タイヤ周方向に隣り合う前記ショルダーラグ溝同士の間に配設されてタイヤ幅方向に延びるショルダーサイプと、を有することが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ショルダー陸部には、前記接地端のタイヤ幅方向外側に凹部が形成されることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド面は、前記主溝の溝面積比が15%以上20%以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1に示す空気入りタイヤのトレッド部の平面図である。 図3は、図2のA部詳細図である。 図4は、図3に示す主溝間サイプとプレーン部内側サイプとの位置関係についての説明図である。 図5は、図2に示す主溝とプレーン部の幅と位置についての説明図である。 図6は、図2に示すトレッドパターンと断面2次固有振動モードでの振幅の大きさとの関係を示す説明図である。 図7は、実施形態2に係る空気入りタイヤのトレッド部の平面図である。 図8Aは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図8Bは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図8Cは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、主に乗用車に用いられる空気入りタイヤ1になっており、トレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4及びビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その外周表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面は、主に走行時に路面と接触し得る面であるトレッド面10として構成されている。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出した部分を形成するものである。また、ビード部5は、ビードコア15とビードフィラー16とを有する。ビードコア15は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー16は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア15の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア15でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、且つ、タイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、例えば、ポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト7a,7bを積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト7a,7bは、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20°〜30°)で複数並設されたコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなる。また、重なり合うベルト7a,7bは、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示省略)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなり、コードの角度はタイヤ周方向に対して±5°の範囲内になっている。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、或いは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。即ち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、例えば幅が10mm程度の帯状のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
図2は、図1に示す空気入りタイヤ1のトレッド部2の平面図である。トレッド部2のトレッド面10には、タイヤ周方向に延びる主溝30が複数形成されており、本実施形態1では、主溝30は3本形成されている。3本の主溝30は、タイヤ赤道面CL上に配置されるセンター主溝31と、3本の主溝30においてタイヤ幅方向における両端に位置する2本の最外主溝35とを有している。2本の最外主溝35は、共に接地端Tのタイヤ幅方向内側に配設されており、センター主溝31は、この2本の最外主溝35の間に配設されている。なお、この場合における接地端Tは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填し、静止状態にて平板に対して垂直に置かれて正規荷重の88%に相当する荷重を加えられたときの、トレッド面10における平板に接触する領域のタイヤ幅方向の両最外端をいい、タイヤ周方向に連続する。
ここでいう正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
また、主溝30とは、少なくとも一部がタイヤ周方向に延在する縦溝をいう。一般に主溝30は、5mm以上の溝幅を有し、7.5mm以上の溝深さを有し、摩耗末期を示すトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を内部に有する。本実施形態1では、主溝30は、5mm以上の溝幅を有し、5mm以上の溝深さを有しており、タイヤ赤道面CLとトレッド面10とが交差するタイヤ赤道線(センターライン)と実質的に平行である。主溝30は、タイヤ周方向に直線状に延在してもよいし、波形状又はジグザグ状に設けられてもよい。
また、トレッド面10には、主溝30により画成される複数の陸部20が形成されている。陸部20としては、隣り合うセンター主溝31と最外主溝35との間に位置する陸部20であるセンター陸部21と、最外主溝35のタイヤ幅方向外側に位置する陸部20であるショルダー陸部23とが設けられている。換言すると、センター陸部21は、タイヤ幅方向における両側端部がセンター主溝31と最外主溝35とによって画成され、ショルダー陸部23は、タイヤ幅方向における内側端部が最外主溝35によって画成されている。これらの陸部20は、全てタイヤ周方向に延びるリブ状の陸部20として形成されている。
これらのように主溝30により画成される複数の陸部20のうち、ショルダー陸部23には、最外主溝35から離間して形成される溝であるショルダー溝部40が形成されている。ショルダー溝部40は、タイヤ幅方向に延びる複数のショルダーラグ溝46と、タイヤ周方向に隣り合うショルダーラグ溝46同士の間に配設されてタイヤ幅方向に延びるサイプであるショルダーサイプ47とを有している。つまり、ショルダーラグ溝46とショルダーサイプ47とは、複数のショルダーラグ溝46とショルダーサイプ47とがタイヤ周方向に交互に配設されている。また、ショルダーラグ溝46とショルダーサイプ47とは、共にタイヤ幅方向に延びつつ、タイヤ幅方向に対してタイヤ周方向に湾曲して形成されている。
なお、ここでいうサイプは、トレッド面10に細溝状に形成される溝であり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時には細溝を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面の部分に細溝が位置する際、または細溝が形成される陸部20の倒れ込み時には、当該細溝を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、陸部20の変形によって互いに接触するものをいう。
また、ショルダーラグ溝46は、ショルダーラグ溝46のタイヤ幅方向における内側端部46aがショルダー陸部23内で終端し、タイヤ幅方向における外側端部46bが、トレッド面10のタイヤ幅方向外側端であるデザインエンドEで開口している。ここで、デザインエンドEは、接地端Tのタイヤ幅方向外側であってトレッド部2のタイヤ幅方向最外側端をいい、トレッド部2において溝が形成されるタイヤ幅方向最外側端である。図2では、デザインエンドEをタイヤ周方向に連続して示している。即ち、トレッド部2は、乾燥した平坦な路面において、接地端TよりもデザインエンドE側の領域は、通常路面に接地しない領域となる。
一方、ショルダーサイプ47は、タイヤ幅方向における内側端部47aと外側端部47bとが、共にショルダー陸部23内で終端している。また、ショルダーラグ溝46とショルダーサイプ47とは、ショルダーラグ溝46のタイヤ幅方向における内側端部46aのタイヤ幅方向における位置と、ショルダーサイプ47のタイヤ幅方向における内側端部47aのタイヤ幅方向における位置とがほぼ同じ位置になっている。
このように形成されるショルダーラグ溝46は、溝幅が1.5mm以上6mm以下の範囲内で、溝深さが2mm以上8mm以下の範囲内になっている。また、ショルダーサイプ47は、溝幅が0.1mm以上2mm以下の範囲内で、溝深さが2mm以上8mm以下の範囲内になっている。
図3は、図2のA部詳細図である。ショルダー陸部23における最外主溝35の近傍には、後述するプレーン部70を画成するプレーン部内側溝部50が形成されている。本実施形態1では、プレーン部内側溝部50は、サイプとして形成されるプレーン部内側サイプ51によって形成されている。プレーン部内側サイプ51は、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ幅方向に対してタイヤ周方向に傾斜しており、タイヤ周方向への傾斜方向は、タイヤ幅方向両側のショルダー陸部23に形成されるプレーン部内側サイプ51同士で同じ方向になっている。
また、プレーン部内側サイプ51は、タイヤ周方向における内側端部51aが最外主溝35に連通しており、タイヤ周方向における外側端部51bはショルダー陸部23内で終端している。このプレーン部内側サイプ51の外側端部51bは、ショルダーラグ溝46の内側端部46aやショルダーサイプ47の内側端部47aのタイヤ幅方向における位置よりもタイヤ幅方向内側に位置している。
これらのように、ショルダーラグ溝46の内側端部46a及びショルダーサイプ47の内側端部47aと、プレーン部内側サイプ51の外側端部51bとは、タイヤ幅方向に離間しており、ショルダーラグ溝46及びショルダーサイプ47と、プレーン部内側サイプ51とはタイヤ周方向において重なっていないため、ショルダー陸部23には、タイヤ周方向の全周に亘って溝が形成されていない領域であるプレーン部70が設けられている。プレーン部70は、タイヤ幅方向両側のショルダー陸部23にそれぞれ設けられており、即ち、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側の最外主溝35とショルダー溝部40との間に、それぞれ配設されている。
詳しくは、プレーン部70は、プレーン部内側サイプ51の外側端部51bのタイヤ幅方向における位置からタイヤ幅方向外側に向かって、ショルダーラグ溝46やショルダーサイプ47の内側端部46a、47aのタイヤ幅方向における位置までのタイヤ幅方向における範囲になっており、この範囲でタイヤ周方向の全周に亘って設けられている。換言すると、プレーン部70は、タイヤ幅方向内側の境界はプレーン部内側サイプ51の外側端部51bのタイヤ幅方向における位置になっており、タイヤ幅方向外側の境界はショルダーラグ溝46やショルダーサイプ47の内側端部46a、47aのタイヤ幅方向における位置になっている。プレーン部内側サイプ51は、このように設けられるプレーン部70と最外主溝35との間に形成されており、一端が最外主溝35に連通している。
また、主溝30同士の間に配設される陸部20には、タイヤ幅方向に延びて一端が主溝30に連通するサイプである主溝間サイプ60が形成されている。つまり、主溝間サイプ60は、センター主溝31と最外主溝35とによって画成される陸部20であるセンター陸部21に形成されている。センター陸部21は、センター主溝31のタイヤ幅方向における両側に配設されているが、センター陸部21に形成される主溝間サイプ60は、双方のセンター陸部21において、それぞれセンター主溝31に連通する主溝間サイプ60と最外主溝35に連通する主溝間サイプ60とを有している。このうち、センター主溝31に連通する主溝間サイプ60であるセンター側主溝間サイプ61は、センター主溝31に連通する側の端部の反対側の端部がセンター陸部21内で終端しており、最外主溝35に連通する主溝間サイプ60である外側主溝間サイプ62は、最外主溝35に連通する側の端部の反対側の端部がセンター陸部21内で終端している。
センター側主溝間サイプ61におけるセンター陸部21内で終端する側の端部と、外側主溝間サイプ62におけるセンター陸部21内で終端する側の端部とは、タイヤ幅方向における位置が、共にセンター陸部21のタイヤ幅方向における中央付近に位置している。即ち、センター側主溝間サイプ61は、センター主溝31に連通する位置からセンター陸部21のタイヤ幅方向における中央付近までタイヤ幅方向に延び、外側主溝間サイプ62は、最外主溝35に連通する位置からセンター陸部21のタイヤ幅方向における中央付近までタイヤ幅方向に延びている。
これらの主溝間サイプ60は、全て複数が設けられて複数の主溝間サイプ60はタイヤ周方向に並んで配設されており、各主溝間サイプ60は、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ幅方向に対してタイヤ周方向に傾斜している。タイヤ幅方向に対する主溝間サイプ60の傾斜方向は、外側主溝間サイプ62は、プレーン部内側サイプ51の傾斜方向と同じ方向になっており、センター側主溝間サイプ61は、プレーン部内側サイプ51の傾斜方向の反対方向になっている。
また、主溝間サイプ60は、同じセンター陸部21に形成されて異なる主溝30に連通する主溝間サイプ60同士は、互いに離間している。即ち、同じセンター陸部21に形成されるセンター側主溝間サイプ61と外側主溝間サイプ62とは、互いに離間している。詳しくは、センター側主溝間サイプ61と外側主溝間サイプ62とは、センター側主溝間サイプ61におけるセンター陸部21内で終端する側の端部と外側主溝間サイプ62におけるセンター陸部21内で終端する側の端部とが、タイヤ周方向に等間隔に近い間隔でタイヤ周方向に交互に並ぶ位置関係となって配設されている。
図4は、図3に示す主溝間サイプ60とプレーン部内側サイプ51との位置関係についての説明図である。主溝間サイプ60及びプレーン部内側サイプ51は、主溝30を介して隣り合う陸部20同士に形成されて同じ主溝30に連通する主溝間サイプ60同士、または主溝間サイプ60とプレーン部内側サイプ51と同士が、互いに延長線上になる位置となって配設されている。例えば、センター主溝31を介して隣り合うセンター陸部21同士に形成されて同じセンター主溝31に連通するセンター側主溝間サイプ61同士は、互いに延長線上になる位置関係で配設されている。同様に、同じ最外主溝35を介して隣り合うセンター陸部21及びショルダー陸部23に形成され、同じ最外主溝35に連通する外側主溝間サイプ62とプレーン部内側サイプ51とは、互いに延長線上になる位置関係で配設されている。
つまり、センター主溝31を介して隣り合うセンター陸部21同士に形成されるセンター側主溝間サイプ61同士は、センター主溝31を貫通するような関係性で形成され、最外主溝35を介して隣り合うセンター陸部21及びショルダー陸部23に形成される外側主溝間サイプ62とプレーン部内側サイプ51とは、最外主溝35を貫通するような関係性で形成される。異なる陸部20に形成される主溝間サイプ60とプレーン部内側サイプ51とは、これらのように規則性を持たせて配置される。
センター陸部21やショルダー陸部23に形成される主溝間サイプ60及びプレーン部内側サイプ51は、それぞれ溝幅が0.1mm以上2mm以下の範囲内で、溝深さが2mm以上8mm以下の範囲内になっている。また、ここでいうサイプ同士が互いに延長線上になる位置関係とは、対象となる2本のサイプのうち少なくとも1本のサイプの溝幅方向における中心線CSを、同じ主溝30に連通する他方のサイプ側に向けて延ばした際に、他方のサイプが主溝30に連通する位置でのそれぞれのサイプの中心線CS同士の距離が、0mm以上4mm以下の範囲内となる位置関係をいう。
また、ショルダー陸部23には、接地端Tのタイヤ幅方向外側にトレッド面10から凹んだ凹部80が形成されている。凹部80は、トレッド面10におけるデザインエンドE付近に設けられており、直径が1mm以上5mm以下の範囲内で、深さが0.1mm以上1mm以下の範囲内の円形状のディンプル形状で形成されている。この凹部80は、ショルダーサイプ47の外側端部47bよりもタイヤ幅方向外側に配設されており、即ち、タイヤ周方向に隣り合うショルダーラグ溝46同士の間の部分における、タイヤ幅方向においてショルダーサイプ47が形成されていない位置に配設されている。本実施形態1では、凹部80は、タイヤ周方向に隣り合うショルダーラグ溝46同士の間において、タイヤ幅方向とタイヤ周方向とにそれぞれ2列ずつの形態で配置され、即ち、タイヤ周方向に隣り合うショルダーラグ溝46同士の間に4つが設けられている。
図5は、図2に示す主溝30とプレーン部70の幅と位置についての説明図である。トレッド面10に形成される複数の主溝30は、それぞれ溝幅WGが接地幅TWの3%以上10%以下の範囲内になっており、本実施形態1では、3本の主溝30は、それぞれ溝幅WGが接地幅TWの3%以上7%以下の範囲内になっている。また、3本の主溝30のうちタイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側に配設される最外主溝35は、タイヤ赤道面CLから最外主溝35の溝幅中心CGまでの距離DGが、接地幅TWの10%以上20%以下の範囲内となる位置に配置されている。この場合における接地幅TWは、トレッド面10の接地端T同士のタイヤ幅方向における間隔である。
一方、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に設けられるプレーン部70は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に、接地幅TWの22%以上38%以下の範囲内に少なくとも一部が位置している。また、プレーン部70は、タイヤ幅方向における幅であるプレーン幅WPが、接地幅TWの8.5%以上15%以下の範囲内になっており、複数のプレーン部70のタイヤ幅方向における総幅、即ち、2箇所のプレーン部70の総幅が、接地幅TWの17%以上30%以下の範囲内になっている。なお、プレーン部70は、タイヤ赤道面CLから、プレーン部70のタイヤ幅方向における中心であるプレーン幅中心CPまでの距離DPが、接地幅TWの25%以上35%以下の範囲内となる位置に配置されるのが好ましい。
これらのように、主溝30等の溝が形成されるトレッド面10は、主溝30の溝面積比が15%以上20%以下の範囲内になっており、複数の主溝30を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内になっている。また、トレッド面10に形成される全ての溝を合わせた溝面積比は、17%以上28%以下の範囲内になっている。ここでいう溝面積比は、溝面積/(溝面積+接地面積)の百分率により定義される。溝面積は、接地面(接地領域)における、算出の対象となる溝の開口面積の合計とする。また、溝面積及び接地面積は、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、且つ、正規内圧を充填すると共に正規荷重の88%をかけたときに測定するものとする。
本実施形態1に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、ビード部5にリムホイールを嵌合することによってリムホイールに空気入りタイヤ1をリム組みし、内部に空気を充填してインフレートした状態で車両に装着する。空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、トレッド面10のうち下方に位置する部分のトレッド面10が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両は、トレッド面10と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。
例えば、空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド面10と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、トレッド面10と路面との間の水が主溝30やショルダーラグ溝46等の溝に入り込み、これらの溝でトレッド面10と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、トレッド面10は路面に接地し易くなり、トレッド面10と路面との間の摩擦力により、車両は所望の走行をすることが可能になる。
また、トレッド面10には、タイヤ周方向の全周に亘って溝が形成されていないプレーン部70が設けられており、プレーン部70は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に接地幅TWの22%以上38%以下の範囲内に、少なくとも一部が位置している。これにより、空気入りタイヤ1の転動時における撓みの変形による振動を安定させることができ、振動が不安定になることに起因してロードノイズが大きくなることを抑制することができる。
図6は、図2に示すトレッドパターンと断面2次固有振動モードでの振幅の大きさとの関係を示す説明図である。空気入りタイヤ1の転動時には、路面へのトレッド面10の接地と離間とを繰り返しながら回転するため、空気入りタイヤ1は、トレッド部2が繰り返し撓みながら回転する。これにより、トレッド部2は、空気入りタイヤ1の転動時における撓みによって、いわゆる定常波の形態で振幅が繰り返されて振動する。空気入りタイヤ1の転動時には、このようにトレッド部2は定常波の形態で振動するため、トレッド部2の振動状態を表す断面2次固有振動モードでの、トレッド部2の振動波Vの振幅の大きさは、タイヤ幅方向における位置によって異なる。
断面2次固有振動モードでの振動波Vの振幅の大きさは、図6に示すように、タイヤ赤道面CL付近が最も大きく、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側に向かうに従って小さくなり、タイヤ赤道面CLと接地端Tとの間の範囲におけるタイヤ幅方向の中央付近からタイヤ幅方向外側に向かうに従って大きくなる。つまり、断面2次固有振動モードでは、タイヤ赤道面CL付近に、振動波Vの振幅が最も大きくなる、定常波のいわゆる腹Vaが位置し、タイヤ赤道面CLと接地端Tとの間の範囲におけるタイヤ幅方向の中央付近に、振動波Vの振幅が最も小さくなる節Vnが位置している。また、振動波Vの節Vnは、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に位置しており、2箇所の節Vnは、それぞれタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に接地幅TWの8.5%以上15%以下の範囲内に位置している。
トレッド面10のプレーン部70は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に接地幅TWの22%以上38%以下の範囲内に少なくとも一部が位置しているため、プレーン部70は、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnに位置していることになる。これにより、トレッド部2は、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnに相当する位置付近の剛性が高くなっており、節Vnの位置では変形し難くなっている。つまり、プレーン部70は、タイヤ周方向の全周に亘って溝が形成されていないため剛性が高くなっており、このプレーン部70のタイヤ幅方向における位置を、節Vnのタイヤ幅方向における位置に近付けることにより、節Vnの位置でのトレッド部2の変形を低減することができる。このため、空気入りタイヤ1の転動時に、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの部分でトレッド部2が振動し易くなることを抑制でき、断面2次固有振動モードの周波数を高くすることができるため、ロードノイズを低減することができる。
また、プレーン部70は、複数のプレーン部70のタイヤ幅方向における総幅が、接地幅TWの17%以上30%以下の範囲内になっているため、トレッド部2が節Vnの部分で振動し易くなることを、より確実に抑制することができる。つまり、プレーン部70の総幅が接地幅TWの17%未満である場合は、プレーン部70の総幅が狭過ぎるため、プレーン部70を設けてもトレッド部2の剛性を確保し難くなる虞がある。この場合、プレーン部70を設けても、断面2次固有振動モードの節Vnの部分でトレッド部2が振動し易くなることを抑制し難くなる虞がある。また、プレーン部70の総幅が接地幅TWの30%を超える場合は、プレーン部70の総幅が広過ぎるため、断面2次固有振動モードの節Vn以外の位置のトレッド部2の剛性を、プレーン部70によって高めてしまう虞がある。この場合、トレッド部2における断面2次固有振動モードの節Vnの位置の剛性と、節Vn以外の位置の剛性との差が低減するため、空気入りタイヤ1の転動時に、トレッド部2は、節Vn以外の位置のみでなく、節Vnの位置でも振動し易くなる虞がある。
これに対し、複数のプレーン部70の総幅が、接地幅TWの17%以上30%以下の範囲内である場合は、トレッド部2における節Vnの位置での剛性を、節Vn以外の位置の剛性に対してより確実に高めることができ、節Vnの部分で振動し易くなることを、より確実に抑制することができる。これにより、断面2次固有振動モードの周波数をより確実に高くすることができ、より確実にロードノイズを低減することができる。
さらに、トレッド面10は、複数の主溝30を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内であるため、主溝30以外の溝での排水性を確保しつつ、主溝30によって画成される陸部20の変形を抑えて転がり抵抗を低減することができる。つまり、主溝30を除く溝の溝面積比が2%未満である場合、溝面積比が小さ過ぎるため、トレッド面10と路面との間の水を主溝30以外の溝で排水し難くなる虞がある。また、主溝30を除く溝の溝面積比が8%を超える場合、主溝30によって画成される陸部20の剛性を確保し難くなり、陸部20が変形し易くなるため、転がり抵抗が大きくなる虞がある。これに対し、主溝30を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内である場合は、主溝30以外の溝で排水性を確保しつつ、陸部20の変形を抑えて転がり抵抗を低減することができる。これらの結果、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することができる。
また、プレーン部70は、プレーン幅WPが接地幅TWの8.5%以上15%以下の範囲内であるため、トレッド部2が節Vnの部分で振動し易くなることを、より確実に抑制することができる。つまり、プレーン部70のプレーン幅WPが接地幅TWの8.5%未満である場合は、プレーン幅WPが狭過ぎるため、プレーン部70を設けてもトレッド部2の剛性を確保し難くなる虞がある。この場合、プレーン部70を設けても、断面2次固有振動モードの節Vnの部分でトレッド部2が振動し易くなることを抑制し難くなる虞がある。また、プレーン部70のプレーン幅WPが接地幅TWの15%を超える場合は、プレーン幅WPが広過ぎるため、断面2次固有振動モードの節Vn以外の位置のトレッド部2の剛性をプレーン部70によって高めてしまう虞がある。この場合、トレッド部2の節Vnの位置と節Vn以外の位置との剛性の差がつき難くなるため、空気入りタイヤ1の転動時に、トレッド部2は、節Vn以外の位置のみでなく、節Vnの位置でも振動し易くなる虞がある。
これに対し、プレーン部70のプレーン幅WPが接地幅TWの8.5%以上15%以下の範囲内である場合は、トレッド部2における節Vnの位置での剛性を、節Vn以外の位置の剛性に対してより確実に高めることができ、節Vnの部分で振動し易くなることを、より確実に抑制することができる。この結果、断面2次固有振動モードの周波数をより確実に高くすることができ、より確実にロードノイズを低減することができる。
また、最外主溝35は、タイヤ赤道面CLから最外主溝35の溝幅中心CGまでの距離DGが接地幅TWの10%以上20%以下の範囲内となる位置に配置されているため、センター陸部21の剛性とショルダー陸部23の剛性とをバランスよく確保することができる。つまり、タイヤ赤道面CLから最外主溝35の溝幅中心CGまでの距離DGが接地幅TWの10%未満である場合は、最外主溝35とセンター主溝31とのタイヤ幅方向における距離が小さくなり過ぎ、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅が狭くなり過ぎる虞がある。この場合、センター陸部21の剛性が低くなり過ぎて、乾燥した路面を走行する際における操縦安定性であるドライ操安性が低下する虞がある。また、タイヤ赤道面CLから最外主溝35の溝幅中心CGまでの距離DGが接地幅TWの20%を超える場合は、最外主溝35がタイヤ幅方向外側に寄り過ぎることにより、ショルダー陸部23のタイヤ幅方向における幅が狭くなり過ぎる虞がある。この場合、ショルダー陸部23の剛性が低くなり過ぎて、ドライ操安性が低下する虞がある。
これに対し、タイヤ赤道面CLから最外主溝35の溝幅中心CGまでの距離DGが、接地幅TWの10%以上20%以下の範囲内である場合は、センター陸部21とショルダー陸部23とのいずれの陸部20もタイヤ幅方向における幅を適切な大きさにすることができ、センター陸部21の剛性とショルダー陸部23の剛性とをバランスよく確保することができる。この結果、ロードノイズを低減しつつ、ドライ操安性を確保することができる。
また、複数の主溝30は、それぞれ溝幅WGが接地幅TWの3%以上10%以下の範囲内であるため、陸部20の剛性を確保しつつ主溝30での排水性を確保することができる。つまり、主溝30の溝幅WGが接地幅TWの3%未満である場合は、主溝30の溝幅WGが狭過ぎるため、主溝30での排水性を確保し難くなり、濡れた路面を走行する際における操縦安定性であるウェット操安性が低下する虞がある。また、主溝30の溝幅WGが接地幅TWの10%を超える場合は、主溝30の溝幅WGが広過ぎるため、主溝30によって画成される陸部20のタイヤ幅方向における幅が狭くなることにより陸部20の剛性が低下し、ドライ操安性が低下する虞がある。
これに対し、主溝30の溝幅WGが接地幅TWの3%以上10%以下の範囲内である場合は、主溝30の溝幅WGを、陸部20の剛性が低下し過ぎない程度に確保することができ、陸部20の剛性の低下を抑えつつ主溝30での排水性を確保することができる。この結果、ドライ操安性とウェット操安性とを両立することができる。
また、主溝30は3本が設けられ、3本の主溝30は、それぞれ溝幅WGが接地幅TWの3%以上7%以下の範囲内であるため、主溝30の溝幅WGの合計を、接地幅TWの9%以上21%以下の範囲内にすることができる。これにより、より確実に陸部20の剛性を確保しつつ、主溝30での排水性を確保することができる。つまり、3本の主溝30の溝幅WGの合計が、接地幅TWの9%未満である場合は、溝幅WGの合計が小さ過ぎるため、主溝30での排水性を適切に確保するのが困難になり、ウェット操安性を確保し難くなる虞がある。また、3本の主溝30の溝幅WGの合計が、接地幅TWの21%を超える場合は、溝幅WGの合計が大き過ぎるため、陸部20の剛性を適切に確保するのが困難になり、ドライ操安性を確保し難くなる虞がある。
これに対し、3本の主溝30のそれぞれの溝幅WGが、接地幅TWの3%以上7%以下の範囲内であることにより、主溝30の溝幅WGの合計が、接地幅TWの9%以上21%以下の範囲内である場合は、3本の主溝30の溝幅WGの合計を適切な大きさにすることができ、より確実に陸部20の剛性の低下を抑えつつ主溝30での排水性を確保することができる。この結果、より確実にドライ操安性とウェット操安性とを両立することができる。
また、プレーン部70と最外主溝35との間には、タイヤ幅方向に延びると共に内側端部51aが最外主溝35に連通するプレーン部内側サイプ51が形成されるため、ショルダー陸部23における、最外主溝35近傍の部分の剛性を下げることができる。これにより、ショルダー陸部23における最外主溝35近傍の接地圧が高くなり過ぎることを抑制することができ、トレッド面10の接地圧の均一化を図ることができる。この結果、転がり抵抗の悪化をより確実に抑制することができる。
また、センター主溝31同士の間に配設されるセンター陸部21には、タイヤ幅方向に延びて一端がセンター主溝31に連通する主溝間サイプ60が形成されるため、センター陸部21における、センター主溝31近傍の部分の剛性を下げることができる。これにより、センター陸部21におけるセンター主溝31近傍の接地圧が高くなり過ぎることを抑制することができ、トレッド面10の接地圧の均一化を図ることができる。この結果、転がり抵抗の悪化をより確実に抑制することができる。
また、プレーン部内側サイプ51と主溝間サイプ60とは、主溝30を介して隣り合う陸部20同士に形成されて同じ主溝30に連通するサイプ51、60同士が互いに延長線上になる位置となって配設されるため、主溝30を介して隣り合う陸部20同士で、剛性の均一化を図ることができる。これにより、より確実にトレッド面10の接地圧の均一化を図ることができ、この結果、より確実に転がり抵抗の悪化を抑制することができる。
また、ショルダー陸部23に形成されるショルダー溝部40は、タイヤ幅方向に延びる複数のショルダーラグ溝46と、タイヤ周方向に隣り合うショルダーラグ溝46同士の間に配設されてタイヤ幅方向に延びるショルダーサイプ47とを有するため、ショルダー陸部23の剛性を、タイヤ周方向において均一化させることができる。これにより、ショルダー陸部23の剛性が部分的に高くなることに起因して接地圧が不均一になることを抑制することができ、より確実にトレッド面10の接地圧の均一化を図ることができる。この結果、より確実に転がり抵抗の悪化を抑制することができる。
また、ショルダー陸部23には、接地端Tのタイヤ幅方向外側に凹部80が形成されるため、空気入りタイヤ1の転動時に凹部80によって空気に乱流を発生させてタイヤ表面からの空気の剥離を抑えることができる。これにより、空気抵抗を低減させることができ、この結果、より確実に転がり抵抗の悪化を抑制することができる。
また、トレッド面10は、主溝30の溝面積比が15%以上20%以下の範囲内であるため、より確実に陸部20の剛性を確保しつつ、主溝30での排水性を確保することができる。つまり、主溝30の溝面積比が15%未満である場合は、主溝30の溝面積比が小さ過ぎるため、主溝30での排水性を適切に確保するのが困難になり、ウェット操安性を確保し難くなる虞がある。また、主溝30の溝面積比が20%を超える場合は、主溝30の溝面積比が大き過ぎるため、陸部20の剛性を適切に確保するのが困難になり、ドライ操安性を確保し難くなる虞がある。
これに対し、主溝30の溝面積比が15%以上20%以下の範囲内である場合は、より確実に陸部20の剛性の低下を抑えつつ主溝30での排水性を確保することができる。この結果、より確実にドライ操安性とウェット操安性とを両立することができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と略同様の構成であるが、主溝30は2本である点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図7は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2の平面図である。実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、ショルダー陸部23に、最外主溝35から離間するショルダー溝部40が形成され、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側の最外主溝35とショルダー溝部40との間には、それぞれプレーン部70が配設されている。実施形態2においても、プレーン部70は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に接地幅TWの22%以上38%以下の範囲内に、少なくとも一部が位置している。
また、ショルダー溝部40としては、実施形態1と同様にショルダーラグ溝46とショルダーサイプ47とが設けられている。また、ショルダー陸部23には、接地端Tのタイヤ幅方向外側におけるデザインエンドE付近に、ディンプル形状の凹部80が形成されている。
実施形態2は、実施形態1とは主溝30の数が異なっており、実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、トレッド面10に形成される主溝30は2本になっている。このため、2本の主溝30は、いずれもタイヤ幅方向における両端に位置する最外主溝35になっている。また、トレッド面10に形成される2本の主溝30は、それぞれ溝幅WGが接地幅TWの5%以上10%以下の範囲内になっている。
また、主溝30が2本であることに伴い、主溝30によって画成される陸部20は、2本の最外主溝35の間に位置してタイヤ赤道面CL上に配設される陸部20であるセンター陸部21と、最外主溝35のタイヤ幅方向外側に位置する陸部20であるショルダー陸部23とが設けられている。
ショルダー陸部23におけるプレーン部70と最外主溝35との間には、タイヤ幅方向に延びると共に内側端部51aが最外主溝35に連通するプレーン部内側サイプ51が形成されている。ショルダー陸部23に配設されるプレーン部70は、このプレーン部内側サイプ51の外側端部51bのタイヤ幅方向における位置からタイヤ幅方向外側に向かって、ショルダーラグ溝46やショルダーサイプ47の内側端部46a、47aのタイヤ幅方向における位置までのタイヤ幅方向における範囲になっており、この範囲でタイヤ周方向の全周に亘って設けられている。
また、主溝30同士の間に配設されるセンター陸部21には、タイヤ幅方向に延びて一端が主溝30に連通するサイプである主溝間サイプ60が形成されている。本実施形態2における主溝間サイプ60は、センター陸部21を画成する2本の主溝30のうち、一方の主溝30に連通する主溝間サイプ60と、他方の主溝30に連通する主溝間サイプ60とを有している。このように異なる主溝30に連通する主溝間サイプ60は、主溝30に連通する側の端部の反対側の端部は、センター陸部21内で終端しており、終端する端部のタイヤ幅方向における位置は、センター陸部21のタイヤ幅方向における幅の中央付近になっている。また、異なる主溝30に連通する主溝間サイプ60同士は、タイヤ周方向に交互に配設されており、互いに離間している。
本実施形態2では、これらのように形成される主溝間サイプ60とプレーン部内側サイプ51とは、タイヤ幅方向に対するタイヤ周方向への傾斜方向が、全て同じ方向になっている。
また、同じ主溝30を介して隣り合うセンター陸部21とショルダー陸部23とに形成されて同じ主溝30に連通する主溝間サイプ60とプレーン部内側サイプ51とは、互いに延長線上になる位置となって配設されている。つまり、主溝30を介して隣り合うセンター陸部21とショルダー陸部23とに形成される主溝間サイプ60とプレーン部内側サイプ51とは、主溝30を貫通するような関係性で形成されている。
また、トレッド面10の溝面積比は、実施形態1と同様に、主溝30の溝面積比が15%以上20%以下の範囲内になっており、主溝30を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内になっている。
本実施形態2では、主溝30が2本であっても、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側にプレーン部70が設けられるため、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの位置でのトレッド部2の変形を低減することができる。これにより、空気入りタイヤ1の転動時に、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの部分でトレッド部2が振動し易くなることを抑制でき、断面2次固有振動モードの周波数を高くすることができるため、ロードノイズを低減することができる。また、主溝30を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内であるため、主溝30以外の溝で排水性を確保しつつ、主溝30によって画成される陸部20の変形を抑えて転がり抵抗を低減することができる。この結果、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することができる。
また、2本の主溝30は、それぞれ溝幅WGが接地幅TWの5%以上10%以下の範囲内であるため、主溝30の溝幅WGの合計を、接地幅TWの10%以上20%以下の範囲内にすることができる。これにより、2本の主溝30の溝幅WGの合計を適切な大きさにすることができ、より確実に陸部20の剛性を確保しつつ、主溝30での排水性を確保することができる。この結果、より確実にドライ操安性とウェット操安性とを両立することができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態1、2では、プレーン部70は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側2箇所に設けられているが、プレーン部70は、2箇所以外であってもよい。プレーン部70は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に設けられ、且つ、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に接地幅TWの22%以上38%以下の範囲内に、少なくとも一部が位置していれば、その数は問わない。また、タイヤ赤道面CLからのタイヤ幅方向における距離や、プレーン幅WPは、複数のプレーン部70で互いに異なっていてもよい。同様に、複数の主溝30は、溝幅WGが互いに異なっていてもよく、タイヤ赤道面CLから最外主溝35の溝幅中心CGまでの距離DGが最外主溝35同士で互いに異なっていてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、ショルダー溝部40として設けられるショルダーラグ溝46とショルダーサイプ47とは、タイヤ周方向に交互に配設されているが、ショルダーラグ溝46とショルダーサイプ47とは、交互に配設されていなくてもよい。また、実施形態1、2では、ショルダーラグ溝46の内側端部46aのタイヤ幅方向における位置とショルダーサイプ47の内側端部47aのタイヤ幅方向における位置とは、ほぼ同じ位置になっているが、タイヤ幅方向における位置は互いに異なっていてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、ショルダー溝部40としてショルダーラグ溝46とショルダーサイプ47とが設けられているが、ショルダー溝部40は、ショルダーラグ溝46またはショルダーサイプ47のいずれか一方であってもよい。また、ショルダー溝部40は、ショルダーラグ溝46やショルダーサイプ47以外の溝がショルダー溝部40として設けられていてもよく、例えば、ショルダー陸部23に形成されてタイヤ周方向に延びる細溝がショルダー溝部40として設けられていてもよい。この場合、このようにタイヤ周方向に延びる細溝のタイヤ幅方向内側の縁部のタイヤ幅方向における位置が、プレーン部70のタイヤ幅方向外側の端部になる。
また、上述した実施形態1、2では、プレーン部内側溝部50は、タイヤ幅方向に延びるプレーン部内側サイプ51により設けられているが、プレーン部内側サイプ51以外の溝がプレーン部内側溝部50として設けられていてもよい。プレーン部内側溝部50は、例えば、プレーン部70と最外主溝35との間でタイヤ幅方向に延びると共にタイヤ幅方向における内側端部が最外主溝35に連通するラグ溝が、プレーン部内側溝部50として設けられていてもよい。または、このようなラグ溝と、プレーン部内側サイプ51とのいずれもが、プレーン部内側溝部50として設けられていてもよい。
[実施例]
図8A〜図8Cは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、空気入りタイヤ1の転動時におけるロードノイズ及び転がり抵抗と、乾燥した路面での操縦安定性であるドライ操安性と、濡れた路面での操縦安定性であるウェット操安性とについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが195/65R15サイズの空気入りタイヤ1を、リムサイズ15×6JのJATMA標準のリムホイールにリム組みし、空気圧を250kPaに調整して行った。また、ロードノイズとドライ操安性とウェット操安性とについての試験では、試験タイヤを排気量が1.8Lの前輪駆動の試験車両に装着して1名乗車でテスト走行することにより行った。
各試験項目の評価方法は、ロードノイズについては、試験タイヤを装着した試験車両で、テストコースのロードノイズ路を60km/hの速度で走行した際のロードノイズレベルを、テストドライバーの官能評価により比較した。ロードノイズは、テストドライバーの官能評価を、後述する従来例を100として指数で表すことによって評価し、指数が大きいほどロードノイズが小さく、ロードノイズ性能に優れていることを示している。
また、転がり抵抗については、室内のドラム試験機(ドラム径:1707mm)を使用し、ISO28580に準拠し荷重4.8kN、速度80km/時の条件における転がり抵抗係数を算出した。その結果を、後述する従来例の転がり抵抗係数の逆数を100とする指数で示した。この指数が大きいほど転がり抵抗が低いことを示している。
また、ドライ操安性については、試験タイヤを装着した試験車両で、乾燥路面のテストコースを走行した際のテストドライバーによる官能評価を実施し、官能評価を、後述する従来例を100として指数で表すことによって評価した。数値が大きいほどドライ操安性が優れていることを示している。
また、ウェット操安性については、試験タイヤを装着した試験車両で、濡れた路面のテストコースを走行した際のテストドライバーによる官能評価を実施し、官能評価を、後述する従来例を100として指数で表すことによって評価した。数値が大きいほどウェット操安性が優れていることを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜18と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例1〜3との22種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例の空気入りタイヤは、複数のプレーン部70のプレーン幅WPの総幅が、接地幅TWの17%以上30%以下の範囲内になっていない。また、比較例1〜3の空気入りタイヤは、複数のプレーン部70のプレーン幅WPの総幅は接地幅TWの17%以上30%以下の範囲内であるが、主溝30を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内になっていないか、プレーン部70がタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に接地幅TWの8.5%以上15%以下の範囲内に位置していない。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜18は、全て複数のプレーン部70のプレーン幅WPの総幅が接地幅TWの17%以上30%以下の範囲内になっており、主溝30を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内になっており、プレーン部70の少なくとも一部がタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向に接地幅TWの22%以上38%以下の範囲内に位置している。さらに、実施例1〜18に係る空気入りタイヤ1は、主溝30の本数、接地幅TWに対するプレーン部70のプレーン幅WP[%]、接地幅TWに対する主溝30の溝幅WG[%]、接地幅TWに対する、タイヤ赤道面CLから最外主溝35の溝幅中心CGまでの距離DG[%]、プレーン部内側溝部50の有無、主溝間サイプ60の有無、ショルダーラグ溝46同士の間のショルダーサイプ47の有無、同じ主溝30に連通するサイプ同士が延長線上になる位置に配置されているか否か、接地端Tのタイヤ幅方向外側の凹部80の有無、主溝30の溝面積比[%]が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図8A〜図8Cに示すように、実施例1〜18に係る空気入りタイヤ1は、従来例や比較例1〜3と比較して、転がり抵抗が大きくなることを抑制しつつ、ロードノイズを低減させることができることが分かった。つまり、実施例1〜18に係る空気入りタイヤ1は、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
4 サイドウォール部
5 ビード部
6 カーカス層
7 ベルト層
10 トレッド面
20 陸部
21 センター陸部
23 ショルダー陸部
30 主溝
31 センター主溝
35 最外主溝
40 ショルダー溝部
46 ショルダーラグ溝
46a、47a、51a 内側端部
46b、47b、51b 外側端部
47 ショルダーサイプ
50 プレーン部内側溝部
51 プレーン部内側サイプ
60 主溝間サイプ
61 センター側主溝間サイプ
62 外側主溝間サイプ
70 プレーン部
80 凹部

Claims (11)

  1. トレッド面に形成され、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、
    前記主溝により画成される複数の陸部と、
    複数の前記主溝のうちタイヤ幅方向における両端に位置し、且つ、接地端のタイヤ幅方向内側に配設される最外主溝の、タイヤ幅方向外側に位置する前記陸部であるショルダー陸部と、
    前記ショルダー陸部に形成され、前記最外主溝から離間するショルダー溝部と、
    タイヤ幅方向におけるタイヤ幅方向中心線の両側の前記最外主溝と前記ショルダー溝部との間にそれぞれ配設され、タイヤ周方向の全周に亘って溝が形成されていない領域であるプレーン部と、
    を備え、
    前記プレーン部は、前記タイヤ幅方向中心線からタイヤ幅方向に接地幅の22%以上38%以下の範囲内に少なくとも一部が位置しており、
    前記プレーン部は、複数の前記プレーン部のタイヤ幅方向における総幅が前記接地幅の17%以上30%以下の範囲内になっており、
    前記トレッド面は、複数の前記主溝を除く溝の溝面積比が2%以上8%以下の範囲内であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記プレーン部は、タイヤ幅方向における幅が前記接地幅の8.5%以上15%以下の範囲内である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記最外主溝は、前記タイヤ幅方向中心線から前記最外主溝の溝幅中心までの距離が前記接地幅の10%以上20%以下の範囲内となる位置に配置されており、
    複数の前記主溝は、それぞれ溝幅が前記接地幅の3%以上10%以下の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド面に形成される前記主溝は2本であり、
    2本の前記主溝は、それぞれ溝幅が前記接地幅の5%以上10%以下の範囲内である請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド面に形成される前記主溝は3本であり、
    3本の前記主溝は、それぞれ溝幅が前記接地幅の3%以上7%以下の範囲内である請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記プレーン部と前記最外主溝との間には、タイヤ幅方向に延びると共にタイヤ幅方向における内側端部が前記最外主溝に連通するプレーン部内側溝部が形成され、
    前記プレーン部は、前記プレーン部内側溝部のタイヤ幅方向における外側端部のタイヤ幅方向における位置からタイヤ幅方向外側に設けられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記主溝同士の間に配設される前記陸部には、タイヤ幅方向に延びて一端が前記主溝に連通するサイプが形成される請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記プレーン部と前記主溝との間と、前記主溝同士の間とには、タイヤ幅方向に延びて一端が前記主溝に連通するサイプが形成され、
    前記サイプは、複数がタイヤ周方向に配設されると共に、前記主溝を介して隣り合う前記陸部同士に形成されて同じ前記主溝に連通する前記サイプ同士が互いに延長線上になる位置となって配設され、
    同じ前記陸部に形成されて異なる前記主溝に連通する前記サイプ同士は、互いに離間する請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ショルダー溝部は、
    タイヤ幅方向に延びる複数のショルダーラグ溝と、
    タイヤ周方向に隣り合う前記ショルダーラグ溝同士の間に配設されてタイヤ幅方向に延びるショルダーサイプと、
    を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記ショルダー陸部には、前記接地端のタイヤ幅方向外側に凹部が形成される請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記トレッド面は、前記主溝の溝面積比が15%以上20%以下の範囲内である請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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