JP2018154303A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Noriyoshi Koyama
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Abstract

【課題】操縦安定性を容易に向上させることのできる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】タイヤ幅方向における両側に位置するタイヤサイド部10の表面であるタイヤサイド面11と、少なくとも一方のタイヤサイド面11に角錐状の形状で設けられ、底面がタイヤサイド面11側に位置する向きで配設されてタイヤサイド面11から突出する凸部80と、を備え、凸部80は、複数がタイヤ径方向に並ぶと共に、タイヤ径方向において隣り合う凸部80同士で角錐の底辺82同士を共有し、且つ、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80は、底面の大きさが複数の種類で形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤの中には、装飾や冷却等を目的として、例えば特許文献1や特許文献2に記載された空気入りタイヤのように、サイドウォール部やバットレス部の表面に、多数の凸部を形成しているものがある。
特開2008−189165号公報 特開2010−132045号公報
ここで、空気入りタイヤに求められる重要な性能の1つとして、操縦安定性が挙げられる。従来の空気入りタイヤでは、操縦安定性は、トレッド面に形成される溝のパターン形状であるトレッドパターンや、トレッド面の形状であるプロファイル、空気入りタイヤの内部構造を調整することにより確保している。しかし、トレッドパターンやプロファイルや内部構造の調整は、製造コストの上昇に繋がる上、空気入りタイヤを製造する設備の関係上、実施することができないことがある。このため、所望の操縦安定性を確保するのは、困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操縦安定性を容易に向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ幅方向における両側に位置するタイヤサイド部の表面であるタイヤサイド面と、少なくとも一方の前記タイヤサイド面に角錐状の形状で設けられ、底面が前記タイヤサイド面側に位置する向きで配設されて前記タイヤサイド面から突出する凸部と、を備え、前記凸部は、複数がタイヤ径方向に並ぶと共に、タイヤ径方向において隣り合う前記凸部同士で角錐の底辺同士を共有し、且つ、タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部は、前記底面の大きさが複数の種類で形成されることを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記凸部は、トレッド面の接地端とリムチェックラインとの間の範囲内に配置されることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記凸部は、前記タイヤサイド面からの高さが0.5mm以上5.0mm以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記凸部は、タイヤ周方向において隣り合う前記凸部同士で前記タイヤサイド面からの高さが同一であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記凸部は、タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部のうち、前記底面の大きさが最も大きい前記凸部である最大凸部の前記底面の外周長さが、タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部のうち、前記底面の大きさが最も小さい前記凸部である最小凸部の前記底面の外周長さの600%以下であり、前記最小凸部の前記底面の外周長さは、前記最大凸部の前記底面の外周長さの95%以下であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部は、それぞれの前記凸部においてタイヤ径方向に延びる2本の前記底辺のうち少なくとも一方の前記底辺が、タイヤ径方向において隣り合う前記凸部同士でタイヤ周方向における位置が同じ位置となって配置されることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部は、高さが複数の種類で形成されることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、操縦安定性を容易に向上させることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1のA−A矢視図である。 図3は、図2に示す凸部の斜視図である。 図4は、図2のB部詳細図である。 図5は、図4に示す第1凸部の平面図である。 図6は、図4に示す第2凸部の平面図である。 図7は、図4に示す第3凸部の平面図である。 図8は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、リムプロテクトバーが設けられる場合における凸部の配置範囲の説明図である。 図9Aは、空気入りタイヤ1の性能試験の結果を示す図表である。 図9Bは、空気入りタイヤ1の性能試験の結果を示す図表である。 図9Cは、空気入りタイヤ1の性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸AXと直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸AXに向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸AXから離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸AXを中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸AXと平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸AXに直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、トレッド部2のタイヤ幅方向における両側に位置するショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4及びビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その外周表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面は、主に走行時に路面と接触し得る面であって、トレッド面21として構成されている。
ショルダー部3とサイドウォール部4とビード部5とは、それぞれ一対ずつが設けられ、それぞれタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に配置される。このうち、ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
このうち、サイドウォール部4は、タイヤ幅方向における両側に位置するタイヤサイド部10に含まれている。タイヤサイド部10は、タイヤ赤道面CLに対してトレッド部2の接地端Tよりも外側に配置される。本実施形態において、タイヤサイド部10とは、空気入りタイヤ1における、トレッド部2の接地端TとリムチェックラインRとの間の領域をいう。
この場合における接地端Tとは、トレッド面21の接地領域におけるタイヤ幅方向の両最外端をいう。接地領域は、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、且つ、正規内圧を充填すると共に正規荷重をかけたとき、この空気入りタイヤ1のトレッド部2のトレッド面21が乾燥した平坦な路面と接地する領域である。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
また、リムチェックラインRとは、空気入りタイヤ1のリム組みが正常に行われているか否かを確認するためのラインである。一般には、リムチェックラインRは、ビード部5の表側面において、リムフランジ(図示省略)よりもタイヤ径方向外方側であってリムフランジ近傍となる部分に沿ってタイヤ周方向に連続する環状の凸線として示されている。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、且つ、タイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、例えば、ポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、トレッド部2のタイヤ径方向内側に配置されて複数のベルトプライを備え、複数のベルトプライは、タイヤ径方向に積層される。本実施形態では、ベルト層7は、第1ベルトプライ71と第2ベルトプライ72との2層のベルトプライを積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。積層される第1ベルトプライ71と第2ベルトプライ72とは、第1ベルトプライ71が第2ベルトプライ72のタイヤ径方向内側に配置され、第2ベルトプライ72は、第1ベルトプライ71のタイヤ径方向外側に配置されている。これらの第1ベルトプライ71と第2ベルトプライ72とは、共にタイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20°〜30°)で複数並設されたコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなる。また、重なり合う第1ベルトプライ71と第2ベルトプライ72とは、互いのコードが交差するように配置されている。なお、ベルト層7が有するベルトプライは、2層以外であってもよい。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示省略)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなり、コードの角度はタイヤ周方向に対して±5°の範囲内になっている。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、或いは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。即ち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、例えば幅が10mm程度の帯状のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
トレッド部2のトレッド面21には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝22がタイヤ幅方向に並んで形成され、タイヤ幅方向に延びるラグ溝(図示省略)がタイヤ周方向に並んで形成されている。トレッド面21には、これらの周方向主溝22やラグ溝等の溝によって、トレッドパターンが形成される。本実施形態では、周方向主溝22は4本形成されており、タイヤ赤道面CLを挟むようにタイヤ幅方向の中央に隣接して設けられた2本のセンター主溝22Aと、各センター主溝22Aのタイヤ幅方向外側にそれぞれ設けられたショルダー主溝22Bと、を有している。
また、トレッド面21は、4本の周方向主溝22により、1つのセンター陸部23Aと、2つのミドル陸部23Bと、2つのショルダー陸部23Cと、の5つの陸部23が画成されている。このうち、センター陸部23Aは、2本のセンター主溝22Aの間に設けられると共にタイヤ幅方向における両側が2本のセンター主溝22Aによって画成され、タイヤ赤道面CL上に配置される。また、ミドル陸部23Bは、センター主溝22Aと、当該センター主溝22Aのタイヤ幅方向外側で当該センター主溝22Aに対して隣り合うショルダー主溝22Bとによって画成され、センター陸部23Aのタイヤ幅方向における両側に配置される。また、ショルダー陸部23Cは、ショルダー主溝22Bを介してミドル陸部23Bのタイヤ幅方向外側に位置してミドル陸部23Bに隣り合い、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側に配置される。なお、周方向主溝22は、厳密にタイヤ周方向に沿って延在していなくてもよく、例えば、タイヤ周方向に向かいつつタイヤ幅方向に振幅していてもよい。
ここでいう周方向主溝22は、1mm以上の溝幅を有し、4mm以上の溝深さを有し、少なくとも一部がタイヤ周方向に延在する縦溝をいう。周方向主溝22は、内部にトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を有する。トレッドウェアインジケータは、摩耗末期を示す。なお、周方向主溝22は、トレッドウェアインジケータの表示義務を有する周方向主溝22のみならず、トレッドウェアインジケータの表示義務を有する周方向主溝22よりも溝幅が狭い周方向細溝も含む。なお、トレッドウェアインジケータの表示義務を有する周方向主溝22は、一般に、6mm以上の溝幅を有し、7mm以上の溝深さを有する縦溝をいう。また、ラグ溝は、2mm以上の溝幅を有し、3mm以上の溝深さを有し、少なくとも一部がタイヤ幅方向に延在する横溝をいう。ラグ溝は、陸部23をタイヤ幅方向に貫通するオープン構造でもよいし、一方の端部が陸部23で終端するセミクローズド構造でもよいし、両方の端部が陸部23で終端するクローズド構造でもよい。
また、周方向主溝22やラグ溝は、本実施形態での構成以外の構成で設けられていてもよい。周方向主溝22やラグ溝等の溝によって形成されるトレッドパターンは、空気入りタイヤ1の用途等に応じて適宜設定されるのが好ましい。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1には、タイヤサイド部10の表面であるタイヤサイド面11に、複数の凸部80が設けられている。つまり、凸部80は、空気入りタイヤ1の表面における、トレッド面21の接地端TとリムチェックラインRとの間の範囲内に配置されている。凸部80は、タイヤ幅方向における両側に位置する双方のタイヤサイド面11に、それぞれに設けられている。
図2は、図1のA−A矢視図である。凸部80が配設されるタイヤサイド面11は、回転軸AXを囲むように設けられた輪帯状の領域になっている。タイヤサイド面11に配設される複数の凸部80は、複数がタイヤ径方向に並んで配置され、また、タイヤ周方向においてに途切れることなく、連続的に配置されている。
なお、凸部80は、タイヤサイド面11におけるタイヤ径方向に対しては、タイヤ径方向の全領域に設けられていなくてもよい。凸部80は、タイヤサイド面11におけるタイヤ径方向の一部の領域のみ、即ち、トレッド面21の接地端TとリムチェックラインRとの間の範囲における一部の領域のみに設けられていてもよい。
図3は、図2に示す凸部80の斜視図である。凸部80は、角錐状の形状で形成されており、具体的には、四角錐状に形成されている。凸部80は、4つの底辺82と、4つの斜辺87とを有しており、1つの底辺82と2つの斜辺87とによって、三角形状の斜面88が形成されている。凸部80は、斜面88を4つ有しており、4つの斜面88は、頂点が合致するように設けられている。凸部80は、4つの斜面88の頂点によって、凸部80においてタイヤサイド面11から最も離れた部分である先端部89が形成されている。この先端部89は、凸部80の形状である四角錐の頂点になっている。
複数の凸部80は、それぞれ底面がタイヤサイド面11側に位置する向きで設けられている。これにより凸部80は、タイヤサイド面11から突出している。これらの凸部80は、隣接する凸部80同士で、四角錐の底辺82同士を共有して配置されている。タイヤサイド面11には、隣接する凸部80において底辺82が共有される複数の凸部80によって、タイヤサイド面11にPCCPシェル(pseudo cylindrical concave polyhedral shell)構造が設けられる。
また、タイヤサイド面11から突出する凸部80は、タイヤサイド面11からの高さHcが、全て0.5mm以上5.0mm以下の範囲内になっている。なお、凸部80の高さHcとは、凸部80が設けられるタイヤサイド面11と直交する方向に関する、タイヤサイド面11と凸部80の先端部89との距離をいう。凸部80の高さHcが、タイヤサイド面11と直交する方向に関する、底辺82と先端部89との距離とみなされてもよい。
また、タイヤサイド面11に配設される凸部80は、タイヤ径方向において隣り合う凸部80同士で角錐の底辺同士を共有しており、また、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80は、底面の大きさが複数の種類で形成されている。具体的には、本実施形態では凸部80は、タイヤ径方向に3列が配設されている。3列の凸部80は、タイヤ径方向における最も外側に位置する第1凸部91と、第1凸部91に隣接してタイヤ径方向における第1凸部91の内側に配設される第2凸部92と、タイヤ径方向における最も内側に位置し、第2凸部92に隣接してタイヤ径方向における第2凸部92の内側に配設される第3凸部93とにより構成されている。これらの第1凸部91と第2凸部92と第3凸部93とは、互いに底面の大きさが異なっている。
図4は、図2のB部詳細図である。第1凸部91と第2凸部92と第3凸部93とは、第2凸部92の底面の大きさが最も大きくなっており、次に第1凸部91の底面の大きさが大きくなっており、第3凸部93の底面の大きさが最も小さくなっている。即ち、第2凸部92は、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80のうち底面の大きさが最も大きい凸部80である最大凸部として設けられており、第3凸部93は、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80のうち底面の大きさが最も小さい凸部80である最小凸部として設けられている。これらの凸部80は、平面視における形状がそれぞれ異なっており、第2凸部92は、平面視における形状が、略正方形の形状になっている。一方、第1凸部91と第3凸部93とは、平面視における形状が、タイヤ径方向における幅よりもタイヤ周方向における幅の方が大きくなる略長方形の形状で形成されている。
また、第1凸部91と第2凸部92とは、タイヤ周方向における幅がほぼ同じ大きさになっており、タイヤ径方向における幅が、第1凸部91よりも第2凸部92の方が大きくなっている。これにより、第1凸部91の底面の大きさよりも、第2凸部92の底面の大きさの方が大きくなっている。また、第2凸部92と第3凸部93とは、第2凸部92のタイヤ周方向における幅が、第3凸部93のタイヤ周方向における幅の約2倍の大きさになっており、第3凸部93のタイヤ径方向における幅は、第1凸部91のタイヤ径方向における幅よりも小さくなっている。
また、タイヤ径方向において隣り合う第1凸部91と第2凸部92とは、タイヤ周方向における位置が同じ位置となって配置されている。即ち、タイヤ径方向において隣り合う第1凸部91と第2凸部92とは、タイヤ周方向における位置が揃って配置されている。
また、タイヤ径方向において隣り合う第2凸部92と第3凸部93とは、第2凸部92のタイヤ周方向における範囲に、2つの第3凸部93がタイヤ周方向に並んで配置されている。換言すると、タイヤ周方向に並ぶ2つの第3凸部93と、タイヤ径方向においてこれらの第3凸部93と隣り合う第2凸部92とは、2つの第3凸部93が配置されるタイヤ周方向における範囲と、第2凸部92が配置されるタイヤ周方向における位置とが揃っている。
これらのため、タイヤ径方向に並ぶ第1凸部91と第2凸部92と第3凸部93とは、1つの第1凸部91と、1つの第2凸部92と、同じ第2凸部92に隣接してタイヤ周方向に隣り合う2つの第3凸部93とで、タイヤ周方向における配置範囲がほぼ同じ範囲になっている。
図5は、図4に示す第1凸部91の平面図である。図6は、図4に示す第2凸部92の平面図である。図7は、図4に示す第3凸部93の平面図である。第1凸部91と第2凸部92と第3凸部93との各凸部80の底辺82は、タイヤ周方向に延びて配置される周方向底辺83及び周方向底辺84と、タイヤ径方向に延びて配置される径方向底辺85及び径方向底辺86とを有している。複数の凸部80のうち、タイヤ周方向に隣接する凸部80同士は、径方向底辺85及び径方向底辺86を共有し、タイヤ径方向に隣接する凸部80同士は、周方向底辺83及び周方向底辺84を共有する。
これらの底辺82のうち、周方向底辺83は、周方向底辺84よりもタイヤ径方向の外側に配置される。なお、周方向底辺83及び周方向底辺84は、厳密にはタイヤ周方向に沿う曲線であり、周方向底辺83の寸法Wc(弧長)は、周方向底辺84の寸法Wc(弧長)よりも長い。また、径方向底辺85及び径方向底辺86は、厳密には平行でなく、タイヤ径方向内側に向かって径方向底辺85と径方向底辺86との距離は短くなる。一方、凸部80の大きさは、空気入りタイヤ1全体の大きさに比べて十分に小さい。そのため、周方向底辺83と周方向底辺84とは直線であり、平行であるとみなされてもよく、同様に、径方向底辺85と径方向底辺86とも直線であり、平行であるとみなされてもよい。
また、周方向底辺83及び周方向底辺84の寸法Wcと、径方向底辺85及び径方向底辺86の寸法Wrとは、第1凸部91と第2凸部92と第3凸部93とで、相対的な大きさがそれぞれ異なっている。
例えば、第1凸部91は、径方向底辺85及び径方向底辺86の寸法Wrよりも、周方向底辺83及び周方向底辺84の寸法Wcの方が大幅に大きくなっている。これにより、第1凸部91は、4つの底辺82で規定される形状が、タイヤ径方向における幅よりもタイヤ周方向における幅の方が大きくなる略長方形の形状になっている。
また、第2凸部92は、周方向底辺83及び周方向底辺84の寸法Wcと、径方向底辺85及び径方向底辺86の寸法Wrとが、ほぼ同じ大きさになっている。このため、第2凸部92は、4つの底辺82で規定される形状が、略正方形の形状になっている。
また、第3凸部93は、径方向底辺85及び径方向底辺86の寸法Wrよりも、周方向底辺83及び周方向底辺84の寸法Wcの方が大幅に大きくなっている。これにより、第3凸部93は、4つの底辺82で規定される形状が、第1凸部91と同様にタイヤ径方向における幅よりもタイヤ周方向における幅の方が大きくなる略長方形の形状になっている。
また、タイヤ径方向に隣り合う第1凸部91と第2凸部92とは、第1凸部91の周方向底辺84の寸法Wcと、第2凸部92の周方向底辺83の寸法Wcの寸法とが同じ大きさになっており、第1凸部91の周方向底辺84と第2凸部92の周方向底辺83とは、共有する底辺82になっている。
また、タイヤ径方向に隣り合う第2凸部92と第3凸部93とは、第2凸部92の周方向底辺84の寸法Wcが、第3凸部93の周方向底辺83の寸法Wcの寸法の約2倍の大きさになっている。これらのタイヤ径方向に隣り合う第2凸部92と第3凸部93とは、第2凸部92が位置するタイヤ周方向における範囲と同じ範囲でタイヤ周方向に並ぶ2つの第3凸部93のそれぞれの周方向底辺83と、第2凸部92の周方向底辺84とが、共有する底辺82になっている。
また、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80同士は、タイヤ周方向における配置範囲がほぼ同じ範囲となって配置されているため、それぞれの凸部80においてタイヤ径方向に延びる2本の底辺82のうち、少なくとも一方の底辺82が、タイヤ径方向において隣り合う凸部80同士でタイヤ周方向における位置が同じ位置となって配置されている。
例えば、タイヤ径方向に隣接する第1凸部91と第2凸部92とは、第1凸部91の径方向底辺85と第2凸部92の径方向底辺85とのタイヤ周方向における位置が同じ位置になっており、第1凸部91の径方向底辺86と第2凸部92の径方向底辺86とのタイヤ周方向における位置が同じ位置になっている。
また、タイヤ径方向に隣接する第2凸部92と2つの第3凸部93とは、第2凸部92の径方向底辺85と、2つの第3凸部93のうち第2凸部92の径方向底辺85寄りに位置する第3凸部93の径方向底辺85とのタイヤ周方向における位置が同じ位置になっており、第2凸部92の径方向底辺86と、2つの第3凸部93のうち第2凸部92の径方向底辺86寄りに位置する第3凸部93の径方向底辺86とのタイヤ周方向における位置が同じ位置になっている。
これらのように設けられる凸部80は、最大凸部である第2凸部92の底面の外周長さが、最小凸部である第3凸部93の底面の外周長さの600%以下であり、第3凸部93の底面の外周長さは、第2凸部92の底面の外周長さの95%以下になっている。つまり、第2凸部92と第3凸部93とは、第2凸部92の2本の周方向底辺83,84と2本の径方向底辺85,86との4本の底辺82を足した合計の長さL2と、第3凸部93の2本の周方向底辺83,84と2本の径方向底辺85,86との4本の底辺82を足した合計の長さL3との関係が、L2がL3の600%以下で、且つ、L3がL2の95%以下となる関係になっている。換言すると、第2凸部92と第3凸部93とは、第2凸部92の底面の外周長さL2と、第3凸部93の底面の外周長さL3との関係が、(L3×1.05)≦L2≦(L3×6)の範囲内になっている。
凸部80は、これらのようにタイヤ径方向に並ぶ凸部80同士で底面の大きさが異なっているのみでなく、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80は、高さHcも複数の種類で形成されている。具体的には、凸部80の高さHcは、最大凸部である第2凸部92の高さHcが最も高く、最小凸部である第3凸部93の高さHcが最も低くなっており、第1凸部91の高さHcは、第2凸部92の高さHcと第3凸部93の高さHcとの間の高さになっている。タイヤ径方向に並ぶ凸部80は、タイヤサイド面11からの高さHcが0.5mm以上5.0mm以下の範囲内で、凸部80ごとに高さHcが異なっている。
一方、凸部80は、タイヤ径方向における位置が同じ位置でタイヤ周方向において隣り合う凸部80同士では、タイヤサイド面11からの高さHcが同一になっている。つまり、タイヤ周方向に並んで設けられる複数の第1凸部91は、全ての第1凸部91で高さHcが実質的に同じ高さになっており、タイヤ周方向に並んで設けられる複数の第2凸部92は、全ての第2凸部92で高さHcが実質的に同じ高さになっており、タイヤ周方向に並んで設けられる複数の第3凸部93は、全ての第3凸部93で高さHcが実質的に同じ高さになっている。
同様に、底面の大きさについても、タイヤ径方向における位置が同じ位置でタイヤ周方向に並ぶ凸部80同士で、実質的に同じ大きさになっている。つまり、タイヤ周方向に並んで設けられる全ての第1凸部91で、底面の大きさが実質的に同じ大きさになっており、タイヤ周方向に並んで設けられる全ての第2凸部92で、底面の大きさが実質的に同じ大きさになっており、タイヤ周方向に並んで設けられる全ての第3凸部93で、底面の大きさが実質的に同じ大きさになっている。
複数が設けられる凸部80の、タイヤサイド面11上におけるタイヤ径方向の位置は、本実施形態では、第2凸部92がタイヤ最大幅位置M(図1参照)に配置される位置に配設されている。この場合におけるタイヤ最大幅位置Mは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、空気入りタイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤサイド面11から突出する構造物を除いたタイヤ幅方向における寸法が最大となる位置のタイヤ径方向における位置である。これにより、複数の凸部80は、第2凸部92がタイヤ最大幅位置Mに位置し、第1凸部91がタイヤ最大幅位置Mよりもタイヤ径方向外側に位置し、第3凸部93がタイヤ最大幅位置Mよりもタイヤ径方向内側に位置して配設されている。
これらのように構成される空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド面21における下方に位置する部分が路面に接触しながら、当該空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド面21と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。
また、車両の走行時は、空気入りタイヤ1は車体の重量や、加減速、旋回に伴う荷重を受けるため、空気入りタイヤ1を構成するトレッド部2やサイドウォール部4等の各部位には、車両の走行状態に応じた荷重が作用する。空気入りタイヤ1を構成する各部位は、作用した荷重によって撓みが発生するが、この撓みは操縦安定性に大きく影響し、例えば、撓みが大き過ぎる場合は、車両は不必要な挙動が発生して操縦安定性が低下する。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、タイヤサイド面11に複数の凸部80が配置されており、即ち、操縦安定性を確保する際における寄与率が高いサイドウォール部4の表面に複数の凸部80が配置されている。この複数の凸部80は、それぞれが四角錐の形状で形成され、互いに隣接しながら途切れることなく、連続的にタイヤサイド面11に配置されているため、サイドウォール部4を含むタイヤサイド部10の剛性を高くすることができる。その際に、複数の凸部80は、タイヤサイド面11に形成されているのみであり、タイヤサイド部10の構造を大きく変えるものではないため、タイヤサイド部10の剛性を大幅に高くすることなく、適度に高くすることができる。これにより、サイドウォール部4は、車両の走行時に路面の凹凸を吸収して乗り心地を確保できる程度に撓むことを許容できる程度に、剛性が高くなっている。このため、車両旋回時に作用する荷重を、適切な強度でサイドウォール部4で受けることが可能になり、操縦安定性を確保することができる。
つまり、車両が旋回をする場合には、車両の幅方向において旋回半径の外側に位置する空気入りタイヤ1における、車両装着方向外側に位置するサイドウォール部4に、大きな荷重が作用し易くなる。このため、タイヤサイド面11に複数の凸部80を配置し、サイドウォール部4を含むタイヤサイド部10の剛性が適度に高くなることにより、車両の旋回時に発生する荷重によってサイドウォール部4が大きく撓むことを抑制することができる。これにより、車両の走行時における操縦安定性を確保することができる。
ここで、操縦安定性を確保するためには、空気入りタイヤ1のトレッドパターンやトレッド面21のプロファイルを調整したり、空気入りタイヤ1の内部構造を調整したりする手法が用いられることがあるが、これらの調整は製造コストの上昇につながったり、空気入りタイヤ1を製造する設備の関係上、実施することができないことがある。これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤサイド面11に凸部80を設けるのみであるため、空気入りタイヤ1の製造に用いる金型によって容易に凸部80を形成することができ、容易に操縦安定性を確保することができる。
さらに、タイヤサイド面11に配設される凸部80は、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80同士で底面の大きさが複数の種類で形成されるため、適切な大きさの剛性を容易に確保することができる。つまり、剛性が必要な位置には、底面が大きな凸部80を配置し、それほど大きな剛性が必要ない位置には、底面が小さな凸部80を配置することにより、タイヤ径方向における位置ごとに必要な剛性を容易に確保することができる。これにより、空気入りタイヤ1に作用する荷重に対する、サイドウォール部4を含むタイヤサイド部10の撓みを、より細かに調整することができ、より確実に所望の剛性を確保することができる。これらの結果、操縦安定性を容易に向上させることができる。
また、凸部80は、トレッド面21の接地端TとリムチェックラインRとの間の範囲内に配置されるため、路面に接触するトレッド部2とリムホイールに嵌合するビード部5との間で荷重を伝達する領域に凸部80を配置することができる。これにより、路面とリムホイールとの間で作用する荷重を、より適切な剛性で受けることができ、操縦安定性を確保することができる。また、凸部80は、空気入りタイヤ1の表面において、路面に接地するトレッド面21等のように他の機能が求められる領域以外の領域に配置されるため、他の機能に影響を与えることなく、容易に凸部80を設けることができる。この結果、より確実に容易に操縦安定性を向上させることができる。
また、凸部80は、タイヤサイド面11からの高さHcが0.5mm以上5.0mm以下の範囲内であるため、重量の増加や空気抵抗の増加を抑えつつ、凸部80によってサイドウォール部4の剛性を向上させることができる。つまり、凸部80の高さHcが0.5mm未満である場合は、高さHcが低すぎるため、タイヤサイド面11に凸部80を配置しても、タイヤサイド部10の剛性を凸部80によって高くし難くなる可能性がある。また、凸部80の高さHcが5.0mmを超える場合は、凸部80自体の体積が大きくなり過ぎて重量が大きくなるため、空気入りタイヤ1全体の重量が増加し過ぎたり、体積が大きい凸部80によって空気抵抗が増加し過ぎたりする可能性がある。この場合、重量や空気抵抗が大きくなる過ぎることが原因となって操縦安定性を効果的に向上させるのが困難になる可能性がある。これに対し、凸部80の高さHcが、0.5mm以上5.0mm以下の範囲内である場合は、凸部80が大きくなり過ぎることに起因して重量や空気抵抗が大きくなり過ぎることを抑制しつつ、凸部80によってタイヤサイド部10の剛性を所望の大きさにすることができる。この結果、より確実に操縦安定性を向上させることができる。
また、凸部80は、タイヤ周方向において隣り合う凸部80同士でタイヤサイド面11からの高さHcが同一であるため、タイヤ周方向に並んで配設される凸部80同士で高さHcが互いに異なることに起因して、タイヤ径方向上での剛性差が発生したり、応力集中が発生したりすることを抑制することができる。これにより、剛性差や応力集中に起因する故障を抑制することができ、耐久性が低下することを抑制することができる。また、タイヤ周方向における剛性差を抑制できるため、ユニフォミティの低下を抑制することができる。この結果、耐久性やユニフォミティの低下を抑制しつつ、操縦安定性を向上させることができる。
また、凸部80は、最大凸部である第2凸部92の底面の外周長さL2が、最小凸部である第3凸部93の底面の外周長さL3の600%以下で、且つ、第3凸部93の底面の外周長さL3が、第2凸部92の底面の外周長さL2の95%以下であるため、各凸部80の剛性を適切な範囲内にしつつ、凸部80同士で適切な剛性差を生じさせることができる。つまり、最大凸部の底面の外周長さL2が、最小凸部の底面の外周長さL3の600%を超えると、最大凸部の剛性が高くなり過ぎ、最小凸部に対して過負荷となる可能性がある。この場合、凸部80が配設される領域に荷重が作用した際に、最大凸部はこの荷重によって変形し難くなり、その分、剛性が低い最小凸部が大きく変形するため、最小凸部は形状を保持できずにタイヤ径方向に潰れてしまう可能性がある。最小凸部が潰れてしまった場合、タイヤサイド部10に作用する荷重を複数の凸部80で効果的に受けるのが困難になり、操縦安定性を向上させるのが困難になる可能性がある。また、最小凸部の底面の外周長さL3が、最大凸部の底面の外周長さL2の95%を超える場合、最小凸部と最大凸部とで効果的な剛性差が生じ難くなるため、タイヤ径方向における位置ごとに適した剛性を確保するのが困難になる可能性がある。
これに対し、最大凸部の底面の外周長さL2が、最小凸部の底面の外周長さL3の600%以下で、且つ、第3凸部93の底面の外周長さL3が、第2凸部92の底面の外周長さL2の95%以下である場合は、各凸部80の剛性をそれぞれ適切な範囲内にしつつ、タイヤ径方向において異なる位置に配置される凸部80同士で、適切な剛性差を生じさせることができる。この結果、より確実に操縦安定性を向上させることができる。
また、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80は、それぞれの凸部80においてタイヤ径方向に延びる2本の径方向底辺85,86のうち少なくとも一方の径方向底辺85,86が、タイヤ径方向において隣り合う凸部80同士でタイヤ周方向における位置が同じ位置となって配置されるため、底面が小さい側の凸部80が潰れることを抑制することができる。つまり、底面の大きさが異なる凸部80同士は互いに剛性が異なるため、これらの凸部80同士をタイヤ径方向において隣り合うように配置した場合、底面の大きさが小さく剛性が低い側の凸部80に、応力集中が発生し易くなる。特に、底面が小さい側の凸部80のタイヤ周方向における範囲の一部が、底面が大きい側の凸部80のタイヤ周方向における範囲内に位置する場合、底面が小さい側の凸部80における、底面が大きい側の凸部80のタイヤ周方向における範囲が重なっている部分に、大きな応力集中が発生し易くなる。底面が小さい側の凸部80に大きな応力集中が発生した場合、当該凸部80は大きく変形してタイヤ径方向に潰れが発生する可能性があり、タイヤサイド部10に作用する荷重を、複数の凸部80で効果的に受けるのが困難になる可能性がある。
これに対し、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80で、2本の径方向底辺85,86のうち少なくとも一方の径方向底辺85,86のタイヤ周方向における位置を同じ位置にした場合は、底面が小さい側の凸部80を、底面が大きい側の凸部80のタイヤ周方向における範囲内に配置することができる。これにより、タイヤ径方向に隣り合う凸部80同士のうち、底面が小さい側の凸部80で応力集中が発生することに起因する凸部80の潰れを抑制でき、タイヤ径方向において異なる位置に配置されるそれぞれの凸部80で、タイヤ径方向における位置に応じた適切な剛性をそれぞれ発生させることができる。この結果、より確実に操縦安定性を向上させることができる。
また、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80は、高さHcが複数の種類で形成されるため、タイヤ径方向における位置ごとに、当該位置に適した剛性をより確実に確保することができる。この結果、より確実に、容易に操縦安定性を向上させることができる。
また、タイヤサイド面11に配設される複数の凸部80は、第2凸部92がタイヤ最大幅位置Mに位置しているため、サイドウォール部4においてタイヤ径方向に最も撓み位置の剛性を、複数の凸部80のうち最も剛性が高い最大凸部である第2凸部92によって向上させることができる。これにより、大きな撓みが発生し易い位置の撓みを、より確実に抑制することができ、操縦安定性への影響が大きい位置の剛性を、より確実に確保することができる。この結果、より確実に、容易に操縦安定性を向上させることができる。
また、底面が最も大きい第2凸部92のタイヤ径方向における両側に、第2凸部92よりも底面の大きさが小さい第1凸部91と第3凸部93とを配置しているため、タイヤサイド部10に凸部80を配設することによって剛性を向上させる際に、剛性を緩やかに変化させることができる。これにより、タイヤサイド部10に凸部80を配設した際に、剛性が急激に変化する位置が生じることを抑制することができ、剛性が急激に変化することに起因して、タイヤサイド部10に新たに大きな撓みが発生する位置が発生することを抑制することができる。この結果、より確実に操縦安定性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、凸部80は、トレッド面21の接地端TとリムチェックラインRとの間の範囲内に配置されているが、凸部80は、これ以外の範囲内に配置されていてもよい。図8は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、リムプロテクトバーPが設けられる場合における凸部80の配置範囲の説明図である。タイヤサイド面11に配設される複数の凸部80は、タイヤサイド部10にリムプロテクトバーPが設けられる場合は、凸部80は、接地端TとリムプロテクトバーPとの間の範囲内に配置してもよい。ここでいうリムプロテクトバーPは、ビード部5にリムホイールが嵌合した際リムを保護するためのであり、リムチェックラインRよりもタイヤ径方向外側の位置でタイヤ幅方向外側に突出し、タイヤ周方向に延在する部位である。タイヤサイド部10にリムプロテクトバーPが設けられる場合は、凸部80を配置する範囲のタイヤ径方向内側の端部は、リムプロテクトバーPにおける、タイヤ幅方向外側に最も突出している部分としてもよい。
また、凸部80が配設される範囲のタイヤ径方向外側の端部の位置も、トレッド面21の接地端T以外の位置に規定してもよい。例えば、トレッド面21のデザインエンドEを、凸部80を配設する範囲のタイヤ径方向外側の端部としてもよい。ここでいうデザインエンドEは、接地端Tのタイヤ幅方向外側であってトレッド部2のタイヤ幅方向最外側端をいい、トレッド部2において溝が形成されるタイヤ幅方向最外側端をいう。即ち、トレッド部2は、乾燥した平坦な路面において、接地端TよりもデザインエンドE側の領域は、通常路面に接地しない領域となる。凸部80を配置する範囲は、このデザインエンドEを、タイヤ径方向外側の端部としてもよい。
また、上述した実施形態では、凸部80はタイヤ幅方向両側のタイヤサイド面11に配設されているが、凸部80は、タイヤ幅方向における一方のタイヤサイド面11のみに配設されていてもよい。例えば、車両の旋回時には、旋回半径方向外側に位置する空気入りタイヤ1のうち、車両装着方向における外側のタイヤサイド部10に、大きな荷重が作用し易くなるため、凸部80は、車両装着方向における外側に位置するタイヤサイド部10のタイヤサイド面11のみに配設されていてもよい。車両装着方向における外側に位置するタイヤサイド面11に複数の凸部80を配設することにより、大きな荷重が作用し易い位置の剛性を確保することができ、操縦安定性を確保することができる。このように、複数の凸部80は、少なくとも一方のタイヤサイド面11に配設されていればよい。
また、上述した実施形態では、タイヤサイド面11に配設される複数の凸部80は、最大凸部である第2凸部92がタイヤ最大幅位置Mに位置するように配設されているが、複数の凸部80は、最大凸部がタイヤ最大幅位置M以外に位置するように配設されていてもよい。最大凸部は、空気入りタイヤ1の構造や使用形態等に応じて、タイヤサイド部10のタイヤ径方向における位置のうち、剛性を高くするのが好ましい位置に配置するのが望ましい。
また、上述した実施形態では、凸部80として第1凸部91と第2凸部92と第3凸部93との3種類が設けられているが、タイヤサイド面11に配設される凸部80は、3種類以外でもよい。つまり、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80は、底面の大きさが3種類以外でもよい。タイヤサイド面11に配設される複数の凸部80は、底面の大きさが2種類でもよく、または4種類以上でもよい。タイヤサイド面11に配設される複数の凸部80は、底面の大きさが複数の種類で形成されていればよい。
また、上述した実施形態では、タイヤ幅方向両側のタイヤサイド面11で、凸部80は同じ形態で配設されているが、凸部80は、タイヤ幅方向両側のタイヤサイド面11で、異なる形態で配設されていてもよい。例えば、車両装着方向における内側に位置するタイヤサイド面11に配設される凸部80よりも、車両装着方向における外側に位置するタイヤサイド面11に配置される凸部80の方が、底面が大きかったり、高さHcが高かったりしてもよい。または、タイヤ幅方向両側のタイヤサイド面11で、タイヤ径方向における位置が異なる凸部80同士の底面の大きさの変化の仕方や、最大凸部や最小凸部の配置位置が異なっていてもよい。凸部80は、それぞれのタイヤサイド面11において、タイヤ径方向に並ぶ複数の凸部80で、底面の大きさが複数の種類で形成されていればよい。
〔実施例〕
図9A〜図9Cは、空気入りタイヤ1の性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、操縦安定性についての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが215/60R17サイズの空気入りタイヤ1をJATMA標準リムのリムホイールにリム組みして、正規内圧を充填し、排気量が3500ccの前輪駆動の乗用車を試験車両として、試験タイヤを試験車両の総輪に装着してテスト走行をすることにより行った。
各試験項目の評価方法は、試験タイヤを装着した試験車両をテストドライバーが走行させ、走行時の操縦安定性についての官能評価を行った。操縦安定性は、後述する従来例を100とする評点で表示され、数値が大きいほど、操縦安定性についての性能が優れていることを示している。
評価試験は、従来の空気入りタイヤ1の一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜20と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例との22種類の空気入りタイヤについて行った。これらの空気入りタイヤ1のうち、従来例の空気入りタイヤは、タイヤサイド面11に凸部80が配置されておらず、タイヤ径方向におけるビードフィラー52の高さであるビードフィラー高さが30mmになっている。また、比較例の空気入りタイヤは、タイヤサイド面11に凸部80が配置されているものの、タイヤ径方向に並ぶ凸部80で、底面の大きさが全て同じ大きさになっている。また、比較例の空気入りタイヤも、ビードフィラー高さは30mmになっている。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜20は、全てタイヤサイド面11に凸部80が配置されており、タイヤ径方向に並ぶ凸部80で、底面の大きさが複数の種類の大きさになっており、ビードフィラー高さは30mmになっている。また、実施例1〜20に係る空気入りタイヤ1は、凸部80の高さHcや、タイヤ周方向で凸部80の高さHcが同一であるか否か、最小凸部に対する最大凸部の外周長さの差が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、図9A〜図9Cに示すように、実施例1〜20の空気入りタイヤ1は、底面の大きさが異なる複数の凸部80をタイヤ周方向に並べてタイヤサイド面11に配設するのみで、従来例や比較例に対して、操縦安定性を向上させることができることが分かった。つまり、実施例1〜20に係る空気入りタイヤ1は、操縦安定性を容易に向上させることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 ショルダー部
4 サイドウォール部
5 ビード部
6 カーカス層
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 タイヤサイド部
11 タイヤサイド面
21 トレッド面
22 周方向主溝
23 陸部
80 凸部
82 底辺
91 第1凸部
92 第2凸部(最大凸部)
93 第3凸部(最小凸部)

Claims (7)

  1. タイヤ幅方向における両側に位置するタイヤサイド部の表面であるタイヤサイド面と、
    少なくとも一方の前記タイヤサイド面に角錐状の形状で設けられ、底面が前記タイヤサイド面側に位置する向きで配設されて前記タイヤサイド面から突出する凸部と、
    を備え、
    前記凸部は、複数がタイヤ径方向に並ぶと共に、タイヤ径方向において隣り合う前記凸部同士で角錐の底辺同士を共有し、且つ、タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部は、前記底面の大きさが複数の種類で形成されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記凸部は、トレッド面の接地端とリムチェックラインとの間の範囲内に配置される請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記凸部は、前記タイヤサイド面からの高さが0.5mm以上5.0mm以下の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記凸部は、タイヤ周方向において隣り合う前記凸部同士で前記タイヤサイド面からの高さが同一である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記凸部は、
    タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部のうち、前記底面の大きさが最も大きい前記凸部である最大凸部の前記底面の外周長さが、
    タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部のうち、前記底面の大きさが最も小さい前記凸部である最小凸部の前記底面の外周長さの600%以下であり、
    前記最小凸部の前記底面の外周長さは、前記最大凸部の前記底面の外周長さの95%以下である請求項1〜4のいずれか1項の記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部は、それぞれの前記凸部においてタイヤ径方向に延びる2本の前記底辺のうち少なくとも一方の前記底辺が、タイヤ径方向において隣り合う前記凸部同士でタイヤ周方向における位置が同じ位置となって配置される請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. タイヤ径方向に並ぶ複数の前記凸部は、高さが複数の種類で形成される請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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