JP2016168977A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの操縦安定性能を向上できる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、一対の交差ベルト141、142を有するベルト層14と、ベルト層14の外周に配置されたトレッドゴム15とを備える。また、タイヤ赤道面CLを境界とする第一領域の溝面積A1と、第二領域の溝面積A2とが、A1<A2の関係を有する。また、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端T1(T2)を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LAと、幅広な交差ベルト141のエッジ部を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LBと、ベルト層14の外周面とに囲まれて成る第一領域側の第一端部領域R1および第二領域側の第二端部領域R2をそれぞれ定義する。このとき、第一端部領域R1におけるゴム材料の比重G1と、第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2とが、G1<G2の関係を有する。
【選択図】図2

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの操縦安定性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤでは、タイヤの操縦安定性能(特に、旋回性能)およびウェット性能を向上させるために、車両装着状態にて車幅方向外側となる領域の溝面積を小さくし、車幅方向内側となる領域の溝面積を大きくした非対称トレッドパターンが採用されている。また、かかる構成では、タイヤ左右の重量バランスを均一化するために、タイヤ左右に配置されたウイングチップ、サイドウォールゴムなどのタイヤサイド部のゴム部材の比重を相異させた構造が提案されている。かかる従来の構造を採用する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特許第5061606号公報
この発明は、タイヤの操縦安定性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、一対の交差ベルトを有するベルト層と、前記ベルト層の外周に配置されたトレッドゴムとを備える空気入りタイヤであって、タイヤ赤道面を境界とする第一領域の溝面積A1と、第二領域の溝面積A2とが、A1<A2の関係を有し、且つ、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LAと、幅広な前記交差ベルトのエッジ部を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LBと、前記ベルト層の外周面とに囲まれて成る前記第一領域側の第一端部領域および前記第二領域側の第二端部領域をそれぞれ定義するときに、前記第一端部領域におけるゴム材料の比重G1と、前記第二端部領域におけるゴム材料の比重G2とが、G1<G2の関係を有することを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、小さい溝面積A1を有する第一領域では、第一端部領域R1のゴム材料の比重G1が、他方の第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2よりも軽い。また、大きい溝面積A2を有する第二領域では、第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2が、他方の第一端部領域R1におけるゴム材料の比重G1よりも重い。すると、タイヤ転動時における第二端部領域R2のせり上がり量が増加して、タイヤ左右のトレッド形状のアンバランスが緩和される。これにより、タイヤ転動時の直進性が向上して、タイヤの操縦安定性能が向上する利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤの異種ゴムを示す説明図である。 図3は、図1に記載した空気入りタイヤの異種ゴムを示す説明図である。 図4は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図5は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図6は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図7は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
この空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、複数のビードワイヤを束ねて成る環状部材であり、左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を構成する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角)を有する。
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143および一対のベルトエッジカバー144とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角)を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される(クロスプライ構造)。ベルトカバー143および一対のベルトエッジカバー144は、スチールあるいは有機繊維材から成るベルトコードをコートゴムで被覆して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー143および一対のベルトエッジカバー144は、例えば、1本あるいは複数本のベルトコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142のタイヤ径方向外側かつタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成される。また、ベルトカバー143は、交差ベルト141、142の全域に渡って配置され、一対のベルトエッジカバー144は、交差ベルト141、142の左右のエッジ部にのみ配置される。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、リムフランジに対する左右のビード部の接触面を構成する。
なお、トレッドゴム15の詳細な構造については、後述する。
[非対称トレッドパターン]
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面CLを境界とする左右非対称なトレッドパターンを備えることにより、タイヤ左右の領域の溝面積が相互に異なる。すなわち、タイヤ赤道面CLを境界とする一方の領域(以下、第一領域という。)の溝面積A1と、他方の領域(以下、第二領域という。)の溝面積A2とが、A1<A2の関係を有する。
例えば、図1の構成では、空気入りタイヤ1が、タイヤ周方向に延在する4本の周方向溝21〜24と、これらの周方向溝21〜24に区画された5列の陸部31〜35とをトレッド部に備えている。また、各陸部31〜35が、複数のラグ溝(図示省略)を有している。また、4本の周方向溝21〜24がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。また、一方の最外周方向溝21が、細浅溝であり、他の3本の周方向溝22〜24が、周方向主溝である。また、1つの陸部33が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。これにより、タイヤ左右の領域の溝面積A1、A2に差が設けられている。その結果として、タイヤ左右の領域の溝容積が相互に異なり、また、タイヤ左右の領域のトレッドゴム15のゴムボリュームが相互に異なっている。
なお、上記に限らず、3本あるいは5本以上の周方向溝が配置されても良い(図示省略)。また、複数の周方向溝がタイヤ赤道面CLを中心として左右非対称に配置されても良い(図示省略)。また、周方向溝が、タイヤ赤道面CL上に配置されても良い(図示省略)。
また、空気入りタイヤ1は、小さい溝面積A1を有する第一領域側を車幅方向外側にして車両に装着される。かかるタイヤ装着状態では、車幅方向外側にある第一領域の溝面積A1が小さいので、第一領域の接地面積およびトレッド剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能(特に、旋回性能)が向上する。また、車幅方向内側にある第二領域の溝面積A2が大きいので、第二領域の排水性が確保されて、タイヤのウェット性能が向上する。
なお、空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向を示す装着方向表示部(図示省略)を有する。装着方向表示部は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸によって構成される。例えば、ECER30(欧州経済委員会規則第30条)が、車両装着状態にて車幅方向外側となるサイドウォール部に装着方向表示部を設けることを義務付けている。
[トレッド端部領域の比重の調整]
一般に、タイヤ左右の領域の溝面積が相互に異なる構成では、小さな溝面積を有する領域のトレッド部の剛性が、大きな溝面積を有する領域のトレッド部の剛性よりも大きい。このため、タイヤ転動時にて、タイヤ左右のトレッド形状のアンバランスによりタイヤの直進性が低下して、タイヤの操縦安定性能が悪化する。具体的には、タイヤ転動時にて、タイヤが大きな溝面積を有する領域側に流れる傾向にある。
そこで、この空気入りタイヤ1は、タイヤ左右の溝面積差に起因するアンバランスを緩和してタイヤの操縦安定性能を向上させるために、以下の構成を採用している。
図2および図3は、図1に記載した空気入りタイヤの異種ゴムを示す説明図である。これらの図において、図2は、左右のタイヤ接地端T1、T2付近におけるトレッドゴムのタイヤ子午線方向の断面図を示している。また、図3は、第一領域(第二領域)側にある異種ゴムの配置構成を示している。なお、これらの図では、異種ゴム1521、1522にハッチングが付されている。これらの異種ゴム1521、1522については、後述する。
図3に示すように、第一領域(図1参照)側のタイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端T1を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LAと、幅広な交差ベルト141のエッジ部を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LBと、ベルト層14の外周面とに囲まれて成る第一端部領域R1を定義する。同様に、第二領域側のタイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端T2を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LAと、幅広な交差ベルト141のエッジ部を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LBと、ベルト層14の外周面とに囲まれて成る第二端部領域R2を定義する。
上記の端部領域R1、R2は、トレッド部の非接地領域かつ交差ベルト141、142の配置領域として概念できる。また、端部領域R1、R2が存在する条件として、少なくとも幅広な交差ベルト141が左右のタイヤ接地端T1、T2のタイヤ幅方向外側までそれぞれ延在することを要する。
タイヤ接地端T1、T2は、タイヤが規定リムに装着されて規定内圧を付与されると共に静止状態にて、平板に対して、垂直に置かれて規定荷重に対応する負荷を加えられたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
交差ベルトのエッジ部は、最もタイヤ幅方向外側にあるベルトコードにより定義される。
また、第一端部領域R1におけるゴム材料の比重G1と、第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2とが、G1<G2の関係を有する。すなわち、小さい溝面積A1を有する第一領域(図1参照)では、第一端部領域R1におけるゴム材料の比重G1が、他方の第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2よりも軽い。また、大きい溝面積A2を有する第二領域では、第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2が、他方の第一端部領域R1におけるゴム材料の比重G1よりも重い。すると、タイヤ転動時における第二端部領域R2のせり上がり量が増加して、タイヤ左右のトレッド形状のアンバランスが緩和される。これにより、タイヤ転動時の直進性が向上して、タイヤの操縦安定性能が向上する利点がある。
ゴム材料の比重G1、G2は、製品タイヤの各端部領域R1、R2にあるゴム部材の比重である。複数のゴム部材が端部領域R1、R2に配置された構成では、比重G1、G2が各ゴム部材の比重および断面積比により変動する。また、比重G1、G2は、トレッド部を構成するゴム部材(特にトレッドゴム15の部分)の比重である。したがって、ベルト層14を構成するベルトプライ141〜144のコートゴムは、比重G1、G2の測定あるいは算出から除外される。
具体的には、第一領域の溝面積A1と第二領域の溝面積A2とが、1.01≦A2/A1≦1.10の関係を有する場合には、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とが、1.02≦G2/G1≦1.20の関係を有することが好ましく、1.05≦G2/G1≦1.15の関係を有することがより好ましい。
また、第一領域の溝面積A1と第二領域の溝面積A2とが、1.11≦A2/A1≦1.20の関係を有する場合には、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とが、1.15≦G2/G1≦1.35の関係を有することが好ましく、1.20≦G2/G1≦1.30の関係を有することがより好ましい。
また、第一領域の溝面積A1と第二領域の溝面積A2とが、1.21≦A2/A1≦1.30の関係を有する場合には、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とが、1.30≦G2/G1≦1.50の関係を有することが好ましく、1.35≦G2/G1≦1.45の関係を有することがより好ましい。
例えば、図1の構成では、図2および図3に示すように、トレッドゴム15が、キャップトレッド151と、一対の異種ゴム1521、1522と、一対のウイングチップ1531、1532とを備える。
キャップトレッド151は、タイヤ接地面を構成するゴム部材である。このキャップトレッド151は、トレッド踏面の全域に渡って配置されてタイヤ接地時に接地する。また、キャップトレッド151の比重が、一般に1.0[g/cm^3]以上1.3[g/cm^3]以下の範囲にある。
なお、図1の構成では、キャップトレッド151が単層構造を有し、ベルト層14に隣接して配置されてトレッド踏面に露出している。しかし、これに限らず、キャップトレッド151とベルト層14との間に、アンダートレッドが挿入されても良い(図示省略)。すなわち、ベルト層14の外周に、キャップトレッド151とアンダートレッドとを積層して成る2層構造のトレッドが形成されても良い。かかるアンダートレッドの構造は、既存の技術を採用できる。また、アンダートレッドの比重が、一般に1.3[g/cm^3]以上1.3[g/cm^3]以下の範囲にある。
一対の異種ゴム1521、1522は、キャップトレッド151(特に、接地領域に配置されたキャップトレッド151の部分)に対して異なる比重をもつゴム部材であり、タイヤの非接地領域に配置される。異種ゴム1521、1522の比重は、後述するように、キャップトレッド151の比重よりも重い場合および軽い場合の双方となり得る。
例えば、図1の構成では、第一の異種ゴム1521が、第一端部領域R1かつキャップトレッド151のタイヤ幅方向外側に配置され、第二の異種ゴム1522が、第二端部領域R2かつキャップトレッド151のタイヤ幅方向外側に配置されている。また、これらの異種ゴム1521、1522が、キャップトレッド151のタイヤ幅方向外側の端部に隣接して配置されている。また、キャップトレッド151がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称な幅を有することにより、一対の異種ゴム1521、1522がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称な位置に配置されている。また、トレッド部ショルダー領域がラウンド形状を有し、一対の異種ゴム1521、1522が左右のタイヤ接地端T1、T2のタイヤ幅方向外側にある非接地領域に配置されている。
また、図2において、第二異種ゴム1522の比重G2’が、第一異種ゴム1521の比重G1’よりも重い(G1’<G2’)。これにより、上記した第一端部領域R1におけるゴム材料の比重G1と、第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2との大小関係G1<G2が形成されている。
例えば、第二異種ゴム1522のカーボン量を第一異種ゴム1521のカーボン量よりも多くすることにより、第二異種ゴム1522の比重G2’を重くできる。また、例えば、第二異種ゴム1522の硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの配合量を第一異種ゴム1521よりも増加させることにより、第二異種ゴム1522の比重G2’を重くできる。
逆に、第一異種ゴム1521のカーボン量を第二異種ゴム1522のカーボン量よりも少なくすることにより、第一異種ゴム1521の比重G1’を軽くできる。また、例えば、第一異種ゴム1521の硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの配合量を第二異種ゴム1522よりも減少させることにより、第一異種ゴム1521の比重G1’を軽くできる。また、第一異種ゴム1521に発泡剤を配合することにより、第一異種ゴム1521の比重G1’を軽くできる。
また、第一異種ゴム1521の比重G1’および第二異種ゴム1522の比重G2’が、キャップトレッド151の比重よりも軽いことが好ましい。具体的には、軽い方の代入り異種ゴム1521の比重G1’が、0.70[g/cm^3]以上1.00[g/cm^3]以下の範囲にあることが好ましく、0.75[g/cm^3]以上0.95[g/cm^3]以下の範囲にあることがより好ましい。また、重い方の第二異種ゴム1522の比重G2’が、1.20[g/cm^3]以上1.50[g/cm^3]以下の範囲にあることが好ましく、1.25[g/cm^3]以上1.45[g/cm^3]以下の範囲にあることがより好ましい。
また、図2に示すように、左右の異種ゴム1521、1522が、相互に左右対称な形状を有し、また、略同一の断面積を有している。具体的には、タイヤ子午線方向の断面視における第一異種ゴム1521の断面積S1’と、第二異種ゴム1522の断面積S2’とが、0.80≦S2’/S1’≦1.20の関係を有することが好ましく、0.90≦S2’/S1’≦1.10の関係を有することがより好ましい。これにより、タイヤ左右のバランスを適正化できる。
しかし、これに限らず、タイヤ子午線方向の断面視における第一異種ゴム1521の断面積S1’と、第二異種ゴム1522の断面積S2’とが、1.0<S2’/S1’の関係を有しても良い(図示省略)。すなわち、重い第二異種ゴム1522の断面積S2’が大きく設定される。これにより、タイヤ左右の異種ゴム1521、1522の重量差を効果に形成できる。
また、図3に示すように、異種ゴム1521(1522)が、上記した所定の端部領域R1(R2)にラップして配置されている。このため、端部領域R1(R2)には、キャップトレッド151および異種ゴム1521(1522)の双方が位置している。
また、図3の構成では、異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向内側の端部が、タイヤ接地端T1(T2)を基準とする直線LAよりもタイヤ幅方向外側にある。このとき、直線LAから異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向内側の端部までの距離D1と、タイヤ接地幅TW(図1参照)とが、0.02≦D1/TWの範囲にあることが好ましく、0.03≦D1/TWの範囲にあることがより好ましい。これにより、タイヤ接地端T1(T2)と異種ゴム1521(1522)との距離D1が適正に確保される。比D1/TWの上限は、特に限定がないが、上記した比S1/Sr1および比S2/Sr2の下限との関係により制約を受ける。
また、図3の構成では、直線LAから異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向外側の端部までの距離D2と、タイヤ接地幅TWとが、D2/TW≦0.05の範囲にあることが好ましく、D2/TW≦0.04の範囲にあることがより好ましい。これにより、異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向外側の端部の位置が適正化される。比D2/TWの下限は、特に限定がないが、上記した比S1/Sr1および比S2/Sr2の下限との関係により制約を受ける。
また、図3の構成では、異種ゴム1521(1522)が、トレッド面に露出している。また、異種ゴム1521(1522)が、端部領域R1(R2)を定義する直線LAと直線LBとの間でトレッド面に露出する。具体的には、異種ゴム1521(1522)の露出部のタイヤ幅方向内側の端部がタイヤ接地端T1(T2)から上記の距離D1の位置にあり、タイヤ幅方向外側の端部が直線LB上にある。
また、図3の構成では、異種ゴム1521(1522)が、ベルト層14の最外層(図3では、ベルトエッジカバー144)の外周面に隣接している。また、異種ゴム1521(1522)と隣接する他のゴム部材との境界面が、上記した直線LAとベルト層14の最外層の端部との間にある。具体的には、異種ゴム1521(1522)とキャップトレッド151との境界面が、直線LAよりもタイヤ幅方向外側にある。また、異種ゴム1521(1522)とウイングチップ1531(1532)との境界面が、ベルト層14の最外層の端部よりもタイヤ幅方向内側にある。このため、異種ゴム1521(1522)全体が、ベルト層14の最外層の端部よりもタイヤ幅方向内側の領域にある。
また、上記の構成では、異種ゴム1521(1522)とウイングチップ1531(1532)との境界面が、ベルト層14の最外層の端部よりもタイヤ幅方向内側にあることが好ましい(図3参照)。さらに、異種ゴム1521(1522)とベルト層14の最外層との接触面のタイヤ幅方向外側の端部が、ベルト層14の最外層の端部に対してタイヤ幅方向内側にオフセットして配置されることが好ましい(図示省略)。これにより、異種ゴム1521(1522)とウイングチップ1531(1532)との境界面に沿って発生する周辺ゴムのセパレーションが抑制される。
また、異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向内側の端面が、タイヤ接地端T1(T2)からタイヤ内腔部に向かうに連れて直線LAから遠ざかる形状を有している。具体的には、タイヤ子午線方向の断面視にて、キャップトレッド151がトレッド面からベルト層14に向かって拡幅する台形の断面形状を有し(図1参照)、異種ゴム1521(1522)が、平行四辺形の断面形状を有することにより、上記したキャップトレッド151の台形の側辺に沿った端部形状を有している。また、異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向内側の端部が、トレッド面からベルト層14の最外層(ベルトエッジカバー144)まで連続して延在している。
なお、上記に限らず、異種ゴム1521(1522)が、トレッド面に露出することなくトレッド内部に埋設されても良い(図示省略)。また、異種ゴム1521(1522)とベルト層14との間に他のゴム層が挿入されても良い(図示省略)。また、異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向外側の端部がベルト層14の端部よりもタイヤ幅方向外側にあっても良い(図示省略)。また、異種ゴム1521(1522)の断面形状は、当業者自明の範囲内にて適宜選択できる。
一対のウイングチップ1531、1532は、タイヤ左右の非接地領域にそれぞれ配置される。例えば、図1の構成では、ウイングチップ1531、1532が、異種ゴム1521、1522のタイヤ幅方向外側に配置されて、トレッド端まで延在している。また、図2および図3に示すように、ウイングチップ1531が直線LBよりもタイヤ幅方向外側にあり、端部領域R1、R2の外部にある。しかし、これに限らず、ウイングチップ1531、1532が端部領域R1、R2の内部まで延在しても良い(図示省略)。
また、ウイングチップ1531、1532の比重が、一般に1.0[g/cm^3]以上1.3[g/cm^3]以下の範囲にある。また、左右のウイングチップ1531、1532の比重が、同一であることが好ましい。比重の比が±0.01の範囲内にあれば、左右のウイングチップが同一の比重を有するといえる。
[変形例]
図4および図5は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。これらの図は、左右のタイヤ接地端T1、T2付近におけるトレッドゴムのタイヤ子午線方向の断面図を示している。
図1の構成では、図2に示すように、トレッドゴム15が、一対の第一異種ゴム1521および第二異種ゴム1522をキャップトレッド151のタイヤ幅方向外側にそれぞれ備えている。また、第二領域にある第二異種ゴム1522が第一領域にある第一異種ゴム1521よりも重い比重を有することにより、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とがG1<G2の関係を有するように調整されている。かかる構成では、一方の第一異種ゴム1521を軽くし、他方の第二異種ゴム1522を重くすることにより、左右の端部領域R1、R2の比重差を容易に形成できる点で好ましい。
しかし、これに限らず、図4および図5に示すように、第一端部領域R1および第二端部領域R2のいずれか一方にのみ異種ゴムが配置されても良い。
例えば、図4の構成では、キャップトレッド151がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称な幅を有している。また、第一領域では、ウイングチップ1531よりも軽い比重を有する異種ゴム1521が第一端部領域R1に配置されている。また、第二領域では、ウイングチップ1532がキャップトレッド151まで延在して第二端部領域R2を占めている。また、左右のウイングチップ1531、1532が、同一の比重を有している。これにより、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とがG1<G2の関係を有している。
また、図5の領域では、キャップトレッド151がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称な幅を有している。また、第一領域では、ウイングチップ1531がキャップトレッド151まで延在して第一端部領域R1を占めている。また、第二領域では、ウイングチップ1531よりも重い比重を有する異種ゴム1522が第二端部領域R2に配置されている。また、左右のウイングチップ1531、1532が、同一の比重を有している。これにより、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とがG1<G2の関係を有している。
また、図4の構成において、キャップトレッド151が、第一端部領域R1の異種ゴム1521よりも重い比重を有し、第二領域のタイヤ接地端T2を越えて第二端部領域R2まで延在しても良い(図示省略)。かかる構成としても、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とがG1<G2の関係を有し得る。
図6は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。同図は、第一領域(第二領域)側にある異種ゴム1521(1522)の配置構成を示している。
図1の構成では、図3に示すように、サイドウォールゴム16のタイヤ径方向外側の端部が、カーカス層13とトレッドゴム15およびベルト層14との間に挟み込まれて配置されている。
しかし、これに限らず、図6のように、サイドウォールゴム16のタイヤ径方向外側の端部がトレッド面に露出し、トレッドゴム15のタイヤ幅方向外側の端部が、カーカス層13とサイドウォールゴム16との間に挟み込まれて配置されても良い。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、一対の交差ベルト141、142を有するベルト層14と、ベルト層14の外周に配置されたトレッドゴム15とを備える(図1参照)。また、タイヤ赤道面CLを境界とする第一領域の溝面積A1と、第二領域の溝面積A2とが、A1<A2の関係を有する。また、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端T1(T2)を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LAと、幅広な交差ベルト141のエッジ部を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LBと、ベルト層14の外周面とに囲まれて成る第一領域側の第一端部領域R1および第二領域側の第二端部領域R2をそれぞれ定義する(図3参照)。このとき、第一端部領域R1におけるゴム材料の比重G1と、第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2とが、G1<G2の関係を有する(図2参照)。
かかる構成では、小さい溝面積A1を有する第一領域では、第一端部領域R1のゴム材料の比重G1が、他方の第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2よりも軽い。また、大きい溝面積A2を有する第二領域では、第二端部領域R2におけるゴム材料の比重G2が、他方の第一端部領域R1におけるゴム材料の比重G1よりも重い。すると、タイヤ転動時における第二端部領域R2のせり上がり量が増加して、タイヤ左右のトレッド形状のアンバランスが緩和される。これにより、タイヤ転動時の直進性が向上して、タイヤの操縦安定性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第二端部領域R2にあるゴム材料のカーボン量が、第一端部領域R1にあるゴム材料のカーボン量よりも多い。これにより、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2との大小関係(G1<G2)を適切に形成できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第一領域の溝面積A1と第二領域の溝面積A2とが、1.01≦A2/A1≦1.10の関係を有し、且つ、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とが、1.02≦G2/G1≦1.20の関係を有する。これにより、タイヤ左右の領域の溝面積比A2/A1と端部領域R1、R2の比重G1、G2との関係が適正化される利点がある。すなわち、1.02≦G2/G1であることにより、タイヤ転動時における第二端部領域R2のせり上がり量が適正に確保される。また、G2/G1≦1.20であることにより、トレッドゴム15の重量が過大となることに起因するタイヤの転がり抵抗の悪化および高速耐久性能の悪化が抑制される。
また、この空気入りタイヤ1では、第一領域の溝面積A1と第二領域の溝面積A2とが、1.11≦A2/A1≦1.20の関係を有し、且つ、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とが、1.15≦G2/G1≦1.35の関係を有する。これにより、タイヤ左右の領域の溝面積比A2/A1と端部領域R1、R2の比重G1、G2との関係が適正化される利点がある。すなわち、1.15≦G2/G1であることにより、タイヤ転動時における第二端部領域R2のせり上がり量が適正に確保される。また、G2/G1≦1.35であることにより、トレッドゴム15の重量が過大となることに起因するタイヤの転がり抵抗の悪化および高速耐久性能の悪化が抑制される。
また、この空気入りタイヤ1では、第一領域の溝面積A1と第二領域の溝面積A2とが、1.21≦A2/A1≦1.30の関係を有し、且つ、第一端部領域R1の比重G1と第二端部領域R2の比重G2とが、1.30≦G2/G1≦1.50の関係を有する。これにより、タイヤ左右の領域の溝面積比A2/A1と端部領域R1、R2の比重G1、G2との関係が適正化される利点がある。すなわち、1.30≦G2/G1であることにより、タイヤ転動時における第二端部領域R2のせり上がり量が適正に確保される。また、G2/G1≦1.50であることにより、トレッドゴム15の重量が過大となることに起因するタイヤの転がり抵抗の悪化および高速耐久性能の悪化が抑制される。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッドゴム15が、タイヤ接地面を構成するキャップトレッド151と、キャップトレッド151のタイヤ幅方向外側であって第一端部領域R1に配置される第一異種ゴム1521と、キャップトレッド151のタイヤ幅方向外側であって第二端部領域R2に配置される第二異種ゴム1522とを備える(図2参照)。また、第二異種ゴム1522の比重G2’が、第一異種ゴム1521の比重G1’よりも重い。かかる構成では、一対の第一異種ゴム1521、1522がキャップトレッド151の左右に配置されるので、これらの異種ゴム1521、1522によりタイヤ左右の端部領域R1、R2の重量差を容易に形成できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、第一異種ゴム1521の比重G1’および第二異種ゴム1522の比重G2’が、キャップトレッド151の比重よりも軽い。これにより、トレッド部全体の重量バランスが適正化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視における第一異種ゴム1521の断面積S1’と、第二異種ゴム1522の断面積S2’とが、0.80≦S2’/S1’≦1.20の関係を有する(図2参照)。これにより、タイヤ左右のゴム部材を対称に配置できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視における第一異種ゴム1521の断面積S1’と、第二異種ゴム1522の断面積S2’とが、1.0<S2’/S1’の関係を有する(図示省略)。これにより、タイヤ左右の異種ゴム1521、1522の重量差を効率的に形成できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、直線LAから異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向内側の端部までの距離D1と、タイヤ接地幅TWとが、0.02≦D1/TWの範囲にある(図3参照)。かかる構成では、異種ゴム1521(1522)とタイヤ接地領域との距離D1が適正に確保されるので、タイヤの転がり抵抗が向上する利点がある。特に、異種ゴム1521(1522)がタイヤ接地領域にあると、転がり抵抗が悪化するため、好ましくない。
また、この空気入りタイヤ1では、直線LAから異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向外側の端部までの距離D2と、タイヤ接地幅TWとが、D2/TW≦0.05の範囲にある(図3参照)。かかる構成では、異種ゴム1521(1522)の位置が適正化されるので、タイヤ転動時における第二端部領域R2のせり上がり量が適正に確保される。これにより、異種ゴム1521(1522)の機能が適正に確保されて、タイヤの操縦安定性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、異種ゴム1521(1522)のタイヤ幅方向内側の端面が、タイヤ接地端T1(T2)からタイヤ内腔部に向かうに連れて直線LAから遠ざかる形状を有する(図3参照)。かかる構成では、トレッド面からベルト層14に向かって拡幅するキャップトレッド151の配置領域を適正に確保できる。これにより、キャップトレッド151の機能が好適に確保されて、タイヤの接地特性が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ左右の非接地領域にそれぞれ配置される一対のウイングチップ1531、1532を備える(図1および図2参照)。また、一対のウイングチップ1531、1532の比重が、同一である。
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ左右の非接地領域にそれぞれ配置される一対のウイングチップ1531、1532を備える(図1および図2参照)。また、異種ゴム1521(1522)とウイングチップ1531(1532)との境界面が、ベルト層14の最外層の端部よりもタイヤ幅方向内側にある(図3参照)。これにより、異種ゴム1521(1522)とウイングチップ1531(1532)との境界面に沿って発生する周辺ゴムのセパレーションが抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、小さい溝面積A1を有する第一領域側を車幅方向外側にして車両に装着すべき装着方向指定部を備える。かかる構成では、車幅方向外側にある第一領域の溝面積A1が小さいので、第一領域の接地面積およびトレッド剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能が向上する利点がある。また、車幅方向内側にある第二領域の溝面積A2が大きいので、第二領域の排水性が確保されて、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。
図7は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)操縦安定性能および(2)高速耐久性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ255/40R18 99Yの試験タイヤがリムサイズ18×81/2Jのリムに組み付けられ、この試験タイヤに空気圧230[kPa]および負荷5.5[kN]が付与される。
(1)操縦安定性能に関する評価では、試験車両が平坦な直線路を100[km/h]で走行する。そして、テストドライバーが直進時における安定性について官能評価を行う。この評価は従来例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
(2)高速耐久性能に関する評価では、ECE30規定の高速耐久試験が行われ、到達最高速度[km/h]が測定される。この数値は大きいほど好ましい。
実施例1〜7の試験タイヤは、図1〜図3の構成を備え、タイヤ左右の溝面積A1,A2が相異し、また、タイヤ左右の端部領域R1、R2における異種ゴム1521、1522の比重G1、G2が相互に異なる。
従来例の試験タイヤは、実施例1の構成において、タイヤ左右の端部領域R1、R2における異種ゴム1521、1522の比重G1、G2が同一である。
試験結果に示すように、実施例1〜7の試験タイヤでは、タイヤの操縦安定性能および高速耐久性能が向上することが分かる。
1:空気入りタイヤ、11:ビードコア、12:ビードフィラー、13:カーカス層、14:ベルト層、141、142:交差ベルト、143:ベルトカバー、144:ベルトエッジカバー、15:トレッドゴム、151:キャップトレッド、1521:第一異種ゴム、1522:第二異種ゴム、1531、1532:ウイングチップ、16:サイドウォールゴム、17:リムクッションゴム、21〜24:周方向溝、31〜35:陸部

Claims (15)

  1. 一対の交差ベルトを有するベルト層と、前記ベルト層の外周に配置されたトレッドゴムとを備える空気入りタイヤであって、
    タイヤ赤道面を境界とする第一領域の溝面積A1と、第二領域の溝面積A2とが、A1<A2の関係を有し、且つ、
    タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LAと、幅広な前記交差ベルトのエッジ部を通りトレッドプロファイルに垂直な直線LBと、前記ベルト層の外周面とに囲まれて成る前記第一領域側の第一端部領域および前記第二領域側の第二端部領域をそれぞれ定義するときに、
    前記第一端部領域におけるゴム材料の比重G1と、前記第二端部領域におけるゴム材料の比重G2とが、G1<G2の関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第二端部領域にある前記ゴム材料のカーボン量が、前記第一端部領域にある前記ゴム材料のカーボン量よりも多い請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第一領域の溝面積A1と前記第二領域の溝面積A2とが、1.01≦A2/A1≦1.10の関係を有し、且つ、
    前記第一端部領域の比重G1と前記第二端部領域の比重G2とが、1.02≦G2/G1≦1.20の関係を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第一領域の溝面積A1と前記第二領域の溝面積A2とが、1.11≦A2/A1≦1.20の関係を有し、且つ、
    前記第一端部領域の比重G1と前記第二端部領域の比重G2とが、1.15≦G2/G1≦1.35の関係を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第一領域の溝面積A1と前記第二領域の溝面積A2とが、1.21≦A2/A1≦1.30の関係を有し、且つ、
    前記第一端部領域の比重G1と前記第二端部領域の比重G2とが、1.30≦G2/G1≦1.50の関係を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッドゴムが、タイヤ接地面を構成するキャップトレッドと、前記キャップトレッドのタイヤ幅方向外側であって前記第一端部領域に配置される第一異種ゴムと、前記キャップトレッドのタイヤ幅方向外側であって前記第二端部領域に配置される第二異種ゴムとを備え、且つ、
    前記第二異種ゴムの比重が、前記第一異種ゴムの比重よりも重い請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第一異種ゴムの比重および前記第二異種ゴムの比重が、前記キャップトレッドの比重よりも軽い請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. タイヤ子午線方向の断面視における前記第一異種ゴムの断面積S1’と、前記第二異種ゴムの断面積S2’とが、0.80≦S2’/S1’≦1.20の関係を有する請求項6または7に記載の空気入りタイヤ。
  9. タイヤ子午線方向の断面視における前記第一異種ゴムの断面積S1’と、前記第二端部領域における前記第二異種ゴムの断面積S2’とが、1.0<S2’/S1’の関係を有する請求項6または7に記載の空気入りタイヤ。
  10. 直線LAから前記異種ゴムのタイヤ幅方向内側の端部までの距離D1と、タイヤ接地幅TWとが、0.02≦D1/TWの範囲にある請求項6〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. 直線LAから前記異種ゴムのタイヤ幅方向外側の端部までの距離D2と、タイヤ接地幅TWとが、D2/TW≦0.05の範囲にある請求項6〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記異種ゴムのタイヤ幅方向内側の端面が、タイヤ接地端からタイヤ内腔部に向かうに連れて直線LAから遠ざかる形状を有する請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. タイヤ左右の非接地領域にそれぞれ配置される一対のウイングチップを備え、且つ、
    前記一対のウイングチップの比重が、同一である請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  14. タイヤ左右の非接地領域にそれぞれ配置される一対のウイングチップを備え、且つ、
    前記異種ゴムと前記ウイングチップとの境界面が、前記ベルト層の最外層の端部よりもタイヤ幅方向内側にある請求項1〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  15. 小さい溝面積A1を有する前記第一領域側を車幅方向外側にして車両に装着すべき装着方向指定部を備える請求項1〜14のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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