JP2017086403A - 防煙垂壁および防煙垂壁用パネル - Google Patents

防煙垂壁および防煙垂壁用パネル Download PDF

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Akira Takashima
明 高嶋
小林 正樹
Masaki Kobayashi
正樹 小林
芳博 青山
Yoshihiro Aoyama
芳博 青山
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【課題】隣接するパネル間の面方向の隙間を塞ぐ閉塞部材をなくして美観を向上させた防煙垂壁を提供する。あわせて、該防煙垂壁を構築するのに使用される防煙垂壁用パネルを提供する。【解決手段】防煙垂壁10は少なくとも3枚のパネルを有する。各パネルは横長の透明または半透明の板ガラス16を有する。板ガラス16,16,…は左右辺部どうしが重なり合って順次重ね代18を形成しながら横方向に連なって配列される。防煙垂壁10の使用状態において、重ね代18は透明状または半透明状に視認可能である。【選択図】図1

Description

この発明は防煙垂壁および、該防煙垂壁を構築するのに使用される防煙垂壁用パネルに関する。
複数枚の板ガラスを横方向に連ねて配列する従来のガラス防煙垂壁は、例えば、天井に天井レール(上レール)を敷設し、該天井レールから一定間隔で吊り下げ金具を吊り下げ、該吊り下げ金具の下端に受け金具をそれぞれ取り付けたパネル支持構造を有する。各板ガラスは上部が該天井レールで支持され、下端角部が受け金具で受けられて、天井から垂下された状態で、横方向に連ねて配列される。隣接する板ガラス間の面方向の隙間(目地)にはシーリング材が充填されて該隙間が塞がれ、かつ吊り下げ金具がシーリング材中に埋め込まれる。必要に応じて、各板ガラスの下辺は連続した下レールに収容され固定される。
複数枚の不燃シートを横方向に連ねて配列する従来のシート防煙垂壁は、例えば、天井に天井レールを敷設したパネル支持構造を有する。各不燃シートは四方形のフレーム(枠)にそれぞれ張設されてパネルを構成する。各パネルはフレーム上辺が該天井レールに吊り下げられて、天井から垂下された状態で、横方向に連ねて配列される。各パネルのフレーム下辺は連続した下レールに収容され固定される。隣接するパネルの隣接するフレーム縦辺どうしは断面H字形状の縦枠等で構成された方立てで相互に連結されて、隣接するパネル間の面方向の隙間が塞がれる。
従来のガラス防煙垂壁としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。また、従来のシート防煙垂壁としては、例えば特許文献2に記載されたものがある。
特開平10−219888号公報 特開2013−123472号公報
従来の防煙垂壁は、ガラス防煙垂壁、シート防煙垂壁のいずれも、隣接するパネル間の面方向の隙間を塞ぐ閉塞部材(目地を埋めるシーリング材、方立て等)が存在する。この閉塞部材は防煙垂壁の美観を損ねるものであった。
この発明は前記従来の技術における問題点を解決して、前記閉塞部材をなくして美観を向上させた防煙垂壁および、該防煙垂壁を構築するのに使用される防煙垂壁用パネルを提供するものである。
この発明の防煙垂壁は、それぞれ透明または半透明の少なくとも3枚の横長の板ガラスを有し、前記少なくとも3枚の板ガラスは左右の辺部どうしが重なり合って順次重ね代を形成しながら横方向に連なって配列され、防煙垂壁の使用状態において、前記重ね代は透明状または半透明状に視認可能であるものである。これによれば、少なくとも3枚の板ガラスは左右の辺部どうしが重なり合って順次重ね代を形成しながら横方向に連なって配列されるので、この配列には隣接する板ガラス間の面方向の隙間を塞ぐ閉塞部材が不要となる。また、重ね代は透明状または半透明状に視認可能である。これにより、この配列を有する防煙垂壁は前記従来の防煙垂壁に比べて美観が向上する。なお、この発明は、一連の防煙垂壁の全長に亘り適用するほか、一連の防煙垂壁の一部の区間に限り適用する(例えば、一連の防煙垂壁の残りの区間に、隣接する板ガラス間の面方向の隙間を塞ぐ閉塞部材が存在する等)こともできる。
この発明の防煙垂壁において、1枚の板ガラスの左側に隣接する板ガラスの右辺部と、該1枚の板ガラスの右側に隣接する板ガラスの左辺部は、該1枚の板ガラスの同一面側で該1枚の板ガラスの左辺部と右辺部にそれぞれ重なり合っているものとすることができる。これによれば、板ガラスの配列方向に対し、個々の板ガラスを平行に配列することができる。
この発明の防煙垂壁において、前記防煙垂壁が設置されている構造物の揺れに対して、前記板ガラスどうしは前記重ね代で面方向に相互に変位可能とすることができる。これによれば、地震等の揺れを受けても、隣接する板ガラスの端面(小口)どうしはすれ違って衝突しないうえに、重ね代どうしも面方向に相互に変位可能(相互に接合されていない、または、一定以上の揺れに対して相互に変位可能な程度に緩く接合されている)なので、板ガラスは個別に動いて揺れに追随して、破損から保護することができる。
この発明の防煙垂壁において、前記重ね代の幅は、例えば、5mm以上、50mm以下とすることができる。これによれば、重ね代の幅を5mm以上とすることにより、現場の天井の不陸等により板ガラスに多少の傾斜が生じても、隣接する板ガラス間で下部が重なり合わず開いてしまうのが防止される。また、重ね代の幅を50mm以下とすることにより、重ね代を目立ちにくくすることができる。また、重ね代の幅を施工現場で調整することも可能である。
この発明の防煙垂壁において、前記板ガラスの厚さは0.1mm以上、10mm以下、好ましくは0.3mm以上、6mm以下、より好ましくは0.5mm以上、3mm以下とすることができる。これによれば、重ね代の左右両側で段差を小さく抑えて該段差を目立たなくすることができる。
この発明の防煙垂壁において、前記板ガラスは化学強化ガラス、物理強化(熱強化)ガラス等の強化ガラスとすることができる。これによれば、板ガラスを薄く構成することができる。
この発明の防煙垂壁において、前記板ガラスの少なくとも片面に飛散防止フィルムが被覆されているものとすることができる。これによれば、万一板ガラスが破損しても、飛散するのを防止することができる。板ガラス面に対する飛散防止フィルムの被覆は、板ガラス面に対する飛散防止フィルムの貼り付け、板ガラス面に対する飛散防止コーティング液の塗布(スプレー、ローラー、刷毛等の塗布器具による)および乾燥等により行うことができる。
この発明の防煙垂壁は、前記板ガラスの上辺に沿って上枠が取り付けられ、前記板ガラスは前記上枠を介して天井レールから吊り下げられ、隣接して配置される2枚の板ガラスの前記重ね代を構成する左右の辺部のうち、一方の板ガラスの左右一方の辺部の上部は該一方の板ガラスに取り付けられた前記上枠の左右一方の端部から左右一方向にはみ出してはみ出し部を形成し、他方の板ガラスの左右他方の辺部の上部と該他方の板ガラスに取り付けられた前記上枠の左右他方の端部との対向面間には、前記一方の板ガラス前記はみ出し部を収容する空隙が形成されているものとすることができる。これによれば、一方の板ガラスの前記はみ出し部を、他方の板ガラス側に形成された前記空隙に収容することにより、隣接する板ガラスどうしを、重ね代を形成して配列することができる。
この発明の防煙垂壁は、前記板ガラスの上辺に沿って上枠が取り付けられ、前記板ガラスは表裏を任意に選択可能に前記上枠を介して天井レールから吊り下げられ、前記板ガラスの左右両方の辺部の上部は前記上枠の左右両方の端部から左右方向にそれぞれはみ出してはみ出し部を形成し、前記板ガラスは前記上枠の厚み方向について、該厚み方向の中央位置から偏った位置で該上枠に取り付けられているものとすることができる。これによれば、同一構造のパネルを用いて、隣接するパネル間で表裏を反転させて使用することにより、隣接する板ガラスどうしを、重ね代を形成して配列することができる。
この発明の防煙垂壁は、天井レールまたは天井から吊り下げられた吊り部材をさらに有し、前記板ガラスの下辺は前記吊り部材に受けられるものとすることができる。これによれば、板ガラスの万一の落下を防止することができる。前記吊り部材は、例えば、天井レールまたは天井から吊り下げられた吊り棒と、前記吊り棒の下部に取り付けられて、前記板ガラスの下辺を受けるガラス受けとを有して構成することができる。これによれば、板ガラスの下辺を確実に受けることができる。
この発明の防煙垂壁用パネルは、横長の板ガラスと、該板ガラスの上辺に沿って取り付けられた上枠を有し、前記板ガラスの左右少なくとも一方の辺部において、該辺部の上部は前記上枠の左右一方の端部から左右一方向にはみ出してはみ出し部を形成しているものである。これによれば、隣接する板ガラスどうしを、重ね代を形成して配列することができる。
この発明の実施の形態1の防煙垂壁を建物の部屋の天井に設置した、防煙垂壁の使用状態を示す斜視図である。 (a)は図1の板ガラスの配列を模式的に示す平面図、(b)は図1の配列に代わる板ガラスの別の配列を模式的に示す平面図である。 図1の防煙垂壁の分解斜視図である。 図1の防煙垂壁のオスパネルとメスパネルを連結する前の、該両パネルの連結予定箇所を拡大して示す正面図または背面図である。 図1のオスパネルとメスパネルを連結した、防煙垂壁の使用状態を示す正面図または背面図である。 図1の防煙垂壁の使用状態における、オスパネルとメスパネルの連結箇所を示す平面図である。 (a)は図6のオスパネルのA−A矢視断面図を示し、該オスパネルを天井レールから吊り下げた、防煙垂壁の使用状態で示す。(b)は図6のメスパネルのB−B矢視断面図を示し、該メスパネルを天井レールから吊り下げた、防煙垂壁の使用状態で示す。 実施の形態1の防煙垂壁の長手方向(左右方向、横方向)の一端部と部屋の壁との取り合い部の構造を示す図で、(a)は部屋の壁に取り付けられた端部枠に防煙垂壁の長手方向の一端部を差し込んだ状態を示す斜視図(端部枠および防煙垂壁の各上部を示す。天井レールの内部構造は図示を省略)、(b)は平面図、(c)は側面図(防煙垂壁の正面図または背面図)である。 この発明の実施の形態2の防煙垂壁における共用パネルの連結前の配列状態を示す正面図または背面図である。 (a)は図9の防煙垂壁の共用パネルどうしを連結する前の、該両共用パネルの連結予定箇所を拡大して示す平面図、(b)は(a)のF矢視図である。 (a)は図10(a)のD−D矢視断面図、(b)は図10(a)のE−E矢視断面図である。 図10の両共用パネルを連結した状態を示す、図10(b)と同じ方向から見た図である。 (a)は実施の形態1,2において重ね代の下部位置で2枚の板ガラスどうしを緩く止める手法の変更例として、クリップを用いる手法を示す防煙垂壁の正面図または背面図(下レールを取り付ける前の状態を示す)で、クリップを模式的に拡大して示す。(b)は(a)の状態の模式平面図である(天井レールは図示せず)。 図13の変更例において2枚の板ガラスをクリップ止めして下レールを取り付ける手順を示す断面図で、(a)はクリップをU字形状に折り曲げる前の状態を示し、(b)は(a)の状態に続きクリップをU字形状に折り曲げた状態を示し、(c)は(b)の状態に続き下レールをクリップに装着した状態を示す。 実施の形態1,2において、防煙垂壁の全長を調整するために、防煙垂壁の全長の一端部で寸法調整処理を施した変更例を示す模式図で、(a)は正面図、(b)は(a)の防煙垂壁の右端部の2枚の寸法調整用パネルを分離して示す拡大正面図、(c)は(b)の2枚の寸法調整用パネルを連結した状態を示す拡大正面図、(d)は(c)のK−K矢視拡大断面図である。 図15(a)の調整幅に応じた、図15(b)に示す各部の寸法の組合せ例を示す図表である。 実施の形態1,2に吊り部材を追加した変更例を示す模式正面図である。 図17の吊り部材単体の構成例を示す斜視図である。 図17のM−M矢視断面図で、防煙垂壁における図18の吊り部材の取り付け状態を示す。 図19のN−N矢視断面図である。 図17の吊り部材単体の別の構成例を示す斜視図である。 図17のM−M矢視断面図で、防煙垂壁における図21の吊り部材の取り付け状態を示す。 図18および図21の吊り部材における吊り棒とガラス受けの連結構造の別の例を示す斜視図である。 参考例の防煙垂壁を示す正面図または背面図である。 図24の防煙垂壁におけるパネルどうしを連結する前のパネルとガラス方立ての配列状態を示す正面図または背面図である。 図25の防煙垂壁のパネルどうしをガラス方立てで連結する前の、該パネルの連結予定箇所を示す斜視図である。 図26の状態のG矢視図である。 (a)は図27のパネルのH矢視図、(b)は図27のガラス方立てのI矢視図である。 (a)は図27のパネルをガラス方立てで連結した状態を示す図(図27と同じ方向から見た図)、(b)は(a)のJ−J矢視断面図である。
《実施の形態1》
この発明の防煙垂壁の実施の形態1を図1〜図8を参照して説明する。これはオスパネルとメスパネルの2種類のパネルを交互に配列して、一連の透明ガラス防煙垂壁を構成したものである。なお、以下の説明ではパネルの配列方向を「左右方向」または「横方向」という。図1は、実施の形態1の防煙垂壁10を建物の部屋13の天井12に設置した、防煙垂壁10の使用状態を示す。天井12には部屋13の相対向する両壁(図示せず)間の全長に亘り連続的かつ直線的にアルミ等による天井レール(上レール)14が敷設されている。天井レール14には透明で横長かつ平板状の複数枚の板ガラス16が横方向に連ねて吊り下げられている。隣接する板ガラス16,16相互間には面方向(左右方向)および厚み方向に隙間がない。また、防煙垂壁10の全長の両端部と壁との間にも隙間がない。各板ガラス16の寸法は等しい。ただし、防煙垂壁10の全長の一方の端部に配置される1枚または2枚の板ガラス16は、部屋13の相対向する両壁(図示せず)間の距離に合わせて横方向の長さが調整されている場合がある(後述する変更例2参照)。隣接する板ガラス16,16の左右の辺部どうしはそれぞれ所定幅(例えば5mm〜10mm)で重なり合って重ね代18を構成している(以下、この重ね代18の幅を「重ね代幅」という場合がある)。この場合、図2(a)に模式的な平面図で示すように、1枚の板ガラス16の左側に隣接する板ガラス16の右辺部および右側に隣接する板ガラス16の左辺部は、該1枚の板ガラス16の同一面側で該1枚の板ガラス16の左辺部および右辺部にそれぞれ重なり合っている。すなわち、板ガラス16,16,…は、その配列方向に沿って、該配列方向に平行に、左右に交互に千鳥配列されている。これにより、各板ガラス16,16,…は、天井レール14に対し平行に配列されている。なお、この配置に代えて、図2(b)に模式的な平面図で示すように、1枚の板ガラス16の左側に隣接する板ガラス16の右辺部および右側に隣接する板ガラス16の左辺部を、該1枚の板ガラス16の相互に異なる面側で該1枚の板ガラス16の左辺部および右辺部にそれぞれ重なり合うように配置することもできる。ただし、このようにすると、各板ガラス16,16,…は、天井レール14に対して、板ガラス16の厚み分、傾斜して配列されることになるので、該傾斜して配列するために、板ガラス16の上辺に装着する、後述する上枠22,24内の構造等に工夫を要する可能性がある。
重ね代18では、2枚の板ガラス16,16の面どうしが厚み方向に概ね隙間なく重なり合っている。これにより、隣接する板ガラス16,16間から煙が漏れるのが阻止される。2枚の板ガラス16,16間には面方向の隙間がないので、該隙間を塞ぐ閉塞部材(目地を埋めるシーリング材、方立て等)は存在しない。これにより、防煙垂壁10の使用状態において、重ね代18は透明状に透けて視認される。なお、重ね代18において、2枚の板ガラス16,16の面どうしを、重ね代18の縦方向の全長に亘り、透明接着剤、透明両面テープ等で接合することも可能である。ただし、重ね代18を接合しない方が(あるいは接合するにしても、重ね代18の縦方向の一部のみを緩く接合した方が)、地震時の揺れに対して、隣接する板ガラス16,16どうしは相互に動いて揺れに追随することができるので、板ガラス16を破損から保護できると考えられる。板ガラス16,16,…の連なった下辺には、上向きに開口した断面コ字形状のアルミ等による一連の下レール20が装着される。以上の構成によれば、2枚の板ガラス16,16間に面方向の隙間を塞ぐ閉塞部材がなく、板ガラス16,16,…どうしの重ね代18は透明状に視認可能なので、板ガラス16,16,…相互の視覚上の連続性が高まり、美観が向上する。また、隣接する板ガラス16,16,…間に面方向の隙間を塞ぐ閉塞部材が存在しないので、その分、部品点数を削減することができる。
防煙垂壁10を分解した状態を図3に示す。各板ガラス16は一般的なフロートガラス、倍強度ガラス、強化ガラス(化学強化ガラス、物理強化(熱強化)ガラス等)、線入板ガラス、網入板ガラス、合わせガラス等の各種板ガラスを使用できるが、ここでは化学強化ガラスを使用した場合について説明する。各板ガラス16の寸法は、例えば横1500mm、縦500mm、厚さ0.85mmである。そのような化学強化ガラスとしては、例えば旭硝子株式会社製化学強化ガラス「Leoflex」(登録商標)を使用できる。各板ガラス16の片面(または両面)には、飛散防止透明樹脂フィルムが全面に貼り付けられている。各板ガラス16の上辺にはオスパネル用上枠22またはメスパネル用上枠24が装着されている。各板ガラス16の下辺、左辺、右辺には何も装着されていない。オスパネル用上枠22が装着された板ガラス16はオスパネル26を構成し、メスパネル用上枠24が装着された板ガラス16はメスパネル28を構成する。オスパネル26とメスパネル28は交互に配列されている。両上枠22,24は、直線状のアルミ材(フレーム材)で構成され、上部に吊り下げ用のフックがそれぞれ形成されている。オスパネル用上枠22の長さは板ガラス16の横方向の長さよりも短い。これにより、オスパネル26の板ガラス16の左右両辺部の上部は、オスパネル用上枠22の左右両端から左右外方にそれぞれはみ出してはみ出し部16aを形成している。メスパネル用上枠24の長さは板ガラス16の横方向の長さに等しい。これにより、メスパネル28の板ガラス16の上辺左右両端は、メスパネル用上枠24の左右両端と同じ位置にある。オスパネル用上枠22とメスパネル用上枠24とは、長さが異なるだけであり、断面形状その他の仕様は共通である。
オスパネル26およびメスパネル28の構造を説明する。図4はオスパネル26とメスパネル28を連結する前の連結予定箇所を、図6の矢視C側(フック30bが付いていない面側)から見た状態を示す。図5はオスパネル26とメスパネル28を連結して天井レール14から吊り下げた使用状態を、図4と同じ面側から見た状態で示す。図6は図5の状態における、オスパネル26とメスパネル28の連結箇所の平面図を示す。ただし、図6では、オスパネル用上枠22の突き当て部30c(図7(a))およびメスパネル用上枠24の突き当て部30c(図7(b))は図示を省略している。また、図6のオスパネル26のA−A矢視断面図を図7(a)に示し、同B−B矢視断面図を図7(b)に示す。図7(a)、図7(b)のいずれも、オスパネル26およびメスパネル28を天井レール14から吊り下げた、防煙垂壁10の使用状態における断面を示す。
はじめにオスパネル26を説明する。オスパネル26において、オスパネル用上枠22は、上枠本体30と押え板32を有する。上枠本体30と押え板32はいずれもアルミの押出成形品で構成され、相互に同一長である。図7(a)に示すように、上枠本体30は、使用状態で垂直に配置される接合部30aと、接合部30aの上部位置から連続して前方に半円状に屈曲するフック30bと、接合部30aの上部位置から背面方向に連続して、使用状態で水平に配置される突き当て部30cを一体に有する。接合部30aの背面には、板ガラス16の上辺部前面が、薄手(例えば0.15mm厚)の両面テープ34(例えば、不織布を基材とする両面テープ)で接合される。板ガラス16の上端面は突き当て部30cの下面に突き当てられてオスパネル用上枠22に対して上下方向に位置決めされる。両面テープ34は接合部30aの横方向の全長に亘り貼り付けられている。板ガラス16の上辺部背面には、押え板32が厚手の両面テープ36(例えば、発泡樹脂を機材とする両面テープ)で接合されている。両面テープ36の厚さは、板ガラス16の厚さよりも僅かに厚く、かつ板ガラス16と薄手の両面テープ34を合わせた厚さとほぼ同じに設定する。すなわち、例えば、板ガラス16の厚さが0.85mm、両面テープ34の厚さが0.15mmの場合は、両面テープ36の厚さを1.0mmに設定することができる。両面テープ36は押え板32の横方向の全長に亘り貼り付けられている。なお、薄手の両面テープ34に代えて接着剤を使用し、厚手の両面テープ36に代えて板材を接着剤または薄手の両面テープで貼り付けて使用することもできる。上枠本体30と押え板32の左右両端の位置は揃っている。板ガラス16の左右辺部の上部は、オスパネル用上枠22(上枠本体30と押え板32)の左右両端から左右外方に10mm程度それぞれはみ出してはみ出し部16aを形成している(図4)。例えば、板ガラス16の横寸法が1500mmである場合には、オスパネル用上枠22の長さを1480mmに設定することにより、オスパネル用上枠22の左右両側に10mmずつのはみ出し部16aを形成することができる。このようにして、板ガラス16の左右両端をオスパネル用上枠22の左右両端をよりもはみ出した位置に配置する(言い換えれば、オスパネル用上枠22の左右両端を板ガラス16の左右両端よりも引っ込んだ位置に配置する)ことにより、オスパネル26の板ガラス16の右辺(または左辺)とメスパネル28の板ガラス16の左辺(または右辺)どうしが重なり合って重ね代18を形成できるようにしている。
次にメスパネル28を説明する。メスパネル28において、メスパネル用上枠24(上枠本体30と押え板32)は、オスパネル用上枠22と長さが異なる(オスパネル用上枠22よりも長く、板ガラス16の横方向の長さと同じ)だけで、材料、長さ以外の構造はオスパネル用上枠22と同じであるので、メスパネル用上枠24の各部にオスパネル用上枠22の各部と共通の符号を付してその説明を省略する。オスパネル26とメスパネル28は、オスパネル用上枠22とメスパネル用上枠24の長さが異なるほか、両面テープ34,36の配置位置が互いに逆になっている。すなわち、図7(b)に示すように、メスパネル用上枠24の接合部30aの背面には、板ガラス16の上辺部前面が、厚手(例えば1.0mm厚)の両面テープ36で接合されている。また、板ガラス16の上辺部背面には、押え板32が薄手(例えば0.15mm厚)の両面テープ34で接合されている。上枠本体30と押え板32と板ガラス16の左右両端の位置は揃っている。両面テープ34は押え板32の全長に亘り貼り付けられている。これに対し、両面テープ36は接合部30aの全長のうち、左右両端からそれぞれ10mm程度の領域を除いた全領域に亘り貼り付けられている。これにより、メスパネル28の左右両辺部の上部には、接合部30aと板ガラス16との対向面間に奥行き(左右方向の長さ)が10mm、厚さが1mm程度の空隙50が構成される(図4、図6)。この空隙50にはオスパネル26の板ガラス16のはみ出し部16aがそれぞれ差し込まれ、これによりオスパネル26の板ガラス16とメスパネル28の板ガラス16の左右辺部どうしが重なり合って重ね代18を構成する。すなわち、メスパネル28の厚手の両面テープ36は、メスパネル用上枠24の接合部30aに板ガラス16の上辺部を接合する機能のほかに、空隙50を構成するためのスペーサとしての機能を有する。
天井レール14は次のように構成されている。天井レール14は直線状に構成され(図3)、図7に示すように、下向きに開口した断面コ字形状のレール本体38と、断面L字形状の塞ぎ板40を有する。レール本体38と塞ぎ板40はいずれもアルミの押出成形品で構成され、相互に同一長である。レール本体38は、レール本体38の下部開口部から内部空間を通ってレール本体38の上面にねじ42を差し込み、ねじ42を天井(天井ボード)12を介して、天井12を固定している天井下地材44にねじ込むことにより、天井12に固定される。レール本体38の内周面には上方に突出した吊り下げ部46が構成されている。吊り下げ部46は、レール本体38の長手方向全長に亘り延在して形成されて突条を構成している。レール本体38の頂部は断面半円形に形成されている。オスパネル26およびメスパネル28のフック30bは、吊り下げ部46の延在方向に移動自在に、吊り下げ部46に吊り下げられる。塞ぎ板40は、レール本体38の背面(吊り下げ部46が形成されている側の板部に対向する板部の外周面)に、ねじ48で固定される。これにより、レール本体38の下部開口部が概ね塞がれる。このとき、ねじ48の先端は押え板32に当接する。また、接合部30aの下部前面はレール本体38の下面の先端面38aに当接する。これにより、オスパネル26およびメスパネル28は天井レール14から外れて落下するのが阻止される。また、接合部30aおよび押え板32は垂直の姿勢に保持される。これにより、オスパネル26およびメスパネル28は天井レール14から垂直下方に向けて吊り下げられた状態に保たれる。
なお、接合部30aと、両面テープ34,36と、板ガラス16と、押え板32を積層した全体の厚さは、オスパネル26とメスパネル28とで同じである。メスパネル28の両面テープ34と板ガラス16を合わせた厚さは1.0mmでオスパネル26の両面テープ36の厚さに等しく、かつメスパネル28の両面テープ36の厚さすなわち空隙50のギャップ長(1.0mm)はオスパネル26の板ガラス16の厚さ(0.85mm)よりも大きいので、オスパネル26とメスパネル28を天井レール14から吊り下げた状態では、オスパネル26の板ガラス16のはみ出し部16aはメスパネル28の空隙50に丁度入り込んで、重ね代18を構成できるようになる。オスパネル26とメスパネル28を天井レール14から吊り下げた状態では、オスパネル用上枠22およびメスパネル用上枠24は図7に示すように天井レール14の内部空間に収容されるので、天井レール14に隠されて外界からは概ね視認されない。
以上の構成のオスパネル26とメスパネル28を交互に並べて天井レール14から吊り下げ、オスパネル26の板ガラス16のはみ出し部16aをメスパネル28の空隙50に順次差し込むことにより、一連の板ガラス面が構成される。このときはみ出し部16aを空隙50の奥行き方向の全長(10mm程度)に全部差し込まずに、途中まで(5mm程度)差し込み、残り5mm程度を調整代52(図4〜図6)として残す。その結果、隣接する板ガラス16,16の左右辺部どうしは5mm程度重なり合って重ね代18を構成する。このとき重ね代18では板ガラス16,16どうしは厚み方向に概ね隙間なく接して密着性あるいは気密性が高められているので、重ね代18からは煙の漏出はほとんどない。また、防煙垂壁10の使用状態で、重ね代18は外界に露出して視認されるが、幅が狭くかつ透明であるので目立たない。したがって、板ガラス16,16,…相互の視覚上の連続性が高まり、良好な美観が得られる。また、各重ね代18相互についても重ね代18の幅は概ねばらつきがなく共通なので、各重ね代18相互間で重ね代18の幅にばらつきがあることが原因して重ね代18が目立つようなこともない。なお、重ね代18の幅は任意に設定できるが、狭い方が目立たなくでき、50mm以内であれば特に良好な美観が得られる。また、重ね代18の幅は設計上は上下方向位置にかかわらず一定幅であるが、天井12の不陸等により天井レール14に上下方向のうねりがある場合には、一部の板ガラス16に傾きが生じ、重ね代18の幅に上下方向位置で違いが生じる。この場合には、調整代52を調整して(すなわち隣接するパネル26,28間の距離を微調整して)、重ね代18の下部で重ね代18の幅が狭くなりすぎたり、逆に広くなりすぎたりしないようにすることができる。配列された板ガラス16の下辺は、図5に示すように、重ね代18の下部で仮止めテープ56を2枚の板ガラス16,16の外周面間に渡して貼り付けて相互に仮止めされ、さらに一連の下レール20が被せて装着される。下レール20を装着することにより、重ね代18の下部で両板ガラス16,16間が厚み方向に開くのが阻止される。また、下レール20により、板ガラス16,16,…の下辺が物の衝突から保護される。なお、仮止めテープ56は下レール20に隠されて外から見えなくなる。
防煙垂壁10の端部と部屋13の壁との取り合い部の構造を図8を参照して説明する。天井レール14の両端部位置で部屋13の壁15にはアルミ等による端部枠58が垂直に立てて取り付けられている。端部枠58の上端部は天井12に当接している。端部枠58は中空構造を有し、その内部空間60にガラス繊維入り樹脂シート等の不燃樹脂シート61が丸めて収容されている。端部枠58の前面(パネル26の端部と対面する側の面をいう)には、縦方向に延在するスリット62が形成されている。スリット62は上部に広幅部62aが形成され、その下に連続して狭幅部62bが形成されている。天井レール14の端部は広幅部62aに差し込まれる。広幅部62aと天井レール14との間には隙間はほとんどなく、ここから煙はほとんど漏出しない。パネル26の端部は狭幅部62bに差し込まれる。狭幅部62bと板ガラス16との間には隙間64が形成されている。パネル26の端部は端部枠58の内部空間60で天井レール14の端部よりも壁15に接近する方向にはみ出して、丸められた不燃樹脂シート61に喰い込んでいる。これにより、パネル26の端部と壁15との隙間を塞ぎ、該隙間から煙が漏出するのが阻止される。地震時に、防煙垂壁10の面方向(左右方向)への揺れは、建物の左右両壁15と防煙垂壁10の左右両端との間に挟まれた、丸められた不燃樹脂シート61の弾性変形により吸収される。また、隙間64の存在により、防煙垂壁10は地震時に面に直交する方向に揺れることができる。また、地震時に、隣接する板ガラス16,16,…どうしは、仮止めテープ(図5)で緩く止められているだけであるので、相互に面方向に少し動くことができる。これにより、地震時に板ガラス16,16が破損するのが抑制される。また、板ガラス16には飛散防止透明樹脂フィルムが全面に貼り付けられているので、板ガラス16が万一破損しても、飛散するのが防止される。
以上の構造の防煙垂壁10は例えば次の手順で施工することができる。
(1) 天井12に天井レール14を敷設する。
(2) 天井レール14の両端部位置で部屋13の壁15に、内部空間60に丸めた不燃樹脂シート61を収容した端部枠58をそれぞれ取り付ける。
(3) 1枚のオスパネル26を天井レール14に吊り下げて、天井レール14に沿って左方向にスライドさせて、オスパネル26の左辺部を端部枠58内に差し込んで不燃樹脂シート61に喰い込ませる。
(4) 続いて、1枚のメスパネル28を天井レール14に吊り下げて、天井レールに沿って左方向にスライドさせて、オスパネル26の板ガラス16の右辺部のはみ出し部16aをメスパネル28の左辺部の空隙50に差し込む。これにより、オスパネル26の板ガラス16の右辺部とメスパネル28の板ガラス16の左辺部が重なり合って重ね代18を構成する。
(5) 以下同様にしてオスパネル26とメスパネル28を交互に天井レール14に吊り下げて、重ね代18を順次構成しながら配列する。
(6) 最右端のパネル(オスパネル26またはメスパネル28)を天井レールに吊り下げて、該パネルの右辺部を端部枠58内に差し込んで不燃樹脂シート61に喰い込ませる。
(7) 各重ね代18の幅が均等になるように各パネル26,28の左右方向位置を微調整する。
(8) 微調整が終わったら、各重ね代18の下部位置で隣接する2枚の板ガラス16,16を仮止めテープ56(図5)で順次仮止めする。
(9) 配列されたパネル26,28,26,28,…の全長(左側端部枠58内から右側端部枠58内)に亘り、板ガラス16の下辺に一連の下レール20を嵌め込んで取り付ける。以上で防煙垂壁10が完成する。
《実施の形態2》
この発明の防煙垂壁の実施の形態2を図9〜図12を参照して説明する。これは同一構造のパネル(共用パネル)を用いて、隣接するパネル間で表裏を交互に反転させて配列して、一連の透明ガラス防煙垂壁65を構成したものである。板ガラスの上辺に装着する上枠以外(飛散防止透明樹脂フィルム付き横長板ガラス(化学強化ガラス)16、重ね代18の下部における仮止めテープ56による2枚の板ガラス16の仮止め、天井レール14、下レール等)の構造は実施の形態1で説明したものと同じであるので、図示を省略しあるいは実施の形態1と共通の符号を付してその説明を省略する。実施の形態2における上枠の構造を説明する。図11に示すように、上枠66は上枠本体68と押え板70を有する。上枠本体68と押え板70はいずれもアルミの押出成形品で構成され、相互に同一長である。上枠本体68は、実施の形態1におけるオスパネル用上枠22の上枠本体30の突き当て部30cの自由端に連続して、フック30bと反対向きにフック30dを形成した構造を有する。板ガラス16は上枠66の厚み方向について、該厚み方向の中央位置からフック30bの方向に偏った位置で上枠66に取り付けられている。それ以外の上枠本体68の構造は実施の形態1におけるオスパネル用上枠22の上枠本体30と同じである。また、上枠66(上枠本体68および押え板70)の長さは、実施の形態1のオスパネル用上枠22の長さと同じである。すなわち、上枠66の長さは板ガラス16の横方向の長さよりも短い。これにより、共用パネル72の板ガラス16の左右両辺部の上部は、上枠66の左右両端から左右外方に10mm程度それぞれはみ出してはみ出し部16aを形成している(図9、図10)。図11に示すように、接合部30aの背面には、板ガラス16の上辺部前面が、薄手(例えば0.15mm厚)の両面テープ34で接合される。板ガラス16の上端面は突き当て部30cの下面に突き当てられて上枠66に対して上下方向に位置決めされる。両面テープ34は接合部30aの横方向の全長に亘り貼り付けられている。板ガラス16の上辺部背面には、押え板70が厚手の両面テープ36で接合されている。上枠本体68と押え板70の左右両端の位置は揃っている。両面テープ36の厚さは板ガラス16の厚さよりも僅かに厚く設定されている。例えば、板ガラス16の厚さが0.85mmの場合は、両面テープ36の厚さを1.0mmに設定することができる。両面テープ36は実施の形態1における両面テープ36と同様に、接合部30aの全長のうち、左右両端からそれぞれ10mm程度の領域を除いた全領域に亘り貼り付けられている(図10)。これにより、共用パネル72の左右両辺部の上部には、板ガラス16と押え板70との間に奥行き(左右方向の長さ)が10mm程度の空隙50が構成される。接合部30aと両面テープ34と板ガラス16を合わせた厚さは、両面テープ36と押え板70を合わせた厚さに等しい(図11(a))。ここで、両面テープ34の厚さ(0.15mm)と板ガラス16の厚さ(0.85mm)を合わせた厚さは両面テープ36の厚さ(1.0mm)に等しいので、この条件を満たすためには、接合部30aと押え板70の厚さを等しくすればよいことになる。なお、薄手の両面テープ34に代えて接着剤を使用し、厚手の両面テープ36に代えて板材を接着剤または薄手の両面テープで貼り付けて使用することもできる。
以上の構成の共用パネル72を、隣接するパネル間で表裏を交互に反転させて配列して、フック30bまたはフック30dを吊り下げ部46に掛けて天井レール14から吊り下げ、共用パネル72の板ガラス16のはみ出し部16aを隣接する共用パネル72の空隙50に順次差し込むことにより、一連の板ガラス面が構成される。このとき、実施の形態1と同様に、はみ出し部16aを空隙50の奥行き方向の全長(10mm程度)に全部差し込まずに、途中まで(5mm程度)差し込み、残り5mm程度を調整代52(図12)として残す。その結果、隣接する板ガラス16,16の左右辺部どうしは15mm程度重なり合って重ね代18を構成する。このとき重ね代18では板ガラス16,16どうしは厚み方向に概ね隙間なく接しているので、重ね代18からは煙の漏出はほとんどない。また、防煙垂壁65の使用状態で、重ね代18は外界に露出して視認されるが、幅が狭くかつ透明であるので目立たない。したがって、板ガラス16,16,…相互の視覚上の連続性が高まり、良好な美観が得られる。また、各重ね代18相互についても重ね代18の幅は概ねばらつきがなく共通なので、各重ね代18相互間で重ね代18の幅にばらつきがあることが原因して重ね代18が目立つようなこともない。配列された板ガラス16の下辺は、重ね代18の下部で仮止めテープを2枚の板ガラス16,16の外周面間に渡して貼り付けることにより相互に仮止めされ、さらに一連の下レール20が被せて装着される。これにより、図1と同様の外観の防煙垂壁65が構成される。防煙垂壁左右両端部と部屋の壁との取り合い部の構造は、実施の形態1で説明したものと同じである。
《変更例1》
実施の形態1,2において重ね代18の下部位置で2枚の板ガラス16,16どうしを緩く止める手法の変更例として、仮止めテープに代えてクリップを用いる手法を図13〜図14を参照して説明する。配列された板ガラス16,16,…の下辺は、重ね代18の下部でクリップ74により相互に連結されている。各クリップ74は、アルミ製クリップ本体76と、クリップ本体76の内周面に両面テープで貼り付けられて重ね代18に隣接する位置で1枚の板ガラス16を表裏両面側から挟み付ける2種類のクッション材78(78a,78b),80(80a,80b)を有する。クッション材78a,78bの板ガラス16の表裏各面に当接する面は両面テープで板ガラス16の該表裏各面に貼り付けられている。これによりクリップ74が板ガラス16から脱落しないようにされている。一方、クッション材80a,80bの板ガラス16の表裏各面に当接する面に両面テープはなく、該面は板ガラス16の該表裏各面に当接しているだけで貼り付けられていない。図13に示すように、防煙垂壁10,65は、左右両側ともクッション材78a,78bが配置された板ガラス16と、左右両側ともクッション材80a,80bが配置された板ガラス16を交互に配置している。これにより、左右両側ともクッション材80a,80bが配置された板ガラス16は、左右両側のクリップ74,74に対し面方向に動くことができる。したがって、地震時に、隣接する板ガラス16,16,…どうしは、相互に面方向に少し動くことができるので、板ガラス16,16が破損するのが抑制される。また、各クリップ74はクッション材78a,78bで1枚置きの板ガラス16に貼り付けられているので、板ガラス16から脱落することがない。
図14は、配列された板ガラス16,16,…の下辺にクリップ74および下レール20を取り付ける手順を示す。図14(a)に示すように、クリップ本体76は元々断面L字形状に形成され、下面に該断面に直交する方向に延在するV字形状の切欠溝82が形成されている。クリップ本体76の内周面にはクッション材78(78a,78b),80(80a,80b)が貼り付けられている。クリップ本体76をクッション材78の表面の両面テープで板ガラス16の下辺部に貼り付ける。次いで、図14(b)に示すように、クリップ本体76を切欠溝82で折り曲げて、板ガラス16の下辺部に被せる。さらに、図14(c)に示すように、下レール20をクリップ74に下から嵌め込む。下レール20の上部開口部の対向面には下レール20の延在方向に沿って爪20a,20aが形成されており、爪20a,20aは各クリップ74の上部角部に係合し、これにより下レール20は各クリップ74に装着される。このようにして、板ガラス16,16,…の下辺に下レール20が取り付けられる。下レール20を取り付けると、クリップ本体76は下レール20で拘束されるので、クリップ本体76の折り曲げ箇所は開かなくなる。このように、板ガラス16,16,…の下辺に下レール20を取り付けることにより、板ガラス16,16,…の下辺が物の衝突から保護される。また、クリップ74は下レール20で隠されて外から見えなくなる。なお、板ガラス16,16,…の下辺にクリップ74のみ装着し、下レール20は装着しない態様(クリップ74の装着箇所以外は板ガラス16,16,…の下辺が外から視認される態様)で防煙垂壁10,65を使用することもできる。
《変更例2》
実施の形態1,2において、防煙垂壁の全長を調整するために、防煙垂壁10または65(本変更例で以下「防煙垂壁10」と総称する)の全長の一端部で寸法調整処理を施した変更例を説明する。図15(a)は該変更例を示す。防煙垂壁10は、基本的に、同一寸法(ここでは横寸法が1500mm)の板ガラス16を同一重ね代幅(例えば8mm)の重ね代18を形成しながら横方向に連ねて配列されている。ただし、部屋13の相対向する両壁(一方の壁15のみ図示)間の距離により端数が生じるので、その端数の処理(寸法調整)が必要となる。そこで、図15(a)では、防煙垂壁10の右端の2枚の板ガラス16A,16Bの長さを調節する(横寸法を1500mmよりも短くする)ことにより寸法調整を行っている。板ガラス16Aとその左隣の基本横寸法1500mmの板ガラス16とは規定幅(例えば8mm)の重ね代18を形成している。板ガラス16Bの右端は壁15に取り付けられた端部枠58に差し込まれている。図15(b)はこの2枚の板ガラス16A,16Bを抜き出したものである。板ガラス16A,16Bの長さは、調整幅d1(板ガラス16A,16Bによって寸法調整する幅)に応じて個別に調整されている。板ガラス16A,16Bの上辺には上枠22または24または66(本変更例で以下「上枠22」と総称する)が装着されている。上枠22の長さは、板ガラス16A,16Bの長さよりも短く、板ガラス16A,16Bの長さに応じて個別に調整されている。板ガラス16Aの右辺側上部および板ガラス16Bの左辺側上部は上枠22の上部からはみ出してはみ出し部16Aa,16Baを構成している。図15(c)は板ガラス16A,16Bを組み合わせた状態を示す。重ね代18の幅(重ね代幅)d2の調整により、両板ガラス16A,16Bを組み合わせた全体の長さが、所要の調整幅d1に調整されている。このとき、左右の上枠22,22の間にはみ出し部16Aa,16Baが露出する。はみ出し部16Aa,16Baを露出したままにすると、地震等で板ガラス16A,16Bが動いたときに、はみ出し部16Aa,16Baの角部の小口が相手方の上枠22,22の端面に衝突し、板ガラス16A,16Bが破損する恐れがある。そこで、はみ出し部16Aa,16Baの上辺に、適宜の長さにカットした上枠102を配置する。上枠102は図15(d)に示すように、例えば接合部102aと対面する側の板ガラス16Bに薄手の両面テープまたは接着剤104で取り付けられる。上枠102の上部にはフック102bが形成されている。フック102bは天井レール14の吊り下げ部46(図7、図11)に掛けられる。はみ出し部16Aa,16Baの上辺に上枠102を配置することにより、上枠22,22間の距離が保たれ、地震時等に、はみ出し部16Aa,16Baの角部の小口が相手方の上枠22,22の端面に衝突するのが防止され、該衝突による板ガラス16A,16Bの破損が防止される。
図16の図表は、調整幅d1に応じた板ガラス16A,16Bおよび上枠22の寸法例を示す。図16中の板ガラス16A,16Bに関する記号はそれぞれ次の寸法を表す(図15(b)参照)。

a:板ガラス16Aの横寸法(=a1+a2)
a1:板ガラス16Aの上枠22の長さ
a2:はみ出し部16Aaの横寸法
b:板ガラス16Bの横寸法(=b1+b2)
b1:板ガラス16Bの上枠22の長さ
b2:はみ出し部16Baの横寸法

図16の寸法例によれば、板ガラス16A,16Bとして、横寸法が754mm、570mm、432mm、329mm、252mm、194mm、150mmの7種類の長さの寸法調整用板ガラスを用意すればよいことになる。なお、調整幅d1が226mm未満については、例えば、板ガラス16Aを無くし、板ガラス16Bのみで寸法調整を行うことができる。すなわち、図15(a)において、基本横寸法1500mmの最右の板ガラス16の右隣に、適宜の横寸法にカットした板ガラス16Bを適宜の重ね代幅(例えば8mm)で配列する。板ガラス16Bの右端は端部枠58に差し込まれる。
《変更例3》
実施の形態1,2に吊り部材を追加した変更例を説明する。図17は該変更例を示す。これは、実施の形態1,2の防煙垂壁10または65(本変更例で以下「防煙垂壁10」と総称する)の、隣接する板ガラス16,16の各境界部分に吊り部材106を追加して、板ガラス16,16の下辺を吊り部材で受けて支持するようにしたものである。吊り部材106の追加により、板ガラス16の万一の落下を防止できる。吊り部材106は、垂直に配された吊り棒108と水平に配されたガラス受け111を有する。図17では全ての吊り棒108は防煙垂壁10の同一面側(図17の紙面の裏面側)に配置されている。吊り部材106の構成例を図18に示す。吊り棒108は、例えば、直径1.5〜2mm程度の鋼製直丸棒で構成されている。吊り棒108の上端部には、平板状の取付部113が溶接等で固定されている。取付部113の面は吊り棒108に直交している。取付部113の面には、ねじ通し穴115が開設されている。吊り棒108の下端部にはガラス受け111が溶接等で固定されている。ガラス受け111は、例えば、断面コ字状の鋼製メッキ仕上げの板材で構成されている。ガラス受け111は、はじめから断面コ字状に形成されているタイプのほか、前出の図14のクリップ74と同様の、施工時に折り曲げて断面コ字状に形成するタイプのものを使用することもできる。吊り棒108の下端部は、ガラス受け111の壁部111aの長手方向中央部の頂部に固定されている。ガラス受け111の延在方向は吊り棒108に直交している。ガラス受け111の、上部に開口した凹所には板状の軟質クッション材117が折り曲げて収容されている。折り曲げられた軟質クッション材117の対向面間には、スリット幅が1mm程度のスリット119が形成されている。
図19は図17のM−M矢視断面図で、防煙垂壁10における図18の吊り部材106の取り付け状態を示す。吊り部材106は、ガラス受け111のスリット119に、隣接する板ガラス16,16の重ね代18を含む領域の下端部を収容保持した状態で、ねじ121を取付部113のねじ通し穴115に通して、ガラス受け111の直上位置で、天井レール14のレール本体38の下面のねじ穴123にねじ込むことにより、天井レール14に取り付けられている。吊り棒108の長さは、ガラス受け111で板ガラス16を受けて支持できる長さに設定されている。図20は図19のN−N矢視断を示す。隣接する板ガラス16,16の下端部どうしは、重ね代18を含む領域がスリット119に収容保持されている。1枚の板ガラス16の厚さを0.85mmとすると、2枚の板ガラス16,16が重なった重ね代18の厚さは1.7mmとなる。板ガラス16,16を収容する前のスリット119の幅を1mmとすると、重ね代18は、軟質クッション材117のクッション性により、軟質クッション材117を潰しながらスリット119に圧入される。これにより、重ね代18の下端部はがたつきなくガラス受け111に収容保持される。ガラス受け111には、前出の図14(c)のクリップ74と同様の仕組みにより、下レール20(図17)を下から嵌め込んで装着することができる。下レール20を装着することにより、板ガラス16,16,…の下辺が物の衝突から保護される。また、図17に模式的に示すように、ガラス受け111を下レール20で隠すことができる。防煙垂壁10に吊り部材106を追加すると、吊り棒108が板ガラス16の面内に見えることになるが、吊り棒108は細径でよい(例えば重ね代18の幅よりも細い)ので目立たず、従来の閉塞部材(目地を埋めるシーリング材、方立て等)のように美観を大きく損ねるものではない。
図17の吊り部材106の別の構成例を図21に示す。これは図18の吊り部材106の取付部113に代えて、吊り棒108の上部に連続してフック108aを形成したものである。取付部113とフック108aが相違すること以外は、図18の吊り部材106と図21の吊り部材106は同じ構成である。図22は図17のM−M矢視断面図で、防煙垂壁10における図21の吊り部材106の取り付け状態を示す。フック108aは調整代52(図5、図6、図12)の位置(すなわち上枠22,24,66が存在しない位置)で、レール本体38の吊り下げ部46に掛けて吊り下げられる。これにより板ガラス16の万一の落下を防止できる。
図23は、図18および図21の吊り部材106の吊り棒108の下端部にガラス受け111を取り付ける構造の別の例を示す。ガラス受け111の壁部111a外壁面の長手方向中央部には、ねじ切り部材125が溶接等で固定されている。ねじ切り部材125には縦方向(ガラス埋け111の延在方向に直交する方向)の雌ねじ125aが形成されている。一方、吊り棒108の下部には雄ねじ108bが形成されている。雄ねじ108bを雌ねじ125aにねじ込むことにより、吊り棒108とガラス受け111が連結される。
なお、図18および図21では吊り部材106を天井レール14から吊り下げるようにしたが、吊り部材106を天井レール14を介さずに天井から直接吊り下げるようにすることもできる。また、吊り棒108に代えて丈夫な金属製ワイヤ、丈夫な透明樹脂製テグス等でガラス受け111を吊ることもできる。
《参考例》
参考例として、隣接する板ガラスどうしをガラス製の方立てで連結した防煙垂壁を図24〜図29を参照して説明する。前記実施の形態の防煙垂壁と共通する部分には共通の符号を用いる。図24はこの参考例の防煙垂壁84の使用状態を示す。天井12には部屋13の相対向する両壁(図示せず)間の全長に亘り連続的かつ直線的にアルミ等による天井レール14が敷設されている。天井レール14には複数枚のパネル86(オスパネル)が、間にガラス方立て88(メスパネル)をそれぞれ挟んで横方向に連ねて隙間なく配列されて吊り下げられている。防煙垂壁84の全長の両端部と部屋13の壁との間には、前述した図8と同様の取り合い部の構造が配置されている。
図25に示すように、1枚のパネル86は横長で平板状の板ガラス16と、板ガラス16の上辺に取り付けられた上枠90を有する。板ガラス16は前記実施の形態1,2と同様に横1500mm、縦500mm、厚さ0.85mm等の化学強化ガラスで構成されている。上枠90の構造を説明する。上枠90はアルミの押出成形品で構成されている。上枠90の長さは板ガラス16の横方向の長さよりも短い。これにより、パネル86の板ガラス16の左右両辺部の上部は、上枠90の左右両端から左右外方に10mm程度それぞれはみ出してはみ出し部16aを形成している。図26、図27、図28(a)に示すように、上枠90は、使用状態で垂直に配置される接合部90aと、接合部90aの上部位置から連続して前方に半円状に屈曲するフック90bと、接合部90aの上部位置から背面方向に連続して、使用状態で水平に配置される突き当て部90cを一体に有する。接合部90aの背面には、板ガラス16の上辺部前面が、薄手(例えば0.15mm厚)の両面テープまたは接着剤(図示せず)で接合される。板ガラス16の上端面は突き当て部90cの下面に突き当てられて上枠90に対して上下方向に位置決めされる。該両面テープは接合部90aの全長に亘り貼り付けられている。
ガラス方立て88の構造を説明する。図25に示すように、ガラス方立て88は板ガラス92と、板ガラス92の上辺に取り付けられた上枠94を有する。板ガラス92はパネル86の板ガラス16と横寸法以外が同一仕様の化学強化ガラスで構成される。板ガラス92の横寸法は50mm程度と短く、したがって板ガラス92は縦長である。上枠94は長さが短い(板ガラス92と同じ長さ)こと以外はパネル86の上枠90と同一仕様である。すなわち、図26、図27、図28(b)に示すように、上枠94は接合部94aと、接合部94aの上部位置から連続して前方に半円状に屈曲するフック94bと、接合部94aの上部位置から背面方向に連続して、使用状態で水平に配置される突き当て部94cを一体に有する。接合部94aの背面中央には厚手(例えば1.0mm厚)の両面テープ96が貼り付けられ、この両面テープ96に板ガラス92の上辺部前面が接合されている。板ガラス92の上端面は突き当て部94cの下面に突き当てられて位置決めされている。接合部94aと板ガラス92の上辺部との間には、両面テープ96を挟んで左右両側に空隙98が構成されている。なお、両面テープ96に代えて板材を接着剤または薄手の両面テープで貼り付けて使用することもできる。
以上の構成のパネル86とガラス方立て88を交互に配列して、フック90bまたはフック94bを吊り下げ部(実施の形態1,2の吊り下げ部46)に掛けて天井レール14から吊り下げ、パネル86の板ガラス16のはみ出し部16aをガラス方立て88の空隙98に順次差し込むことにより、所定幅(例えば5mm〜10mm)の重ね代100(図29)を構成しながら板ガラス16,92による一連の板ガラス面が構成される。このとき重ね代100では板ガラス16,92どうしは厚み方向に概ね隙間なく接しているので、重ね代100からは煙の漏出はほとんどない。また、防煙垂壁84の使用状態で、重ね代100は外界に露出して視認されるが、幅が狭くかつ透明であるので目立たない。したがって、板ガラス16,92,16,92,…相互の視覚上の連続性が高まり、良好な美観が得られる。また、各重ね代100相互についても重ね代100の幅は概ねばらつきがなく共通なので、各重ね代100相互間で重ね代100の幅にばらつきがあることが原因して重ね代100が目立つようなこともない。配列された板ガラス16,92,16,92,…の下辺は、重ね代100の下部で仮止めテープを2枚の板ガラス16,16の外周面間に渡して貼り付けることにより相互に仮止めされ、さらに一連の下レール20が被せて装着される。これにより防煙垂壁84が構成される。仮止めテープに変えて、図13、図14と同様にクリップ止めすることもできる。また、前記実施の形態1,2と同様に、調整代を設けることもできる。また、以上の説明とは逆に、ガラス方立て88をオスパネル、パネル86をメスパネルとすることもできる。すなわち、ガラス方立て88については、板ガラス92を上枠94よりも広幅にして左右両側にはみ出し部を形成し、厚手の両面テープ96に変えて薄手の両面テープを使用して板ガラス92に上枠94を接合する。パネル86については、上枠90の長さと板ガラス16の横方向の長さを等しくして上枠90と板ガラス16の左右両端位置を揃え、薄手の両面テープに変えて厚手の両面テープ(上枠90および板ガラス16の長さよりも短い)を使用して上枠90と板ガラス16を接合し、パネル86の左右両側に、ガラス方立て88のはみ出し部を差し込んで収容する空隙を形成する。
なお、前記実施の形態および参考例では、板ガラスをいずれも透明としたが、板ガラス自体を半透明にし、あるいは透明の板ガラス本体に半透明の飛散防止樹脂フィルムを貼り付けるなどして、板ガラスを半透明に構成して、一連の半透明ガラス防煙垂壁を構成することもできる。また、重ね代を半透明とし、重ね代以外を透明とする(または、重ね代を透明とし、重ね代以外を半透明とする)こともできる。また、重ね代全面を透明または半透明接合部材(接着剤、両面テープ等)で透明または半透明に接合することもできる。また、前記実施の形態および参考例では、防煙垂壁を直線状に設置した場合について説明したが、折れ曲がり状または曲線状に設置することもできる。また、前記実施の形態では板ガラスとして化学強化ガラスを使用した場合について説明したが、前述のとおり、この発明における板ガラスとしては、化学強化ガラス以外に、一般的なフロートガラス、倍強度ガラス、物理強化(熱強化)ガラス等、線入板ガラス、網入板ガラス、合わせガラス等の各種板ガラスを使用できる。このうち合わせガラスを使用すると、ガラスの強化と飛散防止の両方の効果が得られる。
10,65…防煙垂壁、14…天井レール、16…板ガラス、16a…はみ出し部、18…重ね代、22,24,66…上枠、26…オスパネル、28…メスパネル、50…空隙、72…共用パネル、106…吊り部材、108…吊り棒、111…ガラス受け

Claims (12)

  1. それぞれ透明または半透明の少なくとも3枚の横長の板ガラスを有し、
    前記少なくとも3枚の板ガラスは左右の辺部どうしが重なり合って順次重ね代を形成しながら横方向に連なって配列され、
    防煙垂壁の使用状態において、前記重ね代は透明状または半透明状に視認可能である、
    そのような防煙垂壁。
  2. 1枚の板ガラスの左側に隣接する板ガラスの右辺部と、該1枚の板ガラスの右側に隣接する板ガラスの左辺部は、該1枚の板ガラスの同一面側で該1枚の板ガラスの左辺部と右辺部にそれぞれ重なり合っている請求項1に記載の防煙垂壁。
  3. 前記防煙垂壁が設置されている構造物の揺れに対して、前記板ガラスどうしは前記重ね代で面方向に相互に変位可能である請求項1または2に記載の防煙垂壁。
  4. 前記重ね代の幅は5mm以上、50mm以下である請求項1から3のいずれか1つに記載の防煙垂壁。
  5. 前記板ガラスの厚さは0.1mm以上、10mm以下である請求項1から4のいずれか1つに記載の防煙垂壁。
  6. 前記板ガラスは化学強化ガラス、物理強化ガラス等の強化ガラスである請求項1から5のいずれか1つに記載の防煙垂壁。
  7. 前記板ガラスの少なくとも片面に飛散防止フィルムが被覆されている請求項1から6のいずれか1つに記載の防煙垂壁。
  8. 前記板ガラスの上辺に沿って上枠が取り付けられ、前記板ガラスは前記上枠を介して天井レールから吊り下げられ、
    隣接して配置される2枚の板ガラスの前記重ね代を構成する左右の辺部のうち、一方の板ガラスの左右一方の辺部の上部は該一方の板ガラスに取り付けられた前記上枠の左右一方の端部から左右一方向にはみ出してはみ出し部を形成し、他方の板ガラスの左右他方の辺部の上部と該他方の板ガラスに取り付けられた前記上枠の左右他方の端部との対向面間には、前記一方の板ガラス前記はみ出し部を収容する空隙が形成されている
    請求項1から7のいずれか1つに記載の防煙垂壁。
  9. 前記板ガラスの上辺に沿って上枠が取り付けられ、前記板ガラスは表裏を任意に選択可能に前記上枠を介して天井レールから吊り下げられ、
    前記板ガラスの左右両方の辺部の上部は前記上枠の左右両方の端部から左右方向にそれぞれはみ出してはみ出し部を形成し、
    前記板ガラスは前記上枠の厚み方向について、該厚み方向の中央位置から偏った位置で該上枠に取り付けられている
    請求項1から8のいずれか1つに記載の防煙垂壁。
  10. 天井レールまたは天井から吊り下げられた吊り部材をさらに有し、
    前記板ガラスの下辺は前記吊り部材に受けられる請求項1から10のいずれか1つに記載の防煙垂壁。
  11. 前記吊り部材は、
    天井レールまたは天井から吊り下げられた吊り棒と、
    前記吊り棒の下部に取り付けられて、前記板ガラスの下辺を受けるガラス受けと
    を有する請求項10に記載の防煙垂壁。
  12. 横長の板ガラスと、該板ガラスの上辺に沿って取り付けられた上枠を有し、
    前記板ガラスの左右少なくとも一方の辺部において、該辺部の上部は前記上枠の左右一方の端部から左右一方向にはみ出してはみ出し部を形成している
    そのような防煙垂壁用パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109718489A (zh) * 2018-11-28 2019-05-07 上海建工五建集团有限公司 挡烟垂壁及其应用施工方法
JP2020195468A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 早水電機工業株式会社 防煙垂れ壁
CN114575482A (zh) * 2022-03-17 2022-06-03 福建荣德机电科技有限公司 一种新型防火玻璃挡烟垂壁
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