JP2017086066A - 線状コラーゲン架橋多孔体 - Google Patents

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Abstract

【課題】コラーゲン成形体として、三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有し、成形体の深部への細胞培養液の浸透が容易であり、変形自由度が大きいという特性を有する材料の提供を課題とする。【解決手段】架橋されているコラーゲン成形体であって、当該成形体は三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有し、当該成形体の外形は線状体の構造を有することを特徴とする線状コラーゲン架橋多孔体である。線状体の構造としては、糸状、紐状、棒状、リボン状、コイル状及びスパイラル状からなる形状のうちのいずれか1種又はこれら形状の2種以上が組み合わされた複合形状であることが好ましい。【選択図】 図2

Description

本発明は、架橋を施され、線状体の構造を有するコラーゲン多孔体に関する。
コラーゲンは、生体内のタンパク質の30%を占め、骨格支持及び細胞接着などの機能を有する重要なタンパク質であり、例えば、骨・軟骨、靭帯・腱、角膜実質、皮膚、肝臓、筋肉などの組織は、コラーゲン線維からできている。従来、生体組織から取得したコラーゲンを用いた各種の成形体(以下「コラーゲン成形体」という)が作製されており、細胞培養基材、再生医療用の足場材料(例えば、軟骨・骨・脊椎・髄核・靭帯・角膜実質・皮膚・血管・神経・肝臓組織の再生材料)、移植用材料、創傷被覆用材料、骨補填剤、止血用材料、癒着防止用材料、薬物送達担体等の用途に適合させるために様々な技術開発が行われてきた。
生体組織からのコラーゲン取得においては、コラーゲンを可溶化して可溶化コラーゲン溶液を得ることが広く行われている。可溶化コラーゲン溶液中では、コラーゲン分子がバラバラに存在していると一般に考えられている。
可溶化コラーゲン溶液に、適当な緩衝液を添加し、可溶化コラーゲン溶液を適度なイオン強度及びpHとすると、再フィブリル化(線維化ともいう)したコラーゲンフィブリルを取得できることが知られている。ここで、再フィブリル化したコラーゲンフィブリルを本発明においては「線維化コラーゲン」と称するものとする。線維化コラーゲンにおいては、生体内コラーゲンと同様に、D周期性の横縞が観察される。D周期性の横縞の間隔は、文献によっては64nmや70nmという記載もあるが、一般的には67nmとされている。
従来、コラーゲン成形体は力学特性が十分でないため、取り扱いや操作が難しく、臨床現場における使用は限定されていた。一般的に、コラーゲン成形体は、水や細胞培養液中で膨潤し易く、また、これを細胞培養基材として用いた場合には、培養期間が数日以上に渡ると形態が変化したり、あるいはコラーゲンが徐々に分解して溶出したりすることがあった。そのため、移植すると、播種した細胞が分散してしまい、所望の組織部位に留まることが困難であったりした。
特許文献1には、コラーゲン濃度が50mg/ml以上であるコラーゲンの分散液、溶液あるいはその混合物から気泡を除去し、次に凍結乾燥の後、物理的架橋や化学的架橋による不溶化処理を行い、10%負荷時に10〜30kPaの応力を持ち、表面及び内部にポア構造を持つ細胞培養用担体に関する技術が開示されている。
また、特許文献2には、平均直径が1〜5μmの線維化コラーゲン(特許文献2では「コラーゲン線維」と呼称)で構成されたとするコラーゲン構造体に関する技術が開示されている。
一方、濃厚塩類又はPBS中において、可溶化コラーゲン溶液をノズルから吐出することにより糸状の形状を形成させる技術が特許文献3〜5に開示されている。
特許第4915693号公報 再公表特許WO2013/105665号 特開平8−35193号公報 特許第5669760号公報 再公表特許第WO2012/114707号公報
三次元の細胞培養を行うには、細胞が基材内部にまで進入できることが不可欠である。よって、三次元の細胞培養が可能な材料とは、細胞遊走が可能な孔径を備えた連続孔で構成された多孔質構造を有する材料と云える。ちなみに、三次元の細胞培養が可能な孔径の大きさについては諸説あり、少なくとも50μmあるいは70μmとも言われている。一方、100μmや150μmも提唱されているが、これは充分に円滑な細胞遊走を実現させるためと考えられる。
三次元の細胞培養において、厚みのある材料を細胞培養基材として用いた場合、細胞培養基材深部への細胞培養液の浸透が不十分になることがあり、培養細胞の成育・増殖に支障を来たすことがあった。
一方、生体組織で生じた欠損、陥没、穴隙等の患部の修復に用いる材料として、形状変化に自由度のないもの、例えば円柱状、直方体状等の形状を用いた場合は、患部の形状に材料を適合させるために材料の切削等の処理が必要であった。
本発明者らは、鋭意検討の結果、十分な力学特性、三次元の細胞培養が可能な多孔質構造、及び高い変形自由度を有するコラーゲン成形体を開発した。即ち、三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有し、架橋処理が施され、且つ、線状体の構造を有することを特徴とする線状コラーゲン架橋多孔体である。
ここで、本発明の線状コラーゲン架橋多孔体の特性理解の一助とすべく、前記先行技術文献及び本発明者らが予備的に実施した実験について概説する。
特許文献1に記載の細胞培養用担体は、形状として立方体又は円柱を想定したものである。したがって、細胞培養基材深部にまで細胞培養液を浸透させるべきことの意義及び自由な形状変化がもたらす利点に関しては何ら言及されていない。
特許文献2に記載のコラーゲン構造体については、その実施例1に係る走査型電子顕微鏡像の図3及び図4から判断すると、孔径が50μmを十分に下回るほど小さいために、三次元の細胞培養に適したものとは云い難かった。
ところで、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを再フィブリル化させずに形成させたコラーゲン成形体には、一般に線維化コラーゲンが認められない。当該コラーゲン成形体を構成するコラーゲンを「非線維化コラーゲン」と称する。
本発明のコラーゲン成形体は、三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有し、架橋処理が施され、且つ、線状体の構造を有していれば、非線維化コラーゲン及び線維化コラーゲンのいずれで構成されたコラーゲン成形体であってもよい。
非線維化コラーゲンで構成されたコラーゲン成形体は、透明性を有するという利点がある。一方、線維化コラーゲンの形態は生体組織に存在するコラーゲン線維の形態と類似であるため、線維化コラーゲンで構成されたコラーゲン成形体を用いた方が有利な場面もある。
しかしながら、従来の技術では、線維化コラーゲンで構成され、且つ、三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有する多孔体(以下「線維マクロ多孔体」ともいう)を製造することは困難であった。
本発明者らは、線維マクロ多孔体を得るための試みとして次の(a)〜(c)の方法を実施した。
(a) 可溶化コラーゲン溶液にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を添加してコラーゲンを線維化させた後、凍結乾燥する方法。
(b) 可溶化コラーゲン溶液にPBSを添加してコラーゲンを線維化させた後、線維化コラーゲンをエタノールシリーズ(エタノール濃度を段階的に高めたエタノールと水との混合液。エタノール濃度:50%、70%、90%、100%)で脱水・脱塩し、次に溶媒をt-ブタノールに置換し、凍結させた後、凍結乾燥する方法。
(c) 可溶化コラーゲン溶液を凍結乾燥した後、PBSでコラーゲンを線維化させる方法。
しかしながら、上記(a)〜(c)のいずれの方法においても線維マクロ多孔体は得られなかった。
即ち、(a)の方法では、線維化したコラーゲンが凍結乾燥時に濃縮した高濃度の塩によって非線維化(脱線維化)してしまい、また孔径も小さいものであった。特許文献1に記載の細胞培養用担体も(a)の方法と同様の方法で製造するため、コラーゲンが線維状のものであるとは云い難かった。また、特許文献3〜5に記載の方法で得られる糸状コラーゲンについても同様のことが云える。
また、(b)の方法では、線維化コラーゲンからなる多孔体が得られたが、孔径が小さいために三次元の細胞培養には不適であった。これはt-ブタノールの凍結結晶が水の凍結結晶ほど大きくなかったためと考えられる。
また、(c)の方法では、安定した形状のものが得られなかった。
本発明は以下のとおりである。
[1]架橋されているコラーゲン成形体であって、当該成形体は三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有し、当該成形体の外形は線状体の構造を有することを特徴とする線状コラーゲン架橋多孔体。
[2]前記線状コラーゲン架橋多孔体の走査型電子顕微鏡像における、最表面に観察される孔の数が少なくとも30個である一定区画内において、当該孔の最大個数がnであるときに、
平均孔径={Σ(孔iの最大幅+孔iの最小幅)/2}/n(但し、i=1〜n)
の数式によって算出される平均孔径が、50〜300μmの範囲である上記[1]記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
[3]前記線状体の構造が、糸状、紐状、棒状、リボン状、コイル状及びスパイラル状からなる形状のうちのいずれか1種又はこれら形状の2種以上が組み合わされた複合形状である上記[1]又は[2]記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
[4]前記線状コラーゲン架橋多孔体を構成するコラーゲンが、線維化コラーゲンである上記[1]〜[3]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
[5]前記多孔質構造の少なくとも一部において、D周期性の横縞が観察されることによって、線維化コラーゲンの存在が確認されるものである上記[4]記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
[6]培養細胞が保持された上記[1]〜[5]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
[7]上記[1]〜[5]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を用いて作製された、組紐、織布、不織布、編物又は綿状物の構造を有する複次元コラーゲン架橋多孔体。
[8]培養細胞が保持された上記[7]記載の複次元コラーゲン架橋多孔体。
[9]上記[8]記載の複次元コラーゲン架橋多孔体であって、1本の線状コラーゲン架橋多孔体には1種類の培養細胞が保持され、且つ複次元コラーゲン架橋多孔体中の培養細胞の種類が2種類以上である、複次元コラーゲン架橋多孔体。
[10]可溶化コラーゲン溶液を線状体に成形する第一工程、凍結乾燥する第二工程、架橋処理する第三工程を含むことを特徴とする、上記[1]〜[5]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体の製造方法。
[11]前記第一工程が、可溶化コラーゲン溶液とアルカリ金属重炭酸塩とを混合することによって生成する線維化コラーゲンゲルを線状体に成形する工程である上記[10]記載の線状コラーゲン架橋多孔体の製造方法。
[12]アルカリ金属重炭酸塩の適用量が、コラーゲンの分子量を30万としたときに、アルカリ金属重炭酸塩/可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲン(モル比)=3×102〜3×104の範囲である上記[11]記載の線状コラーゲン架橋多孔体の製造方法。
[13]前記第三工程の架橋処理が、下記(1)及び(2)のうちいずれか一方又は双方である、上記[10]〜[12]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体の製造方法。
(1)γ線照射、電子線照射、プラズマ照射、UV照射又は熱脱水によって物理的架橋する処理。
(2)水溶性化学架橋剤又は気化能を有する化学架橋剤によって化学的架橋する処理。
[14]上記[1]〜[5]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を細胞培養基材として用いる細胞培養方法であって、乾燥または脱水状態の当該多孔体に、細胞懸濁液を吸収させることによって、細胞を当該多孔体内で三次元的に分布させることを特徴とする細胞培養方法。
[15]上記[1]〜[5]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を渦巻状に巻回させたものを細胞培養基材として用いる細胞培養方法。
[16]上記[7]記載の複次元コラーゲン架橋多孔体を細胞培養基材として用いる細胞培養方法であって、乾燥または脱水状態の当該多孔体に、細胞懸濁液を吸収させることによって、細胞を当該多孔体内で三次元的に分布させることを特徴とする細胞培養方法。
[17]上記[1]〜[5]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を用いた細胞培養用材料。
[18]上記[1]〜[6]のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を用いた医用材料。
[19]上記[7]記載の複次元コラーゲン架橋多孔体を用いた細胞培養用材料。
[20]上記[7]〜[9]のいずれか1項記載の複次元コラーゲン架橋多孔体を用いた医用材料。
本発明の線状コラーゲン架橋多孔体は、架橋処理が施されているため十分な力学的強度を有し、難水溶性即ち一定期間水と接触しても一定の強度を有し形状もほとんど変化しないという特性を有するものである。また、線状体の構造を有することによって、成形体の深部にまで細胞培養液が浸透し易いため、三次元培養用基材として適しているだけでなく、変形自由度が大きいため、例えば、欠損、陥没、穴隙等の患部の修復にも適したものである。
本発明の線状コラーゲン架橋多孔体を体組織の穴隙患部に適用したときの一例を示す模式図(穴隙患部の断面)である。 実施例1で作製した線状コラーゲン架橋多孔体を浸漬液から取り出したときの写真(A図)と、この変形自由度を示す写真(B図)である。 実施例1で作製した線状コラーゲン架橋多孔体を用いて作製した、結び目を有したものの写真である。 実施例1で作製した線状コラーゲン架橋多孔体を用いて作製した、編物状構造体の写真である。 実施例6で作製した線状コラーゲン架橋多孔体の走査型電子顕微鏡像(倍率10000倍)である。 実施例1で作製した線状コラーゲン架橋多孔体の走査型電子顕微鏡像(倍率100倍)である。 図6中の最表層の孔だけを識別できるように、最表層の孔の内側を塗りつぶした図である。 マウス由来のES-D3細胞の培養30日後であっても、細胞培養基材として用いた線状コラーゲン架橋多孔体がピペットで吸引して引き上げることが可能な力学強度を有することを示した写真である。 マウス由来のES-D3細胞の培養30日後であっても、細胞培養基材として用いた線状コラーゲン架橋多孔体を複数本組み合わせて立体的な構造体を作製することができることを示した写真である。 培養1週間後において、細胞培養基材として用いた線状コラーゲン架橋多孔体内で3T3細胞の増殖及び生存が確認されたことを示した写真である。 実施例7で作成した線状コラーゲン架橋多孔体の走査型電子顕微鏡像(倍率100倍)である。
(線状コラーゲン架橋多孔体)
以下、本発明の線状コラーゲン架橋多孔体(以下「線状多孔体」という)について詳細に説明する。
線状多孔体は、架橋されているコラーゲン成形体であって、当該成形体は三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有し、当該成形体の外形は線状体の構造を有することを特徴とするものである。
三次元の細胞培養が可能な多孔質構造としては、細胞が基材内部にまで進入できるように、円滑な細胞遊走に適した孔径の連続孔を有する海綿状(スポンジ状)構造であれば特に制限はない。孔径に関する好適な一形態は、線状多孔体の走査型電子顕微鏡像において、最表面に観察される孔の数が少なくとも30個である一定区画内において、当該孔の最大個数がnであるときに、平均孔径={Σ(孔iの最大幅+孔iの最小幅)/2}/n(但し、i=1〜n)の数式によって算出される平均孔径が、50〜300μmの範囲となるものである。上記平均孔径のより好適な範囲は、70〜250μmである。尚、上記孔としては、完全孔が対象であり、区画境界線によって孔が分断された不完全孔は含まれない。尚、平均孔径を求めるための走査型電子顕微鏡像の倍率としては、100倍程度が好適である。
架橋されているコラーゲン成形体を得るために施す架橋処理は、コラーゲン分子間あるいはコラーゲン分子によって形成されたコラーゲン細線維間などにおいて架橋が施されるものであれば特に限定されるものではない。具体的な架橋処理方法としては、例えば、(1)γ線照射、電子線照射、プラズマ照射、UV照射又は熱脱水によって物理的架橋する処理、(2)水溶性化学架橋剤又は気化能を有する化学架橋剤によって化学的架橋する処理が挙げられ、(1)と(2)のいずれか一方だけを用いてもよいし、(1)と(2)を組み合わせて用いてもよい。当然ながら、(1)と(2)の各架橋処理において複数の架橋処理を採用してもよく、例えばUV照射の後にγ線照射してもよい。また、目的に応じて、架橋度を適宜設定すればよい。
線状多孔体は、架橋されたコラーゲンで構成されているため、力学的特性に優れ、また、難溶性の傾向が大きい。線状多孔体の好適な一形態は、圧縮、伸張等の外力に対する抵抗力が大きく、金属製ピンセットで取り扱っても外観的にはほとんど損傷しないものであり、また、線状多孔体を細胞培養基材として供した場合に、細胞培養期間終了後においても多少の収縮などの形状変化があったとしてもある一定の力学的強度を保持し得るものである。評価方法の一例は、線状多孔体を細胞培養基材として用いてマウス線維芽細胞株L929を10日間培養した場合に、培養後の線状多孔体が金属製ピンセットによって保持できる強度を有したものであったときに、一定の力学的強度を有した線状多孔体であると評価することができる。
本発明で云うところの線状体とは、一定方向に線状に連続する構造を有するものである。断面形状は特に限定されず、例えば、円状、矩形状、星型等の形状が挙げられる。線状体の具体的な構造として、糸状、紐状、棒状、リボン状、コイル状、スパイラル状等の形状を例示することができ、これら形状のうちのいずれか1種であってもよいし、また、これら形状が2種以上組み合わされた複合形状であってもよい。但し、上記例示した糸状等の形状は、線状体の具体的な構造を表現するためのものであり、いずれの形状の線状多孔体であっても、構成する線状多孔体の本数は1本である。
線状体の直径(横断面が多角形や楕円形などの非円形の場合は等面積円相当径)と長さについては、本発明の効果が得られるように適宜設定すればよい。直径の上限の一例としては、10mmであることが好ましく、より好ましくは7mmであり、さらに好ましくは4mmである。また、下限の一例としては、0.5mmであり、より好ましくは1mmである。長さについては、例えば、直径の5倍以上であることが好ましく、より好ましくは10倍以上である。なお、どの程度の長尺にするかは、用途に応じて適宜決めることが望ましい。
線状多孔体は、形状の変形自由度が高いため、例えば、巻いたり折り曲げたりするなどして、欠損、陥没、穴隙等の患部の修復にも適用することができる。図1は穴隙患部の断面であって、線状多孔体を体組織の穴隙患部に適用したときの一例を示す模式図である。
線状多孔体を構成するコラーゲンは、非線維化コラーゲン及び線維化コラーゲンのいずれであってもよい。
線維化コラーゲンで構成された線状多孔体は、走査型電子顕微鏡で観察したときに、低倍率では立体的な網目状構造が観察されるが、適切な倍率では一般にD周期性の横縞が観察されるものである。但し、走査型電子顕微鏡像においては、ピント位置などにより、像内すべての部分においてD周期性の横縞を観察することは困難である。しかし、複数箇所を撮影した走査型電子顕微鏡像のそれぞれにおいて、少なくとも一部にD周期性の横縞を有する線維化コラーゲンが観察されれば、多孔質構造の構成要素が線維化コラーゲンであると推認することができる。
線状多孔体の一形態は、培養細胞が保持されたものである。ここで、培養細胞が保持されたとは、培養細胞が線状多孔体の内部又は表面に接着している状態を意味する。培養細胞の種類については、線状多孔体に保持されるものであれば特に限定されることはない。また、線状多孔体に保持される培養細胞の種類は、2種類以上であっても構わない。本形態における線状多孔体を構成するコラーゲンの種類(非線維化コラーゲン、線維化コラーゲン)については特に限定されることはないが、培養細胞の接着性及び居住性の観点から、線維化コラーゲンで構成された線状多孔体を用いる方が好ましいことが多い。
線状多孔体に培養細胞を保持させる方法については特に限定はなく、例えば、線状多孔体をそのまま培養基材として用いこれに細胞を播種し、一定期間培養して定着させる方法が挙げられる。また、線状多孔体をそのまま培養基材として用いるのではなく、次に述べる細胞培養方法を用いて線状多孔体中に細胞を三次元的に効率的に分布させてもよい。
線状多孔体の力学的特性を活かして、線状多孔体中に細胞を三次元的に効率的に分布させる細胞培養方法は、以下の通りである。
先ず、線状多孔体を乾燥または脱水状態にする。線状多孔体がすでに乾燥または脱水状態であれば、そのまま用いればよいが、液体中で保存されている等により湿潤状態の線状多孔体を用いるときは、一旦乾燥または脱水させる。乾燥または脱水させるときは、溶媒を細胞と等張な緩衝液または培地(次の細胞培養工程で用いるのと同じ培地が好ましい)に置換した後、乾燥または脱水させる手法を用いることが好ましい。乾燥は、コラーゲンが変性しないように低温で乾燥させることが好ましく、例えば低温通風により乾燥させる。また、脱水は、遠心脱水を行ってもよいが、力学的強度が十分ある場合には手指やピンセットなどで圧縮して脱水する方法が簡便である。
次に、乾燥または脱水状態の線状多孔体に、細胞懸濁液を吸収させる。細胞懸濁液の吸収時に線状多孔体内へ細胞が培地と伴に進入し、線状多孔体内で細胞が三次元的に分布することが可能となる。尚、細胞懸濁液の吸収操作は複数回おこなってもよい。当該操作を行った後は、通常の細胞培養を行えばよい。
細胞培養基材として線状多孔体を用いる場合の線状多孔体の形状については特に限定はなく、例えば、そのままの線状構造を利用してもよい。また、円形のウェルにおいて、線状多孔体を渦巻状に巻回させたものを細胞培養基材として用いることも好ましい。とりわけ、ウェル内において間隙が少なくなるように密に巻回させることが好ましい。さらに、線状多孔体を三次元的に折り曲げたものを細胞培養基材として用いてもよい。
(複次元コラーゲン架橋多孔体)
複次元コラーゲン架橋多孔体(以下「複次元多孔体」という)は、複数本の線状多孔体を用いて2次元的、3次元的に作製されたものであり、具体例として、組紐、織布、不織布、編物又は綿状物の構造を有するものが挙げられる。線状多孔体から複次元多孔体を作製する方法は、公知の方法を用いればよい。
複次元多孔体の一形態は、培養細胞が保持されたものである。培養細胞を保持していない線状多孔体を用いて作製された複次元多孔体に培養細胞を保持させる方法としては、上記線状多孔体に培養細胞を保持させる方法を適用することができる。また、培養細胞を保持した線状多孔体を用いて複次元多孔体を作製してもよい。複次元多孔体の一形態として、1本の線状多孔体には1種類の培養細胞が保持され、且つ複次元多孔体中の培養細胞の種類が2種類以上である複次元多孔体を例示することができる。具体例として、1本の線状多孔体には1種類の培養細胞のみが保持された状態において、ある群の線状多孔体には同一種類の培養細胞が保持され、別のある群の線状多孔体にはそれとは異なる種類の培養細胞が保持され、これら複数群の線状多孔体を用いて作製した複次元多孔体が挙げられる。
(用途)
線状多孔体及び複次元多孔体の用途として、例えば、細胞培養用材料、医用材料等を挙げることができる。各用途においては、線状多孔体又は複次元多孔体をそのまま当該用途用材料とする態様の他に、線状多孔体又は複次元多孔体を当該用途用材料を構成する一要素として用いる態様も含まれる。特に医用材料においては、線状多孔体又は複次元多孔体に培養細胞が保持された形態も含まれる。
細胞培養用材料としては、例えば、細胞培養基材、細胞保存用材料等が挙げられる。
医用材料としては、例えば、再生医療用材料、移植用材料、美容整形用材料、創傷被覆用材料、癒着防止用材料、組織の補填用材料、組織の補強用材料、神経再生用材料、止血用材料、薬物輸送担体、細胞保存用材料等が挙げられる。
ここで、上記例示した材料のうち、説明を要するものについて述べる。
再生医療用材料と移植用材料は、細胞を保持した材料が含まれることで共通しているが、その他材料として、前者には再生医療用の足場材料等が含まれ、後者には細胞を保持しない材料が含まれる。
細胞保存用材料は、輸送や凍結保存等の際に細胞を保護するための材料であり、細胞培養用の培養細胞と治療のために用いる細胞の両方において用いることができるものである。
組織の補填用材料は、欠損、陥没、穴隙等の患部に埋め込むための材料である。骨補填剤が一例である。
組織の補強用材料は、患部組織への貼付等による接触によって機能回復を図るための材料である。例えば、特定細胞を保持した平面状材料が挙げられ、当該材料を対象臓器(例えば、心臓等)に貼付することによって、当該臓器の機能回復を図る用例が挙げられる。
(線状多孔体の製造方法)
線状多孔体の製造方法の一例は、可溶化コラーゲン溶液を線状体に成形する第一工程、凍結乾燥する第二工程、架橋処理する第三工程を含むものである。
可溶化コラーゲン溶液とは、コラーゲンが溶解した水溶液のことである。当該コラーゲンとしては、3重らせん構造を有する水溶性のコラーゲンであることが好ましい。尚、可溶化コラーゲン溶液には、一部にペプチド、アミノ酸、ゼラチン等が含まれていても構わないが、それらは極力排除されていることが好ましい。
3重らせん構造を有する水溶性のコラーゲンは、哺乳類、魚介類、鳥類、爬虫類等の生物原料のコラーゲン含有組織から公知の方法によって取得することができるものであり、例えば、[1]希酸により抽出する方法によって得られる酸可溶化コラーゲン、[2]酵素で可溶化処理する方法によって得られる酵素可溶化コラーゲン、[3]アルカリで可溶化処理する方法によって得られるアルカリ可溶化コラーゲン等が挙げられる。酸可溶化コラーゲン及び酵素可溶化コラーゲンは酸性条件では可溶性であり、アルカリ可溶化コラーゲンはアルカリ性条件では可溶性であるが、いずれのコラーゲンも可溶化コラーゲン溶液のイオン強度及びpHを適切な範囲に設定すると線維化することが知られている。特に生体内での使用が企図されるときは、コラーゲンの抗原決定基であるテロペプタイドが除去されたアテロコラーゲンを用いることが好ましい。コラーゲンのタイプについては、特に制限されることはないが、生物体内での存在量が多いI型コラーゲンを用いることが好ましい。
コラーゲンの種類としては、ヒトとの共通のウイルスを有さない魚類由来のコラーゲンが特に好適であり、各種用途への適用性の観点から変性温度が比較的高いものが好ましく、好例としてはオレオクロミス属由来のコラーゲンである。オレオクロミス属の中でも中国から東南アジアにかけて食用として主力に養殖されており入手が容易であるティラピアが特に好ましい。
ここで、前記[2]の酵素可溶化コラーゲンの取得法について説明する。該取得法は、特に限定されることはなく、常法に従えばよい。例えば、特許第4863433号公報又は特許第5692770号公報等に記載の方法を挙げることができる。取得法の一態様を鱗の例で簡単に説明すると、酸によって脱灰した鱗をペプシン等のプロテアーゼを用いて処理することによりコラーゲンをアテロ化し、必要に応じて精製処理を行うことで、酵素可溶化コラーゲンを取得することができる。精製処理には、例えば、塩析法、特許第5522857号公報に記載のpHが7以下の活性炭を用いる方法等を適用することができる。
可溶化コラーゲン溶液を線状体に成形する方法は特に限定されるものではないが、可溶化コラーゲン溶液は形状が変化し易いため、次の第二工程の凍結乾燥によって形状が安定化するまでは成形形状が保持されるような方法で成形することが好ましい。成形方法を例示すると、一方又は両端が開放されたチューブに可溶化コラーゲン溶液を充填する方法、線状体の所定の形状を有する溝、容器等に可溶化コラーゲン溶液を注入する方法等が挙げられる。コラーゲンは粘着性・糊性があるため、凍結乾燥後に取り出しやすいように、コラーゲンが付着し難い材質のものを選択することが好ましい。また、疎水化処理を施してもよく、必要に応じて剥離剤や離型剤を塗布したものの他、撥水性、透湿性等の特性を有したものを用いても構わない。
第二工程として、凍結乾燥を行う。凍結乾燥方法は公知の方法を採用すればよい。また、凍結乾燥条件は、常法により多孔体が得られるように適宜設定すればよいが、例えば、凍結温度は-10〜-60℃の範囲が好ましく、-20〜−50℃の範囲がより好ましい。また、凍結乾燥時間は0.5〜60時間が好ましく、1〜48時間がより好ましい。
次いで、第二工程で得られたコラーゲンの凍結乾燥多孔体(以下、「凍結乾燥多孔体」という)を架橋処理する第三工程を行う。
架橋処理としては、(1)γ線照射、電子線照射、プラズマ照射、UV照射又は熱脱水によって物理的架橋する処理、(2)水溶性化学架橋剤又は気化能を有する化学架橋剤によって化学的架橋する処理、が好例であり、(1)と(2)のいずれか一方だけを用いてもよいし、(1)と(2)を組み合わせて用いてもよい。当然ながら、(1)と(2)の各架橋処理において複数の架橋処理を採用してもよく、例えばUV照射の後にγ線照射してもよい。また、目的に応じて、架橋度を適宜設定すればよい。
(1)の物理的架橋のうち、γ線照射、電子線照射、プラズマ照射及びUV照射の照射法による架橋処理は、照射条件を適宜設定すれば架橋処理と同時に滅菌も行うことができるため、架橋中及び架橋後の密封状態を保つように包装体を適宜選択すれば、滅菌済み製品として市場に流通させることもできる。上記照射法のうち、透過力が高く、均一に架橋させることができるγ線照射が特に好ましい。γ線照射では、線量率が固定の線源を用い、照射時間等の条件を適宜設定すれば、所定の照射線量を簡便に得ることができる。例えば、コバルト60線源を用いた場合、吸収線量5〜75kGyで架橋処理を行うことができるが、5〜50kGyが好ましく、10〜50kGyがより好ましく、15〜30kGyがさらに好ましい。
また、照射法による架橋処理は、液体の存在下で行ってもよい。ここで、液体の存在下とは、架橋処理中に凍結乾燥多孔体の表面全体が液体によって覆われている状態を指し、例えば湿潤状態であってもよいが、好ましくは凍結乾燥多孔体全体が液体中に浸漬した状態である。したがって、凍結乾燥多孔体の表面全体が液体によって覆われている状態であれば液体の容量も限定されるものではないが、液体の容量が凍結乾燥多孔体の容量に対して2〜100倍が好ましく、10〜50倍がより好ましい。液体としては、水を含んでいる限りにおいて限定されるものではなく、水又は緩衝液などの水性溶媒を例示することができる。さらに、水又は緩衝液に、有機溶媒を添加した水性溶媒を用いることもできる。緩衝液の具体例としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、又はクエン酸緩衝液等を挙げることができ、また、それらの生理食塩水であるPBS、D-PBS、トリス緩衝生理食塩水、又はHEPES緩衝生理食塩水であってもよい。
水溶性化学架橋剤又は気化能を有する化学架橋剤としては、公知のものを使用すればよく、例えば、グルタルアルデヒド、ポリエポキシ化合物(エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、カルボジイミド系化合物(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩等)、還元糖(リボース等)などが挙げられ、常法に従って架橋処理すればよい。
線状多孔体の製造方法における第一工程の好適な一形態は、可溶化コラーゲン溶液とアルカリ金属重炭酸塩とを混合することによって生成する線維化コラーゲンゲルを線状体に成形する工程である。本形態の第一工程を採用した場合であっても、第二工程と第三工程は前記と同じである。
可溶化コラーゲンの線維化により線維化コラーゲンが生成することは、可溶化コラーゲン溶液とアルカリ金属重炭酸塩との混合液が白濁化することによって確認することができる。白濁化の進行と相俟って混合液全体のゲル化も進行する。混合液がゲル化したものが「線維化コラーゲンゲル」である。
アルカリ金属重炭酸塩の適用量については、線維化コラーゲンゲルを生成させられる範囲であれば特に限定はない。しかし、特に、線維化コラーゲンで構成された線状多孔体を安定的に得るためには、十分にゲル化し白色化した線維化コラーゲンゲルを調製することが好ましく、そのために混合条件、とりわけ可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲン量に対するアルカリ金属重炭酸塩の適用量を適切に設定することが好ましい。例えば、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲン量に対し、アルカリ金属重炭酸塩の適用量が少なすぎると、コラーゲンの線維化が不十分となり、一方、多すぎると、第二工程の凍結乾燥時にコラーゲンが非線維化(脱線維化)する恐れがある。アルカリ金属重炭酸塩の適用量に関する好適な一形態を例示すると、コラーゲンの分子量を30万としたときに、アルカリ金属重炭酸塩/可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲン(モル比)=3×102〜3×104の範囲となる量である。
ここで、アルカリ金属重炭酸塩の代わりに、PBSを用いた事例を紹介する。可溶化コラーゲン溶液とPBSを混合して生成させた線維化コラーゲンゲルは、凍結乾燥時に濃縮されたPBSによって線維化コラーゲンが非線維化(脱線維化)してしまう。そこで、凍結乾燥時に非線維化(脱線維化)しないようにPBSの適用量を減少させると、今度は線維化が不十分となる。このように、PBSを用いた場合は、線維化コラーゲンで構成された線状多孔体を得ることが困難である。
一方、アルカリ金属重炭酸塩は水の凍結結晶(氷)の結晶成長を阻害しないと推定され、また、アルカリ金属重炭酸塩はPBSに比べると低濃度でも可溶化コラーゲンを線維化させることができるため、線維化コラーゲンで構成され、且つ、三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有した多孔体を得ることが可能となる。
アルカリ金属重炭酸塩としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムが好ましい。尚、本発明は、本発明の効果を損なわない範囲に限り、アルカリ金属炭酸塩の混入を排除するものではない。
可溶化コラーゲン溶液とアルカリ金属重炭酸塩との混合方法については特に制限はないが、例えば、作業性の観点から、アルカリ金属重炭酸塩として、アルカリ金属重炭酸塩の水溶液を用いることが好ましい。
線維化コラーゲンゲルを線状体に成形する方法は、前記可溶化コラーゲン溶液を線状体に成形する方法を適用することができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、実施例において%は、特に断らない限り全て質量%を示す。
(可溶化コラーゲン溶液)
可溶化コラーゲン溶液として、ティラピアの鱗から製造された多木化学(株)製「セルキャンパス FD-08G」スポンジ品をpH3のHCl溶液に溶解し、コラーゲン濃度を1.1%に調製した無色透明溶液(以下、「コラーゲン溶液A」という)を用いた。
〔実施例1〕
コラーゲン溶液A 9容量部に対し、0.5M重炭酸ナトリウム水溶液 1容量部を混合した。このとき、重炭酸ナトリウム/コラーゲン溶液A中のコラーゲン(モル比)=1.5×103であった。得られた線維化コラーゲンゲルを内径4mm、長さ100mmのプラスチック製チューブに充填した後、-35℃・3時間で凍結乾燥した。これをチューブ内から引き出して、線維化コラーゲンで構成されたコラーゲン多孔体(以下、「凍結乾燥多孔体1」という)を得た。尚、凍結乾燥多孔体1は複数本作製し、以下の実施例にも供試した。
次に、凍結乾燥多孔体1を30分間のUV照射により架橋処理を行った後、0.05Mの重炭酸ナトリウム水溶液中に浸漬した状態で25kGyのγ線照射を行うことによって、線状多孔体を得た。
〔実施例2〕
内径4mm、長さ200mmのプラスチック製チューブを用いた以外は、実施例1と同様の方法で線状多孔体を得た。
〔実施例3〕
凍結乾燥多孔体1を、減圧条件下で110℃・10時間で熱脱水架橋することによって、線状多孔体を得た。
〔実施例4〕
凍結乾燥多孔体1を、10%グルタルアルデヒド溶液20mlを入れた5Lのデシケータ(密閉容器)に入れ、室温、8時間保持してグルタルアルデヒド蒸気に暴露した。これを3%グリシン水溶液で洗浄することによって、線状多孔体を得た。
〔実施例5〕
生理食塩水にWSC(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) carbodiimide, hydrochloride)を60mMになるように溶解した。これに凍結乾燥多孔体1を30℃で5時間浸漬した。これを3%グリシン水溶液で洗浄することによって、線状多孔体を得た。
〔実施例6〕
PBS中に浸漬した状態で25kGyのγ線照射を行った以外は、実施例1と同様の方法で線状多孔体を得た。
実施例1〜6で作製した線状多孔体の直径と長さを表1に示した。
実施例1で作製した線状多孔体を浸漬液の重炭酸ナトリウム水溶液中から取り出したときの外観を図2(A)に示した。このように、湿潤状態でもピンセットでつまみ上げることができるぐらいの強度を有していた。また、図2(B)は、線状多孔体の形状が自由に変形できることを示すための写真である。図3は、結び目を作ったときの写真である。
図4の写真は、線状多孔体を用いてさまざまな構造物を作製できることの一例として、編物状の構造体を作製したものである。ここでは、実施例1の線状多孔体を浸漬液の重炭酸ナトリウム水溶液を含んだ湿潤状態のまま編んだものである。尚、編み込み状態を色で明示するために、図4において、縦方向に配列した線状多孔体にはアリザリンレッドの添加により染色を施したものを用いた。
形態を保ったまま構造を観察するために、実施例1〜6で作製した線状多孔体をエタノールと水との混合によるエタノールシリーズ(エタノール濃度:50%、70%、90%、100%)に順次浸漬し、脱塩・脱水した。さらに溶媒をt-ブタノールに置換し、-35℃・3時間で凍結乾燥した。これを走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製「JSM-6010LA」)で観察した。その結果、実施例1〜6のいずれの線状多孔体においても、D周期性の横縞が随所に観察された。D周期性の横縞を確認できる走査型電子顕微鏡像の代表例として、図5に実施例6の線状多孔体を示した(倍率10000倍)。
図6は、実施例1の線状多孔体の倍率100倍の走査型電子顕微鏡像である。また、図6中の最表層の孔だけを識別できるように最表層の孔の内側を塗りつぶしたのが図7である。図7中の完全孔(区画境界線により分断されていない孔)のすべてについて、最大幅と最小幅を計測し、平均孔径={Σ(孔iの最大幅+孔iの最小幅)/2}/n(但し、i=1〜n、nは自然数であって、完全孔の個数)の数式によって平均孔径を算出した。同様にして、実施例2〜6で作製した他の線状多孔体についても平均孔径を算出し、結果を表1に示した。
〔比較例1〕
コラーゲン溶液A 9容量部と10倍濃い濃度に作製したPBS 1容量部とを混合し、得られた線維化コラーゲンゲルを内径4mm、長さ100mmのプラスチック製チューブに充填した後、-35℃・3時間で凍結乾燥して、多孔体を得た。
得られた多孔体の走査型電子顕微鏡観察では、結晶化した塩の付着が見られた。孔径は非常に小さく、少なくとも50〜300μmの大きさの孔の存在は認められなかった。したがって、当該多孔体は三次元の細胞培養に適したものではなかった。また、コラーゲンの線維化状態も判別できなかったことより、非線維化コラーゲンからなる多孔体であることが分かった。
〔細胞培養試験〕
(細胞培養基材の調製)
実施例1の線状多孔体を、細胞培養に使用する培地が入った容器に入れて、培地に浸漬した。さらにもう1回、別の容器で培地に浸漬した。この線状多孔体を12ウェルプレートのウェルに設置したセルカルチャーインサート内に、できるだけ隙間が少なくなるように渦巻状に入れた。
培地は、まずセルカルチャーインサートの外側に入れ、続いてセルカルチャーインサート内にも入れた。これを以下のマウス由来のES-D3細胞、Balb/c 3T3細胞(以下「3T3細胞」と略す)、及びHUVECの各培養試験に用いた。
(マウス由来のES-D3細胞の培養試験)
渦巻き状に入れた線状多孔体の上に、予め培養しておいたマウス由来のES-D3細胞の胚様体を1〜2個播種した。培地は、Non-Essential Amino Acid(NAA)、β-Mercaptoethanol、L-Glutamineを添加したDMEMに、予め非動化した血清を容積比20%添加したものを使用した。37℃、5% CO2環境下で、一般的な手順に従って培養したところ、1週間後には脈動が確認され、心筋への分化が認められた。継続培養したところ、30日後でも細胞が生存しており、ピンセットで引き上げることが可能な力学強度を持って線状多孔体の形態を維持していた。図8は、ピペットで吸引して引き上げたときの写真である。
更に、培養後の線状多孔体を複数本用いて組合せ、立体的な構造体を作製することが出来た(図9)。
(3T3細胞の培養試験)
3T3細胞株は、培地として予め非動化した血清を容積比10%添加したDMEMを用いて培養した。増殖した細胞を回収し、細胞密度が1.0×107cells/mLになるように細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液を渦巻き状に入れた線状多孔体の上に滴下した。培地を添加し、37℃、5% CO2環境下で、一般的な手順に従って培養した。1週間後に観察したところ、線状多孔体内で細胞の増殖及び生存が確認された(図10)。尚、図10はギムザ染色したものである。また、ピンセットで引き上げることが可能な水準で線状多孔体の形態を維持していた。
(HUVECの培養試験)
HUVECは、培地として血管内皮細胞用基礎培地(Medium 200(Invitrogen社))と血管内皮細胞用増殖サプリメント(Invitrogen社)の混合液を用いて培養し、継代回数が5回以内のものを実験に使用した。増殖した細胞を回収し、細胞密度が1.0×106cells/mLになるように細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液を渦巻き状に入れた線状多孔体の上に滴下した。培地を添加し、37℃、5% CO2環境下で、一般的な手順に従って培養した。1週間後に観察したところ、線状多孔体内で細胞の増殖及び生存が確認された。また、ピンセットで引き上げることが可能な水準で線状多孔体の形態を維持していた。
更に、上記3T3細胞とHUVECの培養試験で得られた培養後の線状多孔体を複数本用いて組合せ、2種類の細胞を有した立体的な構造体を作製することが出来た。
(マウス線維芽細胞L929の培養試験)
実施例1の線状多孔体をピンセットで搾って脱水し、細胞培養に使用する培地に浸漬した。その後、ピンセットを使用して線状多孔体から培地を搾り出し、脱水状態とした。この線状多孔体を12ウェルプレートのウェルにできるだけ隙間が少なくなるように渦巻状に入れた。
マウス線維芽細胞L929株は、培地として予め非動化した血清を容積比10%添加したDMEMを用いて培養した。増殖した細胞を回収し、細胞密度が1.0×106cells/mLになるように細胞懸濁液を調製した。
この細胞懸濁液を渦巻き状に入れた線状多孔体の上に滴下して、細胞懸濁液を線状多孔体に吸収させた。3時間後、培地を添加し、37℃、5% CO2環境下で、一般的な手順に従って培養した。1週間後に観察したところ、線状多孔体内で細胞の増殖及び生存が確認された。また、ピンセットで引き上げることが可能な水準で線状多孔体の形態を維持していた。
〔実施例7:非線維化コラーゲンで構成された線状多孔体〕
コラーゲン溶液Aを内径4mm、長さ100mmのプラスチック製チューブに充填した後、-35℃・3時間で凍結乾燥した。これをチューブ内から引き出して、多孔質のコラーゲン凍結乾燥体を得た。
次に、このコラーゲン凍結乾燥体を3時間のUV照射により架橋処理を行った後、0.05Mの重炭酸ナトリウム水溶液中に浸漬した状態で25kGyのγ線照射を行うことによって線状多孔体を得た。この線状多孔体を走査型電子顕微鏡で観察したところ、D周期性の横縞が確認されなかったことより、非線維化コラーゲンで構成された線状多孔体であることが分かった。
この線状多孔体は、直径4.1mm、長さ10cm、平均孔径96μmであった。また、この線状多孔体は、実施例1で作製した線状多孔体と同様に、湿潤状態でもピンセットでつまみ上げることができるぐらいの強度を有し、形状を自由に変形できるものであり、複次元多孔体も作製することができた。図11に、この線状多孔体の倍率100倍の走査型電子顕微鏡像を示した。

Claims (20)

  1. 架橋されているコラーゲン成形体であって、
    当該成形体は三次元の細胞培養が可能な多孔質構造を有し、
    当該成形体の外形は線状体の構造を有する
    ことを特徴とする線状コラーゲン架橋多孔体。
  2. 前記線状コラーゲン架橋多孔体の走査型電子顕微鏡像における、最表面に観察される孔の数が少なくとも30個である一定区画内において、当該孔の最大個数がnであるときに、
    平均孔径={Σ(孔iの最大幅+孔iの最小幅)/2}/n(但し、i=1〜n)
    の数式によって算出される平均孔径が、50〜300μmの範囲である請求項1記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
  3. 前記線状体の構造が、糸状、紐状、棒状、リボン状、コイル状及びスパイラル状からなる形状のうちのいずれか1種又はこれら形状の2種以上が組み合わされた複合形状である請求項1又は2記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
  4. 前記線状コラーゲン架橋多孔体を構成するコラーゲンが、線維化コラーゲンである請求項1〜3のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
  5. 前記多孔質構造の少なくとも一部において、D周期性の横縞が観察されることによって、線維化コラーゲンの存在が確認されるものである請求項4記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
  6. 培養細胞が保持された請求項1〜5のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を用いて作製された、組紐、織布、不織布、編物又は綿状物の構造を有する複次元コラーゲン架橋多孔体。
  8. 培養細胞が保持された請求項7記載の複次元コラーゲン架橋多孔体。
  9. 請求項8記載の複次元コラーゲン架橋多孔体であって、1本の線状コラーゲン架橋多孔体には1種類の培養細胞が保持され、且つ複次元コラーゲン架橋多孔体中の培養細胞の種類が2種類以上である、複次元コラーゲン架橋多孔体。
  10. 可溶化コラーゲン溶液を線状体に成形する第一工程、
    凍結乾燥する第二工程、
    架橋処理する第三工程
    を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体の製造方法。
  11. 前記第一工程が、可溶化コラーゲン溶液とアルカリ金属重炭酸塩とを混合することによって生成する線維化コラーゲンゲルを線状体に成形する工程である請求項10記載の線状コラーゲン架橋多孔体の製造方法。
  12. アルカリ金属重炭酸塩の適用量が、コラーゲンの分子量を30万としたときに、アルカリ金属重炭酸塩/可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲン(モル比)=3×102〜3×104の範囲である請求項11記載の線状コラーゲン架橋多孔体の製造方法。
  13. 前記第三工程の架橋処理が、下記(1)及び(2)のうちいずれか一方又は双方である、請求項10〜12のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体の製造方法。
    (1)γ線照射、電子線照射、プラズマ照射、UV照射又は熱脱水によって物理的架橋する処理。
    (2)水溶性化学架橋剤又は気化能を有する化学架橋剤によって化学的架橋する処理。
  14. 請求項1〜5のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を細胞培養基材として用いる細胞培養方法であって、乾燥または脱水状態の当該多孔体に、細胞懸濁液を吸収させることによって、細胞を当該多孔体内で三次元的に分布させることを特徴とする細胞培養方法。
  15. 請求項1〜5のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を渦巻状に巻回させたものを細胞培養基材として用いる細胞培養方法。
  16. 請求項7記載の複次元コラーゲン架橋多孔体を細胞培養基材として用いる細胞培養方法であって、乾燥または脱水状態の当該多孔体に、細胞懸濁液を吸収させることによって、細胞を当該多孔体内で三次元的に分布させることを特徴とする細胞培養方法。
  17. 請求項1〜5のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を用いた細胞培養用材料。
  18. 請求項1〜6のいずれか1項記載の線状コラーゲン架橋多孔体を用いた医用材料。
  19. 請求項7記載の複次元コラーゲン架橋多孔体を用いた細胞培養用材料。
  20. 請求項7〜9のいずれか1項記載の複次元コラーゲン架橋多孔体を用いた医用材料。
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