JP2008504921A - 組織等価物の細胞非依存的製造 - Google Patents

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Abstract

本発明は、機能的組織インプラントとして使用するのに適した機械的特性および生存細胞密度を有する組織化された生体材料を作製するための、細胞性生体リモデリングを模倣する細胞非依存的方法に関する。生体材料は、足場繊維のマトリクスおよび間隙液を含んでなるゲルを提供すること;該ゲルを塑性圧縮して生体材料を得ること;によって作製される。生体材料は、天然組織構造を模倣する、細胞およびマトリクスの層化、整列、およびメソ-スケールでの帯状不均一性といった、三次元構造を含むことができる。本明細書に記載する生体模倣構造を有する生体材料は、さまざまな治療上の用途に有用でありうる。

Description

本発明は、個体において損傷組織を修復する、および/または置き換えるための組織等価インプラントを製造する方法、ならびにその方法で製造されたインプラントに関するものである。
従来、組織工学は、始原細胞の足場構築物を、生体模倣(バイオミメティック)機能を有する組織様構造に変換することを目指すものである。こうした変換プロセスは、一般に、培養下での細胞に基づくリモデリングを含む。しかしながら、ほとんどの場合、細胞に基づくリモデリングは、時間がかかり(数週間かかることが多い)、制御困難で、しかも費用がかかり、生体人工材料もしくは「組織」を形成する能力はごく限定されることが判明している(M. Eastwood ら、Cel. Motil. Cytoskel. 1998 40 13; D. Huangら、Ann. Biomed. Eng. 1993 21 289)。これは、部分的には、組織密度(たとえば、靱帯、皮膚および筋肉の組織密度)に関連する灌流/低酸素の制限に起因する。細胞が実際にどのようにして特定の天然微細構造(すなわち、三次元細胞マトリクス組織)を作り出すのかがあまりよく理解されていないことによって、そうした状況はいっそう悪化する。生体人工構築物の材料組成、さらに特定すると、三次元ナノ-マイクロ(メソ)スケール構造は、その成功のためにはきわめて重要である(R. A. Brown, in Future Strategies for Tissue and Organ Replacement (J. M. Polak, L. L. Hench, P. Kemp編), World Scientific Publishing, Singapore (2002) 48; R. A. Brownら、Wound Rep. Reg. (1997) 5 212)。
天然のマトリクス足場(たとえば、コラーゲン、フィブリン、ヒアルロナン、フィブロネクチン)が使用され、細胞/組織成長のために、適当な生体模倣三次元メソ-スケール構造を持つよう作製されてきた。しかしながら、生体模倣構造の構築(アセンブリー)を、特に天然タンパク質および生きた細胞を用いて、このスケールで制御する能力が限られているために、進歩が制限されてきた。これは、ひとつには、天然のタンパク質高分子の三次元アセンブリー(F. Volrath, D. P. Knight, Nature 2001, 410, 541)に関する知識が限られていることに起因し、必要なアセンブリー/リモデリングプロセスを実施するために細胞に依存することが必要である。
細胞をシードしたコラーゲンゲルは、すぐれた生体模倣の出発点であるが、機械的に非常に弱く(Z. Fengら、Artificial Organs 2003, 27, 84; L. Krishnanら、Tissue Eng. 2004 10 241)、培養下で強くなるのに時間がかかる。
従来の、細胞に基づく製作の例は、いくつかの系を利用している。最も単純には、こうした製作は、支えとなる足場をまったく使用せず、超コンフルエントな二次元培養物の開発である(S. Calveら、Tissue. Eng. 2004, 10, 755)。Huangら(Huangら、1993、上記)は、一軸内的張力の下でコラーゲンゲルを用いて靱帯様組織を作り出し、これは12週間後に0.14 MPaの破壊応力に達した。Fengら (Fengら、2003 上記) は、荷重がなく、方向性のないコラーゲンゲルは、10週間にわたって培養中に直径が85%減少し、降伏応力はおよそ0.1 MPaであることを見出した。Garvinら (Garvin, J.ら、Tissue Eng. 2003, 9, 967)は、細胞/原繊維の整列、およびepitenon様表層を与えるために荷重を使用することを報告した。7日構築物の破壊応力は、1 h/日、1%ひずみ、1 Hzの周期負荷で、0.11から0.33 MPa(弾性率1.8 MPa)に増加した。
不溶性コラーゲンスポンジ(I. V. Yannasら、Science (1982) 215, 174)(たとえば、Integra(商標名))はコラーゲンゲルより高い強度を有する。コラーゲンスポンジは、広範囲にプレポリマー化した繊維、シートもしくはメッシュから誘導されたランダムな多孔質構造であり、そしてしばしば、再構成されたまたは断片化された不溶性ポリマー(たとえば、皮膚、腱などに由来する動物コラーゲン)から高温(すなわち、タンパク質変性温度を優に上回る;たとえば>60℃)での熱圧縮によって製造される。したがって、コラーゲンスポンジの微細構造は、生体模倣的ではなく、細胞によって容易にはリモデリングされない。高温圧縮により不溶性コラーゲンスポンジを強化する技術が、ドラッグデリバリーのために最近報告されている(Z. Rusczcak, W. Friess, Adv. Drug Delivery Rev. 2003 55 1679; US 2003095997; US 2003133967)。
他の実用的な代替物には、小腸粘膜下層(SIS)コラーゲン膜がある(S.F. Badylakら、J. Biomed. Mater. Res. 1995 29 977)。SISは優れた機械的性質および細胞増殖特性を有しているが、依然として採取され加工された動物製品であることに変わりない。そうであるので、これは無細胞であり、そのコラーゲン構造および三次元組織は動物組織によってあらかじめ決められている。
本発明は、次のような驚くべき知見に関するものであって、それは、細胞の関与をほとんどまたはまったく必要としない物理的プロセス(すなわち、細胞非依存的プロセス)が、効果的に細胞の生体リモデリングを模倣することができ、また、機能的な組織インプラントとして使用するのに適した機械的性質および生細胞密度を有する組織化された足場細胞マトリクスをもたらすことができる、という知見である。
細胞およびマトリクスの層化、整列、およびメソスケールの帯状不均一性といった三次元の組織様構造を、腱、神経および皮膚のような天然組織の構造を模して、作製することもできる。本明細書に記載するような生体模倣構造を有する組織テンプレートの、ナノ-マイクロスケールの細胞非依存的製作は、さまざまな治療上の用途に有用であると考えられる。
本発明の一態様は、生体材料を作製する方法を提供するが、その方法は、
足場繊維のマトリクスおよび間隙液を含んでなるゲルを提供すること、および
そのゲルを塑性圧縮して前記生体材料を作製すること、
を含んでなる。
塑性圧縮は、たとえば、足場マトリクスの密度および機械的強度を高めることができる。本発明の方法によって製造された生体材料は、たとえば、組織等価インプラントの製造に有用であると考えられる。
組織等価インプラントは、たとえば、損傷もしくは病気があると思われる内部組織を修復または交換するために個体に移植するためのデバイスである。組織等価インプラントによって修復もしくは交換することができる病変組織の例には、神経、腱、軟骨、皮膚、骨、泌尿生殖器要素、肝臓、心肺組織、腎臓、眼組織、血管、腸および腺がある。
好ましくは、組織等価インプラントは、宿主組織の構造的な生体模倣物であって、特に、その構造を細胞レベル(すなわち、ナノ-マイクロ(メソ)スケール)で模倣する。組織等価インプラントは、適当な層、ゾーン(帯状物)、デポー(貯留所)およびチャネル内に、メソスケールで、天然組織におけるように分布した細胞を含有することができる。
種々の組織における細胞の構造および分布は、当技術分野でよく知られている。メソスケールの層の例には、皮膚における上皮(ケラチノサイト)および間質(皮膚線維芽細胞)層;神経再生管の入口-、接続-および出口-傾斜ゾーン:血管の内皮(内膜)、平滑筋収縮ストロマ(2以上)および外膜層を挙げることができる。インプラント中のチャネルの例には、神経移植後の毛細血管の侵入のための通路を含めることができる。ゾーンの例としては、灌流毛細管床に近い構築物中に保持されたホルモン分泌細胞の貯留所が挙げられる。
一般に、適当な足場材料は、自然に凝集するまたは原繊維を形成するヒドロゲルを含むことができるが、このヒドロゲルの繊維は、生理的pHでは強いイオン性表面電荷を持たない。足場材料の繊維は好ましくは架橋されないか、または実質的に重合されない。好ましい足場材料は、塑性圧縮を容易にするために低い水和/膨潤特性を有する。多くの適当な原繊維形成性の足場材料が当技術分野で知られている。原繊維形成材料は、分散した(不溶性)原繊維および繊維を形成するようにパッキングすることによって自己会合させることができる、可溶性単量体分子を含む材料である。
適当な足場繊維には、天然に存在する高分子、たとえば、絹、フィブリン、フィブロネクチン、エラスチンもしくはコラーゲン(例:I型コラーゲン)などのタンパク質、フィブロネクチンのような糖タンパク質、またはキチンもしくはセルロースといった多糖類がある。ある好ましい実施形態において、足場繊維はコラーゲンとする。天然の原繊維を形成するコラーゲン型は、コラーゲン型I、II、III、V、VI、IXおよびXI、ならびにこれらの組み合わせ(たとえば、I、III、V、もしくはII、IX、XI)を含めて、好ましい。たとえば、I型コラーゲンを足場材料に使用することができる。
他の実施形態において、足場は合成ポリマー、すなわち人体もしくは動物体内に本来存在しないポリマーであってもよい。適当なポリマーには、ポリラクトン、ポリグリコン、およびポリカプリロラクトンといった有機ポリマー、ならびにリン酸ガラスのような無機ポリマーがある。合成ポリマーは、選択されたpH(通常は中性付近)で、固有の膨潤能を減少させるように製造することができる。膨潤は、通常、表面電荷と浸透圧によって引き起こされる。このような場合、ポリマーの表面化学特性を改変して、顕著な固定電荷密度のない適当な親水性を確実にすることができる。
足場は、2種類以上の異なる繊維を含んでなる複合材料であってもよい。たとえば、足場は、フィブロネクチンとコラーゲン、コラーゲンとポリラクチド、フィブリンとコラーゲン、可溶性ガラス繊維とコラーゲンもしくはフィブリン、またはフィブリンとコラーゲンとフィブロネクチンを含むことができる。
本明細書に記載のゲルは、足場材料の原繊維の集合および伸長によって形成されるが、この原繊維は、もともとモノマーを保持していた水性の間隙液の周辺に連続したネットワークを形成する。たとえば、三重らせんコラーゲンモノマーを初めに希酸に溶解し、その後、重合(凝集)させて原繊維とすることができる(たとえば、37℃、中性pH)。この原繊維が重合するので、相変化が起こり、原繊維の固体ネットワークが、ほぼ同じ体積および形状で、残存する間隙液を「保持する」−すなわち、それがゲル化する。
可溶性モノマーから固体ポリマーへの相転移はゲルの特徴であり、本明細書に記載の特性を与えるのに重要である。ゲルは、「スポンジ」とは別個のものであって、スポンジはあらかじめ重合した繊維から形成される。
制限を受けていないゲルの圧縮は間隙液を排出し、荷重の除去によって元に戻らない、すなわちゲルは塑性圧縮を受ける。未処理ゲルの足場マトリクスは、概して、著しく水和した状態である。ゲルの塑性圧縮は、構造細部の損失なしに足場構造を崩壊させて、ゲル中の足場から水分を除去し、密度および強度の増加をもたらす。
間隙液は典型的には水性の液体であるが、ただし特定の非生物的用途においては他の有機溶媒を使用してもよい。たとえば、その液体は、塩類およびタンパク質などの溶質がその中に溶解している水とすることができる。ある実施形態において、間隙液は、細胞の成長および増殖に適した細胞培養液である。
好ましくは、ゲルに細胞、特にヒトもしくは他の哺乳動物の細胞をシードする。こうした細胞は、ゲルが生体材料へと圧縮されたとき、依然として生存する。
ゲルは、組織機能性を付与しかつ体内組織を置換するかまたはその修復を促す構造を与える細胞を含んでいてもよい。たとえば、ゲルは、収縮性の構造を与える筋肉細胞;導電性要素を与える血管および/または神経細胞;肝細胞、ホルモン産生細胞、脂腺細胞、膵島細胞もしくは副腎皮質細胞といった、分泌構造を与える代謝的に活性な分泌細胞;骨髄由来もしくは胚性幹細胞、皮膚線維芽細胞、皮膚ケラチノサイト(およびこの2つの混合層)などの幹細胞;神経インプラントのためのシュワン細胞;血管構造のための平滑筋細胞および内皮細胞;膀胱/尿道構造のための尿路上皮細胞および平滑筋細胞;ならびに骨および腱構造のための骨細胞、軟骨細胞、および腱細胞;のうち1つまたは複数を包含することができる。ある実施形態において、ゲル中にシードする細胞には線維芽細胞を含めることができる。
細胞は、ゲル内の間隙にいかなる配置で分布させることもできる。たとえば、細胞をゲル全体に均一に分布させてもよく、あるいはゲル内の限られたゾーン、領域もしくは層に分布させることもできる。
細胞は、圧縮の前、たとえばゲルを注型する時に、シードすることが好ましい。細胞を液体の足場マトリクスと混合した後、液体マトリクスをゲルへと固化させることによって、細胞をマトリクス内にシードすることができる。マトリクスへの播種は、生存能力を維持するのに適した温度、pH、イオン強度および剪断の条件下で、ゲル形成の前に行われる。
状況に応じて、足場に細胞を付着させる必要がある場合には、圧縮前に、24時間以下、12時間以下、6時間以下、3時間以下、または1時間以下の間、もっとも好ましくは0から2時間まで、前記ゲル中で細胞をインキュベートすることができる。
圧縮によって引き起こされるゲル体積の減少は、ゲル中の細胞密度の増加と反比例することになる。したがって、本明細書で述べるゲルの圧縮は、細胞密度を5倍から200倍、より好ましくは10倍から100倍、高めることができる。
ゲル中の最初の細胞密度は、ml当たり約1 x 104から1 x 107細胞までとすることができるが、mlあたり約5 x 105から1 x 106細胞がより好ましい。圧縮後の細胞密度は、ml当たり1 x 107 から1 x 109細胞とすることができるが、ml当たり5 x 107から5 x 108細胞までがより好ましい。
圧縮されたゲルの最終的な細胞密度は、圧縮ゲルの使用目的に応じて、最初の細胞密度および/または圧縮量を変更することによって、さまざまに変えることができる。たとえば、(肝臓、腎臓もしくは腺構築物のように)高い細胞密度を必要とする組織構築物のためには、ゲルにシードする細胞の量および/または圧縮量を増加させることができる。本明細書に記載の二次圧縮によって、最終的な細胞密度をさらに高めることができる。
圧縮された生体材料中の細胞の割合は、ひとつには細胞の大きさに左右される。赤血球のような小さい細胞は、それより大きい線維芽細胞のような細胞と比べて、同じ細胞密度で存在する場合でも、圧縮生体材料に対してより低い割合を示す。概して、細胞は圧縮生体材料の少なくとも1%v/v、少なくとも5%v/v、または少なくとも10%v/vに相当する。最適な物理的性質のために、生体材料構築物は、50%v/v未満、40%v/v未満、または30%v/v未満の細胞を含んでなることができる。
生体材料もしくはインプラントの特性は、生体材料中の個々の構成成分の割合(たとえば、%v/vで示される)を変えることによって、特定の利用法もしくは用途に向けて調整することができる。たとえば、マトリクス成分の割合を変更して生体材料の強度を変化させること、細胞の割合を変更して生体材料の細胞活性を変化させること、および/またはマイクロチャネリングの割合を変更して生体材料の灌流特性を変化させることができる。
塑性圧縮プロセスは、標準的な出発ゲルから、コラーゲン、細胞、およびチャネル形成挿入物の所望の最終比率を達成するように最適化することができる。標準的なゲルはたとえば、1〜4%のコラーゲン、0.2〜10 x 106個/mlの細胞、および0.2〜2%のチャネリング繊維もしくは粒子を含みうる。
圧縮された生体材料中の細胞は乾燥を受けやすい。乾燥に伴う細胞死および/または損傷を減らすために、ゲルは、水性液体、たとえば培養液(DMEM、ハム培地もしくはイーグル培地など)、または生理的バッファー(リンゲル液もしくはPBSなど)中で圧縮することができる。無細胞生体材料には、足場マトリクスと適合するどのような溶媒を使用してもよい。
細胞はまた、圧縮された生体材料中の高い細胞密度に起因する、低酸素性の細胞死および/または損傷を受けやすい。細胞死もしくは損傷を減らし、かつ/または防止するために、インプラントもしくは生体材料を、使用する直前まで、生存能は維持するが細胞増殖は支持しない条件下で保存することができる。たとえば、インプラントもしくは生体材料は、0から5℃といった低温で、好ましくは4℃で、保存することができる。
本明細書に記載される塑性圧縮は、ゲルなどの対象物を、その体積が減少するように変形させることであって、圧縮の原因が取り除かれた後であっても、その対象物が実質的に新しい体積を維持するような変形を意味する。塑性圧縮は、急速な細胞非依存的プロセスであって、そのプロセスは、ゲルから間隙液を追い出す外力もしくは外圧といった物理的処理にゲルを供することによって生じる。塑性圧縮は、ゲル内で増殖する細胞の固有の作用によって生じる細胞駆動型収縮の緩慢なプロセスとは区別され、すなわち、塑性圧縮は細胞が介在せず、ゲル内で培養される細胞の作用によっては起こらない。
細胞が介在する収縮は、本明細書に記載の塑性圧縮によって引き起こされる圧縮のほんのわずかの部分を起こすことができるに過ぎない。その上、細胞性収縮はランダムな方向量でもって起こるので、全体としての収縮ベクトルは全細胞集団の平均となる。塑性圧縮は、1、2またはそれ以上の一定の方向のベクトルを有し、圧縮の方向、速度、および程度は制御可能である。
塑性圧縮は、生体材料の細胞含量、マトリクス密度および液体含量を正確に規定することを可能にする。さらに、生体材料中の上記パラメーターのうち1つもしくは複数を局所的に増強することが可能であり、こうした局所増強の空間位置およびパターンは制御可能であって、たとえば、層化、ゾーン化もしくはチャネル化をもたらす。
ある実施形態において、塑性圧縮を受けた対象物は実質的な膨潤傾向をまったく示さないが、かかる膨潤傾向は、これ以上の細胞培養もしくは処理ステップなしに、圧縮を後で逆行させる可能性がある。
他の実施形態においては、組織等価インプラントは、使用中に若干の再膨潤を受ける可能性がある。たとえば、軟骨細胞を含有する圧縮されたコラーゲンマトリクスは、最初は再膨潤しないが、増殖する軟骨細胞がプロテオグリカン/GAGを合成し、それが液体を取り込んでインプラントを膨潤させる。膨潤したインプラント構造は、軟骨構造を模倣するのに特に有用である。
圧縮の量もしくは程度は、生体材料の用途に応じて、さまざまに変えることができる。ゲルの圧縮(たとえば圧縮力による)は、結果として、ゲルの1つ以上の寸法を、少なくとも5分の1、少なくとも10分の1、または少なくとも20分の1に減少させることができる。1つ以上の寸法は、200分の1以上、150分の1以上、または100分の1以上減少させることができる。好ましい実施形態では、ゲルの厚さが圧縮によって減少する。
たとえば、ゲルの体積は、塑性圧縮によって50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、または99.9%以上低下させることができる。
圧縮に要する時間は、細胞駆動型収縮が起こるのに要する時間より少ないが、使用する圧縮方法および条件に応じてさまざまである。たとえば、圧縮は12時間未満、6時間未満、3時間未満、1時間未満、30分未満、もしくは10分未満で起こりうる。ある好ましい実施形態において、ゲルは2分間以下、または1分間以下の時間で圧縮することができる。
ゲルの塑性圧縮は、間隙液の一部もしくはすべてを当該ゲルから失うこと、もしくは除去することと相関すると考えられる。
たとえば、塑性圧縮によってゲルから失われる、もしくは除去される液体の量は、ゲルの当初の液体含量の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%とすることができる。
圧縮後にある程度の間隙液が残存することが好ましく、たとえば、ゲルの元の液体含量の少なくとも10%、少なくとも1%、または少なくとも0.1%である。好ましい実施形態では、脱水は細胞を死滅させ、生体材料構造を損なうので、ゲルは、塑性圧縮後に、たとえば加熱乾燥、凍結乾燥、風乾もしくは真空乾燥といった乾燥もしくは脱水を受けない。
圧縮の程度は、足場材料の表面電荷および水和平衡によって決まってくる。水和平衡を越えた圧縮は、圧縮された足場を水性環境中に入れると部分的に再膨潤を引き起こす可能性がある(すなわち、この圧縮は部分的に非塑性である)。
塑性圧縮は、ゲルから間隙液を排出し、またはゲルの中から間隙液を引き出すと考えられる。複数の方法を、順に、または同時に用いて、ゲルを圧縮することができる。ある好ましい実施形態において、圧縮は1つまたは複数の一定の方向性でもって起こり、間隙液は1つもしくは複数の特定の液体排出面を通ってゲルから排出される。圧縮のベクトル、および液体排出面の数および配置は、本発明に記載のように、生体材料の内部に特定の構造(たとえばラメラ構造)を作り出すように選択することができる。
間隙液は、たとえば陽圧もしくは陰圧といった、機械的な力をゲルに加えることによって排出することができる。
機械的な力には、圧縮力を含めることができる。望ましい圧縮を達成するためにゲルに加えられる圧縮力の量は、個別の環境に応じて決まるが、当業者は容易にそれを決定することができる。たとえば、適当な圧縮力は、0.1から10 N、たとえば1 Nとすることができる。ゲルは、圧縮力を受けるとき、非拘束であることが好ましい。
ゲルに圧縮力を加える適当な方法は、いずれも使用することができる。
たとえば、下記のうち1つもしくは複数の方法によって、ゲルを圧縮することができる:ゲルに静荷重(たとえば、死荷重)を加える、水圧もしくはカムを通して荷重を加える、またはゲルをローラーに通す。
ある実施形態において、締付オリフィスを通した押し出しによってゲルを圧縮することができる。締付オリフィスは、たとえば、ゲルが通過するにつれてゲルを圧縮する円錐形のチャンバーを含んでなる。円錐形のチャンバーは、圧縮を容易にするために、ゲルからの間隙液の排出を可能にする多孔質の壁を含んでなる。
ある実施形態においては、圧縮力は固体表面に向かってゲルを圧縮するように当該ゲル内でバルーンを膨張させることによって加えられる。固体表面は、たとえばゲルを取り巻くチューブを形成していてもよく、管状インプラント構築物の形成が可能となる。
ある実施形態において、圧縮力は遠心によって加えられる。乾燥した遠心チューブの底で標準的な水和ゲルを遠心して、塑性圧縮により構築物の液体含量を減少させる−間隙液は乾燥多孔質支持体内に、または収集チャンバーに排出させる。液体の損失量は、遠心の速度および時間によって調節することができる。
ゲルが静止状態にある場合の圧縮方法(たとえば、死荷重をゲルに加える、または水圧もしくはカムにより荷重を加える)は、「静的」圧縮方法として知られている。圧縮時にゲルが移動する場合の方法は、「動的」圧縮方法として知られている(たとえば、ゲルをローラーに通す、または締付オリフィスを通してゲルを押し出す)。
上記の代わりに、および/または上記に加えて、間隙液をゲルから取り出して、圧縮を引き起こすことができる。液体を除去するのに適した方法はどれも使用することができる。たとえば、流出(水切り)、蒸発、吸引、毛細管圧、浸透、もしくは電気浸透のうち1つもしくは複数により、液体を除去することができる。
液体は、吸収材上でゲルを「吸い取る」ことにより、毛細管圧によって除去することができる。吸収材は、紙、特に吸い取り紙とすることができる。この吸収材を、圧縮後にゲルから取り除くことができる。たとえば、目の粗い織りの(>100ミクロン)ナイロンメッシュ支持材を通して多孔質濾紙シートに吸収させることによって、水和ゲル(たとえば、コラーゲンゲル)を圧縮することができるが、その材料の質量は、元の大きさのほんの一部にまで減少し、同時に密度は増加する。圧縮の速度は機械的な圧縮を含む方法より遅い。しかしながら、圧縮の速度は、ゲルの上面に第2のメッシュ吸い取り層を加えることによって高めることができる。
液体の除去は、蒸発によって、たとえば、蒸発を促進する条件下で(例としては、大気圧より低圧で、および/または室温より高温で)ゲルをインキュベートすることによって、行うことができる。蒸発は水を除去するが溶質は除去しないので、生体材料を形成するためにゲルが圧縮するにつれて、ゲルの浸透圧モル濃度が増加することになるため、こうした方法は、ゲルが細胞を含有する場合には、概してあまり好ましくない。
吸引によって液体をゲルから除去してもよい。たとえば、0.45ミクロンの濾過膜上に置かれている標準的な水和コラーゲンゲルへの真空減圧(たとえば、マルチウェルプレートシステムにおける機械ポンプ)の適用は、構築物の大きさおよび種類、ならびに減圧の程度に応じて、数分間で液体含量の減少をもたらす。
ある実施形態においては、ゲルを傾けることによって、都合よく液体を流出させることができる。その場合、液体は、重力および勾配の機械的影響のもとで、ゲルから流出する。たとえば、室温の加湿チャンバー内で、角度を付けた方向に、標準的な水和コラーゲンゲルをそれ自体の重さで排水させると、3時間で適当な液体損失と、それによる圧縮が得られるが、3日間では指数関数的に急激な液体の損失が生じ、ゲルの質量が6分の1に減少する。
ある特定の塑性圧縮方法、たとえば、浸透法、電気浸透法、もしくは蒸発法は、ゲルから特に溶媒を除去するが、溶質は除去しない。これは、ゲル中の液体のイオン特性(たとえば、塩濃度、pH)を変化させる可能性がある。
足場ゲル内に細胞をシードする場合、ゲルの環境は、細胞が生存できるように、生理的条件(たとえば、温度、pH、水分、およびイオン強度)に維持されることが好ましい。このような生物的実施形態では、塑性圧縮がゲル液体のイオン特性を生理的条件から著しく変化させないことが好ましい。
非生物的実施形態において、ゲルが細胞を含有しない場合には、ゲルの環境は生理的である必要はなく、浸透法のようにゲル液体のイオン特性を変化させる方法も含めて、塑性圧縮のいかなる方法も適している。
2つ以上の異なる圧縮方法を順次、または同時に使用して、ゲルを圧縮することができる。たとえば、機械的圧縮によって、ゲルを塑性圧縮することができるが、好ましくは同時に、吸引、毛細管圧、浸透、電気浸透のうち1つもしくは複数の方法によって、ゲルから液体を取り出すことができる。ある実施形態では、毛細管圧と機械的圧縮の組み合わせが迅速な圧縮のために用いられる。
本明細書に記載の方法は、1より多い、たとえば2、3、4もしくはそれ以上の、明確に区別される段階の塑性圧縮を包含することができる。
上記のように、間隙液は、ゲルの限られた液体排出面を通ってゲルから出ることができる。ある実施形態において、たとえばコラーゲンゲルの塑性圧縮時に、ゲルの外"皮"(液体排出面)はフィルターとして機能し、液体および溶質を外に出すことができるが、コラーゲン原繊維、細胞、および/または他の巨大分子凝集物、たとえば、粒子封入体、成長因子デポー/小胞、およびミネラル化粒子(例としては、骨ミネラル粒子もしくはセラミック生体模倣粒子)をゲル表面にとどめることができる。それに加えて、またはそれに代えて、ゲルから除去されるべき液体の濾過を助ける多孔性のシートもしくは膜上にゲルを支持することができる。これにより、ゲル表面に(特に、特定の液体「出口」表面のある面)に圧縮の局所的不均一性がいくらか生じる可能性がある。したがって、細胞、コラーゲンもしくは他の巨大分子凝集物の緻密層がゲル表面に局在する可能性がある。このラメラ構造は、組織等価インプラントを作製するには有用であると考えられる。こうした製作技術のスケールは、たとえば、ナノもしくはマイクロレベルで構成上の特徴もしくは構造を作り出すように適合させることができる。
足場マトリクスの特性は、組織の修復もしくは再生が細胞によっていかに組織化されるかを決定する上で重要であり、最初の足場構造が、その後に生じる三次元構造の大半を事実上決定づける。したがって、多くの応用例においては、組織等価インプラント中の細胞および繊維をきちんと整列させることが有用である。
足場マトリクスの細胞および/または繊維は、たとえばゲルを横断して張力を加えることによって、整列させることができる。張力は、塑性圧縮の前、後、および/またはその最中に加えることができる。
張力は、好ましくは一軸性であって、ゲルに5〜50%の一軸ひずみ、好ましくは10〜30%の一軸ひずみを加えることができる。繊維および、存在するのであれば、シードされた細胞は、主ひずみの方向に対して平行な向きで整列させる。
たとえば、コラーゲンゲルについては、5〜30%のひずみ、好ましくは20〜25%のひずみを利用することができる。
本明細書に記載の方法は、ゲルに張力を加えて、足場材料繊維および/または細胞を整列させることを含むことができる。
たとえば、ゲルを、塑性圧縮プロセスの開始時または途中で(たとえば、20〜60%圧縮)一軸性の引張荷重のもとに置き、その後、塑性圧縮計画に戻すと、引張ひずみにより誘導された繊維の整列がゲル中に固定され、整列した緻密な複合材料が得られるが、そうした複合材料は、一部の実施形態では、生細胞を含んでいてもよい。
あるいはまた、ゲルを塑性圧縮する前に、ゲルの端部を締付けて、長軸を横切って一軸ひずみを加えることによって、繊維を整列させることができる。
足場マトリクス内の細胞と繊維の整列は、Eastwoodら(1998)に記載されている。
足場、細胞、および間隙液に加えて、ゲルはさらに他の成分を包含してもよい。特に、ゲルは、固体要素、たとえばキャピラリーフィラメントもしくは多孔質ビーズを含むことができる。
キャピラリーフィラメントは、堅い固体ポリマーの不溶性もしくは可溶性の繊維である。適当なフィラメントの直径は約100μmより小さいことが好ましい。
ゲル内に加えた可溶性フィラメントは溶解して、ゲル内部に毛細管チャネルを形成することができる。こうしたゲル内の毛細管チャネルは、たとえば、次のうちの1つまたは複数の目的に有用であると考えられる:灌流、薬物および/または遺伝子および/または培地の足場内へのデリバリー;ならびにレシピエントの循環系との合流。
適当な可溶性フィラメントは、可溶性リン酸ガラス、ポリカプリロラクトン、ポリアセテート、ポリグリコール酸、絹、多糖類、または溶融塩もしくは結晶塩から作ることができる。
不溶性フィラメントは、光学的治療、光学モニタリング、シグナル伝達、および/またはひずみの検出を行うために有用であると考えられる。適当な不溶性フィラメントはガラスから作られる。
キャピラリーフィラメントは、ゲル層の間に入れたり、注型前にゲルに加えたり、または注型後にゲル内に入れたりすることができる。2つ以上の注型ゲルを含む実施形態では、フィラメントをたとえばゲルの間に挟みこんでもよい。
ある実施形態において、ゲルは多孔質ビーズを含むことができる。ゲルマトリクスの塑性圧縮は、足場繊維を多孔質ビーズの穴に押し込み、堅く結合した構造を与える。これは、たとえば、骨芽細胞もしくは軟骨細胞をシードする場合、人工骨もしくは石灰化軟骨の代用組織として有用であると考えられる。
適当な多孔質ビーズは、直径が約100〜500ミクロンであり、たとえば多孔質セラミック、ガラス、リン酸ガラス、ハイドロキシアパタイト、または骨ミネラル標品(天然の骨から有機相を除去)などの固形材料から作ることができる。
粒子:ゲル:細胞の比率は、粒子の大きさ、および求められる組織の特性(たとえば、緻密に、またはゆるやかに詰まった硬組織)によって決まる。
ある実施形態において、線状構築物(たとえば、棒状、帯状、またはロール状構築物)は、両端部に本明細書に記載の多孔質ビーズを含むことができ、たとえば直接骨にねじ込むことによって、in vivoでの構築物の固定を容易にすることができる。
多層生体材料は有用である。なぜならば、天然の組織はミクロンレベルで層をなしており、こうした層は細胞組織の構築および細胞機能の分離において何らかの役割を担っていると考えられるからである。
本明細書に記載の方法は、微細な構造を持つ生体材料、たとえば、多層(すなわち2層以上)を持つ生体材料の作製を可能にする。こうした生体材料は、組織等価インプラントの作製において特に有用である。
層はまた、組織の移動を容易にし(滑走、屈曲に対応する層)、層間を通過する灌流、に役立ち、(たとえば腱において)層間を層に沿って移動する迅速な異方性の栄養移動を可能にし、移植後の毛細血管、神経、間質などの内方成長(最も抵抗の少ない平面もしくはチャネルにおける内方成長)を方向付ける。
生体材料の作製方法は以下を含んでなる:
第1および第2のゲルを重ねて置くこと(それぞれのゲルは、足場繊維のマトリクスおよび間隙液を含んでなる)、ならびに
前記ゲルを塑性圧縮して生体材料を作製すること(前記第1および第2のゲルが当該生体材料において層を形成する)。
ある実施形態において、第1および第2のゲルは、同一ゲルの異なる領域であってもよく、たとえばゲルを折り重ねるか、またはロール状に巻くことによって、これらの領域を接触させる。
他の実施形態において、第1のゲルおよび第2のゲルは異なるゲルであってもよく、すなわち、2つ以上のゲルを重ねることができる。
2つ以上のゲルは、異なる機能を有していてもよく、かつ/または、1つもしくは複数の物理的性質の点で異なっていてもよい。たとえば、ゲルは、下記のうち1つ、または複数の点で異なっていてもよい:足場における繊維の組織化、繊維の種類、足場の密度、ならびに、ゲル内に存在する巨大分子凝集物、多孔質粒子、および/または(たとえば、成長因子、ホルモン、酵素および/またはマイナーなマトリクスタンパク質のための)生物学的デポーの濃度、種類もしくは混合。
ゲルを塑性圧縮して、2つ以上の層を有する生体材料の1枚のシートを作製することができる。
好ましくは、複数のゲルは機械的な荷重のもとで簡単に分離しないように十分に付着しており、たとえば、境界面は、層自体の破壊ひずみの1〜10%に対して、好ましくは5〜10%に対して安定でありうる。
2つ以上のゲルを組み合わせると、複雑な組織および器官を、一層ずつ積み重ねて作り上げることができる。こうしたことは、たとえば、神経、腱、軟骨、皮膚、骨、泌尿生殖器要素、肝臓、心肺組織、腎臓、眼組織、血管、腸および腺を修復もしくは置換するためのインプラントの作製に役立つと考えられる。
たとえば、コラーゲンの外皮と、神経ガイド物質(たとえば、フィブロネクチン)のコアのまわりに細胞を有する神経組織(PNSもしくはCNS)修復用のインプラントを作製することができる。細胞/成長因子(たとえば、NGF)デポーを入口および出口ポートに配置してもよい。
靱帯修復用のインプラントを作製するには、たとえば、ハイドロキシアパタイトビーズもしくは粒子をPCコラーゲン棒状物の端部に組み込んで、所定の位置に固定するための硬い骨質取付具を各端部に有する靱帯インプラントを形成させる。
軟骨修復用のインプラントを製造するには、たとえば、関節軟骨細胞(例示)をシードした、コラーゲンのロール状またはらせん状の構築物を作製し、このロールに二次圧縮を加え(長軸に対して垂直に)、標準的な増殖培地中で約7日間培養する。内在する軟骨細胞は(プロテオグリカンの合成および水の取り込みによって)構築物を再膨潤し、軟骨インプラントを形成させる。
所定の血管チャネルを有する結合組織(もしくは他の組織)インプラントは、コラーゲンを用いて上記のらせん状(もしくは層状)構築物を形成するが、迅速に溶解するリン酸ガラス製の平行繊維(理想的には直径20〜200ミクロン)をその層の間に配置することによって、作製することができる。ガラス繊維が水性媒体中で溶解すると(たとえば、移植後、またはバイオリアクター中で)、コラーゲンインプラントの中にチャネルが残り、そのチャネルは毛細管(神経)が内方成長するための案内通路として機能する。このような構造物は、最も抵抗の少ない通路として、上記のチャネルをたどり、これらを満たす。
本明細書に記載の方法は、たとえば、統合され、自動化された培養プロセスの一環として、ゲルに適当な物理的荷重(たとえば、好ましくは、あらかじめプログラムされた一連の事象の一環として、方向性のある圧縮および引張り)を加えるのに適した機械的バイオリアクターを用いて、良好に実施することができる。機械的バイオリアクターは、好ましくは、三次元組織等価インプラントの培養および/またはインキュベーションを可能にするのに適しており、たとえば、一軸引張り手段(たとえば、構築物に周期的引張り荷重もしくは傾斜引張り荷重を与える)、ならびに光学的および電気化学的(O2およびグルコース)センサーを含むことができる。
あるいはまた、組織等価インプラント(細胞性もしくは非生物的)は、塑性圧縮工程を含む一連の工程を有する(コンベアベルト型の)連続フロースルー法を用いて、作製することができる。
本発明のある態様は、上記のように作製された生体材料から組織等価インプラントを作製する方法を提供する。たとえば、組織等価インプラントを作製する方法は、
a)足場繊維のマトリクスおよび間隙液を含んでなるゲルを塑性圧縮して生体材料を作製すること、または
b)2つ以上のゲルを重ね(このそれぞれのゲルは足場繊維のマトリクスおよび間隙液を含んでなる)、これらのゲルを塑性圧縮して2層以上を有する生体材料を作製すること、
のいずれか一方、ならびに、
前記生体材料から前記インプラントを作製すること、
を含んでなる。
それぞれのゲルは、さらに、上記のように生細胞を含むことができる。
塑性圧縮は上述のように実施することができる。ある好ましい実施形態では、ゲルを機械的圧縮に付すことができる。
張力はゲルを横切って導入され、細胞および足場繊維を整列させることができる。張力はゲルの塑性圧縮の前、後、またはその最中に加えることができる。
上記のように、本発明の方法は、細胞密度が増加するので灌流距離が増加するにもかかわらず、シードされた細胞が依然として生存するように、室温より低い温度(たとえば約4℃)で行うことができる。本明細書に記載のように、追加のゲル層を加えてもよい。
インプラントの細胞密度および機械的特性は、塑性圧縮の条件によって決まる。
生体材料は、前記インプラントを製造するために、成形および/または造形することができる。ゲルは、たとえば注型および/または塑性圧縮の際に、あらかじめ決められた形状に成形することができる。ある実施形態において、この形状を、塑性圧縮工程後にさらに成形することができ、かつ/または追加の圧縮に供することができる。
組織等価インプラントは、利用しやすいインプラントの形、たとえば、パッチ、チューブ、テープ、ストリップ、リング、ロール、シートもしくは糸状に、成形または造形することができる。組織等価インプラントの最終的な形状は、それが使用されるべき個別の状況に応じて決まる。
組織等価インプラントは、さらなる造形に適した曲げやすい形に成形することができる。塑性圧縮は、たとえば、対称的もしくは非対称的でありうる。
インプラント構築物を塑性圧縮して製造した後、その構築物を、ただちに個体に移植してもよいが、さらにインキュベーションに供して、剛性、弾性率などといった足場マトリクスの微妙な特性を調整することができる。
塑性圧縮によって生体材料のシートを製造する実施形態において、生体材料シートをくるくると巻いて、生体材料のロールを形成することができる。
これによって、1または2以上の平らな二次元の生体材料層から、三次元インプラントを迅速に組み立てることが可能となるが、こうしたインプラントは、外科医がうまく扱うことができる。
塑性圧縮によって生体材料のシートを製造する他の実施形態において、生体材料を折りたたんで、2以上の層を含む構築物を製造することができる。この構築物を、必要に応じてさらに切断または造形することができる。
中心の繊維/針のまわりに構築物を巻いてまたは折り重ねて、中心チャネルを有するインプラントを作製することができる。
可溶性繊維(たとえば、リン酸ガラス)を構築物の層の間に入れることができる。こうした繊維はその後溶解して、in vivoでの血管新生もしくは神経再支配のためのチャネルを残す。
構築物をセンサー/モニター用繊維(たとえば、O2モニター用の100〜200ミクロンの光ファイバー)のまわりに巻きつけてまたは折り重ねて、たとえば移植後のもしくはバイオリアクター内における、細胞マトリクス構造状態の連続的リアルタイム測定を得ることができる。
ロール状のまたは折り重ねた多層生体材料を、組織等価インプラントとしてそのまま使用してもよいが、さらに塑性圧縮を行って、たとえば層同士を一緒に付着させたり、望ましい寸法を達成させたり、細胞密度を高めたり、他の性質を改善したりすることができる。
二次圧縮は生体材料の特性を劇的に改善する。たとえば、いったん生きた細胞を含んでなる多層構築物が形成されれば、それを二次圧縮に供し、より多くの間隙液を排出させて、より高い強度を与えることができる。ロール状構築物の二次圧縮は、典型的には、残存する液体の60%を除去し、強い材料からなる密なストラップを与える−破壊応力を3倍以上高めることができる(0.6メガパスカル〜2メガパスカル)。二次圧縮は上記の技術を用いて行うことができる。
ロール状のまたは折り重ねた構築物は、細胞生存能力を維持するが細胞増殖は低減もしくは阻止する条件下で、保存することができる。たとえば、ロールは0〜5℃で保存することができる。こうした条件は、高い細胞密度に関連する細胞死もしくは損傷、たとえば低酸素による細胞損傷を防止する。
生体材料が1つもしくは複数の層または領域を有する場合、その層もしくは領域をアレンジして、別個のゾーンもしくは領域から成る複雑なロール状またはらせん状アセンブリーを提供することができるが、これは、特定のインプラント用途に役立つと考えられる。たとえば、層は、外層および1つ以上の内層について同心性とすることができる。加えて、さまざまな方向にシートを巻き上げることによって、さまざまな構築物の形状を得ることができる。
たとえば、神経組織の修復および/または置換に用いる、4つの別個の領域を含むロール状インプラント構築物を、図23に示す。この構築物は、外側のシート1、神経エントリー基材2、長距離繊維ガイダンス材料3、および成長因子を含有する神経出口材料4を重ね合わせ、これらの層を圧縮したのち、くるくると巻いて、最終的ならせん状アセンブリーを形成することにより作製される。
折りたたんだ、もしくはロール状に巻いた生体材料は、組織等価インプラントとして使用することができる。すなわち、それは、内在する組織の修復もしくは置換のためにヒトもしくは動物の体内に導入することができる。
本発明の別の態様は、個体の損傷組織を治療する方法を提供するが、この方法は、
本明細書に記載の方法を用いて組織等価インプラントを作製すること、および
前記インプラントを前記損傷組織に固定して前記組織を修復および/または置換すること、
を含んでなる。
インプラントは、任意の使いやすい技術によって固定することができる。たとえば、それを所定の位置に縫合するか、または接着することができる。
本明細書に記載の構築物(たとえば、ロール状に巻いた、折りたたんだ、二次圧縮した生体材料)はいずれも、縫合することができ、筋肉の荷重のもとで行う場合でも、身体部位に手術で縫合することができる。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の方法によって作製された生体材料もしくは組織等価インプラントを提供する。
ここで本発明の態様を、添付の図面および下記の実施例に関連して、限定ではなく例示として説明することとする。さらなる態様および実施形態は、当業者には明白である。
本明細書中に挙げた文献はすべて、参照することにより本明細書に援用するものとする。
表1は、3段階の圧縮におけるコラーゲン構築物の厚さ(単層)の平均を示す。
表2は、出発細胞調製物および新たに注型したゲル(圧縮前)から圧縮後まで、張力もしくは乾燥を加えた、圧縮プロセス中の諸段階における細胞生存率を示す。
方法
細胞性および無細胞性コラーゲンゲルの形成
無細胞性コラーゲンゲルは、既述[1, 21]のように、2.4 mLの滅菌ラット尾I型コラーゲン(0.6%酢酸中タンパク質2.16 mg/mL: First Link (UK) Ltd, West Midlands, UK)、0.3 mLの10倍濃縮イーグル最小必須培地 (EMEM) (Gibco Chemicals, Invitrogen, Scotland, UK) および0.3 mLのイーグル平衡塩類溶液 (EBSS) (Sigma-Aldrich Co., Dorset, UK)を、5 M 水酸化ナトリウム(Merck, Leicestershire, UK)で中和することによって調製した。細胞をシードしたゲルについては、10%ウシ胎仔血清(FCS)を含む0.3 mLのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に懸濁した106個のヒト皮膚線維芽細胞を、EBSSの代わりに、中和直後にコラーゲン溶液と混合した。注型時点の細胞密度は、0.33x106個/mlコラーゲンゲルであった。ゲルを長方形の型(33 x 13x 4 mm)に流し入れ、37℃のCO2インキュベーター内で、無細胞性ゲルについては70分間(実験範囲は35〜180分)、細胞性ゲルについては細胞が付着するように1〜3時間、固化/安定化した。コラーゲンゲルからの液体損失(自己圧縮)の測定は、湿重量の減少%に基づいて行った。最初の湿重量測定のための注型チャンバーからのゲルの移動は、操作を最小限にするために特注の平らなスクープスパーテルを使用し、その後密閉加湿チャンバー(室温)内でインキュベートし、0.5、1、2、3、4、24、48、120時間後に重量を再測定した(水平、または45°傾斜:各測定につきn=3)。湿重量変化のほとんどすべてが、最初の3時間のうちに起こるので、水平で3時間の「自己圧縮」ゲルを、安定したコントロールとして使用した(57%圧縮を与える)。
細胞培養および細胞生存率アッセイ
既述のように[21,22]、(乳房縮小もしくは腹壁形成のための手術直後に、十分倫理的な承認を受けて、手術室から新たに得られた)剥離して脱脂したヒト皮膚を、通常の移植片培養することによって、正常なヒト皮膚線維芽細胞を調製した。2〜4mmの付着組織断片から増殖する線維芽細胞を、5% CO2、37℃の条件下で、10% FCS(First Link (UK) Ltd.)およびストレプトマイシン/ペニシリン(それぞれ500μg/ml および500単位/ml: ICN Biochemicals, Thyne, UK.)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM: Gibco, Paisley, スコットランド)中で増殖させた。細胞の生存率測定は、塑性圧縮の各段階において、1μM カルセインAM (生きた細胞を検出する)および1μMエチジウムホモダイマー(死んだ細胞を染色する)を含有するDMEM + 10%FCS中で、構築物を1時間インキュベートすることによって行った。生きた細胞および死んだ細胞は蛍光顕微鏡でそれぞれ緑色および赤色に見え、生存:死滅の比は、グリッドを通した顕微鏡写真からの細胞計数(全部で4000個の細胞をランダムな領域から計数した)によって推定した。
塑性圧縮および引張り予備整列
固化およびインキュベーション後、図1に示すように、圧縮と、メッシュおよび紙シートの層を用いた吸い取りとを組み合わせて、ゲルを通常どおりに圧縮した。簡単に述べると、厚さ165μmのステンレススチールメッシュ(メッシュサイズ約300μm)およびナイロンメッシュの層(メッシュサイズ約50μm)を、2つのステンレススチールスペーサー(厚さ300μm、図1a)とともに2層の吸水紙の上に置いた。コラーゲンゲルをナイロンメッシュの上に置き(スペーサーの間に)、もう一つのナイロンメッシュで覆って、50gの平らなプラスチックブロック(デルリンポリマー)で室温にて5分間荷重をかけ、2枚のナイロンメッシュの間に保護された平らなコラーゲンシート(厚さ20〜40μm)を得た。塑性圧縮のみの特性評価(すなわち、強化された吸い取りなし)は、吸水紙なしとした。
吸い取りは必然的に、最終的な圧縮に若干寄与したが、それは加えられた荷重が330μmのスペーサーシムによって制限されたためである。圧縮の前後にゲルの重量を測定し圧縮%を得た。荷重および持続時間は10〜50gおよび10秒〜5分とした。圧縮後の構築物の厚さは横断面の組織学標本から直接測定した(安定化コントロール:57%、重量基準で87%および91%に圧縮したゲルと比較)。「引張り予備整列」のために、圧縮したコラーゲンシート(細胞あり、または細胞なし)を培養チャンバー内で水平に締め付け(両端で6〜7mmの締め付け重複)、約1分にわたって、ねじ山の移動を用いて25%まで歪を与えた。変形したゲルを、顕微鏡検査のため、4%パラホルムアルデヒドを含む0.1Mカコジル酸ナトリウムバッファーpH 7.4中で固定させた。
コラーゲンシートおよび複合材料のらせん状アセンブリー
PCコラーゲンシートを、圧縮直後に短軸に沿って巻いてナイロンメッシュから剥がし、密にらせん状に巻いた棒状物(直径13 mm x 1.75 mm)を作製した(図2a)。コラーゲン:フィブロネクチン(Fn)およびコラーゲン:ハイドロキシアパタイト(HA)を、異成分からなるらせん状アセンブリーの例として使用した。すでに報告されているように[23]、撹拌型限外濾過セル内で、配向性フィブロネクチンマットを調製した。簡単に述べると、血漿フィブロネクチン[19](Fn: 2M 尿素中1〜2 mg/mL、Bio-Products Lab, Elstree UK)を撹拌型限外濾過セル内で4℃にて濃縮した(10 kDa分子量カット膜- Millipore, Watford, UK)。結果として得られたFnマットをすすぎ、凍結乾燥して、共圧縮の直前に再水和させた。コラーゲンゲルを、Fnマットとずらして(部分的に覆う)、圧縮のために重ねて置いた。この複合材料のらせん状アセンブリーは前と同様であり、ずらしたFnの端から始めた。コラーゲン:HAの例については、約200mgのHA粒子(106〜180μm: Plasma Biotal Ltd., Derbyshire, UKより提供)を新たに注型したコラーゲンゲルの長縁の表面に均一に広げた(幅5mmまで)。こうしたタイプの構築物の圧縮は、上部のナイロンメッシュも荷重も一切使用せず、下に置いた紙の層に液体を吸い取らせるだけで行った。この構築物のらせん状アセンブリー(短辺のまわりに巻く)は、HAが埋め込まれ、圧縮された硬い端部を有する緻密なコラーゲンケーブルを与えた。
機械的試験
一重PCコラーゲンシートの機械的試験は、薄い構造(20〜40μm)のため信頼性がないが、らせん状に組み立てた構築物は、全体を通して使用された。試験前にEBSS中で保存していた構築物の両端を、シアノアクリレート系強力接着剤で補強した薄いスチールメッシュの2mmストリップを用いて締め付け、Dynamic Mechanical Analyser(DMA-7e: Perkin Elmer, Buckinghamshire, UK)に取り付けた。機械的試験は、一軸引張りのもとで、負荷速度200mN/分(応力速度83 KPa/分)で、破損するまで、バッファーの使用によって絶えずサンプルを水和しつつ行った。それぞれの機械的試験に関する準動的応力-ひずみの値は、DMA-7eに接続したPyrisTMバージョン5.02ソフトウェア(Perkin Elmer, Buckinghamshire, UK)によって得られた。統計分析はMicrosoft ExcelTMソフトウェアで行った。
イメージングおよび画像解析
光学顕微鏡検査用の標本は、4%パラホルムアルデヒドを含む0.1Mカコジル酸ナトリウムバッファーpH7.4で固定し、通常どおりワックス包埋して切片(5〜8μm)を作製し、(コラーゲン原繊維の複屈折を増大させるために)ヘマトキシリン/エオシン(H&E)もしくはPicro-Sirius Redで染色した。標本は、Olympus BH-2顕微鏡写真機で検査した。コラーゲン原繊維密度の分析を目的とする透過電子顕微鏡(TEM)検査のPC構築物(93%圧縮)は、4%パラホルムアルデヒド、0.1 M カコジル酸ナトリウムバッファーpH 7.4および2%グルタルアルデヒド中で固定し、カコジル酸バッファー中ですすいだ後、1%(w/v)四酸化オスミウムで処理し、通常どおり脱水してSpurr樹脂(Agar Scientific, Stansted, UK)に包埋し、超薄切片を作製した。染色された切片(2%(w/v)硝酸ウラニルおよびReynoldのクエン酸鉛)は、Philips CM12機器で検査した。PC構築物レプリカの縁部およびゲル本体領域から得られたランダム画像(同倍率)をデジタル化して輪郭を明らかにし、コラーゲン原繊維によって占有される全視野面積%を測定した(すなわち原繊維密度の測定)。取り込み画像の解析は、OpenlabTM画像解析ソフトウェア、バージョン3.1.5(Improvision(登録商標)、Coventry, UK)を使用した。統計解析にはGraphpad PrismTM ソフトウェア、バージョン4 (GraphPad Software(登録商標), San Diego, USA)を使用した。走査型電子顕微鏡(SEM)検査のために、PC構築物は、4%パラホルムアルデヒド(0.1M カコジル酸ナトリウムバッファーpH7.4中;2時間)中で固定し、さらに1%タンニン酸(w/v)を含む0.05M カコジル酸ナトリウムバッファー中で固定(1時間)してから、アルコール系列を通して脱水し、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理して風乾した。乾燥標本を、内部構造を明らかにするために1つの縁に沿って切断し、金パラジウムをスパッタコーティングしてJoel 5500LV SEMで検鏡した(L. Wollweberら、J. Microsc. 1981, 121, 185)。
結果
塑性圧縮
細胞(全部で100万個)を埋め込んだコラーゲンゲルを、図1および2に示すシステムを用いて、死荷重(50g)および排出液の多孔紙による除去によって、圧縮した。注型ゲルは、幅13mm、長さ33mm、深さ約4mmとした。圧縮は1分および5分でほとんど同じであったが、標準圧縮時間は5分を用いた。「ストップ」シムは、300μmの厚さ(すなわち約10倍圧縮)のPC構築物を残すようにデザインされたが、大きな多孔紙シートの毛管現象のためにプロセスは限度を超え、その結果最終的なシート状構築物は測定時に30〜50μmの厚さであることが明らかになった。これは、縮小比(1.72 mlから0.0172ml)として>100倍圧縮に相当する。
ゲル中の細胞の初期濃度は、約5.8 x 105個/mlであったが、これは圧縮後5.8 x 107個/mlに増加した。細胞が半径10μmの球状であるとすると、細胞は出発ゲルの約0.18%v/vを占め、最終シート状構築物の18%v/vを占めていた。当然、同じ密度で細胞がもっと大きければ、その構築物の比率は大きくなり、小さい細胞ならば小さくなる。
構築物の組成
圧縮工程(5分;50g)の終わりに、細胞密度は体積比で構築物全体の約15〜20%であった(球状の呼称体積の細胞と仮定した)。この段階で、液体の全損失は重量比で98.4%と測定され、シート状構築物の湿重量は43.5mgであった。37℃で24時間風乾したゲルの重量は5.4mgとなり、これは、このシート状構築物が18%のコラーゲンおよび82%の液体を含むことを示した。15〜20%v/vの細胞(半径10μmの球状細胞を仮定する)、約20%のコラーゲン、および残部の水からなる基本組成は、いくつかの単純な天然の組織に匹敵する。半径5μmの球状細胞の場合は、細胞含量が2%v/vに低下する。
構築物の細胞生存率および培養
コラーゲンゲル中に、生きたラット腱線維芽細胞を含んでなる構築物を組み立てて、上記のように圧縮した。
線維芽細胞の生存率は、圧縮直後に(シートの厚さが40μmの段階で)正確に測定した。蛍光二重染色法を使用したが、この場合、構築物培養物は、DMEM培地中で、1μMエチジウムホモダイマーおよび1μMカルセインAMによって37℃にて1時間処理した。これにより、蛍光顕微鏡で見ると、赤色蛍光色素が死細胞の核に沈着し、生細胞の細胞質は緑色蛍光となる(それぞれ)。ランダムな視野を構築物(それぞれ、全部で2〜300個の細胞を含有)の全域にわたって(すべての場合において40倍対物レンズのもとで)写真撮影し、赤色および緑色蛍光細胞を、写真の各視野において25mmグリッドを用いて計数した。生細胞/死細胞の比は、測定当たり15〜20の視野からの約4000個の細胞から測定し、平均生存率%+/-SD(表2)として表した。
ゲル化の過程それ自体(完全な水和)は、細胞の生存率に有意な影響はなく、細胞生存率にはほとんど影響はなかった(約10%減少)。本明細書で使用した構築物の比較的高い圧縮/収縮率でさえ(5分間で100分の1に減少)、塑性圧縮の際に生存率はわずかしか減少せず(約6%)、引張り予備整列段階のために減少が加わることもなかった。しかしながら、圧縮された構築物は、厚さ40μmほどのシート状であり、結果として脱水に非常に弱い。表2は、滅菌フローフード内で室温の空気が流れる状態にただ保持しただけで(それぞれ20秒および1分)、脱水に起因して観察される、細胞生存率の急速な減少を示す。これは、20秒で約70%の細胞死をもたらし、わずか1分後には生存能力は完全に失われた(すなわち、全面的な乾燥)。この段階では、液体(培地/PBS)中に没した状態、または100%加湿チャンバー内のいずれかで実施された手順であれば細胞死を減らすことができるであろう。
より制御された厚さが必要とされる実験においては、吸い取り紙を取り除き、当該方法を培地中に没した状態で死荷重のみを用いて行ったことに留意されたい。
ゲルの熟成
非圧縮コラーゲンゲルは、水性環境の外では、液体を失わせてその密度/特性を変化させる持ち上げ/操作のどのような形としても、「不安定な材料」と見なされた。不安定度は、加湿(100%)チャンバー内で平坦な、もしくは45℃傾斜した無孔質プレート上にゲルを単に放置することによる、初期の液体減少率の点から調べた。
図3は、37℃で増加させていったインキュベーション期間後のゲルについて、時間経過に伴う質量(液体)の減少を示す(コラーゲンゲルは最初の固化後約2時間安定化し続ける)。最初の2時間の急激な質量の下落は、いったん液体から取り出されると本質的に、機械的に不安定であることを示した。自己圧縮は、安定化期間の長さと相関する水和レベルで、突然減衰して、遅い圧縮速度となった。
自己圧縮の際にゲルの角度を45℃に傾けて、流れの勾配を強めると、最初の急激な圧縮の持続する期間が長くなり(図3)、塑性圧縮のレベルが非常に高まった。180分間の自己圧縮は、結果として約57%の質量の減少をもたらすが、この圧縮によって安定化された「対照」ゲルを作製した。
空気中での構築物の脱水/水分損失
無細胞コラーゲン構築物(この場合、ロール状にする前の圧縮された40μmシート)を上記のように新調製し(平均3つ)、精密な秤の上で空中に放置して(気流はなく室温)重量の減少を測定することで、蒸発による水減量速度を測定した(図4)。重量の減少は最初の段階では直線的で、曲線の屈折点(約42分)は、わずか40分後にはほとんど完全な脱水に達したことを示した(静止した空気中で乾燥剤を使用しない点に留意されたい)。これは、風乾のための期待時間を示す。
圧縮構築物における整列
標準的な水和コラーゲンゲルを上記のように調製し、塑性圧縮に供した。
塑性圧縮プロセスの途中で、ゲルを一軸引張り荷重(25%ひずみ)下に置き、その後塑性圧縮下に戻した。引張りひずみによって引き起こされる原繊維の整列は、塑性圧縮によってゲル内で固定され、整列した稠密な複合材料をもたらした。このプロセスの出発時にゲル内にシードされた細胞は、完成した複合材料中で生存していた。
引張り予備整列させたコラーゲンPCシートの走査電子顕微鏡検査
全体として25%の印加ひずみを与える一軸引張り荷重を加えることによって、コラーゲン原繊維を引張り予備整列させた後の、無細胞コラーゲンPC構築物(シート状)の外観を、走査電子顕微鏡を用いて調べた。標本は、通常のSEMの場合のように、グルタルアルデヒド中で固定し、SEM台座の上に載せて臨界点乾燥させ、金でスパッタコーティングしたのち、JOEL準環境制御型SEMで検査した。
図5(上の図)は、ナイロン支持メッシュ(<1から>100μmの繊維構造を有する)のしっかりと浮き出たパターンを有する、圧縮後の表面トポグラフィーを示す。材料表面は、平行な太いコラーゲン繊維から成ることが観察された(しばしば、出発時のコラーゲン原繊維直径50〜100nmを超えて増加)。25%の一軸性のひずみを加えると、この浮き出たパターンが再整列して、加えたひずみと平行する表面の溝となった。このプロセスは塑性変形のひとつであるので、表面の再構造化は可塑的であって、その結果、浮きだしと、引張り予備整列の組み合わせによって制御された、安定な刻印されたトポグラフィーをもたらした。結論として、このμmおよびサブμm異方性パターンは、印加した張力を取り除いた後も安定であり、圧縮されたコラーゲン原繊維を含む方向性のあるラメラ構造も見られた(図5、下の図)。
吸い取り法の効果
2つの多孔質層(紙およびナイロン)による液体取り込み(吸い取り)の相対的な重要性を検討した。
2つの材料の長方形ストリップを、青色色素を含有する(可視化を容易にするため)PBS溶液中で垂直に立てて保持し、それぞれの液体の先頭が上昇する高さを、時間の経過とともに測定した。結果を図6に示す。
2つの材料による液体取り込みのパターンには相違が見られたが、いずれも、吸い取り効果に顕著に寄与することができた。
本研究のある実験において、全体的な液体除去に対する吸い取り法の寄与を減らすために紙の層を取り除いた。これは、吸い取り効果を無効にするのではなく低下させる。したがって、紙の下層を用いて行われる圧縮は、強化吸い取り法と称した。非強化圧縮は、ナイロン層のみを用いて行われた。
たとえば、乾燥を少なくするために、液中に没した状態で実施される圧縮は、吸い取り効果を完全に排除した。
圧縮条件
さまざまな死荷重および圧縮時間の条件下で、多孔質紙層の吸い取りを行わずに、複製したコラーゲンゲルを圧縮した(強化吸い取り法なし)。それぞれの場合に、構築物の出発重量および完成(圧縮)重量を測定してゲル重量の減少%を得、その結果を図7に示す。
10g荷重、10秒による平均圧縮は57%であったが、50g、1分を適用すると88%に増加した(図7)。50gの圧縮荷重を用いて2分後は、ほとんど追加の圧縮が認められず、圧縮時間を5分まで延長しても、液体の損失は増加しなかったが、構築物間の変動は減少した。50g、5分間の垂直圧縮プロトコルを標準化された方法として採用した。このPCプロトコルは、最初の構築物の厚さを約3.6mmのコラーゲンゲルから23〜48μmのコラーゲンシートへと減少させた(表1)。すなわち、収縮率は>2桁であった。このようなコラーゲンシートは、典型的には18%コラーゲンおよび82%液体であった。コラーゲン濃度は、細胞をシードした構築物については上昇したが、これは相対的な液体含量が低下したためであり、最終細胞密度は10〜20%(v/v)であって、これは最初にシードした密度および非付着性(球形)細胞の直径に左右された。こうした組成は、一部の未成熟結合組織に匹敵し、早期組織移植片として適しているであろう。
吸い取り強化あり/なしで、2分および5分圧縮の結果を比較することによって複合的な影響を分析した。吸い取りの強化を行っても、2分および5分圧縮のいずれでも、追加的な圧縮効果は観察されなかった。
コラーゲン原繊維密度
標準構築物(40μmの厚さの圧縮シート:50g、5分間)のコラーゲン原繊維密度を、対照構築物と比べて測定したが、この対照構築物は、加湿チャンバー内の平板上で重力下に圧縮するよう放置することによって、最初の重量の約50%で安定化させた。
原繊維密度は、TEM画像(すべて同じ倍率)から得られた全画面の面積に対するコラーゲン原繊維面積の割合(%)に関する画像解析によって直接測定した。
コラーゲン検体は、通常の透過型電子顕微鏡の準備を行い、グルタルアルデヒド固定して(2.5%をカコジル酸バッファーpH7.5中に含む)、Spurr樹脂に包埋し、横断面の超薄切片(厚さ40μmまで)とし、クエン酸鉛で通常どおり染色した後Philips CM12顕微鏡で検査した。被験ゲルからのランダムな良質視野から高画質顕微鏡写真を撮影した(中央-縁の比較のために、構築物の中線の両側からランダムに「中央」視野を撮った)。これらの画像をその後、画像解析システム(Improvision-Mackintosh, Birmingham, UK)に読み込み、レプリカの視野においてレプリカのコラーゲン原繊維の輪郭を明らかにして、原繊維間のスペースから原繊維の面積を区別した。次に、この画像解析法は、視野当たりの原繊維密度(%)の定量的な推定値をもたらした。密度中央値を標準偏差および範囲とともに示した(箱ヒゲ図)。対照構築物と圧縮構築物との密度の比較は、原繊維密度の劇的な増加を示している。
圧縮構築物の中央および縁領域のコラーゲン原繊維密度を、細胞ありと細胞なし、の両方で比較した(図8)。縁および中央領域のいずれにおいても、コラーゲン原繊維密度は、細胞性構築物において高かったが、これは、細胞により占有される体積が測定によって除外されるため、予想されたとおりであった(これはコラーゲン含量を効果的に置換した)。増加は縁では約50%、中央領域では100%であり、いずれの場合もp<0.002であった。無細胞構築物の縁領域の原繊維密度は、対応する中央領域より約50%高かった(p=0.0038)。しかしながら、この差異は細胞をシードした構築物では完全に消滅した(明らかに、サンプリング技術、および細胞も局所的に分離することに起因する)。構築物の縁に向かってのコラーゲン原繊維の分離(すなわち、ラメラの形成もしくは不均一性)は、予想されたとおり(上記)、圧縮時のコラーゲンゲル表面からの液体の効果的な濾過挙動、ならびにその境界面でのコラーゲン原繊維の完全な保持に基づいて生じた。
管状構築物
高水和材料(ゲル)-細胞構築物の圧縮の別法は、その構造のコアから圧縮インパルスを生じることである(図9)。これは、たとえば管壁の薄いチューブを形成するために役立つと考えられる。円筒形バルーンの外側表面を覆うように材料(ゲル)デバイスを形成するが、芯のバルーンを膨張させることによって構築物が拡大し(必要ならば望ましい機械的荷重を加える)、多孔質の(おおむね円筒形の)型に向かって構築物の外側面を押しつけ、それによって制御された液体圧出が達成される。このことは、作製される層の大きさ(たとえば、広い口径、薄い壁)、積層構造、液体の「出る」方向(すなわちマイクロフローベクトル)、ならびに支持材中に存在している細胞および繊維に対する機械力の印加(たとえば、整列のため)の点から好都合である。
連続フロー押出成形−塑性圧縮
連続フロー押出成形-塑性圧縮は、液体圧出、円錐形のフローチャンバーを通した組織収縮/圧縮によって達成することができる(図10)。(コラーゲンの)ドープ調製物(必要ならば細胞を含む)のゲル化前のゾルを処理して、それが、方向性のある剪断力の増加、濃度の増加、および流体粘度の増加を同時に受けるようにする。
これは、数分間のゲル化時間をうまく利用することによって達成することができる(ゲル化時間は温度を4℃に保持すること、および37℃まで上昇させることによって制御し延長することができる)。コラーゲン(または他の類似の液晶高分子、たとえばフィブロネクチン、絹タンパク質もしくはフィブリノゲン)のゲル化前の溶液を調製し、狭くなっている円錐形チャンバーに沿ってゆっくりとポンプで注入するが、チャンバー壁は多孔質で、間隙液の圧出を可能にする。ゲル-ゾル液はチャンバーに沿って移動するにつれて、方向性のある剪断力(高分子繊維を整列および集合させる)を受ける;液体はドープから多孔質壁へ押し出され(高分子ポリマーは内側を覆う半透膜によって保持される)、材料はゲル化するにつれて圧縮される;ゾルは速やかに固まってゲルとなり、ゲルは円錐形チャンバーの先端の締付オリフィスから押し出されるので、急速に圧縮されて固化する。結果として、整列した「組織」の、押し出された緻密なケーブルもしくは糸となる。
多層構築物
線維芽細胞を含む3枚の構築物(平板で長方形のコラーゲンゲル)を、一軸拘束配置で、Muderaら、2000、およびPrajapatiら、2000に記載のように、16時間収縮させ(非外部的)、細胞およびコラーゲン原繊維の整列を達成した。ゼロ時間では、それぞれの構築物(すなわち「リーフレット」)は、約3mmの厚さであって、全体で9mmの厚さであった。収縮培養の終了時には、各リーフレットの厚さは2mmとなった(全体で6mm)。
3枚のリーフレットを拘束から解放し、(1)粗いナイロンメッシュ、(2)孔径70μm滅菌濾過膜により支持された35mm培養皿に入れた。次いで、リーフレットをDMEM培地(ダルベッコ改変イーグル培地)で覆い、Dartech機械試験装置の圧縮プラッター下に置いて、37℃のCO2細胞培養インキュベーター内に入れた。
三重リーフレット構築物を培養下で5日間維持し、構築物が全体として1.5mmの厚さになるようにした(すなわち、全体的な密度の増加は、原繊維整列および塑性圧縮段階から6倍であった)。結果として得られた構築物は、(光学的に)きわめて緻密で硬く、3枚のリーフレットのそれぞれは隣のリーフレットとしっかり付着して、完全に一体化した単一の構築物となった。
このことは、塑性圧縮の驚くほど有効なメカニズムを示しており、コラーゲン原繊維構築物から水分を除き、培養期間の終わりにバイオリアクターシートを一体化する(望ましい厚さおよび物理的強度を与える)。結果として得られた構築物は、もとの大きさには戻らず(すなわち、密度は減少しない)、生きた細胞を含有し、機械的に一体化されて強固であった。
毛細管繊維構築物
標準的な水和コラーゲンゲルを上記のように調製した。微細なガラス繊維(直径35ミクロンのリン酸ガラス)をコラーゲンゲルの表面上に平行に配置して置いた。この複合材料の表面の上に、もう一つのコラーゲンゲルを形成し、構造全体を上記の塑性圧縮によって強固にした。
その結果得られた材料は、生きた細胞を含有し、その全長を通じて微細なガイド繊維が横切っている、サンドイッチ状の生体材料から成ることが観察された。
骨の生体模倣物
標準的な水和コラーゲンゲルを、複数の多孔質ビーズをコラーゲン足場の繊維の間に分散させる以外は、上記の通り調製する(図11)。
標準的な無機物化組織生体材料の多孔質ビーズをコラーゲンゲル中に懸濁したものを圧縮することは、骨の生体模倣物として使用するのに適した材料をもたらす。
ロール状構築物の製作
厚さが30μm程度であると、PCコラーゲンシートは扱いにくく壊れやすいが、そのことがらせん状アセンブリー段階の開発につながった(図12)。これは、シートの短軸の周りにシートをくるくると巻くことを包含し、三次元の棒状「組織」構築物をもたらした。らせん状に組み立てられた構築物は、取り扱い、培養、および機械的試験に好都合であった。この方法を、PCコラーゲン層を積み重ねることによって三次元の複雑なメソ-スケール構造体の作製にも使用して、10〜100μmの範囲の構造体を作製した。
標準化されたらせん状アセンブリー構築物は、本明細書に記載の通り、幅13mm×長さ33mm×厚さ約4mmの最初のゲル(細胞を含む、または含まない)から調製された。細胞密度は、最初は約5.8 x 105個/mlであったが、圧縮後5.8 x 107個/mlに増加した。塑性圧縮によって厚さを30〜50μmに減少させた後、シートを、らせん状に組み立てた棒状となるように、短い方(13mm)の縁に沿って巻き、長さ13mm、直径1.75mmの構築物が得られた。この構築物の端部を横切るSEM(バー=200μm)を図13に示す。
加えて、らせん状アセンブリー構築物の組織学的分析から、構築物を培養状態に置いた何週間も後に、細胞は生存能力があり、生存していて、活動性であることが示された。
ロール状構築物の組織学的分析
ロール状らせん状構築物は、ランダムな方向性のコラーゲンゲル(すなわち、張力をかけて整列させる前の状態)から形成された。こうした構築物の構造および細胞特性を組織学的に、さまざまな時点で、標準技法(すなわち、カコジル酸バッファー中での通常のホルマリン固定、ワックス包埋、切片作製(長軸に対して平行および垂直の両方で)、およびH&E染色)によって調べた。
ゼロ時間での(圧縮直後の)新組織は、正常で生存能力のある外観を有する、高密度で等間隔に並んだ細胞を含有していた。圧縮プロセスはまた、30μmシートを超えない、より小規模の構造物(すなわち<10μm)をもたらした。こうした「構造」は、液体排出面(FLS)(この場合は基底面)に平行な、圧縮されたコラーゲン原繊維のラメラで構成された。このことが、主として単一の表面からの、方向性のある液体排出の結果となった。実際には、個々の材料(コラーゲン原繊維および細胞)は、むしろ濾過表面での材料の圧縮のように、排出境界面で保持された。微細なコラーゲンラメラ(厚さ<1μm)は、圧縮されたコラーゲンシートの深さ全体にわたって明白であったが、圧倒的に最大で最高密度の層が、複屈折パターンで認められるように液体排出面に、それに平行して、形成された。
圧縮シート内の細胞は、こうしたラメラと整列していることが観察された。らせん状アセンブリーの前には、内在する細胞は正常で活動性であるように見え、3時間の培養によってコラーゲン基体の全体に広がって付着した。
0日および14日培養(10%ウシ胎仔血清を含むDMEM培地中に浮遊、37℃、5%CO2インキュベーター条件下)した後、これらの細胞はマトリクスに広がって付着し、均一な分布で活動性、生存能力もしくは細胞死の明白な減少もなく、組織における線維芽細胞の正常な三次元の外観を呈した。14日の段階で、細胞はロール状構築物のコラーゲンラメラ内で細長くなり、もしくは円盤状であった。
5週間培養(非拘束)後、高密度の生存細胞の分布が構築物の厚みの全体にわたって(すなわち、無細胞コアが無い)観察された。内在する細胞による新組織形成の徴候が、構築物の表面上およびその端部で観察され、さらにこれに伴って層化および構造の明確な領域が観察され、結果的に、コアマトリクスと細胞はおおむね長軸方向に配向されたが、外側の細胞層はより円周方向であった(同一構築物の平行面および垂直面の断面の比較によって確認された)。この段階では、構築物の端部は、比較的不規則で無秩序な突出部であった。明瞭な細胞化されたラメラ(その間にチャネルを有する)は、これらが形成されたときにははっきりしなかったが、この段階では、明らかな組織層の間ではっきりしていた。コラーゲンの顕著な層化は構築物の周囲のシートにおいて明白であり、内在する平板化した円盤状の細胞がコラーゲン層内部にあった。このように、5週間構築物は、形態学的に初期の天然の結合組織と同等であり、健全な細胞がコラーゲン繊維の多層内および多層間に埋め込まれていた。
したがって、細胞は、全培養期間にわたって、高密度三次元マトリクス内部で、明白に生存能力を有し、付着していた。マトリクスの構造は、長期間の培養の間に(表面にわたる明白な細胞/マトリクスの成長、ならびにコア内部でのチャネルの形成の点で)徐々に変化したが、構築物全体(すなわちコアを含む)に分布する活動性の生細胞を取り巻く高密度結合組織については概して変わらないままであった。
ロール状構築物の機械的性質
構築物は、構築後何日も何週間も依然として生存可能で、細胞化される(高密度のマトリクスを有する)ことが立証されたので、構築物の機械的性質を上記のように試験した。
図14は、無細胞(ゼロ時間)らせん状アセンブリー構築物から得られた、典型的な引張り試験の応力-ひずみ曲線を示すが、この曲線は破壊までの材料の挙動および弾性率の補正プロットを示す。構築物の線は、toe領域、直線的に伸長する領域、および(破壊点につながる)降伏点を示す。細胞性ゲルは、無細胞ゲルと比較して、toe領域の減少または消失、ならびに破壊応力および破壊ひずみの減少を示すことが観察された。
細胞性ゲルの細胞要素は、構築物の全体積の大部分を構成し、この部分は圧縮されたコラーゲンマトリックスより明らかに弱かった。
標準的なPC法(50g、5分間)によって作製された無細胞構築物は、機能上有用な平均引張破壊強度(0.6 MPa ± 0.11)を示し、弾性率は1.5 MPa ± 0.36であって、これは培養状態で2週間後、有意な変化を示さなかった。線維芽細胞をシードした構築物は、PC後高い細胞密度となり、これは予想どおり降伏強度および弾性率をそれぞれ71%および34%低下させ(図15)、toe領域をゼロ時間培養の時点でなくした(図16)。弾性率は1/3減少したが、破壊応力は細胞のシードによってほとんど変化しなかった(0.55 MPa ± 0.06)。
図15および16は、平均破壊強度および弾性率の概要(平均+/- SD)を示すが、ゼロ時間では細胞性および無細胞構築物の両者について、2週間時点では細胞性構築物に関して示す。
培養して2週間後、細胞性構築物の材料特性は、ほとんど無細胞構築物の特性まで改善され、新たなコラーゲン足場の機能的細胞リモデリングの明白な証拠となった。降伏応力および弾性率はいずれも、ゼロ時間の時点で細胞性構築物に対して増加した(それぞれ約1.5および2倍)が、破壊応力は同じままであった。有意なtoeひずみが再び出現し(無細胞ゲルからほとんど失われていた-2%-)、降伏ひずみは13から23%に増加した。
これらのデータは、コラーゲン原繊維の引張り予備整列なしで作製された構築物に関するものである。破壊までのひずみは、あらかじめ整列させた構築物については(50%の高レベルから)劇的に減少するであろうが、この構築物では負荷はコラーゲン繊維の方向に平行であった。
二重圧縮
上記のように作製されたコラーゲンロール(すなわち、らせん状)構築物は、同様の技法を用いて、二度目の圧縮(二次圧縮)を受け、緻密なコラーゲン材料の平らなストラップとした。
細胞およびコラーゲン密度は、液体の喪失に比例することが明らかになった。二回目の圧縮による平均重量減少(したがって液体排出)は、およそ(らせん状構築物の)60%であった。
構築物の機械的特性を上記のように試験し、その結果を図17に示した。破壊応力は2 MPaに近づき、弾性率は2.5 MPaにほぼ等しく、破損ひずみは最大70%であることが判明した。したがって、二次圧縮は構築物の機械的特性をさらに改善することが明らかになった。
らせん状棒状物の直交面での圧縮(すなわち長軸に平行)は、同様の圧縮特性をもたらし、材料は結果的にコラーゲンの平板化した円盤となった。
ナノ-マイクロ-スケール構造および不均一層形成
さらに2つのレベルの組織化が、三次元構造の内部で、本明細書に記載の方法によって制御可能に生成されることが明らかになった。ラメラ形成は「液体排出面」からの液体の濾過のために予測され、最初に偏光照明下の複屈折によって認められた。ラメラはTEMでも認められ、マトリクスの縁と中心部の間の平均コラーゲン原繊維密度の差異として測定可能であった(図18)。ラメラは常に、液体排出面と平行であった。安定した対照とPC処理構築物との間で平均原繊維密度に7〜8倍の増加が認められただけでなく、構築物の縁と中心部との間で原繊維密度の有意な増加があった。
塑性圧縮時に液体排出面および液体排出方向をコントロールすることによって作り出すことができる、メソ構造(ラメラ)の方向性および位置のさまざまな変化を、図19に示す。
方向性のあるコラーゲンラメラは、液体排出面に隣接し、これと平行して(多孔質層に接して)形成されるが、不浸透性の層に隣接して形成されることはほとんどなく、全くの非対称を生じる(図19AおよびB)。最初の方向に直交する第2の流動ベクトルを用いて、ラメラを圧縮することができる(図19C)。これは、図19Cで形成された圧縮ラメラから、平行(一軸性)繊維束の方向性(図19Dに示す)を生じることができる。図19Aおよび19Bにおいて、コラーゲンラメラは、排出面に平行に詰め込まれた原繊維からなるが、直交面においてはランダムな方向を向いていると考えられる。同時二軸性の液体除去は、図19Dに示すように、対称な2平面を生じ、図19Bで示す方向に垂直にコラーゲンラメラをさらに圧縮して、天然のコラーゲン原繊維束と同等の構造を生じることができる。吸い取り層および単一平面圧縮荷重を組み合わせて使用して、流動度をコントロールすることができる。
液体流動ベクトルにおいて局在する摂動(perturbation)の影響を図20に示す。図20Aは、多孔質[↑]および無孔質[×]ストリップを交互に含む、多孔質吸い取り層(この場合ゲルの上側の面)の改善を示すが、これらのストリップはゲル表面上に押しつけられている(無孔質パッチは、たとえば、ワニスを塗ることによって作製することができる)。無孔質パッチの下の液体は、排出面に平行して流れることを余儀なくされ、表面に直交する「部分的な」ラメラを形成する傾向がある。しかしながら、多孔質部分の下では、本来の場所からはずれた液体の流れが、主要な、垂直に出ていく流れと合流して、排出面に平行な、通常のラメラを形成する。これは、ラメラの直交するパターン(移行帯を伴う)を作り出し、表面のコラーゲンシート全体に効果的にチャネルを作ることができる。こうしたチャネル形成は、神経、血管もしくは上皮の内部への成長をあらかじめパターン化するための、ガイド能力を有する。異なる無孔質パターン(たとえば、円盤状)を、たとえば第2の直交する排出面と組み合わせて使用して、ラメラおよびチャネル構造を調節することができる(図20B)。再度、流量をコントロールするために、ひとつの平面に圧縮が加えられる。
らせん状アセンブリーは、このメソ−スケール構造を、数百ミクロンのスケールでの第2段階の空間的組織化に組み込んだ。複合PC構築物は、フィブロネクチン(Fn)またはハイドロキシアパタイト(HA)粒子のいずれかを添加することによって作製された。水和Fn材料はまた、コラーゲンよりは少しばかりであるが、塑性圧縮を受けた。繊維状Fn層はコラーゲンに向かって相互に圧縮され、2つの層はいっしょにオフセットスパイラル状にロールされ、Fnコアの周囲に、外側のコラーゲンチューブまたは鞘を生成し、層間は良好に一体化した。構築物の長さに沿ってゾーンを形成する構造上の複雑さは、構築物に対して「硬い組織」末端を形成することによって示されるように、コントロール可能であった。これは、圧縮前にゲル表面の長辺に沿ってHA粒子の層を置くことによって達成された。この構造物を短い辺の周りに巻くことによってコラーゲンケーブルの両端に硬い節のある「靱帯モデル」が生成した。複合材料の横断面図(図21)は、高密度コラーゲン層の間に詰め込まれたHA粒子を示す。ハイドロキシアパタイト(HA)末端ゾーンは、in vivoで骨への固定(たとえば、ねじ止め)が可能であるだけでなく、機械的バイオリアクターに非常によく結合することができる。
細胞ありもしくは細胞なしでのこのような例は、メソ-スケール構造物を製作するための、空間的および組成的範囲の可能性を明らかにする。
複雑なアセンブリー
上記のように、ある範囲の特性および内容物を有する、あらかじめ作製された薄い細胞性シートの複数の層をアセンブルすることができる。こうした要素はそれ自体、1つには、塑性圧縮を用いて、スケール強度および組織構成で優位となるように、あらかじめ製作される。こうした要素は、らせん状アセンブリーのアプローチをうまく利用して、マイクロ(メソ)-スケールの空間的な生物学的複雑性を達成し、最終段階の圧縮がこれらの要素を互いに結合させる。たとえば、神経修復インプラントのために、丈夫な外側の鞘に、非付着性の外面、内蔵のオンおよびオフランプ(細胞(神経突起)の生存、内方成長およびその後の外方成長、ならびに再組込みを促進する)を与えることができ、等級分けされた成長因子含量の微小デポーがコア部分に組み込まれる。
図23は、こうした神経インプラントの同心らせん状のアセンブリーを示す。同心軸は再生成長軸を規定する(両方向の矢印)。最終構築物の各要素、または機能上の様式(鞘、軸索ガイドフィラメント、持続放出デポー、特殊ランプなど)は、シート(厚さ<50μm、すなわち細胞サイズ)として、またはシート間繊維インサートとして作製される。内部の見える切断図例は、外側の細胞シード層[1](理想的には、付着しないようにヒアルロナンの徐放を有する)、続いて、成長因子など(異なる組成を有するデポー)をカプセル化した成長因子デポー含浸シート[2]を有する。従来の繊維性軸索ガイド「デッキ」材料(現在はフィブロネクチン)のシートも存在する[3]。末端層[2]は付属物[4]を有することがあり、これは、デバイスオフランプ(たとえば、走触性メソ材料)を形成する。
この複合材料を、図に示すように、底辺からくるくると巻く(矢印および差し込み図)と、自動的に複数のメソ-スケール要素が、必要とされる空間的配列(部分的重複、順序、境界面、空隙を有する)に組み立てられる。それは、複雑な三次元空間/方向性組織を有するマクロデバイスに使用するために、二次元ナノ層形成技術を転用するという大きな利点(薄層を用いること)もある。この開発は、ナノ-(電子顕微鏡)レベルで形成される空間パターンのプロッティングおよびモニタリングを必要とする。
in vivo移植
らせん状構築物は、上記のように、包埋されたウサギ腱線維芽細胞(同種)あり、またはなしで、塑性圧縮によって調製された。PCインプラント群は、ウサギの肋間筋層の間に縫合し、肋間にしっかりと固定して、動物が呼吸するにつれて引っ張られるようにした。インプラントを1、3、5週間後に回収し、インプラントがまだ所定の位置にあり無傷である場合には、細胞増殖の量およびパターン、コラーゲン沈着(複屈折)、炎症細胞の同定、毛細血管の成長について、組織学的に解析した。毛細血管の成長はまた、後方散乱分光分析によって、(オキシ)ヘモグロビンと関連する吸光度の変化を検出して、屠殺時のヘモグロビンおよび酸素化ヘモグロビンレベルとしてモニターした。最終的に、回収された構築物の、機械的な強さのin vivo経時変化を調べた(すでに述べたように、DMA引張試験装置を使用)。
1週間成長した細胞は、無細胞構築物では中程度であったが、細胞性構築物ではもっと多数で、主として表面上と、らせんの周囲の短い距離で、より深い材料へと成長していた。新たなコラーゲン沈着の徴候はほとんどなく、血管の成長は一切なかった。
3週間の細胞性構築物は、肉眼的により多くの血管が新生し、無細胞構築物内へはほとんど成長しなかった。細胞の内方成長は、細胞性構築物に関してはやはりより大きく、多細胞層におけるコラーゲンの沈着は、外側表面およびより深いシート間らせん表面を覆って、かなりの量であった。シードされた細胞の直接的な関与は、それらの細胞が依然としてPCコラーゲン材料の深いところにあるため、ごく小さいように見えたが、全活性は、組織学的に、無細胞構築物よりは細胞をシードした構築物の方が一貫して大きかった。
5週間では、いずれのタイプに対しても成長する細胞のいっそうの増加が認められ、細胞をシードした方の構築物のコアを完全に占有した。無細胞構築物は、この段階までに、良好に血管新生を生じ、いずれのタイプにおいても、多くのコラーゲンが新たに、らせんの間に、および表面を覆って沈着していた。
後方散乱分光法は、1週間と3週間との間でヘモグロビン指数の急速な増加を示し、細胞性構築物と無細胞構築物に関して3週間で3倍大きくなった(図24)。無細胞構築物は、次の2週間で、追いついた。このことは、細胞構築物は、シードされた細胞のない構築物よりも、3週間時点ではるかに多く血管を新生させていたことを示す。
細胞の浸潤が定量され、それぞれの時点で有意に増加していたが、細胞型と無細胞型との間の相違は統計的有意性には達していなかった。Cd31染色は、すべての構築物において3週間後に増加した(図25)。CD 45白血球染色%(図26)は、全体を通じて比較的一定していた。全細胞密度は、1週間と3週間の間でわずかに増加した(細胞構築物についてのみ有意に増加した)が、3週間と5週間の間では急速に増加した(全体として>50%増加)(図27)。
構築物の機械的な強さを、回収後に測定した。無細胞構築物の破壊応力は、最初の3週間のあいだ、まず減少し、その後回復し始めた。これに対して、細胞性構築物は、弱まることなく、in vivoで3から5週間までの間強さが増加した(図28)。破壊までの全ひずみは、細胞性構築物の方が大きく、インプラント期間の間わずかに(NS)増加した(図29)。弾性率は細胞性プレインプラント構築物より無細胞の方が大きかった。弾性率はすべてのインプラント構築物においてインプラント前の値の50から30%に低下した。すなわち、インプラントした構築物はより堅固になった(図30)。
細胞性構築物は、0から5週間までの間に直径が有意に増加したが、無細胞構築物では増加せず、5週間時点の細胞性構築物は、同時点の無細胞構築物より有意に大きかった。明らかに、最初の質量の喪失は、いずれの構築物においても、少なくとも元に戻っていた(図31)。
まとめ
本明細書に記載した方法は、制御可能なメソ-スケール構造を有する新組織および生体人工材料を速やかに作製する、根本的に新しい方法である。この方法の簡便性および極端な迅速性がその重要な特徴である。この方法は、組織工学、再生および再建外科から持続性ドラッグデリバリー材料までさまざまな生物医学分野にただちに影響を与えると考えられる。
塑性圧縮(PC)による製作は、天然組織の特性にほぼ等しい引張り特性を有する、再現性のある制御可能な構造をもたらす。構造物はそれでも、最強の組織(たとえば、腱については約100 MPa 15)よりは弱いことが多いが、さらなるリモデリングのために、今やin vivoで縫合して負荷を加えることができる。機械的特性をいっそう高めることは、ロール状に巻いた構築物もしくは折りたたんだ構築物を二次圧縮に、たとえばロール状構築物の長軸に平行に、供することによってもたらされる。このような制御された二次圧縮は、液体含量を最大でさらに60%減少させるが、破壊応力を最大100%まで再現性よく増加させることが明らかになった。
構築物の機械的特性の制御は、使用する圧縮法、および間隙液を排出する程度(またはステージ)を選択することによって、可能となる。ステージ1は、自己圧縮時に緩慢な液体損失によって機械的に脆弱な材料が作られると考えられる。ステージ2は1つの能動的圧縮およびらせん化(50g、5分)を使用することによって表されるが、ステージ3は、らせん状構築物それ自体に加えられる第2の圧縮によって達成することができる。実際、急速な一次圧縮は、液体の除去を、したがってコラーゲンシートの厚さをより良く制御するために、たとえば吸い取り層のみを用いて圧縮することによって、遅らせることができる。
構造上の特徴のメソ-スケール作製は、コラーゲンラメラの形成、表面トポグラフィー、ゾーン分け、およびらせん状アセンブリーによる層化によって達成されるが、こうした製作は、局所的な生体模倣構造を工学的に作り出す差し迫った必要性に対応するものである。たとえば、これを用いて、末梢神経再生のために、明確に区別される内方成長の、中間成長の、および外方成長の構造物を提供することができる(H. M. Geller らExp. Neurol. 2002, 174,125)。本明細書で示したらせん状アセンブリーの2つの例は、神経再生テンプレート(コラーゲン鞘およびFn神経突起ガイダンスコア(J. Phillipsら、Biomaterials 2003, 25, 2769))および靱帯モデル(コラーゲンケーブルおよび固着のための硬い組織端部)を表す。
in vitro構築物は明らかに、もっとも単純な培養系においても、能動的なリモデリングを受け、機械的負荷は引張り特性をいっそう向上させる。細胞は、組織様の分布および形態を呈し、平板な紡錘型もしくは円盤状の形をして、多くのコラーゲンラメラに沿って整列した。コラーゲン層の間の、こうしたチャネリングは、灌流を助け、組織様構造を向上させる。
機械試験に供した構築物はいずれも、あらかじめ引張り整列させておらず、したがって、コラーゲンは基本的に、X-Y平面において方向性はなく(すなわち、ラメラにおける原繊維の方向性は'Z'平面にある)、このことが、比較的高いコンプライアンスに寄与したと考えられる。X-Y原繊維異方性の誘導は、特に原繊維整列軸に対する剛性に関して、天然の組織にさらに類似した材料をもたらす。加えて、本研究における破壊応力および降伏応力は、大口標本で測定された断面積を使用した。手でらせん状にするプロセスは、層間に若干のチャネリングを残すことは明らかなので、これは、破壊強度が過小評価されたことを意味する。機械的特性が培養中に向上したという知見は、コラーゲンマトリクスが天然細胞リモデリングを受けたことを実証し、構築物がin vivoで機能的に統合されることを示唆する。
上記の実験データは、本明細書に記載のPC製作が:(a)内在する細胞の生存能力を実質的に減少させないこと;(b)有効な機械的特性(強度およびコンプライアンス)を有するコラーゲンマトリクスを生成すること;(c)(i)全範囲の細胞密度およびマトリクス密度を有する組成物、ならびに(ii)正確な生体模倣構造に適合した、空間的/ゾーン的不均一性および構造上の異方性、を生じるように、予測どおり制御できること;を示す。比較的高い流体剪断(すなわち<5分間で>100倍収縮)が、内在する線維芽細胞によって許容されるという知見(a)は、このプロセスを超高速製作に使用して、組織製作における目下の障害を回避できることを示す。組織のような機械的強度を持つマトリクスの作製(b)は、構築物をそのまま直接、または短時間の培養後に、移植することができることを意味する。さらに、圧縮の程度を再現性よく限定することができることは、大きさ、および機械的特性が制御可能であることを意味する。これまでは引張り特性が弱いと、コラーゲンゲルの縫合は、他の材料による化学的架橋もしくは補強なしでは困難または不可能であったが、そのために天然マトリクスの模倣性は低下した。
内在する細胞の関与を必要としないことの利点は、(i)低温でのPC製作の可能性(低酸素および栄養要求を最小限にする);(ii)幹細胞もしくは前駆細胞を、分化を促進させる前に、組織テンプレート内に配置することができること、ならびに(iii)複雑なメソ-構造を有する無細胞生体材料の作製、である(P. Vadgamaら, in Institute of Materials, Mineral and Mining, London (report number: FMP/03/01/IOM3), 2004, pp. 14-18)。他の種類の水和ゲル、たとえば、フィブロネクチン、フィブリンもしくは合成ポリマーを使用して、他のメソ-スケール組織化を提供することができる。さらに、こうしたプロセスは、大規模生産、またはベッドサイド「個別」製作に適している。
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(a)等方性ゲル、および(b)異方性ゲルの、機械的圧縮による塑性圧縮を示す。 ゲルの塑性圧縮および吸い取り法の組み合わせを示す。 水平および45°傾斜したゲルについて、圧縮前ゲル化時間の増加に伴う、ゲル自体の重量の負荷によるゲルの自己圧縮に関する、ゲル質量の減少(すなわち液体減少%)のグラフを示す(点は平均 ± SDである、n=3)。 空気中で固化した構築物からの水分減少を示す。 25%一軸ひずみを伴う引張り予備整列なし(上図)および引張り予備整列後(下図)の圧縮構築物の走査電子顕微鏡写真を示す(いずれの写真においても白いバーは100μm)。 紙およびナイロン多孔質層による液体取り込み(吸い取り)の相対的な重要性を示す。 ある範囲の死荷重および圧縮時間の条件下での、同型コラーゲンゲルの圧縮の影響を示す。 PC無細胞構築物と対照無細胞構築物との対比において、標本シートの縁部と中心部との間のコラーゲン繊維密度の差異を、透過型電子顕微鏡写真の画像解析によって評価して示す(注記:対照ゲルは57%に自己圧縮させた;PC構築物は93%)。箱ヒゲ図は、対照構築物およびPC構築物の縁部対中心部に関する、全範囲(バー)および四分位間範囲(箱)で、原繊維密度の中央値を示す[平均対照値は約1%(差異は有意ではない)であり、PC構築物はそれぞれ9.9%(縁部)および6.6%であった(p<0.005) n=13〜17]。原繊維密度は、PCおよび対照構築物の間で、それぞれの領域において7〜8倍増加した(*および** p<0.0001)。 塑性圧縮を与えるように構造のコアから圧縮インパルスを生じるための配置を示す。 連続フロー押出成形-塑性圧縮のための円錐形フローチャンバーを示す。 骨の生体模倣形態として、標準的な無機質化組織生体材料の多孔質ビーズをコラーゲン構築物中に添加した懸濁物の塑性圧縮を示す。 PC構築シートの調製、および三次元構造物へのPC構築シートのらせん状アセンブリーの概要を示し、縁のラメラ構造および三次元構築物に巻いた後の渦巻状のラメラを示す。 らせん型にした構築物の端面図の走査電子顕微鏡写真であり、コラーゲンシート層を示す(界面収縮を伴う:直径約2mm)。 無細胞(ゼロ時間)らせん状アセンブリー構築物から得られた、典型的な引張り試験の応力-ひずみ曲線を示すが、この曲線は破壊までの材料の挙動、および弾性率の補正プロットを示す。構築物の線は、toe領域、直線的に伸長する領域、および(破壊点につながる)降伏点を示す。 細胞性および無細胞らせん状構築物に関する、toe、降伏点、最大破壊応力および弾性率の棒グラフ(平均 ± SD; n=6〜8)を示す。 toe領域、降伏点、最大破壊点のひずみ値に関する棒グラフを示す。試験構築物はゼロ時間もしくは2週間培養したヒト皮膚線維芽細胞(HDF)をシードされるか、または無細胞とした。 二次圧縮を受けたコラーゲンゲルの引張り応力-ひずみ挙動を示す。 単一(30μm)PCコラーゲンシート内部のマルチラメラ構造のSEM図を示し、厚さは通例<1〜2μmである。 塑性圧縮時に液体排出面および液体排出方向をコントロールすることによって作り出すことができる、メソ構造(ラメラ)のバリエーションを表す図解を示す。白抜きのプレートは多孔質の吸収性表面を表し、影付きのプレートは、液体の流動を認めない不浸透性シートを表す。 液体流動ベクトルにおける局在化された摂動の影響を示す。白抜きのプレートは多孔質の吸収性表面を表し、影付きのプレートは、液体の流動を認めない不浸透性シートを表す。 らせん型にした構築物の端面図の走査電子顕微鏡写真であり、ハイドロキシアパタイト粒子によって補強されたコラーゲンシート層を示す(界面収縮を伴う:直径約2mm)。 らせん型にした構築物の端面図の走査電子顕微鏡写真であり、可溶性ガラス繊維(矢印)によって補強されたコラーゲンシート層を示す(界面収縮を伴う:直径約2mm)。 複雑な神経インプラント構築物の同心らせん状アセンブリーのための、一般的な「層化」デザインの模式図を示す。 in vivoインプラントに対する、移植期間に関するヘモグロビン指数を示す。 in vivoインプラントにおいてCD31陽性であった、全細胞のパーセンテージを示す。 in vivoインプラントにおいてCD45陽性であった、全細胞のパーセンテージを示す。 in vivoインプラントにおける、スライド当たりの平均細胞数を示す。 0時間構築物からの移植に伴う破壊ひずみの変化を示す。無細胞構築物は濃色のひし形で示し、細胞性構築物は淡色の四角として示す。 0時間構築物からの移植に伴う破壊力の変化を示す。無細胞構築物は濃色のひし形で示し、細胞性構築物は淡色の四角として示す。 in vivoインプラントの平均弾性率を示す。 移植後に回収されたときの構築物の直径を示す(濃色は無細胞、淡色は細胞性)。

Claims (55)

  1. 足場繊維のマトリクスおよび間隙液を含んでなるゲルを提供すること、および
    そのゲルを塑性圧縮して生体材料を作製すること、
    を含んでなる生体材料の作製方法。
  2. 前記ゲルが間隙液中に生存細胞をさらに含み、そのゲルを塑性圧縮して生存細胞を含んでなる生体材料を作製する、請求項1に記載の方法。
  3. 生存細胞が、筋肉細胞、肝細胞、腎細胞、心臓細胞、肺細胞、消化管細胞、気管支細胞、眼細胞、生殖細胞、血管細胞、神経細胞、分泌細胞、幹細胞、線維芽細胞、シュワン細胞、平滑筋細胞、内皮細胞、尿路上皮細胞、骨細胞、軟骨細胞、および腱細胞からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記細胞が、圧縮前に6時間未満の間、前記ゲル内で培養される、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記ゲルが少なくとも1 x 105個/mlの細胞密度を有する、請求項2〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 圧縮された生体材料が少なくとも1 x 107個/mlの細胞密度を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ゲルが、1時間未満の間、圧縮される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記ゲルが水性液体中で圧縮される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 塑性圧縮が、少なくとも50%の前記ゲルの体積の減少となる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 前記ゲルが、該ゲルから間隙液を除去することによって塑性圧縮される、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 間隙液がゲルの液体排出面を通って除去され、生体材料は液体排出面と整列した1つもしくは複数のラメラを含んでなる、請求項10に記載の方法。
  12. 間隙液が、ゲルに機械的力を加えることによって前記ゲルから除去される、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記機械的力が圧縮力である、請求項10に記載の方法。
  14. 間隙液が、流出、蒸発、吸引、毛細管圧、浸透、もしくは電気浸透のうち1つもしくは複数によって除去される、請求項10または11に記載の方法。
  15. 足場繊維および/または細胞を整列させるためにゲルに張力を加えることをさらに含んでなる、請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
  16. 10〜50%のひずみがゲルに加えられる、請求項15に記載の方法。
  17. 塑性圧縮の前に張力が加えられる、請求項15または16に記載の方法。
  18. ゲルがキャピラリーフィラメントを含んでなる、請求項1〜17のいずれか1つに記載の方法。
  19. キャピラリーフィラメントが可溶性であり、前記フィラメントの溶解が前記生体材料中に毛細管チャネルをもたらす、請求項18に記載の方法。
  20. ゲルが多孔質ビーズをさらに含んでなり、前記塑性圧縮が足場繊維を多孔質ビーズの孔に押し込む、請求項1〜19のいずれか1つに記載の方法。
  21. 塑性圧縮が生体材料のシートを形成する、請求項1〜20のいずれか1つに記載の方法。
  22. シートをロール状に巻いて生体材料のロールを形成することを含んでなる、請求項21に記載の方法。
  23. シートを折り重ねて、2つ以上の層を有する折りたたまれた生体材料を形成することを含んでなる、請求項21に記載の方法。
  24. 前記ロール状の、もしくは折りたたまれた生体材料を塑性圧縮することを含んでなる、請求項22または23に記載の方法。
  25. 足場繊維がコラーゲン繊維である、請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法。
  26. 間隙液が細胞培養培地である、請求項1〜25のいずれか1つに記載の方法。
  27. 前記細胞の生存能力を維持するが細胞の増殖は支持しない条件下で、前記生体材料を保存することを含んでなる、請求項1〜26のいずれか1つに記載の方法。
  28. 前記生体材料を0〜5℃で保存することを含んでなる、請求項1〜27のいずれか1つに記載の方法。
  29. 損傷した組織を修復または置換するために、前記生体材料をヒトもしくは動物の体内に移植することを含んでなる、請求項1〜28のいずれか1つに記載の方法。
  30. 請求項1〜28のいずれか1つに記載の方法によって作製される生体材料。
  31. 請求項30に記載の生体材料を含んでなる、または前記生体材料からなる、組織等価インプラント。
  32. 塑性圧縮されたゲルを含んでなる組織等価インプラントであって、前記ゲルが足場繊維のマトリクスおよび間隙液を含んでなり、前記間隙液が生存細胞を含んでなる、前記組織等価インプラント。
  33. 前記塑性圧縮されたゲルが、ロール状に巻かれたシートである、請求項32に記載の組織等価インプラント。
  34. 前記塑性圧縮されたゲルが、折りたたまれたシートである、請求項32に記載の組織等価インプラント。
  35. 前記の折りたたまれたまたはロール状に巻かれたシートが、さらに塑性圧縮を受けている、請求項32〜34のいずれか1つに記載の組織等価インプラント。
  36. 前記ゲルの上に第2のゲルを重ねて置くこと、ただし、第2のゲルは足場繊維のマトリクスおよび間隙液を含んでなること、および
    これらのゲルをいっしょに塑性圧縮して生体材料を作製すること、その際、前記ゲルは生体材料中で別々の層を形成すること、
    を含んでなる、請求項1に記載の生体材料の作製方法。
  37. 2つのゲルが同一ゲルの異なる領域である、請求項36に記載の方法。
  38. 2つのゲルが異なるゲルである、請求項36に記載の方法。
  39. 2つ以上のゲルが重ねて置かれる、請求項38に記載の方法。
  40. 2つ以上のゲルが次の特徴:足場材料における繊維の組織化、ゲル中の足場の密度、繊維の種類、のうち1つまたは複数によって異なる、請求項39に記載の方法。
  41. 塑性圧縮が2層以上を有する生体材料のシートを形成する、請求項36〜40のいずれか1つに記載の方法。
  42. 前記シートを折り重ねて、折りたたまれた生体材料を形成することを含んでなる、請求項41に記載の方法。
  43. 前記シートをロール状に巻いて、生体材料のロールを形成することを含んでなる、請求項41に記載の方法。
  44. 前記ロールが次の特徴:
    層間の空間、
    隣接層間の部分的な重なり合い、および
    ロールに沿った異なる軸位置での層の異なる組み合わせまたは順列、
    のうち1つもしくは複数を有するらせん状アセンブリーである、請求項43に記載の方法。
  45. ロール状もしくは折りたたまれた生体材料を塑性圧縮することを含んでなる、請求項42〜44のいずれか1つに記載の方法。
  46. 前記生体材料を成形および/または造形することを含んでなる、請求項36〜45のいずれか1つに記載の方法。
  47. 足場繊維がコラーゲン繊維である、請求項36〜46のいずれか1つに記載の方法。
  48. 間隙液が細胞培養培地である、請求項36〜47のいずれか1つに記載の方法。
  49. 前記ゲルのうち1つもしくは複数が生存細胞を含んでなる、請求項36〜48のいずれか1つに記載の方法。
  50. 生存細胞が、筋肉細胞、肝細胞、腎細胞、心臓細胞、肺細胞、消化管細胞、気管支細胞、眼細胞、生殖細胞、血管細胞、神経細胞、分泌細胞、幹細胞、線維芽細胞、シュワン細胞、平滑筋細胞、内皮細胞、尿路上皮細胞、骨細胞、軟骨細胞、および腱細胞からなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
  51. 請求項36〜50のいずれか1つに記載の方法によって作製される、生体材料。
  52. 請求項51に記載の生体材料を含んでなる、または前記生体材料からなる、組織等価インプラント。
  53. 個体の損傷組織を治療する方法であって、請求項26または請求項45に記載の組織等価インプラントを前記損傷組織に固定して、前記組織を修復および/または置換することを含んでなる、前記方法。
  54. 個体の損傷組織を治療する方法に使用するための、請求項31〜35および52のいずれか1つに記載の組織等価インプラント。
  55. 損傷組織の治療に使用する医薬品の製造における、請求項31〜35および52のいずれか1つに記載の組織等価インプラントの使用。
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