JP2017085679A - 電動車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の低速領域で走行用モータの出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際に生じる振動をより効果的に抑制することができる電動車両の制御装置を提供する。
【解決手段】所定の低速領域で出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際、走行用モータに、電動車両の伝達系のバックラッシュを抑制するための調整トルクを所定期間に亘って発生させ、この調整トルクを、出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までの電動車両の減速度が小さいほど小さくする。
【選択図】図2
【解決手段】所定の低速領域で出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際、走行用モータに、電動車両の伝達系のバックラッシュを抑制するための調整トルクを所定期間に亘って発生させ、この調整トルクを、出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までの電動車両の減速度が小さいほど小さくする。
【選択図】図2
Description
本発明は、駆動源としての走行用モータ(電動機)が搭載された電動車両の制御装置に関する。
従来、電気自動車やハイブリッド車両等の電動車両は、駆動源としての走行用モータを備えている。電動車両が備える走行用モータとしては、バッテリからの電力によって電動車両を走行させるためのプラス側の駆動力(トルク)を発生する一方、減速時等には発電機として作動しマイナス側の回生力(トルク)を発生するように構成されたものがある。また電動車両には、所定の低速領域において、エンジン車のトルクコンバータによるクリープ現象を模擬して、アクセルペダルがオフになっても走行用モータに、いわゆるクリープトルクを付与するようにしたものがある。
したがって、電動車両を減速させ、例えば、車両が停止する直前にブレーキペダルの踏み込みをやめると、走行用モータの出力トルクは、マイナス側の回生制動トルクからプラス側のクリープトルクに切り替わる。このように走行用モータの出力トルクがマイナス側のトルクからプラス側に切り替わる際、伝達系が備えるギヤのバックラッシュのガタ詰めに伴うショック(振動)が発生してしまうという問題がある。
このような問題を解消するために、走行用モータの出力トルクがマイナス側のトルクからプラス側のトルクに切り替わる際に、出力トルクを制限する技術が様々提案されている。例えば、モータの駆動トルクが負トルクから正トルクに切り替わる際に、クリープトルクの上限や変化率を制限することで、切り替わりの際のショック(振動)を抑制するようにしたものがある(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のようにクリープトルクを制限することで、走行用モータの出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際の振動を抑制することはできる。
しかしながら、このような出力トルクが切り替わる際に発生する振動の状態(例えば、タイミングや大きさ等)は、電動車両の減速度によって変化する。このため、出力トルクが切り替わる際に、電動車両の減速度に拘わらず単にクリープトルクを制限しただけでは、振動を十分に抑制することができない虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、所定の低速領域で走行用モータの出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際に生じる振動をより効果的に抑制することができる電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、駆動源としての走行用モータを備える電動車両の制御装置であって、前記電動車両の減速時に、車輪の回転エネルギーを前記走行用モータで電気エネルギーに変換することで前記走行用モータにマイナス側の回生トルクを発生させる回生制御手段と、所定の低速領域で前記走行用モータにプラス側のクリープトルクを発生させるクリープトルク制御手段と、前記走行用モータが出力する出力トルクの大きさを検出するトルク検出手段と、前記電動車両の減速度を検出する減速度検出手段と、前記所定の低速領域で前記出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際、前記走行用モータに、前記電動車両の伝達系のバックラッシュを抑制するための調整トルクを所定時間に亘って発生させる調整トルク制御手段と、を有し、前記調整トルク制御手段は、前記出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までの前記電動車両の減速度が小さいほど前記調整トルクを小さい値とすることを特徴とする電動車両の制御装置にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様の電動車両の制御装置において、前記調整トルク制御手段は、前記電動車両の減速度が予め設定された閾値よりも大きい場合には前記調整トルクを第1のトルクとし、前記電動車両の減速度が前記閾値以下である場合には、前記調整トルクを前記第1の所定値よりも小さい第2のトルクとすることを特徴とする電動車両の制御装置にある。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様の電動車両の制御装置において、前記調整トルク制御手段は、前記調整トルクを小さい値とするほど前記所定時間を長くすることを特徴とする電動車両の制御装置にある。
本発明の第4の態様は、第1から3の何れか一つの態様の電動車両の制御装置において、前記クリープトルク制御手段は、前記所定の低速領域で前記出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際、前記所定時間経過後に、前記クリープトルクを発生させることを特徴とする電動車両の制御装置にある。
本発明の第5の態様は、第1から4の何れか一つの態様の電動車両の制御装置において、前記減速度検出手段は、ブレーキペダルの踏み込み量に基づいて前記電動車両の減速度を推定することを特徴とする電動車両の制御装置にある。
かかる本発明の電動車両の制御装置によれば、調整トルク制御手段が、走行用モータで電動車両の伝達系のバックラッシュを抑制するための調整トルクを所定時間だけ発生させることで、所定の低速領域で走行用モータの出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際に生じる振動を抑制することができる。また調整トルク制御手段が、その際、電動車両の減速度が小さいほど調整トルクを小さい値とすることで、上記振動をより効果的に抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
まずは、本実施形態に係る電動車両の全体構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る電動車両1は、電気自動車(EV)であり、二次電池であるバッテリ2と、このバッテリ2の電力により作動する駆動源としての走行用モータ(電動機)3と、を備える。バッテリ2と走行用モータ3とはインバータ4を介して接続されている。走行用モータ3は、例えば、図示しない自動変速機等を含む伝達系5を介して駆動輪(本実施形態では、前輪)6に連結されている。
なお走行用モータ3は、通常走行時は、伝達系5を介して駆動輪6を駆動させる一方、いわゆる回生時には、駆動輪6からの回転を受けて発電し、その電力をバッテリ2に供給する。つまり走行用モータ3は、通常走行時にはプラス側のトルクを出力し、回生時にはマイナス側のトルクを出力する。
また電動車両1は、電動車両1を総合的に制御する制御部10を備えている。例えば、走行用モータ3は、制御部10が備えるモータ制御部20によって制御される。このモータ制御部20は、本発明に係る電動車両の制御装置を構成し、電動車両1に設けられた各種センサ、例えば、ブレーキペダル31のストローク(BPS)を検出するブレーキペダルストロークセンサ32、電動車両1の車速を検出する車速センサ33、電動車両1の加速度(減速度)を検出する加速度センサ34、走行用モータ3の出力トルクを検出するトルクセンサ35等からの信号に基づいてインバータ4を制御し、走行用モータ3から出力される出力トルクが適切な大きさとなるにようにする。
モータ制御部20は、走行用モータ3の制御の一つとして、電動車両1の減速時の車速がゼロに近い所定の低速領域で走行用モータ3の出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際に、走行用モータ3に調整トルクを発生させ、電動車両1の伝達系5のバックラッシュに起因する振動を抑制する振動抑制制御を実行している。
そして本発明に係る電動車両の制御装置は、このように走行用モータ3の出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際に、モータ制御部20が上記のような振動抑制制御を実行するようにした点に特徴がある。以下では、モータ制御部20による振動抑制制御について詳しく説明する。
図2に示すように、本実施形態に係るモータ制御部20は、トルク検出手段21及び減速度検出手段22を備えると共に、回生制御手段23と、クリープトルク制御手段24と、調整トルク制御手段25と、を備えている。
トルク検出手段21は、走行用モータ3の出力トルクを検出する。トルク検出手段21は、走行用モータ3に設けたトルクセンサ35が計測した計測結果を出力トルクとして取得するようにしてもよいし、インバータ4の制御量から出力トルクを推定するようにしてもよい。減速度検出手段22は、電動車両1の減速度を検出する。本実施形態では、減速度検出手段22、ブレーキペダル31の踏み込み量であるブレーキペダルストローク(BPS)の大きさに基づいて減速度を検出(推定)している。具体的には、減速度検出手段22は、ブレーキペダルストロークが大きいほど、電動車両1の減速度も大きいと推定する。このようにブレーキペダルストローク(BPS)の大きさに基づいて減速度を検出(推定)することで、電動車両1の減速度を比較的容易に検出することができる。勿論、減速度検出手段22は、例えば、電動車両1に設けられた加速度センサ34等によって計測された計測結果に基づいて電動車両1の減速度を検出するようにしてもよい。
回生制御手段23は、電動車両1の減速時に、駆動輪(車輪)6の回転エネルギーを走行用モータ3で電気エネルギーに変換して回生する、いわゆる回生制御を実行する。すなわち回生制御手段23は、ブレーキペダル31が踏み込まれた際に回生制御を実行することで、走行用モータ3にマイナス側のトルクである回生トルク(回生制動力)を発生させる。
クリープトルク制御手段24は、電動車両1の速度がゼロに近い所定の低速領域(例えば、約5km/h以下)になると、走行用モータ3にプラス側のトルクであるクリープトルクを発生させる。ただし本実施形態では、クリープトルク制御手段24は、ブレーキペダルストロークがゼロになったこと、すなわち走行用モータ3で発生している回生トルクがゼロになったこと、を条件の一つとして、走行用モータ3にクリープトルクを発生させる。
また調整トルク制御手段25は、上述のようにクリープトルク制御手段24が走行用モータ3にクリープトルクを発生させる所定の低速領域であり、走行用モータ3の出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際、クリープトルク制御手段24によるクリープトルクの発生を遅らせて所定期間(時間)に亘って所定の大きさの調整トルクを走行用モータ3に発生させる。つまりクリープトルク制御手段24は、走行用モータ3で発生している回生トルクがゼロになった後、さらに、この調整トルクを発生させる所定期間が経過した後に、クリープトルクを発生させる。
ここで、調整トルクとは、走行用モータ3に電動車両1の伝達系5のバックラッシュを抑制するために発生させるトルクであり、電動車両1の走行に寄与する回生トルクやクリープトルク等に比べて著しく小さいトルクである。また電動車両1の減速時における走行用モータ3の出力トルクとは、回生トルク、クリープトルク及び調整トルクを合計したトルクである。
このようにモータ制御部20は、電動車両1の減速時であり走行用モータ3の出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際、つまり回生トルクからクリープトルクに切り替わる際、クリープトルクの発生を遅らせて走行用モータ3に比較的小さなトルク(例えば、1〜2N程度)である調整トルクを所定期間(例えば、数百ms程度)に亘って走行用モータ3に発生させるようにした。これにより、伝達系5が備えるギヤのバックラッシュのガタ詰めに伴うショック(振動)の発生を効果的に抑制することができる。
ただしその際、電動車両1の減速度に拘わらず、一定の大きさの調整トルクを走行用モータ3に発生させると、電動車両1の減速度によっては振動の発生を十分に抑制することができない虞がある。
そこで、本発明に係る調整トルク制御手段25は、走行用モータ3の出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までの電動車両1の減速度に応じて、走行用モータに発生させる調整トルクの大きさを適宜変更するようにした。具体的には、調整トルク制御手段25は、走行用モータ3の出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までの電動車両1の減速度が小さいほど、走行用モータ3に発生させる調整トルクを小さい値とするようにした。
さらに調整トルク制御手段25は、調整トルクの大きさに応じて、調整トルクを発生させる所定期間(時間)の長さも適宜変更する。具体的には、調整トルク制御手段25は、調整トルクを小さい値にするほど、その調整トルクを発生させる期間を長くしている。これにより、車両の減速度に拘わらず、ガタ詰めに伴う振動の発生を効果的に抑制することができる。
次に、振動抑制制御の一例について図3のフローチャートを参照して説明する。モータ制御部20が振動抑制制御を実行する際には、図3に示すように、まずステップS1で、電動車両1の伝達系5に含まれる自動変速機(図示は省略)のシフトレンジがドライブレンジ(Dレンジ)、リバースレンジ(Rレンジ)又はブレーキレンジ(Bレンジ)の何れかであるかを判定する。なおBレンジとは、回生制御による制動力がDレンジよりも大きく設定されているレンジである。ここでシフトレンジが、Dレンジ、Rレンジ又はBレンジの何れかである場合(ステップS1:Yes)、ステップS2に進み、電動車両1が減速中であり且つ回生制御の実行中であるか否かを判定する。すなわちステップS2では、ブレーキペダル31が踏み込まれた状態であり、且つ走行用モータ3に回生トルクが発生しているか否かを判定する。電動車両1が減速中であり且つ回生制御の実行中であると判定した場合(ステップS2:Yes)、ステップS3に進み次の処理を実行する。
なおステップS1でシフトレンジがDレンジ、Rレンジ又はBレンジの何れでもない場合(ステップS1:No)、あるいはステップS2で電動車両1が減速中であり且つ回生制御の実行中ではないと判定した場合(ステップS2:No)、ステップS1に戻る。
ステップS3では、電動車両1の減速度を検出する。本実施形態では、ブレーキペダルストロークに基づいて減速度を推定する。次いで、調整トルクの大きさと、調整トルクを発生させる所定期間tとを、予め記憶されているマップに基づいて決定する(ステップS4)。
具体的には、ブレーキペダルストローク(BPS)と調整トルクの大きさとの関係を規定するマップ(図4参照)、およびブレーキペダルストロークと調整トルクを発生させる所定期間(時間)tとの関係を規定するマップ(図5参照)が予め記憶されており、調整トルクの大きさ及び調整トルクを発生させる所定期間tを、これらのマップに基づいて決定する。
本実施形態では、例えば、図4(a)に示すようなマップを参照し、ブレーキペダルストローク(電動車両1の減速度)が予め設定された閾値Saよりも大きい場合には調整トルクを第1のトルクTq1とし、ブレーキストローク(電動車両1の減速度)が閾値Sa以下である場合には、調整トルクを第1のトルクTq1よりも小さい第2のトルクTq2としている。なおこの例では、調整トルクが第1のトルクTq1と第2のトルクTq2との二段階に設定されているが、勿論、調整トルクは複数段階に設定されていてもよい。例えば、図4(b)に示すように、第1のトルクTq1と第2のトルクTq2との境界付近(Sb−Sc間)において、ブレーキペダルストロークに応じて調整トルクを徐々に変化させるようにしてもよい。
また調整トルクを発生させる所定期間tの長さは、例えば、図5(a)に示すようなマップを参照して決定している。すなわちブレーキストロークが予め設定された閾値Saよりも大きい場合には所定期間tを第1の期間t1とし、ブレーキストロークが閾値Sa以下である場合には所定期間tを第1の期間t1よりも長い第2の期間t2としている。また所定期間tについても、調整トルクと同様に複数段階に設定されていてもよい。例えば、図5(b)に示すように、第1の期間t1と第2の期間t2との境界付近(Sb−Sc間)において、ブレーキペダルストロークに応じて所定期間tを徐々に変化させるようにしてもよい。
その後、走行用モータ3の出力トルクがマイナス(−)側からプラス(+)側に切り替わると(ステップS5:Yes)、ステップS6で、調整トルクを発生させる所定期間tだけ、クリープトルクを発生させるタイミングを遅延させる。そして、ステップS4で決定した大きさ及び期間tで、走行用モータ3に調整トルクを発生させる(ステップS7)。
ここで、図6及び図7のタイミングチャートを参照して振動抑制制御の一例についてさらに説明する。図6は、走行用モータの出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までのブレーキペダルストロークが閾値Saよりも大きい場合のタイミングチャートであり、図7は、走行用モータの出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までのブレーキペダルストロークが閾値Sa以下である場合のタイミングチャートである。
図6及び図7に示すように、電動車両1の減速中である時刻T1までの期間では、ブレーキペダル31が踏み込まれて回生トルクが発生している状態であり、時間の経過(車速の低下)に伴って回生トルクは徐々にゼロに近づいている。またこの間、クリープトルク及び調整トルクは発生していないため、走行用モータ3の出力トルクは回生トルクと実質的に一致している。
時刻T1でブレーキペダルストロークがゼロ(ブレーキがOFF)になると、回生トルクがゼロになり、それに伴い走行用モータ3の出力トルクが増加してマイナス側からプラス側に切り替わる。そして、このタイミングで走行用モータ3に所定の大きさの調整トルクを所定期間に亘って発生させる。
図6に示す例では、時刻T1までのブレーキペダルストロークが閾値Saよりも大きい所定量S1であるため、走行用モータ3に発生させる調整トルクは、第1のトルクTq1に設定される(図4参照)。また調整トルクを発生させる所定期間tは第1の期間t1に設定される(図5参照)。そして、クリープトルクを発生させるタイミングを第1の期間t1分だけ遅延させて、走行用モータ3に第1のトルクTq1である調整トルクを第1の期間t1(T1−T2)に亘って発生させる。すなわち走行用モータ3に第1のトルクTq1である調整トルクを第1の期間t1(T1−T2)に亘って発生させた後に、クリープトルクを発生させる。
一方、図7に示す例では、時刻T1までのブレーキストロークが閾値Sa以下である所定値S2であるため、走行用モータに発生させる調整トルクは第2のトルクTq2に設定される(図4参照)。また調整トルクを発生させる所定期間tは第1の期間t1よりも長い第2の期間t2に設定される(図5参照)。そして、クリープトルクを発生させるタイミングを第2の期間t2分だけ遅延させて、走行用モータ3に第2のトルクTq2である調整トルクを第2の期間t2(T1−T3)に亘って発生させる。すなわち走行用モータ3に第1のトルクTq1である調整トルクを第2の期間t2(T1−T3)に亘って発生させた後に、クリープトルクを発生させる。
以上のように走行用モータ3の出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までの電動車両1の減速度が小さいほど、走行用モータ3に発生させる調整トルクを小さい値とすることで、走行用モータ3に調整トルクを発生させる直前の車両の減速度に拘わらず、ガタ詰めに伴う振動の発生を効果的に抑制することができる。なお本実施形態では、調整トルクの大きさを二段階で変化させるようにしているため、制御負担の増加を抑えつつ振動の発生も効果的に抑制することができる。さらに調整トルクを小さい値にするほど、その調整トルクを発生させる期間を長くすることで、ガタ詰めに伴う振動の発生をより効果的に抑制することができる。
また本実施形態では、走行用モータ3に調整トルクを発生させた後に、クリープトルクを発生させるようにしたが、クリープトルクを発生させるタイミングはこれに限定されるものではない。クリープトルクは、調整トルクを発生させている期間の途中から発生させるようにしてもよい。すなわち、走行用モータ3に調整トルクを発生させる場合、クリープトルクを発生させるタイミングを遅延させる必要があるが、クリープトルクを発生させるタイミングを遅らせる期間は、調整トルクを発生させる所定期間よりも短い期間としてもよい。
ところで本実施形態では、ブレーキペダルストロークがゼロになったことを条件として、走行用モータ3にクリープトルクを発生させるようにしたが、例えば、図8に示すように、ブレーキペダル31が踏み込まれた状態でクリープトルクを発生させる場合であっても、本発明を適用することができる。
この例では、電動車両1の減速時に車速がV1以下まで低下すると、ブレーキペダル31が踏み込まれて回生トルクを発生させている状態であっても、クリープトルクを発生させている。このときの走行用モータ3の出力トルクは、回生トルクとクリープトルクとを合計したものとなる。この場合には、車速がV2まで低下し、回生トルクとクリープトルクとの合計である走行用モータ3の出力トルクがゼロとなるタイミングで、出力トルクの上昇を抑えて調整トルクを所定期間に亘って走行用モータ3に発生させるようにする。これにより、上述の実施形態と同様に、伝達系5が備えるギヤのバックラッシュのガタ詰めに伴うショック(振動)の発生を効果的に抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、走行用モータのトルク制御を行う際の応答遅れはないものとして説明しているが、トルク制御における応答遅れや誤差がある場合には、実際の出力トルクに基づいて調整トルク等を発生させるタイミングを適宜調整することが望ましい。
また上述の実施形態では、電動車両の一例として、走行用モータを備える電気自動車(EV)を例示して本発明を説明したが、勿論、本発明は、各種の電動車両に適用可能であり、例えば、走行用モータと共にエンジン(内燃機関)を駆動装置として備えるハイブリッド車両等にも適用することができる。
1 電動車両
2 バッテリ
3 走行用モータ
4 インバータ
5 伝達系
6 駆動輪
10 制御部
20 モータ制御部
21 トルク検出手段
22 減速度検出手段
23 回生制御手段
24 クリープトルク制御手段
25 調整トルク制御手段
31 ブレーキペダル
32 ブレーキペダルストロークセンサ
33 車速センサ
34 加速度センサ
35 トルクセンサ
2 バッテリ
3 走行用モータ
4 インバータ
5 伝達系
6 駆動輪
10 制御部
20 モータ制御部
21 トルク検出手段
22 減速度検出手段
23 回生制御手段
24 クリープトルク制御手段
25 調整トルク制御手段
31 ブレーキペダル
32 ブレーキペダルストロークセンサ
33 車速センサ
34 加速度センサ
35 トルクセンサ
Claims (5)
- 駆動源としての走行用モータを備える電動車両の制御装置であって、
前記電動車両の減速時に、車輪の回転エネルギーを前記走行用モータで電気エネルギーに変換することで前記走行用モータにマイナス側の回生トルクを発生させる回生制御手段と、
所定の低速領域で前記走行用モータにプラス側のクリープトルクを発生させるクリープトルク制御手段と、
前記走行用モータが出力する出力トルクの大きさを検出するトルク検出手段と、
前記電動車両の減速度を検出する減速度検出手段と、
前記所定の低速領域で前記出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際、前記走行用モータに、前記電動車両の伝達系のバックラッシュを抑制するための調整トルクを所定期間に亘って発生させる調整トルク制御手段と、を有し、
前記調整トルク制御手段は、前記出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる直前までの前記電動車両の減速度が小さいほど前記調整トルクを小さい値とする
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1に記載の電動車両の制御装置において、
前記調整トルク制御手段は、前記電動車両の減速度が予め設定された閾値よりも大きい場合には前記調整トルクを第1のトルクとし、前記電動車両の減速度が前記閾値以下である場合には、前記調整トルクを前記第1のトルクよりも小さい第2のトルクとする
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1又は2に記載の電動車両の制御装置において、
前記調整トルク制御手段は、前記調整トルクを小さい値とするほど前記所定期間を長くする
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の電動車両の制御装置において、
前記クリープトルク制御手段は、前記所定の低速領域で前記出力トルクがマイナス側からプラス側に切り替わる際、前記所定期間経過後に、前記クリープトルクを発生させる
ことを特徴とする電動車両の制御装置。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の電動車両の制御装置において、
前記減速度検出手段は、ブレーキペダルの踏み込み量に基づいて前記電動車両の減速度を推定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。
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