JP2016113093A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】GPSからの情報の取得及び処理を必要とせずに自車両前方の路面状態を予測し、予測した路面状態に応じてエンジンの始動制御を行うことで燃費やドライブフィールを向上させることのできるハイブリッド車両の制御装置を提供すること。【解決手段】車両(1)がオートクルーズ制御中に降坂路をモータ走行モードで走行しており(S1、S2)、焦点位置の変化量が所定量以下である場合には路面状態が安定していると推定し(S3〜S5、S7)、降坂路終点手前の車両1にかかる抵抗が0となる時期にエンジン(2)を始動させ(S8〜S10)、焦点位置の変化量が所定量より大である場合には路面状態が不安定と推定しエンジン(2)の始動を禁止する(S6)。【選択図】図2
Description
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
近年のハイブリッド車両においては、GPS(Global Positioning System)や地図情報等を活用して車両前方の道路勾配等を予測して、燃費を最小限に抑えるようにエンジン及びモータを制御する技術の開発が進められている。例えば特許文献1では、GPSを利用して自車両の走行ルート上の勾配変化ポイント、勾配継続距離、勾配程度等の情報を検出し、その情報を基にエンジンおよびモータのトルクについて予測制御を行っている。
特許文献1では、GPSを用いることで自車両の走行ルート上における勾配変化ポイント、勾配継続距離、勾配程度等の多くの情報を取得して処理しているが、GPSを備えていなかったり、GPSの情報を正常に取得できなかったり、ECUの処理能力が低かったりする車両においては、自車両前方の状況を正確に予測できず、特許文献1を有効に適用することができないという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、GPSからの情報の取得及び処理を必要とせずに自車両前方の路面状態を予測し、予測した路面状態に応じてエンジンの始動制御を行うことで燃費やドライブフィールを向上させることのできるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本適用例に係るハイブリッド車両の制御装置は、車両の走行用駆動源としてのエンジン及びモータと、前記走行用駆動源を制御して、予め設定された範囲内で車速を保ちながら前記車両を走行させるオートクルーズ制御を実行するオートクルーズ制御部と、自車両が走行している道路勾配を検出する道路勾配検出部と、前記道路勾配検出部により検出された前記道路勾配を記憶する道路勾配記憶部と、前記オートクルーズ制御中に、前記車両がエンジンを停止しつつ降坂路を走行している場合に、前記車両にかかる抵抗に基づき前記エンジンを始動させる時期を算出する始動時期算出部と、前記始動時期算出部により算出された時期に前記エンジンを始動させるエンジン始動制御部と、前記道路勾配検出部により検出された現時点の道路勾配及び前記道路勾配記憶部に記憶されている過去の所定時点における道路勾配から、前記現時点から前記所定時点までの走行経路が形成する縦断曲線の焦点位置を算出する焦点位置算出部と、前記焦点位置算出部により算出された現時点の焦点位置と、前記所定時点における焦点位置との間の変化量を算出する変化量算出部と、前記変化量算出部により算出された前記焦点位置の変化量が所定量以下である場合には前記エンジン始動制御部によるエンジン始動を許可し、前記焦点位置の変化量が所定量より大である場合には前記エンジン始動制御部によるエンジン始動を禁止する始動許可制御部と、を備える。
上記手段を用いる本発明によれば、GPSからの情報の取得及び処理を必要とせずに自車両前方の路面状態を予測し、予測した路面状態に応じてエンジンの始動制御を行うことで燃費やドライブフィールを向上させることができる。
図1は本実施形態の制御装置が搭載されたハイブリッド車両を示す全体構成図である。
ハイブリッド車両1はいわゆるパラレル型ハイブリッドのトラックとして構成されており、以下の説明では、車両又は自車両と称する場合もある。
車両1には走行用動力源としてディーゼルエンジン(以下、エンジンという)2、及び例えば永久磁石式同期電動機のように発電機としても作動可能なモータ3が搭載されている。エンジン2の出力軸にはクラッチ4が連結され、クラッチ4にはモータ3の回転軸を介して自動変速機5の入力側が連結されている。自動変速機5の出力側にはプロペラシャフト6を介して差動装置7が連結され、差動装置7には駆動軸8を介して左右の駆動輪9が連結されている。
自動変速機5は一般的な手動式変速機をベースとしてクラッチ4の断接操作及び変速段の切換操作を自動化したものであり、本実施形態では、前進6速後退1速の変速段を有している。当然ながら、変速機5の構成はこれに限るものではなく任意に変更可能であり、例えば手動式変速機として具体化してもよいし、2系統の動力伝達系を備えたいわゆるデュアルクラッチ式自動変速機として具体化してもよい。
モータ3にはインバータ10を介してバッテリ11が接続されている。バッテリ11に蓄えられた直流電力はインバータ10により交流電力に変換されてモータ3に供給され、モータ3が発生した駆動力は自動変速機5で変速された後に駆動輪9に伝達されて車両1を走行させる(これを力行運転という)。また、例えば車両1の減速時や降坂路での走行時には、駆動輪9側からの逆駆動によりモータ3が発電機として作動する。モータ3が発生した負側の駆動力は制動力として駆動輪9側に伝達されると共に、モータ3が発電した交流電力がインバータ10で直流電力に変換されてバッテリ11に充電される(これを回生運転という)。
このようなモータ3が発生する駆動力は上記クラッチ4の断接状態に関わらず駆動輪9側に伝達され、これに対してエンジン2が発生する駆動力(以下、エンジントルクという)はクラッチ4の接続時に限って駆動輪9側に伝達される。従って、クラッチ4の切断時には、上記のようにモータ3が発生する正側の駆動力(以下、アシストトルクという)又は負側の駆動力(以下、回生トルクという)が駆動輪9側に伝達されて車両1が走行する。また、クラッチ4の接続時には、エンジン2及びモータ3の駆動力が駆動輪9側に伝達されたり、或いはエンジン2の駆動力のみが駆動輪側に伝達されたりして車両1が走行する。
また、車両1には、車両全体を統合制御するための制御回路である車両ECU20が搭載されている。車両ECU20には、アクセルペダル12の操作量を検出するアクセルセンサ21、ブレーキペダル13の踏込操作を検出するブレーキスイッチ22、エンジン2の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ23、及びモータ3の回転速度を検出するモータ回転速度センサ24、車両1の速度を検出する車速センサ25、車両1が走行している路面の道路勾配を検出する勾配センサ26(道路勾配検出部)などの各種センサ・スイッチ類が接続されている。
また、車両ECU20には、図示はしないがクラッチ4を断接操作するアクチュエータ、及び自動変速機5を変速操作するアクチュエータなどが接続されると共に、エンジン制御用のエンジンECU、インバータ制御用のインバータECU、及びバッテリ11を管理するバッテリECUなどのその他の制御装置が接続されている。車両ECU20はこれらアクチュエータや各ECUを介してエンジン2、モータ3、インバータ10、及びバッテリ11の情報を取得したり、制御したりする。
車両ECU20は、運転者によるアクセル操作量などに基づき車両1を走行させるために必要な要求トルクを算出し、その要求トルクやバッテリ11のSOC(充電量:State Of Charge)などに基づき車両1の走行モードを選択する。本実施形態では走行モードとして、エンジン2の駆動力のみを用いて走行するエンジン走行モード、モータ3の駆動力のみを用いて走行するモータ走行モード、及びエンジン2及びモータ3の駆動力を共に用いて走行するハイブリッド走行モードが設定されており、その何れかの走行モードを車両ECU20が選択するようになっている。
車両ECU20は選択した走行モードに基づき、要求トルクをエンジン2やモータ3が出力すべきトルク指令値に換算する。例えばハイブリッド走行モードでは要求トルクをエンジン2側及びモータ3側に配分した上で、その時点の変速段に基づきエンジン2及びモータ3のトルク指令値を算出する。また、エンジン走行モードでは要求トルクを変速段に基づきエンジン2へのトルク指令値に換算し、モータ走行モードでは要求トルクを変速段に基づきモータ3へのトルク指令値に換算する。
そして、車両ECU20は選択した走行モードを実行すべく、モータ走行モードでは上記クラッチ4を切断し、エンジン走行モード、及びハイブリッド走行モードではクラッチ4を接続した上で、エンジンECU及びインバータECUにトルク指令値を適宜出力する。また、車両1の走行中において車両ECU20は、アクセル操作量や車速などに基づき図示しないシフトマップから目標変速段を算出し、この目標変速段を達成すべく、アクチュエータによりクラッチ4の断接操作及び変速段の切換操作を実行する。
一方、エンジンECUは、車両ECU20において選択された走行モードに基づくトルク指令値を達成するように噴射量制御や噴射時期制御を実行する。例えばエンジン走行モード、及びハイブリッド走行モードでは、正側のトルク指令値に対してエンジン2に駆動力を発生させ、負側のトルク指令値に対してエンジンブレーキを発生させる。また、モータ走行モードの場合には、燃料噴射の中止によりエンジン2を停止保持する、またはアイドル運転状態とする。
また、インバータECUは、車両ECU20において選択された走行モードに基づくトルク指令値を達成するように、インバータ10を介してモータ3を駆動制御する。例えばモータ走行モードやハイブリッド走行モードでは、正側のトルク指令値に対してモータ3を力行制御してアシストトルクを発生させ、負側のトルク指令値に対してはモータ3を回生制御して回生トルクを発生させる。また、エンジン走行モードの場合には、モータ3の駆動力を0に制御する。
また、バッテリECUは、バッテリ11の温度、バッテリ11の電圧、インバータ10とバッテリ11との間に流れる電流などを検出すると共に、これらの検出結果からバッテリ11のSOC(充電量)を算出し、このSOCを検出結果と共に車両ECU20に出力する。
また、車両ECU20は、オートクルーズ制御部30を含んでいる。このオートクルーズ制御部30は、運転者により設定された目標車速を維持するようにエンジン2及びモータ3を制御するオートクルーズ制御を実行する。なお、この目標車速は一定の範囲を有していてもよい。
運転者により図示しないオートクルーズ制御の実行スイッチが操作されて目標車速が設定されると、オートクルーズ制御部30は、車速を目標車速とするようにエンジン2及びモータ3のトルクを制御して加速及び減速を行う。
エンジン2は、始動を開始しても機械的な遅れが生じるためすぐに目標とするトルクを発生できるものではないことから、モータ走行モードからエンジン走行モード又はハイブリッド走行モードに移行する際に、一時的にトルクが不足し、燃費やドライブフィールを悪化させるおそれがある。そこでオートクルーズ制御部30は、オートクルーズ制御中であって、例えば回生運転を行うべく、降坂路にてモータ走行モードで走行している場合には、降坂路終点手前の適切な時期にエンジンの始動を行うエンジン始動制御も行う。
このようなエンジン始動制御のために、オートクルーズ制御部30は、道路勾配記憶部31、始動時期算出部32、及びエンジン始動制御部33、焦点位置算出部34、変化量算出部35、始動許可制御部36を含んでいる。
道路勾配記憶部31は、勾配センサ26により検出された道路勾配情報を記憶する。始動時期算出部32は、詳しくは後述するが、車両1にかかる抵抗に基づきエンジン2を始動させる時期を算出する。エンジン始動制御部33は、始動時期算出部32により算出された時期にエンジン2を始動させる。ここでのエンジン2の始動時期は、降坂路終了後の平坦路又は登坂路に向けてトルク不足を生じないよう速やかにエンジン走行モード又はハイブリッド走行モードに移行させるべく、車両1が降坂路の終点に到達するよりも早い時期に設定される。
さらに、焦点位置算出部34は、勾配センサ26により検出される現時点の道路勾配と、上記道路勾配記憶部31に記憶されている過去の所定時点の道路勾配とから、現時点から所定時点までの走行経路が形成する縦断曲線の焦点位置を算出する。変化量算出部35は、焦点位置算出部34により算出された現時点の焦点位置と、上記所定時点における焦点位置との間の変化量を算出する。
始動許可制御部36は、変化量算出部35により算出された焦点位置の変化量が所定量以下である場合には上記エンジン始動制御部33によるエンジン始動を許可する。一方、焦点位置の変化量が所定量より大である場合には、上記エンジン始動制御部33によるエンジン始動を禁止する。つまり、始動許可制御部36は、焦点位置の変化から降坂路の路面状態を推定して、エンジン2の始動の許可又は禁止を判断する。
ここで、図2には車両ECU20のオートクルーズ制御部30において実行される降坂路でのエンジン始動制御ルーチンがフローチャートで示され、図3には焦点位置の説明図が示されている。以下、途中で図3を参照しつつ図2のフローチャートに沿って、降坂路におけるエンジン始動制御について詳しく説明する。
まず、オートクルーズ制御部30はステップS1として、オートクルーズ制御を実行しているか否かを判別する。当該判別結果が偽(No)である場合は、当該ルーチンをリターンする。一方、当該判別結果が真(Yes)である場合は、ステップS2に進む。
ステップS2において、オートクルーズ制御部30は車両1が降坂路をモータ走行モードで走行しているか否かを判別する。これは、例えばオートクルーズ制御部30が、勾配センサ26の情報から現在走行している道が降坂路であるかを判別し、車両ECU20の情報他からモータ走行モードを選択しているかを判別する。
ステップS2の判別結果が偽(No)である場合、即ち車両1が降坂路以外を走行していたり、降坂路であってもエンジン2を用いたエンジン走行モードやハイブリッド走行モードで走行していたりする場合は、当該ルーチンをリターンする。一方、ステップS2の判別結果が真(Yes)である場合は、ステップS3に進む。
ステップS3では、焦点位置算出部34が車両1の焦点位置Fを算出する。焦点位置Fは、例えば前回の制御ルーチンで検出した道路勾配θprevと、現時点における道路勾配θとから描かれる仮想的な縦断曲線から求められる。
続くステップS4では、変化量算出部35が、ステップS3において算出した現時点での焦点位置Fと、前回の制御ルーチンで算出した焦点位置Fprevとの間の変化量Δxを算出する。
そして、ステップS5では、始動許可制御部36が、ステップS4において算出した焦点位置Fの変化量Δxが所定量以下であるか否かを判別する。ここでの焦点位置の変化量Δxは水平方向の変化量であり、所定量は車速に相関する値である。例えば本実施形態における所定量は、前回の制御ルーチンで算出した焦点位置の変化量Δxprevに対し、車速が大きいほど大きな値となる係数Kを乗算した値(K・Δxprev)とする。
ステップS5の判別結果が偽(No)である場合、即ち焦点位置の変化量Δxが所定量K・Δxprevより大である場合には、ステップS6に進む。
ステップS6では、始動許可制御部36がエンジン始動制御部33に対し、エンジン2を始動することを禁止して当該ルーチンをリターンする。
一方、ステップS5の判別結果が真(Yes)である場合、即ち焦点位置の変化量Δxが所定量K・Δxprev以下である場合には、ステップS7に進む。
ステップS7では、始動許可制御部36がエンジン始動制御部33に対し、エンジン2を始動することを許可してステップS8に進む。
ここで、上記ステップS3〜S7における焦点位置の変化量に基づく始動許可の判断について、図3を参照して詳しく説明する。
図3では、降坂路から平坦路へと移行する路面が示されており、第1地点P1から第4地点P4の各地点の水平面に対する道路勾配がθ1>θ2>θ3>θ4の関係にある。なお、第4地点P4の道路勾配θ4は平坦路の道路勾配であり、θ4=0である。
例えば第2地点P2における焦点位置F2は、前回の制御ルーチンで算出した第1地点P1の道路勾配θ1(=θprev)と、現時点における道路勾配θ2(=θ)とから描かれる仮想縦断曲線の焦点位置F2となる。
図3では、第1地点P1と第2地点P2とは、いずれもほぼ同じ曲率半径R1であり、第1焦点位置F1及び第2焦点位置F2はほぼ同位置となっている。このような場合、第2焦点位置F2と第1焦点位置F1との間の変化量はほぼ0となり、一定の曲率で安定的に変化する降坂路であることがわかる。
一方、第3地点P3では曲率半径がR2となり、第3焦点位置F3は第1、第2焦点位置F1、F2よりもずれた位置となっている。このような場合、第3焦点位置F3と第2焦点位置F2との間の変化量は大きくなり、路面変化が大きい降坂路であることがわかる。
従って、第1地点P1から第2地点P2では、焦点位置の変化量(Δx2)はほぼ0であり、このような場合はステップS5の判別結果は真(Yes)となり、エンジン2の始動は許可される。一方、第3地点P3では、焦点位置の変化量Δx3が大きく、これが所定量より大であればステップS5の判別結果は偽(No)となり、エンジン2の始動は禁止される。しかしながら、焦点位置の変化量Δx3が所定量より小であれば、勾配変化が始動時期算出部32とエンジン始動制御部33による予測制御によるエンジン2の始動が許可される。なお、本実施形態では現時点と前回の制御ルーチン時点との間で焦点位置の変化量を算出しているが、この間隔が短い(例えば60ミリ秒)場合は、小さなこぶ等の通常の走行に影響のない路面状態まで反映される可能性が高いので、制御間隔が短い場合には予め定めた所定時間(例えば300ミリ秒)前の制御ルーチン時点の値と比較してもよい。
ステップS7においてエンジン2の始動が許可された場合、続くステップS8では、始動時期算出部32において、車両1にかかる抵抗から、エンジン2の始動を行う時期を算出する。詳しくは、車両1にかかる抵抗Rは、例えば空気抵抗RD、タイヤの回転抵抗RR、重力に起因する重力抵抗Rgの合計(R=RD+RR+RG)となる。タイヤの回転抵抗RRや重力抵抗Rgは道路勾配に相関する値であることから、始動時期算出部32は車両1にかかる抵抗Rが0となる道路勾配を、エンジン2を始動する始動勾配θsとして算出する。
さらに始動時期算出部32は、現時点から始動勾配θsに到達するまでの到達時間tsを算出する。これは、例えば前回の制御ルーチンを実行した時点tprevにおける道路勾配θprevから現時点tの道路勾配θに至るまでの時間変化Δθ(=(θ−θprev)/(t−tprev))を算出し、この道路勾配の時間変化Δθで現時点から始動勾配θsに至る到達時間ts(=(θs−θ)/Δθ)を算出する。そして、エンジン始動を開始しても機械的な遅れが生じることを考慮する必要があることから、その遅れ相当期間Δtd前であるts’=ts−Δtdを実到達時間とする。
次にステップS9において、エンジン始動制御部33は、上記ステップS8において算出した実到達時間ts’に達しているか否かを判別する。当該判別結果が偽(No)である場合、即ち未だに車両1の抵抗Rが0となる始動勾配θsに到達していない場合には、当該ルーチンをリターンする。一方、当該判別結果が真(Yes)である場合は、次のステップS10に進む。
ステップS10において、エンジン始動制御部33は、エンジン2の始動を開始し、モータ走行モードからエンジン走行モード又はハイブリッド走行モードに移行させ、当該ルーチンを終了する。
以上のように、本実施形態におけるオートクルーズ制御では、車両1が降坂路にてモータ走行モードで走行している場合に、車両1に係る抵抗から最適なエンジン始動時期を算出する。その一方で、焦点位置の変化量から降坂路の勾配変化量を推定し、当該変化量が少ない場合、即ち、降坂路の勾配がエンジン予測制御を適用できる程度に略一定に変化する状態にあるときに上記エンジン予測制御によるエンジン始動を許可し、当該変化量が大きい場合、即ち、降坂路の勾配がエンジン予測制御を適用できない程度に急激に変化する状態にあるときには上記エンジン予測制御によるエンジン始動を禁止する。
これらエンジン始動時期の算出及び路面状態の推定には、少なくとも勾配センサ26及び車速センサ25からの情報があればよく、GPSからの情報の取得や処理を必要としない。そして、降坂路の終点付近で、不安定な路面状態であるときにはエンジン2の始動を禁止することで不要なエンジン負荷の増加を防止し、燃費を向上させることができる。一方、安定した路面状態にあるときには降坂路の終点手前でエンジン始動に要する機械的遅れを考慮して事前にエンジンを始動させることで、降坂路後の平坦路や登坂路にて速やかな加速を行うことができ、一時的なトルク不足による速度低下に起因する燃費悪化を防止するとともにドライブフィールを向上させることができる。
以上で本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態のエンジンはディーゼルエンジンとしているが、ガソリンエンジンであってもよい。
また上記実施形態では、走行モードとして、モータ走行モード、エンジン走行モード、及びハイブリッド走行モードと有しているが、走行モードはこれに限られるものではない。
1 車両
2 エンジン
3 モータ
20 車両ECU
25 車速センサ
26 勾配センサ(道路勾配検出部)
30 オートクルーズ制御部
31 道路勾配記憶部
32 始動時期算出部
33 エンジン始動制御部
34 焦点位置算出部
35 変化量算出部
36 始動許可制御部
2 エンジン
3 モータ
20 車両ECU
25 車速センサ
26 勾配センサ(道路勾配検出部)
30 オートクルーズ制御部
31 道路勾配記憶部
32 始動時期算出部
33 エンジン始動制御部
34 焦点位置算出部
35 変化量算出部
36 始動許可制御部
Claims (1)
- 車両の走行用駆動源としてのエンジン及びモータと、
前記走行用駆動源を制御して、予め設定された範囲内で車速を保ちながら前記車両を走行させるオートクルーズ制御を実行するオートクルーズ制御部と、
自車両が走行している道路勾配を検出する道路勾配検出部と、
前記道路勾配検出部により検出された前記道路勾配を記憶する道路勾配記憶部と、
前記オートクルーズ制御中に、前記車両がエンジンを停止しつつ降坂路を走行している場合に、前記車両にかかる抵抗に基づき前記エンジンを始動させる時期を算出する始動時期算出部と、
前記始動時期算出部により算出された時期に前記エンジンを始動させるエンジン始動制御部と、
前記道路勾配検出部により検出された現時点の道路勾配及び前記道路勾配記憶部に記憶されている過去の所定時点における道路勾配から、前記現時点から前記所定時点までの走行経路が形成する縦断曲線の焦点位置を算出する焦点位置算出部と、
前記焦点位置算出部により算出された現時点の焦点位置と、前記所定時点における焦点位置との間の変化量を算出する変化量算出部と、
前記変化量算出部により算出された前記焦点位置の変化量が所定量以下である場合には前記エンジン始動制御部によるエンジン始動を許可し、前記焦点位置の変化量が所定量より大である場合には前記エンジン始動制御部によるエンジン始動を禁止する始動許可制御部と、
を備えるハイブリッド車両の制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014255251A JP2016113093A (ja) | 2014-12-17 | 2014-12-17 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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Cited By (2)
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CN107757600A (zh) * | 2017-11-08 | 2018-03-06 | 衢州学院 | 混合动力车辆的驱动模式切换方法及装置 |
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2014
- 2014-12-17 JP JP2014255251A patent/JP2016113093A/ja active Pending
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