JP2019166936A - 電動車両のトルク制御方法及びトルク制御装置 - Google Patents

電動車両のトルク制御方法及びトルク制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブレーキ減速開始シーンにおける駆動力変動の低減とブレーキ減速中の制振制御再作動シーンにおける駆動力変動の抑制との両立を図ること。【解決手段】モータ/ジェネレータ2に対して、車両の目標駆動トルクを得るモータトルクに車両挙動変化を打ち消すモータトルク分を付加したモータトルク指令を出力する制振制御を行う電動車両のトルク制御方法である。ブレーキ作動中、目標駆動トルクがゼロトルク付近に設定された正トルク判定閾値より高い正側から負側に切り替わる場合、目標駆動トルクが負側の負トルク判定閾値に達するまでの間は、制振制御におけるモータトルクの動作制限を緩和する。ブレーキ作動中、目標駆動トルクが負トルク判定閾値より低い負側から正側に切り替わる場合、目標駆動トルクが正トルク判定閾値に達するまでの間は、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限の実施を許容する。【選択図】図15

Description

本開示は、走行用駆動源にモータを備えた電動車両のトルク制御方法及びトルク制御装置に関する。
従来、走行用駆動源にモータを備えた電動車両において、パワートレーン系の捻じれ振動やギヤのバックラッシュに起因する駆動力変動を低減する目的でモータを使った制振制御を行う電動車両の制振制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−220919号公報
従来装置での制振制御は、エンジン若しくはモータから駆動輪(タイヤ)まで直結されている状態でしか制振効果が出せない。このため、変速制御中やエンジン始動中等のように、駆動系に設けられるクラッチ要素がスリップ締結状態であるときは、制振制御の作動を禁止している。よって、走行中に変速制御が介入すると、変速制御中に制振制御の作動が禁止され、変速終了後に制振制御が再作動する。しかし、ブレーキ減速時において制振制御を再作動する際、タイヤからの制動反力が制振制御のF/B制御系の外乱要素となり、F/B制御系が安定するまでの間、モータトルクが必要以上に変動して、駆動力変動を引き起こす場合がある、という問題があった。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、ブレーキ減速開始シーンにおける駆動力変動の低減とブレーキ減速中の制振制御再作動シーンにおける駆動力変動の抑制との両立を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、モータトルクにより車両挙動変化を打ち消す制振制御を行う電動車両のトルク制御方法である。
ブレーキ作動中、目標駆動トルクがゼロトルク付近に設定された正トルク判定閾値より高い正側から負側に切り替わる場合、目標駆動トルクが負側の負トルク判定閾値に達するまでの間は、制振制御におけるモータトルクの動作制限を緩和する。
ブレーキ作動中、目標駆動トルクが負トルク判定閾値より低い負側から正側に切り替わる場合、目標駆動トルクが正トルク判定閾値に達するまでの間は、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限の実施を許容する。
このように、目標駆動トルクの切り替わり方向により制振制御でのモータトルク動作制限を異ならせることで、ブレーキ減速開始シーンにおける駆動力変動の低減とブレーキ減速中の制振制御再作動シーンにおける駆動力変動の抑制との両立を図ることができる。
実施例1のトルク制御方法及びトルク制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示すハード構成図である。 実施例1のトルク制御方法及びトルク制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示すソフト構成図である。 実施例1においてモータ/ジェネレータと駆動輪の間に介装された自動変速機の一例を示すスケルトン図である。 実施例1における自動変速機での変速段ごとの各摩擦要素の締結状態及び第2クラッチを示す締結作動表である。 実施例1の自動変速機による変速制御で用いられる変速マップの一例を示す変速マップ図である。 実施例1の統合コントローラの内部構成を示す演算ブロック図である。 統合コントローラの目標駆動力演算部での演算に用いられる目標定常駆動力マップ(a)とMGアシスト駆動力マップ(b)を示す駆動力マップ図である。 統合コントローラのモード選択部での運転モードの選択演算に用いられるエンジン始動線特性とエンジン停止線特性を示すエンジン始動停止線マップ図である。 統合コントローラの目標発電出力演算部での演算に用いられるバッテリSOCに対する走行中発電要求出力特性を示す走行中発電要求出力マップ図である。 統合コントローラの目標発電出力演算部での演算に用いられるエンジンの最良燃費線を示す最良燃費線特性図である。 統合コントローラのトルク領域判定処理部で実行されるトルク領域判定処理の流れを示すフローチャートである。 モータコントローラの制振制御部で実行される制振制御動作中のモータトルク制限処理の流れを示すフローチャートである。 比較例1でのブレーキ減速時において変速中であることにより制振制御が禁止された状態から制振制御が再作動する際の課題を示すタイムチャートである。 比較例1の課題を解決する対策を施した比較例2での跳ね返り課題を示すタイムチャートである。 実施例1でのブレーキ減速時において変速中であることにより制振制御が禁止された状態から制振制御が再作動する際の各特性を示すタイムチャートである。 他の実施例でのブレーキ減速時において変速中であることにより制振制御が禁止された状態から制振制御が再作動する際の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本開示による電動車両のトルク制御方法及びトルク制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1におけるトルク制御方法及びトルク制御装置は、1モータ・2クラッチと呼ばれるハイブリッド車両(電動車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「パワートレーン系構成」、「制御システム構成」、「自動変速機の概略構成」、「統合コントローラ構成」、「トルク領域判定処理構成及び制振制御動作中のモータトルク動作制限処理構成」に分けて説明する。
[パワートレーン系構成]
図1は実施例1のトルク制御方法及びトルク制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示す。以下、図1に基づいてパワートレーン系構成を説明する。
パワートレーン系は、図1に示すように、エンジン1と、モータ/ジェネレータ2(モータ)と、自動変速機3(変速機)と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5(クラッチ)と、ディファレンシャルギヤ6と、駆動輪7と、を備えている。つまり、エンジン1に1モータ・2クラッチを加えたパワートレーン系構成を持つハイブリッド車両である。ハイブリッド車両の主な運転モードとしては、第1クラッチ4の締結による「HEVモード(ハイブリッド車モード)」と、第1クラッチ4の解放による「EVモード(電気自動車モード)」と、を有する。
エンジン1は、その出力軸とモータ/ジェネレータ2(略称:「MG」)の入力軸とが、トルク容量可変の第1クラッチ4(略称:「CL1」)を介して連結される。
モータ/ジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機3(略称:「AT」)の入力軸とが連結される。
自動変速機3は、前進7速後退1速の変速段を有する変速機であり、その出力軸にディファレンシャルギヤ6を介して駆動輪7が連結される。この自動変速機3は、車速VSPとアクセル開度APOに応じて変速段を自動選択する自動変速を行う。
第2クラッチ5(略称:「CL2」)は、自動変速機3の変速要素として内蔵されている変速クラッチや変速ブレーキ等による摩擦要素のうち、トルク伝達を担っているトルク容量可変の1つの要素を用いている。これにより自動変速機3は、第1クラッチ4を介して入力されるエンジン1の動力と、モータ/ジェネレータ2から入力される動力を合成して駆動輪7へ出力する。
第1クラッチ4と第2クラッチ5には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる乾式単板クラッチや湿式多板クラッチ等を用いればよい。このパワートレーン系には、第1クラッチ4の接続状態に応じて2つの運転モードがあり、第1クラッチ4の切断状態では、モータ/ジェネレータ2の動力のみで走行する「EVモード」であり、第1クラッチ4の接続状態では、エンジン1とモータ/ジェネレータ2の動力で走行する「HEVモード」である。
パワートレーン系には、CL1インプット回転センサ10と、CL1アウトプット回転センサ11と、AT入力回転センサ12と、AT出力回転センサ13と、が設けられる。CL1インプット回転センサ10は、第1クラッチ4の入力回転数を検出する。CL1アウトプット回転センサ11は、第1クラッチ4の出力回転数(=モータ回転数)を検出する。AT入力回転センサ12は、自動変速機3の入力軸回転数を検出する。AT出力回転センサ13は、自動変速機3の出力軸回転数(=車速)を検出する。
[制御システム構成]
図2は実施例1のエンジン始動制御方法及びトルク制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す。以下、図2に基づいて制御システム構成を説明する。
制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ20(略称:「HCM」)と、エンジンコントローラ21(略称:「ECM」)と、モータコントローラ22(略称:「MGCM」)と、ATコントローラ25(略称:「ATCM」)と、を備えている。これらのコントローラ20,21,22,25は、双方向通信線(CAN通信線等)により情報交換可能に接続されている。
統合コントローラ20は、各回転センサ10,11,12,13、アクセル開度センサ17、ブレーキスイッチ23、バッテリSOCセンサ16等からの情報を入力し、パワートレーン系構成要素の動作点を統合制御する。この統合コントローラ20では、アクセル開度APOとバッテリ充電状態SOCと車速VSPとに応じて、運転者が望む駆動力を実現できる運転モードを選択する。そして、モータコントローラ22に目標MGトルクもしくは目標MG回転数を指令し、エンジンコントローラ21に目標エンジントルクを指令し、ATコントローラ25にCL1ソレノイド電流と目標CL2トルクを指令する。
エンジンコントローラ21は、統合コントローラ20から目標エンジントルク指令を入力すると、目標エンジントルクを得るようにエンジン1を制御する。
モータコントローラ22は、統合コントローラ20から目標MGトルク指令もしくは目標MG回転数指令を入力すると、インバータ8へ制御指令を出力し、モータ/ジェネレータ2を制御(MGトルク制御、MG回転数制御)する。インバータ8は、力行時にバッテリ9からの直流を三相交流に変換し、モータ/ジェネレータ2を駆動する。回生時に駆動輪7からの回転エネルギによりモータ/ジェネレータ2により発電された三相交流を直流に変換し、バッテリ9へ充電する。
モータコントローラ22には、モータ/ジェネレータ2に対して、車両の目標駆動トルクを得るモータトルクに車両挙動変化を打ち消すモータトルク分を付加したモータトルク指令を出力する制振制御部22aを有する。制振制御部22aでは、パワートレーン系の捻じれ振動やギヤのバックラッシュ等に起因する駆動力の変動が検知されると、駆動力変動特性の逆位相特性によるモータトルク分を付加し、駆動力変動を打ち消して車両振動を抑制する。
ATコントローラ25は、自動変速機3を変速制御する。この変速制御以外に、統合コントローラ20からCL1ソレノイド電流指令を入力すると、第1クラッチ4(CL1)へのクラッチ油圧を制御する第1ソレノイドバルブ14を駆動制御する。そして、統合コントローラ20から目標CL2トルク指令を入力すると、第2クラッチ5(CL2)へのクラッチ油圧を制御する第2ソレノイドバルブ15を駆動制御する。
[自動変速機の概略構成]
以下、図3〜図5に基づいて自動変速機3の概略構成を説明する。
自動変速機3は、図3に示すように、前進7速後退1速の有段式自動変速機である。自動変速機3へは、エンジン1とモータ/ジェネレータ2のうち、少なくとも一方からの駆動力が変速機入力軸Inputから入力される。そして、4個の遊星ギヤと7個の摩擦要素を有する変速ギヤ機構によって、入力回転数が変速されて変速機出力軸Outputから出力される。
変速ギヤ機構としては、同軸上に、第1遊星ギヤG1及び第2遊星ギヤG2による第1遊星ギヤセットGS1と、第3遊星ギヤG3及び第4遊星ギヤG4による第2遊星ギヤセットGS2と、が順に配置されている。また、油圧作動の摩擦要素として、第1クラッチC1と、第2クラッチC2と、第3クラッチC3と、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2と、第3ブレーキB3と、第4ブレーキB4との7個の摩擦要素が配置されている。また、機械作動の係合要素として、第1ワンウェイクラッチF1と、第2ワンウェイクラッチF2との2個のワンウェイクラッチが配置されている。
第1遊星ギヤG1、第2遊星ギヤG2、第3遊星ギヤG3、第4遊星ギヤG4は、サンギヤ(S1〜S4)と、リングギヤ(R1〜R4)と、両ギヤ(S1〜S4),(R1〜R4)に噛み合うピニオン(P1〜P4)を支持するキャリア(PC1〜PC4)と、を有するシングルピニオン型遊星ギヤである。
変速機入力軸Inputは、第2リングギヤR2に連結され、エンジン1とモータ/ジェネレータ2の少なくとも一方からの回転駆動力を入力する。変速機出力軸Outputは、第3キャリアPC3に連結され、出力回転駆動力を、ファイナルギヤ等を介して駆動輪7に伝達する。
第1リングギヤR1と第2キャリアPC2と第4リングギヤR4とは、第1連結メンバM1により一体的に連結される。第3リングギヤR3と第4キャリアPC4とは、第2連結メンバM2により一体的に連結される。第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とは、第3連結メンバM3により一体的に連結される。
図4は締結作動表である。図4において、○印はドライブ時(アクセルON時)に当該摩擦要素が油圧締結状態であることを示す。(○)印はコースト時(アクセルOFF時)に当該摩擦要素が油圧締結状態(ドライブ時にワンウェイクラッチ作動状態)であることを示す。無印は当該摩擦要素が解放状態であることを示す。そして、ハッチングにて示される締結状態の摩擦要素は、各変速段にて第2クラッチ5(CL2)として用いる摩擦要素を示す。
前進7速で後退1速の変速段のそれぞれの変速段は、7個の摩擦要素のうち、3個の摩擦要素を、図4に示すように各変速段にて締結することで実現される。そして、隣接する変速段への変速については、3個の摩擦要素のうち、締結していた1つの摩擦要素を解放し、解放していた1つの摩擦要素を締結するという架け替え変速により、図4に示すように、前進7速の変速が実現される。
第2クラッチ5(CL2)については、変速段が1速段及び2速段のときに第2ブレーキB2とされる。変速段が3速段のときに第2クラッチC2とされる。変速段が4速段及び5速段のときに第3クラッチC3とされる。変速段が6速段及び7速段のときに第1クラッチC1とされる。変速段が後退段のときに第4ブレーキB4とされる。
図5は自動変速機3の変速制御で用いられる変速マップの一例を示す変速マップ図である。なお、図5に示す変速マップは、ATコントローラ22のメモリに予め記憶設定されていて、実線はアップシフト線を示し、点線はダウンシフト線を示す。
Dレンジの選択時には、AT出力回転センサ13(=車速センサ)からの車速VSPと、アクセル開度センサ17からのアクセル開度APOに基づき決まる運転点(VSP,APO)が、変速マップ上において存在する位置を検索する。そして、運転点(VSP,APO)が全く動かない、或いは、運転点(VSP,APO)が動いても図5の変速マップ上で1つの変速段領域内に存在したままであれば、そのときの変速段をそのまま維持する。一方、運転点(VSP,APO)が動いて図5の変速マップ上でアップシフト線を横切るとアップシフト指令を出力し、ダウンシフト線を横切るとダウンシフト指令を出力する。
[統合コントローラ構成]
図6は実施例1の統合コントローラ20を示す演算ブロック図である。以下、図6〜図10に基づいて統合コントローラ構成を説明する。
統合コントローラ20は、図6に示すように、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標発電出力演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を備えている。
目標駆動力演算部100は、図7(a)に示す目標定常駆動力マップと、図7(b)に示すMGアシスト駆動力マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから、目標定常駆動力とMGアシスト駆動力を算出する。
この目標駆動力演算部100には、車両の目標駆動力(=目標駆動トルク)の演算結果を用い、目標駆動トルクのトルク領域判定を行うトルク領域判定処理部20aを有する。
モード選択部200は、図8に示す車速VSP毎のアクセル開度APOで設定されているエンジン始動停止線マップを用いて、運転モード(HEVモード、EVモード)を演算する。エンジン始動線とエンジン停止線は、エンジン始動線(SOC高、SOC低)とエンジン停止線(SOC高、SOC低)の特性に代表されるように、バッテリSOCが低くなるにつれて、アクセル開度APOが小さくなる方向に低下する特性として設定されている。
目標発電出力演算部300は、図9に示す走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCから目標発電出力を演算する。また、現在の動作点から図10に示す最良燃費線までエンジントルクを上げるために必要な出力を演算し、目標発電出力と比較して少ない出力を要求出力として、エンジン出力に加算する。
動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標定常駆動力、MGアシスト駆動力と目標モードと車速VSPと要求発電出力とを入力する。そして、これらの入力情報を動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標CL2トルク容量と目標変速比とCL1ソレノイド電流指令を演算する。
動作点指令部400には、「EVモード」での走行中、運転点(VSP,APO)が図8のエンジン始動線を横切ることでエンジン始動要求が出されると、モータ/ジェネレータ2をスタータモータとしてエンジン1を始動するエンジン始動制御部20bを有する。
エンジン始動制御部20bでのエンジン始動処理は、エンジン始動要求が出されると、第2クラッチ5(CL2)のトルク容量を低下させ、その後、モータ/ジェネレータ2をMG回転数制御とし、第2クラッチ5(CL2)を半クラッチ状態にスリップさせる。第2クラッチ5(CL2)のスリップ開始が判断されると、第1クラッチ4(CL1)のスリップ締結を開始してエンジン回転数を上昇させる。エンジン回転数が初爆可能な回転数に到達したら、エンジン1を自立運転させ、MG回転数とエンジン回転数が近くなったところで第1クラッチ4(CL1)を完全に締結する。
変速制御部500は、目標CL2トルク容量と目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機3内のソレノイドバルブを駆動制御する。車速VSPとアクセル開度APOと図5に示す変速マップから現在の変速段から次変速段をいくつにするか判定し、変速要求があれば変速用の摩擦要素を制御して変速させる。
[トルク領域判定処理構成及び制振制御動作中のモータトルク動作制限処理構成]
図11は統合コントローラ20のトルク領域判定処理部で実行されるトルク領域判定処理の流れを示す。以下、図11の各ステップについて説明する。なお、「正トルク判定閾値」とはゼロに近い正側トルク値(例えば、5Nm程度)に設定されたモータトルクの閾値をいう。「低トルク判定閾値」、「負トルク判定閾値」とは、負側トルク値(例えば、-50Nm程度)に設定されたモータトルクの閾値をいい、実施例1の場合、低トルク判定値=負トルク判定値で与えている。そして、正トルク判定閾値以上のトルク領域を「正トルク領域」という。低トルク判定閾値から正トルク判定閾値までの領域を「低トルク領域」という。負トルク判定閾値以下の領域を「負トルク領域」という。
ステップS1では、スタートに続き、駆動トルク指令(=目標駆動トルク)を演算し、ステップS2へ進む。
ステップS2では、S1での駆動トルク指令の演算に続き、演算された目標駆動トルクが、負トルク領域に存在するか否かのトルク領域判定を行う。YES(負トルク領域に存在する)の場合はステップS3へ進み、NO(負トルク領域に存在しない)の場合はステップS7へ進む。
ステップS3では、S2での負トルク領域に存在するとの判断に続き、目標駆動トルクが低トルク判定閾値以上であるか否かを判断する。YES(目標駆動トルク≧低トルク判定閾値)の場合はステップS4へ進み、NO(目標駆動トルク<低トルク判定閾値)の場合はリターンへ進む。
ステップS4では、S3での目標駆動トルク≧低トルク判定閾値であるとの判断に続き、タイマー1カウントを開始し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、S4でのタイマー1カウント開始に続き、タイマー1(タイマー1による経過時間)が低トルク判定時間以上であるか否かを判断する。YES(タイマー1≧低トルク判定時間)の場合はステップS6へ進み、NO(タイマー1<低トルク判定時間)の場合はリターンへ進む。
ステップS6では、S5でのタイマー1≧低トルク判定時間であるとの判断に続き、トルク領域判定=低トルクとし、タイマー1をリセットし、リターンへ進む。
ステップS7では、S2での負トルク領域に存在しないとの判断に続き、目標駆動トルクが負トルク判定閾値以下であるか否かを判断する。YES(目標駆動トルク≦負トルク判定閾値)の場合はステップS8へ進み、NO(目標駆動トルク>負トルク判定閾値)の場合はステップS11へ進む。
ステップS8では、S7での目標駆動トルク≦負トルク判定閾値であるとの判断に続き、タイマー2カウントを開始し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、S8でのタイマー2カウント開始に続き、タイマー2(タイマー2による経過時間)が負トルク判定時間以上であるか否かを判断する。YES(タイマー2≧負トルク判定時間)の場合はステップS10へ進み、NO(タイマー2<負トルク判定時間)の場合はリターンへ進む。
ステップS10では、S9でのタイマー2≧負トルク判定時間であるとの判断に続き、トルク領域判定=負トルクとし、タイマー2をリセットし、リターンへ進む。
エンジン始動制御で第2クラッチ5(CL2)が目標スリップ量による半クラッチ状態のままであるというCL2締結フェーズ移行判断を行い、ステップS8へ進む。
ステップS11では、S7での目標駆動トルク>負トルク判定閾値であるとの判断に続き、目標駆動トルクが正トルク判定閾値以上であるか否かを判断する。YES(目標駆動トルク≧正トルク判定閾値)の場合はステップS12へ進み、NO(目標駆動トルク<正トルク判定閾値)の場合はリターンへ進む。
ステップS12では、S11での目標駆動トルク≧正トルク判定閾値であるとの判断に続き、タイマー3カウントを開始し、ステップS13へ進む。
ステップS13では、S12でのタイマー3カウント開始に続き、タイマー3(タイマー3による経過時間)が正トルク判定時間以上であるか否かを判断する。YES(タイマー3≧正トルク判定時間)の場合はステップS14へ進み、NO(タイマー3<正トルク判定時間)の場合はリターンへ進む。
ステップS14では、S13でのタイマー3≧正トルク判定時間であるとの判断に続き、トルク領域判定=正トルクとし、タイマー3をリセットし、リターンへ進む。
図12は、モータコントローラ22の制振制御部22aで実行される制振制御動作中のモータトルク制限処理の流れを示す。以下、図12の各ステップについて説明する。
ステップS21では、スタートに続き、図11のフローチャートにしたがってトルク領域判定演算を行い、ステップS22へ進む。
ステップS22では、S21でのトルク領域判定演算に続き、トルク領域判定=正トルク、又は、ブレーキOFFであるか否かを判断する。YES(トルク領域判定=正トルク、又は、ブレーキOFFである)の場合はステップS23へ進み、NO(トルク領域判定=正トルク、又は、ブレーキOFFでない)の場合はステップS25へ進む。
ステップS23では、S22でのトルク領域判定=正トルク、又は、ブレーキOFFであるとの判断に続き、制限判定=OFFとし、タイマーリセットし、ステップS24へ進む。
ステップS24では、S23での制限判定=OFF、タイマーリセットに続き、上限トルク+A、下限トルク−Aとし、リターンへ進む。
ここで、「上限トルク+A、下限トルク−A」とは、モータトルク制限を実施せず、制振制御におけるモータトルクの動作制限範囲(±A)のトルク変動を許容することをあらわす。
ステップS25では、S23でのトルク領域判定=正トルク、又は、ブレーキOFFでないとの判断に続き、トルク領域判定=低トルクであるか否かを判断する。YES(トルク領域判定=低トルクである)の場合はステップS26へ進み、NO(トルク領域判定=低トルクでない)の場合はステップS31へ進む。
ステップS26では、S25でのトルク領域判定=低トルクでないとの判断に続き、制振制御がOFF→ON、又は、制振判定がONであるか否かを判断する。YES(制振制御がOFF→ON、又は、制振判定がONである)の場合はステップS27へ進み、NO(制振制御がOFF→ON、又は、制振判定がONでない)の場合はステップS32へ進む。
ステップS27では、S26での制振制御がOFF→ON、又は、制振判定がONであるであるとの判断に続き、タイマーカウントを開始し、制限判定=ONとし、ステップS28へ進む。
ステップS28では、S27でのタイマーカウント、制限判定=ONに続き、タイマーが時間T1未満か否かを判断する。YES(タイマー<時間T1)の場合はステップS29へ進み、NO(タイマー≧時間T1)の場合はステップS30へ進む。
ここで、「時間T1」は、制振制御を再開したときに誤作動が高くなる最大時間を実験等により取得し、この取得した最大時間により決められる。
ステップS29では、S28でのタイマー<時間T1であるとの判断に続き、上限トルク+C、下限トルク=−Bとし、リターンへ進む。
ここで、「上限トルク+C」とは、モータトルク制限をゼロ、若しくは、ゼロに近い値まで実施することをあらわす。下限トルク−Bとは、制振制御におけるモータトルクの動作制限範囲(−A)よりさらにトルク制限することをあらわす。つまり、モータトルク制限値であるA,B,Cの絶対値は、|C|<|B|<|A|という関係にある。
ステップ30では、ステップS28でのタイマー≧時間T1であるとの判断に続き、制限判定をOFFにし、ステップS32へ進む。
ステップS31では、ステップS25でのトルク領域判定=低トルクでないとの判断(トルク領域判定=負トルク)に続き、制限判定=OFFとし、タイマーリセットし、ステップS32へ進む。
ステップS32では、ステップS26でのNOとの判断、或いは、ステップS30での制限判定=OFF、或いは、ステップS31での制限判定=OFF、タイマーリセットに続き、上限トルク+B、下限トルク=−Bとし、リターンへ進む。
ここで、「上限トルク+B、下限トルク=−B」とは、制振制御におけるモータトルクの動作制限範囲(±A)よりさらにトルク制限することをあらわす。
次に、実施例1の作用を、「比較例での制振制御中のモータトルク制限技術の課題」、「実施例1における制振制御中のモータトルク制限作用」に分けて説明する。
[比較例での制振制御中のモータトルク制限技術の課題]
ブレーキ減速から停車するシーンにおいて、ブレーキ作動中のみ制振制御におけるモータトルク動作範囲を通常より制限する制御を行うものを比較例1とする。比較例1では、図13に示すように、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲として、モータトルクが減速停車直前までの負トルク区間でトルク制限±Bで与えられ、正トルク区間でトルク制限±Aで与えられる。
比較例1の場合、図13に示すように、時刻t1から時刻t2までの間、減速ダウンシフト中であることにより制振制御を禁止し、時刻t2で減速ダウンシフトが終了すると、制振制御が再開される。この時刻t2以降においては、タイヤからの反力が制振制御のF/B制御系の外乱要素となり、変速終了後に制振制御を再開する際、時刻t2から時刻t3までの制御系が安定するまでの間、モータトルクが必要以上に変動する。つまり、ブレーキ減速中の制振制御はブレーキによる外乱により減速中に制振制御をOFFからONにすると誤作動を引き起こす可能性がある。通常は入力回転の変動をみてその変動を低減するように動作するが、誤作動時は入力回転の変動とは関係なくモータトルクが動作してしまう。
よって、比較例1では、制振制御の誤作動により、図13の矢印Dで示す枠内のモータトルク指令特性に示すように、時刻t2から時刻t3の間において、モータトルク特性がトルク制限+Bの限界に沿う特性になることがある。この場合、図13の矢印Dで示す枠内の加速度特性に示すように、時刻t2から時刻t3の間において、一時的に減速度が低下して加速感が出てしまう、という課題がある。
そこで、上記課題を解消するために、比較例1の制御に、制振制御による駆動力変動への影響が大きい低トルク領域だけ、制振制御におけるモータトルク動作範囲をブレーキ作動中の制限量よりさらに大きくする制御としたものを比較例2とする。比較例2では、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲として、低トルク区間でトルク制限+0とトルク制限−Bで与えられ、モータトルクが減速停車直前までの負トルク区間でトルク制限±Bで与えられる。
しかしながら、比較例2にあっては、低トルク区間においてトルク制限+Cにより制振制御中のモータトルクの正方向の動作範囲を大きく制限すると、モータトルクを大きく制限したことでブレーキ減速開始直後のシーンで、駆動力変動が悪化する、という新たな課題が発生する。
即ち、図14の矢印Eに示すように、ブレーキ減速開始直後のシーンでは、駆動トルク急変による捻じれを抑制するため、制振制御でモータトルクを正側に補正する必要があった。しかし、図14の矢印Fに示すように、制振制御の誤作動を防止するため、低トルク区間で制振制御の上下限トルク制限(+0、−B)に制限したことで、制振制御によりモータトルクを正側に補正することができなかった。
その結果、EV走行からのブレーキON時、目標駆動トルクが正トルクから負トルクに移行するところで、入力トルクが急変し、図14の時刻t3前後における加速度変動特性から明らかなように、駆動系の捻じれによる駆動力変動が発生した。
[実施例1における制振制御中のモータトルク制限作用]
実施例1のトルク制御は、上記課題に着目してなされたもので、ブレーキ作動中、目標駆動トルクがゼロトルク付近に設定された正トルク判定閾値より高い正側から負側に切り替わる場合、目標駆動トルクが負側の負トルク判定閾値に達するまでの間は、制振制御におけるモータトルクの動作制限を緩和する。一方、ブレーキ作動中、目標駆動トルクが負トルク判定閾値より低い負側から正側に切り替わる場合、目標駆動トルクが正トルク判定閾値に達するまでの間は、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限の実施を許容するのが特徴である。以下、図15のタイムチャートにより制振制御中のモータトルク制限作用を説明する。
まず、EVモードでの走行中、ブレーキ踏み込み操作をして減速停止するシーンにおいて、ブレーキ作動開始時刻t1から時刻t3までのブレーキ減速開始直後のシーンは、「正トルク判定」とされる。
即ち、AT入力トルク(=EVモードでの目標駆動トルク)が正トルク判定閾値より高い時刻t1では、図11のフローチャートにおいて、S1→S2→S7→S11→S12→S13→S14→リターンへと進み、S14では、トルク領域判定=正トルクとされる。その後、時刻t2にてAT入力トルクが負トルク判定閾値以下になると、図11のフローチャートにおいて、S1→S2→S7→S8→S9→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、AT入力トルクが負トルク判定閾値以下である状態をタイマー2の時間継続すると、連続判定により時刻t3にて、S9からS10→リターンへと進み、S9では、トルク領域判定=負トルクとされる。
よって、ブレーキ作動開始時刻t1から時刻t3までは、図12のフローチャートにおいて、S21→22→S23→S24→リターンへと進み、ステップS24では、「正トルク判定」に基づいて、上限トルク=+A、下限トルク−Aとされる。このため、ブレーキ減速開始直後シーンにおいて、図15の矢印Gで示す枠内のモータトルク特性に示すように、制振制御によりモータトルクを正側に補正することが許容される。
その結果、EV走行からのブレーキON時、目標駆動トルクが正トルクから負トルクに移行するところで入力トルクが急変しても制振制御によりモータトルクが正側に補正され、ブレーキ減速開始シーンにおける駆動力変動を低減することができる。
次に、減速停止するシーンにおいて、正トルク判定から負トルク判定への切り替え時刻t3から時刻t6までのブレーキ減速中のシーンは、「負トルク判定」とされる。
即ち、AT入力トルク(=EVモードでの目標駆動トルク)が負トルク判定閾値より低い時刻t3では、図11のフローチャートにおいて、S1→S2→S3へと進む。このS3において目標駆動トルクが低トルク判定閾値以上になる時刻t5までは、トルク領域判定=負トルクが維持される。その後、時刻t5にてAT入力トルクが低トルク判定閾値以上になると、図11のフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、AT入力トルクが低トルク判定閾値以上である状態をタイマー1の時間継続すると、連続判定により時刻t6にて、S5からS6→リターンへと進み、S6では、トルク領域判定=低トルクとされる。
よって、ブレーキ作動開始時刻t3から時刻t6までは、図12のフローチャートにおいて、S21→22→S25→S31→S32→リターンへと進み、ステップS32では、「負トルク判定」に基づいて、上限トルク=+B、下限トルク−Bとされる。
その結果、ブレーキ減速中のシーンにおいては、時刻t4〜時刻t5の変速中による制振制御禁止区間を除いて、AT入力トルクのトルク動作範囲を上下限トルク±Bにより制限を受けながらの制振制御になる。
次に、ブレーキ減速停止するシーンにおいて、ブレーキ停止直前時刻t6からブレーキ停止時刻t9までのブレーキ減速停止シーンは、「低トルク判定」とされる。
即ち、AT入力トルク(=EVモードでの目標駆動トルク)が負トルク判定閾値から正トルク判定閾値までの時刻t6から時刻t8の間は、図11のフローチャートにおいて、S1→S2→S7→S11→リターンへと進む流れが繰り返され、トルク領域判定=低トルクが維持される。その後、時刻t8にてAT入力トルクが正トルク判定閾値以上になると、図11のフローチャートにおいて、S1→S2→S7→S11→S12→S13→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、AT入力トルクが正トルク判定閾値以上である状態をタイマー3の時間継続すると、連続判定により時刻t9にて、S13からS14→リターンへと進み、S14では、トルク領域判定=正トルクとされる。
よって、ブレーキ停止直前時刻t6からブレーキ停止時刻t9までのブレーキ減速停止シーンまでは、図12のフローチャートにおいて、S21→S22→S25→S26→S27→S28→S29→リターンへと進み、ステップS29では、「低トルク判定」に基づいて、上限トルク=+C、下限トルク−Bとされる。このため、ブレーキ減速開始直後シーンにおいて、図15の矢印Hで示す枠内のモータトルク特性に示すように、制振制御によりモータトルクを正側に補正することが制限される。そして、時刻t6からターマーの時間T1を経過した時刻t7になると、図12のフローチャートにおいて、S28からS30→S32→リターンへと進み、ステップS32では、上限トルク=+B、下限トルク−Bに切り替えられる。
その結果、実施例1の場合、時刻t5で減速ダウンシフトが終了すると、制振制御が再開されると、時刻t6から時刻t7までの制御系が安定するまでの間、モータトルクが必要以上に変動する。しかし、図15の矢印Hで示す枠内のモータトルク特性に示すように、時刻t6から時刻t7の間において、ブレーキ減速中の制振制御再作動シーンにおける駆動力変動を抑制することができる。
以上説明したように、実施例1のハイブリッド車両のトルク制御方法及びトルク制御装置にあっては、下記に列挙する効果を奏する。
(1) 走行用駆動源にモータ(モータ/ジェネレータ2)を備える。
モータに対して、車両の目標駆動トルクを得るモータトルクに車両挙動変化を打ち消すモータトルク分を付加したモータトルク指令を出力する制振制御を行う電動車両(ハイブリッド車両)のトルク制御方法である。
ブレーキ作動中、目標駆動トルクがゼロトルク付近に設定された正トルク判定閾値より高い正側から負側に切り替わる場合、目標駆動トルクが負側の負トルク判定閾値に達するまでの間は、制振制御におけるモータトルクの動作制限を緩和する。
ブレーキ作動中、目標駆動トルクが負トルク判定閾値より低い負側から正側に切り替わる場合、目標駆動トルクが正トルク判定閾値に達するまでの間は、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限の実施を許容する(図15)。
このように、目標駆動トルクの切り替わり方向により制振制御でのモータトルク動作制限を異ならせる。この結果、ブレーキ減速開始シーンにおける駆動力変動の低減とブレーキ減速中の制振制御再作動シーンにおける駆動力変動の抑制との両立を図る電動車両(ハイブリッド車両)のトルク制御方法を提供することができる。
(2) モータ(モータ/ジェネレータ2)から駆動輪7までの駆動系に自動変速機3を備える。
ブレーキ減速中に自動変速機3の変速制御開始により制振制御を禁止し、変速制御終了により制振制御を再開する場合、制振制御を再開してから所定時間(時間T1)に限り制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限を実施する(図12)。
このように、制振制御時のモータトルクの動作を大幅に制限する時間を必要最小限にすることで、再加速や再減速時にモータトルクが変動した場合のパワートレーン系の捻じれ振動を抑制できなる頻度を下げることができる。
(3) ブレーキ作動中、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限を実施する際、モータトルク制限を正トルク側(上限トルク=+C)だけに限定する(図12)。
このように、制振制御時のモータトルクの動作を大幅に制限するのを正側に限定することで、大幅に制限している最中に再加速や再減速された場合でもパワートレーン系の捻じれ振動を制振制御により低減することができる。但し、制振制御による振動低減を100%発揮することはできないが、制振制御が全く動作しないよりは振動は低減できる。
(4) ブレーキ減速開始シーンの際、モータトルクが正トルク判定閾値より低下しても負トルク判定閾値に達するまでの間、モータトルク制限を実施せず、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲のトルク変動を許容する(図12)。
このように、制振制御時のモータトルクの動作を許容することで、ブレーキ減速開始シーンの際、入力トルクが大きく変動してもパワートレーン系の捻じれ振動を制振制御により低減することができる。
(5) 電動車両(ハイブリッド車両)のトルク制御装置は、トルク領域判定処理部20aと、制振制御部22aと、を備える。
トルク領域判定処理部20aは、
目標駆動トルクがゼロトルク付近に設定された正トルク判定閾値より高い正側から負側に切り替わる場合、負側に設定された負トルク判定閾値に達するまでの間は、トルク領域判定を正トルク判定とする。
目標駆動トルクが負トルク判定閾値より低い負側から正側に切り替わる場合、目標駆動トルクが負側の低トルク判定閾値から正トルク判定閾値に達するまでの間は、トルク領域判定を低トルク判定とする。
制振制御部22aは、
トルク領域判定が正トルク判定であると、ブレーキ作動中の制振制御におけるモータトルクの動作制限を緩和する。
トルク領域判定が低トルク判定であると、ブレーキ作動中の制振制御におけるモータトルクの動作制限範囲を狭くするモータトルク制限の実施を許容する(図11、図12)。
このように、目標駆動トルクの切り替わり方向により制振制御でのモータトルク動作制限を異ならせる。この結果、ブレーキ減速開始シーンにおける駆動力変動の低減とブレーキ減速中の制振制御再作動シーンにおける駆動力変動の抑制との両立を図る電動車両のトルク制御装置を提供することができる。
以上、本開示の電動車両のトルク制御方法及びトルク制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、制振制御部22aとして、ブレーキ減速中に変速制御終了により制振制御を再開する場合、制振制御を再開してから所定時間(時間T1)に限り制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限を実施する例を示した。しかし、制振制御部としては、図16の矢印H’で囲まれるモータトルク特性に示すように、低トルク判定である時刻t6〜時刻t9までの間、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限を実施する例としても良い。
実施例1では、制振制御部22aとして、ブレーキ作動中、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限を実施する際、モータトルク制限を正トルク側(上限トルク=+C)だけに限定する例を示した。しかし、制振制御部としては、ブレーキ作動中、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限を実施する際、正トルク側と負トルク側の両方でモータトルク制限を実施する例としても良い。
実施例1では、本開示のトルク制御方法及びトルク制御装置を、1モータ・2クラッチと呼ばれるパワートレーン構造を備えるハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本開示のトルク制御方法及びトルク制御装置は、走行用駆動源にモータ鑿を備える電気自動車に適用しても良いし、また、EVモードを有し、実施例1以外のパワートレーン構造を備えるハイブリッド車両に対しても適用することもできる。
1 エンジン
2 モータ/ジェネレータ(モータ)
3 自動変速機
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
6 ディファレンシャルギヤ
7 駆動輪
10 CL1インプット回転センサ
11 CL1アウトプット回転センサ
12 AT入力回転センサ
13 AT出力回転センサ
14 第1ソレノイドバルブ
15 第2ソレノイドバルブ
20 統合コントローラ
20a トルク領域判定処理部
20b エンジン始動制御部
21 エンジンコントローラ
22 モータコントローラ
22a 制振制御部
23 ブレーキスイッチ
25 ATコントローラ

Claims (5)

  1. 走行用駆動源にモータを備え、
    前記モータに対して、車両の目標駆動トルクを得るモータトルクに車両挙動変化を打ち消すモータトルク分を付加したモータトルク指令を出力する制振制御を行う電動車両のトルク制御方法において、
    ブレーキ作動中、前記目標駆動トルクがゼロトルク付近に設定された正トルク判定閾値より高い正側から負側に切り替わる場合、前記目標駆動トルクが負側の負トルク判定閾値に達するまでの間は、前記制振制御におけるモータトルクの動作制限を緩和し、
    ブレーキ作動中、前記目標駆動トルクが前記負トルク判定閾値より低い負側から正側に切り替わる場合、前記目標駆動トルクが前記正トルク判定閾値に達するまでの間は、前記制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限の実施を許容する
    ことを特徴とする電動車両のトルク制御方法。
  2. 請求項1に記載された電動車両のトルク制御方法において、
    前記モータから駆動輪までの駆動系に自動変速機を備え、
    ブレーキ減速中に前記自動変速機の変速制御開始により前記制振制御を禁止し、変速制御終了により前記制振制御を再開する場合、前記制振制御を再開してから所定時間に限り制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限を実施する
    ことを特徴とする電動車両のトルク制御方法。
  3. 請求項2に記載された電動車両のトルク制御方法において、
    ブレーキ作動中、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲を狭くするモータトルク制限を実施する際、モータトルク制限を正トルク側だけに限定する
    ことを特徴とする電動車両のトルク制御方法。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載された電動車両のトルク制御方法において、
    ブレーキ減速開始シーンの際、モータトルクが前記正トルク判定閾値より低下しても前記負トルク判定閾値に達するまでの間、モータトルク制限を実施せず、制振制御におけるモータトルク動作制限範囲のトルク変動を許容する
    ことを特徴とする電動車両のトルク制御方法。
  5. 走行用駆動源にモータを備える車両の目標駆動トルクを演算し、前記目標駆動トルクのトルク領域判定を行うトルク領域判定処理部と、
    前記モータに対して、前記目標駆動トルクを得るモータトルクに車両挙動変化を打ち消すモータトルク分を付加したモータトルク指令を出力する制御を行う制振制御部と、
    を備える電動車両のトルク制御装置において、
    前記トルク領域判定処理部は、
    前記目標駆動トルクがゼロトルク付近に設定された正トルク判定閾値より高い正側から負側に切り替わる場合、負側に設定された負トルク判定閾値に達するまでの間は、トルク領域判定を正トルク判定とし、
    前記目標駆動トルクが前記負トルク判定閾値より低い負側から正側に切り替わる場合、前記目標駆動トルクが負側の低トルク判定閾値から前記正トルク判定閾値に達するまでの間は、トルク領域判定を低トルク判定とし、
    前記制振制御部は、
    前記トルク領域判定が正トルク判定であると、ブレーキ作動中の制振制御におけるモータトルクの動作制限を緩和し、
    前記トルク領域判定が低トルク判定であると、ブレーキ作動中の制振制御におけるモータトルクの動作制限範囲を狭くするモータトルク制限の実施を許容する
    ことを特徴とする電動車両のトルク制御装置。
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