JP2017085035A - 紫外発光ダイオードおよびそれを備える電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリア注入効率を高め、外部量子効率ηEQEが改善された紫外発光ダイオード(UVLED)を提供する。
【解決手段】UVLED素子は、n型導電層、発光層、電子ブロック層、およびp型コンタクト層をこの順に備えている。p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーEcontactおよび電子ブロック層のバンドギャップエネルギーEEBLがEcontact≦EEBLを満たしている。ホールに対するバリア高さが300meV以下である。
【選択図】図4

Description

本発明は紫外発光ダイオードおよびそれを備える電気機器に関する。さらに詳細には、本発明はキャリアの注入効率を高めた紫外発光ダイオードおよびそれを備える電気機器に関する。
窒化物半導体を利用する固体発光素子として、青色発光ダイオードが広く実用に付されている。より短い波長をもつ紫外域のために固体発光素子である窒化物半導体を利用した紫外発光ダイオード(UVLED)も開発されている。紫外域のうち350nm以下の深紫外域の紫外線、特にUVC波長帯の一部となる260〜280nm程度の波長域の紫外線では、殺菌、浄水から医療応用まで広汎な用途が見込まれ、UVC波長帯のLEDすなわち深紫外LEDの開発も進められている。典型的な深紫外LEDの構成は、サファイア基板もしくはAlN単結晶基板を利用し、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、および窒素(N)を主な組成としインジウム(In)も含むことがある窒化ガリウムアルミニウム系の半導体による積層構造体を備えるものである。深紫外LEDでは出力の向上も図られており、10mW程度の紫外線出力にて動作する深紫外LEDも実用化されている。
深紫外LEDの技術課題の一つに発光効率の改良を挙げることができる。発光効率の指標の一つが、外部量子効率ηEQEであり、これは、外部に放出される単位時間当たりのフォトン数を、駆動電流をなす単位時間当たりのキャリア数で除算することにより定義される。この外部量子効率ηEQEは、内部量子効率ηIQE、キャリア注入効率ηINJ、および光取出し効率ηLEEの3つの因子の積の形により表現される。すなわち、
ηEQE=ηIQE×ηINJ×ηLEE
の関係が成立する。
これまでの開発の結果、深紫外LEDにおける上記3つの因子のうち、内部量子効率ηIQEについては飛躍的向上が達成され、光取出し効率ηLEEについても進展してきた。そこで、キャリア注入効率ηINJを改善することが喫緊の課題となっている。特に、深紫外で発光させる場合、発光の光子エネルギーを左右するバンドギャップや発光後の透過率を高めて光取出し効率ηLEEを維持するために、p型層のためにアルミニウム分率を高めたp型AlGaNが採用される。しかしこの場合にはキャリア注入効率ηINJが向上しにくくなるという問題が生じる。その一因は、Mgアクセプターが高い活性化エネルギーを示し自己補償効果も強く現われてホール濃度を高めることが困難となるためである。
pn接合のためにp型AlGaNを採用した場合に上記問題を克服してキャリア注入効率ηINJを改善する一つの手法が、発光層とp型コンタクト層との間の位置にバンドギャップの広い組成の電子ブロック層(EBL)を導入する対策である。このEBLの一形態としては多重量子障壁(MQB)層を採用する手法も知られている。特に、MQB層を採用した場合には、電子の物質波の多重反射により実質的な障壁高さを高めることができることから、ホール濃度を高めにくく結果としてEBLの障壁高さも高めにくくなるようなアルミニウム分率が高い組成のp型AlGaN層においても、EBLの機能を確保しやすくなる(特許文献1)。
国際公開第2011/104969号
I. Vurgaftman and J.R. Meyer, "Band parameters for nitrogen-containing semiconductors", J. Appl. Phys. 94, 3675 (2003) M. Androulidaki et al., "Energy gaps and bowing parameters of InAlGaN ternary and quaternary alloys", phys. stat. sol. (c) 3, No. 6, 1866-1869 (2006)
本願の発明者らは、UVLEDにおいてキャリア注入効率ηINJの低さを克服する手法をかねてから探索してきた。その過程において、MQB層を含め、EBLを採用しても期待通りの動作が実現できない現象がしばしば観察されることに気づいた。
本発明は、キャリア注入効率ηINJを高めるために本質的な解決策を提供することにより、外部量子効率ηEQEが改善されたUVLEDを提供し、もってUVLEDを採用する電気機器の高性能化に寄与するものである。
本願の発明者らは、MQB層や単一バリアといったEBLを採用する場合において、キャリア注入効率ηINJが期待通りとならない状況を詳しく調査した。その結果、キャリア注入効率ηINJが、EBLとAlGa1−yN(0≦y≦1)の組成のp型コンタクト層との間で相対的に決定される価電子帯オフセットに対し強く依存していることを見出した。p型コンタクト層のAlGa1−yN(0≦y≦1)のアルミニウム分率yに対しEBLの作用がどのように変化するかを詳細に調査する必要があるといえる。そこで、AlGaNを採用するLEDのバンドラインナップおよびキャリアカレント(電荷流)を求める数値シミュレーションを、EBLに接する位置のp型コンタクト層のAlGa1−yN(0≦y≦1)のアルミニウム分率yを種々変更しながら実施し、本発明が創出された。
すなわち、本発明のある態様では、Inx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1<1,0<y1≦1)n型導電層と、発光層と、Inx2Aly2Ga1−x2−y2N(0≦x2<1,0<y2≦1)電子ブロック層と、Inx3Aly3Ga1−x3−y3N(0≦x3<1,0<y3≦1)p型コンタクト層とをこの順に備え、前記p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーEcontactおよび前記電子ブロック層のバンドギャップエネルギーEEBLがEcontact≦EEBLを満たしている紫外発光ダイオードが提供される。
また、本発明のある態様では、Inx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1<1,0<y1≦1)n型導電層と、発光層と、Inx2Aly2Ga1−x2−y2N(0≦x2<1,0<y2≦1)電子ブロック層と、Inx3Aly3Ga1−x3−y3N(0≦x3<1,0<y3≦1)p型コンタクト層とをこの順に備え、前記電子ブロック層における価電子帯のエネルギーの最大値とホールの擬フェルミ準位の値とのエネルギー差により定められるホールに対するバリア高さが、300meV以下である紫外発光ダイオードが提供される。
本発明のいずれかの態様においては、キャリア注入効率ηINJを高め外部量子効率ηEQEが改善されたUVLEDが提供される。
本発明の実施形態におけるUVLED素子100の概略構成を示す概略断面図である。 本発明のある実施形態のUVLEDのためのシミュレーション結果を示すグラフであり、アルミニウム分率y=0のp型コンタクト層について、厚み方向の位置に対するバンドダイヤグラム(図2A)および電流密度分布(図2B)を示すグラフである。 アルミニウム分率y=0.4のp型コンタクト層について、バンドダイヤグラム(図3A)および電流密度分布(図3B)を示すグラフである。 アルミニウム分率y=0.8のp型コンタクト層について、バンドダイヤグラム(図4A)および電流密度分布(図4B)を示すグラフである。 アルミニウム分率y=1.0のp型コンタクト層について、バンドダイヤグラム(図5A)および電流密度分布(図5B)を示すグラフである。 本発明のある実施形態のUVLEDのためのシミュレーション結果をまとめたグラフである。 本発明のある実施形態のUVLEDのためのシミュレーションによって判明したp型コンタクト層のアルミニウム分率に対するホールに対するバリア高さの依存性のグラフである。 本発明のある実施形態においてキャリア注入効率のホールに対するバリア高さ依存性のグラフである。 図9Aは、本発明のある実施形態においてバンドラインナップにおける価電子帯オフセットとMgの活性化エネルギーのアルミニウム分率依存性であり、図9Bは、それらの和と図7に示したホールに対するバリア高さのアルミニウム分率依存性とを重ねて示すグラフである。
以下、本発明に係る紫外LED素子(以下、「UVLED素子」という)に関する実施形態を図面に基づき説明する。当該説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また各図は各部の互いの縮尺を保って示されてはいない。
1.UVLED素子の構成
図1は本実施形態におけるUVLED素子100の概略構成を示す概略断面図である。UVLED素子100では、典型的には概して平板状のα−Al単結晶であるサファイア基板110の一方の面104にAlN結晶等の材質のバッファー層120がエピタキシャル成長される。そのバッファー層120に接してn型導電層132、発光層134、および電子ブロック層(EBL)138がこの順に積層しエピタキシャル成長により形成されている。これらの層の材質は、典型的にはAlGaNまたはそれに微量元素(n型のためにはSi、p型のためにはMgなど)をドーピングした組成である。n型導電層132にはn型電極140が電気的に接続されている。これに対し、EBL138にはp型コンタクト層150さらに光反射器としても利用されるp型電極160が配置される。p型電極160は、p型コンタクト層150を介し、EBL138との電気的接続を確立している。そして、サファイア基板110の他方の面である光取出し面102から光出力が放射される。
n型導電層132は、n型になるようSiがドーピングされた層すなわちAlGaN;Si層である。後述するシミュレーションで計算に採用する条件(「典型的条件」)では、例えば100nm厚のAl0.54Ga0.46N;Si層である。発光層134は例えばMQW(多重量子井戸)積層体であり、典型的条件では3つの量子井戸を含む周期構造とされて、2nm厚のAl0.34Ga0.66N組成の量子井戸を3層配し、その間に4nm厚のAl0.54Ga0.46N組成の障壁層を置くものを採用する。量子井戸の第3層目の次には、さらにスペーサー層を含んでおり、典型的条件では10nm厚のAl0.54Ga0.46N組成の層をそのスペーサー層のために採用する。発光層134のMQW積層体はこのような内部構造をもつ。
EBL138およびp型コンタクト層150は、p型導電性となるようMgをドープしたAlGaNの層すなわちAlGaN;Mg層である。そのうちEBL138は、例えば広いバンドギャップを持つようにAl分率が高められた単一層のAlGaN;Mg層である。実施の際には、任意選択としてEBL138をMQBにより構成することもできる。典型的条件では、EBL138は16nm厚のAl0.9Ga0.1N組成とする。p型コンタクト層150は、典型的条件では100nm厚のAlGa1−yN組成とする。後述するシミュレーションではこのアルミニウム分率yを0≦y≦1の範囲で変化させることにより、EBL138とp型コンタクト層150との間で相対的に決定されるバンドオフセットを変化させて動作を検証する。
n型導電層132ならびにp型層(EBL138およびp型コンタクト層150)ではそれぞれにSiおよびMgが適切な濃度となるようにドーピングされ、典型的条件でのドーピング濃度はそれぞれ5×1018/cmおよび3×1019/cmである。
2.シミュレーション
上述したUVLED素子100の構成を採用した場合のキャリア注入効率ηINJを予測するために計算機による数値シミュレーションを実施した。当該数値シミュレーションに際し、本願の発明者は、LED素子におけるバンド設計のためのソフトウエア("SiLENSe"、STR Group, Inc. サンクトペテルブルク市、ロシア)を採用した。また、AlGaNのすべての層がAl0.54Ga0.46Nと格子整合していること、および、n型およびp型の双方でオーミックコンタクトが実現していること、との仮定を置いた。他の条件は上述した典型的条件に一致させた。
図2〜5は本実施形態のUVLED100のためのシミュレーション結果を示すグラフであり、p型コンタクト層150のアルミニウム分率yを、y=0(図2)、y=0.4(図3)、y=0.8(図4)および、y=1.0(図5)と変化させている。図2A、3A、4A、5Aは厚み方向の位置に対するバンドダイヤグラムであり、電子のバンドプロファイルと、電子およびホール(正孔)の擬フェルミ準位(それぞれEFn、EFp)を示している。図2B、3B、4B、5Bは電流密度分布を示しており、やはり電子およびホールについて示している。各グラフの横軸zはn型導電層132〜p型コンタクト層150の範囲の積層厚方向の座標であり、EBL138およびp型コンタクト層150は、それぞれ、124nm≦z≦140nmの範囲および140nm≦z≦240nmの範囲を占めている。シミュレーション計算の条件は電流密度を10A/cmに固定し、オージェ過程も考慮される計算とした。
図2〜5に示すように、バンドプロファイルおよび擬フェルミ準位は、p型コンタクト層150のアルミニウム分率yに対し大きく変動した。アルミニウム分率yが増大すると、Mgアクセプターの活性化エネルギーが増大し、それによりp型コンタクト層150におけるホールの擬フェルミ準位EFpは価電子帯端に対して上昇する(図2A、3A、4A、5A)。その際、ホール濃度は、アルミニウム分率yの増大に応じ1×1018/cm(p−GaNの場合)から3×1015/cm(p−AlNの場合)まで単調に減少している。
これに対し、発光層134へのキャリア注入効率は単調に変化するわけではない。図2Aおよび図2Bのp型GaN(アルミニウム分率y=0)の場合、ホール注入効率が低く、再結合することなく殆どすべての電流がLED全体を通り抜けてしまい、キャリア注入効率ηINJが小さな値にとどまっている。そこからアルミニウム分率yが増してゆくと、キャリアは再結合しはじめ、キャリア注入効率が改善してゆく(図3B)。そしてアルミニウム分率y=0.8になると、ほとんどすべてのキャリアが量子井戸にて再結合し、キャリア注入効率が1に近付く(図4B)。ところが、図5Bに示したとおり、過大なアルミニウム分率yでは急激にホール注入効率が低下し、キャリア注入効率ηINJも悪化することとなる。
図6は、上記シミュレーション結果をまとめたグラフである。横軸はp型コンタクト層150のアルミニウム分率yであり、縦軸はキャリア注入効率ηINJである。yEBLが示す位置はシミュレーションで採用したEBL138におけるアルミニウム分率yの値(0.9)である。上述したように、キャリア注入効率ηINJは、アルミニウム分率yを0から増大させるとyの値に対し超線形的な増加を示し、y=0.8の位置で最大値をとる。そしてアルミニウム分率yがEBL138における値yEBL以上となる付近ではキャリア注入効率ηINJは急速に低下する。この結果は、ホールの注入効率の観点から見てAlGaNを材質とするp型コンタクト層150がアルミニウム分率yの最適値を持ちうることを明確に示すものである。
3.解析
上記シミュレーション結果を解析することにより、本願の発明者らは、ホールの注入効率の値を決定するものがEBL138におけるホールに対するバリア高さであると考えるに至った。本文脈でのホールに対するバリア高さとは、「EBLにおける価電子帯のエネルギーの最大値とホールの擬フェルミ準位の値とのエネルギー差」と定義される。当該バリア高さは位置に依存していることから、EBL138の厚み全域にわたる幾何平均を採用する。
図7は本シミュレーションによって判明したp型コンタクト層150のアルミニウム分率に対する、ホールに対するバリア高さの依存性のグラフである。図7にはアルミニウム分率yが異なるp型コンタクト層150についてのホールに対するバリア高さが示されている。当該バリア高さは、アルミニウム分率が増加するにつれて減少し、y=0.8のところで最小値を示す。この傾向は、図6に示したアルミニウム分率y−キャリア注入効率ηINJとの関連を示唆するといえることから、さらに図8に、キャリア注入効率ηINJをバリア高さの関数としてプロットした。図8中の曲線は目安のために示したものである。アルミニウム分率yの値に対し上に凸(図6)また下に凸(図7)という依存性が見出されていたホールに対するバリア高さとキャリア注入効率との間には、図8により明らかなように、むしろ直接的ともいえる一意性が見出される。このことが示すのは、ホール注入効率にとってホールに対するバリア高さが良好な指標となること、すなわち、当該バリア高さがホール注入効率を通じキャリア注入効率ηINJの値を説明する変数といえることである。そして、ホールに対するバリア高さが、300meV以下であれば、計算上は0.8を超す高いキャリア注入効率が実現できることが確かめられた。
次に、ホールに対するバリア高さがp型コンタクト層150のアルミニウム分率yに対して示す依存性(図7)の生成原因を詳述する。図9には、EBL138とp型コンタクト層150との間で価電子帯が示すバンドオフセット(価電子帯オフセット)ΔE、Mgの活性化エネルギーE、そしてそれらの和ΔE+Eを、p型コンタクト層150におけるアルミニウム分率yの関数として示す(図9A)。図9Aには、ΔE、Eの示すバンドとの関係を模式図にて付記している。ホールについての擬フェルミ準位は、バルク近似の極限ではMgアクセプターレベルに比例することから、上記和ΔE+EがEBL138とp型コンタクト層150の界面におけるホールに対するバリア高さの目安を与えるであろう。
アルミニウム分率yが増大するにつれて、活性化エネルギーEは160meVから500meVへと増大することから、バリア高さを増大させ、かつホール濃度を減少させるように現実に作用している。しかし、価電子帯オフセットΔEは、アルミニウム分率yの増大につれて活性化エネルギーE増大よりも急激に減少してゆく。結果、上記和ΔE+Eはアルミニウム分率y増大に対し減少することとなる。図9Bには、再度プロットしたバリア高さ(図7)に合せて上記和ΔE+Eが描かれている。図9Bでは和ΔE+Eの値がバンドベンディングに合せ320meVだけシフトされている。このように、上記和ΔE+Eの値の変化は、ホールに対するバリア高さの変化を見事に再現している。以上から、アルミニウム分率y増大にともなうホールに対するバリア高さの減少が、EBL138とp型コンタクト層150の間の価電子帯オフセットの減少に起因していることが確かめられた。
上述した説明から、アルミニウム分率yが0.8を超す位置でホールに対するバリア高さが急増する現象はこれとは別の機構により生じているといえる。それでも依然として、図8に示したように当該バリア高さがホール注入効率の指標となることは確かめられており、ホール注入効率の改善のためにホールに対するバリア高さを調整することが重要である。
4.バンドギャップ
上述したようにEBL138のホールに対するバリア高さを減少させればキャリア注入効率が高まることが確認された(図8)。しかしホールに対するバリア高さは、p型コンタクト層150のアルミニウム分率yが0.8を超すと急増し、EBL138と一致する0.9を超え1となると最大となる(図7)。上述したようにアルミニウム分率yが0.8を超す組成でのバリア高さの増加は上述したものとは別の機構で説明される。
本願の発明者らは、EBL138における伝導帯の傾斜に注目した。図2A〜図5Aを順にみると、この厚み範囲(124nm≦z≦140nm)における伝導帯の傾斜が、p型コンタクト層150のアルミニウム分率yが0、0.4、0.8では右上がりであるのに対し、アルミニウム分率yが1では右下がりとなっている。アルミニウム分率yが0.8ではほとんどのキャリアが再結合しているのに対し(図4B)、1.0では、再結合せずに通り抜けている(図5B)。これは、アルミニウム分率yがEBL138の値である0.9より少ない領域ではEBL138が電子のブロック機能を果たして電子を堰き止めているのに対し、0.9より多くなるとEBL138が電子を通過させてしまっていることを意味する。右下がりのEBL138の伝導帯は、右方向に移動する電子にとって、実質的なEBL138の厚みを減少させる役割を果たすことから、EBL138のブロック機能は当該アルミニウム分率yが0.8を超えると急速に毀損されている。このように、p型コンタクト層150とEBL138のバンドギャップの大小関係によって、伝導帯のEBL138とp型コンタクト層150の界面での接続の大小関係が決まり、その大小関係が、EBL138における伝導帯の傾斜を通じて電子に対するEBL138の作用の効力を決定している。
具体的には、p型コンタクト層150のバンドギャップが、EBL138のものを超えると、電子がリークすることにより、再結合のためのキャリア注入効率が急速に低下する。したがって、EBL138のバンドギャップエネルギーEEBL
contact≦EEBL
を満たしていることにより、キャリア注入効率の低下を防ぎつつ動作させることができる。ただし、Econtactはp型コンタクト層150のバンドギャップエネルギーである。EEBLおよびEcontactは図4Aに示した例のように各位置で値が決まり、伝導帯と価電子帯のエネルギー差であるため材質が同一の範囲では殆ど一定となる。さらに、上記アルミニウム分率yの増大でp型領域のp型コンタクト層150のホール密度自体が小さくなっていれば、電子が電気伝導を担ってしまいホールは注入されにくくなる。EBL138のホールのバリア高さがこの領域で増大する上述した理由については、EBL138の価電子帯が、伝導帯のp型コンタクト層150に対する界面での大小関係の影響を受けて押し下げられ、価電子帯高さ(紙面下方方向の値)が大きくなるためと説明できることから、ホール注入効率の説明とも矛盾しない。
次に、数値シミュレーションにおけるEBL138およびp型コンタクト層150のバンドギャップエネルギーEgの与え方について説明する。本実施形態では、それらの材質の組成式がInAlGa1−x−yNと表せる場合に、バンドギャップエネルギーEgを次の近似式により与える。
(x,y)=xE InN+yE AlN+(1−x−y)E GaN
−bAl−Inxy−bAl−Ga(1−x−y)y−bGa−Inx(1−x−y)
ただし、E InN、E AlN、およびE GaNは、InN、AlN、およびGaNのバンドギャップエネルギー、bAl−In、bAl−Ga、およびbGa−Inは線形補間からのずれの程度を決定するためのボーイングパラメータ(bowing parameter)、である。
この近似式に使用されるE InN、E AlN、およびE GaNや、bAl−In、bAl−Ga、およびbGa−Inの各値は、理想的には実物を模擬できる値とするべきである一方、信頼できる文献に基づく値を採用することが実際的である。ただし、いずれの上記各値は基づく文献によっても異なる。さらに、バンドギャップエネルギーは、昇温とともに減少する依存性を示す。例えば、ある代表的文献(非特許文献1)では、0K(ケルビン)および300Kのそれぞれの温度でのバンドギャップエネルギーに対し、
AlN=6.25eV(0K),6.21eV(300K)
GaN=3.51eV(0K),3.43eV(300K)
InN=0.78eV(0K),0.76eV(300K)
との値が報告されている。また、bAl−In、bAl−Ga、およびbGa−Inの値も文献によって異なり、例えばbAl−Gaは非特許文献1では0.7eVが推奨され、別の非特許文献2では1.0eVとされている。
そこで、本願の発明者は、バンドギャップエネルギーの値は特に明示しない限り、300Kにおける値を採用することとする。さらに、計算に用いたシミュレーションソフトウエア(SiLENSe)では下記値を使用した上記近似式が採用される。
AlN=6.158eV
GaN=3.438eV
InN=0.642eV
Al−Ga=1.0eV
Ga−In=1.2eV
Al−In=4.5eV
本願の発明者はシミュレーションによる解析に当たりこれらの値をそのまま採用した。なお、ここでのバンドギャップエネルギーは温度300K(室温)での値である。また、本出願の数値シミュレーションにおいて採用したバンドギャップエネルギーは、特段説明の無い場合、温度300Kの値である。留意すべきは、本出願においてバンドギャップエネルギーの大小関係や数値自体により特定される事項が300Kのみで成立するべき事項ではなく、例えば、UVLED素子100における動作時の局所的な素子の温度において各事項が満たされていれば、所期の動作が期待できる点である。
アルミニウム分率に基づいて説明したAlGaNの性質は、その材質にInを含む場合、相応の修正を要する。しかし、特にエネルギーギャップに着目して特徴付けした場合には、そのような修正は不要となり上記近似式でのインジウム分率xを0以外としても、EBL138とp型コンタクト層150のエネルギーギャップに関する説明はそのまま成立する。このことは、アルミニウム分率やインジウム分率といった組成よりもバンドギャップエネルギーこそが効率を決定していると発明者らが考える理由の一つである。
組成の異なる半導体層の接触界面を通過するキャリアの振舞いがバンドギャップエネルギーにより決定されるもう一つの理由は、その界面におけるバンド端のエネルギー差(バンドオフセット)も両側の材質のバンドギャップにより推定できるためである。ホールにとってバンドオフセットを与えるのは上述した価電子帯オフセットΔEである。組成の異なる半導体層の接触界面では、この価電子帯オフセットΔEの値と、電子にとってバンドオフセットを与える伝導帯オフセットΔEの値との和により、界面両側のバンドギャップ同士の差ΔEが説明される。すなわち、
ΔE+ΔE=ΔE
の関係が成り立つ。そして価電子帯オフセットΔEと伝導帯オフセットΔEとでバンドギャップの差ΔEを分け合う比率は、経験則として、AlN−GaNの混晶組成の全域において不変としても差し支えない。本実施形態のシミュレーションでも、AlN−GaNの混晶組成の全域について、
ΔE=0.29ΔE
という関係を仮定することができる。つまり上記経験則に基づいて、界面両側の半導体のバンドギャップエネルギーによりキャリアの振舞いが決定されるという関係が担保されている。
バンドギャップに着目した場合、好ましくは種々の追加の関係によりUVLED素子100の好ましい実施形態を提供することができる。p型コンタクト層150のバンドギャップエネルギーEcontactおよび発光層134にて発光する光の光子エネルギーEemissionがEemission<Econtactを満たしていると、p型コンタクト層150およびそれよりもエネルギーギャップの大きい発光層134が発光される光に対し透明となる。このため、光がp型コンタクト層150で吸収されずUVLED素子100の発光効率が向上する。
また、p型コンタクト層150のアルミニウム分率は、p型コンタクト層150のバンドギャップエネルギーEcontactが4.83eV≦Econtact≦5.45eVを満たすようなものとすると好ましい実施形態となる。p型コンタクト層150のアルミニウム分率をこのように定めれば、発光効率が特に向上する。このようなp型コンタクト層150のアルミニウム分率は、インジウム分率が小さい場合には60%〜80%に相当する。
また、p型コンタクト層150のバンドギャップエネルギーEcontactおよびEBL138のバンドギャップエネルギーEEBLが0≦EEBL−Econtact≦0.966eVを満たす実施形態は好ましいものとなる。p型コンタクト層150およびEBL138がこの条件を満たすような組成にされれば、シミュレーションにより確認された良好な動作が実現される。EBL138が単一障壁でアルミニウム分率が0.9とした上記シミュレーションに具体的に対応させれば、このようなp型コンタクト層150のアルミニウム分率は、60%〜80%に相当する。なお、この組成比の範囲でEEBL−Econtact=0.966eVとなるのは、EBL138が単一障壁のEEBLが5.796eV(アルミニウム分率が0.9)、p型コンタクト層150のEcontactが4.830eV(同、0.6)となるためである。
また好ましい実施形態では、n型導電層132のバンドギャップエネルギーが4.5eV以上とされる。この場合、n型導電層132の光透過率が波長300nmの光に対して80%以上となるため、発光する光にとってn型導電層132が透明となり光取り出し効率が向上する。この条件を満たすn型導電層132は、インジウム分率が小さい場合にはアルミニウム分率を50%以上とすることにより得られる。また、n型導電層132のバンドギャップエネルギーはさらに好ましくは6.2eV以下とされる。これにより、50%以上100%以下の任意のアルミニウム分率に応じた材質によって、n型導電層132を作製することができる。なお、バンドギャップエネルギーが6.2eVを超えるような材質でn型導電層132を作製したからといって、深紫外域として実用される光の領域でのさらなる透過性が見込めるわけではない。6.2eVの光子エネルギーの光は深紫外域でも最も短い波長といえるためである。
5.多重量子障壁(MQB)
EBL138が多重量子障壁(MQB)である場合にも、上述した説明は僅かな修正で適用できる。その際、実際のMQBを的確に適用するためには、電子に対して実質的なバリア高さが高くなるように設計されるMQBの細部が考慮される。つまり、実際のMQBの実質的なバリア高さに影響する設計の要素は、例えばMQB周期をどの程度にするか、MQB周期を複数含むか、MQB全体の厚み、MQBにおける伝導帯の傾斜、およびMQB各層の組成に依存する。それでも、EBL138がMQBである場合には、バンドギャップエネルギーEEBLに代えMQB層におけるバンドギャップエネルギーの最大値EMQB−maxにより、p型コンタクト層150のバンドギャップエネルギーEcontactと対比して、
contact≦EMQB−max
を満たすものではキャリア注入効率の低下を防ぎつつ動作させることができ、発光層でのキャリア再結合が促進され発光効率が向上する。なお、上記バンドギャップエネルギーの最大値に代え、MQBの各層でのバンドギャップによる平均のバンドギャップエネルギーがp型コンタクト層150のバンドギャップエネルギーEcontactと等しいかより大きい場合には、さらにMQB層に強い電子ブロックの機能が期待できるため好ましい。
6.実施例
以下、シミュレーションにより獲得した知見を実際のUVLED素子にて確認した実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。本実施例は、シミュレーションにより獲得した知見を生かせる範囲で作製条件に変更を加えたUVLED素子の動作を確認している。実際のUVLED素子で上述したシミュレーションに対応した動作が得られることは別途確認している。このため、ここで示す実施例は、シミュレーションにおける計算の条件と必ずしも同一の条件にてUVLED素子を作製したものではない。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順、要素または部材の向きや具体的配置等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することかできる。したがって、本発明の範囲は以下の具体例に限定されるものではない。説明済みの図面および符号を引き続き使用する。
6−1.実施例1
UVLED素子100を含む紫外線発光モジュールを製造した。まず、第1面が(0001)面、かつ、(0001)面からのオフ角が0.20°のサファイア基板を有機金属気相成長装置のサセプタ上に設置し、キャリアガスとして水素を供給しながら、装置炉内温度が1100℃、かつ、炉内圧力が10kPaになるのを待って、窒化物半導体薄膜の形成を開始した。なお、キャリアガスの種類、炉内圧力は、成膜中は前記の状態でそれぞれ一定に保った。炉内の状態が安定した後、III族原料としてTMA(トリメチルアルミニウム)を連続的に50sccm、V族原料としてNHをパルス状にON・OFFさせながら100sccm供給することにより、AlN結晶核を約20nm形成した。次にキャリアガスのみ供給した状態で1300℃まで昇温した後、III族原料としてTMAを連続的に200sccm、V族原料としてNHを連続的に400sccm供給することにより、全体の膜厚が約4μmとなるAlN下地層を形成した。この方法で形成されるAlN下地層の(10−12)面に対するX線回折のωスキャンによるX線ロッキングカーブ(X−Ray Rocking Curve:XRC)の半値幅を別途測定すると、約350arcsecであった。
AlN下地層形成後、キャリアガスのみを供給した状態で、炉内温度を再び1100℃まで降温し、III族原料としてTMAおよびTMG(トリメチルガリウム)をそれぞれ50sccmおよび20sccm、n型不純物ドーパント原料としてTESi(テトラエチルシラン)を3sccm、V族原料としてNHを2SLM供給することにより、全体の膜厚が1.5μmとなるn型導電層132を形成した。形成されたAlGaNのAl組成は約0.60であった。
n型導電層132の形成後、炉内温度はそのままとして、III族原料としてTMAおよびTMGをそれぞれ50sccmおよび20sccm、V族原料としてNHを2SLM供給することにより、全体の膜厚が約10nmとなる障壁層を形成した。この方法で形成される障壁層を構成するAlGaNのAl組成は0.60であった。次に、III族原料としてTMAおよびTMGをそれぞれ50sccmおよび30sccm、V族原料としてNHを2SLM供給することにより、全体の膜厚が約2nmとなる量子井戸を形成した。この方法で形成される量子井戸を構成するAlGaNのAl組成は約0.45であった。さらに、これらの障壁層と量子井戸を交互に形成することで、4層の量子井戸で構成される多重量子井戸構造をもつ発光層134を形成した。
さらに、多重量子障壁(MQB)の電子ブロック層(EBL)138を形成した。上記多重量子井戸の発光層134を形成した後、炉内温度はそのままとして、III族原料としてTMAおよびTMGをそれぞれ50sccmおよび3sccm、p型不純物ドーパント原料としてCpMg(ビズ(シクロペンタジエニル)マグネシウム)を100sccm、V族原料としてNHを2SLM供給することにより、全体の膜厚が約10nmとなる第1の電子ブロック層を形成した。次に、III族原料としてTMAおよびTMGをそれぞれ50sccmおよび20sccm、p型不純物ドーパント原料としてCpMgを100sccm、V族原料としてNHを2SLM供給し、全体の膜厚が約2nmとなる第2の電子ブロック層を形成した。同様に、III族原料としてTMAおよびTMGをそれぞれ50sccmおよび3sccm、p型不純物ドーパント原料としてCpMgを100sccm、V族原料としてNHを2SLM供給することにより、全体の膜厚が約8nmとなる第3の電子ブロック層を形成した。そして、III族原料としてTMAおよびTMGをそれぞれ50sccmおよび20sccm、p型不純物ドーパント原料としてCpMgを100sccm、V族原料としてNHを2SLM供給することにより、全体の膜厚が約10nmとなる第4の電子ブロック層を形成した。こうして第1〜第4の電子ブロック層が積層されたMQB構造のEBL138を形成した。この方法で形成されるMQB構造のEBL138を構成するAlGaNのAl組成は、それぞれ約0.94、約0.60、約0.94、および約0.60であった。
MQB構造のEBL138の形成に続けてp型コンタクト層150を形成した。EBL138の形成後、炉内温度はそのままとし、III族原料としてTMAおよびTMGをそれぞれ25sccmおよび3sccm、p型不純物ドーパント原料としてCpMgを100sccm、V族原料としてNHを2SLM供給することにより、全体の膜厚が約50nmとなるp型コンタクト層150を形成した。この方法で形成されるp型コンタクト層150を構成するAlGaNのAl組成は約0.80であった。
p型コンタクト層150の形成後、キャリアガスのみを供給した状態で室温まで降温した。その後、有機金属気相成長装置から窒化物半導体薄膜が積層されたサファイア基板を取り出し、アニール装置にて、N雰囲気中にて800℃で20分間の熱処理を実施した。
熱処理後、フォトリソグラフィー法とドライエッチングにより、p型コンタクト層150、MQB構造のEBL138、発光層134の一部を除去し、n型導電層132の一部を露出させた。次に、フォトリソグラフィー法とリフトオフ手法により、n型電極140、p型電極160、およびパッド電極(図示しない)を形成した。なお、パッド電極は、後述する実装の導通および固定に使用される。n型電極140については、露出させたn型導電層132上の一部に、膜厚が100nmのAl、20nmのNi、100nmのAu薄膜を順次形成後、N雰囲気で700℃1分の熱処理を実施することで作製した。また、p型電極160は、p型コンタクト層150上の一部に、膜厚が2nmのNi、200nmのAl薄膜を順次形成することにより作製した。パッド電極は、各電極上に膜厚が50nmのTi、1000nmのAu薄膜を順次形成した。
さらに、素子形状が平面視で400μm角状になるように、電極まで形成した前記サファイア基板を分断し、複数のUVLED素子100を作製した。そのうちの1つをサブマウント上にフリップチップ実装し、さらにUVLED素子100を覆うようにアモルファスフッ素樹脂を塗布した。室温で1時間放置後、100℃1時間、続いて、180℃30分の熱処理を実施し、樹脂を硬化させることにより、UVLED素子100を含む紫外線発光モジュールを作製した。
この紫外線発光モジュールにDC20mAを通電したところ、波長276nm、光出力6.5mW、発光効率7.2%(1mAでは発光効率9.0%)と深紫外領域では最高レベルの発光特性を得た。
6−2.実施例2
実施例1と同様の方法でUVLED素子100を作製した後、サブマウント上に6素子を電気的に並列接続してフリップチップ実装した。さらに当該6素子全体を覆うようにアモルファスフッ素樹脂を塗布し、実施例1と同様の硬化条件にて樹脂を硬化させ、高出力動作用の紫外線発光モジュールを作製した。この紫外線発光モジュールにDC120mAを通電したところ、波長277nm、光出力40mWとなる発光特性を得た。
7.さらに好ましい実施形態
上述した本発明の実施形態は、種々の変形を伴う形態により実施することも好ましい。例えばp型コンタクト層のMg濃度が1.0×1018/cm以上とすることも好ましい。当該Mg濃度をこの値以上とすれば、効率的にホールが注入され発光効率が向上する。また、p型コンタクト層のMg濃度は、1.0×1021/cm以下とすることも好ましい。p型コンタクト層のMg濃度が約1020/cmを超えるあたりからは、結晶性の劣化が顕著となりはじめ、さらにホール濃度も増加しにくくなる傾向が見られる。このため、p型コンタクト層のMg濃度は、1.0×1021/cm以下の範囲で良好な結晶性を維持しつつ発光効率を向上させることが可能となって好ましく、さらに好ましくは、1020/cm以下に設定される。これに応じ、p型コンタクト層150のホール濃度が1.0×1015/cm以上とすることも好ましい。当該ホール濃度がこの値以上となると、効率的にホールが注入され発光効率が向上する。また、上述した増加しにくくなるホール濃度の値は、ホール濃度は、約1.0×1021/cmであることから、この値以下のホール濃度により動作させることも好ましい。
以上のように、p型コンタクト層とEBLのエネルギーギャップ構造を適切に設定することにより、キャリア注入効率ηINJを向上させることにより、外部量子効率ηEQEを高めたUVLED素子を実現することができる。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および構成例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、各実施形態のほかの組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明のUVLED素子は紫外線を生成する任意の電気機器に利用可能である。
100 UVLED素子(紫外LED素子)
102 光取出し面
104 基板の一方の面
110 基板
120 バッファー層
132 n型導電層
134 発光層
138 電子ブロック層(EBL)
140 n型電極
150 p型コンタクト層
160 p型電極

Claims (10)

  1. Inx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1<1,0<y1≦1)n型導電層と、
    発光層と、
    Inx2Aly2Ga1−x2−y2N(0≦x2<1,0<y2≦1)電子ブロック層と、
    Inx3Aly3Ga1−x3−y3N(0≦x3<1,0<y3≦1)p型コンタクト層と
    をこの順に備え、前記p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーEcontactおよび前記電子ブロック層のバンドギャップエネルギーEEBL
    contact≦EEBL
    を満たしている紫外発光ダイオード。
  2. 前記p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーEcontactおよび前記発光層にて発光する光の光子エネルギーEemission
    emission<Econtact
    を満たしている請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  3. 前記p型コンタクト層のアルミニウム分率y3は、前記p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーEcontact
    4.83eV≦Econtact≦5.45eV
    を満たすようなものである、請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  4. 前記p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーEcontactおよび前記電子ブロック層のバンドギャップエネルギーEEBL
    0eV≦EEBL−Econtact≦0.966eV
    を満たすものである、請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  5. 前記電子ブロック層が多重量子障壁(MQB)層であり、
    前記p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーEcontactおよび前記MQB層におけるバンドギャップエネルギーの最大値EMQB−maxが、
    contact≦EMQB−max
    を満たすものである、請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  6. 前記p型コンタクト層のMg濃度が1.0×1018/cm以上、1.0×1021/cm以下である、請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  7. 前記p型コンタクト層のホール濃度が1.0×1015/cm以上、1.0×1021/cm以下である、請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  8. n型導電層のバンドギャップエネルギーが4.5eV以上、6.2eV以下である、請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の紫外発光ダイオードを紫外線の放出源として備える電気機器。
  10. Inx1Aly1Ga1−x1−y1N(0≦x1<1,0<y1≦1)n型導電層と、
    発光層と、
    Inx2Aly2Ga1−x2−y2N(0≦x2<1,0<y2≦1)電子ブロック層と、
    Inx3Aly3Ga1−x3−y3N(0≦x3<1,0<y3≦1)p型コンタクト層と
    をこの順に備え、前記電子ブロック層における価電子帯のエネルギーの最大値とホールの擬フェルミ準位の値とのエネルギー差により定められるホールに対するバリア高さが、300meV以下である紫外発光ダイオード。
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