JP6071044B2 - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関する。
近年、半導体発光素子として、GaN(窒化ガリウム)系半導体の発光層を有する半導体発光素子が研究されている。かかる半導体発光素子は、p型のGaN系半導体層とn型のGaN系半導体層との間に、InGaN(インジウム窒化ガリウム)からなる発光層(活性層とも称する)を挟んだ構造を有する。
また、このような半導体発光素子の発光効率を上げるべく、上記した発光層のIn(インジウム)の組成より大なるIn組成を有するInGaN層を、発光層及びn型GaN層間に設けることにより、外部量子効率を高めるようにした技術が提案されている。また、このようなInGaN層として、In組成が大なる層と、In組成が小なる層とを交互に繰り返し積層した構造を採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかる構成をもってしても、外部量子効率を十分に高めることができず、高い発光効率を得ることが出来ないという問題があった。
更に、現在、このような半導体発光素子に生じるドループ(Droop)現象、つまり半導体発光素子に注入する電流を増加するにつれて発光効率が低下してしまうというドループ率の低下を抑制する技術が望まれている。
特開2007−88481号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、外部量子効率を高めると共にドループ率を抑制させた発光効率の高い半導体発光素子及びその製造方法を提供することである。
本発明に係る半導体発光素子は、型の第1のGaN系半導体層と、InGaN結晶からなる第1の井戸層と、前記第1の井戸層よりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第1の障壁層とが交互に繰り返し積層され、前記第1のGaN系半導体層上に形成された第1のInGaN層と、前記第1のInGaN層上に形成された第2のInGaN層と、前記第1の井戸層よりも大なるインジウム組成を有するInGaN結晶からなる第2の井戸層と、前記第2の井戸層よりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第2の障壁層とが交互に繰り返し積層され、前記第2のInGaN層上に形成された多重量子井戸構造の発光層と、前記発光層上に形成された、型の第2のGaN系半導体層と、を有し、前記第2のInGaN層は、前記第1のInGaN層との界面において前記第2の井戸層よりも大なるインジウム組成を有し、且つ前記第1のInGaN層側から前記発光層側に向けてインジウム組成が減少しているInGaN結晶からなることを特徴としている。
また、本発明に係る半導体発光素子の製造方法は、基板上に型の第1のGaN系半導体層を形成する工程と、前記第1のGaN系半導体層上に、InGaN結晶からなる第1の井戸層と、前記第1の井戸層よりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第1の障壁層とが交互に繰り返し積層されてなる第1のInGaN層を形成する工程と、前記第1のInGaN層上に第2のInGaN層を形成する工程と、前記第2のInGaN層上に、前記第1の井戸層よりも大なるインジウム組成を有するInGaN結晶からなる第2の井戸層と、前記第2の井戸層よりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第2の障壁層とが交互に繰り返し積層されてなる多重量子井戸構造の発光層を形成する工程と、前記発光層上に、型の第2のGaN系半導体層を形成する工程と、を含み、前記第2のInGaN層を形成する工程においては、前記第2のInGaN層として、前記第1のInGaN層との界面において前記第2の井戸層よりも大なるインジウム組成を有し、且つ前記第1のInGaN層側から前記発光層側に向けてインジウム組成が減少しているInGaN結晶からなるInGaN層を形成することを特徴とする。
本発明の半導体発光素子では、GaN系半導体層上に、発光層よりもIn組成の小さいInGaN結晶膜を含む第1のInGaN層と、発光層よりもIn組成の大きなInGaN結晶膜を含む第2のInGaN層とを順に積層し、この第2のInGaN層上に発光層を設けるようにしている。
このように、発光層よりもIn組成の大きな第2のInGaN層を設けたことにより、半導体発光素子内での外部量子効率を高め、且つドループ率を低下させることが可能となる。更に、かかる第2のInGaN層及びGaN系半導体層間に、発光層よりもIn組成の小さな第1のInGaN層を設けることにより、第1及び第2のInGaN層同士の格子定数の差、並びに第2のInGaN層及び発光層同士の格子定数の差を共に少なくしている。これにより、格子不整合に伴う格子欠陥が抑制されるので、格子欠陥に起因する外部量子効率の低下及びドループ率の増大が抑えられる。
よって、本発明によれば、外部量子効率を高め且つドループ率を抑えた発光効率の高い半導体発光素子を提供することが可能となる。
本発明による半導体発光素子の構造を示す断面図である。 第1のInGaN層15、第2のInGaN層16及び発光層17各々の断面構造を示す断面図である。 図2(a)に示す構造を採用した場合における、第1のInGaN層15、第2のInGaN層16及び発光層17各々でのエネルギーバンドを示すエネルギーバンド図である。 図2(b)に示す構造を採用した場合における、第1のInGaN層15、第2のInGaN層16及び発光層17各々でのエネルギーバンドを示すエネルギーバンド図である。 半導体発光素子の製造手順を示すフロー図である。 SIMS分析によって測定された、第1のInGaN層15、第2のInGaN層16、及び発光層17各々内でのIn組成を示すIn組成分布図である。 第2のInGaN層16のIn組成と、外部量子効率及びドループ率との対向関係を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に係る半導体発光素子の断面の一部を示す断面図である。図1に示すように、かかる半導体発光素子は、結晶成長基板としてのサファイア(SiC)基板11上に、低温バッファ層12、高温バッファ層13、n−GaN層14、第1のInGaN層15、第2のInGaN層16、発光層17、p−AlGaN層18、及びp−GaN層19を積層させた構造を有する。
低温バッファ層12は、サファイア基板11上に形成されており、GaN結晶からなる層厚約20nmの層である。高温バッファ層13は、低温バッファ層12上に形成されており、GaN結晶からなる層厚約2μmの層である。
n−GaN層14は、高温バッファ層13上に形成されており、GaN系半導体結晶からなる層厚約4μmのn型の半導体層である。
第1のInGa(1−X)N層15は、n−GaN層14上に形成されている。第1のInGaN層15は、図2(a)又は図2(b)に示すように、InGa(1−X)N結晶からなる井戸層15aと、井戸層15aよりもIn組成の小さいInGa(1−X)N結晶又はGaN結晶からなる障壁層15bとが、交互に繰り返し積層されてなる層である。この際、例えば図3又は図4のエネルギーバンド図に示すように、第1のInGaN層15における井戸層15a及び障壁層15b各々の層厚は例えば同一の層厚D(例えば4nm)であり、井戸層15aのIn組成はX(例えば0.1)である。
第2のInGa(1−X)N層16は、第1のInGaN層15上に形成されており、第1のInGaN層15のIn組成Xよりも大なるIn組成(X)を有するInGa(1−X)N結晶からなる。この際、例えば図3に示すように、第2のInGaN層16の層厚は16nm以下の層厚D(例えば7nm)であり、この層厚D内において、In組成が、第1のInGaN層15側から発光層17に向けて徐々に減少している。すなわち、図3に示すように、第2のInGaN層16内において、第1のInGaN層15との界面でのIn組成はX(例えば0.3)であり、発光層17との界面でのIn組成はこのXよりも小さく且つXよりも大きいX(例えば0.2)である。そして、図3に示すように、第1のInGaN層15側から発光層17側に向けて、そのIn組成が徐々にXからXに減少しているのである。
発光層17は、図2(a)又は図2(b)に示すように、InGa(1−X)N結晶からなる井戸層17aと、井戸層17aよりもIn組成の小さいInGa(1−X)N結晶又はGaN結晶からなる障壁層17bと、が交互に繰り返し積層されてなる、いわゆる多重量子井戸構造(MQW:Multiple Quantum Well)を有する層である。この際、例えば図3又は図4に示すように、発光層17における井戸層17aの層厚は、第1のInGaN層15の井戸層15a及び障壁層15b各々の層厚Dよりも小なる層厚D(例えば3nm)である。更に、発光層17における障壁層17bの層厚は、井戸層15a及び障壁層15b各々の層厚Dよりも大なる層厚D(例えば5nm)である。また、図3又は図4に示すように、井戸層17aのIn組成X(例えば0.2)は、第1のInGaN層15のIn組成Xよりも大であり、且つ第2のInGaN層16のIn組成Xよりも小である。尚、発光層17の井戸層17a及び障壁層17bのIn組成、及び層厚は、所望とする発光波長に応じて適宜設定されるものである。
p−AlGaN層18は、発光層17上に形成されており、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)半導体結晶からなる層厚約20nmのp型の半導体層である。p−GaN層19は、p−AlGaN層18上に形成されており、GaN系半導体結晶からなる層厚約100nmのp型の半導体層である。
上記した半導体発光素子は、例えば有機金属気相成長(以下、MOCVDと称する)法によって製造される。図5は、MOCVD装置(図示せぬ)による半導体発光素子の製造手順を示すフロー図である。
図5において、MOCVD装置は、リアクタ(図示せぬ)内にサファイア基板11が設置されると、先ず、基板11の温度(成長温度)を約1100℃に調整した状態で10分間に亘りアニール処理を行う。そして、基板11の温度が約500℃に調整され、トリメチルガリウム(TMG)及びアンモニア(NH)からなる原料ガスがリアクタ内に供給される。これにより、GaN結晶からなる、例えば層厚約20nmの低温バッファ層12が形成される(低温バッファ層形成工程S1)。
次に、基板11の温度が約1100℃に調整され、TMG及びNHからなる原料ガスが引き続きリアクタ内に供給される。これにより、GaN結晶からなる、例えば層厚約2μmの高温バッファ層13が低温バッファ層12上に形成される(高温バッファ層形成工程S2)。
次に、基板11の温度が約1000〜1200℃に調整され、シラン(SiH)を含むドーパントガスと、TMG及びNHからなる原料ガスとがリアクタ内に供給される。これにより、シリコン濃度8×1019cm-3を有する、n型のGaN系半導体結晶からなる層厚約4μmのn−GaN層14が高温バッファ層13上に形成される(n−GaN層形成工程S3)。
次に、基板11の温度が約800〜900℃に調整され、トリメチルインジウム(TMI)、TMG及びNHからなる原料ガスがリアクタ内に供給される。これにより、In組成が0.1のInGa(1−X)N結晶からなる井戸層15aがn−GaN層14上に形成される。引き続き、TMIの供給を停止し、TMG及びNHからなる原料ガスを用いてGaN結晶からなる障壁層15bを井戸層15a上に形成させる。上述した井戸層15a及び障壁層15bを形成する一連の処理を複数回に亘り繰り返し実行することにより、In組成Xが0.1の井戸層15aを含む第1のInGaN層15を、n−GaN層14上に形成する(第1のInGaN層形成工程S4)。
次に、基板11の温度を約800〜900℃に維持したまま、TMI、TMG及びNHからなる原料ガスをリアクタ内に供給し、第1のInGaN層15上にInGa(1−X)N結晶を成長させる。この際、かかるInGaN結晶の成長過程において、TMIの供給量を時間経過につれて徐々に減少させる。これにより、第1のInGaN層15の表面から上方向への結晶成長につれてIn組成(X)が0.3から徐々に減少して0.2の状態に到るInGaN結晶からなる第2のInGaN層16を、第1のInGaN層15上に形成する。つまり、第1のInGaN層15上に、このInGaN層15よりも大なるIn組成を有し、且つInGaN層15から離間した領域ほどIn組成が減少している第2のInGaN層16を形成するのである(第2のInGaN層形成工程S5)。
次に、基板11の温度を約800〜900℃に維持したまま、先ず、トリエチルガリウム(TEG)、TMI及びNHからなる原料ガスをリアクタ内に供給することにより、In組成(X)が0.2のInGa(1−X)N結晶からなる井戸層17aが形成される。引き続き、TMIの供給を停止して、TMG及びNHからなる原料ガスを用いることにより、井戸層17a上に、GaN結晶からなる障壁層17bを形成する。上述した井戸層17a及び障壁層17bを形成する一連の処理を複数回に亘り繰り返し実行することにより、In組成が0.2の井戸層17a及び障壁層17bが交互に積層されてなる、いわゆる多重量子井戸構造(MQW)を有する発光層17を、第2のInGaN層16上に形成する(発光層形成工程S6)。
次に、基板11の温度を約800〜900℃に維持したまま、シクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を含むドーパントガスと、TMG、トリメチルアルミニウム(TMA)及びNHからなる原料ガスと、がリアクタ内に供給される。これによりMgがドープされたp型のAlGaN半導体結晶からなるp−AlGaN層18が発光層17上に形成される(p−AlGaN層形成工程S7)。
次に、TMAの供給を停止し、CpMgを含むドーパントガスと、TMG及びNHからなる原料ガスとを用いて、Mgがドープされたp型のGaN系半導体結晶からなる層厚約100nmのp−GaN層19をp−AlGaN層18上に形成する(p−GaN層形成工程S8)。
図6は、SIMS(secondary-ion mass spectrometry)分析によって測定した、上記第1のInGaN層15、第2のInGaN層16、及び発光層17各々内でのIn組成分布(深さ方向のSIMSプロファイル)を示す図である。尚、図6に示されるIn組成分布は、深さ方向における各層(15〜17)内でのIn組成の分布を表すものである。
ここで、図6に示すように、第1のInGaN層15内では、第2のInGaN層16に近い領域ほどIn組成が大きくなっているが、これは測定法によるものであり、その分析時において、下層であるn−GaN層14からの信号により、InGaN層15でのInに対応した信号成分がマスクされている。実際には、In組成は層の深さ方向において周期的に変化している。
また、第2のInGaN層16内では、図6に示すように、第1のInGaN層15に隣接する領域で最大のIn組成Xとなり、発光層17に近い領域ほどそのIn組成が減少する。その結果、第2のInGaN層16内における発光層17に隣接する領域(界面)ではIn組成がX(X<X<X)となる。すなわち、第2のInGaN層16における発光層17との界面でのIn組成は、発光層17の井戸層17aのIn組成Xと同じであることが好ましい。
以上のように、本発明に係る半導体発光素子は、第1導電型の第1のGaN系半導体層としてのn−GaN層14上に、第1のInGaN層15、第2のInGaN層16、発光層17、及び第1導電型とは反対導電型の第2導電型の第2のGaN系半導体層(18、19)を順に積層した構造を有するものである。この際、第1のInGaN層15は、InGaN結晶からなる第1の井戸層としての井戸層15aと、この井戸層15aよりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第1の障壁層としての障壁層15bとが交互に繰り返し積層された構造を有する。発光層17は、上記した井戸層15aよりも大なるインジウム組成を有するInGaN結晶からなる第2の井戸層としての井戸層17aと、この井戸層17aよりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第2の障壁層としての障壁層17bとが交互に繰り返し積層された構造を有する。第2のInGaN層16は、第1のInGaN層15との界面において発光層17の井戸層17aよりも大なるインジウム組成を有し、且つ第1のInGaN層15側から発光層17側に向けてインジウム組成が減少しているInGaN結晶から構成されている。
よって、発光層17よりもIn組成が大きい第2のInGaN層16を設けることにより、外部量子効率が高くなり、且つドループ率を低下させることが可能となる。なお、第2のInGaN層16を直接、n−GaN層14上に形成した場合には、第2のInGaN層16の格子定数とn−GaN層14の格子定数との差により、格子不整合に伴う格子欠陥が生じる。よって、この格子欠陥により、外部量子効率の低下及びドループ率の増加を招く虞が生じる。
そこで、図1に示す本実施例の半導体発光素子では、n−GaN層14及び第2のInGaN層16間に、発光層17の井戸層17aよりも小さなIn組成を有する井戸層15aと障壁層15bとからなる第1のInGaN層15を設けることにより、第1のInGaN層15及び第2のInGaN層16間の格子定数の差、並びに第2のInGaN層16及び発光層17間の格子定数の差を少なくしている。
これにより、格子不整合に伴う格子欠陥が抑制され、かかる格子欠陥に起因する外部量子効率の低下及びドループ率の増大が抑えられる。よって、半導体発光素子の発光効率を向上させることが可能となる。
図7(a)は、第2のInGaN層16のIn組成と、外部量子効率との対応関係を示す図である。ここで、変化させているのは第1のInGaN層15との界面での値であり、他の値は図2(a)の場合と同様である。尚、図7(a)において、実線は、電流密度J=35A/cmでのIn組成に対する外部量子効率を表しており、破線は、電流密度J=70A/cmでのIn組成に対する外部量子効率を表している。
また、図7(b)は、第2のInGaN層16のIn組成と、ドループ率との対応関係を示す図である。図7(b)において、実線は、電流密度J=35A/cmの電流を供給した場合でのIn組成に対するドループ率を表しており、破線は、電流密度J=70A/cmの電流を供給した場合でのIn組成に対するドループ率を表すものである。尚、図7(b)の実線に示すドループ率とは、外部量子効率が最大となる電流密度での外部量子効率を100%とした場合に、電流密度J=35A/cmの電流を供給した際に得られた外部量子効率の低下率を示すものである。一方、図7(b)の破線に示すドループ率とは、外部量子効率が最大となる電流密度での外部量子効率を100%とした場合に、電流密度J=70A/cmの際に得られた外部量子効率の低下率を示すものである。
よって、図7(a)及び図7(b)により、第2のInGaN層16のIn組成の増加に伴って外部量子効率が増加し、ドループ率が低下することが確認された。特に、図7(a)及び図7(b)により、第2のInGaN層16の界面では、発光層17の井戸層17aのIn組成(X=0.2)よりも大なるIn組成とすることにより、外部量子効率及びドループ率が共に改善されることが確認された。
尚、第2のInGaN層16としては、図2(a)に示すような単一の層に代えて、図2(b)に示すような、夫々が異なるIn組成(X)を有するInGa(1−X)N結晶層16〜16が積層された構造を採用しても良い。ここで、第2のInGaN層16として図2(b)に示す構造を採用した場合には、例えば、図4に示すように、第1のInGaN層15に隣接するInGaN結晶層16のIn組成はXであり、発光層17に隣接するInGaN結晶層16のIn組成はXである。そして、図4に示すように、InGaN結晶層16〜16各々のIn組成が、16a、16b、16c、16d、16e、16fの順に段階的にXからXに減少しているのである。尚、図2(b)では、6層のInGaN結晶層16〜16によって第2のInGaN層16を構築するようにしているが、その積層数は6つに限定されない。要するに、発光層17に近い位置に形成されているInGaN結晶層ほどIn組成が小さくなるInGaN結晶層16〜16(nは2以上の整数)で第2のInGaN層16が構成されていれば良いのである。
上記した構成によっても同様に、外部量子効率を高めると共にドループ率を抑制させた発光効率の高い半導体発光素子を提供することが可能となる。
また、上述したIn組成(X)の値、各層の層厚及び層数等は例示に過ぎず、適宜改変しても良い。
11 サファイア基板
12 低温バッファ層
13 高温バッファ層
14 n−GaN層
15 第1のInGaN層
16 第2のInGaN層
17 発光層
18 p−AlGaN層
19 p−GaN層

Claims (6)

  1. 型の第1のGaN系半導体層と、
    InGaN結晶からなる第1の井戸層と、前記第1の井戸層よりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第1の障壁層とが交互に繰り返し積層され、前記第1のGaN系半導体層上に形成された第1のInGaN層と、
    前記第1のInGaN層上に形成された第2のInGaN層と、
    前記第1の井戸層よりも大なるインジウム組成を有するInGaN結晶からなる第2の井戸層と、前記第2の井戸層よりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第2の障壁層とが交互に繰り返し積層され、前記第2のInGaN層上に形成された多重量子井戸構造の発光層と、
    前記発光層上に形成された、型の第2のGaN系半導体層と、を有し、
    前記第2のInGaN層は、前記第1のInGaN層との界面において前記第2の井戸層よりも大なるインジウム組成を有し、且つ前記第1のInGaN層側から前記発光層側に向けてインジウム組成が減少しているInGaN結晶からなることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第2のInGaN層は、夫々異なるインジウム組成を有するn層(nは2以上の整数)のInGaN結晶層が積層された構造を有し、
    前記n層のInGaN結晶層の各々は、前記発光層に近い位置に配置されているものほど小なるインジウム組成を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記第2のInGaN層は、前記発光層との界面において前記第2の井戸層と同じインジウム組成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 基板上に型の第1のGaN系半導体層を形成する工程と、
    前記第1のGaN系半導体層上に、InGaN結晶からなる第1の井戸層と、前記第1の井戸層よりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第1の障壁層とが交互に繰り返し積層されてなる第1のInGaN層を形成する工程と、
    前記第1のInGaN層上に第2のInGaN層を形成する工程と、
    前記第2のInGaN層上に、前記第1の井戸層よりも大なるインジウム組成を有するInGaN結晶からなる第2の井戸層と、前記第2の井戸層よりも小なるインジウム組成を有するInGaN結晶又はGaN結晶からなる第2の障壁層とが交互に繰り返し積層されてなる多重量子井戸構造の発光層を形成する工程と、
    前記発光層上に、型の第2のGaN系半導体層を形成する工程と、を含み、
    前記第2のInGaN層を形成する工程においては、前記第2のInGaN層として、前記第1のInGaN層との界面において前記第2の井戸層よりも大なるインジウム組成を有し、且つ前記第1のInGaN層側から前記発光層側に向けてインジウム組成が減少しているInGaN結晶からなるInGaN層を形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記発光層に近い位置に配置されているものほど小なるインジウム組成を有するn層(nは2以上の整数)のInGaN結晶層を積層したものを前記第2のInGaN層として形成することを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記発光層との界面における前記第2のInGaN層のインジウム組成が、前記第2の井戸層のインジウム組成と同一であるように前記第2のInGaN層を形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体発光素子の製造方法。
JP2012271324A 2012-12-12 2012-12-12 半導体発光素子及びその製造方法 Active JP6071044B2 (ja)

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