JP2008227103A - GaN系半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】Inを含む量子井戸構造の活性層を有しており、素子の静電破壊耐圧を向上させるとともに、活性層よりも後に成長させるp型GaN系半導体層の成長温度による熱のダメージを抑制することができるGaN系半導体発光素子を提供する。
【解決手段】サファイア基板1の上に、n型GaNコンタクト層2、AlInGaN/AlGaN超格子層3、活性層4、p型AlGaNブロック層8、p型GaNコンタクト層5が積層されている。活性層4は、井戸層をAlX1InY1GaZ1N(X1+Y1+Z1=1、0<X1<1、0<Y1<1)、バリア層をAlX2InY2GaZ2N(X2+Y2+Z2=1、0≦X2<1、0≦Y2<1、Y1>Y2)で構成し、井戸層のAl組成比率を5%以下にする。また、p型AlGaNブロック層8とp型GaNコンタクト層5との合計膜厚を0.4μm以上に構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、量子井戸構造の活性層(発光層)にInを含むGaN系半導体発光素子に関する。
半導体レーザやLED等の半導体発光素子の材料には、様々なものが使用されているが、その中で、活性層(発光層)に、In(インジウム)を用いた半導体発光素子が開発されている。特に、GaN系半導体による青色発光素子では、活性層にInGaNが使用される。
上記、GaN系半導体発光素子の結晶成長方法としては、ハイドライド気相成長方法(HVPE)や有機金属化学気相成長方法(MOCVD)が用いられる。これらの方法を用いて結晶成長を行う場合には、通常、成長用基板上にn型コンタクト層やn型クラッド層等を積層した後、発光層となる活性層を成長させ、その後p型クラッド層やp型コンタクト層等のp型層を積層し、最後に電極を形成している。
簡単な構造のGaN系半導体発光素子の一例を図7(a)に示す。成長用基板としてサファイア基板21を用い、その上にn型GaNコンタクト層22、InGaN活性層23、p型GaNコンタクト層24が順に積層される。p型GaNコンタクト層24上にはp電極25が、n型GaNコンタクト層22上にはn電極26が形成される。
図7(a)のGaN系半導体発光素子を作製する場合の各半導体層における成長温度の変化例を示したのが図7(b)である。図7(b)に示すように、例えば、n型GaNコンタクト層22を成長温度1050℃で結晶成長させた後、温度を760℃に下げてInGaN活性層23を結晶成長させ、その後、温度を1010℃まで上げてp型GaNコンタクト層24を成長させるようにしている。上記のように、活性層にInが含まれている場合は、Inの蒸気圧が高いために、活性層の成長温度は、650〜800℃程度に下げる必要がある。
一方、活性層23の成長後に、p型GaNコンタクト層24を成膜する工程では、結晶品質を高めて良好なp型伝導を示すGaN系半導体を得るために、活性層の成長温度よりも、少なくとも200〜300℃高い1000℃付近の成長温度で成長させる必要がある。これは、p型GaNだけでなく、p型AlGaN等を含むp型GaN系半導体について言えることで、1000℃付近又は1000℃以上の温度で成長させる必要がある。
特開2004−55719号公報
ところで、GaN系半導体発光素子の組み立て時等において、静電気放電(ESD:Electro-static Discharge)により破壊される不良素子の発生率を抑え、信頼性を向上させるためには、静電破壊耐圧(ESD耐圧)の向上が望まれている。ESD耐圧を向上させるためには、エピタキシャル層、特に活性層形成後に成長させるp型GaN系半導体層の厚さを厚くすることが効果的であることがわかってきた。
図8は、p型GaN系半導体層の膜厚とESD耐圧との関係、さらに輝度との関係を示すものである。これは、図7(a)のGaN系半導体発光素子で、図7(b)のような成長温度で成長させた場合、p型GaN系半導体層に相当するp型GaNコンタクト層24の膜厚を変えて測定した。また、発光波長が450〜460nmとなるように活性層23のIn組成比率を構成し、素子駆動電流IFが20mA(ミリアンペア)となるようにした。
活性層上に形成されたp型GaN系半導体層の膜厚が0.1μmの場合は、200V(ボルト)の耐圧を示し、膜厚が0.2μmで450V、0.4μmで600Vと膜厚が厚くなるほど、耐圧が上昇している。また、p型GaN系半導体層の膜厚0.1μmの場合の成長時間は約15分、膜厚0.2μmの場合の成長時間は約30分、膜厚0.4μmの場合の成長時間は約60分となり、膜厚の厚さと成長時間とは比例している。
一方、輝度については、p型GaN系半導体層の膜厚が0.1μmの場合を1(100%)として基準にすると、膜厚が0.2μmで0.7(70%)、0.4μmで0.45(45%)となって、p型GaN系半導体層の膜厚が増大するほど輝度は低下している。
これは、活性層を形成した後、その上に成長させるp型GaN系半導体層の成長温度が1000℃付近の高温となるので、既に成膜された活性層が高温に曝され、活性層中のInが昇華して壊れやすくなるからである。また、p型GaN系半導体層の膜厚を厚くするほど、活性層が高温に曝される時間が長くなるので、活性層中のInの昇華が一層進み、活性層の劣化が一段と激しくなって発光特性が悪化する。
特に、450nm以上の長波長のGaN系半導体発光素子を作製する場合、活性層における井戸層のIn組成比率が10%を越える程高くなるが、In組成比率が高くなるほど、高温状態に置かれた場合、Inが分離して壊れやすくなり、発光効率が極端に落ちる。熱のダメージを受け続けると、Inが分離してウエハが黒色化して全く発光しない場合も発生する。
ところで、特許文献1には、発光効率に優れたGaN系半導体素子の構成について記載されているが、波長380nm以下の発光素子に関するものであり、活性層のIn組成が非常に小さくなった場合に、In組成揺らぎが減ることによる発光効率を改善しようとするものであって、活性層上に形成されるp型GaN系半導体層の膜厚保を厚くして静電破壊耐圧を向上させるとともに、p型GaN系半導体層の成長過程で発生する熱による活性層の劣化を防ぐものではなく、上記問題を解決する手段は従来提案されていなかった。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、Inを含む量子井戸構造の活性層を有し、素子の静電破壊耐圧を向上させるとともに、活性層よりも後に成長させるp型GaN系半導体層の成長温度による熱のダメージを抑制することができるGaN系半導体発光素子を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、量子井戸構造を有する活性層と該活性層形成後に成長させるp型GaN系半導体層を備えたGaN系半導体発光素子であって、前記活性層はAlX1InY1GaZ1N(X1+Y1+Z1=1、0<X1<1、0<Y1<1)井戸層とAlX2InY2GaZ2Nバリア層(X2+Y2+Z2=1、0≦X2<1、0≦Y2<1、Y1>Y2)とで構成されており、前記井戸層のAl組成は5%以下で、前記p型GaN系半導体層の膜厚は0.4μm以上に構成されたことを特徴とするGaN系半導体発光素子である。
また、請求項2記載の発明は、前記井戸層のAl組成は1%以下に構成されていることを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体発光素子である。
本発明によれば、少なくとも井戸層には、Alを添加したAlInGaNを用いており、Al組成比率を5%以下ないしは1%以下としているので耐熱性が向上し、活性層形成後に成長させるp型GaN系半導体層の結晶性を良くすることができ、さらにp型GaN系半導体層の膜厚を0.4μm以上にすることができるので、静電破壊耐圧を大きくすることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明のGaN系半導体発光素子の断面図の一例を示す。ここで、GaN系半導体とは、窒素を含む六方晶化合物半導体の中でも良く知られたIII−V族窒化物半導体であり、4元混晶系のAlGaInN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される。
サファイア基板1の上に、n型GaNコンタクト層2、n型のAlInGaN/AlGaN超格子層3、活性層4、p型AlGaNブロック層8,p型GaNコンタクト層5が順次積層されており、p型GaNコンタクト層5から一部領域がメサエッチングされて、n型GaNコンタクト層2が露出した面にn電極7が形成されている。また、p型GaNコンタクト層5の上にはp電極6が形成されている。
活性層4は、量子井戸構造(Quantum Well)を有する活性層であり、井戸層(ウェル層)を、井戸層よりもバンドギャップの大きな障壁層(バリア層)でサンドイッチ状に挟んだ構造となっている。この量子井戸構造は、1つではなく、多重化しても良く、この場合は、MQW(Multi Quantum Well)、すなわち多重量子井戸構造となる。
ところで、GaN系半導体の中でAlGaNは熱に対する耐性が非常に優れていることは良く知られている。そこで、本発明では、活性層4全体にAlを添加して4元混晶系のAlInGaNとし、井戸層をAlX1InY1GaZ1N(X1+Y1+Z1=1、0<X1<1、0<Y1<1)、バリア層をAlX2InY2GaZ2N(X2+Y2+Z2=1、0≦X2<1、0≦Y2<1、Y1>Y2)の多重量子井戸構造とした。
なお、井戸層のみにAlを添加する(上記X2=0)AlInGaN/InGaN多重量子井戸構造や、バリア層をGaNで構成する(上記X2=0、Y2=0)AlInGaN/GaN多重量子井戸構造でも良い。活性層4では、上記Y1を0<Y1<1の範囲で変化させることにより、発光波長を紫色から赤色まで変化させることができるが、特に、発光波長が450nm以上の長波長のGaN系半導体発光素子を対象とする場合、井戸層のIn組成比率が10%を越える活性層で構成する。
活性層4の構造を詳細に示すのが、図2である。活性層4がAlInGaN/AlGaN超格子層3と接する側にバリア層4aが配置され、その上に井戸層4bが積層されており、このバリア層4aと井戸層4bとが交互に何周期か積層された後、最後のバリア層4aが形成されており、この最後のバリア層4aの上にp型GaNコンタクト層5が積層される。
ここで、一例を示すと、バリア層4aは、ノンドープ又はSiドーピング濃度が5×1016cm−3〜5×1018cm−3で、膜厚70〜160ÅのAl0.005GaNで構成される。一方、井戸層4bは、例えば、膜厚30ÅのノンドープAl0.005InGaNで構成し、井戸層とバリア層とを交互に5周期程度積層する。また、井戸層のみにAlを添加してAl0.005InGaN/GaNとすることもできる。上記のように活性層4の井戸層、バリア層ともにAlを添加することで、熱のダメージに強い活性層を構成することができる。
また、バリア層4aは、上記のようにAlGaN又はGaNで形成するようにしても良いが、発光効率の向上のためには、AlInGaN(上記Y2≠0)とする方が望ましく、その場合は、バリア層4aは井戸層4bよりも高いバンドギャップエネルギーを有する必要があり、通常、Y1>Y2になるように、バリア層4aのIn組成比率は井戸層4bよりも小さくする。
AlInGaN/AlGaN超格子層3は、格子定数差の大きいAlInGaNとAlGaNの応力を緩和し、活性層4のAlInGaNを成長させやすくするものであり、例えば、Siドーピング濃度が1〜5×1018cm−3で膜厚10ÅのAl0.01In0.05GaNと、同様のSiドーピング濃度で膜厚20ÅのGaNとを交互に10周期程度積層した構成が用いられる。
まず、図3を用いて、井戸層4bをAlInGaN、バリア層4aをAlGaNとした場合の活性層4の具体的形成方法を示す。キャリアガスの窒素(N)を流し、Ga原子の原料ガスであるトリエチルガリウム(TEG)又はトリメチルガリウム(TMG)、窒素原子の原料ガスであるアンモニア(NH)、Al原子の材料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMA)を供給する。なお、n型にする場合にはドーパントガスとしてのシラン(SiH)も供給する。
図3からもわかるように、TEG、TMA、及び図示はしていないがNHについては活性層4の作製中は、連続して流すようにし、井戸層4bを作製するときのみ、In原子の原料ガスであるトリメチルインジウム(TMI)を図のように時間Lの間だけ流すようにする。そして、TMIを供給する期間と供給を停止する期間を交互に設定する。このようにして、時間Lに対応する期間では井戸層4bが、それ以外のTMIの供給が停止されている期間ではバリア層4aが作製され、バリア層4aと井戸層4bとが交互に形成される。また、バリア層4aにAlを添加せずに、GaNとする場合には、図3のTMAを連続して供給せずに、TMIの供給のオン−オフに同期させて、断続的(間欠的)に流すようにすれば良い。
図3の方法で、井戸層4bとバリア層4aとを同じ温度(例えば730℃)で成長させた場合の活性層の耐熱性の向上を示すデータが図4である。図4は、図1のGaN系半導体発光素子において、サファイア基板1上にAlInGaN/AlGaN超格子層3を形成した後、以上のように、活性層4としてAlInGaN井戸層とAlGaNバリア層とを5周期形成した後、アニール処理を行い、そのアニール温度(熱処理温度)とAlの組成比率によって活性層4の表面が黒色化しているかどうかを検査した。Alの組成比率は、AlInGaN井戸層とAlGaNバリア層とで共通である。
また、図4は、実験データの一部を示すもので、活性層4表面の画像データを縦軸Al組成(Al/Ga供給比)、横軸熱処理温度(アニール温度)の座標上に並べたものである。活性層4には、バリア層(障壁層)としてアンドープGaNを交互に積層したものを用い、AlInGaN井戸層のIn組成比率は20%程度とし、各温度毎の熱処理は窒素雰囲気中で行い、熱処理時間は30分とした。
また、活性層にAlを添加したものと比較するために、活性層4を従来のInGaN/GaN活性層とし、AlInGaN/AlGaN超格子層3をInGaN/GaN超格子層とした構成で同様の条件で熱処理を行った。なお、InGaN井戸層のIn組成比率は上記同様20%程度とした。図4中の破線は、ウエハの黒色化が始まる境界線を示す。
図4からもわかるように、従来のInGaN/GaN活性層では、950℃でウエハの黒色化が見られる。しかし、AlInGaN/AlGaN活性層で、Al組成が0.5%の場合、1000℃の熱処理で黒色化が始まっている。さらに、Al組成を増加させてAl組成が1.0%の場合には1050℃の熱処理温度にならないと、黒色化せず、1000℃でも活性層に問題は発生しない。Al組成を2.0%まで増加させた場合は、Al組成1.0%の場合と状態は変わらず、耐熱性はたいして向上しない。
次に、図5は、PL(フォトルミネセンス)測定の結果を示す。縦軸はPL強度(任意単位)、横軸は熱処理温度を表す。まず、図4の場合と同様に、図1の構成でサファイア基板1上に、活性層4としてAlInGaN井戸層とAlGaNバリア層又は、AlInGaN井戸層とGaNバリア層とを5周期程度形成した後、アニール温度を変化させて窒素雰囲気中で熱処理(時間30分)を行い、その後室温で発光スペクトル(PL強度分布)を測定し、各温度毎のPL強度分布の積分値を求めた。
曲線A1は、活性層がAlInGaN井戸層/AlGaNバリア層のMQW構造でAlの組成比率が0.25%を示す。曲線A2は、従来構造の活性層を用いたもので、InGaN井戸層/GaNバリア層のMQW構造の場合を示す。曲線A3は、活性層がAlInGaN井戸層/GaNバリア層のMQW構造でAlの組成比率が1%を示す。曲線A4は、活性層がAlInGaN井戸層/AlGaNバリア層のMQW構造でAlの組成比率が1%を示す。
従来構造の活性層を用いたA2では、950℃の熱処理を行うと、PL強度が激減し、活性層の劣化が見られる。これは、図4の結果とも一致している。一方、Alの組成比率が0.25%では、950℃付近で良好なPL強度を示し、1000℃の熱処理でPL強度が低下している。したがって、Alを添加したA1の方が、従来構造の活性層を用いたA2よりもT℃(図では50℃)耐熱性が向上した。また、A3では井戸層にのみAlが1%添加されているが、1000℃になると発光強度が低下しており、耐熱性はA1とほとんど変わらないが、Al組成比率の増加にともない発光強度も低下している。一方、井戸層とバリア層の両方にAlを1%添加したA4は、図4も参照すればわかるように耐熱性は、A1やA3よりも向上するが、発光強度はA3よりも低下する。
以上のように、図4、5に示された測定結果からは活性層にAlが少しでも添加されていれば、耐熱性の向上がみられると考えられる。一方、AlInGaN井戸層のAl組成比率を増加させていくと、バンドギャップは次第に大きくなり、発光はより短波長化するが、その波長シフト量が大きくならないように、少なくとも井戸層のAl組成は5%以下とするのが望ましい。また、図5を参照すれば、より好ましいAl組成は1%以下である。
なお、実際にLED構造の作製も行ったが、従来のInGaN/GaN活性層では900℃以上でp型層を成膜すると黒色化し、LED発光が得られないのに対し、今回作製したAlInGaNを用いた活性層では950℃でp型GaN層を成膜しても熱のダメージを受けず、特性の良好なLEDが得られた。
上記図4、5の測定結果は、アニール処理時間(熱処理時間)を30分として実験したものであり、この熱処理時間30分は活性層4上に成長させるp型GaN系半導体層の成長時間に相当するものであり、p型GaN系半導体層の成長時間はp型GaN系半導体層の膜厚に比例する。一方、p型AlGaNブロック層8とp型GaNコンタクト層5との合計膜厚が、活性層4形成後に結晶成長させたp型GaN系半導体層の膜厚に相当する。
図6は、p型GaN系半導体層の膜厚を厚くして(成長時間を長くして)、p型AlGaNブロック層8とp型GaNコンタクト層5との合計膜厚(p型GaN系半導体層の膜厚)を0.4μmに形成した場合におけるAlInGaN井戸層へのAl添加割合を変化させたときの輝度変化を示す。p型GaN系半導体層の膜厚が0.4μmであるということは、図8に示されている膜厚では最も厚い(最も成長時間が長い)ものであり、ESD耐圧は図からもわかるように600Vになる。
図6に示すように、実験では、AlInGaN井戸層へのAl添加割合が0の場合、すなわち従来構造のInGaN/GaN活性層を用いたときの輝度を1(100%)とした場合、井戸層へのAl添加割合が0.25%になると輝度は従来構造の1.3倍、井戸層へのAl添加割合が1%になると輝度は従来構造の1.27倍となった。このように、活性層にAlを添加することにより、p型GaN系半導体層の膜厚を少なくとも0.4μmの厚さに厚くすることで、輝度は従来構造のInGaN/GaN活性層よりも大きくすることができ、ESD耐圧も向上させることができる。
次に、図1のGaN系半導体発光素子の製造方法を以下に説明する。各半導体層は、良く知られたMOCVD法等で成長させる。例えば、サファイア基板1をサーマルクリーニングした後、基板温度を1000℃程度に上げて、サファイア基板1のr面上に、Siドープのn型GaNコンタクト層2を1〜5μm程度積層し、次に基板温度を700℃〜800℃に下げて、SiドープのAlInGaN/AlGaN超格子層3、MQW構造の活性層4を形成する。その後、基板温度を1000℃程度に上げて、電子ブロック層として機能するMgドープのp型AlGaNブロック層8を形成し、次にMgドープのp型GaNコンタクト層5を0.2〜1μm程度積層する。活性層4は、上述したように、井戸層AlX1InY1GaZ1N(X1+Y1+Z1=1、0<X1<1、0<Y1<1)、バリア層AlX2InY2GaZ2N(X2+Y2+Z2=1、0≦X2<1、0≦Y2<1)を交互に積層する。
p型GaNコンタクト層5を形成した後、p型GaNコンタクト層5〜n型GaNコンタクト層2の途中までを反応性イオンエッチング等によりメサエッチングして除去し、n型GaNコンタクト層2表面を露出させる。その後、露出したn型GaNコンタクト層2表面にn電極7を蒸着により形成し、p型GaNコンタクト層5の上にp電極6を蒸着により形成する。
ところで、p型GaNコンタクト層5上にp電極6を形成するのではなく、p型GaNコンタクト層5上に透明のZnO電極を積層した後、p電極6を形成するようにしても良い。この場合、GaドープZnO電極をたとえばMBE(Molecular beam epitaxy)やPLD(Pulsed Laser Deposition)によってp型GaNコンタクト層5上に形成する。
なお、上述した各半導体層の製造については、キャリアガスの水素/窒素とともに、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMIn)などの各半導体層の成分に対応する反応ガス、n型にする場合のドーパントガスとしてのシラン(SiH)、p型にする場合のドーパントガスとしてのCPMg(シクロペンタジエチルマグネシウム)等の必要なガスを供給して、650℃〜1000℃程度の範囲で順次成長させることにより、所望の組成で、所望の導電型の半導体層を、必要な厚さに形成することができる。
本発明のGaN系半導体発光素子の断面構造の一例を示す図である。 本発明のGaN系半導体発光素子における活性層の多重量子井戸構造を示す図である。 活性層の結晶成長におけるガスフローパターンを示す図である。 活性層へのAl添加割合と熱処理温度に対する活性層の黒色化の変化を示す図である。 活性層に対する熱処理温度の影響を活性層の種類毎に示す図である。 p型GaN系半導体層の特定の膜厚における活性層へのAl添加割合と輝度との関係を示す図である。 一般的なGaN系半導体発光素子の構造と成長温度変化を示す図である。 p型GaN系半導体層の膜厚、ESD耐圧、輝度との関係を示す図である。
符号の説明
1 サファイア基板
2 n型GaNコンタクト層
3 AlInGaN/AlGaN超格子層
4 活性層
4a バリア層
4b 井戸層
5 p型GaNコンタクト層
6 p電極
7 n電極
8 p型AlGaNブロック層

Claims (2)

  1. 量子井戸構造を有する活性層と該活性層形成後に成長させるp型GaN系半導体層を備えたGaN系半導体発光素子であって、
    前記活性層はAlX1InY1GaZ1N(X1+Y1+Z1=1、0<X1<1、0<Y1<1)井戸層とAlX2InY2GaZ2Nバリア層(X2+Y2+Z2=1、0≦X2<1、0≦Y2<1、Y1>Y2)とで構成されており、前記井戸層のAl組成は5%以下で、前記p型GaN系半導体層の膜厚は0.4μm以上に構成されたことを特徴とするGaN系半導体発光素子。
  2. 前記井戸層のAl組成は1%以下に構成されていることを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体発光素子。
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