JP2009123836A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光取り出し面を有するGaN系半導体層にダメージを与えずに、光り取り出し効率を向上させることができる窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】サファイア基板1上に、GaNバッファ層2、n型GaNコンタクト層3、MQW活性層4、p型GaNコンタクト層5が順次積層されており、p型GaNコンタクト層5からn型GaNコンタクト層3の途中まで一部領域がメサエッチングされて、n電極7が形成されている。一方、p型GaNコンタクト層5の上にp電極6が設けられており、p電極6以外に、複数のリッジ部8が点散するよう結晶成長により形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光り取り出し効率を高めた窒化物半導体発光素子に関する。
例えば、窒化物半導体は、照明、バックライト等用の光源として使われる青色LED、多色化で使用されるLED、LD等に用いられている。バルク単結晶の製造が困難なために、サファイア、SiC等の異種基板の上にMOCVD(有機金属気相成長法)を利用してGaNを成長させることが行われている。サファイア基板は、エピタキシャル成長工程の高温アンモニア雰囲気中の安定性にすぐれているので、成長用基板として特に用いられる。サファイア基板は絶縁性基板であり、サファイア基板上の窒化物半導体は、エピタキシャル成長後にn型窒化ガリウム層を露出するまでエッチングし、エッチングされた面にn型コンタクトを形成して、同一面側にp型とn型の二つの電極を設けている。
一方、p型とn型の二つの電極を対向させた構造の窒化物半導体発光素子も提案されている。例えば、図12に示すように、p電極21の上にp型GaN層22、InGaN活性層23、n型GaN層24が積層されている。なお、n型GaN層24の中央部上にn電極が形成されて、p電極21と対向した構造となるが、n電極は図示していない。また、図の上方向が光の取り出し方向となっている。
InGaN活性層23で発生した光は、360度方向に放射されるが、少しでも外部に取り出せる光量を上げるために、金属で構成されたp電極21を下面の反射ミラーとして用い、下側に放射される光をp電極21で反射させて上側に光を取り出している。
しかし、このように反射ミラーを用いたとしても、n型GaN層24と大気層との界面で発生する全反射によって、光の取り出し効率が非常に悪くなる。全反射は、光が屈折率の大きな媒質から屈折率の小さな媒質に向かう場合に境界面で発生するもので、境界面に入射する光の入射角が臨界角以上になると発生する。
全反射が発生しない臨界角以内で境界面に入射する光の範囲を示したのが光取り出しコーン25であり、p電極21からの反射光であれ、InGaN活性層23から直接上方向に向かう光であれ、この光取り出しコーン25の範囲内にはいった光は実線Tの矢印のように大気中に進んで取り出されるが、光取り出しコーン25の範囲内に入らない光は、実線Rのように、n型GaN層24と大気層との界面で全反射を起こし、取り出せない光となっていた。
特にGaNの屈折率(約2.5)が空気の屈折率(約1.0)と比較して非常に大きいので、屈折率差が増大すると光取り出しコーン25の範囲が狭くなり、光取り出し効率が悪化していた。
特開2006−310893号公報
上記従来の窒化物半導体発光素子の構造では、光の取り出し効率が向上しないので、例えば、特許文献1に示されるように、光取り出し効率を向上させるために、半導体層の一部に凹凸を形成するという手法が提案されている。これは、図12の破線で示されるように、光取り出し面であるn型GaN層24表面に、錐体形状突起26をエッチング加工やブラスト加工により形成するものである。この錐体形状突起26により、例えば、境界面で全反射されていた実線Rで示される光が、錐体形状突起26内を進み、錐体形状突起26の側面に入射する角度が臨界角以内となるので、破線Sのように大気中に放射され、光取り出し効率が向上するものである。
ところが、錐体形状突起26を形成するためには、n型GaN層24表面をエッチング加工やブラスト加工を行っており、このような加工処理によって、n型GaN層24にダメージを与えてしまい、電圧―電流特性に影響を与えるという問題が発生する。
また、図12のように、n型GaN層側から光を取り出すのではなく、p側から光を取り出す場合には、p型GaN層等のp型GaN系半導体層にエッチング加工やブラスト加工を行って、錐体形状突起を形成する必要があるが、p型GaN系半導体層に対する加工ダメージは、n型GaN系半導体層よりも大きい。加工ダメージはn型の伝導を示す欠陥を発生させるため、デバイスの漏れ電流を大きくしたり、GaNが高抵抗になって電極とp型GaN系半導体層とのオーミック接合の形成を困難にしたりする。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、光取り出し面を有するGaN系半導体層にダメージを与えずに、光り取り出し効率を向上させることができる窒化物半導体発光素子を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、少なくとも、n型GaN系半導体層、活性層、p型GaN系半導体層とを備えた窒化物半導体発光素子であって、前記n型GaN系半導体層又はp型GaN系半導体層のいずれか1方の光取り出し面に、GaN系半導体からなるリッジ部を複数結晶成長させて凹凸を形成したことを特徴とする窒化物半導体発光素子である。
また、請求項2記載の発明は、前記リッジ部の結晶成長は選択成長により行われることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体発光素子である。
また、請求項3記載の発明は、前記リッジ部の形状は六角錐台又は三角錐台であり、リッジ部の一辺がM面に平行に形成されていることを特徴とする請求項2記載の窒化物半導体発光素子である。
また、請求項4記載の発明は、前記リッジ部は前記p型GaN系半導体層の光取り出し面に形成され、p型GaN層からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子である。
また、請求項5記載の発明は、前記リッジ部は前記p型GaN系半導体層の光取り出し面に形成され、キャリア濃度が1019cm−3以上のn型GaN層からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子である。
また、請求項6記載の発明は、前記リッジ部は前記p型GaN系半導体層の光取り出し面に形成され、InGaN/GaN量子井戸構造からなり、該InGaNのIn組成比率は前記活性層の井戸層のIn組成比率よりも高いことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子である。
また、請求項7記載の発明は、前記InGaN/GaN量子井戸構造にはn型不純物がドープされていることを特徴とする請求項6記載の窒化物半導体発光素子である。
本発明によれば、n型GaN系半導体層又はp型GaN系半導体層の光取り出し面にGaN系半導体層からなるリッジ部を複数結晶成長させて凹凸を形成しているので、光取り出し面を構成するp型GaN系半導体層やn型GaN系半導体層にはダメージを与えることなく、光り取り出し効率を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の窒化物半導体発光素子の一例であるLEDの断面構造の例を示す。また、図2は、図1の窒化物半導体発光素子を上面から見た平面図を表わし、図2のA−A断面が図1を示す。
窒化物半導体発光素子を構成する窒化物半導体は、AlGaInN4元混晶を表し、いわゆるIII−V族窒化物半導体と呼ばれるもので、AlGaInN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表すことができる。また、GaN系半導体とは、GaNのみからなる半導体、又は構成材料にGaNを含む半導体であり、上記AlGaInN4元混晶において、0<y≦1で表される。
図1の例では、サファイア基板1の上に、GaNバッファ層2、n型GaNコンタクト層3、MQW活性層4、p型GaNコンタクト層5が順次積層されており、p型GaNコンタクト層5からn型GaNコンタクト層3の途中まで一部領域がメサエッチングされて、n型GaNコンタクト層3が露出した面にn電極7が形成されている。一方、p型GaNコンタクト層5の上にp電極6が設けられている。また、p型GaNコンタクト層5上には、複数のリッジ部8が点散するように形成されている。
MQW活性層4は、多重量子井戸構造(Multi Quantum Well)を有する活性層であり、井戸層(ウェル層)を、井戸層よりもバンドギャップの大きな障壁層(バリア層)でサンドイッチ状に挟んだ量子井戸構造を多重化したものとなっている。この量子井戸構造は、多重化せずに1つとしても良く、この場合は、単一量子井戸構造(SQW:Single Quantum Well)となる。
また、図1の構造では、p電極6とn電極7との電流経路幅は狭いものとなるので、p電極6とn電極7間の抵抗値が高くなって、動作電圧が高くなるとともに、MQW活性層4が均一に発光しないで、電流が流れる領域だけ強く光ることになるという問題がある。そこで、図3に示すように、リッジ部8の表面とp型GaNコンタクト層5の表面の全体に渡って透明電極9を形成し、透明電極9の上に電流注入のためのp電極6を形成するようにしても良い。透明電極9にはZnOやITO等が用いられる。このようにすれば、上記問題は解消し、MQW活性層4からの発光等、内部の光を透明電極9を透してp側に取り出すことができる。
リッジ部8は、例えば、断面が台形形状からなる六角錐台に形成されている。上から見た形状は、図2に示すように、六角形状となり、六角形状の底面8bと六角形状の頂面8a、稜線8c等で構成される。また、リッジ部8は、GaN系半導体からなり、後述する選択成長により形成される。
一方、リッジ部8の形状は、図2のように、六角錐台ではなく、断面が台形形状からなる三角錐台で構成しても良い。図4は、リッジ部を三角錐台に形成した場合に、複数のリッジ部18の一部を上から見た図を示す。この場合、三角形状の底面18bと三角形状の頂面18a、稜線18c等で構成される。
ところで、リッジ部8、18は後述する選択成長により形成されるが、分離した台形状のリッジ部を作製するために、選択成長用マスクの開口部の形状の一辺をp型GaNコンタクト層5のM面(10−10)と平行になるように形成しているので、リッジ部8の底面8bの各辺はすべてM面と平行になる。また、リッジ部18の底面18bの各辺のうち一辺はM面と平行となる。
リッジ部8、18は、GaN系半導体で構成されるが、まず、第1の例としては、p型GaN層で構成される。リッジ部がp型GaN層の場合、リッジ部と接触しているp型GaNコンタクト層5と同じp型GaNであるので、図3に示すように、ZnOやITO等の透明電極9をリッジ部及びp型GaNコンタクト層5表面の全体に渡って作製した場合、p型GaNと透明電極9との接触面積を増加させることができるので、リッジ部を形成しない場合と比較して動作電圧を低くすることができる。
次に、リッジ部の第2の例としては、n型GaN層で構成される。Si等のn型不純物を高濃度にドープし、キャリア濃度が1×1019cm−3以上となるn型GaNを作製する。このように、n型不純物が高濃度にドープされたn型GaNは、MQW活性層4からの発光を受けると緑色の光を発光する。したがって、MQW活性層4のIn比率を調整しておき、MQW活性層4で青色の光を発光するようにしておけば、このn型GaN層からなるリッジ部の緑色発光と合わせて、白色に近い光が蛍光体がなくても得られる。
次に、リッジ部の第3の例としては、MQW活性層4と同様、InGaN井戸層をGaN障壁層で挟んだ量子井戸構造とし、InGaN層とGaN層とを交互に数周期積層したMQW構造とする。この場合リッジ部を構成するInGaN井戸層のIn組成比率は、MQW活性層4のInGaN井戸層のIn組成比率よりも大きくし、500nm〜530nmの緑色発光が行われるように形成しておく。そして、MQW活性層4のInGaN井戸層のIn組成比率を調整して、例えば400nm〜450nmの発光波長の光を発生させるようにしておけば、MQW活性層4からの光とリッジ部からの光と合わせて、蛍光体を用いなくても、白色に近い光が得られる。また、上記リッジ部を構成するInGaN井戸層とGaN障壁層に各々Si(シリコン)をドープしておけば、発光効率を増加させることができる。
前記の場合の構成例を示すと、短波長の光を発生させるMQW活性層4は、例えば、InGaN井戸層のIn組成比率を10%〜15%の範囲で形成し、膜厚20Å〜30ÅのInGaN井戸層と膜厚150ÅのGaN障壁層とを交互に4〜10周期程度積層した積層構造で形成される。一方、長波長の光を発生させるリッジ部8又は18は、例えば、InGaN層のIn組成比率を20%程度、膜厚30ÅのInGaN層と膜厚150ÅのGaN層とを交互に4〜30周期程度積層した積層構造で構成される。また、リッジ部8又は18にSi(シリコン)をドープする場合は、不純物濃度1017×1019cm−3の範囲とすることができる。
図1のGaN系半導体発光素子の製造方法を図5〜図7を参照しつつ、以下に説明する。製造方法としては、主としてMOCVD法(有機金属気相成長法)を用いる。MOCVD装置内に、サファイア基板1を搬送し、水素ガスを流しながら、1050℃程度まで温度を上げ、サファイア基板1をサーマルクリーニングする。次に、サファイア基板1上に、例えば、GaNバッファ層2を膜厚0.01μm以下で、600〜700℃の低温で成長させる。その後、1000℃以上に基板温度を上げて、不純物Siドープのn型GaNコンタクト層3を膜厚3〜5μmで積層し、700℃程度に温度を下げて、MQW活性層4を井戸層をInGaN、バリア層をGaNで交互に数周期積層し膜厚0.1μmで、次に基板温度を1000℃以上に上げて、不純物Mgドープのp型GaNコンタクト層5を膜厚0.1〜0.3μmで積層する。
次に、p型GaNコンタクト層5上のリッジ部8を作製する所定の領域にマスクを形成する。p型GaNコンタクト層5からn型GaNコンタクト層3が露出するまで一部領域をドライエッチングする。このドライエッチングにより、最大0.6μmまでのGaN系半導体を除去した。その後、前記マスクを取り除くと、図5に示す積層構造体が得られる。
次に、図6に示すように、選択成長用マスク11をp型GaNコンタクト層5上に形成する。まず、選択成長用マスク11となるレジストをSOG(Spin On Glass)で塗布、被覆したのち、400℃の温度で30分加熱する。その後、リッジ部8、18を作製する部分を取り除いて開口部を形成し、p型GaNコンタクト層5表面を露出させる。選択成長用マスク11は、SiO等で構成される。
開口部の形成の際には、図2のような六角錐台のリッジ部8を作製したい場合には、図8に示すように、選択成長用マスク11に六角形状の開口部11aを形成するようにし、一方、図4のような三角錐台のリッジ部18を作製したい場合は、図9に示すように選択成長用マスク111に六角形状の開口部111aを形成するようにする。
選択成長用マスク11を用いた場合は、図7に示すように、開口部にGaN系半導体を成長させて、リッジ部8を作製する。ところで、サファイア基板等の成長用基板とGaNとでは、格子定数が異なるため、成長用基板上に成長させたGaN系半導体層においては、基板から上下方向に伸びる転位(格子欠陥)が存在している。このような転位を低減する方法として、選択横方向成長(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)が良く知られている。本発明では、上記選択成長を用いた。
この選択成長は、SiO等の誘電体による選択成長用マスク11でp型GaNコンタクト層5を覆うことにより、最初に選択成長用マスク11の開口部11a中央から再成長が起こり(選択成長)、その後選択成長用マスク11側にも成長層が拡がることで横方向に結晶成長が形成される。ここで、リッジ部が横方向に結合せずに、分離した状態で断面が台形状になるように結晶成長させるためには、選択成長マスク11の各開口部11a、の一辺L1が、p型GaNコンタクト層5のM面(10−10)と平行になるようにすることが必要である。
図9の選択成長マスク111を用いる場合には、各開口部111aの一辺L2が、p型GaNコンタクト層5のM面(10−10)と平行になるようにすることが必要である。これは、良く知られているように、窒化物半導体はウルツ鉱型となる六方晶の結晶構造を有しているために、柱面であるM面を上記選択成長マスクの開口部の一辺と平行になるようにすれば、縦方向の成長レートが横方向の成長レートよりも大きくなり、分離形状が形成される。また、選択成長の成長温度は900℃以下で行う。
ところで、InGaN/GaNによるMQW活性層4成長後に、p型GaN層等を成膜する際には、結晶品質を高めるために、従来、活性層の成長温度よりも200〜300℃高い温度となる1000℃付近の成長温度でエピタキシャル成長させている。このように、p型層の成長温度が高いために、既に成膜されている活性層4が熱のダメージを受け、発光特性が著しく悪化する。
特に、緑色〜黄色領域の発光波長の長波長の窒化物半導体発光素子を作製する場合、井戸層のIn組成比率が20%を超える程高くなるが、In組成比率が高くなるほど、高温状態に置かれた場合、Inが昇華して壊れやすくなり、発光効率が極端に落ちる。熱のダメージを受け続けると、Inが分離してウエハが黒色化する場合も発生する。したがって、なるべく、活性層4形成後は、1000℃付近の高温での結晶成長時間をなるべく短縮しておく必要がある。
一方、リッジ部は、光の取り出し効率を高めるためのものであるから、結晶品質にこだわることがないので、900℃以下の成長温度として活性層4への熱ダメージをなるべく回避させる。特に、リッジ部をInGaN/GaN量子井戸構造にし、活性層4よりも長波長の発光を得るためにIn組成比率を高めている場合には、リッジ部形成後に、1000℃付近の高温で結晶成長させる工程がないので効果的である。
ところで、n型GaNコンタクト層3のメサエッチングされて露出した領域には、マスク12が形成されているが、このマスク12は絶縁膜であり、選択成長用マスク11と同じ材料であっても良いし、異なる材料であっても良い。リッジ部8、18については、前述したように、GaN系半導体で形成され、その種類は、p型GaN、n型GaN、InGaN/GaN多重量子井戸構造等である。
選択成長が終了すると、図7のようにリッジ部8が形成され、その後、選択成長用マスク11及びマスク12を取り除いて、p電極6、n電極7を形成すれば、図1の窒化物半導体発光素子が完成する。ここで、p電極6、n電極7は、どちらも、下側からAlを膜厚3000Å、その上にNiを膜厚300Åで形成したAl/Ni金属多層膜とした。なお、図3のように、透明電極9を設ける場合は、選択成長用マスク11及びマスク12を取り除いた後、例えば、透明電極9としてZnOを2000Å程度形成した後、p電極6、n電極7を形成する。
なお、各半導体層の製造については、キャリアガスの水素又は窒素とともに、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMIn)などの各半導体層の成分に対応する反応ガス、n型にする場合のドーパントガスとしてのシラン(SiH)、p型にする場合のドーパントガスとしてのCPMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)等の必要なガスを供給して、700℃〜1200℃程度の範囲で順次成長させることにより、所望の組成で、所望の導電型の半導体層を、必要な厚さに形成することができる。
次に、n電極側から光を取り出すタイプの窒化物半導体発光素子の一例を図10に示す。これは、n型GaNコンタクト層33上にリッジ部38を選択成長により形成して、光の取り出し効率を高めたものである。リッジ部38は、リッジ部8、18と同様、断面が台形状の六角錐台又は三角錐台で構成され、n電極37の周囲に点散して形成されている。また、リッジ部38は、GaN系半導体で形成され、リッジ部8、18と同様、p型GaN、n型GaN、InGaN/GaN多重量子井戸構造等により構成される。
図10の窒化物半導体発光素子の製造方法について、簡単に説明する。成長用基板としてサファイア基板をMOCVD装置に入れ、水素ガスを流しながら、1050℃程度まで温度を上げ、サファイア基板11をサーマルクリーニングする。温度を600〜700℃程度まで下げ、低温で分離層となるGaNバッファ層を膜厚0.01μm以下で成長させる。
その後、1000℃以上に基板温度を上げて、不純物Siドープのn型GaNコンタクト層33を膜厚3〜5μmで積層し、700℃程度に温度を下げて、MQW活性層34を井戸層をInGaN、バリア層をGaNで交互に数周期積層し膜厚0.1μmで、次に基板温度を1000℃以上に上げて、不純物Mgドープのp型GaNコンタクト層35を膜厚0.1〜0.3μmで積層する。
次に、p電極36として、例えば、ZnO電極等の透明電極を形成し、p電極36上に、AlやAgなどの銀白色系の反射ミラーとして働く反射膜39を蒸着法で積層する。その後、支持基板40を反射膜39の上側に配置し、ハンダ又は熱圧着等を利用して、支持基板40を反射膜39に貼り付ける。
次に、サファイア基板を除去するために、レーザーリフトオフ(Laser Lift Off:以下LLOと略す)を用いる。例えば、248nmで発振するKrFレーザをサファイア基板側からGaNバッファ層に向けて照射し、GaNバッファ層のGaNが分解することにより、サファイア基板が剥離される。
サファイア基板を剥離した後、図6及び図7に示す工程と同様、選択成長マスクをSOGにより形成して、開口部を開け、選択成長により、リッジ部38を再成長させる。選択成長マスクは、図8、9に示される選択成長用マスク11又は111を用いる。また、選択成長マスク用11、111の開口部11a、111aの一辺L1、L2がM面と平行になるように開口部を形成する。以上のように、リッジ部38を結晶成長させた後、選択成長用マスクを取り除き、n電極37を形成すれば図10の窒化物半導体発光素子が完成する。なお、n電極37は、Al/Niを膜厚3000Å/300Åで積層した金属多層膜で形成した。
以上のように形成されたリッジ部を有する窒化物半導体発光素子における光の取り出しについて示したのが、図11である。図11は、いくつかのリッジ部を代表的に破線で示して、MQW活性層4からの光の進路を示した模式図であり、図中3、4、5の符号が付された半導体層は、図1と同じ構成を表わす。
全反射が発生しない臨界角以内で境界面に入射する光の範囲を示したのが光取り出しコーン15であり、MQW活性層4で発光した光のうち、光取り出しコーン15の範囲内にはいった光は実線Tの矢印のように大気中に進んで取り出される。ここで、仮に破線で示されたリッジ部がない場合を考えると、光取り出しコーン15の範囲内に入らない光は、実線Rのように、p型GaNコンタクト層5と大気層との界面で全反射を起こし、取り出せない光となってしまう。
しかし、リッジ部を形成された場合は、p型GaNコンタクト層5とリッジ部とはどちらもGaN系半導体で構成されているため、p型GaNコンタクト層5とリッジ部との屈折率差は、ほとんどなくなるので、境界面で全反射されていた実線Rで示される光が、直進してリッジ部内を進み、リッジ部側面に入射する角度が臨界角以内となるので、破線Sのように大気中に放射され、光取り出し効率が向上するものである。また、リッジ部は、エッチングやブラスト等の加工処理ではなく、選択成長法等の結晶成長により形成されるので、光取り出し面を構成するGaN系半導体層に損傷、ダメージを与えることがない。
本発明の窒化物半導体発光素子の断面構造の一例を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子を上から見た平面図である。 本発明の窒化物半導体発光素子の断面構造の他の例を示す図である。 図2とは異なるリッジ部形状を示す図である。 本発明の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 本発明の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 本発明の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 選択成長用マスク形状の一例を示す図である。 選択成長用マスク形状の一例を示す図である。 本発明の窒化物半導体発光素子の断面構造の他の例を示す図である。 リッジ部の形成により、光取り出し効率が向上することを説明する概略図である。 従来の光取り出し効率を向上させた窒化物半導体発光素子の構造を示す概略図である。
符号の説明
1 サファイア基板
2 GaNバッファ層
3 n型GaNコンタクト層
4 MQW活性層
5 p型GaNコンタクト層
6 p電極
7 n電極
8 リッジ部

Claims (7)

  1. 少なくとも、n型GaN系半導体層、活性層、p型GaN系半導体層とを備えた窒化物半導体発光素子であって、
    前記n型GaN系半導体層又はp型GaN系半導体層のいずれか1方の光取り出し面に、GaN系半導体からなるリッジ部を複数結晶成長させて凹凸を形成したことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記リッジ部の結晶成長は選択成長により行われることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記リッジ部の形状は六角錐台又は三角錐台であり、リッジ部の一辺がM面に平行に形成されていることを特徴とする請求項2記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記リッジ部は前記p型GaN系半導体層の光取り出し面に形成され、p型GaN層からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記リッジ部は前記p型GaN系半導体層の光取り出し面に形成され、キャリア濃度が1019cm−3以上のn型GaN層からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記リッジ部は前記p型GaN系半導体層の光取り出し面に形成され、InGaN/GaN量子井戸構造からなり、該InGaNのIn組成比率は前記活性層の井戸層のIn組成比率よりも高いことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記InGaN/GaN量子井戸構造にはn型不純物がドープされていることを特徴とする請求項6記載の窒化物半導体発光素子。
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