JP2017084140A - 緊急停止システム及び緊急停止方法 - Google Patents

Abstract

【課題】車両の自動停止処理に伴うハザードランプの点灯中に使用者による操作がなされた場合であっても、使用者へ与えられる違和感を解消又は軽減することが出来る緊急停止システムを提供する【解決手段】緊急停止システム１は、モーメンタリ式ハザードスイッチ１７１と、所定条件が成立したときに、車両を自動停止させる自動停止制御を実行する自動停止制御部１２２と、自動停止制御が実行されていないときは、使用者によりハザードスイッチ１７１の押圧操作がなされる毎に、ハザードランプを点滅状態Ｓ２と消灯状態Ｓ１とに切り替え、また、自動停止制御が開始されたときにハザードランプを点滅状態Ｓ４とし、自動停止制御の実行中にハザードランプが点滅しているときに、ハザードスイッチ１７１が押圧操作されたときには、ハザードランプを消灯（消灯状態Ｓ５に遷移）するハザードランプ制御部１６１とを備える。【選択図】図２

Description

本発明は、車両を緊急停止させる緊急停止システム及び緊急停止方法に関する。

従来、車両の運転者が運転困難な状態に陥った場合のための緊急停止システムが知られている。

例えば、緊急通報錠の押下に応じて、車両の制御装置に対して車両の自動停止処理を行うように要求を出すと共に、ハザードランプ制御装置にハザードランプを点灯するように指令を出す緊急通報手段を備える車両用緊急通報装置が提案されている（特許文献１参照）。

この車両用緊急通報装置によれば、車両の自動停止処理の際に、ハザードランプが点灯するので、車両が緊急停止中であることを後方車等の周辺の車両に知らせることが出来る。

特開２００３−２３３８８６号公報

特許文献１の技術では、使用者の操作と車両の自動停止処理に伴うハザードランプの点灯制御とが競合することにより、使用者の意図に沿わないハザードランプの点灯制御がなされ、使用者に違和感を覚えさせるおそれがあった。

そこで、本発明は、車両の自動停止処理に伴うハザードランプの点灯中に、使用者へ与えられる違和感を解消又は軽減することが出来る緊急停止システム及び緊急停止方法を提供することを目的とする。

本発明の緊急停止システムは、
車両に備えられたハザードランプの点滅又は消灯を指示するためのモーメンタリ式ハザードスイッチと、
所定条件が成立したときに、前記車両を自動停止させる自動停止制御を実行する自動停止制御部と、
前記自動停止制御が実行されていないときは、使用者により前記ハザードスイッチの押圧操作がなされる毎に、前記ハザードランプを点滅状態と消灯状態とに切り替え、また、前記自動停止制御が開始されたときに前記ハザードランプを点滅状態とし、前記自動停止制御の実行中に該ハザードランプが点滅しているときに、前記ハザードスイッチが押圧操作されたときには、前記ハザードランプを消灯するハザードランプ制御部と、
を備えたことを特徴とする。

ここで、本発明の緊急停止システムの作用効果を説明する前に、従来のハザードスイッチについて簡単に説明する。

従来のハザードスイッチには、オルタネイト式スイッチが採用されることが一般的である。オルタネイト式スイッチが自由状態（例えば突出位置）にあるときに押圧操作がなされると、オルタネイト式スイッチは動作状態（例えば没入位置）に遷移し、その後、再度押圧操作がなされるまで動作状態を保持する。一方、オルタネイト式スイッチが動作状態にあるときに押圧操作がなされると、オルタネイト式スイッチは自由状態に遷移し、その後、再度押圧操作がなされるまで自由状態を保持する。

従来のハザードスイッチでは、オルタネイト式スイッチが自由状態であるときにハザードランプが消灯状態に制御され、オルタネイト式スイッチが動作状態であるときにハザードランプが点滅状態に制御されていた。

しかし、自動停止制御が開始されると、ハザードスイッチの操作に依らずにハザードランプが点滅状態とされる。このため、前記オルタネイト式スイッチの場合、オルタネイト式スイッチが自由状態（突出位置）であるにもかかわらず、ハザードランプが点滅状態になるので、使用者（車両の運転者又は同乗者）に違和感を覚えさせるおそれがある。

また、自動停止制御により点滅状態になっているハザードランプを消灯するために使用者がオルタネイト式スイッチを一度押圧して動作状態（没入位置）にしたのち、再度押圧して自由状態（突出位置）にしなければならないと、使用者に煩わしさを覚えさせるおそれがある。

このような問題点に鑑みて構成された本発明の緊急停止システムによれば、自動停止制御が実行されていないときには、ハザードランプ制御部によって、ハザードスイッチの押圧操作がなされる毎にハザードランプが点滅状態と消灯状態とに切り換えられる。

ここで、本発明のハザードスイッチはモーメンタリ式で構成されているところ、モーメンタリ式スイッチが自由状態（例えば突出位置）にあるときに押圧操作がなされると、モーメンタリ式スイッチは一時的に動作状態（例えば没入位置）に遷移した後、自由状態に戻るように構成されている。このため、ハザードランプが点滅状態及び消灯状態のいずれであっても、使用者がハザードスイッチを操作していないときには、ハザードスイッチは自由状態を保持する。

また、自動停止制御部による自動停止制御の実行に応じて、ハザードランプ制御部によりハザードランプが点滅状態に制御された場合、自動停止制御が実行されていない場合におけるハザードランプの点滅状態におけるハザードスイッチの状態と同じく、ハザードスイッチは自由状態となっている。

また、自動停止制御によりハザードランプが点滅状態であるときに、使用者によるハザードスイッチの一度の押圧操作によって、ハザードランプ制御部によりハザードランプが消灯される。そしてこの場合も、自動停止制御が実行されていない場合におけるハザードランプ消灯時のハザードスイッチの状態と同じく、ハザードスイッチは自由状態となる。

以上の通り、本発明の緊急停止システムによれば、車両の自動停止処理に伴うハザードランプの点滅中に、使用者へ与えられるハザードスイッチの状態についての違和感及びハザードスイッチによるハザードランプの消灯操作の煩わしさが解消又は軽減される。

本発明の緊急停止システムにおいて、
前記ハザードスイッチとは別個に構成された緊急停止スイッチを備え、
前記所定条件は、前記緊急停止スイッチの押圧操作がなされたという条件を含むことが好ましい。

当該構成の緊急停止システムによれば、緊急停止スイッチが操作されたことを必要条件として、自動停止制御部により自動停止制御が実行される。

そして、例えば誤操作等により、使用者の意図に反して緊急停止スイッチが押圧操作され、使用者がその緊急停止スイッチの押圧操作に気が付いていない場合又は使用者が緊急停止スイッチを意図的に押圧操作したものの一時的に運転を継続したい場合などに、使用者がハザードランプを消灯させようと考える場合がある。このような場合に、前述したように使用者はハザードスイッチの一度の操作によりハザードランプを消灯させることができる。

本発明の緊急停止システムにおいて、
前記車両に対する所定の運転操作の有無を検出する運転操作検出部を備え、
前記所定条件は、前記運転操作検出部により所定の運転操作無しと検出された状態が所定の第１期間継続したという条件を含むことが好ましい。

当該構成の緊急停止システムによれば、運転操作検出部により所定の運転操作無しと検出された状態が所定の第１期間継続したことを必要条件として、自動停止制御部により自動停止制御が実行される。

しかし、自動停止制御の実行中であっても、使用者（車両の運転者）が運転操作を再開したい場合などには、使用者がハザードスイッチによるハザードランプの消灯を希望する場合がある。このような場合に、使用者は、ハザードスイッチの一度の押圧操作によりハザードランプを消灯させることが出来る。

本発明の緊急停止システムにおいて、
前記車両に対する所定の運転操作の有無を検出する運転操作検出部を備え、
前記自動停止制御部は、前記自動停止制御の実行中において前記運転操作検出部により所定の運転操作有りと検出された状態が所定の第２期間継続した場合に、前記自動停止制御を終了させることが好ましい。

当該構成の緊急停止システムによれば、自動停止制御の実行中において運転操作検出部により所定の運転操作有りと検出された状態が所定の第２期間継続した場合、自動停止制御が終了する。自動停止制御の実行中において運転操作検出部により検出された運転操作が所定の第２期間継続した場合は、車両の運転者が運転意思を有する蓋然性が高いので、自動停止制御を終了することにより、車両の運転者の意図に沿った制御を実現できる。

このような運転操作の再開の前後に使用者がハザードスイッチによってハザードランプを消灯させようと試みる場合がある。このような場合に、使用者は、ハザードスイッチの一度の押圧操作によりハザードランプを消灯させることが出来る。

本発明の緊急停止システムにおいて、
前記ハザードランプ制御部は、
前記自動停止制御に応じて前記ハザードランプを点滅状態とした場合、前記自動停止制御が終了したときに前記ハザードランプを消灯させ、かつ、
前記自動停止制御の開始前又は実行中に前記ハザードスイッチの押圧操作に応じて前記ハザードランプを点滅状態とした場合、前記自動停止制御が終了しても、前記ハザードランプの点滅状態を継続させることが好ましい。

自動停止制御に応じてハザードランプが点滅していた場合、自動停止制御が終了すると、ハザードランプの点滅は、多くの場合不要となると推察される。このため、ハザードランプ制御部が自動停止制御の終了に応じてハザードランプの点滅を終了させても使用者が強い違和感を覚えることはない。

一方、使用者がハザードスイッチの押圧操作により前記ハザードランプを点滅状態とした場合には、使用者は、自動停止制御の実行とは関係なくハザードランプの点滅を希望していると推察される。従って、このような場合には、自動停止制御が終了しても、ハザードランプ制御部がハザードランプの点滅を継続させることにより、使用者に与えられる違和感が軽減または防止される。

本発明の緊急停止システムにおいて、
前記ハザードランプ制御部は、前記自動停止制御の実行中において、前記自動停止制御部が所定の制御の実行を開始したときには、前記ハザードランプを消灯させ、前記所定の制御が終了したときに前記ハザードランプの点滅を再開させるように構成されていることが好ましい。

当該構成の緊急停止システムによれば、自動停止制御の実行中にハザードランプを点滅させていると使用者及び他車両の搭乗者に違和感を抱かせるおそれがある場合に、ハザードランプ制御部により前記ハザードランプの点滅又は消灯が制御されるので、ハザードランプの点滅又は消灯についての使用者又は他車両の搭乗者に与えられる違和感が解消又は軽減されうる。

当該構成の緊急停止システムにおいて、
前記所定の制御は前記車両に備えられたターニングランプの点滅を伴う車線変更であることが好ましい。

ターニングランプの点滅を伴う車線変更が行われる場合、ハザードランプが点滅状態であると、ターニングランプの点滅が視認しにくくなるところ、当該構成の緊急停止システムによれば、前記自動停止制御の実行中において車線変更が行われる場合、前記ハザードランプ制御部がハザードランプを消灯するので、ターニングランプの点滅の視認しにくさに起因して他車両の搭乗者に与えられる違和感が解消又は軽減される。

これらの緊急停止システムにおいて、
前記車両に対する加速操作を検出する加速操作検出部を備え、
前記自動停止制御部は、前記自動停止制御の実行中において前記加速操作検出部が前記加速操作を検出した場合、前記自動停止制御を中断し、前記自動停止制御の中断後、前記加速操作検出部により前記加速操作が検出された状態が所定の第３期間以上継続した場合には、前記自動停止制御を終了し、前記自動停止制御の中断後、前記第３期間が経過する前に前記加速操作検出部により前記加速操作が検出されない状態になった場合には、前記自動停止制御を再開するように構成され、
前記ハザードランプ制御部は、前記自動停止制御の中断中は前記ハザードランプを消灯させ、前記自動停止制御の再開に応じて前記ハザードランプの点滅を再開させるように構成されていることが好ましい。

当該構成の緊急停止システムによれば、自動停止制御の実行中において加速操作検出部により加速操作が検出されたことに応じて、自動停止制御部により自動停止制御が中断されるとともにハザードランプ制御部によりハザードランプが消灯される。これにより、使用者にハザードスイッチ操作の煩わしさを感じさせることなく、使用者及び他車両の搭乗者に対して、自動停止制御が中断されていることを認知させることが出来る。

また、加速操作が所定期間（第３期間）以上継続する場合、加速操作が車両の運転者の運転意思に基づく操作であると推定される一方、加速操作の継続期間が当該所定期間（第３期間）未満で終了した場合、加速操作が運転者の運転意思に基づくか否か不明であるところ、自動停止制御部は、加速操作が所定の第３期間以上継続するか否かに応じて、自動停止制御の終了制御又は自動停止制御の再開制御を実行するので、車両の運転者の意図に沿った制御を実現することが出来る。

そして、自動停止制御の再開に応じてハザードランプ制御部によりハザードランプの点滅が再開されることにより、使用者にハザードスイッチ操作の煩わしさを感じさせることなく、自動停止制御が再開されたことを使用者及び周囲の他車両の搭乗者に認知させることが出来る。

以上の通り、当該構成の緊急停止システムによれば、使用者の運転意思を尊重することが出来るとともに自動停止制御の実行状況に応じてハザードランプの点滅又は点滅の停止が制御されるので、使用者にハザードスイッチ操作の煩わしさを感じさせることなく、自動停止制御の実行状況を使用者及び他車両の搭乗者に認知させることが出来る。

当該構成の緊急停止システムにおいて、
前記ハザードランプ制御部は、前記自動停止制御の中断によりハザードランプが消灯した状態で、前記ハザードスイッチの押圧操作がなされた場合、前記ハザードランプを点滅状態とすることが好ましい。

当該構成の緊急停止システムによれば、自動停止制御に伴ってハザードランプが消灯されていても、ハザードスイッチの押圧操作がなされた場合には、使用者はハザードランプの点滅の再開を意図していると推察されるところ、ハザードランプ制御部によりハザードランプを点滅状態とされる。

本発明の緊急停止システムは、
所定条件が成立したときに、車両を自動停止させる自動停止制御を実行する自動停止制御部と、
前記車両に対する加速操作を検出する加速操作検出部と、
前記自動停止制御が開始されたときに前記車両に備えられたハザードランプを点滅状態とするハザードランプ制御部とを備え、
前記自動停止制御部は、前記自動停止制御の実行中において前記加速操作検出部により前記加速操作が検出された場合、前記自動停止制御を中断し、前記自動停止制御の中断後、前記加速操作検出部により前記加速操作が検出された状態が所定の第４期間以上継続した場合、前記自動停止制御を終了し、前記自動停止制御の中断後、前記加速操作検出部により前記加速操作が検出された状態の継続期間が前記第４期間未満である場合、前記自動停止制御を再開するように構成され、
前記ハザードランプ制御部は、前記自動停止制御の中断中は前記ハザードランプを消灯させ、前記自動停止制御の再開に応じて前記ハザードランプの点滅を再開させるように構成されていることを特徴とする。

当該構成の緊急停止システムによれば、自動停止制御の実行中において加速操作検出部により加速操作が検出されたことに応じて、自動停止制御部により自動停止制御が中断されるとともにハザードランプ制御部によりハザードランプが消灯される。これにより、使用者及び他車両の搭乗者に対して、自動停止制御が中断されていることを認知させることが出来る。

また、加速操作が所定期間（第４期間）以上継続する場合、加速操作が車両の運転者の運転意思に基づく操作であると推定される一方、加速操作の継続期間が当該所定期間（第４期間）未満で終了した場合、加速操作が運転者の運転意思に基づくか否か不明であるところ、自動停止制御部は、加速操作が所定の第４期間以上継続するか否かに応じて、自動停止制御の終了制御又は自動停止制御の再開制御を実行するので、車両の運転者の意図に沿った制御を実現することが出来る。

そして、自動停止制御の再開に応じてハザードランプ制御部によりハザードランプの点滅が再開されることにより、自動停止制御が再開されたことを使用者及び周囲の他車両の搭乗者に認知させることが出来る。

以上の通り、当該構成の緊急停止システムによれば、使用者の運転意思を尊重することが出来るとともに自動停止制御の実行状況に応じてハザードランプの点滅又は点滅の停止が制御されるので、自動停止制御の実行状況を使用者及び他車両の搭乗者に認知させることが出来る。

本発明の緊急停止方法は、
車両に備えられたハザードランプの点滅又は消灯を指示するためのモーメンタリ式ハザードスイッチと、
所定条件が成立したときに、前記車両を自動停止させる自動停止制御を実行する自動停止制御部とを備えるシステムが実行する方法であって、
前記自動停止制御が実行されていないときは、使用者により前記ハザードスイッチの押圧操作がなされる毎に、前記ハザードランプを点滅状態と消灯状態とに切り替えるステップと、
前記自動停止制御が開始されたときに前記ハザードランプを点滅状態とするステップと、
前記自動停止制御の実行中に該ハザードランプが点滅しているときに、前記ハザードスイッチが押圧操作されたときには、前記ハザードランプを消灯するステップとを含むことを特徴とする。

本発明の緊急停止方法をシステムに適用して実施することによって、上述した本発明の緊急停止システムと同様の作用効果を得ることができる。

緊急停止システムの全体構成図。 ハザードランプ制御部の状態遷移図。 ハザードランプ制御部の入力と出力との関係の一例を示すタイムチャートで、図３Ａはハザード制御要求のタイムチャート、図３Ｂはハザードスイッチ押下信号のタイムチャート、図３Ｃは点滅制御信号のタイムチャート。 ハザードランプ制御部の入力と出力との関係の他の例を示すタイムチャートで、図４Ａはハザード制御要求のタイムチャート、図４Ｂはハザードスイッチ押下信号のタイムチャート、図４Ｃは点滅制御信号のタイムチャート。 自動停止制御における緊急停止システムの作動を示す図で、図５Ａは各構成要素の作動を示す図で、図５Ｂは車両の位置とランプの点滅状態を示す図。 自動停止制御の実行前にハザードスイッチの押圧操作がなされた場合の緊急停止システムの作動を示す図で、図６Ａは各構成要素の作動を示す図で、図６Ｂは車両の位置とランプの点滅状態を示す図。 自動停止制御において車線変更がなされる場合の緊急停止システムの作動を示す図で、図７Ａは各構成要素の作動を示す図で、図７Ｂは車両の位置とランプの点滅状態を示す図。 自動停止制御により車線変更がなされる場合において、ハザードスイッチの押圧操作がなされた場合の緊急停止システムの作動を示す図で、図８Ａは各構成要素の作動を示す図で、図８Ｂは車両の位置とランプの点滅状態を示す図。 自動停止制御において継続したアクセル操作が検出された場合の緊急停止システムの作動を示す図で、図９Ａは各構成要素の作動を示す図で、図９Ｂは車両の位置とランプの点滅状態を示す図。 自動停止制御において継続したアクセル操作及びハザードスイッチの押圧操作が検出された場合の緊急停止システムの作動を示す図で、図１０Ａは各構成要素の作動を示す図で、図１０Ｂは車両の位置とランプの点滅状態を示す図。 自動停止制御において一時的なアクセル操作が検出された場合の緊急停止システムの作動を示す図で、図１１Ａは各構成要素の作動を示す図で、図１１Ｂは車両の位置とランプの点滅状態を示す図。 自動停止制御において一時的なアクセル操作及びハザードスイッチの押圧操作が検出された場合の緊急停止システムの作動を示す図で、図１２Ａは各構成要素の作動を示す図で、図１２Ｂは車両の位置とランプの点滅状態を示す図。

（緊急停止システムの構成）
図１に示される緊急停止システム１は、車両に搭載され、緊急停止スイッチ１１１と、緊急通報システム１１２と、フロントカメラ１２１と、自動停止制御部１２２と、操作検出部１２３と、安定性制御ユニット１３１と、操舵制御ユニット１３２と、情報提供制御ユニット１４１と、メーター１５１と、ハザードランプ制御部１６１と、ハザードスイッチ１７１とを備える。なお、操作検出部１２３により、本発明の「運転操作検出部」及び「加速操作検出部」が構成される。また、ハザードランプ制御部１６１により、本発明の「ハザードランプ制御部」が構成される。

緊急停止スイッチ１１１は、ハードワイヤを介して緊急通報システム１１２及び自動停止制御部１２２と接続されている。緊急停止スイッチ１１１は、車両の搭乗者（運転者及び同乗者）による押圧操作を検出した場合に、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２及び自動停止制御部１２２とに出力されるように構成されている。

緊急通報システム１１２は、ハードワイヤを介して緊急停止スイッチ１１１と接続されている。

緊急通報システム１１２は、緊急停止スイッチ１１１から緊急停止スイッチ押下信号を入力された場合、車両の搭乗者と外部の緊急通報センタ―の担当者とを通話させるため、電話通信網を介して外部の緊急通報センタ―に電話をかけるように構成されている。

フロントカメラ１２１は、通信ケーブルを介して自動停止制御部１２２と接続されている。フロントカメラ１２１は、車両の進行方向の撮像画像を自動停止制御部１２２に出力するように構成されている。

自動停止制御部１２２は、ハードワイヤを介して緊急停止スイッチ１１１と接続され、通信ケーブルを介してフロントカメラ１２１、操作検出部１２３、安定性制御ユニット１３１、操舵制御ユニット１３２、情報提供制御ユニット１４１及びメーター１５１と接続されている。自動停止制御部１２２は、車両進行方向の物体の有無を監視するレーダ（不図示）を備える。

自動停止制御部１２２は、ＥＣＵ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｕｎｉｔ）等によって構成され、緊急停止スイッチ１１１からの緊急停止スイッチ押下信号、フロントカメラ１２１からの撮像画像、操作検出部１２３からの操作情報及びレーダから入力された車両前方に物体が存在するかどうかを示す情報に基づいて、制動制御要求及び減速度、操舵要求及び操舵要求値、ステータス情報並びにハザード制御要求を夫々、安定性制御ユニット１３１、操舵制御ユニット１３２、情報提供制御ユニット１４１及びメーター１５１に出力するように構成されている。

ここで、ハザード制御要求は常時出力される０〜３の４値の要求である。自動停止制御部１２２がハザードランプの点滅又は消灯状態の維持を要求する場合、自動停止制御部１２２はメーター１５１に対して値が０のハザード制御要求を出力する。

自動停止制御部１２２が例えば自動停止制御（停止のための減速制御及び操舵制御）の実行の開始又は車線変更の実行の終了に伴ってハザードランプの点滅の開始を要求する場合、自動停止制御部１２２はメーター１５１に対して値が１のハザード制御要求（点滅）を出力する。

自動停止制御部１２２が例えば自動停止制御の実行の終了に伴ってランプの消灯の開始を要求する場合、自動停止制御部１２２はメーター１５１に対して値が２のハザード制御要求（消灯）を出力する。

自動停止制御部１２２が例えば車線変更の実行の開始又は自動停止制御の中断に伴ってランプの点滅の一時停止を要求する場合、自動停止制御部１２２はメーター１５１に対して値が３のハザード制御要求（点滅の一時停止）を出力する。

操作検出部１２３は、通信ケーブルを介して自動停止制御部１２２と接続されている。操作検出部１２３は、アクセルポジションセンサ等により構成され、アクセル開度情報を含む各操作の有無を示す操作情報を自動停止制御部１２２に出力するように構成されている。

安定性制御ユニット１３１は、通信ケーブルを介して自動停止制御部１２２と接続され、ハードワイヤを介して車両に備えられた停止ランプ１３３と接続されている。安定性制御ユニット１３１は、自動停止制御部１２２から入力された制動制御要求及び減速度に基づいて、車両の制動制御又は車速維持制御を実行するとともに、停止ランプ点灯要求を出力することにより、停止ランプ１３３を点灯又は消灯させる制御を実行するように構成されている。

操舵制御ユニット１３２は、通信ケーブルを介して自動停止制御部１２２と接続されている。操舵制御ユニット１３２は、自動停止制御部１２２から入力された操舵要求及び操舵要求値に基づいて、車両の操舵制御を実行するように構成されている。

情報提供制御ユニット１４１は、通信ケーブルを介して自動停止制御部１２２と接続され、アナログケーブル等の有線ケーブルを介して車両に備えられたスピーカ１４２及びディスプレイ１４３と接続されている。情報提供制御ユニット１４１は、自動停止制御部１２２から入力されたステータス情報に基づいて、自動停止制御開始、自動停止制御の実行中、車線変更中、及び自動停止制御終了等の車両の制御状態並びにハザードランプ自動点滅開始、ハザードランプ自動点滅一時停止及びハザードランプ自動点滅終了等のハザードランプの制御状態をスピーカ１４２及びディスプレイ１４３に出力するように構成されている。

メーター１５１は、通信ケーブルを介して自動停止制御部１２２及びハザードランプ制御部１６１と接続されている。メーター１５１は、自動停止制御部１２２から入力されたハザード制御要求に基づいて、ハザードランプの点滅状態を表示するとともに、入力されたハザード制御要求と同一の値のハザード制御要求をハザードランプ制御部１６１へ出力する。

ハザードランプ制御部１６１は、ハードワイヤ等を介してハザードスイッチ１７１と、車両に備えられた左前ランプ１６３Ｌ、右前ランプ１６３Ｒ、左後ランプ１６４Ｌ及び右後ランプ１６４Ｒの夫々と接続されている。

左前ランプ１６３Ｌ、右前ランプ１６３Ｒ、左後ランプ１６４Ｌ及び右後ランプ１６４Ｒの夫々は、ターニングランプ（方向指示器）としても機能するように構成されている。

ハザードランプ制御部１６１は、ＥＣＵ等によって構成され、メーター１５１から入力されたハザード制御要求及びハザードスイッチ１７１から入力されたハザードスイッチ押下信号に基づいて、左前ランプ１６３Ｌ、右前ランプ１６３Ｒ、左後ランプ１６４Ｌ及び右後ランプ１６４Ｒの夫々を点滅させる要求、又は左前ランプ１６３Ｌ、右前ランプ１６３Ｒ、左後ランプ１６４Ｌ及び右後ランプ１６４Ｒの夫々を消灯させる要求（点滅制御要求）を出力するように構成されている。

ハザードランプ制御部１６１は、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を消灯させる場合、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々に出力する。ハザードランプ制御部１６１は、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を点滅させる場合、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々に出力する。

また、ハザードランプ制御部１６１は、内部変数として、ハザードスイッチ１７１に対する操作に応じた点滅状態を示す０また１の２値の手動点滅状態変数を記憶している。

ハザードスイッチ１７１は、ハードワイヤ等を介してハザードランプ制御部１６１と接続されている。ハザードスイッチ１７１は、モーメンタリ式のスイッチで構成され、押圧操作を検出したときに、ハザードスイッチ押下信号をハザードランプ制御部１６１に出力するように構成されている。

ハザードスイッチ１７１は、ハザードスイッチ１７１に対する押圧操作を検出しない場合、ハザードランプ制御部１６１に対して０を出力し、ハザードスイッチ１７１に対する押圧操作を検出した場合、ハザードランプ制御部１６１に対して１を出力する。

（ハザードランプ制御部の状態）
次に、図２を参照して、ハザードランプ制御部１６１の状態遷移を説明する。

ハザードランプ制御部１６１は、図２に示されるように、ハザードスイッチ押下信号及びハザード制御要求の入力に応じて、第１状態Ｓ１〜第６状態Ｓ６のいずれかの状態に遷移するように構成されている。

車両のイグニッションスイッチの操作に伴って、緊急停止システム１が起動すると、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１に遷移する。

第１状態Ｓ１は、自動停止制御が実行されていない状態において、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を消灯状態に維持する状態である。第１状態Ｓ１では、ハザードランプ制御部１６１は、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を消灯状態に制御する、値が０の点滅制御要求を出力する。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を０に設定する。

第１状態Ｓ１において、矢印Ｃ１２に示されるように、値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、ハザードスイッチ１７１に対する押圧操作がなされると）、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２に遷移する。

第１状態Ｓ１において、矢印Ｃ１４に示されるように、値が１のハザード制御要求（点滅）が入力されると（換言すれば、自動停止制御部１２２によりランプの点滅の開始が要求されると）、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４に遷移する。

第２状態Ｓ２は、自動停止制御が実行されていない状態で、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を点滅状態に維持する状態である。第２状態Ｓ２では、ハザードランプ制御部１６１は、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を点滅状態に制御する、値が１の点滅制御要求を出力する。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を１に設定する。

第２状態Ｓ２において、矢印Ｃ２１に示されるように、値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１に遷移する。

第２状態Ｓ２において、矢印Ｃ２４に示されるように、値が１のハザード制御要求（点滅）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４に遷移する。

第３状態Ｓ３は、自動停止制御が実行されている状態で、車線変更などを行う場合に、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を消灯状態に維持する状態である。第３状態Ｓ３では、ハザードランプ制御部１６１は、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を消灯状態に制御する、値が０の点滅制御要求を出力する。

第３状態Ｓ３において、矢印Ｃ３１に示されるように、値が２のハザード制御要求（消灯）が入力され、手動点滅状態変数が０であると、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１に遷移する。

第３状態Ｓ３において、矢印Ｃ３２に示されるように、値が２のハザード制御要求（消灯）が入力され、手動点滅状態変数が１であると、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２に遷移する。

第３状態Ｓ３において、矢印Ｃ３４に示されるように、値が１のハザード制御要求（点滅）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４に遷移する。この遷移は、例えば、自動停止制御において車線変更が完了した場合に行われる。

第３状態Ｓ３において、矢印Ｃ３６に示されるように、値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、ハザードスイッチ１７１に対する押圧操作がなされると）、ハザードランプ制御部１６１は、第６状態Ｓ６に遷移する。

第４状態Ｓ４は、自動停止制御が実行されている状態で、減速制御などを行うなどに、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を点滅状態に維持する状態である。第４状態Ｓ４では、ハザードランプ制御部１６１は、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を点滅状態に制御する、値が１の点滅制御要求を出力する。

第４状態Ｓ４において、矢印Ｃ４１に示されるように、値が２のハザード制御要求（消灯）が入力され、手動点滅状態変数が０であると、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１に遷移する。

第４状態Ｓ４において、矢印Ｃ４２に示されるように、値が２のハザード制御要求（消灯）が入力され、手動点滅状態変数が１であると、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２に遷移する。

第４状態Ｓ４において、矢印Ｃ４３に示されるように、値が３のハザード制御要求（点滅の一時停止）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第３状態Ｓ３に遷移する。この遷移は、例えば、自動停止制御において車線変更を開始する場合に行われる。

第４状態Ｓ４において、矢印Ｃ４５に示されるように、値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、ハザードスイッチ１７１に対する押圧操作がなされると）、ハザードランプ制御部１６１は、第５状態Ｓ５に遷移する。

第５状態Ｓ５は、自動停止制御が実行されている状態で、ハザードスイッチ押下信号に応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を消灯状態に維持する状態である。第５状態Ｓ５では、ハザードランプ制御部１６１は、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を消灯状態に制御する、値が０の点滅制御要求を出力する。

第５状態Ｓ５において、矢印Ｃ５１に示されるように、値が２のハザード制御要求（消灯）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１に遷移する。

第５状態Ｓ５において、矢印Ｃ５６に示されるように、値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、ハザードスイッチ１７１に対する押圧操作がなされると）、ハザードランプ制御部１６１は、第６状態Ｓ６に遷移する。

第６状態Ｓ６は、自動停止制御が実行されている状態で、ハザードスイッチ押下信号に応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を点滅状態に維持する状態である。第６状態Ｓ６では、ハザードランプ制御部１６１は、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの夫々を点滅状態に制御する、値が１の点滅制御要求を出力する。

第６状態Ｓ６において、矢印Ｃ６２に示されるように、値が２のハザード制御要求（消灯）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２に遷移する。

第６状態Ｓ６において、矢印Ｃ６５に示されるように、値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、ハザードスイッチ１７１に対する押圧操作がなされると）、ハザードランプ制御部１６１は、第５状態Ｓ５に遷移する。

（ハザードランプ制御部の各入力と出力要求との関係）
次に、図３及び４を参照しながら、ハザードランプ制御部１６１に対する各入力（ハザード制御要求及びハザードスイッチ押下信号）と、ハザードランプ制御部から出力される点滅制御要求との関係について説明する。

図３Ａ及び図４Ａのグラフは、縦軸をハザード制御要求の値とし、横軸を時間軸とするグラフである。図３Ｂ及び図４Ｂのグラフは、縦軸をハザードスイッチ押下信号の値とし、横軸を時間軸とするグラフである。図３Ｃ及び図４Ｃのグラフは、縦軸を点滅制御信号の値とし、横軸を時間軸とするグラフである。図３Ｃ及び図４Ｃのグラフには、併せて、各時点における各ランプの状態が点滅状態又は消灯状態で記載され、括弧内にハザードランプ制御部１６１の状態が数字で記載されている。

ハザードランプ制御部１６１は、時刻ｔ０において、第１状態Ｓ１である。第１状態Ｓ１では、ハザードランプ制御部１６１には、値が０のハザード制御要求と、値が０のハザードスイッチ押下信号とが入力されており、ハザードランプ制御部１６１は、値が０の点滅制御信号を出力している。この第１状態では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。手動点滅状態変数は０に設定されている。

時刻ｔ１において、ハザードスイッチ１７１から値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、ハザードスイッチ１７１の押圧操作が検出されると）、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第２状態Ｓ２に遷移し（図２の矢印Ｃ１２）、値が１の点滅制御信号を出力する。この第２状態Ｓ２では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅状態に制御される。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を１に設定する。

時刻ｔ２において、再びハザードスイッチ１７１から値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、再びハザードスイッチ１７１の押圧操作が検出されると）、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ２１）、値が０の点滅制御信号を出力する。この第１状態Ｓ１では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅状態に制御される。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を０に設定する。

時刻ｔ３において、例えば自動停止制御部１２２により自動停止制御が開始されることに伴い、値が１のハザード制御要求（点滅）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ１４）、値が１の点滅制御信号を出力する。この第４状態Ｓ４では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅状態に制御される。

時刻ｔ４において、例えば自動停止制御部１２２により自動停止制御の実行中において車線変更が開始されることに伴い、値が３のハザード制御要求（点滅一時停止）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第３状態Ｓ３に遷移し（図２の矢印Ｃ４３）、値が０の点滅制御信号を出力する。この第３状態Ｓ３では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。

時刻ｔ５において、例えば自動停止制御部１２２により自動停止制御の実行中の車線変更の終了に伴い、値が１のハザード制御要求（点滅）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第３状態Ｓ３から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ３４）、値が１の点滅制御信号を出力する。この第４状態Ｓ４では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。

時刻ｔ６において、ハザードスイッチ１７１から値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、再びハザードスイッチ１７１の押圧操作が検出されると）、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第５状態Ｓ５に遷移し（図２の矢印Ｃ４５）、値が０の点滅制御信号を出力する。この第５状態Ｓ５では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。

時刻ｔ７において、ハザードスイッチ１７１から値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、再びハザードスイッチ１７１の押圧操作が検出されると）、ハザードランプ制御部１６１は、第５状態Ｓ５から第６状態Ｓ６に遷移し（図２の矢印Ｃ５６）、値が１の点滅制御信号を出力する。この第６状態Ｓ６では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅状態に制御される。

時刻ｔ８において、例えば自動停止制御部１２２により自動停止制御の終了に伴い、値が２のハザード制御要求（消灯）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第６状態Ｓ６から第２状態Ｓ２に遷移し（図２の矢印Ｃ６２）、値が１の点滅制御信号を出力する。この第２状態Ｓ２では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅状態に制御される。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を１に設定する。

続いて、図４を参照して、時刻ｔ１０〜ｔ１６におけるハザードランプ制御部１６１の各入力と出力要求との関係について説明する。

ハザードランプ制御部１６１は、時刻ｔ１０において、第１状態Ｓ１である。第１状態Ｓ１では、ハザードランプ制御部１６１には、値が０のハザード制御要求と、値が０のハザードスイッチ押下信号とが入力されており、ハザードランプ制御部１６１は、値が０の点滅制御信号を出力している。この第１状態では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。手動点滅状態変数は０に設定されている。

時刻ｔ１１において、ハザードスイッチ１７１から値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、ハザードスイッチ１７１の押圧操作が検出されると）、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第２状態Ｓ２に遷移し（図２の矢印Ｃ１２）、値が１の点滅制御信号を出力する。この第２状態Ｓ２では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅状態に制御される。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を１に設定する。

時刻ｔ１２において、例えば自動停止制御部１２２により自動停止制御が開始されることに伴い、値が１のハザード制御要求（点滅）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ２４）、値が１の点滅制御信号を出力する。この第４状態Ｓ４では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅状態に制御される。

時刻ｔ１３において、例えば自動停止制御部１２２により自動停止制御の実行中の車線変更が開始されることに伴い、値が３のハザード制御要求（点滅一時停止）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第３状態Ｓ３に遷移し（図２の矢印Ｃ４３）、値が０の点滅制御信号を出力する。この第３状態Ｓ３では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。

時刻ｔ１４において、例えば自動停止制御部１２２により自動停止制御の実行中の車線変更の終了に伴い、値が１のハザード制御要求（点滅）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第３状態Ｓ３から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ３４）、値が１の点滅制御信号を出力する。この第４状態Ｓ４では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。

時刻ｔ１５において、ハザードスイッチ１７１から値が１のハザードスイッチ押下信号が入力されると（換言すれば、ハザードスイッチ１７１の押圧操作が検出されると）、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第５状態Ｓ５に遷移し（図２の矢印Ｃ４５）、値が０の点滅制御信号を出力する。この第５状態Ｓ５では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。

時刻ｔ１６において、例えば自動停止制御部１２２により自動停止制御の終了に伴い、値が２のハザード制御要求（消灯）が入力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第５状態Ｓ５から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ５１）、値が０の点滅制御信号を出力する。この第１状態Ｓ１では、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯状態に制御される。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を０に設定する。

（緊急停止システムの作動とハザードランプの状態との関係）
次に、図５〜図１２を参照して、緊急停止システムの作動とハザードランプの状態との関係について説明する。

（自動停止制御における緊急停止システムの作動）
図５Ａ及び図５Ｂは、自動停止制御における緊急停止システムの作動を説明する図である。図５Ａ及び図５Ｂの時刻Ｔ１０１におけるハザードランプ制御部１６１の状態は、第１状態Ｓ１となっており、手動点滅状態変数は０に設定されている。

緊急停止スイッチ１１１は、図５Ａに示すように、車両の搭乗者（運転者又は搭乗者）による緊急停止スイッチの押圧操作を検出すると（時刻Ｔ１０１参照）、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２（図１参照）及び自動停止制御部１２２に出力する。

緊急通報システム１１２は、緊急停止スイッチ押下信号の入力に応じて、外部の緊急通報センタ―へ電話をかける。

また、自動停止制御部１２２は、所定の運転継続困難性判定期間（例えば３秒間）、操作検出部１２３から入力されるアクセル開度情報を参照することにより、アクセル操作の有無を監視する（時刻Ｔ１０１〜Ｔ１０３）。この運転継続困難性判定期間は、車両の運転者による運転操作が困難かどうかを判定するための期間である。車両の運転者による運転操作が困難な状態であっても、同乗者によりステアリング操作がなされることもあるため、本実施形態の自動停止制御部１２２はアクセル操作の有無を監視しているが、これに加えてまたは代えて、例えばステアリング操作量等が監視されてもよい。

なお、「運転継続困難性判定期間」が、本発明の「第１期間」に相当する。

アクセル操作が無いと検出された状態が運転継続困難性判定期間継続した場合、自動停止制御部１２２は、制動制御要求、減速度、操舵要求、操舵要求値及びハザード制御要求等を出力することにより、自動停止制御を開始するとともに、運転者によるオーバライド操作の有無の監視及び車線変更要否の判定を開始する（時刻Ｔ１０３）。ここで、アクセル操作が無い状態とは、アクセル開度がゼロの状態だけでなく、アクセル開度が所定量以下である状態も含む。

なお、自動停止制御部１２２は、アクセル操作が無いと検出された期間が運転継続困難性判定期間継続したのち、緊急停止スイッチ押下信号が入力された場合には、アクセル操作の有無を監視することなく、時刻Ｔ１０３で後述する制動制御及び操舵制御を開始してもよい。また、自動停止制御部１２２は、緊急停止スイッチ押下信号の入力またはアクセル操作が無いと検出された期間が運転継続困難性判定期間継続したことの一方を必要条件として、制動制御及び操舵制御を開始してもよい。

時刻Ｔ１０３において、安定性制御ユニット１３１は、自動停止制御部１２２から入力された制動制御要求及び減速度に基づいて、指定された減速度での制動制御の実行を開始するとともに、停止ランプ１３３（図１参照）に点灯信号を出力する。

時刻Ｔ１０３において、操舵制御ユニット１３２は、自動停止制御部１２２から入力された操舵要求及び操舵要求値に基づいて、車両が現在の車線からの逸脱を防止する車線維持制御を実行する。

時刻Ｔ１０３において、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ１４）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が開始される。

自動停止制御部１２２が車線変更を不要と判断すると（時刻Ｔ１０４）、安定性制御ユニット１３１及び操舵制御ユニット１３２に対し、現在の車線で車両を停止させるための要求を継続して出力する。

時刻Ｔ１０５において、車両の停止が可能になると、安定性制御ユニット１３１及び操舵制御ユニット１３２のそれぞれは、電動駐車ブレーキ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ｐａｒｋｉｎｇ ｂｒａｋｅ）により車両を停止させ、停車状態を保持する制御を行う。

時刻Ｔ１０６において、電動駐車ブレーキによる車両の停止制御が完了すると（換言すれば、自動停止制御部１２２が車両の停止制御が完了したことを検出すると）、自動停止制御部１２２は、自動停止制御の要求の出力を停止することにより、自動停止制御を終了するとともに、値が２のハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（消灯）及び手動点滅状態変数が０であることに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ４１）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯される。

（自動停止制御の実行前においてハザードスイッチの押圧操作がなされた場合の緊急停止システムの作動）
図６Ａ及び図６Ｂは、自動停止制御の実行前においてハザードスイッチ１７１の押圧操作がなされた場合の緊急停止システム１の作動を説明する図である。また、図６Ａ及び図６Ｂの時刻Ｔ２０１におけるハザードランプ制御部１６１の状態は、第１状態Ｓ１となっており、手動点滅状態変数は０に設定されている。

緊急停止スイッチ１１１は、図６Ａに示すように、車両の搭乗者（運転者又は搭乗者）による緊急停止スイッチの押圧操作を検出すると（時刻Ｔ２０１参照）、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２（図１参照）及び自動停止制御部１２２に出力する。

緊急通報システム１１２は、緊急停止スイッチ押下信号の入力に応じて、外部の緊急通報センタ―へ電話をかける。

また、自動停止制御部１２２は、所定の運転継続困難性判定期間（例えば３秒間）、操作検出部１２３から入力されるアクセル開度情報を参照することにより、アクセル操作の有無を監視する（時刻Ｔ２０１〜Ｔ２０３）。

時刻Ｔ２０２において、ハザードスイッチ１７１からハザードランプ制御部１６１に値が１のハザード押下信号が出力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第２状態Ｓ２に遷移し（図２の矢印Ｃ１２）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図６Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が開始する。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を１に設定する。

アクセル操作が無いと検出された状態が運転継続困難性判定期間継続した場合、自動停止制御部１２２は、制動制御要求、減速度、操舵要求、操舵要求値及びハザード制御要求等を出力することにより、自動停止制御を開始するとともに、運転者によるオーバライド操作の有無の監視及び車線変更要否の判定を開始する（時刻Ｔ２０３）。

時刻Ｔ２０３において、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ２４）、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅を継続する。

自動停止制御部１２２が車線変更を不要と判断すると（時刻Ｔ２０４）、安定性制御ユニット１３１及び操舵制御ユニット１３２に対し、現在の車線で車両を停止させるための要求を継続して出力する。

時刻Ｔ２０５において、車両の停止が可能になると、安定性制御ユニット１３１及び操舵制御ユニット１３２のそれぞれは、電動駐車ブレーキ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ｐａｒｋｉｎｇ ｂｒａｋｅ）により車両を停止させ、停車状態を保持する制御を行う。

時刻Ｔ２０６において、電動駐車ブレーキによる車両の停止制御が完了すると、自動停止制御部１２２は、自動停止制御の要求の出力を停止することにより、自動停止制御を終了するとともに、値が２のハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（消灯）及び手動点滅状態変数が１であることに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第２状態Ｓ２に遷移し（図２の矢印Ｃ４２）、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅を継続する。

時刻Ｔ２０７において、ハザードスイッチ１７１からハザードランプ制御部１６１に値が１のハザード押下信号が出力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ２１）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯する。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を０に設定する。

（自動停止制御において車線変更を伴う場合の緊急停止システムの作動）
図７Ａ及び図７Ｂは、自動停止制御において車線変更を伴う場合の緊急停止システムの作動を説明する図である。また、図７Ａ及び図７Ｂの時刻Ｔ１１１におけるハザードランプ制御部１６１の状態は、第１状態Ｓ１となっており、手動点滅状態変数は０に設定されている。

緊急停止スイッチ１１１は、図７Ａに示すように、車両の搭乗者（運転者又は搭乗者）による緊急停止スイッチの押圧操作を検出すると（時刻Ｔ１１１参照）、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２（図１参照）及び自動停止制御部１２２に出力する。

緊急通報システム１１２は、緊急停止スイッチ押下信号の入力に応じて、外部の緊急通報センタ―へ電話をかける。

また、自動停止制御部１２２は、所定の運転継続困難性判定期間（例えば３秒間）、操作検出部１２３から入力されるアクセル開度情報を参照することにより、アクセル操作の有無を監視する（時刻Ｔ１１１〜Ｔ１１３）。

アクセル操作が無いと検出された状態が運転継続困難性判定期間継続した場合、自動停止制御部１２２は、制動制御要求、減速度、操舵要求、操舵要求値及びハザード制御要求等を出力することにより、自動停止制御を開始するとともに、運転者によるオーバライド操作の有無の監視及び車線変更要否の判定を開始する（時刻Ｔ１１３）。

時刻Ｔ１１３において、安定性制御ユニット１３１は、自動停止制御部１２２から入力された制動制御要求及び減速度に基づいて、指定された減速度での制動制御の実行を開始するとともに、停止ランプ１３３（図１参照）に点灯信号を出力する。

時刻Ｔ１１３において、操舵制御ユニット１３２は、自動停止制御部１２２から入力された操舵要求及び操舵要求値に基づいて、車両が現在の車線からの逸脱を防止する車線維持制御を実行する。

時刻Ｔ１１３において、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ１４）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が開始される。

自動停止制御部１２２が車線変更を必要と判断すると（時刻Ｔ１１４）、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に速度を維持させる要求を出力するとともに、操舵制御ユニット１３２に車線変更の要求を出力する。また、自動停止制御部１２２は、値が３のハザード制御要求（点滅の一時停止）をハザードランプ制御部１６１に出力する。これに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第３状態Ｓ３に遷移し（図２の矢印Ｃ４３）、値が０の点滅制御信号を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。

この結果、図７Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が一時停止する。ただし、一部のランプ（図７Ｂにおいては左前ランプ１６３Ｌ及び左後ランプ１６４Ｌ）は、ターニングランプ（方向指示器）としての点滅を開始する。

時刻Ｔ１１５において、車線変更が完了すると、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に対して減速要求及び減速度を出力する。また、自動停止制御部１２２は、操舵制御ユニット１３２に対して車線維持要求及び操舵要求値を出力する。

また、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。これに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第３状態Ｓ３から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ３４）、値が１の点滅制御信号を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。

この結果、図７Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が再開する。

時刻Ｔ１１６において、車両の停止が可能になると、安定性制御ユニット１３１及び操舵制御ユニット１３２のそれぞれは、電動駐車ブレーキ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ｐａｒｋｉｎｇ ｂｒａｋｅ）により車両を停止させ、停車状態を保持する制御を行う。

時刻Ｔ１１７において、電動駐車ブレーキによる車両の停止制御が完了すると、自動停止制御部１２２は、自動停止制御の要求の出力を停止することにより、自動停止制御を終了するとともに、値が２のハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（消灯）及び手動点滅状態変数が０であることに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ４１）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯する。

（自動停止制御において車線変更を伴う場合において、自動停止制御の実行前にハザードスイッチの押圧操作がなされた場合の緊急停止システムの作動）
図８Ａ及び図８Ｂは、自動停止制御において車線変更を伴う場合において、自動停止制御の実行前にハザードスイッチの押圧操作がなされた場合の緊急停止システムの作動を説明する図である。また、図８Ａ及び図８Ｂの時刻Ｔ２１１におけるハザードランプ制御部１６１の状態は、第１状態Ｓ１となっており、手動点滅状態変数は０に設定されている。

緊急停止スイッチ１１１は、図８Ａに示すように、車両の搭乗者（運転者又は搭乗者）による緊急停止スイッチの押圧操作を検出すると（時刻Ｔ２１１参照）、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２（図１参照）及び自動停止制御部１２２に出力する。

緊急通報システム１１２は、緊急停止スイッチ押下信号の入力に応じて、外部の緊急通報センタ―へ電話をかける。

また、自動停止制御部１２２は、所定の運転継続困難性判定期間（例えば３秒間）、操作検出部１２３から入力されるアクセル開度情報を参照することにより、アクセル操作の有無を監視する（時刻Ｔ２１１〜Ｔ２１３）。

時刻Ｔ２１２において、ハザードスイッチ１７１からハザードランプ制御部１６１に値が１のハザード押下信号が出力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第２状態Ｓ２に遷移し（図２の矢印Ｃ１２）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図８Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が開始する。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を１に設定する。

アクセル操作が無いと検出された状態が運転継続困難性判定期間継続した場合、自動停止制御部１２２は、制動制御要求、減速度、操舵要求、操舵要求値及びハザード制御要求等を出力することにより、自動停止制御を開始するとともに、運転者によるオーバライド操作の有無の監視及び車線変更要否の判定を開始する（時刻Ｔ２１３）。

時刻Ｔ２１３において、安定性制御ユニット１３１は、自動停止制御部１２２から入力された制動制御要求及び減速度に基づいて、指定された減速度での制動制御の実行を開始するとともに、停止ランプ１３３（図１参照）に点灯信号を出力する。

時刻Ｔ２１３において、操舵制御ユニット１３２は、自動停止制御部１２２から入力された操舵要求及び操舵要求値に基づいて、車両が現在の車線からの逸脱を防止する車線維持制御を実行する。

時刻Ｔ２１３において、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ２４）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が継続する。

自動停止制御部１２２が車線変更を必要と判断すると（時刻Ｔ２１４）、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に速度を維持させる要求を出力するとともに、操舵制御ユニット１３２に車線変更の要求を出力する。また、自動停止制御部１２２は、値が３のハザード制御要求（点滅の一時停止）をハザードランプ制御部１６１に出力する。これに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第３状態Ｓ３に遷移し（図２の矢印Ｃ４３）、値が０の点滅制御信号を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。

この結果、図８Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が一時停止する。ただし、一部のランプ（図８Ｂにおいては左前ランプ１６３Ｌ及び左後ランプ１６４Ｌ）は、ターニングランプ（方向指示器）としての点滅を開始する。

時刻Ｔ２１５において、車線変更が完了すると、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に対して減速要求及び減速度を出力する。また、自動停止制御部１２２は、操舵制御ユニット１３２に対して車線維持要求及び操舵要求値を出力する。

また、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。これに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第３状態Ｓ３から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ３４）、値が１の点滅制御信号を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。

この結果、図８Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が再開する。

時刻Ｔ２１６において、車両の停止が可能になると、安定性制御ユニット１３１及び操舵制御ユニット１３２のそれぞれは、電動駐車ブレーキ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ｐａｒｋｉｎｇ ｂｒａｋｅ）により車両を停止させ、停車状態を保持する制御を行う。

時刻Ｔ２１７において、電動駐車ブレーキによる車両の停止制御が完了すると、自動停止制御部１２２は、自動停止制御の要求の出力を停止することにより、自動停止制御を終了するとともに、値が２のハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（消灯）及び手動点滅状態変数が１であることに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第２状態Ｓ２に遷移し（図２の矢印Ｃ４２）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅は継続する。

時刻Ｔ２１８において、ハザードスイッチ１７１からハザードランプ制御部１６１に値が１のハザード押下信号が出力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ２１）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯する。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を０に設定する。

（自動停止制御の実行中に継続したアクセル操作を検出した場合の緊急停止システムの作動）
図９Ａ及び図９Ｂは、自動停止制御の実行中にアクセル操作を検出した場合の緊急停止システムの作動を説明する図である。図９Ａ及び図９Ｂの時刻Ｔ１２１におけるハザードランプ制御部１６１の状態は、第１状態Ｓ１となっており、手動点滅状態変数は０に設定されている。

緊急停止スイッチ１１１は、図９Ａに示すように、車両の搭乗者（運転者又は搭乗者）による緊急停止スイッチの押圧操作を検出すると（時刻Ｔ１２１参照）、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２（図１参照）及び自動停止制御部１２２に出力する。

また、自動停止制御部１２２は、所定の運転継続困難性判定期間（例えば３秒間）、操作検出部１２３から入力されるアクセル開度情報を参照することにより、アクセル操作の有無を監視する（時刻Ｔ１２１〜Ｔ１２２）。

アクセル操作が無いと検出された状態が運転継続困難性判定期間継続した場合、自動停止制御部１２２は、制動制御要求、減速度、操舵要求、操舵要求値及びハザード制御要求等を出力することにより、自動停止制御を開始するとともに、運転者によるオーバライド操作の有無の監視及び車線変更要否の判定を開始する（時刻Ｔ１２２）。

時刻Ｔ１２２において、安定性制御ユニット１３１は、自動停止制御部１２２から入力された制動制御要求及び減速度に基づいて、指定された減速度での制動制御の実行を開始するとともに、停止ランプ１３３（図１参照）に点灯信号を出力する。

時刻Ｔ１２２において、操舵制御ユニット１３２は、自動停止制御部１２２から入力された操舵要求及び操舵要求値に基づいて、車両が現在の車線からの逸脱を防止する車線維持制御を実行する。

時刻Ｔ１２２において、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ１４）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図９Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が開始される。

操作検出部１２３がアクセル操作を検出すると（時刻Ｔ１２４）、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に対し、減速制御を中断する要求を出力する。

また、自動停止制御部１２２は、値が３のハザード制御要求（点滅の一時停止）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅の一時停止）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第３状態Ｓ３に遷移し（図２の矢印Ｃ４３）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図９Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯する。

時刻Ｔ１２５おいて、操作検出部１２３がアクセル操作を検出した状態が所定の運転意思確認期間（例えば４秒）継続した場合、自動停止制御部１２２は、操舵制御ユニット１３２に対し、車線維持制御の解除を要求する。運転意思確認期間は、車両の運転意思を確認するための期間である。運転意思確認期間が、本発明の「第２期間」「第３期間」「第４期間」に相当する。

また、自動停止制御部１２２は、値が２のハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（消灯）及び手動点滅状態変数が０であることに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第３状態Ｓ３から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ３１）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図９Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの消灯が継続する。

（自動停止制御の実行中にハザードスイッチの操作を検出するとともに継続したアクセル操作を検出した場合の緊急停止システムの作動）
図１０Ａ及び図１０Ｂは、自動停止制御の実行中にハザードスイッチの操作を検出するとともに継続したアクセル操作を検出した場合の緊急停止システムの作動を説明する図である。図１０Ａ及び図１０Ｂの時刻Ｔ１２１におけるハザードランプ制御部１６１の状態は、第１状態Ｓ１となっており、手動点滅状態変数は０に設定されている。

緊急停止スイッチ１１１は、図１０Ａに示すように、車両の搭乗者（運転者又は搭乗者）による緊急停止スイッチの押圧操作を検出すると（時刻Ｔ２２１参照）、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２（図１参照）及び自動停止制御部１２２に出力する。

また、自動停止制御部１２２は、所定の運転継続困難性判定期間（例えば３秒間）、操作検出部１２３から入力されるアクセル開度情報を参照することにより、アクセル操作の有無を監視する（時刻Ｔ２２１〜Ｔ２２２）。

アクセル操作が無いと検出された状態が運転継続困難性判定期間継続した場合、自動停止制御部１２２は、制動制御要求、減速度、操舵要求、操舵要求値及びハザード制御要求等を出力することにより、自動停止制御を開始するとともに、運転者によるオーバライド操作の有無の監視及び車線変更要否の判定を開始する（時刻Ｔ２２２）。

時刻Ｔ２２２において、安定性制御ユニット１３１は、自動停止制御部１２２から入力された制動制御要求及び減速度に基づいて、指定された減速度での制動制御の実行を開始するとともに、停止ランプ１３３（図１参照）に点灯信号を出力する。

時刻Ｔ２２２において、操舵制御ユニット１３２は、自動停止制御部１２２から入力された操舵要求及び操舵要求値に基づいて、車両が現在の車線からの逸脱を防止する車線維持制御を実行する。

時刻Ｔ２２２において、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ１４）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１０Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が開始される。

時刻Ｔ２２３において、例えば、運転を再開しようとした車両の運転者によるハザードスイッチ１７１の押圧操作を検出すると、ハザードスイッチ１７１は、ハザードランプ制御部１６１に値が１のハザードスイッチ押下信号を出力する。このハザードスイッチ押下信号に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第５状態Ｓ５に遷移し（図２の矢印Ｃ４５）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１０Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯する。

操作検出部１２３がアクセル操作を検出すると（時刻Ｔ２２４）、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に対し、減速制御を中断する要求を出力する。

また、自動停止制御部１２２は、値が３のハザード制御要求（点滅の一時停止）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅の一時停止）が入力されても、ハザードランプ制御部１６１の状態は、第５状態Ｓ５から変化せず、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力し続ける。これに応じて、図１０Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの消灯が継続する。

時刻Ｔ２２５において、操作検出部１２３がアクセル操作を検出した状態が所定の運転意思確認期間（例えば４秒）継続した場合、自動停止制御部１２２は、操舵制御ユニット１３２に対し、車線維持制御の解除を要求する。

また、自動停止制御部１２２は、値が２のハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（消灯）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第５状態Ｓ５から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ５１）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１０Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの消灯が継続する。

（自動停止制御の実行中に一時的なアクセル操作を検出した場合の緊急停止システムの作動）
図１１Ａ及び図１１Ｂは、自動停止制御の実行中に一時的なアクセル操作を検出した場合の緊急停止システムの作動を説明する図である。図１１Ａ及び図１１Ｂの時刻Ｔ１３１におけるハザードランプ制御部１６１の状態は、第１状態Ｓ１となっており、手動点滅状態変数は０に設定されている。

緊急停止スイッチ１１１は、図１１Ａに示すように、車両の搭乗者（運転者又は搭乗者）による緊急停止スイッチの押圧操作を検出すると（時刻Ｔ１３１参照）、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２（図１参照）及び自動停止制御部１２２に出力する。

また、自動停止制御部１２２は、所定の運転継続困難性判定期間（例えば３秒間）、操作検出部１２３から入力されるアクセル開度情報を参照することにより、アクセル操作の有無を監視する（時刻Ｔ１３１〜Ｔ１３２）。

アクセル操作が無いと検出された状態が運転継続困難性判定期間継続した場合、自動停止制御部１２２は、制動制御要求、減速度、操舵要求、操舵要求値及びハザード制御要求等を出力することにより、自動停止制御を開始するとともに、運転者によるオーバライド操作の有無の監視及び車線変更要否の判定を開始する（時刻Ｔ１３２）。

時刻Ｔ１３２において、安定性制御ユニット１３１は、自動停止制御部１２２から入力された制動制御要求及び減速度に基づいて、指定された減速度での制動制御の実行を開始するとともに、停止ランプ１３３（図１参照）に点灯信号を出力する。

時刻Ｔ１３２において、操舵制御ユニット１３２は、自動停止制御部１２２から入力された操舵要求及び操舵要求値に基づいて、車両が現在の車線からの逸脱を防止する車線維持制御を実行する。

時刻Ｔ１３２において、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ１４）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１１Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が開始される。

操作検出部１２３がアクセル操作を検出すると（時刻Ｔ１３３）、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に対し、減速制御を中断する要求を出力する。

また、自動停止制御部１２２は、値が３のハザード制御要求（点滅の一時停止）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅の一時停止）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第３状態Ｓ３に遷移し（図２の矢印Ｃ４３）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１１Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯する。

時刻Ｔ１３５において、操作検出部１２３がアクセル操作を検出した状態が所定の運転意思確認期間未満の場合、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に対し、減速制御の再開を要求する。

また、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第３状態Ｓ３から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ３４）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１１Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が再開する。

時刻Ｔ１３６において、車両の停止が可能になると、安定性制御ユニット１３１及び操舵制御ユニット１３２のそれぞれは、電動駐車ブレーキ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ｐａｒｋｉｎｇ ｂｒａｋｅ）により車両を停止させ、停車状態を保持する制御を行う。

時刻Ｔ１３７において、電動駐車ブレーキによる車両の停止制御が完了すると、自動停止制御部１２２は、自動停止制御の要求の出力を停止することにより、自動停止制御を終了するとともに、値が２のハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（消灯）及び手動点滅状態変数が０であることに応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ４１）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。図１１Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは消灯する。

（自動停止制御の実行中に一時的なアクセル操作及びハザードスイッチの押圧操作を検出した場合の緊急停止システムの作動）
図１２Ａ及び図１２Ｂは、自動停止制御の実行中に一時的なアクセル操作及びハザードスイッチの押圧操作を検出した場合の緊急停止システムの作動を説明する図である。図１２Ａ及び図１２Ｂの時刻Ｔ２３１におけるハザードランプ制御部１６１の状態は、第１状態Ｓ１となっており、手動点滅状態変数は０に設定されている。

緊急停止スイッチ１１１は、図１２Ａに示すように、車両の搭乗者（運転者又は搭乗者）による緊急停止スイッチの押圧操作を検出すると（時刻Ｔ２３１参照）、緊急停止スイッチ押下信号を緊急通報システム１１２（図１参照）及び自動停止制御部１２２に出力する。

また、自動停止制御部１２２は、所定の運転継続困難性判定期間（例えば３秒間）、操作検出部１２３から入力されるアクセル開度情報を参照することにより、アクセル操作の有無を監視する（時刻Ｔ２３１〜Ｔ２３２）。

アクセル操作が無いと検出された状態が運転継続困難性判定期間継続した場合、自動停止制御部１２２は、制動制御要求、減速度、操舵要求、操舵要求値及びハザード制御要求等を出力することにより、自動停止制御を開始するとともに、運転者によるオーバライド操作の有無の監視及び車線変更要否の判定を開始する（時刻Ｔ２３２）。

時刻Ｔ２３２において、安定性制御ユニット１３１は、自動停止制御部１２２から入力された制動制御要求及び減速度に基づいて、指定された減速度での制動制御の実行を開始するとともに、停止ランプ１３３（図１参照）に点灯信号を出力する。

時刻Ｔ２３２において、操舵制御ユニット１３２は、自動停止制御部１２２から入力された操舵要求及び操舵要求値に基づいて、車両が現在の車線からの逸脱を防止する車線維持制御を実行する。

時刻Ｔ２３２において、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第１状態Ｓ１から第４状態Ｓ４に遷移し（図２の矢印Ｃ１４）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１２Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が開始される。

操作検出部１２３がアクセル操作を検出すると（時刻Ｔ２３３）、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に対し、減速制御を中断する要求を出力する。

また、自動停止制御部１２２は、値が３のハザード制御要求（点滅の一時停止）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅の一時停止）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第４状態Ｓ４から第３状態Ｓ３に遷移し（図２の矢印Ｃ４３）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１２Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯する。

時刻Ｔ２３４において、例えば、アクセル操作を中断しようとした車両の運転者によるハザードスイッチ１７１の押圧操作を検出すると、ハザードスイッチ１７１は、ハザードランプ制御部１６１に値が１のハザードスイッチ押下信号を出力する。このハザードスイッチ押下信号に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第３状態Ｓ３から第６状態Ｓ６に遷移し（図２の矢印Ｃ３６）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、図１２Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が再開する。

時刻Ｔ２３５において、操作検出部１２３がアクセル操作を検出した状態が所定の運転意思確認期間未満の場合、自動停止制御部１２２は、安定性制御ユニット１３１に対し、減速制御の再開を要求する。

また、自動停止制御部１２２は、値が１のハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（点滅）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第６状態Ｓ６から遷移せず、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力し続ける。これに応じて、図１２Ｂに示されるように、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅が継続する。

時刻Ｔ２３６において、車両の停止が可能になると、安定性制御ユニット１３１及び操舵制御ユニット１３２のそれぞれは、電動駐車ブレーキ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ｐａｒｋｉｎｇ ｂｒａｋｅ）により車両を停止させ、停車状態を保持する制御を行う。

時刻Ｔ２３７において、電動駐車ブレーキによる車両の停止制御が完了すると、自動停止制御部１２２は、自動停止制御の要求の出力を停止することにより、自動停止制御を終了するとともに、値が２のハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力する。このハザード制御要求（消灯）に応じて、ハザードランプ制御部１６１は、第６状態Ｓ６から第２状態Ｓ２に遷移し（図２の矢印Ｃ６２）、値が１の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒは点滅を継続する。

時刻Ｔ２３８において、ハザードスイッチ１７１からハザードランプ制御部１６１に値が１のハザード押下信号が出力されると、ハザードランプ制御部１６１は、第２状態Ｓ２から第１状態Ｓ１に遷移し（図２の矢印Ｃ２１）、値が０の点滅制御要求を各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒに出力する。これに応じて、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯する。また、ハザードランプ制御部１６１は、手動点滅状態変数を０に設定する。

（本実施形態の作用効果）
緊急停止システム１によれば、自動停止制御が実行されていないときには、ハザードランプ制御部１６１によって、ハザードスイッチ１７１の押圧操作がなされる毎に各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが点滅状態（第２状態Ｓ２）と消灯状態（第１状態Ｓ１）とに切り換えられる。この時、ハザードスイッチ１７１はモーメンタリ式で構成されているので、ハザードランプが点滅状態（第２状態Ｓ２）と消灯状態（第１状態Ｓ１）のいずれであっても、ハザードスイッチ１７１は自由状態のままである。

また、自動停止制御部１２２による自動停止制御の実行に応じて、ハザードランプ制御部１６１によりハザードランプが点滅状態に制御された場合（図２のＣ１４及びＣ２４参照）、自動停止制御が実行されていない場合における各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅状態におけるハザードスイッチ１７１の状態と同じく、ハザードスイッチは自由状態となっている。この結果、使用者に与えらえる、ハザードスイッチ１７１の状態と各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点滅状態とが使用者の期待と反していることに起因する違和感が解消又は軽減される。

また、ハザードスイッチ１７１に対する一度の押圧操作によって、ハザードランプ制御部１６１により、各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒが消灯される（図２のＣ４５参照）。そしてこの場合も、自動停止制御が実行されていない場合における各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの消灯状態におけるハザードスイッチの状態と同じく、ハザードスイッチ１７１は自由状態となる。このため、ハザードスイッチの状態について使用者に与えられる違和感及びハザードランプを消灯させるためのハザードスイッチについて使用者に与えられる煩わしさが解消又は軽減される。

以上の通り、緊急停止システム１によれば、車両の自動停止処理に伴う各ランプ１６３Ｌ、１６３Ｒ、１６４Ｌ及び１６４Ｒの点灯中に使用者による操作がなされた場合であっても、使用者へ与えられる違和感及び煩わしさが解消又は軽減される。

また、緊急停止システム１によれば、緊急停止スイッチ１１１が操作されたことを必要条件として、自動停止制御部１２２により自動停止制御が実行される（図５のＴ１０３，図６ＡのＴ２０３、図７ＡのＴ１１３、図８ＡのＴ２１３、図９ＡのＴ１２２、図１０ＡのＴ２２２、図１１ＡのＴ１３２、図１２ＡのＴ２３２）。このため、自動停止制御を実行するに当たり、使用者の意図を反映することが出来る。

一方、例えば誤操作等により、使用者の意図に反して緊急停止スイッチ１１１が押圧操作され、使用者がその緊急停止スイッチ１１１の押圧操作に気が付いていない場合又は使用者が緊急停止スイッチ１１１を意図的に押圧操作したものの一時的に運転を継続したいと考えた場合などに、使用者がハザードランプを消灯させようと考える場合がある（例えば図１０Ａの時刻Ｔ２２３）。このような場合、使用者はハザードスイッチ１７１によりハザードランプの消灯を試みることがあるが、前述したようにハザードスイッチの一度の操作によりハザードランプが消灯する（図１０Ａの時刻Ｔ２２３）。

また、緊急停止システム１によれば、運転操作検出部により所定の運転操作無しと検出された状態が所定の運転継続困難性判定期間継続したことを必要条件として、自動停止制御部１２２により自動停止制御が実行される。

しかし、自動停止制御の実行中であっても、使用者（車両の運転者）が運転操作を再開したい場合などには、使用者がハザードスイッチ１７１によるハザードランプの消灯を希望する場合がある。このような場合でも、緊急停止システム１によれば、ハザードスイッチの一度の押圧操作によりハザードランプ制御部１６１がハザードランプを消灯する（図１０Ａの時刻Ｔ２２３）。

また、緊急停止システム１によれば、自動停止制御の実行中において操作検出部１２３により所定の運転操作有りと検出された状態が所定の運転意思確認期間継続した場合（図１０ＡのＴ２２５）、自動停止制御が終了する。自動停止制御の実行中において操作検出部１２３により検出された運転操作が所定の運転意思確認期間継続した場合は、車両の運転者が運転意思を有する蓋然性が高いので、自動停止制御を終了することにより、車両の運転者の意図に沿った制御を実現できる。

また、運転再開の前後に使用者がハザードスイッチ１７１によってハザードランプを消灯させようと試みる場合がある（図１０ＡのＴ２２３）。このような場合、ハザードスイッチ１７１の一度の押圧操作に応じてハザードランプ制御部１６１がハザードランプを消灯させることにより（図１０ＡのＴ２２３）、使用者に与えられる違和感を解消又は軽減することが出来る。

自動停止制御に応じてハザードランプが点滅していた場合、自動停止制御が終了すると、ハザードランプの点滅は、多くの場合不要となると推察される。このため、ハザードランプ制御部１６１が自動停止制御の終了に応じてハザードランプの点滅を終了させても（図５Ａの時刻Ｔ１０６，図７Ａの時刻Ｔ１１７、図１１Ａの時刻Ｔ１３７）、使用者が強い違和感を覚えることはない。

一方、使用者がハザードスイッチ１７１の押圧操作によりハザードランプを点滅状態とした場合には、使用者は、自動停止制御の実行とは関係なくハザードランプの点滅を希望していると推察される。自動停止制御が終了しても、ハザードランプ制御部１６１がハザードランプの点滅を継続することにより（図６Ａの時刻Ｔ２０６，図８Ａの時刻Ｔ２１７、図１２Ａの時刻Ｔ２３７）、使用者に与えられる違和感が軽減または防止される。

また、車線変更が行われる場合には、使用者がハザードランプの点滅の停止を期待すると推察されるところ、本実施形態の緊急停止システム１によれば、自動停止制御の実行中において車線変更が行われる場合、ハザードランプ制御部１６１がハザードランプを消灯する（図７Ａの時刻Ｔ１１４及び図８Ａの時刻Ｔ２１４）。

一方、車線変更が終了した場合には、使用者がハザードランプの点滅の再開を期待すると推察されるところ、当該構成の緊急停止システム１によれば、車線変更が終了した後、前記ハザードランプ制御部１６１がハザードランプを点滅させる（図７Ａの時刻Ｔ１１５及び図８Ａの時刻Ｔ２１５）。

この結果、車線変更に当たり、ハザードランプの動作状態が使用者の期待に沿ったものになるので、使用者に与えられる違和感が解消又は軽減される。

緊急停止システム１によれば、自動停止制御の実行中において操作検出部１２３によりアクセル操作が検出されたことに応じて、自動停止制御部１２２により自動停止制御が中断されるとともにハザードランプ制御部１６１によりハザードランプが消灯される（図９Ａの時刻Ｔ１２４、図１０Ａの時刻Ｔ２２４、図１１Ａの時刻Ｔ１３３及び図１２Ａの時刻Ｔ２３３）。これにより、使用者及び他車両の搭乗者に対して、自動停止制御が中断されていることを認知させることが出来る。

また、アクセル操作が運転意思確認期間以上継続する場合、アクセル操作が車両の運転者の運転意思に基づく操作であると推定される一方、アクセル操作の継続期間が当該運転意思確認期間未満で終了した場合、加速操作が運転者の運転意思に基づくか否か不明であるところ、自動停止制御部は、加速操作が運転意思確認期間以上継続するか否かに応じて、自動停止制御の終了制御又は自動停止制御の再開制御を実行するので（図９Ａの時刻Ｔ１２５、図１０Ａの時刻Ｔ２２５、図１１Ａの時刻Ｔ１３５及び図１２Ａの時刻Ｔ２３５）、車両の運転者の意図に沿った制御を実現することが出来る。

そして、自動停止制御の再開に応じてハザードランプ制御部１６１によりハザードランプの点滅が再開されることにより（図１１Ａの時刻Ｔ１３５）、自動停止制御が再開されたことを使用者及び周囲の他車両の搭乗者に認知させることが出来る。

以上の通り、当該構成の緊急停止システムによれば、使用者の運転意思を尊重することが出来るとともに自動停止制御の実行状況に応じてハザードランプの点滅又は点滅の停止が制御されるので、自動停止制御の実行状況を使用者及び他車両の搭乗者に認知させることが出来る。

当該構成の緊急停止システム１によれば、自動停止制御に伴ってハザードランプが消灯されていても、ハザードスイッチ１７１の押圧操作がなされた場合には（図１２Ａの時刻Ｔ２３４）、使用者はハザードランプの点滅の再開を意図していると推察されるところ、ハザードランプ制御部１６１によりハザードランプの点滅が再開されることにより、ハザードランプの点滅制御が使用者に沿った制御となる。

（変形態様）
本実施形態では、自動停止制御部１２２は、車両停車完了時の自動停止制御の終了に伴ってハザードランプを自動消灯させた（ハザード制御要求（消灯）をハザードランプ制御部１６１に出力した）が（図５のＴ１０６、図６のＴ２０６、図７のＴ１１７、図８のＴ２１７、図１１のＴ１３７、図１２のＴ２３７）、これに代えて、自動停止制御部１２２は、車両停車完了時の自動停止制御の終了後に、ハザードランプを自動消灯させずにハザードランプの点滅を継続させてもよい。この場合、ハザードランプ制御部１６１は、ハザードスイッチ１７１の押圧操作がなされるまでハザードランプの点滅を継続する。

本実施形態では、自動停止制御部１２２は、緊急停止スイッチ１１１の押圧操作の検出後、運転継続が困難であるか否かの判定を開始し（図５のＴ１０１、図６のＴ２０１、図７のＴ１１１、図８のＴ２１１、図９のＴ１２１、図１０のＴ２２１、図１１のＴ１３１、図１２のＴ２３１）、運転継続が困難であると判定された後、減速制御を開始するとともに、ハザードランプを自動点滅させた（ハザード制御要求（点滅）をハザードランプ制御部１６１に出力した）（（図５のＴ１０３、図６のＴ２０３、図７のＴ１１３、図８のＴ２１３、図９のＴ１２２、図１０のＴ２２２、図１１のＴ１３２、図１２のＴ２３２））。

これに代えて、自動停止制御部１２２は、緊急停止スイッチ１１１の押圧操作の検出後に、運転継続が困難であるか否かの判定とともに比較的弱い減速（比較的小さい減速度の減速）の減速制御を開始し、運転継続が困難であると判定された後に、比較的強い減速（比較的大きい減速度による減速）の減速制御を開始してもよい。この場合、自動停止制御部１２２は、比較的弱い減速の開始とともにハザードランプを自動点滅させて（ハザード制御要求（点滅））をハザードランプ制御部１６１に出力して）もよく、比較的弱い減速の段階ではハザードランプを点滅させず（ハザード制御要求（維持）をハザードランプ制御部１６１に出力し続け）、比較的強い減速に移行してからハザードを自動点滅させて（ハザード制御要求（点滅））をハザードランプ制御部１６１に出力して）もよい。

本実施形態では、自動停止制御部１２２は、緊急停止スイッチ１１１の押圧操作の検出を一つの要件として自動停止制御を開始したが、これに代えて、緊急停止スイッチ１１１の押圧操作の検出をしていない場合でも、自動停止制御部１２２は、運転操作無しと検出された状態が所定期間継続した場合に自動停止制御を開始してもよい。

１‥緊急停止システム、１２２‥自動停止制御部、１６１‥ハザードランプ制御部（ハザードランプ制御部）、１７１‥（モーメンタリ式）ハザードスイッチ、Ｓ１‥第１状態（消灯状態）、Ｓ２‥第２状態（点滅状態）、Ｓ３‥第３状態（消灯状態）、Ｓ４‥第４状態（点滅状態）、Ｓ５‥第５状態（消灯状態）、Ｓ６‥第６状態（点滅状態）。

Claims (11)

1. 車両に備えられたハザードランプの点滅又は消灯を指示するためのモーメンタリ式ハザードスイッチと、
   所定条件が成立したときに、前記車両を自動停止させる自動停止制御を実行する自動停止制御部と、
   前記自動停止制御が実行されていないときは、使用者により前記ハザードスイッチの押圧操作がなされる毎に、前記ハザードランプを点滅状態と消灯状態とに切り替え、また、前記自動停止制御が開始されたときに前記ハザードランプを点滅状態とし、前記自動停止制御の実行中に該ハザードランプが点滅しているときに、前記ハザードスイッチが押圧操作されたときには、前記ハザードランプを消灯するハザードランプ制御部と、
   を備えたことを特徴とする緊急停止システム。
2. 請求項１記載の緊急停止システムにおいて、
   前記ハザードスイッチとは別個に構成された緊急停止スイッチを備え、
   前記所定条件は、前記緊急停止スイッチの押圧操作がなされたという条件を含むことを特徴とする緊急停止システム。
3. 請求項１又は２記載の緊急停止システムにおいて、
   前記車両に対する所定の運転操作の有無を検出する運転操作検出部を備え、
   前記所定条件は、前記運転操作検出部により所定の運転操作無しと検出された状態が所定の第１期間継続したという条件を含むことを特徴とする緊急停止システム。
4. 請求項１〜３のうちいずれか１項記載の緊急停止システムにおいて、
   前記車両に対する所定の運転操作の有無を検出する運転操作検出部を備え、
   前記自動停止制御部は、前記自動停止制御の実行中において前記運転操作検出部により所定の運転操作有りと検出された状態が所定の第２期間継続した場合に、前記自動停止制御を終了させることを特徴とする緊急停止システム。
5. 請求項１〜４のうちいずれか１項記載の緊急停止システムにおいて、
   前記ハザードランプ制御部は、
   前記自動停止制御に応じて前記ハザードランプを点滅状態とした場合、前記自動停止制御が終了したときに前記ハザードランプを消灯させ、かつ、
   前記自動停止制御の開始前又は実行中に前記ハザードスイッチの押圧操作に応じて前記ハザードランプを点滅状態とした場合、前記自動停止制御が終了しても、前記ハザードランプの点滅状態を継続させることを特徴とする緊急停止システム。
6. 請求項１〜５のうちいずれか１項記載の緊急停止システムにおいて、
   前記ハザードランプ制御部は、前記自動停止制御の実行中において、前記自動停止制御部が所定の制御の実行を開始したときには、前記ハザードランプを消灯させ、前記所定の制御が終了したときに前記ハザードランプの点滅を再開させるように構成されていることを特徴とする緊急停止システム。
7. 請求項６記載の緊急停止システムにおいて、
   前記所定の制御は前記車両に備えられたターニングランプの点滅を伴う車線変更であることを特徴とする緊急停止システム。
8. 請求項１〜７のうちいずれか１項記載の緊急停止システムにおいて、
   前記車両に対する加速操作を検出する加速操作検出部を備え、
   前記自動停止制御部は、前記自動停止制御の実行中において前記加速操作検出部が前記加速操作を検出した場合、前記自動停止制御を中断し、前記自動停止制御の中断後、前記加速操作検出部により前記加速操作が検出された状態が所定の第３期間以上継続した場合には、前記自動停止制御を終了し、前記自動停止制御の中断後、前記第３期間が経過する前に前記加速操作検出部により前記加速操作が検出されない状態になった場合には、前記自動停止制御を再開するように構成され、
   前記ハザードランプ制御部は、前記自動停止制御の中断中は前記ハザードランプを消灯させ、前記自動停止制御の再開に応じて前記ハザードランプの点滅を再開させるように構成されていることを特徴とする緊急停止システム。
9. 請求項８記載の緊急停止システムにおいて、
   前記ハザードランプ制御部は、前記自動停止制御の中断によりハザードランプが消灯した状態で、前記ハザードスイッチの押圧操作がなされた場合、前記ハザードランプを点滅状態とすることを特徴とする緊急停止システム。
10. 所定条件が成立したときに、車両を自動停止させる自動停止制御を実行する自動停止制御部と、
    前記車両に対する加速操作を検出する加速操作検出部と、
    前記自動停止制御が開始されたときに前記車両に備えられたハザードランプを点滅状態とするハザードランプ制御部とを備え、
    前記自動停止制御部は、前記自動停止制御の実行中において前記加速操作検出部により前記加速操作が検出された場合、前記自動停止制御を中断し、前記自動停止制御の中断後、前記加速操作検出部により前記加速操作が検出された状態が所定の第４期間以上継続した場合、前記自動停止制御を終了し、前記自動停止制御の中断後、前記加速操作検出部により前記加速操作が検出された状態の継続期間が前記第４期間未満である場合、前記自動停止制御を再開するように構成され、
    前記ハザードランプ制御部は、前記自動停止制御の中断に応じて前記ハザードランプを消灯させ、前記自動停止制御の再開に応じて前記ハザードランプを点滅させるように構成されていることを特徴とする緊急停止システム。
11. 車両に備えられたハザードランプの点滅又は消灯を指示するためのモーメンタリ式ハザードスイッチと、
    所定条件が成立したときに、前記車両を自動停止させる自動停止制御を実行する自動停止制御部とを備えるシステムが実行する方法であって、
    前記自動停止制御が実行されていないときは、使用者により前記ハザードスイッチの押圧操作がなされる毎に、前記ハザードランプを点滅状態と消灯状態とに切り替えるステップと、
    前記自動停止制御が開始されたときに前記ハザードランプを点滅状態とするステップと、
    前記自動停止制御の実行中に該ハザードランプが点滅しているときに、前記ハザードスイッチが押圧操作されたときには、前記ハザードランプを消灯するステップとを含むことを特徴とする緊急停止方法。