JP2017081857A - ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物及び当該金属化合物を用いた金属含有膜の製造方法 - Google Patents

ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物及び当該金属化合物を用いた金属含有膜の製造方法 Download PDF

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宏樹 金戸
Hiroki Kaneto
宏樹 金戸
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Abstract

【課題】CVD法、ALD法等に用いて簡便な方法によって、Co含有膜やNi含有膜の製造する為のCo,Ni含有化合物の提供。【解決手段】式(1)で示されるビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物。(R1〜R3は各々独立に、C1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基;R4及びR5はC1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキル基;R4及びR5は互いに結合して環を形成しても良い;ZはC1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基;MはCo又はNi)【選択図】なし

Description

本発明は、新規なビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物及び当該金属化合物を用いて、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition法;以下、CVD法と称する)又は原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法;以下、ALD法と称する)により、成膜対象物上に金属含有膜を製造する方法でその金属の中でもコバルトとニッケルに関する。ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物は、例えば、金属含有膜製造用材料、触媒、医薬や農薬等の製造原料などとして有用な化合物である。
近年、半導体や電子部品等の分野の材料として、コバルトやニッケル含有膜に関して多くの研究・開発がなされている。
これまでに提案されてきたコバルト含有膜製造用コバルト化合物としては、例えば、オクタカルボニルジコバルト(例えば、特許文献1参照)、ジコバルトヘキサカルボニルt−ブチルアセチレン等のカルボニル含有コバルト化合物(例えば、特許文献2参照)、コバルトアルコキシド化合物(例えば、特許文献3参照)、ビス(ジアルキルアミジナト)コバルト(例えば、特許文献4参照)、ビス(アミドアミノアルカン)コバルト(例えば、特許文献5参照)などが挙げられる。
またこれまでに提案されてきたニッケル含有膜製造用ニッケル化合物としては、例えば、ビス(ジアルキルアミジナト)ニッケル(例えば、特許文献6参照)、ビス(アミドアミノアルカン)ニッケル(例えば、特許文献5参照)などが挙げられる。
一方、構造中にケイ素原子を含むコバルト含有膜製造用コバルト化合物としては、ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(例えば、特許文献7参照)や、ビス(N,N’−ジ(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリルアミノ)コバルト(例えば、特許文献8参照)などが提案されている。
また構造中にケイ素原子を含むニッケル含有膜製造用ニッケル化合物としては、ビス(ヘキサメチルジシラザン)ニッケル(例えば、特許文献9参照)や、ビス(N,N’−ジ(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリルアミノ)ニッケル(例えば、特許文献8参照)などが提案されている。
コバルト含有膜の用途として、例えば、MRAMの磁性層(例えば、特許文献10参照)やトランジスタの配線や電極の周辺材料(例えば、特許文献2および特許文献11参照)、カーボンナノチューブ用触媒(例えば、特許文献12および特許文献13参照)などに利用できる。またニッケル含有膜の用途として例えばトランジスタ電極のおよびその周辺材料(例えば、特許文献6参照)、カーボンナノチューブ用触媒(例えば、特許文献14参照)などに利用できる
特開2012−174845号公報 特表2011−524078号公報 特開2013−216614号公報 特開2014−101564号公報 国際公開第2012/060428号公報 特開2015−101752号公報 国際公開第2014/052316号公報 特許第4388021号公報 特許第5290488号公報 特許第3807254号公報 特開2010−165839号公報 特許第4156997号公報 特許第5347191号公報 特開2012−218949号公報
しかしながら、従来のコバルト化合物やニッケル化合物は、蒸気圧、熱安定性、成膜時の反応性等の物性がコバルト含有膜やニッケル含有膜の製造において必ずしも最適ではなく、コバルト含有膜やニッケル含有膜を製造するための十分なコバルト化合物やニッケル化合物であるとは言い難かった。
そのため、蒸気圧、熱安定性、成膜時の反応性などのいずれの物性をも満足させるコバルト化合物やニッケル化合物が求められていた。
なお、ここでいう熱安定性とは、コバルト化合物やニッケル化合物が原料タンクから基板上に輸送されるまでの間の配管等の中で成膜されないために必要な熱に対する安定性のことである。
また、成膜時の反応性とは、コバルト含有膜やニッケル含有膜を製造(成膜)する際に、生産性の観点から成膜速度が実用的な速度であることや、成膜装置部材や成膜基板の耐熱温度等の観点からより低温で反応すること、製造した膜の物性の観点からより不純物が少なく膜に欠陥のない高品質な膜(例えば導電膜なら低抵抗な膜)を製造するために必要なコバルト化合物やニッケル化合物の成膜時の反応特性のことである。
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、簡便な方法によって、成膜対象物上にコバルト含有膜やニッケル含有膜を製造する、工業的に好適なコバルト化合物やニッケル化合物及び当該コバルト化合物やニッケル化合物を用いるコバルト含有膜やニッケル含有膜の製造方法を提供するものである。
本発明の課題は、一般式(1)
Figure 2017081857
(式中、R、R及びRは、同一又は異なっていても良く、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。
また、R及びRは、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。なお、R及びRは互いに結合して環を形成しても良い。
Zは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
Mはコバルト原子またはニッケル原子を示す。)
で示されるビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物によって解決される。
本発明の課題は、又、一般式(2)
Figure 2017081857
(式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。)
で示されるアルキルアルカリ金属化合物と、一般式(3)
Figure 2017081857
(式中、R、R、R、R4、R及びZは前記と同義である。)
で示されるシリルアミノアミノアルカン化合物とを反応させて、一般式(4)
Figure 2017081857
(式中、R、R、R、R、R、Z及びMは前記と同義である。)
で示される(シリルアミドアミノアルカン)アルキル金属化合物を得、次いで、これに一般式(5)
Figure 2017081857
(式中、Xはハロゲン原子を示す。
Mはコバルト原子またはニッケル原子を示す。)
で示されるジハロゲノ金属化合物を反応させるビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物の製造方法によっても解決される。
本発明の課題は、更に、ビス(シリルアミノアミドアルカン)金属化合物を金属供給源として用いた化学気相蒸着法(CVD法)又は原子層堆積法(ALD法)による金属含有膜の製造方法によっても解決される。
本発明により、CVD法またはALD法による金属含有膜の製造に適したビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を提供することができるとともに、当該金属化合物を用いた金属含有膜の製造方法を提供することができる。
本発明のビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を用いて金属含有膜を製造する蒸着装置の構成を示す図である。
(ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物)
本発明のビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R、R及びRは、同一又は異なっていても良く、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。またMはコバルト原子又はニッケル原子を示す。
炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、t−ブチル基、シクロブチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基、更に好ましくはメチル基である。
また、R及びRは、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。
炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基、更に好ましくはメチル基である。
なお、R及びRは互いに結合して環を形成しても良い。
Zは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、テトラエチレン基、2−メチルトリメチレン基などが挙げられるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、更に好ましくはエチレン基である。
本発明の好ましい態様としては、R、R及びRが炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRが炭素原子数1〜2のアルキル基であり、Zが炭素原子数1〜3のアルキレン基である。
(ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物の製造)
本発明のビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物(1)は、以下に示す方法によって合成されるが、具体的には、アルキルアルカリ金属化合物(2)とシリルアミノアミノアルカン化合物(3)とを反応させて(シリルアミドアミノアルカン)アルカリ金属化合物(4)を得(以下、反応(A)と称することもある)、次いで、これにジハロゲノ金属化合物(5)を反応させる(以下、反応(B)と称することもあることよって合成される。
なお、反応(A)と反応(B)を合わせて本発明の反応と称する。
Figure 2017081857
(式中、R、R、R、R、R、R、M、M、X及びZは前記と同義である。)
(反応(A);(シリルアミドアミノアルカン)アルカリ金属化合物(4)の合成)
本発明の反応(A)において使用するアルキルアルカリ金属化合物は、前記の一般式(2)において示される。その一般式(2)において、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。
炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、n−デシル基などが挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、更に好ましくはメチル基、n−ブチル基である。
はアルカリ金属を示す。
アルカリ金属としては、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子などが挙げられるが、好ましくはリチウム原子、ナトリウム原子、更に好ましくはリチウム原子である。
前記アルキルアルカリ金属化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、などが挙げられるが、好ましくはメチルリチウム、n−ブチルリチウムが使用される。
なお、これらのアルキルアルカリ金属化合物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
(シリルアミノアミノアルカン化合物)
本発明の反応(A)において使用するシリルアミノアミノアルカン化合物としては、前記の一般式(3)において示されるが、その一般式(3)において、R、R、R、R、R及びZは前記と同義である。
シリルアミノアミノアルカン化合物としては、例えば、1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタン、1−(エチルジメチルシリル)アミノ−2−ジメチルアミノエタンなどが挙げられるが、好ましくは1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタンが使用される。
なお、これらのシリルアミノアミノアルカン化合物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
本発明の反応(A)において使用するシリルアミノアミノアルカン化合物は、市販品又は公知の方法等を組み合わせることにより製造することができ、例えば、アミノジアルキルアミノアルカンとアルキルアルカリ金属化合物とを反応させ、(アミドジアルキルアミン)アルカリ金属化合物を合成し、対応するハロゲン化シラン化合物との反応による方法や、アミノジアルキルアミノアルカンと対応するハロゲン化シラン化合物を直接反応させる方法や、アミノジアルキルアミノアルカンと対応するハロゲン化シラン化合物を直接反応させ、生じる塩酸をトリエチルアミン等のアミンで中和する方法や、アミノジアルキルアミノアルカンと対応するアルキルジシラザンを濃硫酸触媒下で反応させる方法などが好適に採用される。
前記シリルアミノアミノアルカン化合物の使用量は、アルキルアルカリ金属化合物1モルに対して、好ましくは0.5〜1.5モル、更に好ましくは0.8〜1.2モルである。
この範囲とすることで、シリルアミノアミノアルカン化合物とアルキルアルカリ金属化合物とから、収率良く(シリルアミドアミノアルカン)アルカリ金属化合物を製造することができる。
(有機溶媒)
本発明の反応(A)は、有機溶媒中で行うことが望ましく、使用される有機溶媒としては反応を阻害しないものならば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはエーテル類、脂肪族炭化水素類、エーテル類と脂肪族炭化水素類との混合溶媒が使用される。
なお、これらの有機溶媒は単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記有機溶媒の使用量は、アルキルアルカリ金属化合物1gに対して、好ましくは1〜100g、更に好ましくは1〜20gである。
この範囲とすることで、攪拌性が向上し、反応がスムーズに進行する。
本発明の反応(A)は、例えば、シリルアミノアミノアルカン化合物及び有機溶媒を混合したものを攪拌しながら、アルキルアルカリ金属化合物の有機溶媒溶液を加えて反応させるなどの方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは−78〜120℃、更に好ましくは−20〜60℃であり、反応圧力は特に制限されない。
この範囲とすることで、副生成物の生成を低減し、目的とする(シリルアミドアミノアルカン)アルキル金属化合物を収率良く得ることができる。
(反応(B);ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物(1)の合成)
本発明の反応(B)において使用するジハロゲノ金属化合物は、前記の一般式(5)において示される。その一般式(5)において、Mはコバルト原子またはニッケル原子を示す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を示す。
(ジハロゲノ金属化合物)
前記ジハロゲノ金属化合物としては、例えば、塩化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)、などが挙げられるが、好ましくは塩化コバルト、塩化ニッケルが使用される。
なお、これらのジハロゲノ金属化合物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記ジハロゲノ金属化合物の使用量は、(シリルアミドアミノアルカン)アルカリ金属化合物1モルに対して、好ましくは0.25〜0.75モル、更に好ましくは0.4〜0.6モルである。
この範囲とすることで、(シリルアミドアミノアルカン)アルキル金属化合物とジハロゲノ金属化合物とから、副生成物の生成を低減し、目的とする収率良くビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を製造することができる。
(有機溶媒)
本発明の反応(B)は、有機溶媒中で行うことが望ましく、使用される有機溶媒としては反応を阻害しないものならば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはエーテル類、脂肪族炭化水素類、エーテル類と脂肪族炭化水素類との混合溶媒が使用される。
なお、これらの有機溶媒は単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記有機溶媒の使用量は、(シリルアミドアミノアルカン)アルカリ金属化合物1gに対して、好ましくは1〜100g、更に好ましくは1〜20gである。
この範囲とすることで、攪拌性が向上し、反応がスムーズに進行する。
本発明の反応(B)は、例えば、ジハロゲノ金属化合物及び有機溶媒を混合したものを攪拌しながら、反応(A)で得られた(シリルアミドアミノアルカン)アルカリ金属化合物の有機溶媒溶液を加えて反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは−78〜120℃、更に好ましくは−20〜60℃であり、反応圧力は特に制限されない。
この範囲とすることで、副生成物の生成を低減し、目的とする収率良く目的とするビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を得ることができる。
本発明の反応(B)により目的物であるビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物が得られるが、反応終了後、例えば、抽出、濾過、濃縮、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの公知の方法によって単離・精製される。
本発明における反応(A)と反応(B)を行うに際して、例えば、同じ溶媒を用いる、又はより高沸点の別の溶媒に置換する等して、反応(A)の結果として得られる(シリルアミドアミノアルカン)アルカリ金属化合物(4)を単離・精製することなく連続的に合成することもできる。
なお、目的物であるビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物、その出発原料であるアルキルアルカリ金属化合物及び合成中間体である(シリルアミドアミノアルカン)アルキル金属化合物は、大気中の水分や酸素に対して不安定な場合が多いため、無水条件下や不活性ガス雰囲気下にて、反応操作や反応液の後処理等を行うことが望ましい。又、出発原料や溶媒などは、使用する前に予め脱水や乾燥させておくことが望ましい。
本発明の反応によって製造されるビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物としては、例えば、以下の式(6)〜(29)によって示される化合物が挙げられる。
(ビス(シリルアミドアミノアルカン)コバルト化合物)
Figure 2017081857
(ビス(シリルアミドアミノアルカン)ニッケル化合物)
Figure 2017081857
(蒸着方法(成膜方法))
成膜対象物上への金属含有膜の蒸着方法としては、公知のCVD法やALD法で行うことが出来、例えば、常圧又は減圧下にて、ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物の蒸気を熱分解させる、又は水素源(例えば、水素、アンモニア等の還元性ガス)、窒素源(例えば、窒素、アンモニア等)又は酸素源(例えば、酸素、オゾン等の酸化性ガス;水;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類)等の反応ガス(単独又は複数のガスを混合したガスを含む)と共に、加熱した成膜対象物上に送り込んで金属含有膜を蒸着させる方法が使用出来る。
なお、これらのガス(気化した液体も含む)は不活性ガス等で希釈されていても良い。この際反応ガスは電磁波等の照射やホットワイヤー法等によりプラズマ状態や、ラジカル種を発生させた活性化状態にして供給してもよい。
また、(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物の蒸気単独または反応ガスと混合して基板近傍でプラズマ状態にして反応させて金属含有膜を蒸着させることも出来る。さらに、ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物の蒸気と、上記の反応ガス及び活性化状態にした反応ガスを交互に供給し、成膜を行うALD法により、金属含有膜を蒸着させることも出来る。また、CVD法とALD法の中間的なパルスCVD法を用いることもできる。
CVD法及びALD法においては、金属含有膜形成のためにビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を気化させる必要があるが、本発明で使用するビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を気化させる方法としては、例えば、ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物自体を気化室に充填又は搬送して気化させる方法だけでなく、ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を適当な溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、テトラリン、1−メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類;グライム、ジグライム、トリグライム、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。)に希釈した溶液を液体搬送用ポンプで気化室に導入して気化させる方法(溶液法)も使用出来る。
本発明のビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を用いて金属含有膜をCVD法又はALD法により蒸着させる場合、その蒸着条件は、例えば、反応系内の圧力は、好ましくは1Pa〜200kPa、成膜対象物温度は、好ましくは50〜900℃、更に好ましくは100〜600℃、ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を気化させる温度は、好ましくは0〜250℃、更に好ましくは30〜200℃である。
この範囲とすることで、成膜対象物上に、効率的に金属含有膜を蒸着(形成)させることができる。
なお、金属含有膜を蒸着させる際の全ガス量に対する水素源(例えば、水素ガス又はアンモニアガス、もしくはこれらの混合ガス)、酸素源(例えば、酸化性ガス、水蒸気又はアルコール蒸気、もしくはこれらの混合ガス)、窒素源(例えば、窒素ガス、アンモニアガスもしくはこれらの混合ガス)の含有割合としては、好ましくは0.1〜99.9容量%、更に好ましくは1〜99容量%である。
ALD法においては、金属化合物と反応ガスとを交互にパルス的に供給することで実施される。必要な膜厚になるまで金属化合物と反応ガスとを交互にパルス的に供給するプロセスを繰り返すためにバルブの開閉制御はPLC(Programmable Logic Controller)などで自動化することができる。
ALD法においては、その原理から成膜対象物の温度は金属化合物の熱分解温度以下であることが望ましい。ALD法における成膜対象物の温度許容範囲のことを一般的にALDウィンドウ(ALD Window)と呼び、金属化合物を蒸気化する温度と金属化合物の熱分解温度の間の温度範囲を示す。このALDウインドウは一般的には広い(許容温度範囲が広い)方が、成膜対象物の温度の自由度が高いため望ましい。
本発明のビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物を用いた金属含有膜は、例えば、MRAMの磁性層やトランジスタの配線や電極の周辺材料、カーボンナノチューブ用触媒などに利用できる。
CVD法、ALD法ともに蒸着する基板は事前にフッ化水素酸やオゾンにより洗浄することもできる。さらに基板表面に吸着した水分を除去したい場合には、成膜装置内で基板を加熱したり、任意の温度で反応ガスにさらしたりすることもできる。
CVD法、ALD法ともに蒸着した金属含有膜を任意の温度において再度反応ガスを流して膜中の不純物を低減する、又は加熱することにより膜物性の改良を図る、又は基板に含有する金属と合金化する(例えば、シリサイド化やシリケート化する)ということも可能である。その際、反応ガスとしてプラズマ化した反応ガスを用いたり、基板付近でプラズマ化して反応させたりすることも可能である。
(金属含有膜の製造装置)
本発明の金属含有膜の製造においては、
成膜対象物が備えられるとともに、
所定の温度に設定可能な加熱部を有する反応室と、
前記反応室内にビス(シリルアミノアミドアルカン)金属化合物供給手段と、
前記反応室内に成膜に必要なガス(例えば、アンモニアガス、酸素ガス、水蒸気ガス、水素ガスなど)供給手段と、
前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを前記排気管から排気して
当該反応室内を所定の圧力に設定可能な排気手段と、
前記加熱部を制御して前記反応室内を所定の温度に設定するとともに、前記排気手段を
制御して前記反応室内を所定の圧力に設定した状態で、前記ビス(シリルアミノアミドアルカン)金属化合物供給手段を制御して、前記ビス(シリルアミノアミドアルカン)金属化合物を前記反応室内に供給させ、前記成膜対象物に金属含有膜を形成する制御手段とを備える金属含有膜の製造装置
を使用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
参考例1A(1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタンの合成)
Figure 2017081857
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、N,N−ジメチルエチレンジアミン7.1g(81ミリモル)とヘキサン20mlを加えた。次いで、液温を0℃に保ちながら、1.6mol/Lのn−ブチルリチウム・へキサン溶液50mL(80ミリモル)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で2時間反応させた。
反応後、反応液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を真空下で乾燥し、(1−アミド−2−ジメチルアミノエタン)リチウムを得た。テトラヒドロフラン50mLを加えて(1−アミド−2−ジメチルアミノエタン)リチウムを懸濁状態にした後、液温を0℃に保ちながら、トリメチルクロロシラン8.7g(80ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液30mLをゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で3時間反応させた。
反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物にヘキサン80mlを加えて攪拌した。濾過後、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を減圧下で蒸留(74℃、6.3kPa)し、無色透明液体として、1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタン7.8gを得た(単離収率;61%)。
参考例1B(1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタンの合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、N,N−ジメチルエチレンジアミン10.0g(113ミリモル)とヘキサン20mlを加えた。次いで、液温を0℃に保ちながら、トリメチルクロロシラン5.0g(46ミリモル)のヘキサン溶液30mLをゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で3時間反応させた。
反応終了後、析出した固体を濾過して、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を減圧下で蒸留(74℃、6.3kPa)し、無色透明液体として、純度99%以上(ガスクロマトグラフィーによる測定値)の1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタン4.8gを得た(単離収率;65%)。
参考例1C(1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタンの合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、N,N−ジメチルエチレンジアミン4.1g(47ミリモル)、トリエチルアミン4.7g(46ミリモル)、およびヘキサン20mlを加えた。次いで、液温を0℃に保ちながら、トリメチルクロロシラン5.0g(46ミリモル)のヘキサン溶液30mLをゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で3時間反応させた。
反応終了後、析出した固体を濾過して、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を減圧下で蒸留(74℃、6.3kPa)し、無色透明液体として、純度99%以上(ガスクロマトグラフィーによる測定値)の1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタン4.6gを得た(単離収率;62%)。
実施例1(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))の合成)
Figure 2017081857
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積50mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、1−トリメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタン3.3g(21ミリモル)とヘキサン10mLを加えた。次いで、液温を0℃に保ちながら、1.6mol/Lのn−ブチルリチウム・へキサン溶液10mL(16ミリモル)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を真空下で乾燥し、(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン)リチウムを得た。
別に用意した攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積50mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、塩化コバルト(II)(予め乾燥させた無水物)1.04g(8.01ミリモル)及びテトラヒドロフラン20mLを混合して2時間攪拌させた。次いで、液温を0℃に保ちながら、先に合成した(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン)リチウム全量のテトラヒドロフラン溶液10mLをゆるやかに滴下した。その後、攪拌しながら20℃で6時間反応させた。
反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物にヘキサン40mLを加えて攪拌させた。濾過後、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を減圧下で蒸留(80℃、13Pa)し、淡緑色固体として、(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)2.5gを得た(単離収率;85%)。
なお、(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)は、以下の物性値で示される新規な化合物であった。
融点;92〜93℃
誘導結合プラズマ(ICP)分析によるコバルト含有量;15.9質量%、ケイ素含有量;15.0質量%(計算値;コバルト;15.6質量%、ケイ素;14.9質量%)
なお、リチウムは定量限界以下であった。
H−NMR(ベンゼン−d,δ(ppm));146、80、66、−5、−18(いずれもブロードなピーク)
DSCによる分解開始温度;202℃
比較例1A(ビス(1−(t−ブチルアミド)−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)の合成
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積50mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、1−(t−ブチルアミノ)−2−ジメチルアミノエタン3.0g(21ミリモル)とヘキサン10mLを加えた。次いで、液温を0℃に保ちながら、1.6mol/Lのn−ブチルリチウム・へキサン溶液10mL(16ミリモル)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を真空下で乾燥し、(1−(t−ブチルアミド)−2−ジメチルアミノエタン)リチウムを得た。
別に用意した攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積50mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、塩化コバルト(II)(予め乾燥させた無水物)1.04g(8.01ミリモル)及びテトラヒドロフラン20mLを混合して2時間攪拌させた。次いで、液温を0℃に保ちながら、先に合成した(1−(t−ブチルアミド)−2−ジメチルアミノエタン)リチウム全量のテトラヒドロフラン溶液10mLをゆるやかに滴下した。その後、攪拌しながら20℃で6時間反応させた。
反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物にヘキサン40mLを加えて攪拌させた。濾過後、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を減圧下で蒸留(80℃、13Pa)し、淡緑色固体として、(ビス(1−(t−ブチルアミド)−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)1.1gを得た(単離収率;41%)。
なお、(ビス(1−(t−ブチルアミド)−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)の物性値は以下の通りであった。
融点;87〜89℃
誘導結合プラズマ(ICP)分析によるコバルト含有量;17.2質量%(計算値;コバルト;17.6質量%)
なお不純物として含有する可能性のある原料に使用しているリチウムは定量限界以下の濃度であった。
H−NMR(ベンゼン−d,δ(ppm));129、83、78、−10、−14、−19、−22(いずれもブロードなピーク)
DSCによる分解開始温度;147℃
比較例1B(ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積50mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、ヘキサメチルジシラザン3.2g(20ミリモル)とヘキサン10mlを加えた。次いで、液温を0℃に保ちながら、1.6mol/Lのn−ブチルリチウム・へキサン溶液10mL(16ミリモル)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で2時間反応させた。
反応終了後、反応液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を真空下で乾燥し、ヘキサメチルジシラザンリチウムを得た。
別に用意した攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積50mlのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、塩化コバルト(II)(予め乾燥させた無水物)1.04g(8.01ミリモル)及びジエチルエーテル20mLを混合して2時間攪拌させた。次いで、液温を0℃に保ちながら、先に合成したヘキサメチルジシラザンリチウム全量のジエチルエーテル懸濁溶液10mLをゆるやかに滴下した。
その後、攪拌しながら20℃で6時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物にヘキサン40mLを加えて攪拌させた。濾過後、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を減圧下で蒸留(70℃、13Pa)し、淡褐色固体を得た。溶媒として使用したジエチルエーテルを除去するため再度減圧蒸留(70℃、13Pa)することで、淡褐色固体としてビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)2.2gを得た(単離収率;75%)。
なお、合成したビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)は、以下の物性値であった。
融点;89〜90℃
誘導結合プラズマ(ICP)分析によるコバルト含有量;15.4質量%、ケイ素含有量;29.3質量%(計算値;コバルト;15.5質量%、ケイ素;29.6質量%)
なお、リチウムは定量限界以下であった。
H−NMR(ベンゼン−d,δ(ppm));8.8(ブロード)、0.44(s)、−4.4(ブロード)
DSCによる分解開始温度;181℃
比較例1C(1−ジメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタン)(化合物(30)の合成)
Figure 2017081857
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、N,N−ジメチルエチレンジアミン10.0g(113ミリモル)とヘキサン20mlを加えた。次いで、液温を0℃に保ちながら、ジメチルクロロシラン5.0g(53ミリモル)のヘキサン溶液30mLをゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で3時間反応させた。
反応終了後、析出した固体を濾過して、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を減圧下で蒸留(40℃、2.0kPa)し、無色透明液体として、純度90%以上(ガスクロマトグラフィーによる測定値)1−ジメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタンと3.2gを得た(収率;41%)。
なお、合成した1−ジメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタンは、以下の物性値であった。
H−NMR(ベンゼン−d,δ(ppm));4.80(1H,m)、2.76(1H,q,6.0Hz)、2.17(2H,t,6.0Hz)、2.05(6H,s)、0.98(1H,br)、0.13(6H,d,2.9Hz)
MS(EI)、(m/z);146
また、合成した1−ジメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタン(化合物(30))は、20℃でも不均化反応が徐々に進行し、N,N−ジメチルエチレンジアミン(化合物(31))と化合物(32)が生成することを確認した(下記式)。
Figure 2017081857
比較例1D(1−ジメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン)リチウム(化合物(33)の合成)
Figure 2017081857
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積30mLのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、比較例1Cで合成した、1−ジメチルシリルアミノ−2−ジメチルアミノエタン1.5g(10ミリモル)とヘキサン5mLを加えた。次いで、液温を0℃に保ちながら、1.6mol/Lのn−ブチルリチウム・へキサン溶液5mL(8.0ミリモル)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら同温度で30分間、20℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮した後、濃縮物を真空下で乾燥したが目的とする、(1−ジメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン)リチウムは得られなかった。
一般式(1)中のR、R及びRのうち、一つ以上に水素原子の入った金属化合物の合成を検討するため比較例1Cおよび比較例1Dを実施したが、原料となるシリルアミノアミノアルカン化合物が不均化したり、中間体となる(シリルアミドアミノアルカン)リチウム化合物が得られなかったりした。このことから、一般式(1)中のR、R及びRは炭素原子であることが好適な条件であり、水素原子は適さないことが判明した。
なお(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)ニッケル(II)(化合物(18))は実施例1(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))の合成)において塩化コバルトを塩化ニッケルに変えて同様の操作を行うことで合成が可能である。
実施例2〜8(蒸着実験;金属含有膜の製造)
本発明の金属化合物(実施例1で得られた化合物)を用いて、CVD法及びALD法による蒸着実験を行い、成膜特性を評価した。蒸着実験には、図1に示す装置を使用した。図1に示す装置は以下のような構造となっている。
恒温槽8によって一定の温度に保たれた金属原料容器(気化器)7にある金属化合物は加熱されて気化し、マスフローコントローラー4を経て導入されたヘリウムガスに同伴して原料容器7を出る。原料容器7を出たガスは、反応器9に導入される。一方、反応器9には、各種反応ガス(水素、アンモニア、酸素等)がマスフローコントローラー6を経て導入される。水蒸気の供給はマスフローコントローラー6からヘリウムガスを流し恒温槽24によって一定の温度に保たれた水容器23にある水を通すことで行った。なお各種反応ガスは反応器9に導入する前にマスフローコントローラー5を経て導入されたヘリウムガスにより任意の濃度に希釈してもよい(希釈ヘリウムガス)。また反応ガスとして水素とアンモニアガスを混合して用いる場合はマスフローコントローラー5に水素を流し、アンモニアをマスフローコントローラー6より導入した。
反応系内圧力は、圧力計12によってモニターされ、バルブ22の開閉により、所定圧力にコントロールされる。反応器9の中央部はヒーター11で加熱可能な構造となっている。反応器9に導入された金属化合物は、反応器内中央部にセットされ、ヒーター11で所定の温度に加熱された基板10の表面上で反応して、基板10上に金属含有薄膜が形成される。反応器9を出たガスは、トラップ13、真空ポンプ14を経て、スクラバ等の除害装置を通した後、大気中に排気される。
ALD法による蒸着実験はバルブ19、20、21の操作により金属化合物のガス
をパルス的に供給し、排気し、続いてバルブ15、16、17、18の操作により各種反応ガスをパルス的に供給して反応させた後、排気し、再度金属化合物のガスをパルス的に供給し、排気し、各種反応ガスをパルス的に供給して反応させた後、排気する操作を目的の膜厚に達するまで繰り返した。その他の操作はCVD法に準じて行った。
蒸着条件及び膜特性は以下の通りであった。
蒸着条件及び蒸着結果(膜特性)を表1に示す。なお、被蒸着基板としては、6mm×20mmサイズの矩形のものを使用した。SiO基板はSiウエハ上に300nmのSiO熱酸化膜を付けたものを使用した。
比較例1Aの(ビス(1−(t−ブチルアミド)−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)はCVD成膜時に160時間、コバルト原料容器(気化器)内で加熱した場合に一部分解し、再度減圧蒸留すると残渣が20%以上残る問題があったが、実施例1(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))の場合は、残渣が残る等の問題はなかった。また、DSCによる分解開始温度が、化合物(6)の方が(ビス(1−(t−ブチルアミド)−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)よりも55℃高かった。これは、化合物(6)の方が熱安定性に優れることを示すものである。
実施例2(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
本発明の(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))、及び既存のビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)(特許文献7記載の化合物)を用いて、CVD法による蒸着実験を行い、成膜特性を評価した。蒸着条件及び膜特性は以下の通りであった。
(蒸着条件1A;熱分解によるコバルト膜の製造)
コバルト原料;(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))
気化温度;70℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
希釈ヘリウム流量;10sccm
基板材料;SiO
基板温度;450℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定と四探針法によるシート抵抗値))
外観;銀色の金属光沢膜
XPS分析;コバルトおよび炭素を主成分とする膜(50nm以上)
シート抵抗値;1.6kΩ/□
比較例2A(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件1A’;熱分解によるコバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
希釈ヘリウム流量;10sccm
基板材料;SiO
基板温度;450℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、四探針法によるシート抵抗値))
外観;成膜せず
シート抵抗値;測定不能
比較例2B(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件1B;熱分解によるコバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
希釈ヘリウム流量;10sccm
基板材料;SiO
基板温度;500℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定と四探針法によるシート抵抗値))
外観;銀色の金属光沢膜
XPS分析;炭素、コバルト、およびケイ素を主成分とする膜(50nm以上)
シート抵抗値;測定不能
以上より、本発明のコバルト化合物(6)を用いて、熱分解成膜においてより低温で低抵抗なコバルト含有膜を製造することができることが分かった。
実施例3(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件2A;水素雰囲気下によるコバルト膜の製造)
コバルト原料;(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))
気化温度;70℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
水素流量;20sccm
希釈ヘリウム流量;なし
基板材料;SiO
基板温度;350℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定、四探針法によるシート抵抗値))
外観;銀色の金属光沢膜
XPS分析;コバルトおよび炭素を主成分とする膜(35nm)
シート抵抗値;6.4kΩ/□
比較例3A(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件2A’;水素雰囲気下によるコバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
水素流量;20sccm
希釈ヘリウム流量;なし
基板材料;SiO
基板温度;350℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観と四探針法によるシート抵抗値))
外観;成膜せず
シート抵抗値;測定不能
比較例3B(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件2B;水素雰囲気下によるコバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
水素流量;20sccm
希釈ヘリウム流量;なし
基板材料;SiO
基板温度;400℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定と四探針法によるシート抵抗値))
外観;銀色の金属光沢膜
XPS分析;炭素、コバルトおよびケイ素を主成分とする膜(50nm以上)
シート抵抗値;測定不能
以上より、本発明のコバルト化合物(6)を用いて、水素雰囲気下の成膜においてより低温で低抵抗なコバルト含有膜を製造することができることが分かった。
実施例4(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件3A;アンモニア雰囲気下による窒化コバルト膜の製造)
コバルト原料;(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))
気化温度;70℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
アンモニア流量;10sccm
希釈ヘリウム流量;なし
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定、薄膜XRD(in−plane)と四探針法によるシート抵抗値))
外観;銀色の金属光沢膜
XPS分析;コバルトおよび窒素を主成分とする膜(50nm以上)
薄膜XRD(in−plane);金属コバルトおよび窒化コバルト(CoN)のピーク
シート抵抗値;82Ω/□
比較例4(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件3A’;アンモニア雰囲気下による窒化コバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
アンモニア流量;10sccm
希釈ヘリウム流量;なし
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定と四探針法によるシート抵抗値))
外観;銀色の金属光沢膜
XPS分析;コバルト、窒素、およびケイ素を主成分とする膜(50nm以上)
シート抵抗値;172Ω/□
以上より、本発明のコバルト化合物(6)を用いて、アンモニア雰囲気下でより低抵抗なコバルト含有膜を製造することができることが分かった。
実施例5(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件4A;水素・アンモニア雰囲気下によるコバルト膜の製造)
コバルト原料;(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))
気化温度;70℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
水素流量;10sccm
アンモニア流量;10sccm
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;30分
(膜特性(外観、XPS-depth測定、薄膜XRD(in−plane)と四探針法によるシート抵抗値))
外観;銀色の金属光沢膜
XPS分析;コバルト膜(50nm以上)
薄膜XRD(in−plane);金属コバルトのピーク
シート抵抗値;4.3Ω/□
膜厚 125nm(断面のSEM観察による)
比較例5(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件4A’;水素・アンモニア雰囲気下によるコバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
水素流量;10sccm
アンモニア流量;10sccm
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;30分
(膜特性(外観、XPS-depth測定と四探針法によるシート抵抗値))
外観;銀色の金属光沢膜
XPS分析;コバルトを主成分とする膜(50nm以上)
シート抵抗値;23Ω/□
以上より、本発明のコバルト化合物(6)を用いて、水素・アンモニア雰囲気下においてより低抵抗なコバルト膜を製造することができることが分かった。
実施例6(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件4A;酸素雰囲気下による酸化コバルト膜の製造)
コバルト原料;(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))
気化温度;70℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
酸素流量;10sccm
希釈ヘリウム流量;なし
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定、薄膜XRD(in−plane)と四探針法によるシート抵抗値))
外観;淡褐色膜
XPS分析;コバルトおよび酸素を主成分とする膜(50nm以上)
薄膜XRD(in−plane);酸化コバルト(CoO)のピーク
シート抵抗値;測定不能
比較例6A(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件4A’;酸素雰囲気下による酸化コバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
酸素流量;10ccm
希釈ヘリウム流量;なし
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観))
外観;成膜せず
比較例5B(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件4C;酸素雰囲気下による酸化コバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
酸素流量;10sccm
希釈ヘリウム流量;なし
基板材料;SiO
基板温度;300℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定と四探針法によるシート抵抗値))
外観;淡褐色膜
XPS分析;コバルト、酸素およびケイ素を主成分とする膜(50nm以上)
シート抵抗値;測定不能
以上より、本発明のコバルト化合物(6)を用いて、酸素雰囲気下でより低温でコバルト含有膜を製造することができることが分かった。
実施例7(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件5A;水蒸気雰囲気下による酸化コバルト膜の製造)
コバルト原料;(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))
気化温度;70℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
水蒸気流量;0.5sccm
希釈ヘリウム流量;10sccm
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定、薄膜XRD(in−plane)と四探針法によるシート抵抗値))
外観;褐色膜
XPS分析;コバルトおよび酸素を主成分とする膜(50nm以上)
薄膜XRD(in−plane);酸化コバルト(CoO)のピーク
シート抵抗値;測定不能
比較例7A(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
(蒸着条件5A’;水蒸気雰囲気下による酸化コバルト膜の製造)
コバルト原料;ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II)
気化温度;50℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
水蒸気流量;0.5sccm
希釈ヘリウム流量;10sccm
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内圧力;1.33kPa
蒸着時間;20分
(膜特性(外観、XPS-depth測定と四探針法によるシート抵抗値))
外観;褐色膜
XPS分析;コバルト、酸素およびケイ素を主成分とする膜(50nm以上)
シート抵抗値;測定不能
以上より、本発明のコバルト化合物(6)を用いて、水蒸気雰囲気下で酸化コバルト膜を製造することができることが分かった。
実施例8(蒸着実験;コバルト含有膜の製造)
本発明の(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))を用いて、ALD法による蒸着実験を行い、成膜特性を評価した。蒸着条件及び膜特性は以下の通りであった。
(蒸着条件7;アンモニア雰囲気下による窒化コバルト膜の製造(ALD))
コバルト原料;(ビス(1−トリメチルシリルアミド−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)(化合物(6))
気化温度;70℃
キャリアーヘリウム流量;20sccm
アンモニア流量;10sccm
希釈ヘリウム流量;10sccm
コバルト化合物供給時間(パルス幅);2秒/1サイクル
コバルト原料真空排気時間(パージ時間);30秒/1サイクル
アンモニア供給時間(パルス幅);5秒/1サイクル
アンモニア真空排気時間(パージ時間);13秒/1サイクル
1サイクル当り合計50秒で100サイクル実施
基板材料;SiO
基板温度;200℃
反応系内ベース圧力;0.66kPa
(膜特性(外観))
外観;銀色の金属光沢膜(なお、コバルト含有膜が形成していると推察される)
以上より、本発明のコバルト化合物(6)を用いて、CVD法だけでなく、ALD法でもコバルト含有膜が製造できることが判明した。
なお(蒸着条件7)の反応ガスであるアンモニアを、水素・アンモニア混合ガスや酸素、水蒸気に変更して同様の手法でコバルト含有膜を製造することが可能である。
また、本発明のニッケル化合物(18)を用いて、コバルト化合物(6)を用いたCVD法やALD法と同様の方法によりニッケル含有膜が製造できる。
以上の結果から、本発明のビス(シリルアミドアミノアルカン)コバルト化合物は、CVD法において既存の化合物、例えば比較例1Aの(ビス(1−(t−ブチルアミド)−2−ジメチルアミノエタン−N,N’)コバルト(II)よりも熱安定性に優れる一方、熱分解、水素成膜、酸素成膜においては既存の化合物、例えば比較例1B(ビス(ヘキサメチルジシラザン)コバルト(II))より低温で成膜可能であることが判明した。
またコバルト膜や窒化コバルト膜の場合はより低抵抗である高品質なコバルト含有膜を製造する原料となり得ることが判明した。さらに、ALD法においてもコバルト含有膜を製造する原料となり得ることが判明した。
さらに本発明のビス(シリルアミドアミノアルカン)ニッケル化合物においても同様にニッケル含有膜を製造する原料として使用できる。
本発明は、新規なビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物及び当該金属化合物を用いて、CVD法又はALD法により、成膜対象物上に金属含有膜を製造する方法に関する。
ビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物は、例えば、金属含有膜製造材料、重合用触媒、医薬や農薬等の製造原料として有用な化合物である。
1.キャリアガス(ヘリウム)
2.希釈ガス(ヘリウム)
3.反応ガス(水素、アンモニア、酸素、ヘリウム/水蒸気等)
4.マスフローコントローラー
5.マスフローコントローラー
6.マスフローコントローラー
7.金属原料容器(気化器)
8.恒温槽
9.反応器
10.基板
11.反応器ヒーター
12.圧力計
13.トラップ
14.真空ポンプ
15.バルブ
16.バルブ
17.バルブ
18.バルブ
19.バルブ
20.バルブ
21.バルブ
22.バルブ
23.水容器
24.恒温槽

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 2017081857
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なっていても良く、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。 また、R及びRは、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。なお、R及びRは互いに結合して環を形成しても良い。 Zは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。 Mはコバルト原子又はニッケル原子を示す。)で示されるビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物。
  2. 一般式(2)
    Figure 2017081857
    (式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。)で示されるアルキルアルカリ金属化合物と、一般式(3)
    Figure 2017081857
    (式中、R、R、R、R4、R及びZは前記と同義である。)で示されるシリルアミノアミノアルカン化合物とを反応させて、一般式(4)
    Figure 2017081857
    (式中、R、R、R、R、R、Z及びMは前記と同義である。)で示される(シリルアミドアミノアルカン)アルキル金属化合物を得、次いで、これに一般式(5)
    Figure 2017081857
    (式中、Xはハロゲン原子を示す。 Mはコバルト原子又はニッケル原子を示す。)で示されるジハロゲノ金属化合物を反応させる、請求項1記載のビス(シリルアミドアミノアルカン)金属化合物の製造方法。
  3. 請求項1に記載のビス(シリルアミノアミドアルカン)金属化合物を金属供給源として用いた化学気相蒸着法(CVD法)又は原子層堆積法(ALD法)による金属含有膜の製造方法。
  4. 成膜対象物が備えられるとともに、 所定の温度に設定可能な加熱部を有する反応室と、 前記反応室内に請求項1記載のビス(シリルアミノアミドアルカン)金属化合物供給手段と、 前記反応室内に成膜に必要なガス(例えば、アンモニアガス、酸素ガス、水蒸気ガス、水素ガスなど)供給手段と、 前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを前記排気管から排気して当該反応室内を所定の圧力に設定可能な排気手段と、 前記加熱部を制御して前記反応室内を所定の温度に設定するとともに、前記排気手段を制御して前記反応室内を所定の圧力に設定した状態で、前記ビス(シリルアミノアミドアルカン)金属化合物供給手段を制御して、前記ビス(シリルアミノアミドアルカン)金属化合物を前記反応室内に供給させ、前記成膜対象物に金属含有膜を形成する制御手段とを備える金属含有膜の製造装置。
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