JP2017074321A - 自律走行型掃除機および駆動装置付き車輪 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪ユニットの小型化が可能な自律走行型掃除機および駆動装置付き車輪を提供する。
【解決手段】本発明の自律走行型掃除機Sは、車体Shを移動させる車輪2、3と、駆動源の入力により回転し、車体Shの荷重を支えるシャフト34と、シャフト34と車輪2、3との間に設けられる減速機構33、35、36と、シャフト34が支持され、シャフト34と車輪2、3との間に配置される第1の軸受38tと、シャフト34が支持され、第1の軸受38tより中央側に配置される第2の軸受34t1とを備えている。
【選択図】図15

Description

本発明は、自律走行型掃除機および駆動装置付き車輪に関する。
従来、室内を自律的に移動しつつ掃除する自律走行型掃除機が知られている。自律走行型掃除機は、動力源として充電池を搭載し、制御装置で、車輪ユニットを駆動する走行モータを制御して自律走行を行いつつ、モータ駆動の回転ブラシを用いて塵埃を掻き込み、吸引ファンで吸引して掃除を行う。
自律走行型掃除機は、左右一対の駆動用の車輪による自動走行が行われている。
ここで、自律走行型掃除機を自動走行させるため、車輪を駆動するモータのトルクに応じて減速比をある値の範囲、例えば40〜80の間で調整する必要がある。つまり、モータのトルクに対して、車輪を駆動するトルクは、40〜80倍となる。
特開2010−221964号公報
ところで、従来の自律走行型掃除機の車輪の減速機構は、以下の2つのタイプがある。
例えば、1つのタイプは、車輪の減速構造はモータからギヤを介して減速し車輪を動作させる構造となっている。この際、減速比を稼ぐためにギヤを直列に配置しているため、車輪に対し前後方向へ長くなってしまう。このように、通常の平歯車を直列で並べる構造であると、トルクの大きいモータを使用し、少ない減速比とした際においてもギヤを多段にする必要が有り、車輪ユニットが大型化してしまう。車輪ユニットの大型化は本体の大型化へつながり、狭い箇所の清掃が難しくなることから望ましく無く、小型化する必要がある。
自律走行型掃除機の前後方向には、電源を供給する畜電池、塵埃の吸込み口や塵埃を掻き取る掻き取りブラシが配置されているため、これらの構成要素と干渉するため、車輪の減速構造が前後方向に延びることは、自律走行型掃除機の大型化に繋がり、不都合である。
一方、モータに関しても自律走行型掃除機を移動させるトルクを稼ぐのに長さが必要な整流子モータを使用している。
そこで、ギヤの配置の工夫及び整流子モータと同一直径で、整流子モータよりも大きいトルクが得られるアウターロータのブラシレスモータを用いた特許文献1に記載される構成が提案されている。
もう1つのタイプとして、特許文献1に記載の車輪の減速機構の構成は、減速機構の直径方向が車輪内部に収まるように配置をしている。
この構造の場合、ギヤの外径を大きく取ることができないため、一段当たりの減速比を大きく取ることができない。そのため、必要な減速比を大きく稼ぐにはギヤを上下に重ねて複数段に配置する必要があり、車輪のスラスト方向へ大型化してしまう。
また、減速機構のスラスト方向の長さを抑えると、減速比が小さくなるため、モータのトルクを大きくする必要があり、マグネットのグレードを上げる等コスト増につながる。
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、車輪ユニットの小型化が可能な自律走行型掃除機および駆動装置付き車輪の提供を目的とする。
前記課題を解決するため、第1の本発明の自律走行型掃除機は、車体を移動させる車輪と、駆動源の入力により回転し、前記車体の荷重を支えるシャフトと、前記シャフトと前記車輪との間に設けられる減速機構と、前記シャフトが支持され、前記シャフトと前記車輪との間に配置される第1の軸受と、前記シャフトが支持され、前記第1の軸受より中央側に配置される第2の軸受とを備えている。
第2の本発明の駆動装置付き車輪は、車体を移動させる車輪と、駆動源の入力により回転し、前記車体の荷重を支えるシャフトと、前記シャフトと前記車輪との間に設けられる減速機構と、前記シャフトが支持され、前記シャフトと前記車輪との間に配置される第1の軸受と、前記シャフトが支持され、前記第1の軸受より中央側に配置される第2の軸受と、前記車輪を前記車体に対して回転自在に支持する第3の軸受とを備え、前記第3の軸受の内径寸法は、前記第1の軸受または前記第2の軸受の何れか一方の外径寸法より大きい。
第3の本発明の駆動装置付き車輪は、各走行モータの駆動でそれぞれ回動される駆動輪と、前記走行モータの駆動を減速して前記駆動輪に伝える減速機構と、塵埃が回収される吸口と、前記塵埃を含む空気を前記吸口から吸引する吸引ファンと、モータにより回転駆動して前記塵埃を掻き込む回転ブラシと、前記塵埃が集められる集塵ケースと、障害物を検知する障害物検知手段と、電源を供給する充電池とを備え、前記減速機構は、前記駆動輪の回転軸方向に見て前記駆動輪の外径寸法以下の領域内に配置され、前後方向に見て、前記駆動輪の幅寸法の領域内に前記減速機構を構成する各ギヤの一部または全部が位置している。
第4の本発明の自律走行型掃除機は、各走行モータの駆動でそれぞれ回動される駆動輪と、前記走行モータの駆動を減速して前記駆動輪に伝える減速機構と、塵埃が回収される吸口と、前記塵埃を含む空気を前記吸口から吸引する吸引ファンと、モータにより回転駆動して前記塵埃を掻き込む回転ブラシと、前記塵埃が集められる集塵ケースと、障害物を検知する障害物検知手段と、電源を供給する充電池とを備え、前記減速機構は、太陽歯車と、前記太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車と、前記遊星歯車と内歯で噛み合い、前記本体部に対して固定される第1のアウターギヤと、前記第1のアウターギヤと歯数が異なり、前記遊星歯車と内歯で噛み合い、前記駆動輪が固定される第2のアウターギヤとを有している。
第5の本発明の自律走行型掃除機は、各走行モータの駆動でそれぞれ回動される駆動輪と、前記走行モータの駆動を減速して前記駆動輪に伝える減速機構と、塵埃が回収される吸口と、前記塵埃を含む空気を前記吸口から吸引する吸引ファンと、モータにより回転駆動して前記塵埃を掻き込む回転ブラシと、前記塵埃が集められる集塵ケースと、障害物を検知する障害物検知手段と、電源を供給する充電池とを備え、前記減速機構は、ピニオンギヤと、前記ピニオンギヤに噛み合う第1の歯車と、前記第1の歯車の回転中心の位置に固定され、前記回転中心から偏芯したカム部を有するカムシャフトと、前記カム部に回転自在に支持される遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合い、前記本体部に対して固定されるアウターギヤとを有し、前記駆動輪は、前記遊星歯車の自転により回転している。
第6の本発明の自律走行型掃除機は、各走行モータの駆動でそれぞれ回動される駆動輪と、前記走行モータの駆動を減速して前記駆動輪に伝える減速機構と、塵埃が回収される吸口と、前記塵埃を含む空気を前記吸口から吸引する吸引ファンと、モータにより回転駆動して前記塵埃を掻き込む回転ブラシと、前記塵埃が集められる集塵ケースと、障害物を検知する障害物検知手段と、電源を供給する充電池とを備え、前記減速機構は、第1のウォームギヤと、前記第1のウォームギヤと噛み合う第1のウォームホイールと、前記第1のウォームホイールが一部に固定される支持部材と、前記支持部材の他部に固定される第2のウォームギヤと、前記第2のウォームギヤと噛み合う第2のウォームホイールと、前記第2のウォームホイールとともに回転する第1の歯車と、前記第1の歯車に噛み合って回転する第2の歯車とを有している。
本発明によれば、車輪ユニットの小型化が可能な自律走行型掃除機および駆動装置付き車輪を提供することができる。
本発明の実施形態に係る自律走行型掃除機を左前方から見た斜視図。 自律走行型掃除機の下面図。 図1のA−A断面図。 自律走行型掃除機のケースを外した内部構成を示す斜視図。 図4のB−Bで切断した斜視図 実施形態1の車輪アッセンブリを斜め上後方から見た斜視図。 実施形態1の車輪アッセンブリの側断面図。 図7AのC−C断面図。 車輪アッセンブリの分解斜視図。 図8の反対方向から見た車輪アッセンブリの分解斜視図。 遊星ギヤアッセンブリの分解斜視図。 駆動輪とモータとの間の減速機構の噛み合い状態を示す縦断面模式図。 実施形態2の車輪アッセンブリを斜め上後方から見た斜視図。 実施形態2の車輪アッセンブリの分解斜視図。 図13の反対方向から見た車輪アッセンブリの分解斜視図。 図12のD−D断面図。 ピニオンギヤ、歯車が見える断面で切断した断面図。 図15のE−E断面図。 図15のF−F断面図。 (a)は駆動輪とモータとの間の減速機構の噛み合い状態を示す縦断面模式図、(b)は減速機構とカムシャフトの両側の軸受と荷重のかかり方を示す原理図。 実施形態3の車輪アッセンブリを斜め上後方から見た斜視図。 実施形態3の駆動輪を外して車輪アッセンブリの内部を図20の反対方向の上後方から見た斜視図。 駆動輪とモータとの間の減速機構の噛み合い状態を示す縦断面模式図。 特許文献1のモータ駆動装置を備えたインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自律走行型掃除機を左前方から見た斜視図である。なお、自律走行型掃除機Sが進行する向きのうち、サイドブラシ7を設けた側を前方、鉛直上向きを上方、駆動輪2、3が対向する方向であって駆動輪2側を左方、駆動輪3側を右方とする。すなわち図1等に示すように前後、上下、左右方向を定義する。
図2は、自律走行型掃除機の下面図である。
自律走行型掃除機Sは、所定の掃除領域(例えば、部屋の床面Y)を自律的に移動しながら自動的に掃除する電気機器である。
自律走行型掃除機Sは、外郭を成すケース1(1u、1s)と、下部の一対の駆動輪2、3(図2参照)および補助輪4とを備えている。また、自律走行型掃除機Sは、下部に回転ブラシ5、ガイドブラシ6およびサイドブラシ7を備え、周囲にセンサ8(8a、8b、8c)(図2、図3、図4参照)を備えている。
駆動輪2、3は、それぞれ走行モータ21、21A(図6参照)により回転駆動される。補助輪4は、従動輪であり自由回転するキャスタである。駆動輪2、3は、自律走行型掃除機Sの前後方向の中央側、左右方向の外側に設けられており、補助輪4は前後方向の前方側、左右方向の中央側に設けられている。
サイドブラシ7は、自律走行型掃除機Sの前方側、左右方向の外側に設けられており、図1の矢印α1のように、自律走行型掃除機Sの前方外側の領域を、左右方向外側から内側に向かう方向に掃引するよう回転して、床面上の塵埃を中央の回転ブラシ5(図2参照)側に集める。2つのガイドブラシ6は、それぞれ駆動輪2、3に対して左右方向内側に設けられており、サイドブラシ7で集められた塵埃を回転ブラシ5の幅内から外側に逃げないようにガイドする固定ブラシである。
回転ブラシ5は、自律走行型掃除機Sの駆動輪2、3に対して後方に設けられている。回転ブラシ5の左右側端部の左右方向位置は、それぞれ駆動輪2、3より内側、又はガイドブラシ6より内側にできる。
図3は、図1のA−A断面図である。
図4は、自律走行型掃除機のケースを外した内部構成を示す斜視図である。なお、図4は、集塵ケース12を外した状態を示す。
図5は、図4のB−B断面を示す斜視図である。
図3に示すように、自律走行型掃除機Sは、内部に充電池9と制御装置10と吸引ファン11と集塵ケース12とを備えている。集塵ケース12は入口として回転ブラシ5の上方に吸込み口12iが形成されている。また、集塵ケース12は出口に集塵フィルタ13が取り付けられている。
充電池9は、例えば、充電することで再利用可能な二次電池であり、電池収容部1s6(図2参照)に収容されている。充電池9は自律走行型掃除機Sの左右端部に亘って配置されている(図3、図5参照)。
充電池9からの電力は、センサ8、駆動装置等の各モータ(21、21A、5m)、制御装置10、及び吸引ファン11等に供給される。
自律走行型掃除機Sは、制御装置10により統括的に制御される。
(吸引ファン11)
図4に示すように、吸引ファン11は下ケース1sの中心付近に配置されている。
吸引ファン11による空気の流路には、吸口14i(図3参照)から下流側に向かって順に、集塵ケース12、集塵フィルタ13、吸引ファン11、及び、排気口1s5(図2参照)が設けられている。排気口1s5は、回転ブラシ5の前方、駆動輪2、3の左右方向内側に設けられている。吸引ファン11(図3、図5参照)を駆動することで集塵ケース12内の空気を排気口1s5から外部に排出して負圧を発生させ、床面Yから吸口14iを介して塵埃を集塵ケース12内に吸い込む。
吸口14i付近には、床面上の塵埃を掻き込む回転ブラシ5(図2参照)が設けられている。
吸引ファン11は、下ケース1sとの間に弾性体(図示せず)を介して設置されている。弾性体を介在させることで、吸引ファン11の振動が減衰して下ケース1sに伝わりにくく、振動、騒音を低減できる。
吸引ファン11、及び、回転ブラシモータ5m(図4参照)が駆動すると、回転ブラシ5(図3参照)によって床面等の塵埃が掻き込まれる。掻き込まれた塵埃は、吸口14i、吸込み口12iを介して集塵ケース12内に導かれる。集塵フィルタ13で塵埃が取り除かれた空気は、排気口1s5(図2参照)を通して排出される。なお、集塵ケース12は、上ケース1uに設けられた蓋1u1(図1参照)を開けることで着脱可能であり、集塵フィルタ13を外して塵埃が廃棄される。
(自律走行型掃除機Sの動作概要)
ここで、自律走行型掃除機Sの大まかな動作について説明する。
自律走行型掃除機Sは、駆動輪2、3と補助輪4(図2参照)とにより自律的に移動され、前進、後進、左右旋回、超信地旋回等が可能である。そして、自律走行型掃除機Sは、サイドブラシ7、ガイドブラシ6で集塵して回転ブラシ5の周りに付着した塵埃を、吸口14iを介して、吸引ファン11の吸込み力により、集塵ケース12入口の吸込み口12iから集塵ケース12内に吸込み、出口の集塵フィルタ13により集塵ケース12内に滞留させる。
集塵ケース12内に塵埃が溜まると、適宜、利用者により集塵ケース12が本体部Shより取り出され、集塵フィルタ13が取り外され、塵埃が廃棄される。
以下、自律走行型掃除機Sのその他の構成について詳述する。
(ケース1)
ケース1は、外郭を成し、走行モータ21、21A、回転ブラシモータ5m、吸引ファン11、集塵ケース12、制御装置10等を収容する筐体である。
ケース1は、上壁を成す上ケース1uと、底壁(及び一部の側壁)を成す下ケース1s(図2参照)と、ケース1の前下部に設置されるバンパ1bとを備えている。
上ケース1uには、集塵ケース12(図3参照)を出入れするための蓋1u1(図1参照)が設けられている。
図2に示すように、下ケース1sには、車輪ユニット収容部1s1とサイドブラシ取付部1s3と孔部1s4と排気口1s5と電池収容部1s6とが形成されている。
車輪ユニット収容部1s1は、図2の平面視で略円形を呈する下ケース1sの中央左右両側に形成されている。
車輪ユニット収容部1s1には、駆動輪2、3が支持、駆動される車輪ユニット20、30が収容される。
孔部1s4には、吸込部14が設けられる。排気口1s5は、下ケース1sの中央付近であり、左右の車輪ユニット収容部1s1に挟まれた位置に複数形成される。
電池収容部1s6は、下ケース1sの中心よりも前側に形成されている。
電池収容部1s6には、充電池9が収納される。電池収容部1s6の左右には、サイドブラシ7を取り付けるサイドブラシ取付部1s3が形成されている。
下ケース1sの後側、つまり、排気口1s5、及び、車輪ユニット収容部1s1の後側に吸込部14(図2参照)が設けられる孔部1s4が形成されている。
バンパ1b(図1、図2参照)は、壁等の障害物に衝突した際に外部から作用する力に応じて前後方向に移動可能に設置されている。バンパ1bは、左右一対のバンパばね(図示省略)によって外向きに付勢されている。
バンパ1bを介して障害物と衝突した際の作用力がバンパばねに作用すると、バンパばねは平面視で内側に倒れ込むように変形し、バンパ1bを外向きに付勢しつつバンパ1bの後退を許容する。バンパ1bが障害物から離れて前記した作用力がなくなると、バンパばねの付勢力によってバンパ1bは元の位置に復帰する。ちなみに、バンパ1bの後退(つまり、障害物との接触)は、後記するバンパセンサ8a(図4参照)によって検知され、その検知結果が制御装置10に入力される。
(吸込部14)
図3に示す吸込部14は、吸引ファン11で吸引する塵埃を含む空気の流路の一部を形成する。吸込部14から下流の流路は、順に、集塵ケース12、集塵フィルタ13、吸引ファン11及び、排気口1s5(図2参照)に連通する。
吸込部14には、塵埃を掻き込む回転ブラシ5が配置され、回転ブラシ5を駆動する回転ブラシモータ5m(図4参照)が固定される。吸込部14は、回転ブラシ5で掻き込まれた塵埃を集塵ケース12に吸込む吸口14iが形成されている。吸口14iは、回転ブラシ5(図2参照)と略同じ長さを有して形成されている。
図3に示すように、吸口14iは、集塵ケース12の開口の吸込み口12iと連通し、塵埃が吸口14i、吸込み口12iを介して集塵ケース12に集められる。
吸込部14には、回転ブラシ5を収容する回転ブラシ収容部14bが下ケース1sに形成され、回転ブラシ収容部14bに上述の回転ブラシ5が配置される。回転ブラシ5は、吸込部14に回転可能に取り付けられる。回転ブラシ5は、吸込部14に取り外し可能に取り付けられる。
(集塵ケース12)
図3に示す集塵ケース12は、床面Yから、吸込部14に形成される吸口14iを介して吸いこまれた塵埃を回収する容器である。集塵ケース12は、回転ブラシ5と略同じ左右方向寸法を有している。
集塵ケース12は、回収した塵埃を収容する本体と、回収した塵埃を取出し可能とする蓋と、本体上部の折り畳み可能な取っ手とを備える。集塵ケース12の本体は、下面が吸込部14の上部の形状に対応する形状であり、吸口14iに対向して略同じ開口形状の吸込み口12iを備えている。蓋は、吸引ファン11の吸引口に対向し、前記した集塵フィルタ13を備えている。
(センサ8)
図4に示すバンパセンサ8aは、バンパ1b(図1参照)が障害物と接触したことをバンパ1bの後退で検知するセンサ、例えばフォトカプラである。バンパ1bに障害物が接触した場合、バンパ1bの後退でセンサ光が遮られる。この変化に応じた検知信号が制御装置10に出力される。
図4に示す測距センサ8bは、障害物までの距離を検出する赤外線センサである。本実施形態では、測距センサ8bを正面と両側面の計3か所に設けている。
測距センサ8bは、赤外線を発光させる発光部(図示せず)と、赤外線が障害物で反射して戻ってくる反射光を受光する受光部(図示せず)とを有している。当該受光部によって検出される反射光の強さに基づき、障害物までの距離が算出される。なお、バンパ1bのうち少なくとも測距センサ8bの近傍は、赤外線を透過させる樹脂又はガラスで形成されている。
ちなみに、測距センサ8bとして他の種類のセンサ(例えば、超音波センサ、可視光センサ)を用いてもよい。
図2に示す床面用測距センサ8cは、床面までの距離を計測する赤外線センサであり、下ケース1sの下面前後左右4か所に設置されている。床面用測距センサ8cによって階段等の大きな段差を検知することで、自律走行型掃除機Sの落下を防止できる。例えば、床面用測距センサ8cによって前方に30mm程度以上の段差が検知された場合、制御装置10(図3参照)は走行モータ21、21Aを制御して本体部Shを後退させ、自律走行型掃除機Sの進行方向を転換させる。
(制御装置10)
図3に示す制御装置10は、例えばマイコン(Microcomputer)と周辺回路とが基板に実装され、構成される。マイコンは、ROM(Read Only Memory)に記憶された制御プログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が実行することで各種処理が実現される。周辺回路は、A/D・D/A変換器、各種モータの駆動回路、センサ回路、充電池9の充電回路等を有している。
制御装置10は、利用者による操作ボタンbuの操作、及び、センサ8から入力される信号に応じて演算処理を実行し、各モータ(21、21A、5m)、センサ8、吸引ファン11等と信号を入出力する。
(補助輪4)
図2に示す補助輪4は、下ケース1sの前方の左右方向の中央に設けられている。補助輪4は、駆動輪2、3とともに本体部Shを所定高さで保って自律走行型掃除機Sを円滑に移動させるための車輪である。補助輪4は、本体部Shの移動に伴い床面Yとの間で生じる摩擦力によって従動回転し、さらに向きが水平方向に360°回転するように、下ケース1sに軸支されている。
<<実施形態1>>
次に、実施形態1の自律走行型掃除機Sの駆動輪2、3を含む車輪アッセンブリ20、30について説明する。
なお、駆動輪2を含む車輪アッセンブリ20と駆動輪3を含む車輪アッセンブリ30とは、自律走行型掃除機Sの左右の中央面に対して面対称として同様な構成にできるから、車輪アッセンブリ20の構成についての説明は、車輪アッセンブリ30と同様にできるため、車輪アッセンブリ30の説明としては繰り返さない。
図6は、実施形態1の車輪アッセンブリを斜め上後方から見た斜視図であり、図7Aは、実施形態1の車輪アッセンブリの側断面図であり、図7Bは、図7AのC−C断面図である。
図8は、車輪アッセンブリの分解斜視図であり、図9は、図8の反対方向から見た車輪アッセンブリの分解斜視図である。図10は、遊星ギヤアッセンブリの分解斜視図である。
実施形態1の車輪アッセンブリ20における駆動輪2と駆動輪2を駆動するモータ21との間の減速機構について説明する。
具体的には、図7Aに示すように、駆動輪2と同軸上にモータ21が配置され、図7Bに示すように、モータ21の駆動軸(入力軸)には太陽歯車22が圧入等で固定されている。モータ21は、モータブラケット21bに固定されている。
図7Bに示すように、太陽歯車22の外周の歯に噛み合って3つの遊星ギヤ23が設けられている。
3つの遊星ギヤ23の外周の歯23hに噛み合う内歯24hを有する内歯歯車の第1アウターギヤ24が、図1に例示する本体部Sh等の非回転部に固定されている。
さらに、図7A、図8に示すように、3つの遊星ギヤ23の外周の歯に噛み合って、内歯25hを有する内歯歯車の第2アウターギヤ25が、回転自在に設けられている。第2アウターギヤ25は、駆動輪2(図6参照)が固定され、出力軸を構成している。
回転自在な第2アウターギヤ25は、固定の第1アウターギヤ24と異なる歯数に変更され転移角を変更することで、固定の第1アウターギヤ24と同一の基準円直径を有している。こうして、第2アウターギヤ25の内歯25hは3つの遊星ギヤ23の歯23hに噛み合うように配置されている。
上述したことから、モータ21と駆動輪2との間の減速機構は、太陽歯車22、3つの遊星ギヤ23、第1アウターギヤ24、および第2アウターギヤ25を有して構成されている。
図8、図9に示すように、第2アウターギヤ25は、深さ寸法が短い有底円筒状の樹脂製の部品である。第2アウターギヤ25は円板状の底板25aと底板25aの縁部から立ち上がる形状の円筒板25bとを有している。円筒板25bの内周面側には内歯25hが形成されている。
第2アウターギヤ25の底板25aには、中央にモータ軸21jを逃げる円状の孔25a0が形成されている。また、第2アウターギヤ25の底板25aの内面側にはモータ21側に向かって延びるボス25a1(図8参照)が3つ形成されている。各ボス25a1に、底板25aの外面側から内面側(図8の紙面、左側から右側)に、雌ねじ25a2が螺刻されてもよいが、上述のように樹脂で第2アウターギヤ25を形成すると、例えばタッピングネジを用いることで、ボス25a1に螺刻せずに固定できる。
駆動輪2は、円板状の底板2sと、底板2sの縁部から立ち上がる円筒状の車輪部2wとを有している。駆動輪2は、例えばエラストマで成形される。なお、駆動輪2はエラストマ以外の材料で形成してもよい。駆動輪2の車輪部2wの外径寸法s1(図7A参照)は、約50mm〜約80mmの寸法である。車輪部2wの外径寸法s1は、最大約80mm、最小の外径寸法s1は、約50mmになるように設けても良い。
車輪部2wは走行時に床面Yに接触する箇所であり、自律走行型掃除機Sに取り付けられた状態で、車輪部2wの左右方向内側が円筒面2w1となっている。一方、車輪部2wの左右方向外側は、凹形状2woと凸形状2wtとを有する円筒形状の凹凸状円筒面2w2が形成されている。
図8に示すように、円板状の底板2sには、内側に第2アウターギヤ25を固定するためのボス2s1が3箇所形成されている。各ボス2s1には、第2アウターギヤ25を固定するねじn1が挿通する孔2s2が貫設されている。
駆動輪2と第2アウターギヤ25との組立ては次のように行われる。ねじn1を、駆動輪2の円板状の底板2sに形成される孔2s2を挿通させて、第2アウターギヤ25の雌ねじ25a2に螺着することで、駆動輪2が出力となる第2アウターギヤ25に固定される。
以上の構成により、3つの遊星ギヤ23がそれぞれ固定の第1アウターギヤ24の内歯24hと、回転自在な第2アウターギヤ25の内歯25hに噛み合って回転する。3つの遊星ギヤ23が固定の第1アウターギヤ24の内歯24hを、1回転移動する間に、回転自在な第2アウターギヤ25は、第1アウターギヤ24と異なる歯数分だけ回転することとなる。
駆動輪2と駆動輪2を駆動するモータ21との間の減速機構の噛み合い状態を図11に示す。図11は、駆動輪とモータとの間の減速機構の噛み合い状態を示す縦断面模式図である。
太陽歯車22の歯数z1、遊星ギヤ23の歯数z2、固定の第1アウターギヤ24の歯数z3、回転自在な第2アウターギヤ25の歯数z4とすると、入力のモータ21から、駆動輪2が固定される出力の第2アウターギヤ25までの減速比Nは、以下のように求められる。
ここで、遊星ギヤ23の数量をnとし、mを1、2、3、……… の自然数とすると、太陽歯車22の歯数z1は、遊星ギヤ23の数量分の歯数を持つので、次式(1)で表される。
z1=n×m (1)
また、固定の第1アウターギヤ24の歯数z3は、mを1、2、3、……… の自然数とすると、固定の第1アウターギヤ24は遊星ギヤ23の数量分の歯数を持つので、mを1、2、3、……… の自然数とすると次式(2)で表される。
z3=n×m (2)
回転自在な第2アウターギヤ25の歯数z4は、次式(3)とする。
z4=z3+(n×m) (3)
遊星ギヤ23は太陽歯車22と第1アウターギヤ24、第2アウターギヤ25との間を仲介するだけなので、
減速比N1は、次式(4)で表される。
N1= z4×(z3+z1)÷(z1×(z4−z3)) (4)
例えば、z1=57、z2=15、z3=84、z4=87とすると、減速比N1は、71.7となる。
こうして、車輪アッセンブリ20の構成とすることで、減速比N1=約40〜約80を実現することができる。
図7Aに示すように、固定の第1アウターギヤ24と回転自在な第2アウターギヤ25の外周外方には車輪2が配置される。これにより、不思議遊星歯車減速機構を車輪2の内部に配置できる。同様にして、不思議遊星歯車減速機構を車輪3の内部に配置できる。
従って、駆動輪2、3の減速機構が、駆動輪2、3のスラスト方向(軸方向)および直径方向共に小型化が可能となる。
<緩衝機構K>
駆動輪2、3が地面から受ける外力がギヤ部(22、23、24、25)へ加わると、バックラッシュ等が変化し、騒音やエネルギ伝達のロスが大きくなるといった問題が発生する可能性がある。
そこで、図7A、図7Bに示すように、駆動輪2とハウジング26との間に緩衝機構Kが設けられている。
ハウジング26は、駆動輪2と駆動輪が固定される回転自在な第2アウターギヤ25との間に設けられている。
緩衝機構Kは、ハウジング26に支持されるピン26pとピン26pに回転自在に挿通される円筒状のローラ26rとで構成される。
図8、9に示すように、ハウジング26は、浅い深さをもつ有底円筒状の樹脂製の部品である。ハウジング26は、円板状の底板26aと円筒側板26bとフランジ板26cとを有している。
底板26aには、中央に駆動輪2の3つのボス25a1が挿通する中央孔26a1が形成されている。
フランジ板26cには、駆動輪2の軸方向にステンレス等のピン26pが固定されている。ピン26pには、ローラ26rが回転自在に挿通されている。ローラ27rは例えばPOM(Polyoxymethylene, Polyacetal)等の樹脂が使用されている。図7Aに示す位置に、ローラ26rを配置し、ピン26pをローラ26rに通した後、ピン26pをフランジ板26cと円筒側板26bとに圧入等で固定する。これにより、ローラ26rがピン26pに回転自在に設けられる。
上記構成により、駆動輪2の内周面2n(図7A参照)とローラ27rとのクリアランスを狭くとることで、駆動輪2が床面Yから受ける衝撃や外力を、ローラ26rを介してハウジング26で受けることができる。これにより、駆動輪2が床面Yから受ける衝撃や外力が、遊星ギヤ23、太陽歯車22等のギアに伝達されるのを抑制することができる。
実施形態1の構成によれば、下記の作用効果を奏する。
1.モータ21を含めた駆動輪2、3の減速機構をそれぞれほぼ駆動輪2、3の外径寸法s1および幅寸法s2に納めつつも、自律走行型掃除機Sに必要な減速比N1=約40〜約80、好ましくは70〜80を実現することができる。
2.図6、図7A、図7Bに示すように、駆動輪2、3の各車軸方向に見た場合、モータ21を含めた駆動輪2、3の減速機構(22、23、24、25)をそれぞれ駆動輪2、3の各外径寸法s1の領域内に納めることができる。そのため、充電池9、集塵ケース12、吸口14i、回転ブラシ5を、駆動輪2、3を除いた前後方向の領域の任意の位置に配置できる。そのため、自律走行型掃除機Sの小型が可能である。また、充電池9、集塵ケース12、吸口14i、回転ブラシ5を駆動輪2、3の領域を除いた左右方向を充分使って配置できるので、自律走行型掃除機Sの基本機能を向上できる。
3.自律走行型掃除機Sを前後方向(図1、図4参照)に見た場合、図7Aに示すように、駆動輪2、3の各幅寸法s2内にモータ21と減速機構の各ギヤ(22、23、24、25)の一部または全部を納めることができる。
以上のことから、駆動輪2、3の減速機構を小型化することができる。つまり、減速比N1を大きくとりながらも、駆動輪2、3の減速機構の小型化が可能である。
4.本減速機構では、遊星ギヤ23、第1アウターギヤ24、および第2アウターギヤ25に、トルクに起因する大きな外力が加わり、大きな応力が発生する。しかしながら、本減速機構では、遊星ギヤ23を3つ用いているので、外力が1/3となり発生応力も1/3となる。また、第1アウターギヤ24と第2アウターギヤ25とに加わる外力も、3つの遊星ギヤ23を介して伝わるので、それぞれ1/3となる。そのため、第1アウターギヤ24と第2アウターギヤ25とにそれぞれ発生する応力が1/3となる。
従って、本減速機構では、発生応力が低減され、機械的信頼性が高い。
5.駆動輪2、3とハウジング26との各間に、駆動輪2とハウジング26に支持されるローラ26rとのクリアランスを狭くとる緩衝機構Kが設けられる。従って、駆動輪2、3に加わる衝撃、外力をハウジング26で受けることができる。そのため、駆動輪2、3に加わる衝撃、外力が減速機構のギヤ(22、23、24、25)に伝達されるのが抑制される。
従って、減速機構(22、23、24、25)の信頼性が高く、長寿命化が可能である。
6.以上のことから、小型で高出力トルクが可能で、発生応力が低減される機械的信頼性が高い減速機構をもつ自律走行型掃除機Sを実現できる。
なお、前記実施形態1では、遊星ギヤ23を3つ用いる場合を例示したが、遊星ギヤ23の数は複数であれば、その数は適宜選択できる。
<<実施形態2>>
次に、実施形態2の自律走行型掃除機Sの駆動輪2、3をそれぞれ含む車輪アッセンブリ20A、30Aについて説明する。
なお、駆動輪2を含む車輪アッセンブリ20Aと駆動輪3を含む車輪アッセンブリ30Aとは、自律走行型掃除機Sの左右の中央面に対して面対称として同様な構成にできるから、車輪アッセンブリ20Aの構成についての説明は、車輪アッセンブリ30Aについての説明と同様にできるため、車輪アッセンブリ30Aとしての説明は繰り返さない。
図12は、実施形態2の車輪アッセンブリを斜め上後方から見た斜視図である。
図13は、実施形態2の車輪アッセンブリの分解斜視図であり、図14は、図13の反対方向から見た車輪アッセンブリの分解斜視図である。
図15は、図12のD−D断面図であり、図16は、ピニオンギヤ、歯車が見える断面で切断した断面図である。
車輪アッセンブリ20Aにおける駆動輪2とモータ31との間の減速機構には、トロコイド曲線を用いた遊星ギヤの減速機構を採用している。
図16に示すように、駆動輪2の回転軸(カムシャフト34の位置)に偏芯させてモータ31(回転軸31j)が設けられている。
モータ31の回転軸31jには、ピニオンギヤ32が固定されている。
図12に示すように、モータ31は、第1ハウジングhaに固定されている。第1ハウジングhaは、駆動輪2の構造部材を成す第2ハウジングhbに固定されている。
詳細には、図13に示すように、第1ハウジングhaには、ねじ挿通孔ha1が形成される一方、第2ハウジングhbには雌ねじhb1が螺刻されている。不図示のねじを第1ハウジングhaのねじ挿通孔ha1を挿通させ、第2ハウジングhbの雌ねじhb1に螺着することで、第1ハウジングhaが第2ハウジングhbに固定される。
また、ピニオンギヤ32に噛み合って、歯車33がピニオンギヤ32より多い歯数をもって設けられている(図16参照)。
ここで、騒音低減を狙い一段目のギヤのピニオンギヤ32と歯車33とには、はすば歯車を採用している。
歯車33の回転軸には、カムシャフト34(図13、図14等参照)が固定されている。
これにより、モータ31の出力が、ピニオンギヤ32、歯車33を介して、減速してカムシャフト34に伝えられる。
図13、図14に示すように、カムシャフト34は、第一中心軸34aと第一カム部34bと第二カム部34cと第二中心軸34dとを有している。
カムシャフト34の第一中心軸34aは、駆動輪2の回転軸と同軸であって、歯車33の中心軸に周り止めの矩形断面をもって形成されている。第一中心軸34aは、歯車33の中心軸に嵌入され固定される。
第一カム部34bは、第一中心軸34aに偏芯した円柱形状の軸である。
第二カム部34cは、第一中心軸34aに偏芯し、かつ第一中心軸34aを中心に第一カム部34bに対して約180度位相をずらして形成される円柱形状の軸である。
第二中心軸34dは、第一中心軸34aと同様、駆動輪2の回転軸と同軸の円柱形状の軸である。第二中心軸34dは、駆動輪2の中心軸に挿通される軸受38tに回転自在に軸支持されている。
そのため、カムシャフト34は、駆動輪2の回転軸と同軸上で回転することとなる。しかし、後記するように、駆動輪2の回転とカムシャフト34との回転は独立している。
カムシャフト34の第一カム部34bには、軸受34t1を介して、トロコイド曲線を用いて歯35hが形成される遊星ギヤ35が配置されている。
遊星ギヤ35には、同軸上に回転板38を回転させるための円柱状凹部35aが複数形成されている。円柱状凹部35aとはモータ31側が貫通していない円柱形状をした空間をもつ凹部である。
回転板38には駆動輪2が固定されている。回転板38を回転駆動することで、駆動輪2が回転駆動される。
図15に示すように、回転板38は軸受39に内装されている(図13、図14参照)。軸受39は、スベリ軸受でもよいし、玉軸受でもよい。一方、回転板38は軸受38tを介してカムシャフト34と連結されている。
カムシャフト34の第二カム部34cには、軸受34t2を介して、トロコイド曲線を用いて歯36hが形成される遊星ギヤ36が配置されている。遊星ギヤ35と遊星ギヤ36とは同じ形状の歯車であり、第一カム部34bと第二カム部34cとに軸支持することで、位相を180度ずらして取付けられている。
なお、遊星ギヤ35、36はカムの位相を180度ずらし、2個配置したのは、振動低減を図ったものである。換言すれば、遊星ギヤ36は、遊星ギヤ35とは反対方向に偏芯させることにより、遊星ギヤ35の偏芯による運動を打ち消して振動、騒音等を抑制できる。
遊星ギヤ36には、同軸上に回転板38を回転させるための挿通孔36aが複数貫設されている。遊星ギヤ36の挿通孔36aは、遊星ギヤ35の円柱状凹部35aと同じ間隔で形成されている。
図17は、図15のE−E断面図である。図18は、図15のF−F断面図である。
遊星ギヤ35、36の各歯35h、36hは、それぞれアウターギヤ37の歯37hと噛み合っている。アウターギヤ37は固定の歯車である。
遊星ギヤ35、36の各歯35h、36hは、それぞれトロコイド曲線を用いて形成しているため、これと噛み合うアウターギヤ37は、円筒状の歯37hに形成されている。なお、通常のインボリュート歯車を遊星ギヤ35、36として用いると、インボリュート干渉が発生するため、トロコイド曲線の歯35h、36hと円筒状の歯37hの形状としている。
円筒状の歯37hは、ピン37h1に回転自在に軸支持されるローラ37h2で形成されている。
図18に示すように、遊星ギヤ35の円柱状凹部35aと遊星ギヤ36の挿通孔36aには、回転板38に固定されるピン38pに回転自在に軸支持されるローラ38rが遊嵌されている。
図13、図14に示すように、回転板38は、円環状の部品であり、カムシャフト34の第二中心軸34dに、軸受38tを介して、回転自在に支持されている。
上記構成により、遊星ギヤ35、36が、アウターギヤ37の円筒状の歯37hとの噛み合いにより回転した際には、円柱状凹部35a、挿通孔36aに貫通したローラ38rを介して、回転板38がカムシャフト34の第二中心軸34d周りに回転することとなる。
図14に示すように、回転板38には、雌ねじ38nが3箇所螺刻されている。
駆動輪2に貫設される3つの貫通孔2s4にねじn2をそれぞれ挿通させて回転板38の雌ねじ38nに螺着することで、駆動輪2が回転板38に固定されている。
駆動輪2は、円板状の底板2sと円筒状の車輪部2wとを有している。駆動輪2は、例えばエラストマで成形される。なお、駆動輪2はエラストマ以外の材料で形成してもよい。駆動輪2の車輪部2wの外径寸法s3は、約50mm〜約80mmの寸法である。つまり、車輪部2wの外径寸法s3(図17参照)は、最大約80mmであり、最小の外径寸法は、約50mmと設定される。
車輪部2wは走行時に床面に接触する箇所であり、内側が円筒面2w1となっている。一方、駆動輪2の外側は、凹形状2woと凸形状2wtとを有する円筒形状の凹凸状円筒面2w2が形成されている。
図14に示すように、円板状の底板2sには、上述の3つの貫通孔2s4が貫設されている。
以上の構成により、カムシャフト34が回転すると、遊星ギヤ35、36は、カムシャフト34の第一カム部34bおよび第二カム部34cの各動作により公転しながら(遊星ギヤ35、36の各軸部が回転しながら)、アウターギヤ37の歯37hとのそれぞれの歯35h、36hの噛み合いにより自転する。
つまり、固定のアウターギヤ37の歯37hの数と遊星ギヤ35(36)の歯35h(35h)の数の差分だけ、遊星ギヤ35の回転として取り出せる構成である。
具体的には、遊星ギヤ35、36の自転の回転数を、円柱状凹部35a、挿通孔36aに貫通したローラ38rを介して、回転板38を用いて取り出す構造となっている。
駆動輪2とモータ31との間の減速機構の噛み合い状態は、図19(a)に示すようになっている。なお、図19(a)は、駆動輪とモータとの間の減速機構の噛み合い状態を示す縦断面模式図であり、図19(b)は、減速機構とカムシャフトの両側の軸受と荷重のかかり方を示す原理図である。
ここで、ピニオンギヤ32の歯数をz1、歯車33の歯数をz2、遊星ギヤ35、36の歯数をz3、アウターギヤの歯数をz4とすると、減速比N2は、次式(5)で表される。
N2=(z2÷z1)×(1÷((z4−z3)÷z3)) (5)
例えば、ピニオンギヤ32の歯数をz1=12、歯車33の歯数をz2=48、遊星ギヤ35、36の歯数をz3=17、アウターギヤ37の歯数をz4=18とすると、減速比N2=68.0である。上述の構成により、減速比N2=約40〜約80に設定することができる。
なお、この場合、カムシャフト34(z2=48)の回転に対してカムシャフト34の回転が遊星ギヤ35、36を介して伝達される回転板38の減速比N2Aは、次式となる。
減速比N2A=1÷((z4−z3)÷z3)
つまり、シャフトであるカムシャフト34の回転速度と駆動輪2(回転板38)の回転速度とは異なる。
図17に示すように、カムシャフト34が矢印γ1方向に回転すると、カムシャフト34に固定される遊星ギヤ35は同方向(矢印γ1方向)に回転する。遊星ギヤ35の歯数はz3=17であり、アウターギヤ37の歯数はz4=18より小さいので、遊星ギヤ35は、カムシャフト34の回転方向(矢印γ1)と反対方向の矢印γ2方向に自転することとなる。
実施形態2の構成によれば、下記の作用効果を奏する。
1.歯車33と遊星ギヤ35および遊星ギヤ35とアウターギヤ37との二段の減速のみで、高い減速比(例えば、減速比Nを約40〜約80、好ましくは65〜80)を得ることができる。そのため、高効率の減速機構を駆動輪2、3の内部へ配置することが可能となる。
2.図16〜図18に示すように、駆動輪2、3の各車軸方向に見た場合、モータ31を含めた駆動輪2、3の減速機構(32、33、34、35)をそれぞれ駆動輪2、3の各外径寸法s3(図17参照)内に納めることができる。そのため、充電池9、集塵ケース12、吸口14i、回転ブラシ5を、自律走行型掃除機Sの駆動輪2、3を除いた前後方向に任意の位置に配置できる。そのため、自律走行型掃除機Sの小型が可能である。また、充電池9、集塵ケース12、吸口14i、回転ブラシ5を、駆動輪2、3の領域を除いた左右方向を充分使って配置できるので、自律走行型掃除機Sの基本機能を向上できる。
3.自律走行型掃除機Sを前後方向(図1、図4参照)に見た場合、図12に示すように、駆動輪2、3の各幅寸法s4の領域内にモータ31と減速機構の各ギヤ(32、33、34、35、37)の一部または全部を納めることができる。
4.遊星ギヤ35、36の歯35h、36hは、それぞれトロコイド曲線を用いて形成しているため、応力集中を抑制でき、応力に強い。
5.回転部品の歯車33、遊星ギヤ35、36を両端支持する構造とできるため、外力に対し強い構造となっている。
6.カムシャフト34に固定して、位相が180度ずれた遊星ギヤ35、36を用いるので、振動を抑制できる。
7.駆動輪2、3には、床面Yから衝撃や外力が加わるが、駆動輪2、3が固定される各回転板38は、遊星ギヤ35、36の円柱状凹部35a、挿通孔36aと遊嵌されるローラ38rを介して、遊星ギヤ35、36に接続される。また、駆動輪2、3は回転板38等で、衝撃や外力を受けるので、ギヤ部(32、33、34、35、37)に駆動輪2、3に加わる衝撃や外力が伝わることが抑制される。
8.実施形態2の車輪アッセンブリ20Aでは、図19(b)に示すように、自律走行型掃除機Sの走行時に駆動輪2(3)に加わる荷重は、回転板38、軸受38tを介して、カムシャフト34に伝達される。カムシャフト34に伝達される荷重Wは、軸受34t1、38tをそれぞれ介して、第1ハウジングha、第2ハウジングhb(図15参照)に伝達される。そのため、駆動輪2とモータ31との間に設けられる減速機構は当該荷重Wを受けないで済む。従って、減速機構の信頼性、耐久性が高い。
これに対して、特許文献1では、図23に示すように、駆動輪が固定される車輪ハブ(32)は車輪ハブ軸受(33)に支持されている。図23は、特許文献1のモータ駆動装置を備えたインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図(特許文献1の図1)である。
また、車輪ハブ(32)が固定される車輪側回転部材(28)は、軸受(64)の外輪で支持されている。軸受(64)の内輪は、減衰部入力軸(25)の一端部が支持されている。減衰部入力軸(25)の他部は、転がり軸受(62)を介してポンプケーシング(22p)に回転自在に支持されている。そのため、駆動輪に加わる荷重は、車輪ハブ軸受(33)のみならず、車輪側回転部材(28)、軸受(64)、減衰部入力軸(25)、転がり軸受(62)等を介してポンプケーシング(22p)が受けている。そのため、駆動輪に加わる荷重は、機構部で受けることとなり、機構部の信頼性が本願実施形態2(本願発明)より低い。
9.図15に示すように、カムシャフト34が第1の軸受34t1と第2の軸受38tとで支持される。そして、回転板38が第3の軸受39を介して第2ハウジングhbに支持される。
カムシャフト34が支持されカムシャフト34と車輪の駆動輪2との間に配置される第1の軸受38tと、カムシャフト34が支持され、第1の軸受38tより中央側に配置される第2の軸受34t1とを備えることで、駆動輪2を駆動する機構を小型にできる。
第3の軸受39の内周面の径寸法39sが第1の軸受38tの外周面の径寸法38t1と第2の軸受34t1の外周面の径寸法34sの何れか一方より大きく、当該一方の軸受と重なって配置される。図15に示す例では、第1の軸受38tの外周面の径寸法38t1より第3の軸受39の内周面の径寸法39sが大きく、第3の軸受39が第1の軸受38tに重なって配置される。第3の軸受39の内周面の径寸法39sが第1の軸受38tの外周面の径寸法38t1と第2の軸受34t1の外周面の径寸法34sの何れか一方より大きいことで、第3の軸受39を第1の軸受34t1または第2の軸受38tに重ねて配置できる。
従来、軸に固定された車輪が回転するか、固定される軸に軸受を介して車輪が回転自在に支持され、車輪が軸とは独立に回転する構成である。
これに対して、本実施形態2(本発明)では、軸のカムシャフト34と駆動輪2(回転板38)とが独立して回転する構成である。
以上のことから、駆動輪2(3)の減速機構をコンパクトにできる。
これに対し、特許文献1では、特許文献1の図1に示すように、軸受(64)を介して、ハウジング外側の軸受部ケーシング(22c)で外力を受けるので、減速機構が、減速部入力軸(25)、回転軸(35)方向に大きくなる構成である。
10.以上のことから小型で高出力トルクが可能で、かつ発生応力が低減される機械的信頼性が高い減速機構を有する自律走行型掃除機Sを実現できる。
なお、実施形態2では、遊星ギヤ35、36を2つ用いる場合を説明したが、遊星ギヤは単数でもよい。
また、遊星ギヤ35、36の自転を、回転板38を介して、駆動輪2、3に伝達する構成を説明したが、遊星ギヤ35、36の自転を駆動輪2、3にそれぞれ伝達できれば、遊星ギヤ35、36から直接駆動輪2、3にそれぞれ直接駆動力を伝達してもよい。或いは、回転板38以外の構成を用いて、遊星ギヤ35、36の自転を回転板38に伝達する構成としてもよい。
<<実施形態3>>
次に、実施形態3の自律走行型掃除機Sの駆動輪2、3をそれぞれ含む車輪アッセンブリ20B、30Bについて説明する。
実施形態3の車輪アッセンブリ20B、30Bは、ウォームギヤと平歯車とを使用した減速機構としている。
なお、駆動輪2を含む車輪アッセンブリ20Bと駆動輪3を含む車輪アッセンブリ30Bとは、自律走行型掃除機Sの左右の中央面に対して面対称であり同様な構成にできるから、車輪アッセンブリ20Bの構成についての説明は、車輪アッセンブリ30Bについても同様に行えるため、車輪アッセンブリ30Bの説明としては繰り返さない。
図20は、実施形態3の車輪アッセンブリを斜め上後方から見た斜視図である。
図21は、実施形態3の駆動輪を外して車輪アッセンブリの内部を図20の反対方向の上後方から見た斜視図である。
実施形態3の車輪アッセンブリ20Bは、駆動輪2の回転軸(回転中心)から軸をずらした(偏心した)位置にモータ41を配置している。図21に示すように、モータ41の駆動軸41jには第1のウォームギヤ42が固定されている。また、第1のウォームギヤ42の回転を受ける第1のウォームホイール43が、シャフト44の一方側に固定されている。
シャフト44の他方側には第2のウォームギヤ45が固定されている。
シャフト44の第2のウォームギヤ45に噛み合って、第2のウォームホイール46が設けられている。
第2のウォームホイール46の同軸には、第1の平歯車47が設けられている。
第1の平歯車47には、駆動輪2の同軸に設けられる第2の平歯車48の歯48hが噛み合っている。第2の平歯車48には、駆動輪2(図20参照)が固定されている。
これにより、モータ41の回転が第1のウォームギヤ42を介して、第1のウォームホイール43に伝達される。
第1のウォームホイール43の回転は、シャフト44を介して、第1のウォームホイール43の反対側に設けた第2のウォームギヤ45に伝達される。
第2のウォームギヤ45は、第2のウォームホイール46へ回転を伝え、第2のウォームホイール46と同軸に固定される第1の平歯車47を介して、駆動輪2と同軸上に設けられる第2の平歯車48に回転が伝えられる。第2の平歯車48と同軸に駆動輪2が固定されているので、モータ41の回転が駆動輪2に伝達される。
第2の平歯車48の軸48j(図21参照)は、図示しないハウジングに固定される軸受に回転自在に支持されている。これにより、駆動輪2に印加される荷重がハウジングに伝達され、モータ41と駆動輪2との間に設けられる減速機構に加わらないので、減速機構の損耗が抑制され、信頼性が高い。
なお、駆動輪2の軸(図示せず)を平歯車48とは別体に設けて、当該軸をハウジングに固定される軸受に回転自在に支持し、駆動輪2の振動が平歯車48に伝達されないように構成してもよい。
駆動輪2、3の構成は、ほぼ実施形態1、2と同様なので、同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。駆動輪2の車輪部2wの外径寸法s5(図20参照)は、約50mm〜約80mmである。
駆動輪2とモータ41との間の減速機構の噛み合い状態は、図22に示すようになっている。なお、図22は、駆動輪とモータとの間の減速機構の噛み合い状態を示す縦断面模式図である。
ここで、第1のウォームギヤ42の条数をz1、第1のウォームホイール43の歯数をz2、第2のウォームギヤ45の歯数をz3、第2のウォームホイール46の歯数をz4、第1の平歯車47の歯数をz5、第2の平歯車48の歯数をz6とすると、減速比N3は、次式(6)で表される。
N3=(z2÷z1)×(z4÷z3)×(z6÷z5) (6)
本車輪アッセンブリ20B、30Bの構成とすることで、それぞれ減速比N3=約40〜約80を実現することができる。
ウォームギヤ(42、45)を用いることで、回転半径が小さいまま高減速が可能となるため、騒音・振動の面で有利となる。また、ウォームギヤ(42、45)が小さいため、小型化が可能で有り、駆動輪2、3の内部で減速機構を完結することが可能となる。
実施形態3の構成によれば、下記の作用効果を奏する。
1.第1のウォームギヤ42と第2のウォームギヤ45の2つのウォームギヤを用いることで、減速比をかせぐことができる。
2.2つのウォームギヤを用いて、2回回転方向を変えることで、駆動輪2、3の減速機構の小型化が可能である。
3.そのため、図20、図21に示すように、駆動輪2、3の各車軸方向に見た場合、モータ41、41Aを含めた駆動輪2、3の減速機構(42、43、44、45、46、47、48)をそれぞれ駆動輪2、3の各外径寸法s5(図20参照)の領域内に納めることができる。そのため、充電池9、集塵ケース12、吸口14i、回転ブラシ5を、自律走行型掃除機Sの駆動輪2、3を除いた前後方向に任意の位置に配置することができる。そのため、自律走行型掃除機Sの小型が可能である。また、充電池9、集塵ケース12、吸口14i、回転ブラシ5を駆動輪2、3の領域を除いた左右方向を充分使って配置できるので、自律走行型掃除機Sの基本機能を向上できる。
4.自律走行型掃除機Sを前後方向(図1、図4参照)に見た場合、図20に示すように、駆動輪2、3の各幅寸法s6内にモータ41、41Aと減速機構の各ギヤ(22、23、24、25)の一部または全部を納めることができる。
5.第1のウォームギヤ42と第2のウォームギヤ45の2つのウォームギヤを用いることで、減速比をかせぐことができ、歯車での応力発生を抑制できる。そのため、第2の平歯車48の歯48h、第1の平歯車47の歯47hの各歯数を多くできる。
前記したように、従来、減速機構の歯車に細かい歯を使いたい要求があったが、減速比が大きくなるので、歯幅を大きくする必要があった。そこで、トルクに耐えられるように歯を大きくすると、減速機構が大きくなるという問題があった。
本発明により、この問題が解消した。
6.以上のことから小型で高出力トルクが可能で、発生応力が低減される機械的信頼性が高い減速機構を有する自律走行型掃除機Sを実現できる。
なお、本発明は前記実施形態1〜3の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
2、3 駆動輪(車輪)
21、21A、31、41、41A モータ(走行モータ)
2B、3B 軸ブッシュ(車輪固定部)
2i、3i 円筒面(駆動輪の内側の外周面)
2o、3o 外筒面(駆駆動輪の外側の外周面)
5 回転ブラシ
5m 回転ブラシモータ(モータ)
8 センサ(障害物検知手段)
8a バンパセンサ(障害物検知手段)
8b 測距センサ(障害物検知手段)
8c 床面用測距センサ(障害物検知手段)
9 充電池
11 吸引ファン
12 集塵ケース
14i 吸口
20、20A、30A、20B、30B 車輪アッセンブリ(駆動装置付き車輪)
22 太陽歯車(減速機構)
23 遊星ギヤ(応力抑制手段、ギヤ、減速機構)
24 第1アウターギヤ(第1のアウターギヤ、減速機構)
24h 内歯
25 第2アウターギヤ(第2のアウターギヤ、減速機構)
25h 内歯
32 ピニオンギヤ
33 歯車(第1の歯車、減速機構)
34 カムシャフト(支持部材、シャフト)
34b 第一カム部(カム部)
34c 第二カム部(カム部)
34s 外周面の径寸法(外径寸法)
34t1 軸受(第2の軸受)
35 遊星ギヤ(応力抑制手段、ギヤ、第1の遊星歯車、減速機構)
36 遊星ギヤ(応力抑制手段、ギヤ、第2の遊星歯車、減速機構)
37 アウターギヤ(減速機構)
38t 軸受(第1の軸受)
38t1 外周面の径寸法(外径寸法)
39 軸受(第3の軸受)
39s 内周面の径寸法(内径寸法)
42 第1のウォームギヤ(応力抑制手段、ウォームギヤ、ギヤ)
43 第1のウォームホイール
44 シャフト(支持部材)
45 第2のウォームギヤ(応力抑制手段、ウォームギヤ、ギヤ)
46 第2のウォームホイール
47 第1の平歯車(第1の歯車)
48 第2の平歯車(第2の歯車)
s1、s3、s5 外径寸法(駆動輪の外径)
s2、s4、s6 幅寸法
S 自律走行型掃除機
Sh 本体部(非回転部、車体)

Claims (14)

  1. 車体を移動させる車輪と、
    駆動源の入力により回転し、前記車体の荷重を支えるシャフトと、
    前記シャフトと前記車輪との間に設けられる減速機構と、
    前記シャフトが支持され、前記シャフトと前記車輪との間に配置される第1の軸受と、
    前記シャフトが支持され、前記第1の軸受より中央側に配置される第2の軸受とを
    備えることを特徴とする駆動装置付き車輪。
  2. 車体を移動させる車輪と、
    駆動源の入力により回転し、前記車体の荷重を支えるシャフトと、
    前記シャフトと前記車輪との間に設けられる減速機構と、
    前記シャフトが支持され、前記シャフトと前記車輪との間に配置される第1の軸受と、
    前記シャフトが支持され、前記第1の軸受より中央側に配置される第2の軸受と、
    前記車輪を前記車体に対して回転自在に支持する第3の軸受とを備え、
    前記第3の軸受の内径寸法は、前記第1の軸受または前記第2の軸受の何れか一方の外径寸法より大きい
    ことを特徴とする駆動装置付き車輪。
  3. 前記第3の軸受は、前記第1の軸受または前記第2の軸受の何れか一方の外径寸法より大きく、当該何れか一方の軸受と軸方向に重なって設けられる
    ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置付き車輪。
  4. 前記シャフトの回転速度と前記車輪の回転速度とは異なる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置付き車輪。
  5. 前記シャフトの回転方向と前記車輪の回転方向とは異なる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置付き車輪。
  6. 請求項1または請求項2に記載の駆動装置付き車輪を備える自律走行型掃除機。
  7. 各走行モータの駆動でそれぞれ回動される駆動輪と、
    前記走行モータの駆動を減速して前記駆動輪に伝える減速機構と、
    塵埃が回収される吸口と、
    前記塵埃を含む空気を前記吸口から吸引する吸引ファンと、
    モータにより回転駆動して前記塵埃を掻き込む回転ブラシと、
    前記塵埃が集められる集塵ケースと、
    障害物を検知する障害物検知手段と、
    電源を供給する充電池とを備え、
    前記減速機構は、前記駆動輪の回転軸方向に見て前記駆動輪の外径寸法以下の領域内に配置され、
    前後方向に見て、前記駆動輪の幅寸法の領域内に前記減速機構を構成する各ギヤの一部または全部が位置している
    ことを特徴とする自律走行型掃除機。
  8. 前記減速機構は、
    太陽歯車と、
    前記太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車と、
    前記遊星歯車と内歯で噛み合い、非回転部に対して固定される第1のアウターギヤと、
    前記第1のアウターギヤと歯数が異なり、前記遊星歯車と内歯で噛み合い、前記駆動輪が固定される第2のアウターギヤとを有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の自律走行型掃除機。
  9. 前記減速機構は、
    ピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤに噛み合う第1の歯車と、
    前記第1の歯車の回転軸の位置に固定され、前記回転軸から偏芯したカム部を有するカムシャフトと、
    前記カム部に回転自在に支持される遊星歯車と、
    前記遊星歯車と噛み合い、本体部に対して固定されるアウターギヤとを有し、
    前記駆動輪は、前記遊星歯車の自転により回転する
    ことを特徴とする請求項7に記載の自律走行型掃除機。
  10. 前記カム部は、第1のカム部と前記第1のカム部の偏芯と反対方向に偏芯する第2のカム部とを有し、
    前記遊星歯車は、前記第1のカム部に回転自在に支持される第1の遊星歯車と、前記第2のカム部に回転自在に支持される第2の遊星歯車である
    ことを特徴とする請求項9に記載の自律走行型掃除機。
  11. 前記減速機構は、
    第1のウォームギヤと、
    前記第1のウォームギヤと噛み合う第1のウォームホイールと、
    前記第1のウォームホイールが一部に固定される支持部材と、
    前記支持部材の他部に固定される第2のウォームギヤと、
    前記第2のウォームギヤと噛み合う第2のウォームホイールと、
    前記第2のウォームホイールとともに回転する第1の歯車と、
    前記第1の歯車に噛み合って回転する第2の歯車とを有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の自律走行型掃除機。
  12. 各走行モータの駆動でそれぞれ回動される駆動輪と、
    前記走行モータの駆動を減速して前記駆動輪に伝える減速機構と、
    塵埃が回収される吸口と、
    前記塵埃を含む空気を前記吸口から吸引する吸引ファンと、
    モータにより回転駆動して前記塵埃を掻き込む回転ブラシと、
    前記塵埃が集められる集塵ケースと、
    障害物を検知する障害物検知手段と、
    電源を供給する充電池とを備え、
    前記減速機構は、
    太陽歯車と、
    前記太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車と、
    前記遊星歯車と内歯で噛み合い、本体部に対して固定される第1のアウターギヤと、
    前記第1のアウターギヤと歯数が異なり、前記遊星歯車と内歯で噛み合い、前記駆動輪が固定される第2のアウターギヤとを有する
    ことを特徴とする自律走行型掃除機。
  13. 各走行モータの駆動でそれぞれ回動される駆動輪と、
    前記走行モータの駆動を減速して前記駆動輪に伝える減速機構と、
    塵埃が回収される吸口と、
    前記塵埃を含む空気を前記吸口から吸引する吸引ファンと、
    モータにより回転駆動して前記塵埃を掻き込む回転ブラシと、
    前記塵埃が集められる集塵ケースと、
    障害物を検知する障害物検知手段と、
    電源を供給する充電池とを備え、
    前記減速機構は、
    ピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤに噛み合う第1の歯車と、
    前記第1の歯車の回転軸の位置に固定され、前記回転軸から偏芯したカム部を有するカムシャフトと、
    前記カム部に回転自在に支持される遊星歯車と、
    前記遊星歯車と噛み合い、本体部に対して固定されるアウターギヤとを有し、
    前記駆動輪は、前記遊星歯車の自転により回転する
    ことを特徴とする自律走行型掃除機。
  14. 各走行モータの駆動でそれぞれ回動される駆動輪と、
    前記走行モータの駆動を減速して前記駆動輪に伝える減速機構と、
    塵埃が回収される吸口と、
    前記塵埃を含む空気を前記吸口から吸引する吸引ファンと、
    モータにより回転駆動して前記塵埃を掻き込む回転ブラシと、
    前記塵埃が集められる集塵ケースと、
    障害物を検知する障害物検知手段と、
    電源を供給する充電池とを備え、
    前記減速機構は、
    第1のウォームギヤと、
    前記第1のウォームギヤと噛み合う第1のウォームホイールと、
    前記第1のウォームホイールが一部に固定される支持部材と、
    前記支持部材の他部に固定される第2のウォームギヤと、
    前記第2のウォームギヤと噛み合う第2のウォームホイールと、
    前記第2のウォームホイールとともに回転する第1の歯車と、
    前記第1の歯車に噛み合って回転する第2の歯車とを有する
    ことを特徴とする自律走行型掃除機。
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