JP2017074041A - 水中微生物担体資材、並びにそれを用いた水中微生物誘導増殖方法及び水域施肥方法 - Google Patents

水中微生物担体資材、並びにそれを用いた水中微生物誘導増殖方法及び水域施肥方法 Download PDF

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晃 杉本
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元昭 田中
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義隆 清沢
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亮二 井上
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Abstract

【課題】閉鎖水系や開放水系で長期に亘り水質浄化効果を維持でき、低コストに実施可能で竹の有効活用が可能な水中微生物担体資材及び水中微生物誘導増殖方法の提供。
【解決手段】生竹稈を繊維細胞の細胞壁が裂開するよう圧縮粉砕した綿状生竹繊維を袋体の内部に充填し封止し水中微生物担体資材とする。この水中微生物担体資材を水中に沈設する。水中微生物は、裂開した繊維細胞壁内に入り込み定着・繁殖しこの中で生態系を形成する。この生態系により水中の有機物は効率的に分解され、水中の富栄養化が抑制されて水質浄化が促進される。竹繊維は腐食・消失までに数年程度かかり、数年に亘り微生物担体は消失せずに維持される。また、自然環境水域では細胞壁内に発生する窒素固定菌が窒素固定し、水生植物の繁殖を促し、繁殖した水生植物が水中のリン酸イオンを取り込み、水中の富栄養化が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、水中の微生物を効率的に定着・増殖させることが可能な水中微生物担体資材と、それを用いた水中微生物誘導増殖方法、水域施肥方法に関する。
近年、全国各地の沿岸海域で、海底の藻場が減少する磯焼けが発生しており、大きな問題となっている。そして磯焼け対策の一つとして、海藻の増殖を促進するために肥料を人為的に水域に供給する水域での施肥が行われている(非特許文献1参照)。斯かる水域での施肥に関する技術としては、例えば、非特許文献1及び特許文献1〜3に記載のものが公知である。
水域での施肥材は、施肥対象となる水域において、レッドフィールド比(植物プランクトンの増殖に必要な栄養塩の比率)との対比に基づき、当該水域で不足している栄養成分が何であるかを把握し、それに応じて適切な施肥材及び施肥量を選択する必要がある。現在開発されている施肥材を大別すると、(1)化学肥料、(2)有機肥料、(3)鉄分供給施肥材のカテゴリに分類される(非特許文献1,5頁,10頁,16頁参照)。
化学肥料は、海藻の成長に必要な無機態窒素やリン酸塩を供給するために速効性肥料として使用される。非特許文献1には、海域での施肥材として、硫酸アンモニウム(硫安)や塩化アンモニウム(塩安)、過リン酸石灰、重過リン酸石灰などの化学肥料が、速効性の窒素肥料又はリン酸肥料として用いられることが記載されている(非特許文献1,16頁参照)。また、液肥を使用した例も記載されている(同文献10頁参照)。有機肥料は、主として水産加工物残渣や木材チップ等の資源の有効活用として使用されるが、化学肥料と比べて体積の割には有効成分が少なく、速効性はない(同文献16頁参照)。また、鉄分供給施肥材は、植物プランクトンや海藻などの藻類にとっての必須微量金属元素である2価の鉄イオン(溶存態鉄)を水中に供給するために用いられるものであり(同文献2頁参照)、現在、鉄鋼スラグと堆肥(腐植土)を混合した施肥材や鉄粉と炭を混合して固化した施肥材が開発されている(同文献16頁参照)。
特許文献1には、番線を編んで作成された籠の中に、海藻の着底基質となる天然石及び可溶性材料(植物繊維又は生分解性プラスチック)の袋に入れられた魚滓を配置することにより形成される藻場造成礁が記載されている。これは、有機肥料の施肥材の一つと考えられる。
特許文献2には、間伐材を含む木質を原料とする木材チップを主材料として含む林産物や穀類副産物などの植物性材料の混合物と、貝類又は頭足類に由来する材料を除く水産物材料(水産加工残渣等)を混成したものが、ネット状或いは繊維性の袋に収納されて成る水産資源賦活用構造体を水中に設置して海藻類などの賦活を図る水産資源の賦活方法が記載されている。これも、有機肥料の施肥材の一つと考えられる。
特許文献3には、鉄鋼スラグ又は鉄鋼スラグを含む施肥材料と酸性土壌(赤土や腐葉土など)の混合物を透水性の袋材に封入した海洋利用向け土木資材が記載されている。これは、鉄分供給施肥材及び有機肥料の施肥材と考えられる。
一方、これまでに、水槽や池やプールや貯水槽の水質改善処理、貯水池やダムの水質浄化、河川や海の水質浄化のような水処理に於いて、様々な微生物を利用して生物学的処理により水質改善を行う方法が提案されている。
特許文献4には、閉鎖水系(ゴルフ場池、庭園池、ダム、貯水池、ため池、プール、沼、用水池、湖等)に、天然植物を枯草菌(納豆菌等)で発酵させた乾燥粉粒を主体とした微生物製剤であって、菌体数が1×10個/g以上であり、平均粒径が0.8mm以下であるものを、水300mにつき100〜10,000gの割合で投入する閉鎖水系における水質浄化方法が開示されている(同文献段落〔0010〕参照)。この文献に於いては、基材の原料である天然植物として、もろこし粉、小麦粉、ふすま、大豆かす、米ぬか等の穀類又は穀類から得られる物が想定されており(同文献明細書段落〔0021〕参照)、微生物製剤を水溶性フィルム(ポリビニルアルコール等)の袋に封入して閉鎖水系に投入するのが好ましいとされている(同文献段落〔0026〕−〔0027〕参照)。そして、この微生物製剤を、藻類の勢力が弱い夏前や夏後に閉鎖水系に投入することによって、枯草菌が優勢菌となり、枯草菌が内部に藻類を抱き込んだフロックが作られ、アオコなどの藻類の発生が抑制されて水質改善が行われるとされている(同文献段落〔0044〕)。
特許文献5には、プラスチック製の網を捲回した網状円筒体(2)の両端をステンレス製の蓋板(3,3)で塞ぎ、更に網状円筒体(2)の内側にスポンジ(4)を円筒状に捲回し、この内側にセラミック焼結体(5)とゼオライト(6)、自然石(7)及び木炭(8)を充填して、ここに好気性微生物と嫌気性微生物とを含浸させて、河川やプール、池などの水中に浸漬しておき、内部に流入した水に含まれる有機物を好気性微生物と嫌気性微生物とで分解するようにした水浄化装置が記載されている(同文献図2−図3参照)。この水浄化装置では、多孔質のセラミック焼結体(5)とゼオライト(6)が、好気性微生物及び嫌気性微生物の住み処となり、これら微生物が水中有機物を分解し、また、セラミック焼結体(5)とゼオライト(6)は通水性の網状円筒体(2)及びスポンジ(4)に保持され流出が防止され、長期間に亘り安定して浄化作用が保持されると記載されている(同文献段落〔0007〕)。
特開2004−166513号公報 特開2012−139174号公報 特開2013−215184号公報 特開2014−159026号公報 特開2005−288203号公報 特開2006−712号公報 特開2006−255617号公報 特許第4519931号明細書
水産庁漁港漁場整備部,「磯焼け対策における施肥に関する技術資料」,[online],平成27年3月,水産庁,インターネット<URL:http://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_hourei/pdf/sehigijutsusiryou.pdf>.
上述した磯焼け対策としての水域での施肥に関しては、次のような技術的課題がある。水域において藻類が栄養塩を藻体表面から吸収できるのは、アンモニア態窒素(NH−N)、亜硝酸態窒素(NO−N)、硝酸態窒素(NO−N)のような溶存無機態窒素(DIN)である(非特許文献1,2頁参照)。従って、水産加工残渣や木材チップ等の有機肥料を施肥材として用いる場合、予め有機肥料を発酵させるなど、藻類が栄養塩を藻体表面から吸収できるように無機化して使用する必要がある(同文献10,16頁参照)。無機化せずに水中に投入すると、有機物のまま溶出して藻類に吸収されることがなく、却って水域汚染や赤潮発生などの原因にもなる。一方、有機物を発酵させた完熟堆肥等は炭素分が多く、一般的に窒素含有比率は低いため、化学肥料と比較して体積の割に有効成分が少ない。そのため、大量投入を行う必要があり手間とコストがかかるという課題がある。
また、地上の場合と異なり、水中では移流や拡散により施肥成分が希釈され易く、施肥効果が一過性であり持続しないという問題がある(非特許文献1,10頁参照)。施肥効果を持続させるには、施肥材を継続的に大量投入する必要があり手間とコストがかかるという問題がある。また、特に化学肥料や有機肥料の過剰投入は、水域を汚染して赤潮発生の原因ともなるため、適度な投入量の見定めが難しいという課題がある。また、肥料成分を大量投入した場合、藻類に吸収されきれずに水域に拡散する成分は、水域に存在する微生物に補食され生態系の循環に組み込まれる。そのため、魚介類を介して食料として人の食生活に影響する可能性もある。従って、特に化学肥料の大量投入は現実的には困難であるという課題がある。
一方、上述の生物学的処理により水質改善に関しては、次のような技術的課題がある。上記引用文献4の微生物製剤は、殆ど流れのない閉鎖水系の水質浄化を目的としている。従って、これを、流れのある河川、湖沼、海の入り江(湾奥)などに適用しようとすると、水流により枯草菌が拡散・流亡して十分な効果が得られないことが想定される。また、枯草菌の担体(基材)として、もろこし粉、小麦粉、ふすま、大豆かす、米ぬか等の穀類又は穀類から得られる物が使用されているが、これらの担体は水中に於いては速やかに崩壊・分散し、微生物分解される。従って、微生物製剤を水中に投入すると早期に担体は消滅するため、流れのある水域では、移流や拡散によって枯草菌が流亡又は希釈化し水質浄化効果は早期に消失しその効果は一過性であると考えられる。また、もろこし粉、小麦粉、ふすま、大豆かす、米ぬか等の穀類又は穀類から得られる物は有機物であるため、過剰に水域に投入すると水中の動物プランクトンの異常増殖による赤潮の原因となり得る。また、これら投入した有機物が十分に無機分解されずに水底に堆積すると、ヘドロや硫化水素発生の原因ともなり却って水質悪化を招く。そのため、一度の投入量には限界があり、水質改善効果を持続させるには、定期的に適量の投入が必要となり、適量の見定めが難しく、また手間とコストもかかるという課題がある。
一方、特許文献5の水浄化装置は、網状円筒体(2)及びスポンジ(4)で形成された円筒体内部に、粒状のセラミック焼結体(5),ゼオライト(6)等を封入し、このセラミック焼結体(5),ゼオライト(6)等を微生物担体としたものである。この場合流れのある浄化対象水域でも微生物担体は水底に留まり、この微生物担体に繁殖する微生物が常に当該浄化対象水域に供給され続けることから、水質浄化効果は長期に亘って維持されると想定される。しかしながら、湖沼や海洋のような自然環境の水域にこの水浄化装置を投入した場合、長時間が経過して水浄化装置が朽敗すると、自然分解されにくい網状円筒体やスポンジがゴミとして残留し、環境汚染の原因となるという問題がある。また、湖沼や海洋のような極めて広域の水域において水質浄化を行おうとする場合、投入が必要な微生物担体の量が極めて多くなるため経済的コストが大きな問題となる。上記特許文献5の水浄化装置は、網状円筒体、スポンジ、セラミック焼結体、ゼオライトのような製造コストが比較的大きい素材で構成されており、経済的コストの問題が生じることも想定される。
そこで、本発明の目的は、藻類の栄養塩である無機態窒素の供給を長期に亘り持続させることが可能であり、過剰投入による水質汚染を引き起こす恐れが少ない、上述の従来の3つのカテゴリ分類の何れにも属さない水域の施肥材としての水中微生物担体資材、及び該水中微生物担体資材を用いた水域施肥技術を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ゴルフ場池、庭園池、ダム、貯水池、ため池、プール、水槽のような閉鎖水系と、流れのある河川、湖沼、海の入り江(湾奥)、磯、外海などの開放水系との双方で長期に亘って水質浄化効果を維持することができ、極めて低コストで実施可能で且つ我が国に多く存在しその多くが使用されずに廃棄されている未使用資源の竹を有効活用することを可能とする水中微生物担体資材、及び該水中微生物担体資材を用いた水質浄化技術を提供することにある。
本発明に係る水中微生物担体資材の第1の構成は、水中に沈設し、水中に浮遊する微生物を定着させ繁殖させるために用いられる水中微生物担体資材であって、
生竹の稈を二軸圧縮粉砕機により繊維細胞の細胞壁が裂開される程度に圧縮粉砕してなる綿状生竹繊維が、織布又は不織布若しくは網目状の繊維シート部材により袋状に構成された資材包持嚢袋の内部に充填し封止されたことを特徴とする。
この構成によれば、水中微生物担体資材を浄化対象である浄化対象水域又は施肥を行う対象である施肥水域の水中に設置すると、資材包持嚢袋の内部の綿状生竹繊維の集合体内に、水中に浮遊する有機物分解性のバクテリア,菌類,プランクトンなどの微生物が入り込む。綿状生竹繊維は、繊維細胞の細胞壁が裂開される程度に圧縮粉砕されているため、微生物は、裂開した繊維細胞の細胞壁内にまで入り込み定着・繁殖しこの中で生態系を形成する。この生態系によって水中の有機物は効率的に分解され、水中の富栄養化が抑制されて水質浄化が促進される。本発明における微生物担体である綿状生竹繊維は、織布又は不織布若しくは網目状の繊維シート部材の資材包持嚢袋内に封入されており、これにより水流による拡散・流亡が防止され、流れのある水域でも長期間に亘って水質浄化効果を維持することができる。さらに、一般に、竹繊維は腐食して消失するまでに数年以上かかるため、通常は少なくとも数年に亘って微生物担体は消失せずに維持される。
また、数年経過後は腐食微生物等により分解され自然界に還元される。従って、河川,湖沼,海洋のような自然環境水域に本発明の水中微生物担体資材を適用する場合には、資材包持嚢袋も植物繊維や生分解性繊維によって構成しておけば、生態系への負荷がない。
また、綿状生竹繊維は無機態窒素を殆ど含有せず、有機態窒素の含有量もバークと比べると極めて少ない。従って、綿状生竹繊維の内部及び周辺は窒素固定菌が繁殖しやすい条件となっている。従って、河川,湖沼,海洋のような自然環境水域に本発明の水中微生物担体資材を投入した場合には、水中に浮遊する窒素固定菌が細胞壁内に入り込んで窒素固定菌優勢の生態系を構成し、この窒素固定菌の活動によって水中の窒素がアンモニア態窒素等の無機態窒素として固定がされ、それに伴い特に藻類を中心とする水生植物の繁殖が促される。そして、繁殖した水生植物が水中のリン酸イオンを取り込み、水中の富栄養化が抑制される。
また、本発明に係る水中微生物担体資材を水域での施肥材として用いる場合、〔背景技術〕の欄で説明した従来の施肥材の3つのカテゴリ(化学肥料、有機肥料、鉄分供給施肥材)の何れにも属さない別種の施肥材であると考えられる。従来の施肥材は、水域で不足している栄養成分そのものを直接投与するという思想に基づき構成されているが、本発明に係る水中微生物担体資材は、窒素肥料成分を直接投与するものではなく、窒素肥料を生産する生物群が定着及び繁殖しやすい住み処を形成するという思想に基づき構成されている。綿状竹繊維に自体は繊維質であり、藻類の肥料となり得る成分は殆ど含まれていない。従って、肥効としては緩効性乃至は遅効性であり、また一旦、窒素固定菌優勢の生態系が構成されると無機態窒素の供給が持続されるため、長期に亘って肥効が継続する。また、肥料成分が移流又は拡散により希釈されても、窒素固定菌により逐次肥料成分が追加生産されるため、窒素肥料成分を直接投与する場合に比べて水域への投与量を減らすことが出来、また、一度投与すれば、綿状竹繊維が腐食し崩壊するまでの期間は継続投与する必要性はない。また、施肥量については、窒素固定菌の生態系によって自然調節がされるため、肥料成分の過剰供給に配慮した施肥材の適度な投入量の見定めも必要はない。更に、化学肥料と異なり綿状竹繊維は天然素材そのものであるため、沈設後に経年劣化によって資材包持嚢袋が破袋し内容物が水域に拡散したとしても害はない。尚、竹繊維から魚類の生長を阻害する有害物が発生しないことは、後述するメダカの暴露試験により確認された。
また、本発明では、安価に製造可能な袋体と、安価な資源である竹とにより構成されているため、製造コストを極めて安価に抑えることが可能である。従って、湖沼や海洋のような極めて広域の水域において水質浄化を行おうとする場合でも、経済的コストが小さく現実的な実施が可能である。
また、水中微生物担体資材を砂泥質の水底に沈設した場合、水中微生物担体資材の下部の砂泥中にゴカイなどの多毛類が多く繁殖する。そのため、これを捕食する魚類や甲殻類等の水生動物を呼び寄せる作用もあり、魚礁としても作用する。
ここで、本発明に於いて「綿状生竹繊維」は、「生竹の稈を二軸圧縮粉砕機により繊維細胞の細胞壁が裂開される程度に圧縮粉砕してなる」ものである。これは、実際には細胞壁が裂開した多数の竹繊維の集合体であり、製造過程で様々な裂開状態を生じており、また原料とする生竹の生育状態等によっても様々な裂開状態を生じ、その構造自体を直接表現することは不可能又は非実際的であるため、製造方法によりその物の構成が特定されている。「生竹」とは、青竹の伐採後乾燥前の状態の竹をいい、稈の表皮が緑色から茶色に変色する(枯れ竹となる)より前の状態の竹をいう。「二軸圧縮粉砕機」とは、長尺筒状のシリンダ内に、螺旋状の磨砕歯(又は磨砕臼)を備えた二本のスクリューが噛合った状態で挿入され、シリンダの後端には多数の透孔が形成された固定歯と、該固定歯の歯板面に接して回転駆動される回転刃とが設けられており、各スクリューは同方向または異方向に回転駆動されることによって、シリンダ内に投入された被磨砕物を圧縮し磨砕しながら前端から後端へ搬送し、固定歯の各歯間から圧縮磨砕された被磨砕物を押し出し、回転刃によって押し出される被磨砕物を切断するように構成された磨砕装置をいう(例えば、特許文献6,7を参照)。
また、本発明に於いて、透水性の袋体の内部に、アマモ,水草,海藻などの水生植物の種子又は胞子を混合した綿状生竹繊維を充填した構成とすることもできる。これにより、水生植物の自然定着を待たずして水生植物の繁殖が始まるため、より早期に水底に於いて水生植物を定着・繁殖させることができる。
本発明に係る水中微生物担体資材の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、長尺状の前記資材包持嚢袋を平行に複数連結されてなる資材包持用マウントの前記各資材包持嚢袋の内部に、前記綿状生竹繊維が封止されていることを特徴とする。
このように、資材包持用マウントで各資材包持嚢袋を複数連結することにより、各資材包持嚢袋を水底へ固定する作業が容易となると共に、各資材包持嚢袋が水流によって流されることを一定程度抑止することが可能となる。
本発明に係る水中微生物担体資材の第3の構成は、前記第2の構成に於いて、前記資材包持用マウントの前記各資材包持嚢袋の内の一部には、砂、砂利、鉱滓、又は海水よりも比重の大きい粒体状の非水溶性粒材が封止されており、他の前記資材包持嚢袋には前記綿状生竹繊維が封止され、前記資材包持用マウント全体として海水よりも比重が大きいことを特徴とする。
この構成によれば、資材包持用マウントの資材包持嚢袋の一部に封止された砂、砂利、鉱滓、又は海水よりも比重の大きい粒体状の非水溶性粒材がアンカー部材として作用するため、水上から水中へ資材包持用マウントを投入するのみで水中微生物担体資材が水底に固定されるため、設置が極めて容易となる。尚、綿状生竹繊維自体は水よりも比重が大きく沈降性を有するものであるが、上記アンカー部材を用いることでより安定的に水底に固定される。
また、本発明に於いて、前記資材包持用マウントの前記各資材包持嚢袋の内の一部に、鉄鋼スラグ又は鉄鋼スラグを含む施肥材料が封止されている構成とすることもできる。
これにより、一般的に水域に於いて不足しがちな、水生植物にとっての必須微量元素の一つである2価の鉄イオン(溶存態鉄)も同時に供給することができるため、より藻類などの水生植物の繁殖を促進することが可能となる。
本発明に係る水中微生物誘導増殖方法の第1の構成は、上記第1乃至3の何れか一の構成の水中微生物担体資材を水底に沈設し、水中に浮遊する微生物を前記綿状生竹繊維の内部に定着させ繁殖させることを特徴とする。
これにより、上述した通り、綿状竹繊維内に微生物が定着・繁殖して生態系を形成し、この生態系によって水中の有機物は効率的に分解され、水質浄化が促進される。また、上述した通り、綿状竹繊維自体は窒素饑餓環境であるため、綿状竹繊維内には窒素固定菌優勢の生態系が形成されやすく、この窒素固定菌の活動によって水中の窒素がアンモニア態窒素等の無機態窒素として固定がされ、それに伴い特に藻類を中心とする水生植物の繁殖が促される。そして、繁殖した水生植物が水中のリン酸イオンを取り込み、水中の富栄養化が抑制される。
本発明に係る水中微生物誘導増殖方法の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、鋼材を多面体の枠状に組んでなる囲繞フレームの各開口部を、網状又は格子状の閉蓋体により、前記囲繞フレーム内外で水が出入自在となるよう閉塞された漂流防止枠体、又は番線が籠状に編まれてなる漂流防止枠体の内部に、前記水中微生物担体資材を封入し、
前記水中微生物担体資材が封入された前記漂流防止枠体を水底に沈設し、水中に浮遊する微生物を前記綿状生竹繊維の内部に定着させ繁殖させることを特徴とする。
この方法によれば、漂流防止枠体が水中微生物担体資材の漂流を防止するためのアンカーとして作用し、水中微生物担体資材の水域への固定が容易となる。また、漂流防止枠体を水中へ投入するだけで、水中微生物担体資材の水域への設置を行うことができるため、設置作業が容易化される。
本発明に係る水中微生物誘導増殖方法の第3の構成は、前記第1の構成に於いて、鋼材を枠状に組み天井枠内に複数の梁材を渡してなる繋留フレームの内部において、前記梁材に複数の前記水中微生物担体資材を吊持させ、
複数の前記水中微生物担体資材が吊持された前記繋留フレームを水底に沈設し、水中に浮遊する微生物を前記綿状生竹繊維の内部に定着させ繁殖させることを特徴とする。
この方法によれば、水中微生物担体資材を繋留フレームの天井部に架設した梁材に吊持することにより、水中微生物担体資材は水中における水流の影響で揺動する。これにより、繋留フレームを水底に設置した後に、周囲から移動してくる砂泥により繋留フレームの下部が水底に埋もれた場合であっても、水中微生物担体資材は埋もれずに水中に露出した状態が維持され、長期に亘り水質浄化や施肥効果を継続的に維持することが可能となる。
本発明に係る水域施肥方法は、上記第1乃至3の何れか一の水中微生物担体資材、又は該水中微生物担体資材が封入された上記水中微生物誘導増殖方法の第2の構成における漂流防止枠体、若しくは該水中微生物担体資材が封入された上記水中微生物誘導増殖方法の第3の構成における繋留フレームを、施肥対象となる水域の水底に沈設し、上記第1乃至3の何れか一の構成の水中微生物誘導増殖方法により前記水中微生物担体資材内の前記綿状生竹繊維内に水中に浮遊する窒素固定菌を定着及び増殖させ、
前記綿状生竹繊維内に増殖した窒素固定菌の生物学的窒素固定作用により生産される無機態窒素により、該水域の水底周辺における施肥を行わせしめることを特徴とする。
この方法によれば、上述した通り、窒素肥料成分を直接投与するものではなく、窒素肥料を生産する生物群が定着及び繁殖しやすい住み処を形成することで、生物学的窒素固定作用により生産される無機態窒素により、水域における窒素施肥が行われる。一旦、綿状竹繊維内に窒素固定菌優勢の生態系が構成されると無機態窒素の供給が持続されるため、長期に亘って肥効が持続し、肥料成分が移流又は拡散により希釈されても、窒素固定菌により逐次肥料成分が追加生産されるため、窒素肥料成分を直接投与する場合に比べて水域への投与量を減らすことが出来る。また、一度投与すれば、綿状竹繊維が腐食し崩壊するまでの期間は継続投与する必要性はない。また、施肥量については、窒素固定菌の生態系によって自然調節がされるため、肥料成分の過剰供給に配慮した施肥材の適度な投入量の見定めも必要はない。
以上のように、本発明の水中微生物担体資材及び水中微生物誘導増殖方法によれば、資材包持嚢袋の内部の綿状生竹繊維の集合体内で有機物分解性のバクテリア,菌類,プランクトンなどの微生物を繁殖させることにより、水中の富栄養化が抑制されて水質浄化が促進される。また、微生物担体である綿状生竹繊維は、資材包持嚢袋内に封入されており、これにより水流による拡散・流亡が防止される。綿状生竹繊維は、竹繊維は腐食して消失するまでに数年以上かかる。そのため、閉鎖水系と開放水系との双方で長期間に亘って水質浄化効果を維持することができる。
また、本発明の水中微生物担体資材及び水域施肥方法によれば、綿状生竹繊維内に窒素固定菌を定着及び繁殖させて窒素固定菌優勢な生態系を構成し、窒素固定菌によって水中で不足しがちな窒素肥料成分の固定を行うことによって、水生植物の定着・生長を助長することが可能となる。施肥材の3つのカテゴリ(化学肥料、有機肥料、鉄分供給施肥材)の何れにも属さない別種の施肥材としての技術を提供することができる。また、一旦、窒素固定菌優勢の生態系が構成されると無機態窒素の供給が逐次持続されるため、長期に亘って肥効が継続し、窒素肥料成分を直接投与する場合に比べて水域への投与量を減らすことが出来る。また、一度投与すれば、綿状竹繊維が腐食し崩壊するまでの期間は継続投与する必要性はない。また、施肥量については、窒素固定菌の生態系によって自然調節がされるため、過剰投入による水質汚染を引き起こす恐れも少ない。また、化学肥料と異なり綿状竹繊維は天然素材そのものであるため、沈設後に経年劣化によって資材包持嚢袋が破袋し内容物が水域に拡散したとしても害はないため、従来の直接肥効成分を投与する水域施肥技術と比べ安全性・安心性が高い。また、無害であるため、水域への投入量の選択に関しても、従来の施肥剤に比べて自由度が高い。
さらに、本発明では水中微生物担体資材として竹を使用するため、我が国に多く存在するにも関わらず、用途が少なくその多くが使用されずに廃棄されている未使用資源である竹を有効活用することが可能となる。また、経済的コストが小さく現実的な実施が可能である。
(a)本発明に於いて水中微生物担体として利用する、生竹の稈を原料として製造した綿状生竹繊維、及び(b)枯れ竹の稈を二軸圧縮粉砕機により圧縮粉砕して製造した竹繊維材料の外観写真である。 本発明に於いて水中微生物担体として利用する綿状生竹繊維(図1(a))を拡大したて撮影した電子顕微鏡写真である。(a)200倍,(b)1000倍,(c)900倍,(d)2000倍. 実施例1で用いる資材包持嚢袋の外観写真である。 本実施例1で用いる水中微生物担体資材の外観図である。(a)は資材包持嚢袋の開口を紐で縛って封止したもの、(b)は資材包持嚢袋の開口を逢着したものである。 水中微生物担体資材を浄化対象水域の水底に複数設置した状態を表す図である。 通常の竹チップと図1(a)の綿状生竹繊維を水入りのビーカ内に投入し攪拌後に暫く静置した状態を撮影した写真である。(a)は通常の竹チップ、(b)は綿状生竹繊維である。 綿状生竹繊維を通気性バッグに入れて保管している際に保管中の綿状生竹繊維に発生した窒素固定菌のコロニーを写した写真である。 蒸留水を各浸出基材を通して濾液(浸出液)を得るために使用した実験装置を示す図である。 暴露試験におけるメダカの生存率と孵化率の経時変化の実験結果である。 暴露試験におけるメダカの受精卵の変化を示す写真である。 暴露試験における孵化したメダカの写真である。 本発明の実施例2に係る水中微生物担体資材の外観図である。 本発明の実施例3に係る水中微生物担体資材を使用した養魚水槽を表す模式図である。 実施例4の水中微生物誘導増殖方法において使用する漂流防止枠体とそれに封入した水中微生物担体資材を示す図である。 漂流防止枠体とそれに封入した水中微生物担体資材の他の例を示す図である。 漂流防止枠体とそれに封入した水中微生物担体資材の他の例を示す図である。 実施例5の水中微生物誘導増殖方法(水域施肥方法)において使用する繋留フレームとそれに吊持した水中微生物担体資材を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、(a)本発明に於いて水中微生物担体として利用する、生竹の稈を原料として製造した綿状生竹繊維、及び(b)枯れ竹の稈を二軸圧縮粉砕機により圧縮粉砕して製造した竹繊維材料の外観写真である。
本発明に於いて、綿状生竹繊維の原料として生竹の稈を使用する。「生竹」とは、青竹の伐採後乾燥前の状態の竹をいい、稈の表皮が緑色から茶色に変色する(枯れ竹となる)より前の状態の竹である。枯れ竹を原料として使用した場合、組織が硬化しているため、二軸圧縮粉砕機により圧縮粉砕すると、十分な繊維状にならずに多くが図1(b)のような粉状となる。また生成される繊維は柔軟性に乏しく、互いが十分に絡み合った状態とはならない。一方、生竹を原料として使用した場合、個々の短繊維が柔軟性に富み、それぞれの繊維の長さも全体的に枯れ竹に比べて長いため、図1(a)に示したような、互いに十分に絡み合った綿状の繊維となる。また、一旦、綿状竹繊維とした後に時間が経過して乾燥しても、その柔軟性は維持される。
図2は、本発明に於いて水中微生物担体として利用する綿状生竹繊維(図1(a))の繊維を拡大した電子顕微鏡写真である。図2において、各写真の拡大倍率は、(a)200倍,(b)1000倍,(c)900倍,(d)2000倍である。写真において、綿状生竹繊維の矢印で示した部分は、繊維方向に沿って繊維細胞の細胞壁が裂開されていることが分かる。このように、繊維細胞の細胞壁が裂開されるまで圧縮粉砕するには、生竹を二軸圧縮粉砕機により、平行に配設された二本のスクリュー歯の間に生竹を投入し、捻り方向の力を加えながら高圧で圧縮粉砕しスクリュー歯の出口のスリット孔で、カッターにより該スリット孔から送出される繊維を逐次分断していくことによって製造することができる。ここで、二軸圧縮粉砕機としては、例えば、特許文献6,7に記載されたようなものを使用することができる。
図3は、本実施例1で用いる資材包持嚢袋の外観写真である。本実施例1では、生分解性繊維により形成された四角形状の不織布を、表裏二枚に重ねて周囲三辺を融着して袋状に形成したものを使用する。このような生分解性繊維の素材としては、例えば、ポリブチレンサクシネート(PBS)やポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)を使用することができる。PBS又はPBSAを使用する場合、100μmフィルムで、自然環境の淡水中では生分解によりおよそ1年〜3年程度で生分解される。フィルム厚を調整することで、生分解の速度は自由に調節することができる。尚、本実施例では資材包持嚢袋を構成する素材として、不織布を用いた例を示しているが、資材包持嚢袋の素材は織布又は網目状の繊維シート部材(所謂、ネット)を用いることもできる。
図4は、本実施例1で用いる水中微生物担体資材の外観図である。本実施例では、水中微生物担体資材1は、図3に示した資材包持嚢袋の内部に図1,図2に示した綿状生竹繊維を充填し、資材包持嚢袋の開口を封止することにより形成される。図4(a)は資材包持嚢袋の開口を紐で縛って封止した水中微生物担体資材1、図4(b)は資材包持嚢袋の開口を逢着した水中微生物担体資材1である。
以上のように構成された本実施例の水中微生物担体資材1を用いて、浄化対象水域の浄化を行う場合、浄化対象水域に水上から水中微生物担体資材1を投下して、図5に示したように水中微生物担体資材を水底に複数設置する。本実施例では、浄化対象水域としては、ゴルフ場や庭園の池、ダム、貯水池、ため池、プール、沼、用水池、湖等の閉鎖水域や、河川、湖沼、海の入り江(湾奥)、磯、外海等の緩慢な流れのある水域を対象としている。
尚、綿状生竹繊維は、通常の竹チップとは異なり、比重が水よりも大きいため自重により沈降する。図6は、通常の竹チップと図1(a)の綿状生竹繊維を水入りのビーカ内に投入し攪拌後に暫く静置した状態を撮影した写真である。図6(a)は通常の竹チップ、図6(b)は綿状生竹繊維である。通常の竹チップは、内部に多くの空間を有しており、図6(a)のように水に浮かぶ。一方、綿状生竹繊維は、内部空間が圧縮粉砕によって裂開しており水が侵入するため、図6(b)のように水に沈む。従って、本実施例の水中微生物担体資材を水中に投入すると、自重によって水底まで沈降する。
このようにして本実施例の水中微生物担体資材1を水底に設置しておくことにより、裂開した綿状生竹繊維の繊維細胞の内部に、水中に浮遊する有機物分解性のバクテリア,菌類,プランクトンなどの微生物が入り込み定着・繁殖しこの中で生態系を形成する。この生態系によって水中の有機物が効率的に分解され、水中の富栄養化が抑制されて水質浄化が促進される。綿状生竹繊維は、資材包持嚢袋内に封入されているため、水流による拡散・流亡が防止され、流れのある水域でも長期間に亘って水質浄化効果を維持することができる。また、通常、綿状生竹繊維は腐食して消失するまでに数年かかるため、通常少なくとも数年に亘って微生物担体は崩壊せずに維持される。また、数年経過後は腐食微生物等により分解され自然界に還元される。従って、河川,湖沼,海洋のような自然環境水域に本実施例の水中微生物担体資材を適用する場合には、生態系への負荷なく水質浄化を行うことができる。
尚、本実施例では、綿状竹繊維を資材包持嚢袋に入れて水中に設置する例を示したが、綿状竹繊維が移流してもかまわない場合、例えば、ため池などのアオコの繁殖を抑制する場合には、水面上に綿状生竹繊維を直接撒くこともできる。
また、本実施例の水中微生物担体資材1は、磯焼けの対策として行われる水域での施肥にも用いることが出来る。表1に綿状生竹繊維の成分分析結果を示す。表1において、比較対象として、バーク堆肥として市販されているサンプルを同時に掲載している。また、表2に各有機資材原料の理化学性を示す。表1,表2から分かるように、綿状生竹繊維は、窒素肥料成分及びリン酸肥料成分を殆ど含まず、またカリ成分も含有量は非常に少ない。従って、綿状生竹繊維それ自体は総じて窒素饑餓の状態にあり、窒素固定菌の棲息に有利な環境が形成されため、水中に投入後には、綿状生竹繊維内には窒素固定菌が優勢の生態系が構成される。また、全体が繊維質であるため腐食し難く、通常、数年に亘り繊維形状が大きく崩壊せずに維持される。
尚、綿状生竹繊維において窒素固定菌による窒素固定が、他の施肥材と比べて活性であることに関しては、空気中における試験により証明されている(特許文献8の図31及び段落〔0193〕−〔0202〕を参照)。図7は、綿状生竹繊維を通気性バッグに入れて保管している際に保管中の綿状生竹繊維に発生した窒素固定菌のコロニーを写した写真である。図7(a)は綿状生竹繊維入り通気性バッグの全体の写真、図7(b)は図7(a)の通気性バッグの表面を拡大した写真である。発生した窒素固定菌のコロニーは黄色から橙色を呈している。このように、綿状生竹繊維は窒素固定菌の誘導性に極めて富んでおり、一旦、図7(b)のような窒素固定菌が優勢の生態系が形成されると、大きな周辺環境の変化がない限り、比較的長期に亘ってその生態系が持続される。
本実施例の水中微生物担体資材1は、空気中での窒素固定活性作用が実証されている綿状生竹繊維を、水域での施肥材の用途に適用することによって、藻類の栄養塩である無機態窒素の供給を長期に亘り持続させ、施肥材を頻繁に水域に投入する必要性をなくし、コストと労力の軽減を図ったものである。窒素固定菌は水中にも多く存在するため、空気中と同様、綿状生竹繊維に発生する窒素固定菌のコロニーによる生物学的窒素固定作用により無機態窒素が生産され、緩効性乃至は遅効性の窒素肥料として藻類の発生及び繁殖に寄与する。また、本実施例の水中微生物担体資材1は、施肥される無機態窒素量は、窒素固定菌の生態系によって自然調節がされるため、窒素肥料成分の過剰供給が生じることがない。綿状生竹繊維自体は肥料成分を殆ど含んでいないため、綿状生竹繊維を多少多めに投入しても、栄養過多によるプランクトンの異常発生が生じる心配がない。従って、肥料成分の過剰供給に配慮した施肥材の適度な投入量の見定めという作業が必要なくなる。
最後に、本実施例の水中微生物担体資材1について魚類に与える影響に関する安全性試験を実施したのでその結果について説明する。供試体として、表3に示したような供試体を用いて実験を行った。表3において、「ECM」は細胞外基質(extracellular matrix)が100%の暴露試験用液を示し、「陽性対照」はCuSOを2ppm含む水溶液からなる暴露試験用液を示し、何れも比較対照用のものである。また、「竹のみ」は綿状竹繊維100%の供試体、「竹と土」は綿状竹繊維に土を混合した供試体を用いた暴露試験用液を示す。「竹のみ(無処理原液)」は、供試体を綿状竹繊維100%とした場合における、以下に説明する浸出容器内の浸出基材及び濾過殺菌フィルタを通過した浸出液の原液そのもの(無処理原液)である。
各供試体に対する暴露試験用液の作成方法は次の通りである。図8は、蒸留水を、各浸出基材を通して濾液(浸出液)を得るために使用した試験装置を示す図である。蒸留水容器内の蒸留水は、送水ポンプにより浸出容器内の底部に送水される。浸出容器は円筒状で、内部に浸出基材が充填され、上部開口端に濾過殺菌フィルタが設けられている。浸出基材を通過した浸出液は、濾過殺菌フィルタを通過した後に濾液容器に貯留される。このようにして得た各浸出基材に対する浸出液を「無処理原液」と呼ぶ。次に、ECM培地を添加する。ECM培地の媒質に対する溶質の成分比は表4に示す通りである。表4の比率は、媒質に対する内掛けの比率を表す。「ECM添加浸出液」として、無処理原液を溶媒とし表4の比率でECM培地の溶質を添加したものを作成する。「ECM純液」として、蒸留水を溶媒とし表4の比率でECM培地の溶質を添加したものを作成する。そして、ECM添加浸出液とECM純液とを表3に示した混合比で混合したそれぞれの暴露試験用液を作成する。作成された暴露試験用液にメダカの受精卵を浸し、経時的に孵化率を観察した。尚、このときの実験条件は、温度が27±1℃、光周期は14L:8D(Lは照明ON、Dは照明OFF)、観察期間は2週間とし、各試験区の暴露試験において受精卵5個を使用し、各試験区につき3回繰り返して試験を実施した。
図9は、暴露試験におけるメダカの生存率と孵化率の経時変化の実験結果である。図10は、暴露試験におけるメダカの受精卵の変化を示す写真である。図11は、暴露試験における孵化したメダカの写真である。図9〜図11より、綿状生竹繊維からの浸出液にマダカの受精卵を暴露しても孵化率に及ぼす影響は見られず(図9,図10)、また孵化したメダカにも異常は見られなかった(図11)。尚、図9で「竹+土(1%)」供試体において受精卵1個死亡が確認されたが、これは実験誤差の範囲内であり有意な影響が生じていると見なすことは出来ない。
以上の結果から、本発明で使用する綿状竹繊維は、水中に投下した場合でも、魚の成長に影響するような有害物質を浸出することがなく、安全性の面からも問題がないことが確認された。
図12は、本発明の実施例2に係る水中微生物担体資材の外観図である。本実施例2の水中微生物担体資材1は、四角形の表裏二枚のネットの周囲を接着又は溶着して形成された網目状の資材包持用マウント2を備えており、この資材包持用マウント2は、対向する二縁辺に平行に、該二縁辺の間を格子状に接着又は溶着して並列形成した複数の資材包持嚢袋3を備えている。各資材包持嚢袋3の内部には、実施例1において説明した綿状生竹繊維5は封入されている。資材包持用マウント2の周囲縁部の接着又は溶着した部分には、鳩目により補強された円形の繋索孔4が複数開口形成されている。この繋索孔4に繋索を結着して、引上索としたり繋留索としたりすることができる。
本実施例の水中微生物担体資材1は、例えば、プールの未使用期間中のアオコの発生抑制のための水質浄化資材などとして使用される。そのため使用後に資材包持用マウント2を引き上げて再利用することを前提としており、資材包持用マウント2を構成する素材は非生分解性材料により形成されている。使用方法としては、実施例1と同様に、水底に敷設して使用しても良いし、繋索孔4を利用して繋索により浮きに結着して、水中に吊して使用することもできる。水中に吊して使用すれば、水中に吊るされた綿状生竹繊維5により、水底以外の水中にも微生物が安定して生息・繁殖が可能な空間が確保され、より効率的な有機物分解による水質浄化を行うことが可能となる。
また、本実施例の水中微生物担体資材1は、水域での施肥材として使用することもできる。その場合、資材包持用マウント2は、植物繊維や生分解性プラスチック繊維により形成することが好ましい。施肥材として使用する場合、水中で沈降し易くするために、図7の7つの資材包持嚢袋3のうち端にある2つの資材包持嚢袋3には、砂、砂利、鉱滓、又は海水よりも比重の大きい粒体状の非水溶性粒材を封止し、残りの資材包持嚢袋3に綿状生竹繊維5を封止する。これにより、水中微生物担体資材1を水面から投下するだけで、水中微生物担体資材1は水底まで沈降し設置される。また、流れのある水域に適用する場合には、水中微生物担体資材1の各繋索孔4を水底にアンカーピンなどで固定したり、繋索孔4に錘や碇を繋着し、錘や碇によって水中微生物担体資材1の漂流を防止するようにしてもよい。
図13は、本発明の実施例3に係る水中微生物担体資材を使用した養魚水槽を表す模式図である。図13において、養魚水槽10は、上端側が上方に向かって開口した直方体型の水槽であり、養魚水槽10の内底面付近に水中微生物担体資材1aが配設され、養魚水槽10の上部開口端付近に水中微生物担体資材1bが配設されている。水中微生物担体資材1bは、養魚水槽10内の水面よりも上方に位置する。これら水中微生物担体資材1a,1bは、実施例2に示したようなものと同様の形態を有している。また、養魚水槽10の上方からは、微生物を活性化させるために水槽内に外光が差し込むようにされている。これは、水槽内に光が入らなければ、窒素固定菌が活性化しないからである。
養魚水槽10の内底面と水中微生物担体資材1aの底面との間には、複数の吸水口14が開口する吸水管11が配設されている。吸水管11の下流側は、養魚水槽10の内側面付近に於いて、上方に向かって折れ曲がり、下流端が養魚水槽10の水面付近に設置された揚水ポンプ13の吸入ポートに接続されている。さらに、揚水ポンプ13の吐出ポートには、散水管12が接続されており、散水管12の下流側は、水中微生物担体資材1bの上方まで延設され、水中微生物担体資材1bの上方部分には、散水ノズル15が複数開口形成されている。これにより、養魚水槽10内の水は、水中微生物担体資材1aを通って水中微生物担体資材1aの下方の養魚水槽10の内底面付近から吸水管11を介して揚水ポンプ13により揚水され、散水管12を通って水中微生物担体資材1bの上面に散水され、さらに水中微生物担体資材1bを通過して養魚水槽10内に戻ることにより循環される。この際、水中微生物担体資材1a,1bを通過する。
上述のように、水中微生物担体資材1a,1bの内部の綿状生竹繊維には、微生物が担持され繁殖するため、水中微生物担体資材1a,1bを通過する水に含まれる有機物をこれらの微生物が分解し、養魚水槽10内の水が浄化される。
このようにして、本発明の水中微生物担体資材1は、水槽内の水の浄化に対しても適用することが可能である。
図14は、実施例4の水中微生物誘導増殖方法(水域施肥方法)において使用する漂流防止枠体とそれに封入した水中微生物担体資材を示す図である。漂流防止枠体20は、四面体の枠状に構成された囲繞フレーム21と、囲繞フレーム21の各開口部を閉塞する閉蓋体22とから構成されている。囲繞フレーム21は棒状部材(鋼材又は樹脂材)により組まれている。閉蓋体22は網状又は格子状の番線又は樹脂からなり、囲繞フレーム21の内外で水野出入りは自由である。閉蓋体22の網目は、小魚が通過可能な程度の大きさとされている。漂流防止枠体20の内部には、土壌状に整形した水中微生物担体資材1が複数個封入されている。この水中微生物担体資材1は実施例1で説明したものと同様のものである。
この水中微生物担体資材1を封入した漂流防止枠体20を、施肥を行う水域の水底に定置する。本実施例では、磯焼け防止のために海域に施肥する場合を想定している。漂流防止枠体20は、自重によって海底に固定されるが、流れの速い海域では、アンカーピンや錘又は碇を用いて固定するようにする。また、海底が砂地の場合、設置箇所の海底に浅い凹みを掘ってその凹み内に漂流防止枠体20を設置すれば、本発明者が実験したところ、漂流防止枠体20の下部が自然に砂地に埋もれ固定される様子が観察された。
また、水中微生物担体資材1の間や海底と接する下部には、ゴカイなどの多毛類が棲息し、それをエサとする水生生物を引き寄せる効果もある。
漂流防止枠体20を海底に設置後、数日から数週間で水中微生物担体資材1内の綿状竹繊維内に水中微生物が繁殖し、生物学的窒素固定作用により無機態窒素の生産が活性となる。それに伴い、水中微生物担体資材1の表面に藻類が定着し繁殖する。これにより、磯焼け防止効果が得られる。また、水中微生物担体資材1内の綿状竹繊維内で生産される無機態窒素は、移流又は拡散によって漂流防止枠体20の周囲の海域にも供給されるため、漂流防止枠体20の周囲の窒素施肥も同時に行われる。
本実施例の方法では、施肥を行う海域に直接肥料成分を投与するものではないため、肥効としては緩効性乃至は遅効性であるが、肥料成分の過剰供給に配慮した施肥材の適度な投入量の見定めは必要ない。また、肥料成分が移流又は拡散により希釈されても、窒素肥料成分は綿状竹繊維内で活動する水中微生物によって逐次生産されるため、窒素肥料成分を直接投与する従来の方法に比べて海域への投与量を減らすことが出来る。また、一度投与すれば、綿状竹繊維が腐食し崩壊するまでの期間は継続投与する必要性はない。
尚、本実施例では漂流防止枠体20の形状は四面体の枠状としたが、この形状に関しては様々な形状を採り得る。図15,図16は、漂流防止枠体とそれに封入した水中微生物担体資材の他の例を示す図である。図15の例では、漂流防止枠体20の形状は三角柱の枠状とされている。また、図16の例では、番線を籠状に編んで構成した漂流防止枠体20を示している。図16(a)は水中微生物担体資材1を収容した漂流防止枠体20の組み立て状況を撮影した写真、図16(b)は図16(a)の漂流防止枠体20を水深約5mの砂地海底に設置した状態を撮影した写真である。図16では、漂流防止のために漂流防止枠体20の下部に鉄パイプを締結すると共に、設置時に漂流防止枠体20の上部に重石を載せている。図16の例のような漂流防止枠体20としては、一般に市販されている蛇篭を用いることが出来るため、低コストで実施することが可能である。
図17は、実施例5の水中微生物誘導増殖方法(水域施肥方法)において使用する繋留フレームとそれに吊持した水中微生物担体資材を示す図である。繋留フレーム25は、L字鋼材を立方体の枠状に組んで構成されており、その天井部には、立方体枠の天井の対向する2辺に平行に、複数の梁材25aが等間隔に架設されている。そして、各梁材25aには、水中微生物担体資材1が吊持されている。水中微生物担体資材1は実施例2で説明したものと同様のものである。水中微生物担体資材1は、資材包持用マウント2の各資材包持嚢袋3が梁材25aと平行となる向きに吊持される。これにより、資材包持嚢袋3内に封入された綿状生竹繊維が重力で下方に移動し資材包持嚢袋3内の綿状生竹繊維の配置が偏ることが防止される。また、資材包持用マウント2の最も下側の資材包持嚢袋3には、鉄鋼スラグ又は鉄鋼スラグを含む施肥材料が封止されている。これにより、海域に於いて一般的に不足しがちな、水生植物にとっての必須微量元素の一つである2価の鉄イオン(溶存態鉄)も同時に供給することができるため、より藻類などの水生植物の繁殖を促進することが可能となる。また、鉄鋼スラグ又は鉄鋼スラグを含む施肥材料は錘としても作用するため、海流によって水中微生物担体資材1が激しく揺動することを抑止する。
本実施例の方法に於いて、水中微生物の誘導増殖作用及び施肥作用に関しては、実施例4で説明したものと同様である。また、本実施例では、シート状の水中微生物担体資材1が梁材25aに吊持され、その下端側が水流によって揺動するため、仮に繋留フレーム25の下部が海底の砂泥に埋もれたとしても、水中微生物担体資材1は埋もれずに海中に表出した状態を維持することが出来る。また、各資材包持嚢袋3内の綿状生竹繊維内で生物学的窒素固定作用により生産される無機態窒素が、移流又は拡散により周囲の海域に広がりやすく、繋留フレーム25の周囲へも窒素肥料施肥を行うことが出来る。
1,1a,1b 水中微生物担体資材
2 資材包持用マウント
3 資材包持嚢袋
4 繋索孔
5 綿状生竹繊維
10 養魚水槽
11 吸水管
12 散水管
13 揚水ポンプ
14 吸水口
15 散水ノズル
20 漂流防止枠体
21 囲繞フレーム
22 閉蓋体
25 繋留フレーム
25a 梁材

Claims (7)

  1. 水中に沈設し、水中に浮遊する微生物を定着させ繁殖させるために用いられる水中微生物担体資材であって、
    生竹の稈を二軸圧縮粉砕機により繊維細胞の細胞壁が裂開される程度に圧縮粉砕してなる綿状生竹繊維が、織布又は不織布若しくは網目状の繊維シート部材により袋状に構成された資材包持嚢袋の内部に充填し封止されたことを特徴とする水中微生物担体資材。
  2. 長尺状の前記資材包持嚢袋を平行に複数連結されてなる資材包持用マウントの前記各資材包持嚢袋の内部に、前記綿状生竹繊維が封止されていることを特徴とする請求項1記載の水中微生物担体資材。
  3. 前記資材包持用マウントの前記各資材包持嚢袋の内の一部には、砂、砂利、鉱滓、又は海水よりも比重の大きい粒体状の非水溶性粒材が封止されており、他の前記資材包持嚢袋には前記綿状生竹繊維が封止され、前記資材包持用マウント全体として海水よりも比重が大きいことを特徴とする請求項2記載の水中微生物担体資材。
  4. 請求項1乃至3の何れか一記載の水中微生物担体資材を水底に沈設し、水中に浮遊する微生物を前記綿状生竹繊維の内部に定着させ繁殖させる水中微生物誘導増殖方法。
  5. 鋼材を多面体の枠状に組んでなる囲繞フレームの各開口部を、網状又は格子状の閉蓋体により、前記囲繞フレーム内外で水が出入自在となるよう閉塞された漂流防止枠体、又は番線が籠状に編まれてなる漂流防止枠体の内部に、前記水中微生物担体資材を封入し、
    前記水中微生物担体資材が封入された前記漂流防止枠体を水底に沈設し、水中に浮遊する微生物を前記綿状生竹繊維の内部に定着させ繁殖させる請求項4記載の水中微生物誘導増殖方法。
  6. 鋼材を枠状に組み天井枠内に複数の梁材を渡してなる繋留フレームの内部において、前記梁材に複数の前記水中微生物担体資材を吊持させ、
    複数の前記水中微生物担体資材が吊持された前記繋留フレームを水底に沈設し、水中に浮遊する微生物を前記綿状生竹繊維の内部に定着させ繁殖させる請求項4記載の水中微生物誘導増殖方法。
  7. 請求項1乃至3の何れか一記載の水中微生物担体資材、又は該水中微生物担体資材が封入された請求項5記載の漂流防止枠体、若しくは該水中微生物担体資材が封入された請求項6記載の繋留フレームを、施肥対象となる水域の水底に沈設し、請求項4乃至6の何れか一記載の水中微生物誘導増殖方法により前記水中微生物担体資材内の前記綿状生竹繊維内に水中に浮遊する窒素固定菌を定着及び増殖させ、
    前記綿状生竹繊維内に増殖した窒素固定菌の生物学的窒素固定作用により生産される無機態窒素により、該水域の水底周辺における施肥を行わせしめることを特徴とする水域施肥方法。
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