JP2004009051A - 水質浄化材 - Google Patents

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Abstract

 
【課題】 多様な表面形状を有して、水質浄化に必要な多様な微生物を、それらが生息しやすい環境の下で多く担持できる上に、富栄養化の基である窒素やリンなどの捕捉面でも好適な水質浄化材を提供する。
【解決手段】 開放水系の流水中に配置される水質浄化材1として、ヤシ繊維などの天然繊維aやナイロンなどの化学繊維を用いて、この繊維表面にCaO(OH)2 bを担持させ、必要に応じて、繊維表面に担持させたCaO(OH)2 bに有機官能基を導入させるためのカップリング剤cを結合させている。
【選択図】   図3

Description

 本発明は、河川や湖沼などの開放水系における水質浄化に用いて好適な水質浄化材に関するものである。
 上記の開放水系の水質浄化に際して、開放水路の流水中に礫や砂などを敷き詰めたり、ポリエステルなどの不織布を流水中に垂れ下げたりして、水質浄化に有効な微生物を、これら礫や砂、不織布などに担持させ、その微生物の働きにより、流水中のBODやCODなどを除去または減少させるようにしている。
特開平05−220497号公報
 しかしながら、このような従来の微生物を担持させるための水質浄化材は、表面が平滑であって、微生物が付着し難く、不織布にしても、これが一定の孔隙しか持っていないことから、流水中の多様な微生物の一部の担持体としての機能しか持ち合わせず、流水中の有効微生物の利用による水質浄化能力が有効に発揮されないのであった。
 また、富栄養化の基である流水中の窒素やリンなどの捕捉能力が低く、十分な水質浄化を期待し難いのであった。
 本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、多様な表面形状を有して、流水中の多様な微生物を、それらが生息しやすい環境の下で多く担持できる上に、富栄養化の基である窒素やリンなどの捕捉面でも好適な水質浄化材を提供する点にある。
 即ち、本発明は、開放水系の流水中に配置される水質浄化材として、請求項1記載の発明では、天然繊維の表面に無機粉体を担持させて成るものを水質浄化材としている。
 天然繊維としては、例えば椰子、綿、麻、ジュウト、ビンロウジュ、羊毛等が選択される。
 請求項2記載の発明では、化学繊維の表面に無機粉体を担持させて成るものを水質浄化材としている。
 化学繊維としては、例えばセルロース、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン等が選択され、中でも繊維表面が粗であることが好ましく、更に、中空の繊維であることが好適であることは言うまでもない。
 而して、繊維表面に無機粉体を担持させることで、繊維表面には、無機粉体の薄層がポーラス状に形成されることになり、更には、無機粉体が歪な形状の大小様々な凹凸を形成することに加えて、無機粉体が複雑に絡まって枝状に広がることから、繊維表面は多様な形状を呈することになる。
 特に天然繊維の場合は、その表面に、歪で複雑な形状の筋状の凹溝を多数有したり、複雑な形状の大小様々な窪みを有したりし、中でも椰子繊維は、大小様々な連続孔隙を中空状に有していることから、その繊維表面は一層多様な形状を呈することになるもので、天然繊維と化学繊維のいずれを問わず、繊維表面に無機粉体を担持させることで、微生物にとって恰好の生息環境が繊維表面に形成されることになる。
 しかも、繊維表面が多様な形状を呈して、流水に対する水質浄化材の接触面積が膨大になることから、本発明にかゝる水質浄化材は、水質浄化に必要な多様な微生物の多くを担持する機能を有するのであって、従来に比較して有効微生物の利用による水質浄化能力が格段にアップし、水中のSS(浮遊物質)の吸着面でも優れたものとなる。
 一方、無機粉体としては、例えばCa、Mg、Al、Fe、Si、Ti等を主成分とする天然又は合成の酸化物、水酸化物、炭酸塩又はそれらの複合酸化物、複合炭酸塩及びそれらの有機金属化合物の少なくとも一種が選択される。
 具体的には、酸化物としては、例えばCaO、MgO、FeO、Fe2 3 、Fe3 4 、Al2 3 、SiO2 、TiO2 などが選択され、水酸化物としては、Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、Fe(OH)2 、Al(OH)2 などが選択される。
 炭酸塩としては、CaCO3 、MgCO3 などが選択され、複合酸化物としては、MgSiO4 、Ca2 SiO4 、CaTiO3 、Al2 3 などが選択され、複合炭酸塩としては、例えばCaMg(CO3 2 が選択され、有機金属化合物としては、トリアルコキシアルミニウム、テトラアルコキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアルコキシチタンなどが選択される。
 ここで、繊維表面に担持させる無機粉体として、例えばCa、Mg、Al、Fe系のものを選択した場合は、流水中のリン濃度を下げることができる。
 即ち、無機粉体として,例えばCa(OH)2 (消石灰)を選択した場合は、これと流水中のH3 PO4 (リン酸)とが次式(1)の通り反応して、H3 PO4 がCa3 (PO4 2 (リン酸カルシウム)として繊維表面に捕捉されるのであって、流水中のリン濃度が低下するのである。
 3Ca(OH)2+2H3 PO4 →Ca3(PO4)2 +6H2 O……式(1)
 その他の無機粉体によるリン酸の捕捉については、反応式のみを下記する。
 3Mg(OH)2 +2H3 PO4  →Mg3(PO4)・4H2 O+2H2
 Al2 3 +2H3 PO4     →2〔AlPO4 ・2H2 O〕
 Fe2 3 +2H3 PO4     →2〔FePO4 ・2H2 O〕
 3CaCO3 +2H3 PO4   →Ca3(PO4)2 +3H2 O+3CO2
 3CaMg(CO3 2 +2H3 PO4  →Ca3 (PO4 2 +Mg3 (PO 4 2 ・4H2 O+6CO2 +2H2
 繊維表面にSiO2 を担持させた場合は、繊維表面にSi−OH基が導入されることで、微生物との相互作用が向上し、中でも植物製の天然繊維にSiO2 やエチルシリケートを担持させれば、繊維表面に親水性のシラノール基が導入されることで、水質浄化材の親水性が向上する利点がある。
 特に、水質浄化材として、植物製の天然繊維を選択した場合は、この水質浄化材の使用済み後の廃棄に際して、これを焼却処理しても、公害を引き起こすことはなく、或いは、そのまま放置しても、年月を経ることで生分解(例えば椰子繊維は4年〜6年で生分解する。)して、その現場で自然消滅してしまうので、公害が生じることはないのである。
 請求項3記載の発明では、繊維表面に担持させた無機粉体に有機官能基を導入させるためのカップリング剤を結合させて成るものを水質浄化材としいる。
 カップリング剤としては、例えばN- フェニル- γ- アミノプロピルトリメトキシシランや、N- β(アミノエチル)γ- アミノプロピルトリメトキシシランと言ったシラン系のものや、イソプロピルトリ(n- アミノエチル- アミノエチル)チタネートと言ったチタネート系のもの、その他、アルミニウム系、フォスフェート系のものが選択され、これらのカップリング剤は、繊維表面に担持させた無機粉体と結合し、繊維表面に有機官能基を導入するもので、カップリング剤の選択によって、繊維表面に様々な有機官能基を導入させることができる。
 即ち、有機官能基としては、ビニル基、グリシドキシ基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、エステル基等があり、これらのうち、微生物の生息に適した官能基を選択することは容易に可能であるが、どのようなカップリング剤を用いても、繊維表面に微生物が集まりやすい状態、即ち、生物親和性の状態を作ることができるのであって、繊維表面に様々な有機官能基を導入させることは、請求項1及び2記載の水質浄化材による微生物利用の水質浄化能力を、飛躍的にアップさせることに繋がるのである。
 以上説明したように本発明は、水質浄化材として、これを繊維製にし、かつ、その表面に無機粉体を担持させたのであって、繊維表面が多様な形状を呈して、微生物にとって恰好の生息環境が繊維表面に形成されることに加えて、流水に対する接触面積が膨大になることから、本発明による水質浄化材によれば、水質浄化にとって必要な多様な微生物の多くを、恰好の生息環境の下で担持させ得るもので、有効微生物の利用による水質浄化能力が格段にアップし、水中のSS(浮遊物質)の吸着面でも優れたものとなる。
 特に植物製の天然繊維を選択した場合は、使用済み後に焼却処理しても、公害を引き起こすことはなく、或いは、そのまま放置しても、年月を経ることで生分解して、その現場で自然消滅してしまうので、公害が生じることはない。
 また、繊維表面に担持させた無機粉体は、富栄養化の基である窒素やリンなどの捕捉能力を有するのであって、本発明による水質浄化材は、流水中のリン濃度や窒素濃度を低下させる上でも頗る好適である。
 これに加えて、上記の無機粉体に各種のカップリング剤を結合させれば、繊維表面に様々な有機官能基を導入させることができるのであって、この有機官能基は、繊維表面に微生物が集まりやすい状態を作ることから、微生物利用の水質浄化能力を更にアップさせることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は水質浄化材1の担持単位体Aを示し、図3は顕微鏡写真を図面化した椰子繊維表面の詳細を示すものであって、前記水質浄化材1の素材として、天然繊維である椰子繊維(これの長さは100〜200mm位で、直径は0.1〜1mm程度である。)aを用いて、この繊維表面に無機粉体bを担持させ、更に、繊維表面に有機官能基を導入させるために、前記無機粉体bにカップリング剤cを結合させて、繊維表面の改質調製を行っている。
繊維表面の改質調製例については後述するが、この実施の形態では、調製された椰子繊維aの複数本(例えば5本〜30本)を、好ましくは同じ椰子繊維aで束ねて、これを水質浄化材1とし、この水質浄化材1の複数本を、それ自体が浮遊可能な板状部材2の一側面に、3〜10cmの間隔で植え付け、必要に応じて板状部材2の周部にフロート3を設け、かつ、板状部材2の長手方向の両側に係止リンク4を備えた係留紐5を設けて、水質浄化材1の担持単位体Aを構成しているのである。
 河川や湖沼などの開放水系の水質浄化に際しては、例えば図2に示すように、河川や湖沼などから浄化用の開放水路Wを分流させて、この水路Wの流水方向と幅方向とに所定の間隔を隔てて杭6を打設し、かつ、水質浄化材1を開放水路Wの流水中に垂れ下げるように、担持単位体Aの表裏の向きを定めて、担持単位体A両側のリンク4を杭6に係止させるのである。
 このようにして流水中に垂れ下げた水質浄化材1の椰子繊維aは、顕微鏡写真を図面化した図3に照らして明らかなように、その表面には、歪で複雑な形状の筋状の凹溝dを多数有する上に、複雑な形状の大小様々な窪みeを有し、更に、図示はしないが、大小様々な連続孔隙を中空状に有するのであり、加えて、この複雑な形状の繊維表面に無機粉体bを担持させたことで、繊維表面には、無機粉体bの薄層がポーラス状に形成されることになる。
 更には、無機粉体bが歪な形状の大小様々な凹凸を形成することに加えて、無機粉体aが複雑に絡まって枝状に広がることから、繊維表面は一層多様な形状を呈することになり、微生物にとって恰好の生息環境が形成されることになる。
 加えて、繊維表面の無機粉体bにカップリング剤cを結合させて、繊維表面に有機官能基を導入させているので、かつ、有機官能基として、微生物の生息に適したものを選択することが容易に可能であることから、繊維表面に微生物が集まりやすい状態が作られるようになり、微生物にとって一層好適な生息環境が繊維表面に形成されることになる。
 そして、表面形状が多様になることは即ち、流水に対する水質浄化材1の接触面積が極めて大きくなることであり、かつ、椰子繊維aが植物性であって、微生物との親和性が高いことも相乗して、水質浄化材1には、水質浄化に必要な多様な有効微生物の多くが、恰好の生息環境下に置かれて担持されるようになり、従って、多様な微生物の働きによる流水中のBODやCODなどの除去能力が、従来に比較して飛躍的にアップするのであり、水中のSS(浮遊物質)の吸着面でも優れたものとなる。
 一方、無機粉体bとして、例えばCa、Mg、Al、Fe系のものを選択すれば、流水中のリン酸や窒素が無機粉体bに捕捉されることで、リン濃度や窒素濃度を下げることができるのであり、そして、使用済み後の水質浄化材1の廃棄に際して、この水質浄化材1を自然界に存する植物性の椰子繊維aとしているので、これを焼却処理しても、公害を引き起こすことはなく、或いは、そのまま放置しても、椰子繊維aは4年〜6年の年月を経ることで生分解して、その現場で自然消滅してしまうので、公害は生じることがないのである。
 上記の担持単位体Aの水質浄化材1を流水中に垂れ下げるのではなく、図4に示すように、担持単位体Aの水質浄化材1を流水中に立錐させるようにしてもよいのであり、即ち、図5に示すように、上記の椰子繊維aの複数本を束ねて成る水質浄化材1を、例えばコンクリート製の沈降部材7の上面部に3〜10cmの間隔で植え付けて、水質浄化材1の担持単位体Aを構成し、この担持単位体Aを開放水路Wの水底に配置し、かつ、必要に応じてアンカーで固定するようにしてもよいのである。
 このように、流水中に垂れ下げたり立錐させたりする水質浄化材1として、上記の各実施の形態では、椰子繊維aの複数本を束ねているが、椰子繊維aの1本ずつを水質浄化材1として、これを板状部材2や沈降部材7に植え付けて、担持単位体Aとしてもよいのである。
 或いは図示はしないが、水質浄化材1として、表皮を取り除いた椰子殻そのものを繊維の方向で細長くなるように複数個に分割したものとし、具体的には、椰子殻を長さ10〜20cm、太さ0.5〜5cmの細長状に破砕して、これの表面に無機粉体bを担持させ且つカップリング剤cを結合させたものを水質浄化材1として、これを3〜10cm間隔で板状部材2や沈降部材7に植え付けるようにしてもよいのである。
 図6は別の実施の形態による水質浄化材1を示しており、この水質浄化材1は、表面改質させた椰子繊維aを複数本束ねて紐状体8を形成し、この紐状体8を粗い目合い(3〜5cm程度)の網状体9に構成して成るもので、開放水系の水質浄化に際しては、例えば図7に示すように、網状体9の複数枚を、それらの一側辺を係留紐10によって連結すると共に、他側辺の両隅に垂下錘11を設けたものを担持単位体Aとして、この担持単位体Aの複数を、それの水質浄化材1が流水を遮るように、開放水路Wの流水方向に多段的に吊り下げ配置するのである。
 或いは図8に示すように、網状体9の複数枚を、それらの一側辺と他側辺をそれぞれ係留紐10で連結したものを担持単位体Aとし、この担持単位体Aの複数を、それの水質浄化材1が流水に沿うように、開放水路Wの深さ方向に多段的に配置してもよいのである。
 図9は更なる別の実施の形態による水質浄化材1を示しており、この実施の形態では、1〜3cm程度の椰子殻の破砕物fと、椰子殻から取り出した椰子繊維aと、2〜5cm程度に裁断した椰子繊維の裁断物hの少なくとも一種を表面改質し、これを好適には、同じく表面改質させた椰子繊維製の網状体による袋12に収容して、水質浄化材1を細長い棒状のものに構成している。
 尚、網状袋12を短くしたり球形に形成したりしてもよく、或いは、座布団のように偏平に形成してもよいのである。
 開放水系の水質浄化に際しては、例えば図10に示すように、水質浄化材1を開放水路Wの水底に敷き詰めるように配置するのであるが、上下に複数段にわたって積み重ねたり、水質浄化材1の複数個を互いに連結して、水中に漂わせるようにしてもよいのであり、何れにしても、図示はしないがアンカーや係留紐などを設けて、水質浄化材1を所定位置に保持させることが肝要である。
 上記の各種実施の形態では、開放水系の水質浄化に際して、河川や湖沼などから浄化用の開放水路Wを分流させるようにしているが、河川や湖沼などの開放水系に、直接的に水質浄化材1を配置する水質浄化の形態をとるようにしてもよいのであり、また、各種実施の形態による水質浄化材1を、担持単位体Aの構成単位ごとに開放水路Wに配置しているが、例えば図2と図4とに示す水質浄化の態様を組み合わせる等の複合形態をとったり、更に、例えば図7に示す水質浄化の態様を複合させたりするなど、各種の水質浄化の態様を任意に複合させる実施が可能であることは言うまでもない。
 また、上記の各実施の形態において、水質浄化材1の素材として、天然繊維である椰子繊維aを用いているが、綿、麻、ジュウト、ビンロウジュ、羊毛等の天然繊維を用いてもよいのであり、或いは、セルロース、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン等の化学繊維に置換してもよいのであって、化学繊維を用いる場合は、流水との接触面積の増大を図る上で、繊維表面が粗であることが好ましく、更に、中空の繊維であることが望ましい。
 更には、水質浄化材1として、それの繊維表面に無機粉体bを担持させるだけの表面改質であっても、有効微生物の利用による水質の浄化能力が極めて優れたものになることから、カップリング剤cによる有機官能基の導入を省略してもよいのであり、かつ、表面改質を一切しない繊維を併用してもよいのである。
 即ち、表面に無機粉体bのみを担持させた天然繊維と化学繊維の二種類の繊維と、無機粉体bにカップリング剤cを結合させて有機官能基を導入させた二種類の繊維の合計四種類の繊維を、それぞれ単独で用いて水質浄化材1としたり、複合させて水質浄化材1としたりし、更に、表面改質を一切しない天然繊維と化学繊維の二種類の繊維を併用して水質浄化材1としてもよいのである。
 繊維表面の改質に際して、その際に用いる無機粉体bの平均粒子径は、それが有機金属化合物以外の酸化物、水酸化物等の場合、10nm〜10μmが適しており、それらの無機粉体bを水または有機溶媒に分散させた後、天然または化学繊維aを浸漬し、常圧または減圧下で所定時間静置し、その後、乾燥させるものとする。
 有機金属化合物の場合は、乾燥後の天然または化学繊維aを空気中または水蒸気中に放置し、加水分解を進行させて表面改質するのであって、加水分解した有機金属化合物は繊維表面に、SiO2 、Al2 3 、TiO2 の形で存在する。
 上記の各種無機粉体bの繊維aへの付着性を高めるために、アクリル等の樹脂やポリビニルアルコール等の糊剤などを添加してもよいのであり、また、浸漬による無機粉体bの担持に代えて、無機粉体bを分散させたスラリーを繊維表面に噴霧させる担持態様をとってもよいのであり、いずれにしても無機粉体bの付着厚みは、その粒子径にもよるが、0.1μm〜100μm程度であることが望ましい。
 〔表面改質の具体例と水質浄化の評価について〕
平均粒子径3μmのCa(OH)2 の5%懸濁液中に、長さ100〜200mmで直径が0.1〜1mmの椰子繊維と、長さが200mmで直径が0.5mmのポリエチレン糸とを浸漬し、減圧下(約400hPa)で24時間放置した後、110℃で24時間乾燥させた。
 この他にも、椰子繊維に対してSiO2 とCaMg(CO3 2 の5%懸濁液を用いて、上記と同じ条件で繊維表面の改質調製を実施し、ポリプロピレン糸に対してAl2 3 の5%懸濁液を用いて、かつ、ポリエチレン糸に対してCa(OH)2 の5%懸濁液を用いて、上記と同じ条件で繊維表面の改質調製を実施し、更に、椰子繊維とポリエステル糸とに対してテトラエトキシシランを用いて、上記と同じ条件でその乾燥後に、これら椰子繊維とポリエステル糸とを大気中で72時間放置し、加水分解を進ませる改質調製を実施した。
 また、上記の表面改質後に、適宜の繊維の無機粉体に有機官能基を導入させるために、イソプロピルトリ(n- アミノエチル- アミノエチル)チタネートと、N- フェニル- γ- アミノプロピルトリメトキシシランと、N- β(アミノエチル)γ- アミノプロピルトリメトキシシランの三種類のカップリング剤を結合させた。
 更に、椰子繊維に対してSiO2 の5%懸濁液を噴霧する表面改質の調製も実施した。 
 これらの繊維による水質浄化のテストのために、下水処理場の活性汚泥を採取して、SS(活性汚泥固形物濃度)が2000mg/lになるように希釈する一方、上記の表面改質繊維を50mm長さに切って、それの0.5gを300mlのビーカーに入れ、かつ、希釈した汚泥の200mlを加えて、人工排水を毎日加えながら、バイオシェーカーにて攪拌することを1週間継続したのである。
 このテストによる繊維への付着物量、pH、上澄液のCOD、リン濃度、窒素濃度の測定結果を、表1及び表2に示す。
Figure 2004009051
Figure 2004009051
 表1,2から明らかなように、無機粉体を担持させた繊維と、カップリング処理した繊維とでは、表面改質を施さない繊維に比較して、付着物量が2倍から4倍に増大し、リン濃度と窒素濃度とについては、2/3〜1/5程度にまで大幅に低下したのであって、本発明による水質浄化材は、水質の浄化能力が極めて高いと評価される。
水質浄化材を垂れ下げるように備えた担持単位体の斜視図である。 水質浄化材を開放水路に垂れ下げさせた水質浄化の説明図である。 顕微鏡写真を図面化し、かつ、その一部を取り出して拡大図示した椰子繊維表面の模式図である。 水質浄化材を開放水路に立錐させた水質浄化の説明図である。 水質浄化材を立錐させるように備えた担持単位体の斜視図である。 別の実施の形態による水質浄化材の部分斜視図である。 水質浄化材を開放水路の流水方向に多段的に吊り下げ配置した水質浄化の説明図である。 水質浄化材を水路の深さ方向に多段的に配置した水質浄化の説明図である。 更なる別の実施の形態による棒状の水質浄化材の部分斜視図である。 棒状の水質浄化材を水路底部に配置した水質浄化の説明図である。
符号の説明
 a 天然繊維
 b  無機粉体
c  カップリング剤

Claims (3)

  1.  開放水系の流水中に配置される水質浄化材であって、天然繊維の表面に無機粉体を担持させて成ることを特徴とする水質浄化材。
  2.  開放水系の流水中に配置される水質浄化材であって、化学繊維の表面に無機粉体を担持させて成ることを特徴とする水質浄化材。
  3.  繊維表面に担持させた無機粉体に有機官能基を導入させるためのカップリング剤を結合させて成ることを特徴とする請求項1または2に記載された水質浄化材。
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