JPH11221590A - 水質浄化材 - Google Patents
水質浄化材Info
- Publication number
- JPH11221590A JPH11221590A JP10038174A JP3817498A JPH11221590A JP H11221590 A JPH11221590 A JP H11221590A JP 10038174 A JP10038174 A JP 10038174A JP 3817498 A JP3817498 A JP 3817498A JP H11221590 A JPH11221590 A JP H11221590A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- water
- water purification
- inorganic powder
- purification material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Landscapes
- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 多様な表面形状を有して、水質浄化に必要な
多様な微生物を、それらが生息しやすい環境の下で多く
担持できる上に、富栄養化の基である窒素やリンなどの
捕捉面でも好適な水質浄化材を提供する。 【解決手段】 開放水系の流水中に配置される水質浄化
材1として、ヤシ繊維などの天然繊維aやナイロンなど
の化学繊維を用いて、この繊維表面にCaやMgなどの
無機粉体bを担持させ、必要に応じて、繊維表面に担持
させた無機粉体bに有機官能基を導入させるためのカッ
プリング剤cを結合させている。
多様な微生物を、それらが生息しやすい環境の下で多く
担持できる上に、富栄養化の基である窒素やリンなどの
捕捉面でも好適な水質浄化材を提供する。 【解決手段】 開放水系の流水中に配置される水質浄化
材1として、ヤシ繊維などの天然繊維aやナイロンなど
の化学繊維を用いて、この繊維表面にCaやMgなどの
無機粉体bを担持させ、必要に応じて、繊維表面に担持
させた無機粉体bに有機官能基を導入させるためのカッ
プリング剤cを結合させている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川や湖沼などの
開放水系における水質浄化に用いて好適な水質浄化材に
関するものである。
開放水系における水質浄化に用いて好適な水質浄化材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の開放水系の水質浄化に際して、開
放水路の流水中に礫や砂などを敷き詰めたり、ポリエス
テルなどの不織布を流水中に垂れ下げたりして、水質浄
化に有効な微生物を、これら礫や砂、不織布などに担持
させ、その微生物の働きにより、流水中のBODやCO
Dなどを除去または減少させるようにしている。
放水路の流水中に礫や砂などを敷き詰めたり、ポリエス
テルなどの不織布を流水中に垂れ下げたりして、水質浄
化に有効な微生物を、これら礫や砂、不織布などに担持
させ、その微生物の働きにより、流水中のBODやCO
Dなどを除去または減少させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の微生物を担持させるための水質浄化材は、表
面が平滑であって、微生物が付着し難く、不織布にして
も、これが一定の孔隙しか持っていないことから、流水
中の多様な微生物の一部の担持体としての機能しか持ち
合わせず、流水中の有効微生物の利用による水質浄化能
力が有効に発揮されないのであった。
うな従来の微生物を担持させるための水質浄化材は、表
面が平滑であって、微生物が付着し難く、不織布にして
も、これが一定の孔隙しか持っていないことから、流水
中の多様な微生物の一部の担持体としての機能しか持ち
合わせず、流水中の有効微生物の利用による水質浄化能
力が有効に発揮されないのであった。
【0004】また、富栄養化の基である流水中の窒素や
リンなどの捕捉能力が低く、十分な水質浄化を期待し難
いのであった。
リンなどの捕捉能力が低く、十分な水質浄化を期待し難
いのであった。
【0005】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、その目的は、多様な表面形状を有して、流
水中の多様な微生物を、それらが生息しやすい環境の下
で多く担持できる上に、富栄養化の基である窒素やリン
などの捕捉面でも好適な水質浄化材を提供する点にあ
る。
のであって、その目的は、多様な表面形状を有して、流
水中の多様な微生物を、それらが生息しやすい環境の下
で多く担持できる上に、富栄養化の基である窒素やリン
などの捕捉面でも好適な水質浄化材を提供する点にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、開放水
系の流水中に配置される水質浄化材として、請求項1記
載の発明では、天然繊維の表面に無機粉体を担持させて
成るものを水質浄化材としている。
系の流水中に配置される水質浄化材として、請求項1記
載の発明では、天然繊維の表面に無機粉体を担持させて
成るものを水質浄化材としている。
【0007】天然繊維としては、例えば椰子、綿、麻、
ジュウト、ビンロウジュ、羊毛等が選択される。
ジュウト、ビンロウジュ、羊毛等が選択される。
【0008】請求項2記載の発明では、化学繊維の表面
に無機粉体を担持させて成るものを水質浄化材としてい
る。
に無機粉体を担持させて成るものを水質浄化材としてい
る。
【0009】化学繊維としては、例えばセルロース、ナ
イロン、ビニロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリウレタン等が選択され、中
でも繊維表面が粗であることが好ましく、更に、中空の
繊維であることが好適であることは言うまでもない。
イロン、ビニロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリウレタン等が選択され、中
でも繊維表面が粗であることが好ましく、更に、中空の
繊維であることが好適であることは言うまでもない。
【0010】而して、繊維表面に無機粉体を担持させる
ことで、繊維表面には、無機粉体の薄層がポーラス状に
形成されることになり、更には、無機粉体が歪な形状の
大小様々な凹凸を形成することに加えて、無機粉体が複
雑に絡まって枝状に広がることから、繊維表面は多様な
形状を呈することになる。
ことで、繊維表面には、無機粉体の薄層がポーラス状に
形成されることになり、更には、無機粉体が歪な形状の
大小様々な凹凸を形成することに加えて、無機粉体が複
雑に絡まって枝状に広がることから、繊維表面は多様な
形状を呈することになる。
【0011】特に天然繊維の場合は、その表面に、歪で
複雑な形状の筋状の凹溝を多数有したり、複雑な形状の
大小様々な窪みを有したりし、中でも椰子繊維は、大小
様々な連続孔隙を中空状に有していることから、その繊
維表面は一層多様な形状を呈することになるもので、天
然繊維と化学繊維のいずれを問わず、繊維表面に無機粉
体を担持させることで、微生物にとって恰好の生息環境
が繊維表面に形成されることになる。
複雑な形状の筋状の凹溝を多数有したり、複雑な形状の
大小様々な窪みを有したりし、中でも椰子繊維は、大小
様々な連続孔隙を中空状に有していることから、その繊
維表面は一層多様な形状を呈することになるもので、天
然繊維と化学繊維のいずれを問わず、繊維表面に無機粉
体を担持させることで、微生物にとって恰好の生息環境
が繊維表面に形成されることになる。
【0012】しかも、繊維表面が多様な形状を呈して、
流水に対する水質浄化材の接触面積が膨大になることか
ら、本発明にかゝる水質浄化材は、水質浄化に必要な多
様な微生物の多くを担持する機能を有するのであって、
従来に比較して有効微生物の利用による水質浄化能力が
格段にアップし、水中のSS(浮遊物質)の吸着面でも
優れたものとなる。
流水に対する水質浄化材の接触面積が膨大になることか
ら、本発明にかゝる水質浄化材は、水質浄化に必要な多
様な微生物の多くを担持する機能を有するのであって、
従来に比較して有効微生物の利用による水質浄化能力が
格段にアップし、水中のSS(浮遊物質)の吸着面でも
優れたものとなる。
【0013】一方、無機粉体としては、例えばCa、M
g、Al、Fe、Si、Ti等を主成分とする天然又は
合成の酸化物、水酸化物、炭酸塩又はそれらの複合酸化
物、複合炭酸塩及びそれらの有機金属化合物の少なくと
も一種が選択される。
g、Al、Fe、Si、Ti等を主成分とする天然又は
合成の酸化物、水酸化物、炭酸塩又はそれらの複合酸化
物、複合炭酸塩及びそれらの有機金属化合物の少なくと
も一種が選択される。
【0014】具体的には、酸化物としては、例えばCa
O、MgO、FeO、Fe2 O3 、Fe3 O4 、Al2
O3 、SiO2 、TiO2 などが選択され、水酸化物と
しては、Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、Fe(O
H)2 、Al(OH)2 などが選択される。
O、MgO、FeO、Fe2 O3 、Fe3 O4 、Al2
O3 、SiO2 、TiO2 などが選択され、水酸化物と
しては、Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、Fe(O
H)2 、Al(OH)2 などが選択される。
【0015】炭酸塩としては、CaCO3 、MgCO3
などが選択され、複合酸化物としては、MgSiO4 、
Ca2 SiO4 、CaTiO3 、Al2 O3 などが選択
され、複合炭酸塩としては、例えばCaMg(CO3 )
2 が選択され、有機金属化合物としては、トリアルコキ
シアルミニウム、テトラアルコキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラアルコキシチタンなどが選択され
る。
などが選択され、複合酸化物としては、MgSiO4 、
Ca2 SiO4 、CaTiO3 、Al2 O3 などが選択
され、複合炭酸塩としては、例えばCaMg(CO3 )
2 が選択され、有機金属化合物としては、トリアルコキ
シアルミニウム、テトラアルコキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラアルコキシチタンなどが選択され
る。
【0016】ここで、繊維表面に担持させる無機粉体と
して、例えばCa、Mg、Al、Fe系のものを選択し
た場合は、流水中のリン濃度を下げることができる。
して、例えばCa、Mg、Al、Fe系のものを選択し
た場合は、流水中のリン濃度を下げることができる。
【0017】即ち、無機粉体として,例えばCa(O
H)2 (消石灰)を選択した場合は、これと流水中のH
3 PO4 (リン酸)とが次式(1)の通り反応して、H
3 PO4 がCa3 )PO4 )2 (リン酸カルシウム)と
して繊維表面に捕捉されるのであって、流水中のリン濃
度が低下するのである。
H)2 (消石灰)を選択した場合は、これと流水中のH
3 PO4 (リン酸)とが次式(1)の通り反応して、H
3 PO4 がCa3 )PO4 )2 (リン酸カルシウム)と
して繊維表面に捕捉されるのであって、流水中のリン濃
度が低下するのである。
【0018】 3Ca(OH)2+2H3 PO4 →Ca3(PO4)2 +6H2 O……式(1)
【0019】その他の無機粉体によるリン酸の捕捉につ
いては、反応式のみを下記する。
いては、反応式のみを下記する。
【0020】 3Mg(OH)2 +2H3 PO4 →Mg3(PO4)・4H2 O+2H2 O Al2 O3 +2H3 PO4 →2〔AlPO4 ・2H2 O〕 Fe2 O3 +2H3 PO4 →2〔FePO4 ・2H2 O〕 3CaCO3 +2H3 PO4 →Ca3(PO4)2 +3H2 O+3CO2 3CaMg(CO3 )2 +2H3 PO4 →Ca3 (PO4 )2 +Mg3 (P O 4 )2 ・4H2 O+6CO2 +2H2 O
【0021】繊維表面にSiO2 を担持させた場合は、
繊維表面にSi−OH基が導入されることで、微生物と
の相互作用が向上し、中でも植物製の天然繊維にSiO
2 やエチルシリケートを担持させれば、繊維表面に親水
性のシラノール基が導入されることで、水質浄化材の親
水性が向上する利点がある。
繊維表面にSi−OH基が導入されることで、微生物と
の相互作用が向上し、中でも植物製の天然繊維にSiO
2 やエチルシリケートを担持させれば、繊維表面に親水
性のシラノール基が導入されることで、水質浄化材の親
水性が向上する利点がある。
【0022】特に、水質浄化材として、植物製の天然繊
維を選択した場合は、この水質浄化材の使用済み後の廃
棄に際して、これを焼却処理しても、公害を引き起こす
ことはなく、或いは、そのまま放置しても、年月を経る
ことで生分解(例えば椰子繊維は4年〜6年で生分解す
る。)して、その現場で自然消滅してしまうので、公害
が生じることはないのである。
維を選択した場合は、この水質浄化材の使用済み後の廃
棄に際して、これを焼却処理しても、公害を引き起こす
ことはなく、或いは、そのまま放置しても、年月を経る
ことで生分解(例えば椰子繊維は4年〜6年で生分解す
る。)して、その現場で自然消滅してしまうので、公害
が生じることはないのである。
【0023】請求項3記載の発明では、繊維表面に担持
させた無機粉体に有機官能基を導入させるためのカップ
リング剤を結合させて成るものを水質浄化材としてい
る。
させた無機粉体に有機官能基を導入させるためのカップ
リング剤を結合させて成るものを水質浄化材としてい
る。
【0024】カップリング剤としては、例えばN- フェ
ニル- γ- アミノプロピルトリメトキシシランや、N-
β(アミノエチル)γ- アミノプロピルトリメトキシシ
ランと言ったシラン系のものや、イソプロピルトリ(n
- アミノエチル- アミノエチル)チタネートと言ったチ
タネート系のもの、その他、アルミニウム系、フォスフ
ェート系のものが選択され、これらのカップリング剤
は、繊維表面に担持させた無機粉体と結合し、繊維表面
に有機官能基を導入するもので、カップリング剤の選択
によって、繊維表面に様々な有機官能基を導入させるこ
とができる。
ニル- γ- アミノプロピルトリメトキシシランや、N-
β(アミノエチル)γ- アミノプロピルトリメトキシシ
ランと言ったシラン系のものや、イソプロピルトリ(n
- アミノエチル- アミノエチル)チタネートと言ったチ
タネート系のもの、その他、アルミニウム系、フォスフ
ェート系のものが選択され、これらのカップリング剤
は、繊維表面に担持させた無機粉体と結合し、繊維表面
に有機官能基を導入するもので、カップリング剤の選択
によって、繊維表面に様々な有機官能基を導入させるこ
とができる。
【0025】即ち、有機官能基としては、ビニル基、グ
リシドキシ基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト
基、アルキル基、エステル基等があり、これらのうち、
微生物の生息に適した官能基を選択することは容易に可
能であるが、どのようなカップリング剤を用いても、繊
維表面に微生物が集まりやすい状態、即ち、生物親和性
の状態を作ることができるのであって、繊維表面に様々
な有機官能基を導入させることは、請求項1及び2記載
の水質浄化材による微生物利用の水質浄化能力を、飛躍
的にアップさせることに繋がるのである。
リシドキシ基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト
基、アルキル基、エステル基等があり、これらのうち、
微生物の生息に適した官能基を選択することは容易に可
能であるが、どのようなカップリング剤を用いても、繊
維表面に微生物が集まりやすい状態、即ち、生物親和性
の状態を作ることができるのであって、繊維表面に様々
な有機官能基を導入させることは、請求項1及び2記載
の水質浄化材による微生物利用の水質浄化能力を、飛躍
的にアップさせることに繋がるのである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は水質浄化材1の担持単位体
Aを示し、図3は顕微鏡写真を図面化した椰子繊維表面
の詳細を示すものであって、前記水質浄化材1の素材と
して、天然繊維である椰子繊維(これの長さは100〜
200mm位で、直径は0.1〜1mm程度である。)
aを用いて、この繊維表面に無機粉体bを担持させ、更
に、繊維表面に有機官能基を導入させるために、前記無
機粉体bにカップリング剤cを結合させて、繊維表面の
改質調製を行っている。
に基づいて説明する。図1は水質浄化材1の担持単位体
Aを示し、図3は顕微鏡写真を図面化した椰子繊維表面
の詳細を示すものであって、前記水質浄化材1の素材と
して、天然繊維である椰子繊維(これの長さは100〜
200mm位で、直径は0.1〜1mm程度である。)
aを用いて、この繊維表面に無機粉体bを担持させ、更
に、繊維表面に有機官能基を導入させるために、前記無
機粉体bにカップリング剤cを結合させて、繊維表面の
改質調製を行っている。
【0027】繊維表面の改質調製例については後述する
が、この実施の形態では、調製された椰子繊維aの複数
本(例えば5本〜30本)を、好ましくは同じ椰子繊維
aで束ねて、これを水質浄化材1とし、この水質浄化材
1の複数本を、それ自体が浮遊可能な板状部材2の一側
面に、3〜10cmの間隔で植え付け、必要に応じて板
状部材2の周部にフロート3を設け、かつ、板状部材2
の長手方向の両側に係止リンク4を備えた係留紐5を設
けて、水質浄化材1の担持単位体Aを構成しているので
ある。
が、この実施の形態では、調製された椰子繊維aの複数
本(例えば5本〜30本)を、好ましくは同じ椰子繊維
aで束ねて、これを水質浄化材1とし、この水質浄化材
1の複数本を、それ自体が浮遊可能な板状部材2の一側
面に、3〜10cmの間隔で植え付け、必要に応じて板
状部材2の周部にフロート3を設け、かつ、板状部材2
の長手方向の両側に係止リンク4を備えた係留紐5を設
けて、水質浄化材1の担持単位体Aを構成しているので
ある。
【0028】河川や湖沼などの開放水系の水質浄化に際
しては、例えば図2に示すように、河川や湖沼などから
浄化用の開放水路Wを分流させて、この水路Wの流水方
向と幅方向とに所定の間隔を隔てて杭6を打設し、か
つ、水質浄化材1を開放水路Wの流水中に垂れ下げるよ
うに、担持単位体Aの表裏の向きを定めて、担持単位体
A両側のリンク4を杭6に係止させるのである。
しては、例えば図2に示すように、河川や湖沼などから
浄化用の開放水路Wを分流させて、この水路Wの流水方
向と幅方向とに所定の間隔を隔てて杭6を打設し、か
つ、水質浄化材1を開放水路Wの流水中に垂れ下げるよ
うに、担持単位体Aの表裏の向きを定めて、担持単位体
A両側のリンク4を杭6に係止させるのである。
【0029】このようにして流水中に垂れ下げた水質浄
化材1の椰子繊維aは、顕微鏡写真を図面化した図3に
照らして明らかなように、その表面には、歪で複雑な形
状の筋状の凹溝dを多数有する上に、複雑な形状の大小
様々な窪みeを有し、更に、図示はしないが、大小様々
な連続孔隙を中空状に有するのであり、加えて、この複
雑な形状の繊維表面に無機粉体bを担持させたことで、
繊維表面には、無機粉体bの薄層がポーラス状に形成さ
れることになる。
化材1の椰子繊維aは、顕微鏡写真を図面化した図3に
照らして明らかなように、その表面には、歪で複雑な形
状の筋状の凹溝dを多数有する上に、複雑な形状の大小
様々な窪みeを有し、更に、図示はしないが、大小様々
な連続孔隙を中空状に有するのであり、加えて、この複
雑な形状の繊維表面に無機粉体bを担持させたことで、
繊維表面には、無機粉体bの薄層がポーラス状に形成さ
れることになる。
【0030】更には、無機粉体bが歪な形状の大小様々
な凹凸を形成することに加えて、無機粉体aが複雑に絡
まって枝状に広がることから、繊維表面は一層多様な形
状を呈することになり、微生物にとって恰好の生息環境
が形成されることになる。
な凹凸を形成することに加えて、無機粉体aが複雑に絡
まって枝状に広がることから、繊維表面は一層多様な形
状を呈することになり、微生物にとって恰好の生息環境
が形成されることになる。
【0031】加えて、繊維表面の無機粉体bにカップリ
ング剤cを結合させて、繊維表面に有機官能基を導入さ
せているので、かつ、有機官能基として、微生物の生息
に適したものを選択することが容易に可能であることか
ら、繊維表面に微生物が集まりやすい状態が作られるよ
うになり、微生物にとって一層好適な生息環境が繊維表
面に形成されることになる。
ング剤cを結合させて、繊維表面に有機官能基を導入さ
せているので、かつ、有機官能基として、微生物の生息
に適したものを選択することが容易に可能であることか
ら、繊維表面に微生物が集まりやすい状態が作られるよ
うになり、微生物にとって一層好適な生息環境が繊維表
面に形成されることになる。
【0032】そして、表面形状が多様になることは即
ち、流水に対する水質浄化材1の接触面積が極めて大き
くなることであり、かつ、椰子繊維aが植物性であっ
て、微生物との親和性が高いことも相乗して、水質浄化
材1には、水質浄化に必要な多様な有効微生物の多く
が、恰好の生息環境下に置かれて担持されるようにな
り、従って、多様な微生物の働きによる流水中のBOD
やCODなどの除去能力が、従来に比較して飛躍的にア
ップするのであり、水中のSS(浮遊物質)の吸着面で
も優れたものとなる。
ち、流水に対する水質浄化材1の接触面積が極めて大き
くなることであり、かつ、椰子繊維aが植物性であっ
て、微生物との親和性が高いことも相乗して、水質浄化
材1には、水質浄化に必要な多様な有効微生物の多く
が、恰好の生息環境下に置かれて担持されるようにな
り、従って、多様な微生物の働きによる流水中のBOD
やCODなどの除去能力が、従来に比較して飛躍的にア
ップするのであり、水中のSS(浮遊物質)の吸着面で
も優れたものとなる。
【0033】一方、無機粉体bとして、例えばCa、M
g、Al、Fe系のものを選択すれば、流水中のリン酸
や窒素が無機粉体bに捕捉されることで、リン濃度や窒
素濃度を下げることができるのであり、そして、使用済
み後の水質浄化材1の廃棄に際して、この水質浄化材1
を自然界に存する植物性の椰子繊維aとしているので、
これを焼却処理しても、公害を引き起こすことはなく、
或いは、そのまま放置しても、椰子繊維aは4年〜6年
の年月を経ることで生分解して、その現場で自然消滅し
てしまうので、公害は生じることがないのである。
g、Al、Fe系のものを選択すれば、流水中のリン酸
や窒素が無機粉体bに捕捉されることで、リン濃度や窒
素濃度を下げることができるのであり、そして、使用済
み後の水質浄化材1の廃棄に際して、この水質浄化材1
を自然界に存する植物性の椰子繊維aとしているので、
これを焼却処理しても、公害を引き起こすことはなく、
或いは、そのまま放置しても、椰子繊維aは4年〜6年
の年月を経ることで生分解して、その現場で自然消滅し
てしまうので、公害は生じることがないのである。
【0034】上記の担持単位体Aの水質浄化材1を流水
中に垂れ下げるのではなく、図4に示すように、担持単
位体Aの水質浄化材1を流水中に立錐させるようにして
もよいのであり、即ち、図5に示すように、上記の椰子
繊維aの複数本を束ねて成る水質浄化材1を、例えばコ
ンクリート製の沈降部材7の上面部に3〜10cmの間
隔で植え付けて、水質浄化材1の担持単位体Aを構成
し、この担持単位体Aを開放水路Wの水底に配置し、か
つ、必要に応じてアンカーで固定するようにしてもよい
のである。
中に垂れ下げるのではなく、図4に示すように、担持単
位体Aの水質浄化材1を流水中に立錐させるようにして
もよいのであり、即ち、図5に示すように、上記の椰子
繊維aの複数本を束ねて成る水質浄化材1を、例えばコ
ンクリート製の沈降部材7の上面部に3〜10cmの間
隔で植え付けて、水質浄化材1の担持単位体Aを構成
し、この担持単位体Aを開放水路Wの水底に配置し、か
つ、必要に応じてアンカーで固定するようにしてもよい
のである。
【0035】このように、流水中に垂れ下げたり立錐さ
せたりする水質浄化材1として、上記の各実施の形態で
は、椰子繊維aの複数本を束ねているが、椰子繊維aの
1本ずつを水質浄化材1として、これを板状部材2や沈
降部材7に植え付けて、担持単位体Aとしてもよいので
ある。
せたりする水質浄化材1として、上記の各実施の形態で
は、椰子繊維aの複数本を束ねているが、椰子繊維aの
1本ずつを水質浄化材1として、これを板状部材2や沈
降部材7に植え付けて、担持単位体Aとしてもよいので
ある。
【0036】或いは図示はしないが、水質浄化材1とし
て、表皮を取り除いた椰子殻そのものを繊維の方向で細
長くなるように複数個に分割したものとし、具体的に
は、椰子殻を長さ10〜20cm、太さ0.5〜5cm
の細長状に破砕して、これの表面に無機粉体bを担持さ
せ且つカップリング剤cを結合させたものを水質浄化材
1として、これを3〜10cm間隔で板状部材2や沈降
部材7に植え付けるようにしてもよいのである。
て、表皮を取り除いた椰子殻そのものを繊維の方向で細
長くなるように複数個に分割したものとし、具体的に
は、椰子殻を長さ10〜20cm、太さ0.5〜5cm
の細長状に破砕して、これの表面に無機粉体bを担持さ
せ且つカップリング剤cを結合させたものを水質浄化材
1として、これを3〜10cm間隔で板状部材2や沈降
部材7に植え付けるようにしてもよいのである。
【0037】図6は別の実施の形態による水質浄化材1
を示しており、この水質浄化材1は、表面改質させた椰
子繊維aを複数本束ねて紐状体8を形成し、この紐状体
8を粗い目合い(3〜5cm程度)の網状体9に構成し
て成るもので、開放水系の水質浄化に際しては、例えば
図7に示すように、網状体9の複数枚を、それらの一側
辺を係留紐10によって連結すると共に、他側辺の両隅
に垂下錘11を設けたものを担持単位体Aとして、この
担持単位体Aの複数を、それの水質浄化材1が流水を遮
るように、開放水路Wの流水方向に多段的に吊り下げ配
置するのである。
を示しており、この水質浄化材1は、表面改質させた椰
子繊維aを複数本束ねて紐状体8を形成し、この紐状体
8を粗い目合い(3〜5cm程度)の網状体9に構成し
て成るもので、開放水系の水質浄化に際しては、例えば
図7に示すように、網状体9の複数枚を、それらの一側
辺を係留紐10によって連結すると共に、他側辺の両隅
に垂下錘11を設けたものを担持単位体Aとして、この
担持単位体Aの複数を、それの水質浄化材1が流水を遮
るように、開放水路Wの流水方向に多段的に吊り下げ配
置するのである。
【0038】或いは図8に示すように、網状体9の複数
枚を、それらの一側辺と他側辺をそれぞれ係留紐10で
連結したものを担持単位体Aとし、この担持単位体Aの
複数を、それの水質浄化材1が流水に沿うように、開放
水路Wの深さ方向に多段的に配置してもよいのである。
枚を、それらの一側辺と他側辺をそれぞれ係留紐10で
連結したものを担持単位体Aとし、この担持単位体Aの
複数を、それの水質浄化材1が流水に沿うように、開放
水路Wの深さ方向に多段的に配置してもよいのである。
【0039】図9は更なる別の実施の形態による水質浄
化材1を示しており、この実施の形態では、1〜3cm
程度の椰子殻の破砕物fと、椰子殻から取り出した椰子
繊維aと、2〜5cm程度に裁断した椰子繊維の裁断物
hの少なくとも一種を表面改質し、これを好適には、同
じく表面改質させた椰子繊維製の網状体による袋12に
収容して、水質浄化材1を細長い棒状のものに構成して
いる。
化材1を示しており、この実施の形態では、1〜3cm
程度の椰子殻の破砕物fと、椰子殻から取り出した椰子
繊維aと、2〜5cm程度に裁断した椰子繊維の裁断物
hの少なくとも一種を表面改質し、これを好適には、同
じく表面改質させた椰子繊維製の網状体による袋12に
収容して、水質浄化材1を細長い棒状のものに構成して
いる。
【0040】尚、網状袋12を短くしたり球形に形成し
たりしてもよく、或いは、座布団のように偏平に形成し
てもよいのである。
たりしてもよく、或いは、座布団のように偏平に形成し
てもよいのである。
【0041】開放水系の水質浄化に際しては、例えば図
10に示すように、水質浄化材1を開放水路Wの水底に
敷き詰めるように配置するのであるが、上下に複数段に
わたって積み重ねたり、水質浄化材1の複数個を互いに
連結して、水中に漂わせるようにしてもよいのであり、
何れにしても、図示はしないがアンカーや係留紐などを
設けて、水質浄化材1を所定位置に保持させることが肝
要である。
10に示すように、水質浄化材1を開放水路Wの水底に
敷き詰めるように配置するのであるが、上下に複数段に
わたって積み重ねたり、水質浄化材1の複数個を互いに
連結して、水中に漂わせるようにしてもよいのであり、
何れにしても、図示はしないがアンカーや係留紐などを
設けて、水質浄化材1を所定位置に保持させることが肝
要である。
【0042】上記の各種実施の形態では、開放水系の水
質浄化に際して、河川や湖沼などから浄化用の開放水路
Wを分流させるようにしているが、河川や湖沼などの開
放水系に、直接的に水質浄化材1を配置する水質浄化の
形態をとるようにしてもよいのであり、また、各種実施
の形態による水質浄化材1を、担持単位体Aの構成単位
ごとに開放水路Wに配置しているが、例えば図2と図4
とに示す水質浄化の態様を組み合わせる等の複合形態を
とったり、更に、例えば図7に示す水質浄化の態様を複
合させたりするなど、各種の水質浄化の態様を任意に複
合させる実施が可能であることは言うまでもない。
質浄化に際して、河川や湖沼などから浄化用の開放水路
Wを分流させるようにしているが、河川や湖沼などの開
放水系に、直接的に水質浄化材1を配置する水質浄化の
形態をとるようにしてもよいのであり、また、各種実施
の形態による水質浄化材1を、担持単位体Aの構成単位
ごとに開放水路Wに配置しているが、例えば図2と図4
とに示す水質浄化の態様を組み合わせる等の複合形態を
とったり、更に、例えば図7に示す水質浄化の態様を複
合させたりするなど、各種の水質浄化の態様を任意に複
合させる実施が可能であることは言うまでもない。
【0043】また、上記の各実施の形態において、水質
浄化材1の素材として、天然繊維である椰子繊維aを用
いているが、綿、麻、ジュウト、ビンロウジュ、羊毛等
の天然繊維を用いてもよいのであり、或いは、セルロー
ス、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン等の化学繊
維に置換してもよいのであって、化学繊維を用いる場合
は、流水との接触面積の増大を図る上で、繊維表面が粗
であることが好ましく、更に、中空の繊維であることが
望ましい。
浄化材1の素材として、天然繊維である椰子繊維aを用
いているが、綿、麻、ジュウト、ビンロウジュ、羊毛等
の天然繊維を用いてもよいのであり、或いは、セルロー
ス、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン等の化学繊
維に置換してもよいのであって、化学繊維を用いる場合
は、流水との接触面積の増大を図る上で、繊維表面が粗
であることが好ましく、更に、中空の繊維であることが
望ましい。
【0044】更には、水質浄化材1として、それの繊維
表面に無機粉体bを担持させるだけの表面改質であって
も、有効微生物の利用による水質の浄化能力が極めて優
れたものになることから、カップリング剤cによる有機
官能基の導入を省略してもよいのであり、かつ、表面改
質を一切しない繊維を併用してもよいのである。
表面に無機粉体bを担持させるだけの表面改質であって
も、有効微生物の利用による水質の浄化能力が極めて優
れたものになることから、カップリング剤cによる有機
官能基の導入を省略してもよいのであり、かつ、表面改
質を一切しない繊維を併用してもよいのである。
【0045】即ち、表面に無機粉体bのみを担持させた
天然繊維と化学繊維の二種類の繊維と、無機粉体bにカ
ップリング剤cを結合させて有機官能基を導入させた二
種類の繊維の合計四種類の繊維を、それぞれ単独で用い
て水質浄化材1としたり、複合させて水質浄化材1とし
たりし、更に、表面改質を一切しない天然繊維と化学繊
維の二種類の繊維を併用して水質浄化材1としてもよい
のである。
天然繊維と化学繊維の二種類の繊維と、無機粉体bにカ
ップリング剤cを結合させて有機官能基を導入させた二
種類の繊維の合計四種類の繊維を、それぞれ単独で用い
て水質浄化材1としたり、複合させて水質浄化材1とし
たりし、更に、表面改質を一切しない天然繊維と化学繊
維の二種類の繊維を併用して水質浄化材1としてもよい
のである。
【0046】繊維表面の改質に際して、その際に用いる
無機粉体bの平均粒子径は、それが有機金属化合物以外
の酸化物、水酸化物等の場合、10nm〜10μmが適
しており、それらの無機粉体bを水または有機溶媒に分
散させた後、天然または化学繊維aを浸漬し、常圧また
は減圧下で所定時間静置し、その後、乾燥させるものと
する。
無機粉体bの平均粒子径は、それが有機金属化合物以外
の酸化物、水酸化物等の場合、10nm〜10μmが適
しており、それらの無機粉体bを水または有機溶媒に分
散させた後、天然または化学繊維aを浸漬し、常圧また
は減圧下で所定時間静置し、その後、乾燥させるものと
する。
【0047】有機金属化合物の場合は、乾燥後の天然ま
たは化学繊維aを空気中または水蒸気中に放置し、加水
分解を進行させて表面改質するのであって、加水分解し
た有機金属化合物は繊維表面に、SiO2 、Al
2 O3 、TiO2 の形で存在する。
たは化学繊維aを空気中または水蒸気中に放置し、加水
分解を進行させて表面改質するのであって、加水分解し
た有機金属化合物は繊維表面に、SiO2 、Al
2 O3 、TiO2 の形で存在する。
【0048】上記の各種無機粉体bの繊維aへの付着性
を高めるために、アクリル等の樹脂やポリビニルアルコ
ール等の糊剤などを添加してもよいのであり、また、浸
漬による無機粉体bの担持に代えて、無機粉体bを分散
させたスラリーを繊維表面に噴霧させる担持態様をとっ
てもよいのであり、いずれにしても無機粉体bの付着厚
みは、その粒子径にもよるが、0.1μm〜100μm
程度であることが望ましい。
を高めるために、アクリル等の樹脂やポリビニルアルコ
ール等の糊剤などを添加してもよいのであり、また、浸
漬による無機粉体bの担持に代えて、無機粉体bを分散
させたスラリーを繊維表面に噴霧させる担持態様をとっ
てもよいのであり、いずれにしても無機粉体bの付着厚
みは、その粒子径にもよるが、0.1μm〜100μm
程度であることが望ましい。
【0049】〔表面改質の具体例と水質浄化の評価につ
いて〕平均粒子径3μmのCa(OH)2 の5%懸濁液
中に、長さ100〜200mmで直径が0.1〜1mm
の椰子繊維と、長さが200mmで直径が0.5mmの
ポリエチレン糸とを浸漬し、減圧下(約400hPa)
で24時間放置した後、110℃で24時間乾燥させ
た。
いて〕平均粒子径3μmのCa(OH)2 の5%懸濁液
中に、長さ100〜200mmで直径が0.1〜1mm
の椰子繊維と、長さが200mmで直径が0.5mmの
ポリエチレン糸とを浸漬し、減圧下(約400hPa)
で24時間放置した後、110℃で24時間乾燥させ
た。
【0050】この他にも、椰子繊維に対してSiO2 と
CaMg(CO3 )2 の5%懸濁液を用いて、上記と同
じ条件で繊維表面の改質調製を実施し、ポリプロピレン
糸に対してAl2 O3 の5%懸濁液を用いて、かつ、ポ
リエチレン糸に対してCa(OH)2 の5%懸濁液を用
いて、上記と同じ条件で繊維表面の改質調製を実施し、
更に、椰子繊維とポリエステル糸とに対してテトラエト
キシシランを用いて、上記と同じ条件でその乾燥後に、
これら椰子繊維とポリエステル糸とを大気中で72時間
放置し、加水分解を進ませる改質調製を実施した。
CaMg(CO3 )2 の5%懸濁液を用いて、上記と同
じ条件で繊維表面の改質調製を実施し、ポリプロピレン
糸に対してAl2 O3 の5%懸濁液を用いて、かつ、ポ
リエチレン糸に対してCa(OH)2 の5%懸濁液を用
いて、上記と同じ条件で繊維表面の改質調製を実施し、
更に、椰子繊維とポリエステル糸とに対してテトラエト
キシシランを用いて、上記と同じ条件でその乾燥後に、
これら椰子繊維とポリエステル糸とを大気中で72時間
放置し、加水分解を進ませる改質調製を実施した。
【0051】また、上記の表面改質後に、適宜の繊維の
無機粉体に有機官能基を導入させるために、イソプロピ
ルトリ(n- アミノエチル- アミノエチル)チタネート
と、N- フェニル- γ- アミノプロピルトリメトキシシ
ランと、N- β(アミノエチル)γ- アミノプロピルト
リメトキシシランの三種類のカップリング剤を結合させ
た。
無機粉体に有機官能基を導入させるために、イソプロピ
ルトリ(n- アミノエチル- アミノエチル)チタネート
と、N- フェニル- γ- アミノプロピルトリメトキシシ
ランと、N- β(アミノエチル)γ- アミノプロピルト
リメトキシシランの三種類のカップリング剤を結合させ
た。
【0052】更に、椰子繊維に対してSiO2 の5%懸
濁液を噴霧する表面改質の調製も実施した。
濁液を噴霧する表面改質の調製も実施した。
【0053】これらの繊維による水質浄化のテストのた
めに、下水処理場の活性汚泥を採取して、SS(活性汚
泥固形物濃度)が2000mg/lになるように希釈す
る一方、上記の表面改質繊維を50mm長さに切って、
それの0.5gを300mlのビーカーに入れ、かつ、
希釈した汚泥の200mlを加えて、人工排水を毎日加
えながら、バイオシェーカーにて攪拌することを1週間
継続したのである。
めに、下水処理場の活性汚泥を採取して、SS(活性汚
泥固形物濃度)が2000mg/lになるように希釈す
る一方、上記の表面改質繊維を50mm長さに切って、
それの0.5gを300mlのビーカーに入れ、かつ、
希釈した汚泥の200mlを加えて、人工排水を毎日加
えながら、バイオシェーカーにて攪拌することを1週間
継続したのである。
【0054】このテストによる繊維への付着物量、p
H、上澄液のCOD、リン濃度、窒素濃度の測定結果
を、表1及び表2に示す。
H、上澄液のCOD、リン濃度、窒素濃度の測定結果
を、表1及び表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】表1,2から明らかなように、無機粉体を
担持させた繊維と、カップリング処理した繊維とでは、
表面改質を施さない繊維に比較して、付着物量が2倍か
ら4倍に増大し、リン濃度と窒素濃度とについては、2
/3〜1/5程度にまで大幅に低下したのであって、本
発明による水質浄化材は、水質の浄化能力が極めて高い
と評価される。
担持させた繊維と、カップリング処理した繊維とでは、
表面改質を施さない繊維に比較して、付着物量が2倍か
ら4倍に増大し、リン濃度と窒素濃度とについては、2
/3〜1/5程度にまで大幅に低下したのであって、本
発明による水質浄化材は、水質の浄化能力が極めて高い
と評価される。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、水質浄化
材として、これを繊維製にし、かつ、その表面に無機粉
体を担持させたのであって、繊維表面が多様な形状を呈
して、微生物にとって恰好の生息環境が繊維表面に形成
されることに加えて、流水に対する接触面積が膨大にな
ることから、本発明による水質浄化材によれば、水質浄
化にとって必要な多様な微生物の多くを、恰好の生息環
境の下で担持させ得るもので、有効微生物の利用による
水質浄化能力が格段にアップし、水中のSS(浮遊物
質)の吸着面でも優れたものとなる。
材として、これを繊維製にし、かつ、その表面に無機粉
体を担持させたのであって、繊維表面が多様な形状を呈
して、微生物にとって恰好の生息環境が繊維表面に形成
されることに加えて、流水に対する接触面積が膨大にな
ることから、本発明による水質浄化材によれば、水質浄
化にとって必要な多様な微生物の多くを、恰好の生息環
境の下で担持させ得るもので、有効微生物の利用による
水質浄化能力が格段にアップし、水中のSS(浮遊物
質)の吸着面でも優れたものとなる。
【0059】特に植物製の天然繊維を選択した場合は、
使用済み後に焼却処理しても、公害を引き起こすことは
なく、或いは、そのまま放置しても、年月を経ることで
生分解して、その現場で自然消滅してしまうので、公害
が生じることはない。
使用済み後に焼却処理しても、公害を引き起こすことは
なく、或いは、そのまま放置しても、年月を経ることで
生分解して、その現場で自然消滅してしまうので、公害
が生じることはない。
【0060】また、繊維表面に担持させた無機粉体は、
富栄養化の基である窒素やリンなどの捕捉能力を有する
のであって、本発明による水質浄化材は、流水中のリン
濃度や窒素濃度を低下させる上でも頗る好適である。
富栄養化の基である窒素やリンなどの捕捉能力を有する
のであって、本発明による水質浄化材は、流水中のリン
濃度や窒素濃度を低下させる上でも頗る好適である。
【0061】これに加えて、上記の無機粉体に各種のカ
ップリング剤を結合させれば、繊維表面に様々な有機官
能基を導入させることができるのであって、この有機官
能基は、繊維表面に微生物が集まりやすい状態を作るこ
とから、微生物利用の水質浄化能力を更にアップさせる
ことができる。
ップリング剤を結合させれば、繊維表面に様々な有機官
能基を導入させることができるのであって、この有機官
能基は、繊維表面に微生物が集まりやすい状態を作るこ
とから、微生物利用の水質浄化能力を更にアップさせる
ことができる。
【図1】水質浄化材を垂れ下げるように備えた担持単位
体の斜視図である。
体の斜視図である。
【図2】水質浄化材を開放水路に垂れ下げさせた水質浄
化の説明図である。
化の説明図である。
【図3】顕微鏡写真を図面化し、かつ、その一部を取り
出して拡大図示した椰子繊維表面の模式図である。
出して拡大図示した椰子繊維表面の模式図である。
【図4】水質浄化材を開放水路に立錐させた水質浄化の
説明図である。
説明図である。
【図5】水質浄化材を立錐させるように備えた担持単位
体の斜視図である。
体の斜視図である。
【図6】別の実施の形態による水質浄化材の部分斜視図
である。
である。
【図7】水質浄化材を開放水路の流水方向に多段的に吊
り下げ配置した水質浄化の説明図である。
り下げ配置した水質浄化の説明図である。
【図8】水質浄化材を水路の深さ方向に多段的に配置し
た水質浄化の説明図である。
た水質浄化の説明図である。
【図9】更なる別の実施の形態による棒状の水質浄化材
の部分斜視図である。
の部分斜視図である。
【図10】棒状の水質浄化材を水路底部に配置した水質
浄化の説明図である。
浄化の説明図である。
a…天然繊維、b…無機粉体、c…カップリング剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川▲崎▼ 仁士 岡山県津山市高尾590番地の1 日本植生 株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 開放水系の流水中に配置される水質浄化
材であって、天然繊維の表面に無機粉体を担持させて成
ることを特徴とする水質浄化材。 - 【請求項2】 開放水系の流水中に配置される水質浄化
材であって、化学繊維の表面に無機粉体を担持させて成
ることを特徴とする水質浄化材。 - 【請求項3】 繊維表面に担持させた無機粉体に有機官
能基を導入させるためのカップリング剤を結合させて成
ることを特徴とする請求項1または2に記載された水質
浄化材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10038174A JPH11221590A (ja) | 1998-02-04 | 1998-02-04 | 水質浄化材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10038174A JPH11221590A (ja) | 1998-02-04 | 1998-02-04 | 水質浄化材 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003272212A Division JP2004009051A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 水質浄化材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11221590A true JPH11221590A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12518033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10038174A Pending JPH11221590A (ja) | 1998-02-04 | 1998-02-04 | 水質浄化材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11221590A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002238400A (ja) * | 2001-02-15 | 2002-08-27 | Nisshoku Corp | 疑似藻場の造成基体 |
-
1998
- 1998-02-04 JP JP10038174A patent/JPH11221590A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002238400A (ja) * | 2001-02-15 | 2002-08-27 | Nisshoku Corp | 疑似藻場の造成基体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI302905B (en) | Method for purifying contaminated fluid and system for purifying fluid | |
JP4839445B2 (ja) | リン捕集材及びその製造方法並びにリン捕集方法 | |
JP4095029B2 (ja) | 排ガスの精製用生物学的フィルター | |
KR102050972B1 (ko) | 경사형 구심향습지 | |
KR101012414B1 (ko) | 다공성 무기계 흡착재 및 다공성 여과재가 분획 충전된 수생 식물용 식생 매트 | |
Wang et al. | Simultaneous removal of phosphorus and soluble organic pollutants by a novel organic/inorganic nanocomposite membrane via Zr (OH) 4 in-situ decoration | |
JP2004009051A (ja) | 水質浄化材 | |
JP3468725B2 (ja) | 水質浄化材 | |
ES2251622T3 (es) | Utilizacion de un material a base de fibras organicas, y/o inorganicas y chitosan para la fijacion de iones metalicos. | |
KR101222109B1 (ko) | 풀빅산 및 휴민이 함유된 수질정화체를 이용한 수질정화용 블록성형체 | |
JPH11221590A (ja) | 水質浄化材 | |
JPH05220497A (ja) | 水質環境改善浄化材 | |
CN106698677A (zh) | 一种水处理净化装置及其水处理方法 | |
CN111153502A (zh) | 伸缩式碳纤维生态草 | |
EP1452637A1 (en) | Functional plant fiber, a water-improving material, and a soil-protective material | |
CN108911183A (zh) | 一种污水处理用漂浮湿地 | |
Chazarenc et al. | 'Active'filters: a mini-review on the use of industrial by-products for upgrading phosphorus removal from treatment wetlands | |
KR102287696B1 (ko) | 정체수역 수질 개선, 어류산란 및 비오톱 기능을 가지는 단위식생모듈 및 부유습지 | |
JP2002239577A (ja) | 機能性コイアおよび水質改良材ならびに土壌保護材 | |
JPH11262790A (ja) | 浄化処理法、浄化処理材および浄化処理材の再生方法 | |
JP4766535B2 (ja) | 疑似藻場の造成方法 | |
JPH11309449A (ja) | リン吸着材及び自然環境水域のリン除去方法 | |
JP3951175B2 (ja) | 水質浄化材 | |
JPH05253562A (ja) | 廃棄物処理場の汚水処理方法及び汚水処理シート | |
JP2001239227A (ja) | 廃棄物の埋立構造とこの構造を用いた廃棄物処理方法 |