JP4766535B2 - 疑似藻場の造成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海底もしくは養魚場などの池底の環境改善を図るための疑似藻場の造成基体を用いた擬似藻場造成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、我が国では、漁業資源の枯渇が心配されており、この原因の一つとして日本近海における藻場の急激な減少が挙げられている。
【0003】
即ち、浅場の沿岸海域で生育するアマモは、アマモ場といわれる特有の藻場を形成し、幼稚魚はもとより成魚の格好の生育場となることから、このアマモの保存ならびに造成が試みられているのであるが、沿岸域の埋め立てや富栄養化物質による海域の汚染に起因して、これまで幼稚魚や成魚の生育に大きな貢献をしていたアマモ場が急激に縮小あるいは消滅し、近年の沿岸漁獲量の低下は、このアマモ場の減少が原因であるとされているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この改善のために、アマモ場を積極的に人工造成する試みも実施されてはいるが、海域汚染が深刻であるために、人工的に造成したアマモの定着率が十分でなく、また、広範囲にアマモ場を造成するためのアマモ種子の入手も困難である上に、この種子が生長して、アマモ場として機能するまでには長期間を要するもので、いずれにしても早急な海底環境の改善には十分とは言えないのであった。
【0005】
また、海域汚染の回復についても、鋭意研究ならびに工夫が実施されてはいるものの、進展は遅く、生態系の破壊が進行しているのが現状である。
【0006】
これらは海域だけでの問題ではなく、例えば養魚場などにおいても、水質汚染が原因で藻場がダメージを受けて、幼稚魚の餌場や住処が減少したり、異常にアオミドロなどが発生したりする問題があった。
【0007】
本発明は、天然繊維、特にヤシ繊維が、海水中や真水中での微生物の誘因及び増殖を促進するとの知見に基づいて成されたものであって、更に、このヤシ繊維等の天然繊維の表面を炭化することにより、よりその効果が一層優れるという新規な知見に基づいて成されたものであって、その目的は、海底もしくは養魚場などの池底に沈設後、直ちに藻場機能が発揮されると共に、更に水質汚染の回復にも寄与し得る疑似藻場の造成方法を提供する点にある。
【0008】
即ち、本発明による疑似藻場造成方法は、海底もしくは養魚場などの池底に沈設される基盤に、少なくとも表面が炭化せしめられた天然繊維の複数本を撚纏等して太さ3〜20mmで長さ20〜150cmと成した紐状体を適宜の間隔を隔てて立設して成る擬似藻場の造成基体を、前記紐状体が海中もしくは水中に林立して漂うように海底もしくは池底に沈設し、前記紐状体によって微生物の誘引・増殖を促進させて小動物や幼稚魚の餌にすると共に海水や真水の浄化を行うことに特徴がある(請求項1)。天然繊維としては、例えばヤシ、ジュウト、綿、麻、ビンロウジュ、羊毛、絹等が選択され、これらは年月を経て生分解し、自然消滅するので、公害問題を生じることはない。
【0009】
上記構成の造成基体を、例えば海底に沈設すると、この基体に備えた少なくとも表面が炭化せしめられた天然繊維の紐状体がアマモの如く海中に漂って存するようになる。従って、上記構成の造成基体を単に海底に沈設するだけで、海底には、アマモ場に疑似の藻場が直ちに形成されるのであって、これが幼稚魚の住処・拠り所となり、延いては、幼稚魚を餌にする魚類の餌場や産卵場となる。更に、少なくとも表面が炭化せしめられた天然繊維は海水或いは水中の微生物の誘引・増殖を促進し、小動物や幼稚魚の餌となると共に、微生物の繁殖により、富栄養化物質を消化し、海水や真水の浄化をする効果がある。
【0010】
一方、少なくとも表面が炭化された天然繊維自体が微生物との親和性が高いことに加えて、炭化された天然繊維が微生物親和性を更に増強するように、炭化された天然繊維の表面や孔隙に無機微粒子を導入した(請求項2)ことで、本発明による疑似の藻場には、海水中の微生物が多数集積して棲息するようになる。
【0011】
この微生物は、小動物や幼稚魚にとって格好の食餌であることから、これを狙って小動物や幼稚魚が疑似藻場に集まるようになり、更に、この小動物や幼稚魚を餌とする成魚が集まって、所謂食物連鎖が惹起されることで、上記の疑似藻場が良好な漁場を造成することになる。
【0012】
加えて、疑似藻場に集積した多数の微生物は、これが海水中の富栄養化物質を大量に消費して、水質を浄化するのであって、赤潮の発生を抑制したり、海域の環境改善に役立ったりする。
【0013】
即ち、無機微粒子としては、例えばCa、Mg、Al、Fe、Si、Ti等を主成分とする天然又は合成の酸化物、水酸化物、炭酸塩又はそれらの複合酸化物、複合炭酸塩及びそれらの有機金属化合物の少なくとも一種が選択される。
【0014】
具体的には、酸化物として、例えばCaO、MgO、FeO、Fe2O3、Fe3O4、Al2O3、SiO2、TiO2などが選択され、水酸化物としては、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Fe(OH)2、Al(OH)2などが選択される。
【0015】
炭酸塩としては、CaCO3、MgCO3などが選択され、複合酸化物としては、MgSiO4、Ca2SiO4、CaTiO3、Al2O3などが選択され、複合炭酸塩としては、例えばCaMg(CO3)2が選択され、有機金属化合物としては、トリアルコキシアルミニウム、テトラアルコキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアルコキシチタンなどが選択される。
【0016】
これらは何れも、少なくとも表面が炭化された天然繊維の微生物との親和性を増強し、海水中の微生物を多数集積するのであって、例えば水酸化物としてCa(OH)2を導入すれば、表面が炭化せしめられた天然繊維に集積した多数の微生物が、海水中の富栄養化物質である窒素やりん、珪素等を大量に消費し、かつ、Ca(OH)2自体も海水中のりんと反応して、りんを除去するのであって、この水質浄化によって、赤潮の発生が抑制され、海域の環境改善も成されるのである。
【0017】
上記の藻場による漁場の造成ならびに水質浄化による環境改善は、養魚場などにおいても同様に達成されることに変わりはない。
【0018】
好ましくは、微生物の親和性を更に高めるために、無機微粒子に有機官能基を導入するためのカップリング剤を結合させることである(請求項3)。
【0019】
カップリング剤としては、例えばN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランや、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランと言ったシラン系のものや、イソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネートと言ったチタネート系のもの、その他、アルミニウム系、フォスフェート系のものが選択され、これらのカップリング剤は、繊維表面に導入した無機微粒子と結合し、繊維表面に有機官能基を導入するもので、カップリング剤の選択によって、繊維表面に様々な有機官能基を導入させることができる。
【0020】
有機官能基としては、ビニル基、グリシドキシ基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、エステル基等があり、これらのうち、微生物の生息に適した官能基を選択することは容易に可能であって、どのようなカップリング剤を用いても、繊維表面に微生物が集まりやすい状態、即ち、微生物親和性の状態を作ることができるのであって、微生物の集積能力ならびに水質の浄化能力が飛躍的にアップすることから、上記した疑似藻場による漁場の造成にとって、無機微粒子にカップリング剤を結合させることは極めて好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、図1は疑似藻場の造成基体1を海底に沈設した状態を示し、この疑似藻場の造成基体1は、海底に沈設される基盤2に、表面が炭化された天然繊維による紐状体3を適宜の間隔を隔てて立設して成る。
【0022】
天然繊維の表面を炭化するには、例えば、天然繊維を濃硫酸中をくぐらせた後、風乾させたり、繊維を1〜10Vol%の硫酸に5分程度浸漬した後取り出し、110℃で1時間乾燥するなどの方法で、繊維表面が薄く炭化して炭化層Tを形成する。天然繊維は、全体を炭化することもあり、天然繊維を300〜800℃の温度で炭化し、この炭化物を細長い袋体に充填し、上記の表面を炭化した天然繊維と同様に紐状として造成基体1にとりつけるのである。このように炭化した天然繊維は、その表面構造がより複雑な形状を呈することで、微生物親和性が増大し、多様な微生物の棲息環境を提供することができる。取扱いの容易さから言えば、表面を薄く炭化した天然繊維がそのまま繊維状の形態を失わないために、有効である。以下炭化の形態を総称して炭化天然繊維aとして説明する。
【0023】
更に詳しくは、図2に示すように、表面が炭化された天然繊維(この実施の形態では、一部の顕微鏡写真を図面化して示すように、ヤシ繊維を選択しており、このヤシ繊維は、その表面に歪で複雑な形状の筋状の凹溝bを多数有する上に、複雑な形状の大小様々な窪みcを有するもので、接水面積は極めて大である。Tは表面炭化層を示す。)aの表面に、例えばシリカ系の無機微粒子dを導入し、更に、無機微粒子dに有機官能基を導入するために、無機微粒子dにシラン系のカップリング剤eを共有結合させて、繊維表面の改質調製を行っている。
【0024】
そして、この表面が炭化された天然繊維aの複数本を撚纏等して、太さが3〜20mmで長さが20〜150cmの紐状体3と成し、これを立ち姿勢になるように、例えばコンクリート製の基盤2に所定の間隔を隔てて植設している。
【0025】
紐状体3の植設間隔は、3〜10cm間隔など任意であって、その任意の間隔に、上記の紐状体3を1本ずつや例えば3〜7本などを束にして、これを例えば耐塩性の接着剤を用いて基盤2に植設したり、図示するように、紐状体3を繊維糸条5等を用いて針金等の芯材4に縛って、これを基盤2に植設したりするのである。
【0026】
この際、紐状体3を海水中に林立させることが、藻場の造成にとって有効であることから、この実施の形態では、紐状体3の腰を強くする撚纏の手段をとっているが、これに代えて、紐状体3に針金等の芯材を挿入したり、紐状体3の頂部付近に浮子を取り付けたりして、海流等によって紐状体3が容易に倒伏しないようにしてもよい。
【0027】
上記構成の造成基体1を海底に沈設すると、この基体1に備えた炭化天然繊維aの紐状体3がアマモの如く海中に林立して漂うことから、海底には、基体1の沈設後、直ちにアマモ場に疑似の藻場が形成されるのであって、これは幼稚魚の住処・拠り所となり、延いては、幼稚魚を餌にする魚類の餌場や産卵場となる。
【0028】
一方、複雑な表面形状を呈して微生物との親和性が高い炭化天然繊維aに、無機微粒子dを導入して、炭化天然繊維aの微生物親和性を更に増強したことで、この炭化天然繊維aによる上記の疑似藻場には、海水中の大量の微生物が集積して棲息するようになる。
【0029】
即ち、無機微粒子dとして、例えばCaもしくはCa系化合物例えば、Ca(OH)2の0.16%溶液に、天然繊維aまたは紐状体3を3時間程度浸漬させ、これを引き上げて乾燥させた後に前記段落0022で示したような炭化処理を行う。このようにすると、繊維表面や繊維の孔隙に、ヤシ繊維重量の3〜4%のCa(OH)2を導入することができたのであり、このCa導入の繊維は、繊維自体よりも5倍程度の微生物の集積が見られる。
【0030】
これに加えて、炭化せしめられた繊維表面の無機微粒子dにカップリング剤eを結合させて、繊維表面に有機官能基を導入させているので、かつ、有機官能基として、微生物の生息に適したものを選択(この実施の形態では、繊維表面にシリカ系の無機微粒子dを導入し、この無機微粒子dにシラン系のカップリング剤eを共有結合させている。)することが容易に可能であることから、繊維表面には、微生物にとって一層好適な生息環境が形成されることになる。
【0031】
従って、この大量の微生物を格好の食餌にして小動物や幼稚魚が集まり、これを狙って成魚が集まることで、上記の疑似藻場では、所謂食物連鎖が惹起されるようになり、ここに良好な漁場が人工的に造成されることになる。
【0032】
更には、アマモ場に疑似の藻場に集積した多数の微生物は、これが海水中の富栄養化物質を大量に消費して、水質を浄化するのであって、赤潮の発生を抑制したり、海域の環境改善に役立ったりする。
【0033】
即ち、無機微粒子dとしては、Ca、Mg、Al、Fe、Si、Ti等を主成分とする天然又は合成の酸化物、水酸化物、炭酸塩又はそれらの複合酸化物、複合炭酸塩及びそれらの有機金属化合物の少なくとも一種が選択されるが、例えばCa、Mg、Al、Fe系のものを選択すれば、流水中のリン酸や窒素が無機微粒子dに捕捉されることで、リン濃度や窒素濃度を下げることができる。
【0034】
中でも、Ca(OH)2は海水中のりんを反応除去するのであって、これらによる水質浄化によって、赤潮の発生が抑制され、海域の環境改善も成されるのであって、上記のアマモ場に疑似の藻場は、益々良好な漁場機能を発揮するのである。
【0035】
尚、炭化天然繊維aとして、この実施の形態ではヤシ繊維を選択しているが、その他、ジュウト、綿、麻、ビンロウジュ、羊毛、絹等を選択でき、これらの炭化天然繊維aによる紐状体3が比較的短い場合は、図3に示すように、例えば支柱6の上下方向に所定の間隔を隔てて、多数の紐状体3を取り付けて、この支柱6を適宜の間隔で基盤2に立設することで、紐状体3が比的短くとも、これを用いて背の高い疑似藻場を形成することができる。
【0036】
別の実施の形態による疑似藻場の造成基体1を図4に示している。この実施の形態による疑似藻場の造成基体1は、コンクリート製の基盤2にアイボルト7を設けて、このアイボルト7にフロート8を備えた網状体9を取り付ける一方、表面に無機微粒子dを導入し、かつ、無機微粒子dにカップリング剤eを結合させた炭化天然繊維aによる紐状体3を、網状体9の糸条9aに備えて成るもので、かゝる構成によれば、紐状体3が海水中で漂うことに加えて、紐状体3の全体がフロート8の遊動に伴って揺らぐことから、アマモ場に疑似の藻場を、実質的に上下方向で長大なものに形成できる。
【0037】
尚、上記の各実施の形態では、基盤2をコンクリート製にしているが、鋼材を井桁状に組み合わせたり、エキスパンドメタルをカゴ状や筒状に加工した金属製のものにしてもよく、これらは重力物であることから、海底での安定のためには有効であるが、一定の期間を経過すると自然に消失するものであれば、余計な残留物を海底に残さないことからより望ましい。
【0038】
このための基盤2として、図5に示すように、腐食性の繊維による袋体10に土砂11等を充填したものが有効であり、かゝる構成の基盤2によれば、時を経て袋体10が生分解して自然消滅し、土砂11は海底の土砂と同化することから、エコロジーの面で好適であり、形状は特定されないが、例えば偏平のいわゆる座布団状に構成すればよく、必要に応じて基盤2に網状体12を設けて、紐状体3に挿入した針金等の芯材4を基盤2に差し込み、かつ、抜け止めのために紐状体3を網状体12に固縛すれば、エコロジーの面で好適な疑似藻場の造成基体1を得ることができる。また、図5の袋体にアマモの種子を収容し、発芽・生育させることもできる。こうすると、本物のアマモと疑似海草の併用により、本物のアマモが波などによる障害から疑似海草によって保護され、良好な生育を図ることができる。
【0039】
尚、炭化天然繊維aの表面改質に際して、その際に用いる無機微粒子dの平均粒子径は、それが有機金属化合物以外の酸化物、水酸化物等の場合、10nm〜10μmが適しており、それらの無機微粒子dを水または有機溶媒に分散させた後、炭化天然繊維aを浸漬し、常圧または減圧下で所定時間静置し、その後、乾燥させるものとする。
【0040】
有機金属化合物の場合は、乾燥後の炭化天然繊維aを空気中または水蒸気中に放置し、加水分解を進行させて表面改質するのであって、加水分解した有機金属化合物は、繊維表面にSiO2、Al2O3、TiO2の形で存在する。
【0041】
上記の各種無機微粒子dの繊維aへの付着性を高めるために、アクリル等の樹脂やポリビニルアルコール等の糊剤などを添加してもよいのであり、また、浸漬による無機微粒子dの導入に代えて、無機微粒子dを分散させたスラリーを繊維表面に噴霧させる導入態様をとってもよいのであり、いずれにしても無機微粒子dの付着厚みは、その粒子径にもよるが、0.1μm〜100μm程度であることが望ましい。
【0042】
更には、炭化天然繊維aによる紐状体3として、それの繊維表面に無機微粒子dを導入させるだけの表面改質であっても、有効微生物の集積能力が極めて優れたものになることから、カップリング剤eによる有機官能基の導入を省略してもよいのであり、かつ、表面改質を一切しない天然繊維の紐状体3を併用してもよいのである。
【0043】
即ち、表面に無機微粒子dのみを導入した天然繊維aと、カップリング剤eを結合させて有機官能基を導入した天然繊維aとを、それぞれ単独で用いて紐状体3としたり、炭化天然繊維aとこれらを複合して紐状体3としたりし、更には、表面改質を一切しない天然繊維を併用して紐状体3としてもよいのである。
【0044】
また、上記の各実施の形態では、海草の一種であるアマモに似せるように、紐状体3によって、アマモ場に疑似の藻場を形成するようにしているが、炭化天然繊維aによる紐状体3として、これを例えばフラットヤーンのように幅広にして、疑似藻場の造成基体1を海底に沈設した状態で、この幅広の紐状体3を海藻の一種のワカメに似せるようにしてもよい。
【0045】
更に、針金等の芯材4や支柱6などを省略して、紐状体3を直接的に基盤2に植設してもよく、その植設の形態は、例えば耐塩性の接着剤による接着や、腐食性の糸条による網状体への固縛などを選択できる。
【0046】
上記の実施の形態の説明に際して、造成基体1の沈設対象を海底としたが、例えば養魚場などの池底を対象にしても、疑似藻場としての機能、即ち、幼稚魚の餌場や住処、更には、水質浄化の機能を発揮することに変わりはない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による疑似藻場造成方法によれば、擬似藻場の造成基体を海底に沈設することで、海水中の微生物や幼稚魚、成魚の増殖にとって好適なアマモ場に疑似の藻場が直ちに形成されるのであり、勿論、養魚場などの池底に沈設しても、水中の微生物や幼稚魚などの増殖にとって好適な疑似藻場が直ちに形成されるのであって、本発明によれば、良好な漁場の早期造成に加えて、水質汚染の回復にも寄与し得る疑似藻場造成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 疑似藻場の造成基体を海底に沈設した状態の説明図である。
【図2】 顕微鏡写真を図面化し、かつ、一部を取り出して拡大断面としたヤシ繊維表面の詳細図である。
【図3】 別の実施の形態による疑似藻場の造成基体を示す説明図である。
【図4】 網状体を用いた別の実施の形態による疑似藻場の造成基体を示す説明図である。
【図5】 エコロジー面で好適な基盤を用いた別の実施の形態疑似藻場の造成基体を示す説明図である。
【符号の説明】
2…基盤、3…紐状体、a…天然繊維、d…無機微粒子、e…カップリング剤、T…炭化層。

Claims (3)

  1. 海底もしくは養魚場などの池底に沈設される基盤に、少なくとも表面が炭化せしめられた天然繊維の複数本を撚纏等して太さ3〜20mmで長さ20〜150cmと成した紐状体を適宜の間隔を隔てて立ち姿勢になるように植設して成る擬似藻場の造成基体を、前記紐状体が海中もしくは水中に林立して漂うように海底もしくは池底に沈設し、前記紐状体によって微生物の誘引・増殖を促進させて小動物や幼稚魚の餌にすると共に海水や真水の浄化を行うことを特徴とする疑似藻場造成方法
  2. 前記紐状体が、少なくとも表面が炭化せしめられた天然繊維の孔隙に、無機微粒子を導入して成ることを特徴とする請求項1に記載された疑似藻場造成方法
  3. 前記紐状体が、無機微粒子に有機官能基を導入するためのカップリング剤を結合させて成る請求項2に記載された疑似藻場造成方法
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